どんな本?
私がこの本に出会ったきっかけは、書店でのふとした瞬間でした。
タイトルの「人種差別から読み解く大東亜戦争」という言葉が目に飛び込んできました。
その一瞬で、私の興味を引きつけられました。
社会人として様々な経験をしてきた中で、人種差別という言葉はよく聞くものであり、それについての考えや疑問を持っていました。
私がカリフォルニア州に住んでいた際にも、日系アメリカ人やキリスト教徒の友人から、人種や宗教に関する話をよく聞かされました。
そのため、この本を読むことで、私自身の疑問や考えがより深まるのではないかと感じました。
後にkindleアンリミテッドで読めると知ってしまい、少し落ち込みましたが、その後もこの本への興味は薄れることはありませんでした。
この本は、大東亜戦争を中心に、人種差別の観点からその背景や理由を探る内容となっています。
1919年のパリ講和会議で、日本が提出した「人種差別撤廃案」がアメリカやイギリスの反対で否決されたこと、カリフォルニアでの日本人排斥運動など、歴史的な背景が紹介されています。
更には、戦国時代に日本人がポルトガル人に奴隷として売買されていたことも語られています。
本書は、戦争の肯定や否定ではなく、隠れていた真実や背景を明らかにすることを目的としています。
最終的には、日本や世界の人種差別の歴史やその影響について、深く考えることを促される作品となっています。
読んだ本のタイトル
人種差別から読み解く大東亜戦争
著者:岩田温 氏
あらすじ・内容
終戦70周年を迎える2015年。近年、先の大戦をテーマにした書籍が多数発売されている。
人種差別から読み解く大東亜戦争
「なぜ、日本人は戦争を選んだのか?」そして「日米開戦当時、なぜ多くの日本人が開戦を支持したのか?」を論じる書籍もあるが、その理由は複合的で、1つのものを取り上げてこれだと断じることは難しい。
本書では、「人種差別」の観点に着目し、この疑問に迫っていく。1919年パリ講和会議で日本が提出した「人種差別撤廃案」はアメリカやイギリスの反対で否決されている。
また、カリフォルニアでは激しい日本人排斥運動があった。更に時代を遡れば、戦国時代に日本人がポルトガル人に奴隷として売り買いされていたことにも行き当たる。
戦争をただ肯定するのではなく、隠されていた真実に光を当てる1冊!
感想
「人種差別から読み解く大東亜戦争」という本は、大東亜戦争を人種差別の観点から分析し、その背後にある真実を明らかにしようとする一冊である。
戦争を単純に肯定したり否定するのではなく、歴史の中で隠されていた事実や背景を紐解いていく。
第一章では、大東亜戦争と人種差別の関連性について論じられている。1919年のパリ講和会議で日本が提出した「人種差別撤廃案」がアメリカやイギリスに反対された事実や、カリフォルニア州での日本人排斥運動など、当時の状況を詳しく解説している。
第二章では、世界の歴史を通じての人種差別思想について触れられている。
アフリカやアメリカ、インカ帝国など、さまざまな国や地域で白人による支配とそれに伴う人種差別がどのように行われてきたかを学べる。
第三章から第五章では、奴隷貿易や植民地支配の歴史を中心に、日本人がどのような差別を受けてきたのか。
また、日本がどのように欧米列強と対等な地位を求めてきたのかについて詳しく書かれている。
第六章と第七章では、日本がどのようにして人種差別撤廃の理想を世界に問うてきたのか、そしてその結果としてどのような反応があったのかが明らかにされている。
終章となる第八章では、大東亜戦争の真の意義や背後にある真実について、従来の歴史観とは異なる新しい視点から解説されている。
そして、読者に向けて人種差別の問題意識を持つことの重要性や、それを乗り越えていくための方法についても触れられている。
本書は、ただの戦争史ではなく、深く人種差別という問題に焦点を当てた作品である。
大東亜戦争の背後に隠された真実や、その歴史的背景を知ることで、読者は新たな視点から戦争や人種差別を考えるきっかけを得ることができるだろう。
ただ、そう言って大東亜戦争で侵略したのは、無謀で讃美する気にはならず、日本の黒歴史として悍ましいとは思っている。
最後までお読み頂きありがとうございます。
外国人差別の現場
その他ノンフィクション
Share this content:
コメントを残す