どんなラノベ?
薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー!
え?
そうだっけ?
薄幸系男子は頷けるけど、成り上がってるか?
そんな彼に惚れ込んだ人(?)達が織りなす異世界道中。
彼は穏便に事を運びたいのに、全てが大袈裟になってしまう。
そこが笑いどころ。
読んだ本のタイトル
#月が導く異世界道中 14
著者:#あずみ圭 氏
イラスト:#マツモトミツアキ 氏
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1巻から14巻までの流れ
普通に生活して寝たら。
いきなり両親の都合で異世界の女神に呼び出されて、顔がブサイクだから要らないと言われて見知らぬ土地にポイ捨てされた主人公。
荒野を彷徨っていたら、オーク(♀)と出会い、彼女を生贄に求めた上位竜を覚えたての魔法で倒して従者にする。
上位竜を配下にした結果、亜空と呼ばれる異空間を手に入れる。
荒野で出会ったオーク達を亜空に移住させて彼等も配下に置く。
その直後、空腹で正気を失ってる災厄の黒蜘蛛がエルダードワーフを追って襲ってきたので撃退。
その結果、黒蜘蛛が正気を取り戻して従者になる。
上位龍を巴、黒蜘蛛を澪と名付けて、亜空の住民の投票結果で主人公は【若】と呼ばれる事になる。
その後にエルダードワーフ、巴の眷属ミスティオリザード、澪の眷属アルケーが合流して街を造る。
それでも人に会いたい主人公はベースキャンプ絶野に行くが、、
巴と澪が悪乗りしてベースキャンプ絶野は壊滅する。(1巻)
遂に大きなヒューマンのツイーゲの街に着いた一行。
そこで、呪病に苦しむレンブランドの依頼を目にして、彼の妻、娘2人を癒す。
そして、暗躍していたライムを懲らしめて配下に加える。(2巻)
レンブランドの家族を癒した薬の原料アンブロシアを手に入れるため、群生地に行ったらアンブロシアを守護している森鬼が襲って来た。
それらをアッサリと捕獲して、森鬼の村に潜伏していたリッチを秒殺で押さえ込んで、主人公の魔力を蓄積した指輪13個を彼に装備させ、下駄を履かせて3人目の従者にして終わる。
イケメンの 従者、識登場!(3巻)
識と学園都市に行く転移魔法の使用中に突然戦場に拉致られた。
目の前には、大剣を振りかぶってる、王都攻略を目論むヒューマン最強のソフィア。
2人の勇者は連合軍を率いてステラ砦に進攻していたが、魔族の罠にハマってほぼ壊滅。
主人公、勇者達はそれぞれの戦場で何とか生き残る。(4巻)
突然戦争に巻き込まれ負傷してやっとたどり着いたのに、入学試験ではなく、臨時教員の試験だった。
その試験に主人公だけが合格して教職に就く。
週に1枠の授業を設けると、あまりのハイレベルな授業に上昇志向の強い数名しか残らなかった。
授業以外の日は店を開く準備をして、従業員を亜空から呼んで、、
来たのはアクエリアスコンビ。
波乱の予感しかないw(5巻)
突然上位龍が主人公達を尋ねる。
過去の勇者の嫁であり、冒険者ギルドのギルドマスター。
ルト、主人公の境遇をよく理解しておりサポートすると言ってるが、対価が、、
そして、店の名前で異世界人を保護する国。
ローレルに目を付けられる。(6巻)
大繁盛している葛の葉商会が認知され。
目玉商品の安価な薬品の秘密を知りたがる連中があの手この手で主人公に迫って来る。
そして、商人ギルド長からは輸送手段の技術を公表しろと高圧的に迫られ、金銭で解決しようとしたら売り上げの9割を寄越せと凄まれる。
そんな世間の荒波に打ちのめされた主人公は・・・(7巻)
魔族の謀略により都市に魔物が多く発生して大混乱に陥る。
それをある程度放置して、学院長から命令されて渋々と主人公達は鎮圧にかかりアッサリと鎮圧する。(8巻)
通信が回復したら急報で、帝国と王国が魔族軍の襲撃に遭っていると連絡が来た。
勇者の危機なので、また女神からの召喚があり、勇者の助太刀へと王都へ飛ばされる。(9巻)
