物語の概要
ジャンル:
異世界ファンタジー・料理系ライトノベルである。現代の知識や“スキル”を活用して、異世界で料理と冒険を両立する主人公の物語である。
内容紹介:
主人公ムコーダは、スキル「ネット通販」により現代から食材を取り寄せ、異世界で調理を行うことで周囲を感動させてきた。第17巻では、タイトルにもある『シャリアピンステーキ』をめぐる話が中心となる。孤島に潜む謎めいた存在が影を落とし、島を舞台とした探索・危機・交流が描かれる。ムコーダと仲間たちは、異世界の自然やモンスター、現地文化との関わりを通じて、新たな食材発見と人々の信頼を得るべく動く。
主要キャラクター
- ムコーダ(向田 剛志/Muko-da Tsuyoshi):現代日本から召喚された一般人であり、本作の主人公。勇者召喚に巻き込まれたものの、戦闘スキルは乏しく、唯一の能力「ネットスーパー」を活かして異世界で料理や生活基盤を築いていく人物である。
- フェル:ムコーダの従魔。ムコーダとともに異世界を旅し、狩猟や探索で助けとなる存在である。
- スイ:従魔。ムコーダの冒険をサポートする仲間であり、料理や探索面で関わりを持つ。
- ドラちゃん:ムコーダ一行のもう一匹の従魔。戦闘や探索に同行し、ムコーダの無双ぶりを支えるキャラクター。
物語の特徴
本巻の魅力は、「料理・素材採取」と「冒険・遭遇」のバランスが巧みに取られている点である。シリーズ全体において、“放浪メシ”というテーマが常に根底にありながら、単なる料理描写のみならず、狩猟・探索・モンスターとの戦闘・未知の島での遭遇という冒険要素と融合している。また、主人公ムコーダが“無自覚な強さ”で事態を打開していくギャップや、仲間との絆や信頼関係が細やかに描かれている点も読者を惹きつける特徴である。さらに、孤島という閉ざされた舞台での謎や伏線が張られており、先が読めない展開を提供する点が本巻ならではの見せ場である。
書籍情報
とんでもスキルで異世界放浪メシ 17 シャリアピンステーキ×孤島に潜む者
著者:江口 連 氏
イラスト: 雅 氏
レーベル/出版社: オーバーラップノベルス
発売日:2025年9月25日
ISBN:978-4-8240-1346-0
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あらすじ・内容
王都観光は見どころ満載?
「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。彼は王都で一大事業となったリヴァイアサン解体も終わろうかというタイミングで、フェル達に恐竜狩りへと連れ出されてしまう。そしてうっかり狩り過ぎて絶滅種を出してしまったフェル達にお仕置きしたり、持ち帰った素材で王都の冒険者ギルドを困らせたり……。そんなこんなもありつつ、食べ歩きや買い物、“鉄の意志”の昇格祝いなどで王都を満喫したムコーダ一行は、カレーリナへと帰還するのだった。
ようやく王都から帰り、しばらくゆっくりできるだろうと油断していたムコーダ。しかしそんなことをフェル達が許すはずもなく、ムコーダはまたしても狩りへと連れ出されることに。獲物は緑竜らしいけど、どこへ向かうかも教えられないまま辿り着いた先は……!?
「小説家になろう」14億PV超のとんでも異世界冒険譚、謎の島で思わぬ出会いが待つ17巻!
感想
ムコーダ一行がまたしても騒動に巻き込まれる様子が描かれていて、とても面白かった。王都でのリヴァイアサン解体騒動が一段落したと思ったら、今度はフェルたちが恐竜を狩りすぎてしまうという展開には、思わず笑ってしまった。本当に、このパーティーはいつも何かと問題を起こしてくれる。
今回の大きな出来事といえば、やはりグリーンドラゴンを狩るために訪れた孤島での出来事だろう。ドラゴン大好きエルフ、エルランドさんにドラゴンの解体を依頼する必要があったムコーダ一行にとって、孤島に住むハイエルフの夫婦たちとの出会いは、まさに幸運だったと言える。彼らがグリーンドラゴンを解体してくれるだけでなく、ムコーダの家にお世話になることになるとは、予想もしていなかった。
ムコーダにとって、今回の出会いは、長い異世界生活において、かけがえのない友達を得るきっかけになるかもしれない。料理の腕はともかくとして、頼れる仲間が増えるのは心強い。異世界での生活は、常に危険と隣り合わせだからこそ、支え合える存在は貴重だ。
この作品の魅力は、なんといってもムコーダの作る料理と、それに対するフェルたちの反応の面白さにある。シャリアピンステーキをはじめとする様々な料理が登場し、読んでいるだけでお腹が空いてくる。また、フェルたちの食い意地の張った様子や、スライムのスイの可愛らしさも、この作品の大きな魅力だ。
戦闘シーンも、この作品の見どころの一つだ。ムコーダは、決して強いわけではないけれど、持ち前の知恵と現代知識を駆使して、様々な困難を乗り越えていく。その姿を見ていると、勇気をもらえる。
日常パートも、この作品の魅力の一つだ。ムコーダとフェルたちの日常会話は、クスッと笑える場面が多く、読んでいると心が温まる。異世界での生活は大変なことも多いけれど、彼らの日常を見ていると、なんだかほっとする。
今回の物語では、ムコーダが新たな仲間を得て、さらに賑やかになる様子が描かれていた。今後の展開がますます楽しみになった。次はどんな料理が登場するのか、どんな騒動が巻き起こるのか、今から待ち遠しい。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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登場キャラクター
ムコーダ
料理と交渉で状況を動かす旅行者である。従魔と契約し、素材の管理と調理を一手に担う。
- 所属組織、地位や役職
旅の一行・まとめ役。冒険者登録あり。 - 物語内での具体的な行動や成果
ジェールトヴァ山の秘境報告を実施。リヴァイアサン素材の売却と献上を調整。スーパーサウルス肉を塩麹とタマネギで軟化し、和風シャリアピンステーキを完成。王都の教会と孤児院へ寄付を実行。ハイエルフ六名を調理と解体の協力者として取りまとめた。緑竜の討伐後に調理を行い、一行の食事を整えた。 - 地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
料理と補給で一行の求心点となる。供物対応で神々との関係を維持。素材運用と資金管理の裁量を持つ。
フェル
高位の魔獣である。戦闘で先陣を切り、食事への要求が強い。
- 所属組織、地位や役職
ムコーダの従魔。前衛。 - 物語内での具体的な行動や成果
緑竜討伐で主力となる。屋台巡りで食の選定を主導。素材警備の抑止力としても機能。 - 地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
「食パン刑」により行動が抑制された。食への動機が行軍判断に影響する。
ゴン爺
古竜である。移動と制圧を担い、豪胆かつ酒に弱い。
- 所属組織、地位や役職
ムコーダの従魔。輸送と火力担当。 - 物語内での具体的な行動や成果
空輸で長距離移動を実現。緑竜討伐で決定打を与える。酒席での失態が発生。 - 地位の変化、昇進、特筆事項
「食パン刑」の対象となり、以後の抑止力として扱われた。
ドラちゃん
小型の竜である。機動戦と率直な発言が特徴である。
- 所属組織、地位や役職
ムコーダの従魔。機動攻撃担当。 - 物語内での具体的な行動や成果
緑竜戦で連撃を加える。屋台と肉料理に高反応を示す。 - 地位の変化、特筆事項
献立会議で揚げ物案を追加し、調理の幅を広げた。
スイ
スライムである。回復薬生成と多用途攻撃を行う。
- 所属組織、地位や役職
ムコーダの従魔。補給と範囲攻撃担当。 - 物語内での具体的な行動や成果
自作エリクサーで少女の視力を回復。緑竜の巣の突破と止めに寄与。 - 地位の変化、特筆事項
辛味耐性が低く、以後の選択に配慮が必要となった。
ブラム
王都冒険者ギルドの幹部である。実務と調整に長ける。
- 所属組織、地位や役職
王都冒険者ギルド・幹部。 - 物語内での具体的な行動や成果
秘境特定を主導し、買い取りと献上の案分を確定。倉庫警備体制を整備。 - 地位の変化、特筆事項
過大献上案を修正し、現実的な落としどころを提示した。
ヴィレム
王都ギルドの実務担当である。報告の検証と搬送を担う。
- 所属組織、地位や役職
王都冒険者ギルド・幹部。 - 物語内での具体的な行動や成果
秘境認定の裏付けを進め、献上物資の受け渡し経路を確保。 - 地位の変化、特筆事項
伯爵家への連絡窓口を担当した。
エルランド
解体の達人である。竜種素材に強い執着を見せる。
- 所属組織、地位や役職
王都冒険者ギルド・解体主任格。 - 物語内での具体的な行動や成果
徹夜で大型個体の解体を完遂。爪の入手を熱望。 - 地位の変化、特筆事項
