どんな本？
この本に出合ったのは、ある日、書店でふと目に留まったからです。タイトルと著者の名前が非常に興味深く感じられ、手に取ってみることにしました。日常生活の中で、世間や社会についての疑問や葛藤を感じていたので、この本がその疑問を解消してくれるかもしれないと期待しました。また、鴻上尚史さんの以前の作品を読んで感銘を受けていたので、再び彼の考えや視点を知りたいと思いました。このような背景から、この本を読むことを決意しました。
この本は、鴻上尚史さんが「世間」と「社会」について考察したエッセイ集です。彼は、日本人が「社会」と「世間」の違いを理解していないと指摘し、それが多くの問題を引き起こしていると述べています。例えば、クレーマーや同調圧力、不寛容な社会など、日常生活で私たちが直面する問題の背後には、この「世間」と「社会」の違いが関係していると指摘します。本の中で、彼は39の物語を通じて、これらの問題をどのように乗り越え、より良いコミュニケーションをとるかを示唆しています。結末として、鴻上さんは「エンパシー」の重要性を強調し、信頼できる社会を構築するための方法を提案しています。
読んだ本のタイトル
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あらすじ・内容
自分を取り巻く「世間」が息苦しいと感じたら、
世間ってなんだ
ときどきは「世間」を出て「社会」に出よう。
「社会」は、たぶんあなたが思っているより、ずっと広くて、ずっといい加減だ。
「世間とはなにか」についてずっと見つめ、考えてきた。
中途半端に壊れ続ける「世間」ではなく、他人同士が共存する「社会」とつながるコミュニケーションとは？
そして「世間」が生み出す同調圧力、クレーマー、謎ルールを乗り越え、生きていく方法とは？
世間に困ったとき、必ずヒントになる39の物語。
１「ちゃんとする」圧力
２「迷惑」について
３「責任」について
４ クレーマーに振り回されるわけ
５ 集団と個人
６ 学校現場はいつもたいへん
７ 希望は西にあり！？
８ ちょっといい加減でいいじゃない
９ 大切な言葉
感想
鴻上尚史さんの著書「世間とはなにか」は、日本の「世間」と「社会」の違いや、その中でのコミュニケーションの取り方について深く探求したエッセイ集となっております。本書は39の物語からなり、それぞれの章で日本社会に存在するさまざまな問題や矛盾、そしてその背景にある人々の思考や価値観について考察しています。
第一章では、「ちゃんとする」圧力というテーマで、日本の「世間」が持つ強烈な同調圧力や、その中での人々の振る舞いについて触れられています。続いて、「迷惑」や「責任」といったテーマを中心に、日本人特有の気配りや過度な気を使う文化について考察されます。
中盤では、クレーマーや学校現場での問題、集団と個人の関係性など、さまざまな社会問題を取り上げ、鴻上さん独自の視点で解説しています。特に、日本の「世間」と「社会」の違いに焦点を当てた部分では、日本人がどうして他者とのコミュニケーションが苦手なのか、そしてそれを乗り越えるための方法について詳しく説明されています。
終盤では、鴻上さんが提案する「エンパシー」の大切さや、新自由主義という考え方が日本社会に及ぼす影響、そして「公助」を受けることの大切さなどについて語られています。最後に、日本人が社会をどう信頼し、どのようにコミュニケーションをとっていけばよいのかという提案とともに、本書は締めくくられています。
全体を通して、鴻上尚史さんは、日本社会の中での人々の思考や行動の背景を深く掘り下げ、その原因や解決策を示唆していると感じられます。読み終えた後、多くの読者が日本の「世間」と「社会」について新しい視点で考えるきっかけとなることでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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