魔族の策略で混乱したロッツガルドの再建に尽力するクズノハ商会。
目論見通り誰も無視出来ない存在となり、主要国の重鎮達も注目されて利権問題も有耶無耶になる。
コレで落ち着くかなと思ったら、亜空に地球の神達が訪ねて来た。(10巻)
遂に勇者、響と再会しお互いの近況を報告し合う。
帝国の勇者、智樹とも会談するが此方は巴を寄越せと脅迫して来たので、反撃してボコボコにしたので完璧に関係は決裂。
魔族の国へ赴き、首都ではパレード(表紙)の後、魔王との対面は比較的に和やかに終わる。(11巻)
冷遇されてるのに、魔族の中でも女神に縋る奴等が居た。
そんな奴らが暗躍して精霊神殿の精霊を暴走させ、龍を呼ぶアイテムを使って上位龍のルトを召喚する。
それを主人公がプチっと潰す。(12巻)
生徒達の進路。
葛の葉商会に入りたがる者。
地元に帰る者。
他国からオファーが来た者。
それぞれの進路があるが皆んな悩んでいたが、授業は更に過酷になった。(13巻)
あらすじ・内容
累計62万部! 薄幸系男子の異世界ファンタジー、待望の第14巻!!勇者響の待つリミア王国を訪れたクズノハ商会一行。手厚く歓迎されるかと思いきや、真の姿を見るなり巫女が卒倒して大騒ぎに。人の本質を見抜く力を持つという彼女は、真の中に一体何を見たのか。更に、日頃なら主への無礼に容赦のない澪も、巫女を咎める事なく妖しく微笑むのみ。彼らの訪問がただの“ご挨拶”で終わるはずもなく、水面下で様々な思惑が交錯する。
月が導く異世界道中14
感想
主人公と同郷で同じ学校の先輩。
勇者、響と再会。王女な王子との会談。
そこで主人公との常識の差が明らかになる。
女神を神の座から引き摺り下ろす事を模索しても安全を確保出来てるので他人事感が強い。
そんな主人公をローレルの巫女チアが霊視したら、、
チアがあまりの恐怖に昏倒。
どうやら主人公の中身はヤバいらしい。
何がどうヤバいのかは不明。
もしかしたらヒューマン種にだけヤバいのかも知れない。
主人公は自身を差別する大半のヒューマン種を無意識に差別してるからね。
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備忘録
1
亜空の海への移住を希望する種族たちの最終面談が行われ、深澄真はそれぞれの種族との面談を進める。面談にはサハギン、人魚、スキュラ、セイレーン、ローレライ、そして海王の代表が参加し、それぞれが亜空での生活に対する希望や条件を語る。中には、戦闘を好むスキュラのレヴィや、平和主義のセイレーン、そして魔族の亜種であるローレライがいた。また、海王の代表たちからは、内乱を避けるため亜空に移住する事情や、彼らの特技である楽器演奏の披露の意向が明かされる。
面談は、各種族が亜空の新たな住民として迎えられることを確認するもので、亜空の人口が二千を超えることになった。面談を通じて、深澄真は「若様」として種族たちから認識され、それぞれの種族からの様々な要望や提案に対応していく。
クズノハ商会の二階応接室で、真の従者である識は、ロッツガルド学園の学生四人と会っていた。彼らは将来クズノハ商会に就職を希望しており、その可能性を探っていた。ジン、シフ、ユーノの三人は肯定的な反応を受け、クズノハ商会での勤務が可能であることを喜んだ。しかし、アベリアに対しては、特筆すべき能力がなく将来的に他の生徒に追いつかれる可能性が高いという厳しい評価が下された。アベリアはこれを受けて悲しみ、自分の価値を問い直す。
アベリアはクズノハ商会への強い希望を識に伝え、なんでもする覚悟を示す。識は彼女の強い意志を受け、ライムの部下としての訓練を提案する。アベリアはこれを受け入れ、残りの学園生活を最大限に活用してクズノハ商会での正式な従業員として認められるよう努力を誓う。識はアベリアへの感情に戸惑いつつも、彼女の成長と成功を望む心境にあった。