暴走気味の性癖を理由に、一時的に監視と隔離の措置を受けた。
モイラ
現場監督である。抑制役として機能する。
- 所属組織、地位や役職
王都冒険者ギルド・監督役。 - 物語内での具体的な行動や成果
解体現場の統制を実施。エルランドの逸脱を制止。 - 地位の変化、特筆事項
高ランク冒険者を動員し、素材の防衛に関与。
ギルドマスター(王都)
組織運営の長である。最大規模の解体事業を統括した。
- 所属組織、地位や役職
王都冒険者ギルド・ギルドマスター。 - 物語内での具体的な行動や成果
買い取り総額と支払計画を確定。裏市場対策を指揮。 - 地位の変化、特筆事項
素材販売の枠組みを決め、オークション方針を承認。
ギルドマスター(カレーリナ)
地域運営の長である。事情聴取と隊の安全を管理する。
- 所属組織、地位や役職
カレーリナ冒険者ギルド・ギルドマスター。 - 物語内での具体的な行動や成果
王都帰還後の事情聴取を実施。解体担当の不在を調整。 - 地位の変化、特筆事項
空路移動に恐怖を示しつつ、実務を継続。
アイアン・ウィル
中堅の冒険者隊である。昇級により装備更新へ動いた。
- 所属組織、地位や役職
冒険者パーティ・Bランク。 - 物語内での具体的な行動や成果
昇級記念の宴に参列。肉ダンジョン攻略の意欲を表明。 - 地位の変化、特筆事項
解体事業の収入を装備投資に回す方針を確立。
ヴィンセント
酒に強い前衛である。場を盛り上げる性格である。
- 所属組織、地位や役職
アイアン・ウィル・戦士。 - 物語内での具体的な行動や成果
古竜戦の真相を問い、決闘の火種を作った。 - 地位の変化、特筆事項
宴席での発言が騒乱に発展しかけた。
リタ
迅速な判断を示す冒険者である。突っ込み役を担う。
- 所属組織、地位や役職
アイアン・ウィル・前衛。 - 物語内での具体的な行動や成果
古竜の相手を確認し、場の空気を動かした。 - 地位の変化、特筆事項
隊の意思決定を補助した。
ラモン
調達に明るい隊員である。買い物で支援する。
- 所属組織、地位や役職
アイアン・ウィル・隊員。 - 物語内での具体的な行動や成果
王都残留を選び、装備更新を計画。 - 地位の変化、特筆事項
資金配分に関与。
フランカ
装備選定に関心が強い。裏方で支える。
- 所属組織、地位や役職
アイアン・ウィル・隊員。 - 物語内での具体的な行動や成果
良品探索を進め、隊の戦力底上げに寄与。 - 地位の変化、特筆事項
買い出し担当として機能。
ヨハン
熟練の解体士である。作業の精度が高い。
- 所属組織、地位や役職
カレーリナ冒険者ギルド・解体担当。 - 物語内での具体的な行動や成果
休暇で不在となり、解体計画が遅延。部分解体から再開。 - 地位の変化、特筆事項
大型甲殻類の取り扱いで評価が高い。
ヨルゲン
寡黙なハイエルフである。弓と解体に熟達する。
- 所属組織、地位や役職
島のハイエルフ・代表格。 - 物語内での具体的な行動や成果
敵意から接触し、試食で態度を軟化。村へ招待し、解体協力を約した。 - 地位の変化、特筆事項
ムコーダの料理を評価し、合流を決断。
アデラ
理性的なハイエルフである。家内の調和を重んじる。
- 所属組織、地位や役職
ハイエルフ・ヨルゲンの妻。 - 物語内での具体的な行動や成果
村での受け入れを支援。解体作業に参加。 - 地位の変化、特筆事項
食の評価で合流を後押し。
ヴェルデ
実務派のハイエルフである。段取りと指示が正確である。
- 所属組織、地位や役職
ハイエルフ・解体指揮。 - 物語内での具体的な行動や成果
大型解体台の仕様を調整。血抜きと衛生工程を管理。 - 地位の変化、特筆事項
地竜爪ナイフで鱗の処理を主導。
セルマ
温和な伴侶である。作業の補助に回る。
- 所属組織、地位や役職
ハイエルフ・ヴェルデの妻。 - 物語内での具体的な行動や成果
解体の分業に参加し、進行を安定させた。 - 地位の変化、特筆事項
生活面の調整役。
ラドミール
力仕事と処理を担う。黙々と作業を進める。
- 所属組織、地位や役職
ハイエルフ。 - 物語内での具体的な行動や成果
大型個体の運搬に従事。分割と整形を担当。 - 地位の変化、特筆事項
実績を背景に合流を受諾。
ラウラ
土魔法に長ける。基盤整備を得意とする。
- 所属組織、地位や役職
ハイエルフ。 - 物語内での具体的な行動や成果
屋外解体台を土魔法で構築。勾配と硬化を調整。 - 地位の変化、特筆事項
現場の効率を向上させた。
ニンリル
気ままな神である。菓子を好み、戒めの言葉を投げる。
- 所属組織、地位や役職
神域。 - 物語内での具体的な行動や成果
神託で治療を要請。供物の遅延を叱責。機密保持を命じた。 - 地位の変化、特筆事項
供物の量と頻度に介入。
キシャール
美容を好む神である。要望が具体的である。
- 所属組織、地位や役職
神域。 - 物語内での具体的な行動や成果
ヘアケア用品の献上を受領。教会の窮状を伝達。 - 地位の変化、特筆事項
供物の品目に指向性がある。
アグニ
酒を好む神である。豪放で単純明快。
- 所属組織、地位や役職
神域。 - 物語内での具体的な行動や成果
多銘柄のビール献上を受け、歓喜した。 - 地位の変化、特筆事項
飲酒癖が強い。
ルカ
甘味を好む神である。反応が素直。
- 所属組織、地位や役職
神域。 - 物語内での具体的な行動や成果
ケーキとアイスの献上で満足を示す。 - 地位の変化、特筆事項
嗜好が明確で扱いやすい。
ヘファイストス
酒精を嗜む神である。技と火に関わる。
- 所属組織、地位や役職
神域。 - 物語内での具体的な行動や成果
厳選ウイスキーの献上を受領。 - 地位の変化、特筆事項
夜通しの宴に参加。
ヴァハグン
戦の神である。酒を愛する。
- 所属組織、地位や役職
神域。 - 物語内での具体的な行動や成果
ウイスキー献上に喜び、宴を約す。 - 地位の変化、特筆事項
嗜好がヘファイストスと重なる。
デミウルゴス
創造の神である。温和な応対を見せた。
- 所属組織、地位や役職
神域。 - 物語内での具体的な行動や成果
日本酒と肴の献上を受け、感謝を述べた。 - 地位の変化、特筆事項
従者への配慮を口にした。
グリフィス
現地情報を持つ者である。提案が過激である。
- 所属組織、地位や役職
カレーリナ側の知己。 - 物語内での具体的な行動や成果
緑竜の話を持ち出し、狩猟案を後押し。 - 地位の変化、特筆事項
一行の進路に影響を与えた。
タバサ
門番である。連絡と見送りを担う。
- 所属組織、地位や役職
カレーリナ・門警備。 - 物語内での具体的な行動や成果
帰還の確認と土産配りの連絡を受領。 - 地位の変化、特筆事項
現場の連絡窓口。
バルテル
門番である。宴での酒に強い。
- 所属組織、地位や役職
カレーリナ・門警備。 - 物語内での具体的な行動や成果
ゴン爺を酒で持ち上げ、翌朝の醜態を招いた。 - 地位の変化、特筆事項
場の空気を動かすことがある。
ブルーノ
工事業者である。納期と受注を調整する。
- 所属組織、地位や役職
建築請負。 - 物語内での具体的な行動や成果
奴隷用住宅の工期延長を通告。追加受注の事情を説明。 - 地位の変化、特筆事項
顧客対応で妻と役割分担。
アニカ
商売熱心である。酒類の扱いに関心が高い。
- 所属組織、地位や役職
ブルーノの妻。事務と営業。 - 物語内での具体的な行動や成果
酒販売の開催を強く要望。 - 地位の変化、特筆事項
今後の取引拡大に絡む可能性がある。
アルバン
畑仕事の中心である。誤解の解消に協力した。
- 所属組織、地位や役職
村の農作担当。 - 物語内での具体的な行動や成果
石鹸類の詰替と農作業を進行。 - 地位の変化、特筆事項
人手計画の意図を理解した。
トニ
家族で作業に当たる。現場の手を支える。
- 所属組織、地位や役職
村の労務。 - 物語内での具体的な行動や成果
畑と加工を分担。 - 地位の変化、特筆事項
補助戦力として安定。
ルーク
酒席の同席者である。朝の醜態の当事者。
- 所属組織、地位や役職
門警備の仲間。 - 物語内での具体的な行動や成果
宴での飲み過ぎにより翌朝の失態を見せた。 - 地位の変化、特筆事項
以後の自制が課題。
アーヴィン
同席した冒険者である。振る舞いが豪快。
- 所属組織、地位や役職
地域の冒険者。 - 物語内での具体的な行動や成果
宴での飲食に参加し、翌朝の寝落ち組となる。 - 地位の変化、特筆事項
作業参加の意欲を見せた。
登場料理
ギガントミノタウロスとダンジョン牛のステーキ
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:ギガントミノタウロス、ダンジョン牛
・出典:なし
スーパーサウルス肉の塩胡椒焼き(試食)
・食べた者:ムコーダ
・使用魔物素材:スーパーサウルス
・出典:なし
牛丼
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:ダンジョン牛
・出典:なし
シャリアピンステーキ
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:スーパーサウルス
・出典:ネットスーパーの塩麹、タマネギ、赤ワイン、醤油、砂糖
ホーンラビットの串焼き
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:ホーンラビット
・出典:なし
激辛煮込み
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ(スイは少量のみ)
・使用魔物素材:不明
・出典:なし
コカトリス串焼き(ニンニク塩ダレ)
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:コカトリス
・出典:なし
肉野菜丼
・食べた者:冒険者ギルドの面々
・使用魔物素材:不明
・出典:なし
スイ特製エリクサー
・食べた者:アナベラ(投与)
・使用魔物素材:不明(スイ製作)
・出典:なし
スイーツ各種(供物)
・食べた者:風の女神ニンリル
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーの不二家スイーツ、ホールケーキ、どら焼き
ビール各種(供物)
・食べた者:火の女神アグニ
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーのビール
ケーキとアイス(供物)
・食べた者:ルカ
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーのケーキ、アイス
ウイスキー各種(供物)
・食べた者:ヘファイストス、ヴァハグン
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーのウイスキー
日本酒と缶つま、モツ鍋(供物)
・食べた者:デミウルゴス
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーの日本酒、缶つま、モツ
BBQ(ダンジョン牛・ギガントミノタウロス・野菜)
・食べた者:“アイアン・ウィル”、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:ダンジョン牛、ギガントミノタウロス
・出典:ネットスーパーの焼き肉タレ
ホルモン焼き
・食べた者:“アイアン・ウィル”、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:ダンジョン牛の内臓
・出典:ネットスーパーの調味料(味噌、酒、みりん、砂糖、コチュジャン、ニンニク、ショウガ、ごま油)
ダンジョン豚と牛のステーキ(ステーキ三昧)
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:ダンジョン牛、ダンジョン豚
・出典:なし
BBQ(ダンジョン牛・ダンジョン豚・畑の野菜)
・食べた者:アルバン一家、トニ一家、冒険者組、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:ダンジョン牛、ダンジョン豚
・出典:なし
アヒージョ
・食べた者:アルバン一家、トニ一家、冒険者組
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーのオリーブオイル、ニンニク
から揚げ
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ、ハイエルフのヨルゲン
・使用魔物素材:コカトリス
・出典:ネットスーパーの調味料(醤油等)、揚げ油
とんかつ
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ、ハイエルフ6人
・使用魔物素材:コカトリス
・出典:ネットスーパーのパン粉、揚げ油
そぼろ丼
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ、ハイエルフ6人
・使用魔物素材:ダンジョン牛、ダンジョン豚
・出典:ネットスーパーの温泉卵
あんかけ丼
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:ダンジョン牛、ダンジョン豚
・出典:ネットスーパーの調味料、片栗粉
緑竜ステーキ
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ、ハイエルフ6人、ムコーダ
・使用魔物素材:緑竜
・出典:ネットスーパーのステーキ醤油
オムライス+厚切りオークチャップ
・食べた者:フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ
・使用魔物素材:オーク肉
・出典:ネットスーパーのケチャップ、バター、小麦粉
登場魔物
ギガントミノタウロス
巨大な牛型の魔物であり、筋骨隆々とした姿をしている。ムコーダ一行が討伐し、肉はステーキとして調理された。赤身の旨味が強く、ダンジョン牛と合わせて焼かれ、従魔たちに振る舞われた。
・使用料理:ステーキ、BBQ
・狩猟者:フェル、スイ
・補足事項:調理描写あり、余剰分は保存された
スーパーサウルス
恐竜型の魔物であり、極めて大型で群れを成して生息していた。フェルたちが暴れた結果、群れの個体は全滅した。肉は塩胡椒で試食されたのち、シャリアピンステーキとして提供された。
・使用料理:塩胡椒焼き、シャリアピンステーキ
・狩猟者:フェル、ドラちゃん、スイ
・補足事項:討伐の結果、種全体が絶滅した
ダンジョン牛
ダンジョンに棲息する牛型の魔物であり、旨味の濃い肉を持つ。狩猟後は牛丼やステーキ、BBQなど幅広い料理に使用された。冒険者や従魔の食事の中心となった。
・使用料理:牛丼、ステーキ、BBQ、そぼろ丼、あんかけ丼
・狩猟者:フェル、スイ
・補足事項:主要食材として頻出
ホーンラビット
角を持つ兎型の魔物であり、群れで生息する。狩猟された個体は串焼きにして食された。香ばしい肉質が特徴である。
・使用料理:串焼き
・狩猟者:フェル、スイ
・補足事項:調理描写あり
コカトリス
大型の鶏型魔物であり、肉は鶏肉に近い。狩猟された個体はニンニク塩ダレの串焼きやから揚げ、とんかつなどに使用された。冒険者やハイエルフたちにも振る舞われた。
・使用料理:串焼き(ニンニク塩ダレ)、から揚げ、とんかつ
・狩猟者:フェル、スイ
・補足事項:揚げ物料理として多用された
ダンジョン豚
ダンジョンに棲息する豚型の魔物であり、脂の乗った肉質を持つ。狩猟された肉はステーキやそぼろ丼、BBQなどに使用された。ダンジョン牛と組み合わせて提供されることも多い。
・使用料理:ステーキ、そぼろ丼、BBQ、あんかけ丼
・狩猟者:フェル、スイ
・補足事項:複数料理に利用された
緑竜
竜種の一体であり、強力な存在として描かれる。討伐後に肉はステーキとして調理され、従魔やハイエルフらに振る舞われた。肉質は希少であり、特別な食材として扱われた。
・使用料理:ステーキ
・狩猟者:フェル、スイ
・補足事項:調理描写あり、希少食材
展開まとめ
第一章 食パンだけ最強
ギルドでの報告と秘境の特定
ムコーダたちは王都冒険者ギルドでブラムとヴィレムにカルデラ探索の詳細を報告した。聞き取りの結果、訪れた場所がジェールトヴァ山の秘境であると特定された。この山は極寒の地であり、高ランク冒険者でも滅多に近づかぬ危険地帯だった。彼らは知らぬ間に国境を越えていたことも判明した。
恐竜絶滅の告白
ムコーダは報告の中で、最後に解体を依頼した恐竜が絶滅したと明かした。フェルたちが暴れ過ぎたため、僅か七頭しかいなかった個体群を全滅させてしまったのである。ブラムとヴィレムは深くため息をつき、行動の重大さを指摘したが、秘境ゆえに他の者では起こり得なかったことだと結論した。
スーパーサウルスの効能
鑑定の結果、その恐竜は薬効を持ち、血や内臓が貴重な素材になることが判明した。ドラゴン素材ほどではないが、エリクサーの材料となり得る力を持ち、薬師たちが求める品であった。完全治癒は不可能でも、欠損や怪我を治す効果があるとされた。ブラムは残りの五頭について興味を示し、ムコーダは予算次第で譲渡を約束した。
解体作業の完了
倉庫を訪れると、エルランドが徹夜で解体を終えており、モイラも監視のため付き添っていた。肉や皮、骨、血、内臓など膨大な素材が整然と渡された。最後に出された爪を巡ってエルランドが執着し、モイラに叱責されたが、将来的に購入可能だとムコーダに告げられて喜んだ。
静観する仲間たち