真の従者である澪が料理の仕込みをしていると、もう一人の従者である巴が厨房に現れた。巴は澪がリミア王国へ単独で行くことに対して懸念を示し、勇者音無響に関する心配から自らも同行したいと申し出る。しかし、澪はそれを拒否し、リミアで何をするかを示すと言う。巴は澪の暴走を心配しつつも、最終的にはライムの同行だけを認め、澪に全てを任せることを決める。
澪は真を囲む世界に対して不満を抱いており、リミアで何かを行うことで、真が世界の重荷を一人で背負う必要がないことを示したいと考えている。巴と澪の間では、真に関する深い愛情と心配が交錯しているが、真自身はその背後で起きている従者たちの思惑には気づいていない。澪とライムがリミア王国へ向かうことになるが、それによって何が起こるかは未知数である。
2
クズノハ商会の代表、ライドウがリミア王国を訪れることは、多くの騎士や貴族にとっては些細なニュースである。しかし、リミア王子ヨシュア、勇者響、そして変異体事件で息子を失ったホープレイズ家など、特定の関係者にとっては大きな意味を持つ出来事である。クズノハ商会にリミア進出の意図はなく、訪問はリミア王家からの要請によるものである。ライドウとその従者たちは、異なる思惑を胸にリミアへ向かう。
ライドウの出発時、従者たちはそれぞれの役割を果たすことを約束する。特に澪は、リミア訪問に秘めた想いを持っている。リミアには転移で移動し、そこから馬車での旅となる。ライドウの従者の識は、学生たちへの愛着を感じていることを認め、ライドウへの望みを巴と話し合う。彼らはライドウが女神と対峙し、その先を決断する時が近づいていると感じている。
巴と識は、亜空と地球を自在に行き来できる方法を探し、ライドウが亜空でも地球でも、そして彼らとも今まで通りの関係を維持できるよう努めることを決意する。彼らは女神側の情報を集め、世界間を転移する方法を模索する計画を立てる。
ライム=ラテは、クズノハ商会代表の真(ライドウ)と共にリミア王国の王都を訪れているが、悩みを抱えていた。その原因は、ホープレイズ領での宿泊時の冷遇や敵意ある態度、さらには暗殺者による襲撃への対処である。ライムは、ホープレイズ領での宿泊がおかしいと感じていたが、それ以上の事件が起こる。
王都への到着後、ライムは澪に〝巫女の目〟への対策が万全か確認するが、澪は自信満々に対策を完了したと答える。しかし、城の近くで馬車が止まり、巫女チヤが澪を見て悲鳴をあげて失神する事態が発生。ライムはこの対策の失敗を悟り、今後のリミアでの困難な日々を予感する。
3
真はリミア王国での疲れ果てた一日を振り返りながら、リミア王との謁見や貴族との話し合いによる疲労を感じていた。彼は以前のグリトニア訪問時には皇帝と会わなかったため、リミアでも王に会わないと思い込んでいたが、その予想は外れた。ホープレイズ領での宿泊が比較的気楽だったため、王都での公式な謁見は予想外だった。特に、巫女の異常な反応について澪とライムは何もしていないと主張し、その原因は巫女自身にある可能性が指摘される。
真は巫女のことが気になるが、まずはヨシュア王子との約束を優先する。澪は響と巫女の見舞いの話をするため、ライムと一緒に動くことを決める。外出許可の取得を忘れていた真は、澪とライムに城内での活動を優先するよう頼む。このエピソードでは、真がリミアでの公式行事による疲れと、巫女の異常反応に対する困惑、そして澪とライムの対応策を通して、彼らの関係性の強さと頼りがいを描写している。
澪とライムは、リミア王国の勇者響と巫女チヤに会いに行く。ライムは澪にチヤが見たものについて尋ねるが、澪は何もしていないと答える。澪は自分の正体が巫女によって明かされることに問題はないと考え、チヤが見たものに興味を持っている。響は澪とライムの訪問に苦言を呈するが、澪は響に貸しを返す形でリミア王国の湖のある一帯への案内を提案する。響は不安を感じながらも真と二人きりでの案内を受け入れる。ライムは澪の提案に懸念を抱くが、澪は問題ないと断言する。しかし、澪は二人の監視を禁じ、もし監視するならば面白いことをすると警告する。ライムはこの状況に戸惑い、リミアでの滞在が暗雲に包まれていることを感じる。