全てを受け取ったムコーダは倉庫を後にした。フェルたちは一連の交渉や騒動に関与せず、静かに見守っていた。ムコーダは彼らの態度に苦笑しつつ、事の重大さと仲間たちの無関心さを改めて実感していた。
食いしん坊たちの要求
冒険者ギルドから戻ったムコーダは、フェルたち食いしん坊カルテットからスーパーサウルスの肉を夕飯にしろと迫られた。特にフェルとゴン爺が強く主張したが、肉が硬すぎると理由をつけて断り、代わりにギガントミノタウロスとダンジョン牛のステーキを大量に焼いて応じた。
硬さの確認
夕食後、ムコーダは改めてスーパーサウルスの肉を少量切り取り、塩胡椒で焼いて試食した。味自体は悪くなかったが、食感はゴムのように硬く、何度噛んでも噛み切れなかったため、最後は吐き出すしかなかった。フェルやゴン爺の言葉が誇張でないと痛感した。
塩麹での工夫
硬さを克服する方法を考えたムコーダは、塩麹に漬ければ肉が柔らかくなることを思い出した。ネットスーパーで塩麹を購入し、肉を適当な大きさに切ってフォークで穴を開け、袋に入れて塩麹を揉み込んだ。そして魔道冷蔵庫で一晩寝かせることにし、柔らかくなるよう祈りながら扉を閉じた。
牛丼での朝食
翌朝もフェルたちからスーパーサウルスの肉を求められたが、ムコーダは柔らかくしている最中だと説明し、代わりに作り置きしていたダンジョン牛の牛丼を振る舞った。食いしん坊たちは不満を漏らしつつも牛丼を受け入れ、朝食は穏やかに終わった。
塩麹漬けの成果
朝食後、塩麹に漬けていたスーパーサウルスの肉を確認したムコーダは、触感が柔らかくなっていると感じ、試食した。結果として十分に噛み切れる程度に改善されていたが、さらに柔らかさを追求することにした。
シャリアピンステーキ作り
肉を柔らかくする次の手段としてムコーダはタマネギを用いた。大量の極旨タマネギをすりおろしとみじん切りにして準備し、塩麹を落とした肉を叩いて筋を処理し、格子状の切り込みを入れた。そこへタマネギをなじませて冷蔵庫で二時間寝かせた後、フライパンで両面を焼き、バターで炒めたタマネギに赤ワイン、醤油、砂糖を加えたソースを作り、肉にかけた。
完成と試食
完成した和風シャリアピンステーキを味見したムコーダは、その柔らかさと旨味に感嘆した。かつての硬さが嘘のように食べやすくなり、白飯と共に食べたくなる味わいであった。ムコーダは仲間たちの反応を楽しみにしながら、炊き立てのご飯を用意した。
シャリアピンステーキの評判
昼食に供されたスーパーサウルスの和風シャリアピンステーキは、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイに大好評だった。四者は口々におかわりを求め、硬かった肉が信じられないほど柔らかくなったことに驚きと喜びを示した。
調理法の説明と反応
ムコーダは、元は自分ですら噛み切れないほど硬かった肉を、塩麹とタマネギで漬け込むことで柔らかくしたと説明した。食いしん坊たちはこの方法によって、いつでも美味しい肉が食べられると盛り上がり、再び食べたいと声を揃えた。
予期せぬ負担
しかし、ムコーダにとっては調理に時間と手間がかかるため、気軽に作れる料理ではなかった。仲間たちが当然のように次を期待する様子に、彼は内心で墓穴を掘ったと感じていた。
第二章 王都観光
スーパーサウルス肉の話題と屋台巡り
朝食の席でもスーパーサウルスの肉を求められたが、仕込みが必要であることや絶滅した希少な肉であることを理由に断ると、フェルたちは一時的に落ち込んだ。しかし屋台巡りの話題を出すと機嫌を取り戻し、一行は王都観光に繰り出した。ムコーダは果物や小麦粉、ハーブの買い物を目的とし、フェルたちは屋台での爆食を楽しみにしていた。
マーリア広場と屋台の賑わい
一行は王都の憩いの場であるマーリア広場に到着した。広場は噴水や整備された景観で賑わい、人々で溢れていた。食いしん坊カルテットはすぐに屋台へと目を輝かせ、肉系の屋台ばかりを次々と梯子した。その様子は注目を集め、リヴァイアサン討伐で名を知られた彼らの動向に人々は興味を示した。屋台の売り上げは急増し、店主たちは喜びの表情を浮かべていた。
串焼き屋台との出会い
一行が次に選んだのは見た目は普通の串焼き屋台であった。店主は自信満々に串を焼き、提供された肉は柔らかく旨味が強く、シンプルなハーブソルトの味付けが絶妙であった。ニンニクの風味を爽やかにまとめるブレンドにムコーダは感心し、さらに柑橘系の香りを察知して店主を喜ばせた。
ホーンラビット肉の驚き
やがてその肉がホーンラビットであると明かされ、ムコーダは驚愕した。以前はクセがあり硬い肉として避けていたが、特別な下処理によって驚くほど美味に変わっていたのである。フェルたちは追加を求め、ムコーダは100本を購入した。結果として屋台は長蛇の列を成し、大盛況となった。
屋台から市場へ
美味い串肉の屋台を最後に、ムコーダ一行はマーリア広場を後にした。フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは食べ足りないと不満を漏らしたが、市場にも屋台があるという一言で機嫌を直し、王都中央市場へ向かったのである。
王都中央市場の活気と統制
王都の台所と呼ばれる中央市場は人と店で溢れ、活気に満ちていた。食いしん坊カルテットは屋台に突撃しようとしたが、ムコーダはまず自身の買い物に付き合うよう強く制して順序を決めた。屋台巡りは買い物の後とし、一行は市場内を物色して歩いた。
キウィとの出会いと即断の買い付け
ムコーダは巨大なゴールドキウィとグリーンキウィを見つけ、産地が小国群で冒険者の採取品であること、甘味と酸味の特徴を確認した。地物ゆえの期待から両種を大量購入し、グリーン二十個とゴールド三十個をまとめて買い上げ、計金貨百枚と銀貨九枚を支払った。売り手は在庫が動いたことに安堵し、双方に利益がある取引となった。
既存の果物確保と量のこだわり
ムコーダはすでに酸味の強いアプールと柑橘のオランジュも大量に押さえており、果物は手に入りにくいからこそ質の良いものを市場で確保する方針を貫いた。食いしん坊カルテットの急かしを退け、珍しい果物の探索を続行したのである。
スイの機嫌取りと買い物続行
長引く買い物に飽きかけたスイには、購入したゴールドキウィを与えて甘味を示し、興味をつないだ。スイは即座に気に入り、さらなる果物探索に賛同したため、買い物は円滑に続行された。
高級果物店での大口購入
小綺麗な高級店でムコーダはマンゴーを発見した。小国群やガイスラー帝国の一部でしか採れず、Bランク冒険者が採取した希少品で一つ金貨七枚と高価であったが、在庫をまとめて買い取った。さらにクラーセン皇国北部産のライチも瑞々しさに惹かれて大量購入し、店では果物だけで金貨百枚以上を費やした。店主は満面の笑みで見送り、ムコーダも高額ながら後悔はないと胸を張っていた。
屋台より買い出しを優先
ムコーダが果物の買い付けを終えた後も、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは屋台へ向かおうとしたが、ムコーダは食材の質が味に直結することを理由に制し、まずは市場での買い物を続行する方針を徹底した。四者は不満を漏らしつつも渋々同意したのである。
小麦粉専門店での選定と大量購入
ムコーダは小麦粉店で店主の勧めを受け、用途と風味の違いが明確な五種を選定した。ダルシー産全粒粉、カマルク産とルオー産のブレンド全粒粉、マルツ産全粒粉の各大袋を複数、さらにセーデルフェルト産白小麦粉とセーデルフェルト産×アラゴ産ブレンドの白小麦粉を高値ながら押さえた。合計は金貨一枚相当で、最上位品は特に高価であったが、パンの香りと食感を重視して確保したのである。
犬獣人の店でミックスハーブを吟味
続いてミックスハーブ店を訪れ、犬獣人の店主が勧めるハーブソルトを試味した。塩を含む完成ブレンドは香りのバランスが良く、肉の下味だけで十分に仕上がる出来であった。さらに王都で流行中というレモーネ皮入りの柑橘系ブレンドも試し、爽やかな香気が肉・魚双方に合うと判断して、両方を小袋複数ずつ高値で購入した。
寄り道の散財と満足
以後もムコーダは茶葉店など気になった店に吸い寄せられるように立ち寄り、手持ちがあるにもかかわらず良品を見つけては買い足した。屋台巡りを後回しにした分、王都中央市場での買い物は計画以上の充実を見せ、ムコーダは満足げに市場散策を続けていた。
屋台再開と食欲の高揚
買い物を終えたムコーダが屋台街へ向かうと、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは各種の屋台に強い関心を示し、串焼きや煮込み、果物屋台まで視線を走らせていた。市場内の屋台は種類が豊富で、四者は意気揚々と食べ歩きを再開したのである。
激辛煮込みの試食と対応
フェルが選んだ辛口の煮込みを前に、ムコーダはスイの嗜好を案じたが、スイは少量から試すことを望んだ。試食の結果、フェルとゴン爺は濃い味と辛味を好評とし、ドラちゃんは米との相性を指摘した。一方でスイは強い辛味に苦しみ、ムコーダはフルーツ牛乳を用意して鎮めた。ムコーダは止め切れなかったことを反省し、スイも以後は助言に従うと述べていた。
白飯投入と完食処理
ムコーダが白飯を出すと、フェル、ゴン爺、ドラちゃんは煮込みと共に勢いよく食べ進めた。辛味が強い煮込みは結局フェルが引き受けて完食し、スイの皿は無理を避けて回収された。四者の嗜好差が明確になり、以降の選択に配慮が必要であるとムコーダは認識していた。
ニンニク塩ダレの串焼き
ドラちゃんが選んだのはコカトリス肉の串焼きで、ガーリケとハーブ、塩を合わせた特製ダレが香ばしく仕上がっていた。元冒険者の店主が焼き上げた串は評判通りで、フェルとゴン爺は香味の強さを称賛し、スイも機嫌を取り戻して美味と評した。ムコーダは漬け込みの浅さからやや硬さを感じつつも総じて高評価としていた。
日暮れまでの食べ歩き
以後はゴン爺の嗅覚を手がかりに屋台を次々と梯子し、四者は日暮れまで食べ歩きを続けた。屋台が閉まる直前まで市場を巡り、ムコーダは振り回されつつも王都の味覚と活気を余すところなく体験したのである。
第三章 王都でお布施&寄付巡り
冒険者ギルドからの呼び出し
ムコーダ一行は、リヴァイアサン素材の買い取り方針決定の報を受け、王都冒険者ギルドへ向かった。前夜の連絡はカレーリナのギルドマスター経由であり、激務の様子がうかがえたため、ムコーダは肉野菜丼を振る舞って労ったのである。
物々しい警備と裏市場の事情
倉庫には高ランク冒険者が多数配置され、解体後の素材が盗難対象になりやすい状況が説明された。実際に不審者が摘発され、職員の中からも一名逮捕者が出ていた。また、ムコーダの借家周辺にも警備が付いていたことが明かされ、フェルとゴン爺の一睨みで不届き者が退散していた事実が共有された。素材は裏のマーケットで巨額で流通し得るため、最大限の警戒が必要とされたのである。
買い取り品目と巨額の提示
ギルド側が提示した買い取り対象は、巨大壺入りの血、眼球、骨の一部、小さめの牙一本、脳の一部、肝の一部であった。提示額は金貨十八万枚で、三回分割払いの要請がなされ、ムコーダは了承した。初回分として白金貨六百枚(=金貨六万枚相当)が即時支払われ、ムコーダは無言で受領したのである。
献上案の協議と落としどころ
残余素材の返却を前に、ムコーダは王とラングリッジ伯への献上を提案した。当初は王に半分、伯に四分の一という過大案であったため、ブラムらに即時却下され、数量調整の協議に移った。結果、王への献上は血五本と皮のごく一部および小型の牙二本、伯への献上は血二本に確定した。リヴァイアサンの肉についてはフェルたちの強い反対で贈呈対象から外された。王への分はブラム、伯への分はヴィレムに託し、届け出は一任したのである。
果てしない残余と徒労感
買い取りと献上を差し引いても素材は山のように残り、ムコーダは機械的にアイテムボックスへ収め続けた。一連の手続きを終えると疲労が一気に押し寄せ、早く帰ってふて寝したいと独白するに至ったのである。
ギルド後日談と変人封じ
ムコーダは買い取り交渉を終えて疲労困憊。ふとエルランドの不在を尋ねると、ブラムが「面倒になる」として休ませ、モイラと高ランク冒険者5名で宿に監禁中、脱走未遂まであったと明かす。ムコーダはフェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイを促して退散した。
教会・孤児院への大盤振る舞い
翌朝から王都の各教会と併設孤児院を巡回。キシャールの教会では逼迫する運営事情を聞き、白金貨10枚を寄付。以後も規模や子どもの数に応じ、基本は金貨500枚+上乗せで次々と支援していく。教会の多さにムコーダは音を上げつつも、「残りは明日以降」と決めて継続を誓う。
ニンリルの教会での神託と奇跡
締めに訪れたニンリルの教会。司祭と対面したところで、フェルに神託が降り、両目が白濁した5歳の少女アナベラの治癒を求められる。ムコーダはスイ特製エリクサーを投与。少女は眩い光ののち視力を回復し、「見える!」と歓喜。直後、ニンリル本人が声で降臨し、「ムコーダがエリクサーを持つことは口外無用」と司祭に厳命、さらにムコーダへは「月一供え物の遅延」を叱責して増量供えを催促。ムコーダは内心ツッコミを入れつつ了承する。
締めの寄付と帰路へ
呆然とする司祭に白金貨8枚を託して辞去。見送るアナベラから「おじちゃん、ありがとう」と手を振られ、ムコーダは心で軽く出血。帰路、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは夕飯に「肉!」と合唱。ムコーダはスイをあやしつつ、今夜の献立を思案しながら家路についた。
第四章 神様チョロい
教会巡りの完了と準備
ムコーダは王都の全教会への寄付を三日遅れで終え、強行日程で疲労困憊していた。それでも神々への供物を渡すため、眠気をこらえて準備に取りかかった。
神々の召喚と叱責
呼びかけに応じた神々は三日遅延を強く咎めた。ムコーダは次回から厳守すると誓い、各神への供物を渡し始めた。
ニンリルへの菓子献上
不二家の限定スイーツやホールケーキ、どら焼きなどを用意。糖分切れで高揚していたニンリルは歓喜して箱を開け、手づかみで食べ始めた。
キシャールへのヘアケア用品献上
美容雑誌を参考にリスト化された希望品のうち、ヘアオイル三種を確保。キシャールは美髪の追求に意欲を燃やした。
アグニへのビール献上
定番ブランドに加え、地ビールや海外産の飲み比べセットを多数用意。アグニは大喜びで今夜も浴びるほど飲むと宣言した。
ルカへのケーキとアイス献上
限定ケーキや各種ケーキ、アイスを大量に準備。特に好物のバニラを多めに揃え、ルカは満足を示した。
ヘファイストスとヴァハグンへのウイスキー献上
世界初の熟成バーボンやアイラ島産スコッチ、国産銘酒など厳選された六種を含む大量のウイスキーを提供。二柱は夜通し飲み明かすと意気込んだ。
デミウルゴスへの日本酒と肴献上
店主厳選の日本酒飲み比べセットTOP5、梅酒、缶つま全種、さらにモツ鍋を用意。デミウルゴスは遅延を気にせず感謝し、従者も喜ぶと語った。
後始末と課題
全供物を渡し終えたムコーダは安堵したが、モツの在庫が減っていることに気づき、早急な補充を検討する必要を認識した。
第五章 王都更地の危機?
Bランク昇級の祝宴
ムコーダは“アイアン・ウィル”のBランク昇級を祝し、庭でBBQ形式の宴を開いた。冷えたラガービールを木製ジョッキで振る舞い、面々は豪快に酒を楽しんだのである。
高級肉と“肉ダンジョン”談義
振る舞いの肉はダンジョン牛とギガントミノタウロスであり、既製の焼き肉タレで漬け込み、玉ねぎや茄子と共に供された。味に感嘆した一同に対し、ムコーダは“肉ダンジョン”下層上位種の肉の旨さと高値買い取り事情を説明し、ヴェルナーらは攻略意欲を見せた。
ホルモンの衝撃とビールの相性
続いてダンジョン牛の内臓を味噌・酒・みりん・砂糖・コチュジャン・ニンニク・ショウガ・ごま油の揉みダレで焼いて提供した。最初は尻込みした“アイアン・ウィル”も一口で評価を覆し、ビールとの相性に歓声を上げた。フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイも旺盛に食した。
古竜戦の真相と一触即発
酔ったヴィンセントとリタが、フェルが語った古竜との戦闘相手が誰かを問い、フェルはゴン爺であると認めた。これを機に二体は互いを挑発し、その場での決闘を示唆して睨み合い、場は緊迫した。
ムコーダの制止と“食パン刑”
王都被害を懸念したムコーダは一喝し、フェルとゴン爺の頭を叩いて制止したうえで、反省がなければ翌日の食事を“食パンのみ”と通告した。二体は不満を漏らしつつも沈黙し、事態は収束した。周囲はムコーダの統率に感嘆し、ドラちゃんはスイに戒めを諭したのである。
出発準備と“食パンデー”の続行
ムコーダは王都滞在の残り数日を、フェルとゴン爺への罰として“食パンデー”を実施しつつ過ごした。二日目の夜には通常食へ戻し、並行してカレーリナの仲間への土産を整えたのである。
解体事業の終幕と見送り
王都門前の草原で、ギルドマスター、ムコーダ一行、“アイアン・ウィル”が集い、リヴァイアサン解体という王都史上最大級の事業完了を確認した。ギルドマスターは疲労困憊で帰郷を喜びつつ、度重なる騒動の元凶に苦言を呈した。
“アイアン・ウィル”の装備更新計画
Bランク昇級を果たした“アイアン・ウィル”は、王都に残留して武器・防具を新調する方針を示した。資金源は解体事業の収入であり、ラモンとフランカも良品探索に意欲を見せた。
肉ダンジョン祭りへの合流計画
ムコーダの助言により、一行はローセンダールの“肉ダンジョン祭り”での再会を約した。“アイアン・ウィル”は道中の依頼で懐を温めつつ現地入りを計画し、ムコーダ側も孤児院との約束とモツ在庫確保のため参加を決定した。