4
ヨシュア王子との対話において、ライドウは異世界から来た商人であるという事実を共有し、互いに信頼を深めた。ヨシュア王子はライドウの秘密を守ることを約束し、リミアでの商売に関しても支援を申し出た。ライドウはクズノハ商会がリミア国内で小規模ながら行商を行っていることを明かし、今後の取引拡大に向けて話を進めた。また、ライドウはメイリス湖訪問の予定をヨシュア王子に伝え、王子からは警告を受けるが、訪問の許可を求めた。この会話を通じて、ヨシュア王子はライドウに対する信頼を示し、リミア国内でのクズノハ商会の活動を後押しすることを約束した。
ヨシュア王子はライドウとの会話を通じて、彼が予想していた人物とは大きく異なると感じている。ライドウが口約束を守り、自分の秘密を利用した脅迫や商売への便宜を求めなかったことに、ヨシュアは困惑しつつも驚きを隠せない。彼女はライドウの行動から、彼が慈善事業でも行っているかのような印象を受けた。ライドウの提案した小規模な行商への事後承諾要求についても、その場で思いついたような軽さに感じられた。ヨシュアはライドウを評価不能とし、彼の真意や今後の動向に警戒心を抱く。特に、メイリス湖への訪問希望が謎とされる。リミア王家、勇者響、そして一部の貴族も含め、ライドウを単純に放置できない存在と見なしている。ヨシュアにとって、ライドウは「困った人」であり、彼女はリミア側の目的を考慮しつつ、ライドウに対する適切な対応を模索している。
ライドウはリミア王国での歓迎宴の後、快適に目覚める。彼は様々な貴族から商売の打診を受け、王からは王都の復興に関する話を聞かされる。復興は進んでいるものの、冬の悪条件で二次的な被害が出る可能性がある。翌日、ライドウは勇者響の同行でメイリス湖への訪問が許可される。この決定には多くの人が戸惑いを見せるが、ライドウ自身もその一人である。澪は許可をあっさり了承し、ライドウは何かを企んでいると感じる。一方で、巫女の不在が心配されるが、澪は何もしていないと主張する。ライドウは、澪と自分を見て巫女が取り乱した理由を疑問視する。最終的に、ライドウは響と共にメイリス湖に向かい、リミアでの滞在がこれまでの外国訪問よりも楽であると感じている。
5
メイリス湖への訪問中、深澄真と音無響は、危険な森を通りながら自然との調和と、個人の力について深い議論を交わす。メイリス湖はリミア王国によって管理されている特殊な湖であり、竜との契約によって保護されている。湖周辺は修練の場としても知られており、近隣の猟師などが生活の恵みとして利用している。響は真の実力について質問し、真は自らの遠距離攻撃の能力を認める。また、真は人を殺した経験があることも認め、その行為を必要に応じてのみ行うと説明する。彼らは、力の価値と集め方、そしてその使い方について異なる視点から意見を交わす。
響は真の回答に戸惑いつつも、彼の能力と人に対する考え方に対して新たな理解を示す。二人はメイリス湖に到着し、美しい景色を楽しむが、響は真の危険性と彼との関係性について深く考え込む。特に、真が行ったとされる遠距離攻撃の実力については、響を驚かせる。
また、ローレルの巫女、チヤに関する話題も出る。チヤは特殊な能力によって人の本性を見抜くことができ、真と澪の本性を見た後にショックで倒れてしまった。響はこの出来事からも真の本質について考えを深める。
響は真に対して警戒を強め、彼の力の源泉とその使い方についてさらなる理解を求めることになる。彼らの議論と交流は、互いの理解を深めつつも、新たな疑問と課題を提示する。
その頃、目を覚ました巫女は、ローレルに到着したクズノハ商会一行を心眼で見た記憶に苦しんでいた。澪が巨大な黒蜘蛛の姿に見え、その目は以前に遭遇した黒蜘蛛と異なり、知性を感じさせるものだった。特に、首輪と鎖には愛おしそうに触れる澪の姿が印象的だった。ライドウの心眼で見たイメージは、大きな弓を持ち、蜘蛛へと延びる鎖を持っている人型だった。この鎖は支配や奴隷の象徴として捉えられ、ライドウが持つ弓は重要な意味を持つとチヤは感じた。