統率の妙と“最強の抑止力”
ギルドマスターは連日の騒動を嘆いたが、ムコーダは“食パンのみ”という罰則が抑止力として機能する見通しを述べた。フェルとゴン爺は沈痛な面持ちで、ドラちゃんは自業自得と評し、スイは相変わらず食への期待を語った。
帰路の発進と空の旅
ムコーダの指示でゴン爺が巨体化し、全員が搭乗した。見送りの“アイアン・ウィル”に再会を約して離陸し、ギルドマスターは高所を恐れて悲鳴を上げたものの、ゴン爺便の速度ゆえ夕刻にはカレーリナ到着見込みとなった。ムコーダは王都に別れを告げ、懐かしの街への帰還へと向かったのである。
閑話 嵐が去った王都では・・・・・・
重鎮たちの安堵と新たな課題
ムコーダ一行が王都を去ったことで、王都冒険者ギルドの重鎮たちはようやく嵐が過ぎたと胸を撫で下ろした。しかし残務は山積しており、特にリヴァイアサン素材の販売方針が決まったばかりで、薬師たちの押しかけ対応に追われていた。血液は金貨百枚で小容器販売、その他希少素材は特別オークションにかけることで合意したが、次なる難題は“お伽噺の地”の発見と新種ドラゴンの処理であった。
ドラゴン変態の歓喜とモイラの苦労
一方、エルランドは新種のドラゴン解体に心酔し、朝から上機嫌で職場に現れた。寝食を惜しんで解体に没頭する姿に、監視役のモイラは呆れ果てていた。エルランドはドラゴンへの異常な執着心から、他の業務では全く使い物にならぬが、知識と技術ゆえに切り捨てられぬ存在であった。
ムコーダ帰還の報せと暴走願望
モイラがムコーダ一行が帰還したと告げると、エルランドは大騒ぎし、ドラちゃんやゴン爺を見送りできなかったと地団駄を踏んだ。さらに「付いて行きたかった」と本音を漏らし、モイラに殴られて叱責された。それでもエルランドは密かに決意を固め、ドランへ戻った後に監視を掻い潜ってムコーダたちと合流し、冒険の旅に加わる夢を諦めていなかった。
執念の宣言
エルランドは心中で「ドラちゃん、ゴン爺様、待っていてください」と叫び、ゴキ○リ並みのしぶとさで野望を燃やし続けたのであった。
第六章 酔っぱらいドラゴン
空の旅の終幕と着陸
ムコーダはゴン爺の背でカレーリナへ帰還した。ギルドマスターは空の旅に怯えつつも門前の草原に着地すると安堵し、二度とドラゴンに乗らぬと宣言したのである。
冒険者ギルドでの聴取
到着は昼下がりであったが、ムコーダは直行で冒険者ギルドに連行され、王都での一連の事案について詳細な聞き取りを受けた。従魔たちの食事世話を挟みつつも解放は夜更けであった。
約束のステーキ三昧
帰宅後、従魔四名は約束のステーキ三昧を強く要求した。ムコーダは疲労を押して各種高級肉を焼き続けた。食卓の脇でフェルとゴン爺はドラゴン肉の補充を議題にし、ゴン爺は緑竜の棲み処を把握していると示唆した。ムコーダは討伐計画の危険性に頭を抱えた。
休養日と土産配りの段取り
翌日、ムコーダは仲間宅への土産配布を告げ、母屋で休む従魔たちを横目に外出した。門番のタバサとバルテルに帰還を報告し、土産配布の予定を共有した。
畑の様子と労務の誤解
裏手の畑ではアルバン一家とトニ一家、さらに手の空いた冒険者組が総出で作業していた。彼らは「手持無沙汰を避けたい」と自主的に働いており、石鹸・シャンプー詰替や育毛剤製造も既に完了していた。奴隷増員の意図が「不満」と誤解されていたため、ムコーダは将来の人手不足に備える方策であると説明し、理解を得た。
王都土産の配布
女性陣には花柄ストール、男性陣には流行のループタイを配った。反応は上々で、前回のがま口より好評であった。場は和やかに盛り上がった。
収穫物とBBQの提案
この日の収穫はタマネギ、ジャガイモ、ブロッコリーであった。ムコーダは留守番組への労いを兼ね、皆でのBBQ開催を提案し、歓声をもって受け入れられたのである。
BBQの開始と食材
ムコーダは女性陣と協力して準備を終え、ダンジョン牛とダンジョン豚を用いたBBQを始めた。アルバン畑の野菜も加わり、肉と野菜が炭火で香ばしく焼き上げられた。ムコーダはアヒージョも用意し、酒の肴として好評を得た。
ゴン爺と酒好きたちの暴走
宴ではバルテルらがゴン爺を「大ドラゴン様」と持ち上げ、ビールやウイスキーを勧めた。ゴン爺はウイスキーを一瓶飲み干し、上機嫌でさらに酒を求めた。酒宴はジャガバターで締められたが、ゴン爺は酔いつぶれてしまった。
翌朝の失態と咎め
翌朝、庭ではバルテル、ルーク、アーヴィンと共にゴン爺が腹を出して爆睡していた。フェルとドラちゃんはそのだらしない姿を非難し、スイは無邪気に暴露した。ムコーダは仲裁し、ゴン爺に飲み過ぎを戒めた。
工事業者への訪問
その後ムコーダはブルーノの事務所を訪れ、新しい奴隷用住宅の進捗を確認した。しかし、別の客の追加注文で工期が延び、完成はさらに二〜三週間後になると告げられた。ブルーノの妻アニカはムコーダの酒販売に強い関心を示し、将来的に開催するよう迫った。
屋台巡りへの同行
帰路についたムコーダはフェルたちに「屋台へ寄ろう」とせがまれ、結局は街の屋台を巡る羽目となった。
第七章 なんでこうなるの?
狩りの提案と拒否
朝食後にフェルが狩りを提案したが、ムコーダは王都から戻ったばかりで休養を望み拒否した。フェルは終わったことだと主張し、ゴン爺やドラちゃん、スイも狩りを支持したため、話は狩りに傾いていった。さらにグリフィスが緑竜の話を持ち出し、皆が盛り上がったことでムコーダは困惑した。
ドラゴンタートルでの説得
狩りを避けるため、ムコーダは王都で仕留めたドラゴンタートルを思い出し、その肉を解体して食べることを提案した。フェルたちはこれに納得し、狩りの話は一旦収束した。ムコーダは冒険者ギルドで解体を依頼することにした。
ギルドでの問題発覚
ギルドに赴いたムコーダは、解体を担当するヨハンが王都で休暇を取っているため、すぐには解体できないと知らされた。ムコーダは必死に食い下がり、粉々になった甲羅の個体だけでも預かってもらえるように押し切った。こうして時間を稼ぎ、ドラゴン狩りを回避した。
解体待ちの日々と不満
ドラゴンタートルをギルドに預けて五日が経過した。フェルたちは暇を持て余し、昼寝すら飽きて狩りに行こうと不満を漏らしていた。ムコーダは必死に宥め続けたが、限界を感じていた。そんな折、ようやくギルドから解体完了の知らせが届いた。対象は粉々になった個体だけだったが、ムコーダにとっては救いであり、仲間を連れてギルドへ向かったのである。
ギルド到着と解体の壁
ムコーダが冒険者ギルドでドラゴンタートルの買い取りと解体を依頼したところ、ギルドマスターは疲労をにじませつつ応対し、解体担当のヨハンが王都で休暇中のため即時対応は不可能だと告げた。ムコーダは事情を説明し、緑竜狩りを避けたい思惑も打ち明けたが、現状では解体は進められないと確認されたのである。
一部預かりで時間稼ぎ
ムコーダは食い下がり、粉々になった甲羅の個体だけでも預かってほしいと提案した。ギルドマスターは渋々了承し、ムコーダはドラゴンタートルを預けて帰還した。フェルらの不満はリヴァイアサン肉で宥め、狩りの機運をいったんやり過ごしたのである。
退屈の増大と部分解体の報
預け入れから五日、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは暇を持て余し、昼寝にも飽きて苛立ちを募らせた。ムコーダはヨハン不在による遅延を説明し続けたが限界が近づき、ようやく粉々個体だけ解体完了の連絡が入った。ムコーダは仲間を連れ、受け取りに向かった。
緑竜狩り再燃と解体者問題の提示
受け取り後も狩り欲は収まらず、四名は緑竜狩りを主張した。ムコーダは狩猟しても即座に食べられない現実と、ドラゴン級の解体にはエルランドの力が必要になることを指摘した。ゴン爺とドラちゃんは過去の被害を思い出して強い拒否反応を示し、ムコーダはこれを根拠に狩りの中止を宣言したのである。
保管という抜け道と決行
しかしゴン爺はアイテムボックスでの長期保管を提案し、解体は後日に回せばよいと論じた。ドラちゃんとフェルも賛同し、スイも意気込んだため、狩り決行の流れが一気に固まった。ムコーダは準備と報告を理由に制止を試みたが、フェルは強引に出発態勢に移し、ムコーダを背に乗せて冒険者ギルド経由の出立を断行したのである。
第八章 野生の、ハイエルフに、出会った。
ギルド報告の強行と出立
ムコーダ一行はカレーリナの冒険者ギルドに駆け込み、フェルとゴン爺が緑竜討伐へ向かう旨だけを告げて即退散した。行き先も説明せずに門へ直行したため、ムコーダは帰還後にギルドマスターへ叱責される未来を案じ、ため息をついていた。
空路移動と野営の準備
街外れの草原でムコーダはフェルの背からゴン爺へ乗り換え、空へと舞い上がった。目的地は遠方で日没際の到着見込みであったため、この日は森の手前でダンジョン豚の照り焼き丼を用意し早めに就寝した。
翌朝の出発と森への侵入
翌朝、簡素に朝食を済ませ、一行は鬱蒼たる森へ踏み入った。進軍速度は高かったが、緑竜の巣まではなお距離があり、ムコーダの提案で小休止を取ることにした。
矢の牽制とハイエルフの登場
休憩の最中、ムコーダの脇を矢がかすめ、樹に突き刺さった。気配を察したフェルとゴン爺が呼びかけると、金髪の美貌を備えたハイエルフが姿を現した。ハイエルフはフェンリルとドラゴンを従える人間に強い敵意を示し、卑怯な手で従わせていると断じた。
従魔契約の弁明と相手の不信
ムコーダは従魔契約の事実を説明したが、相手は信じなかった。フェルとゴン爺が念押しで契約の正当性を告げると、ハイエルフは動揺しつつもなお納得を示さなかった。一行は厄介事を避けて離脱を図ったが、追及は続いた。
動機の開示と“食”による証明
堂々巡りを断つため、ムコーダは契約の端緒が食事であったと明かし、経緯を語った。ハイエルフはなお不審を残しつつ、フェルやドラゴンを虜にするほどの料理を自身の舌で確かめると申し出た。ムコーダは一行の腹具合も踏まえて提案を受け入れ、常備の漬け込み肉を用いた揚げ物で応じる準備を整えたのである。
揚げ油の音と食欲の高まり
ムコーダは醤油ベースに漬け込んだコカトリス肉を二度揚げで仕上げ、きつね色のから揚げを用意した。フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイに加え、ハイエルフのヨルゲンも視線を釘付けにし、出来上がりを待ちわびていたのである。
ヨルゲンの試食と評価の一変
供されたから揚げを口にしたヨルゲンは、未体験の美味に驚嘆し、次々と平らげた。フェルとゴン爺は、従魔契約の動機がムコーダの料理であると改めて述べ、スイとドラちゃんも同意を示した。ヨルゲンはおかわりを所望しつつ、料理の力を認める発言を漏らした。
村への招待と“島”の告白
ヨルゲンは一行を自らの村へ招待すると宣言し、島内の地理を熟知しているため逃げても無駄と釘を刺した。ムコーダは当惑し、フェルとゴン爺は面倒事を嫌がったが、から揚げに夢中で機先を制され、結果として同行が既定路線となった。
道中の懸念とハイエルフの厄介さ
移動中、ムコーダは島まで来た経緯を問い、フェルとゴン爺はハイエルフの厄介さを説明した。長命ゆえ魔法や武技に通じ、徒党を組めば無視できない相手であると整理された。ムコーダは対立回避を最優先とし、村への同行で事態収拾を図ることにした。
蔦の門を抜けて村へ
村の入り口では、ヨルゲンが術で草木を退けて通路を開いた。一行が進むと、五人の美男美女のハイエルフが現れ、警戒の視線を向けた。フェルとゴン爺は従魔契約の事実を明言し、害意がないことを示した。
夫婦たちの反応と依頼の本題
ヨルゲンは出会いの経緯とから揚げの衝撃を語り、妻アデラにも食べさせたいと願い出た。ほかの二組の夫婦も興味を示し、肉は自分たちが用意し、対価として島産の魔物素材を渡すので調理を頼みたいと提案した。ムコーダはこの条件を了承した。
今夜の献立と準備
ヨルゲンらがコカトリスを調達に出た後、ムコーダは一行と合意し、今夜はから揚げに加えてとんかつも用意する方針を固め、揚げ物の下準備に取りかかったのである。
巨大コカトリスの搬入
ムコーダが揚げ物の下準備を終えた頃、ヨルゲンらが島産の巨大なコカトリス四羽を持ち帰った。島の魔物は総じて大きいと説明され、ムコーダは解体の負担を案じたが、ハイエルフ側で行うと告げられたのである。
解体場での手際と自己紹介
一行は屋根付きの解体場へ移動し、ハイエルフたちは血抜きから羽根むしりまで手際よく進めた。ムコーダは作業の合間に彼らの素性を知った。ヨルゲンと妻アデラ、ヴェルデと妻セルマ、ラドミールと妻ラウラの六名で、いずれも容姿端麗で長命の種族であった。
島暮らしの由来と往還
彼らは大陸出身で、約三百年前に人間同士の戦争激化とハイエルフ狩りの危険から仲間と共に島へ移住した経緯を語った。安全は得たが刺激に乏しく、百年もすると島を離れる者が増え、最終的に六人が残ったという。近年は人間の街にも紛れて暮らし、解体職で稼いだ者もいたと明かされた。六人は大陸への帰還を改めて検討していたのである。
から揚げの仕込みと緑竜の話題
解体が終わるとムコーダは醤油ベースのタレでコカトリスを漬け込み、調理に取りかかった。ヨルゲンが来訪目的を尋ね、ムコーダは緑竜討伐の予定を説明した。ハイエルフたちは危険性を認めつつも興味を示し、ドラゴン肉の美味を回想した。
ドラゴン経験の告白と不穏な兆し
ハイエルフ側は過去に自力でドラゴンを狩り、解体した経験があると述べた。フェルが解体の経緯を質し、ヴェルデが二度の実績を示すと、フェルとゴン爺は意味深に微笑を交わした。ムコーダはその反応に嫌な予感を覚えつつ、黙々とから揚げの準備を続けたのである。
第九章 料理を作らせてはいけないんだ
揚げ物の饗宴
ムコーダはから揚げととんかつを揚げ続け、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ、さらにハイエルフ六人は飽きることなく食べ続けた。ヨルゲンとアデラは揚げ物を分かち合い、夫婦仲を見せつけるように感謝を口にした。ハイエルフたちは大陸へ戻ればまた食べられると勘違いしたが、フェルとゴン爺が訂正し、ムコーダの料理でなければ味わえないと説明した。
視線の集中と食の力
フェルとゴン爺が従魔契約の理由を誇らしげに語ると、ハイエルフたちはムコーダを凝視した。彼らは料理に強く惹かれ、さらに他の料理を所望する空気を漂わせた。ムコーダは居心地の悪さを覚えつつ、密談が始まるのを見守るしかなかった。
密談の提案
フェルとゴン爺はハイエルフたちに、緑竜を含む大物魔物の解体を依頼できるか相談した。ハイエルフたちは大抵の魔物なら対応可能だと応じた。フェルとゴン爺はこれを好機と見なし、ハイエルフたちを自分たちの陣営へ引き入れるよう提案した。
合流の決断
ハイエルフたちは即答で承諾した。理由は単純で、解体技術を活かせることに加え、ムコーダの料理を継続して味わえるからであった。こうしてフェルとゴン爺の思惑とハイエルフたちの欲望が一致し、彼らはムコーダ一行に合流することを決めたのである。
から揚げととんかつの饗宴
ムコーダが揚げたから揚げととんかつを、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイの食いしん坊カルテットに加え、ハイエルフたちも夢中で食べた。ヨルゲンとアデラ夫妻は見つめ合いながらから揚げを味わい、他の夫婦たちも腹いっぱいになるまで堪能した。人間の街に戻ればこの味が楽しめると考えたが、フェルとゴン爺により「ムコーダの料理でなければ味わえない」と告げられ、落胆した。
料理を巡る期待と圧力
ヨルゲンは「他にも美味い料理があるのでは」と問いかけ、フェルとゴン爺は誇らしげに答えた。するとハイエルフたちの視線が一斉にムコーダに集まり、彼は戸惑いながらも注目を浴びることになった。その裏でフェル、ゴン爺、ハイエルフたちは結界を張って密談を交わしていた。
密談の内容
密談の中心は「解体」と「食事」であった。ハイエルフたちはドラゴンや大物魔物の解体経験を誇り、フェルとゴン爺はそれを利用できると考えた。過去にドラゴンタートルの解体が進まず食事が遅れた経験から、彼らは「ハイエルフを仲間に迎えれば、すぐに肉が手に入る」と確信した。さらに、魔物解体の確実さとムコーダの料理の両立は理想的であると結論づけられた。
加入の決定
フェルとゴン爺は「我らのところに来ないか」と提案し、ハイエルフたちは即座に同意した。解体要員として、そして美味な料理を食べられる機会を求めて「行く!」と声を揃えた。こうして、ハイエルフたちがムコーダ一行に加わることが決定した。
翌朝の支度とそぼろ丼
翌朝、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは早朝から元気に起き、ムコーダに朝食を強請った。四体は「飯を食ったらすぐ緑竜狩りだ」と意気込み、休む間もなく行動を急かした。ムコーダはアイテムボックスの作り置きからダンジョン牛とダンジョン豚の合挽き肉を使ったピリ辛そぼろを取り出し、炊き立てのご飯に温泉卵と共に盛り付けたそぼろ丼を用意した。
ハイエルフたちの参加
食いしん坊カルテットが次々とおかわりを要求する中、眠そうに起きてきたハイエルフたちも丼を凝視し、涎をこらえきれない様子で食事に加わった。配られたそぼろ丼を大喜びで頬張り、瞬く間に平らげてはおかわりを求める姿は、彼らが食生活に飢えていたことを示していた。
緑竜狩りへの出発
食事を終えると、フェルたちは目を輝かせ、今にも走り出しそうな勢いで狩りを主張した。ムコーダは食休みを求めたが、聞き入れられることなくフェルに背へ乗せられた。ゴン爺、ドラちゃん、スイも続き、緑竜狩りへと向かう。村に残ったハイエルフたちは「いってらっしゃい」と見送り、ムコーダは「朝のコーヒーくらい飲ませてくれ」と心の中で叫びながら連れ出された。
第十章 え、逃げた?