しかし、ライドウのイメージの一部がひび割れており、その中から覗く何かがチヤに強烈な恐怖を与えた。その恐怖の源は、ライドウが内に秘める何かの存在であり、チヤはそれを目にしたことで混乱と恐怖を感じ、叫び声を上げるほどだった。
チヤは、ライドウが黒蜘蛛を支配していること、そしてクズノハ商会の正体について深い不安を感じていた。見たものを報告すべきだとは理解しているものの、ライドウへの印象は既に最悪になっており、彼との直接的な接触には強い抵抗感を持っていた。巫女は、クズノハ商会がただの商店ではないことを確信しつつも、その真の目的や性質を把握できずにいた。
真と響はメイリス湖を訪れており、真が湖畔を迷わず歩く理由に響が興味を示していた。真は自分の能力「界」で案内人の位置を特定しているが、これについては響には明かしていない。一方で響は、湖の主である上位竜リュカとの接触を警戒していた。彼女にとって、上位竜は触れ合ってはいけない存在であり、真がリュカを凌ぐ存在になることを懸念していた。
案内された場所で二人は魔物に出会い、真はその魔物に竜の卵を渡す。この卵が上位竜リュカのものであること、そしてリュカ本人が孵化するという事態に響は驚愕する。真はリュカの孵化を手助けし、リュカは自身の卵の殻を処理し、孵化直後に魔法を使う。
リュカは真への感謝を述べ、響への感謝と招待を表明し、三者はゲルに包まれて湖の下にあるリュカの住む空間へと移動する。この移動中、真と響はそれぞれの立場から状況を冷静に見守ることを心がけていた。メイリス湖での一日は、これからも続く予定である。
王都ウルの復興状況は良くなく、季節と戦時下の状況が進捗を妨げていた。一方で、ロッツガルド学園の復興は奇跡的な速度で進み、リミア王国はロッツガルドに復興協力を要請し、多くの学生や術師が王都の復興に参加することになった。澪とライムはウルの復興状況に対し、苦言を呈し、澪は自らの魔術で瓦礫を一掃し、復興作業を加速させることを提案する。澪の提案により、瓦礫の除去が一瞬で行われ、復興期間が大幅に短縮される見込みとなった。ヨシュア王子は澪の提案を受け入れ、彼女の行動を見届けることに同意した。
6
真と響はメイリス湖の中央にある、古代ギリシャを思わせる造りの巨大な神殿にいた。この神殿は、上位竜リュカの住まいであり、外部とは異なる極寒の環境が広がっていた。リュカは、メイリス湖の異空間を自身の特性と湖の力を合わせて生み出したものであり、水属性を応用して一時的な異空間を構成することについて言及した。リュカは自身がソフィアに殺された後、卵状態で管理され、ライドウによって配達されるという経緯を話した。リュカは響に対し、ライドウがこの世界にとって未曾有の脅威であり、その成長を抑えるよう頼む。さらに、ライドウをこの世界から送還する方法として儀式の可能性を示唆するが、その実現は難しいとも言及した。リュカは響に対し、ライドウを戦争から遠ざけ、商人としての動きを助けるよう助言し、最終的には響がライドウとの手合わせをすることを提案した。リュカは響に送還の儀式について説明し、これが理想的な解決策であると述べたが、それには多くの困難が伴うことを認めた。
巨大な竜に乗った響と真が王都に帰還し、民から喝采を受ける。真は景色の変化から澪が行動を起こしたと推測し、リュカから有益な魔術書を受け取り、世界間転移の可能性に興奮する。響はリミア王と緊急会議を開き、リュカの情報とクズノハ商会の支援能力について話すが、内心の危機感を伝えきれない。一方、真は澪とライムに会い、日報を交わす。夕食はクズノハ商会と王族、勇者たちだけで行われる予定。チヤはライドウの危険性を警告し、響は彼との対決を望むが、チヤは反対する。最終的に、響は自分を試す意志を表明し、チヤは支持する。
ライドウと勇者である響が城の裏手で手合わせを行った。観客はリミア王やヨシュア王子など少数ながらもいた。真剣勝負を望む響に対し、真は試したいことがあって快諾した。戦いは緊張感あふれるもので、響は神器で武装し、真は弓を用いて戦った。真は響の攻撃を避けながら、自分の技術を試す機会と捉えた。最終的に、響は真の矢によって負傷し、真も響の攻撃を受けて負傷した。二人は引き分けとすることで戦いを終えた。響は真の実力に驚き、真は自身の技術の向上を実感した。この一戦は、リミア王国にとって記憶に残る一日の終わりを告げた。
7
響と澪の間で、響が真との手合わせ後の体調を尋ねられる場面から始まる。澪は響に対し、彼女が陰で動いていることを暗示し、真の強さについて理解しているかを問う。響は手合わせを通じて真の力を認識し、彼が魔人であると結論付ける。澪は響に対し、真とクズノハ商会への理解を深め、邪魔をしないよう忠告する。響は真の戦闘技術の高さとその背後にある意図に疑問を持ち、澪に真の行動の真意を尋ねる。澪は真がこの世界に来てからの経緯と彼が災害の蜘蛛と戦った事実を明かす。その話から、響は真の異常な強さを改めて認識し、その力の源泉と目的について考える。澪は響に対し、真の変化を受け入れ、彼に時間を与えるよう促す。最後に澪は、自分が蜘蛛であったことを響に告げ、真との差は広がり続けていることを強調する。
澪によって治療された手の感覚を確かめながら、真は一人考え事をしていた。その際、ライムが戻ってきて、真はライムに自分を攻撃するよう頼む。これは昨夜の響との手合わせで感じた、予想外の強さと自身の防御力を確認するためであった。ライムの全力の攻撃を受けても、真の魔力体は崩れなかったが、ライムの刀は砕けた。澪が戻ってきてからは、澪にも攻撃をしてもらい、その結果から響の攻撃力の高さについて再確認する。真は響の攻撃力が特殊なものであることを推察し、澪に話を聞くことで、響が女神から加護を受けている可能性を考える。また、澪が響と会っていたことや、巫女が間もなく話ができるようになることを知る。真はこの日の予定を思い返しながら、城下町をもっと見て回りたいと思っている。
8
クズノハ商会の行商が、ヨシュア王子と響の対話を通じて、許可されたことが明らかになる。ヨシュアは、彼らに対して良好な関係を築きたいと考えているが、響はライドウの無欲さやクズノハ商会の潜在的な脅威について警戒している。特に、ライドウが戦争への興味がなく、魔族に対しても同情的な態度を取り、必要とあれば物資を提供する可能性を指摘する。ヨシュアと響は、クズノハ商会の力とその中立的な立場が、ヒューマンと魔族の間で有害な存在になり得ることを認識している。
一方で、ヨシュアはベルダに対し、響の護衛を離れ、次代の王としての責務を果たすよう強く促す。ヨシュアはベルダが響のパーティにいる限り、彼女の足枷になると警告し、政治的な役割で響を支援することを提案する。ベルダはこの提案に激しく反発するが、ヨシュアは父王の意思も伝え、響の傍で支えることの重要性を説く。
ベルダは自分に代わりになる人物がいると聞かされ、その人物の存在に衝撃を受ける。ヨシュアの強硬な姿勢に、ベルダは無言で反論することができず、この会話は彼にとって大きな転換点となる。
一日の予定を終えた真は、部屋でリラックスしていた。ライムは修復した刀の手入れをしながら、城下の様子について話す。彼らは復興の手伝いをすることには前向きだが、魔族の動向については警戒している。真は、戦争には興味がないが、最悪の事態を避けるために動く準備はしていると語る。
その夜、響が真に話があると言って訪ねてくる。ライムは部屋を出て、響と真は別の場所へ移動する。響の緊張感から、話の内容が気楽なものではないことが示唆される。真は、リミアでの経験やリュカとの交流、行商部隊の許可など、比較的明るい展開を経ているが、響との会話で新たな展開が待っていることを予感させる。真は、リュカによる送還儀式の情報が重要であると考え、響との会話でそれを伝えようと思い立つ。
9