接近と警戒
フェルとゴン爺の先導で森を疾走し、ゴン爺の合図で停止した。一帯に緑竜の気配があり、地響きと咆哮が接近していた。ムコーダは緊張し、フェルたちは余裕を見せて警戒態勢を整えていた。
緑竜の出現と特性
木々をなぎ倒して現れた緑竜はトリケラトプスに似た外見であったが、鋭い歯と攻撃性を備えていた。ムコーダの脳内には創造神の声が響き、地竜や山の怪物とは別系統で、緑竜は魔法を巧みに使う正統なドラゴンであるという弁明がなされた。
初撃と反撃
緑竜は角を突き立てて突進し、地面から無数の針を隆起させて威嚇した。フェルとゴン爺、ドラちゃんは軽々と回避し、ドラちゃんの氷柱は貫通には至らないまでも有効打となった。続くスイの酸弾は横腹に損傷を与え、緑竜は身をよじって苦痛の反応を示した。
退却と追跡
止めに入ろうとしたフェルが一歩踏み出すと、緑竜は怯えて踵を返し、全力で逃走した。フェルたちは極上の肉を逃さぬとして追撃を決断し、ムコーダも同行して森の奥へ進んだ。
棲み処の突破
蔓植物に覆われた小山状の棲み処に到達すると、入口は土魔法で封鎖されていた。スイが水魔法で外殻に鋭い切れ目を入れ、ゴン爺が爪をこじ入れて力業で壁面を引き倒した。これにより内部への入口が開かれた。
決戦と止め
フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイが内部で交戦した。フェルの一撃でも致命傷に至らない耐久を見せたが、古竜であるゴン爺の爪撃が大きな決定打となり、さらにドラちゃんの連撃で緑竜は弱体化した。食肉を損なわぬ配慮から酸攻撃は控え、最後はスイの水魔法の切断で首を落として討伐を完了した。
狩りの後とムコーダの所感
ドラちゃんが首、スイが胴体を運び出し、ムコーダはアイテムボックスに回収した。戦闘の一方的な展開にムコーダはやり過ぎを戒めたが、フェルとゴン爺は狩りの道理を主張した。ムコーダは内心で緑竜の冥福を祈り、締めくくった。
空腹の訴え
討伐直後、フェル、ゴン爺、ドラ、スイが一斉に空腹を訴えた。ムコーダは作り置きの欠乏を確認し、新規調理に移行したのである。
あんかけ丼の調理
ムコーダは魔道コンロを展開し、ダンジョン豚・牛の合挽き肉にニンジン、ピーマン、タケノコ水煮を一センチ角に刻んで投入した。和風だし・醤油・おろし生姜・砂糖・水で煮含め、水溶き片栗粉でとろみを付与し、炊き立て飯にたっぷりとかけて供したのである。
実食と評価
当初は緑と赤の野菜に難色を示したフェルであったが、餡が米に絡む旨味により黙々と掻き込むようになった。ゴン爺は餡の一体感を称賛し、ドラは挽き肉の量を評価した。スイは「大きいお肉」への未練を口にしつつも、丼の味を素直に喜んだのである。
ドラゴン肉の方針決定
ムコーダがハイエルフによる解体進行と早期提供見込みを告げると、食卓は一気に献立会議となった。
まずフェルが「分厚いドラゴンステーキ」を初手に据え、第一口は素材のまま、次いで「ステーキ醤油」で味変する流れを提示した。ゴン爺も同意し、ドラは第二手として「ローストドラゴン」を提案した。さらにドラは揚げ物の未経験を踏まえて「ドラゴンカツ」を追加案として挙げ、フェルとゴン爺も多様な調理法の導入に賛同した。スイは多品目展開に歓喜し、期待を高めたのである。
第十一章 グリーンドラゴンステーキ
早帰還の誤解
ムコーダ一行が夕刻にハイエルフの村へ戻ると、住民は一様に浮かない顔であった。緑竜は三日三晩の総当たりでようやく討てた相手という前提から、早すぎる帰還を「失敗」と解したためである。
討伐報告と食いしん坊カルテットの反応
ムコーダが「棲み処に逃げ込んだ緑竜を短時間で討てた」と説明すると、絶世の美男美女の戦士たちは唖然とした。フェルとゴン爺は不機嫌を隠さず、ドラは「瞬殺」を強調し、スイも抗議した。彼らは帰還が遅れた理由を「食事をゆっくり摂ったため」と述べ、場をさらに呆然とさせた。
解体準備と作業台の構築
翌朝、解体場に集結。屋内に収まらぬ大物ゆえ屋外作業となり、ラウラが土魔法で大型の解体台を築いた。ヴェルデは血抜き効率と衛生を考慮し、硬化処理と勾配付けを指示して微調整を重ねた。
緑竜の搬出とアイテムボックス事情
ムコーダはアイテムボックスから緑竜を取り出し、ハイエルフ一同をどよめかせた。ハイエルフは多くが収納持ちであり、家屋規模の容量は通例、個体によっては緑竜百体級を格納し得ると語られた。
地竜爪ナイフの切れ味と連携解体
ヴェルデは地竜の爪製ナイフで皮を開き、硬質な鱗も難なく裁断した。ハイエルフの練達した連係により解体は迅速に進み、昼過ぎに完了した。沈黙していたフェル、ゴン爺、ドラ、スイはここで一斉に「ドラゴンステーキ」を所望した。
極厚カットをめぐる攻防
まな板に載せられた緑竜肉は赤身に脂がほどよく差し、地竜・赤竜よりやや脂多めであった。ムコーダが切り出しに入ると、フェルが「薄い」と横槍を入れ、ゴン爺、ドラ、スイも同調した。焼き加減の難度を理由に抑制を図るムコーダに対し、四者は分厚さを強硬に要求。最終的にムコーダは超極厚カットで折り合い、自身の分のみ常識的厚みに留める段取りとした。
焼成準備と熱視線
ムコーダは超極厚に切り出した緑竜肉を最大のフライパンで焼き始め、芳香と焼け音が場を満たした。フェル、ゴン爺、ドラ、スイは皿よりも肉を凝視し、ムコーダの独白は届かなかったのである。
休ませ工程と焦れる面々
表面を焼き上げたのちアルミホイルで包み休ませた。ムコーダは余熱で中心まで火を入れる理を説いたが、四者は待ちきれず催促を繰り返した。それでもムコーダは手順を崩さず、自分用の一枚も同様に焼成した。
ハイエルフの参戦
柱陰で様子をうかがっていたヨルゲンら六名のハイエルフは香気に釣られて合流した。ムコーダが招待すると即答で同席し、追加のステーキ焼成に入ったのである。
実食と第一評価
配膳後、食いしん坊カルテットとハイエルフは一斉に頬張り、満場一致で「うまい」と歓声を上げた。ムコーダも試食し、地竜・赤竜より脂がやや多いが重さはなく、塩胡椒のみで十分な旨味であると確認した。
味変三段:ステーキ醤油の活用
ムコーダはステーキ醤油(ニンニク風味・おろし風味・タマネギ風味)を取り出し、順に味変して堪能した。これを目ざとく見たフェルたちが同様の提供を要求し、次の焼成分から三種を適用した。
おかわりの波と驚異の食べっぷり
ハイエルフは初皿を食べ切ってから三種の醤油で二枚目を平らげ、三枚目は各自の好みで仕上げた。スレンダーな体躯に反して健啖であり、ムコーダは己の常識との乖離に首を傾げた。食いしん坊カルテットは超極厚の大判を、ドラが五枚、ゴン爺が一枚、フェルとスイが各一枚たいらげ、緑竜ステーキの饗宴は大団円となったのである。
番外編 オムライス+肉
メニューの決定と準備
ムコーダは夕食にオムライスを選び、肉好きの仲間たちのために工夫を加えることにした。チキンライスをオーク肉に置き換えた「オークケチャップライス」をベースにし、さらに厚切りの「オークチャップ」を添えることで満足度を高める算段を整えた。
オムライスの調理
タマネギ、ニンジン、ピーマンを炒め、薄切りのオーク肉を加えてご飯と合わせた。ケチャップとバターで味付けしたライスを皿に盛り、半熟の卵を上に載せてケチャップをかけることで完成。フェルたち用には大盛りを用意し、冷めないようにアイテムボックスへ一時保管した。
厚切りオークチャップの調理
1センチ厚に切ったオーク肉に筋切りを施し、塩胡椒と小麦粉をまぶして焼き色をつけた。肉を取り出した後のフライパンでタマネギを炒め、ケチャップ・ウスターソース・砂糖・醤油・酒を加えて煮立て、肉を戻して絡めて仕上げた。濃厚な味付けでご飯にもパンにも合う一品となった。
実食と反応
まず仲間たちは厚切りオークチャップに箸を伸ばし、「濃い味が肉に合う」「美味い」と好評を博した。スイも素直に喜び、フェルとゴン爺は「やはり塊肉の方が満足感がある」と満足げであった。続いてオムライスも味見し、「悪くはない」と評価しながらしっかり食べ進めた。
結末と満足感
結局は両方とも大人気で、仲間たちはおかわりを繰り返した。厚切りオークチャップの消費が特に多かったが、オムライスも充分に受け入れられた。ムコーダ自身は慣れ親しんだオムライスの味に大いに満足しつつ、濃厚なオークチャップにも手を伸ばして食べ過ぎてしまったのである
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