リミア王国に関する響との会話から始まり、真はリミアへの感想を述べ、響はリミアの現状を説明する。人口の把握がされていないことや、税収の問題など、リミアの実情について話が展開される。響は改善のために真にも協力を求めるが、真は具体的にどのように協力したかを知らず、響は感謝の意を示す。
響はリミアへの改善を進めていることを明かし、真との会話の中で、異世界での改善の可能性を語る。響はリミアに深い思いを持っており、その地で多くの人との繋がりを大切にしていることを説明する。一方、真は女神に対する批判的な意見を持ち、響と意見が一致しない。
響は世界の改革に時間がかかると認識しており、真はより直接的な改革を望んでいる。響は戦争の早期終結を望み、真に再度協力を求めるが、真は拒否する。響は真の考えが魔族に利益を与える可能性を指摘し、真は女神に対する自身の立場を明確にする。
響と真の間で、女神の存在とその影響について深い議論が交わされ、両者の価値観の違いが浮き彫りになる。響は長期的な視野での改善を目指し、真はより直接的なアプローチを望んでいる。最終的に、響は真の立場を受け入れ、真は先輩と異なる道を歩むことを決意する。
10
真が去った後、響は一人渡り廊下に残り、自分自身との戦いについて考えを巡らせる。彼女は自分が直面している厳しい状況を認識しながらも、諦めることなく戦い続ける決意を新たにする。魔族との戦い、帝国との戦争、真の暴走など、彼女が抱える問題は山積みであるが、それでも響は自分に託された想いと責任を果たそうとする。響は自分自身が絶対的な弱者の立場を理解できていないこと、そして真が力に見合う責任を持たないことに対する憎しみや違和感を抱えている。
響は真との対立が避けられないことを悟り、自分の内面と向き合いながらも、戦争の継続を望む自分の感情に気づく。彼女は真に媚びることができず、戦争の継続を望む自身の個人的な理由を認識する。その一方で、真が提唱する「避難」の必要性に疑問を持ち、真やクズノハ商会の拠点として蜃気楼都市の存在を推測する。響は真が遠すぎる荒野に安全な拠点を持っていると考え、それが戦争に影響を与える可能性を検討する。
澪は真と響の対話を盗み聞きし、彼らの対立を満足そうに観察する。彼女は真の本質を理解しており、真がヒューマンや亜人に対して平等に接すること、そして未来や世界を考える響とは根本的に相容れないことを認識している。澪は真を周囲の雑音から守りたいと願い、戦争に興味がない真を中心に世界を見ている。彼女はヒューマンも魔族も上層部が問題であると感じており、真の平和を守るためには、彼らが関与しない場所での戦いを望んでいる。
真は夜遅く、ローレルの巫女であるチヤと偶然出会う。彼女は真とその仲間たちに対して以前行った非礼を謝罪し、彼女の能力によって見た彼らの本質について語る。ライムは優しい巨木として、澪は黒く大きな蜘蛛として視られた。真自身は白い無貌の人型として見られ、その人形には小さなヒビがあったという。チヤはこのヒビからおぞましいものが見えたと感じ、真にそれを表に出さないよう懇願する。
真はチヤに対して、自分の信仰や考えについて尋ねられ、宗教や科学には特別な興味がないこと、自己のルールとして弓道を生涯続けると決めていることを話す。チヤは真の言葉を深く受け止め、独りで部屋に戻ることを選ぶ。
その後、真はライムと会話し、チヤから聞いた自分たちの本質について触れるが、具体的な話はせず、その日の出来事を反芻しながら就寝する。真はリミア訪問が想像していたより困難だったことを感じつつ、個人の意思や国の未来について考える力が自分にはないことを認識する。そして、亜空に戻ったら、巴や識、ケリュネオン、魔王ゼフに話を聞いてみようと思いながら、眠りにつく。
アニメ
PV
OP
【オープニング主題歌】 syudou「ギャンブル」ED
同シリーズ
小説版 月が導く異世界道中 シリーズ
漫画版 月が導く異世界道中 シリーズ
その他フィクション
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