どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
玉葉妃、壬氏と後ろ盾を得たからか、猫猫が後宮でフリーダムだ。
高級妃に性教育、さらにエロ本輸入、、
それを説教する壬氏が何気に気の毒と思ったら、、
ただでは転ばないなww
読んだ本のタイトル
薬屋のひとりごと 3
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者: #日向夏 氏
イラスト: #しのとうこ 氏
あらすじ・内容
中世の東洋を舞台に「毒味役」の少女が大活躍する人気シリーズ第3弾。後宮で起きた死亡事件から見えてくる新たな真実。そして壬氏が命の危機に!?
玉葉妃の妊娠により、再び後宮に戻ってきた猫猫(マオマオ)。
薬屋のひとりごと3
皇帝の寵妃ということもあって、それは秘密厳守。
しかし、女たちの腹の探り合いは日常茶飯事で、しかも、後宮内だけでなく外部からも怪しげな動きが見え隠れする。
それとともに、後宮外では壬氏たちが隣国の特使の要求に頭を悩ませていた。
特使たちは、数十年前にいたという妓女、それが見たいと無理難題を言ってきたのである。花街の事情に詳しい猫猫に相談を持ちかけてくるが、それは意外な人物であり――。
猫猫はその美女にかわる絶世の美人を用意することとなる。
茸中毒で死んだ妃、後宮内の廟の秘密、先帝がかかった呪い、その謎を解くにつれ、壬氏が宦官の枠を超えて扱われていることに猫猫は気が付く。
そして、猫猫はその壬氏の願いで、後宮を出て北の避暑地へと同行することになる。そこで待っていたのは、腹に一物持った高官たちと再び壬氏の命を狙う者たちだった。
猫猫たちは、無事、宮中に戻ることはできるのか!?
アニメ化のお知らせ(2023年10月から放送)
感想
毒好きの猫猫なみに個性的な侍女が出てきた。
虫好きの小翠。
好きな物を見つけた時の反応が猫猫ソックリw
最初は猫猫が花街からエロ本を持ち込んだら壬氏に見付かって正座させられる。
それを見た壬氏は後宮内に小説を流行らせて、下女達の識字率を上げようとする。
その次は、葉玉妃の娘が見つけた猫を猫猫が世話をしてたが、ヤブ医者と高順が猫に陥落してしまうw
猫の名前は毛毛(マオマオ)と呼ばれるw
ある日、中級妃が亡くなり、下女が1人消えた。
その話から、毒キノコの話になり猫猫の手首のアザについての話が出て来る。
他の傷は趣味だと曰うw
皇太后の依頼で、亡くなった先帝の遺骸が劣化しなかった理由を探ると、、
先帝の趣味が発覚する。
そして、先帝がなぜ幼女趣味だったのかも判る。
小蘭も文字を覚えようと必死で、その講師をしている老宦官が初代の女帝が作った選帝の廟を管理しており、皇帝が挑戦するが失敗。
壬氏が挑戦する際に猫猫が意見したら突破してしまう。
コレは色盲だな、、
避暑地の狩では壬氏が暗殺されそうになる。
転んだ際に、猫猫が布越しとは言えムンズと鷲掴みしてしまった。
宦官の壬氏にあるはずの無いモノが股間に付いている事が発覚。
猫猫はカエルだと言い張って逃げてしまう。
そして、この時の主賓は皇帝の弟だったそうな。。
もうここら辺で壬氏の正体はハッキリして来たな。
その人を直属の上司とはいえ蛾まみれにしてしまうとは、、
猫猫恐ろしい娘!!w
そして、前代の月の女神はアノやり手婆、、、
猫猫パピーを血まみれにしたり、猫猫をボディーブローで嘔吐させたりする。
あの婆様が、、、
備忘録
序話
回廊で響く足音の中、新入りの侍女が付き添う壬氏の前に、老人が現れ、壬氏に手を伸ばす。母は介入し、老人を牽制する。老人は何かを伝えようとし、最終的には重要そうな石を落とす。場面は変わり、老婆が登場し、老人を連れ去る。後に壬氏は、老人が父で老婆が祖母であること、自分が父だと思っていた人が実は兄だと知る。
その夜、壬氏は不快な夢を見て汗だくで目覚め、水を飲んで落ち着こうとする。眠れないため、修練用の模擬刀で剣舞の練習をする。明け方になり、湯浴みの準備を考えながら、女官の反応を思い浮かべる。自分が宦官としての完璧な役割を演じるためには、こうした準備が必要だと感じているが、そのことを口に出せずにいる。
最終的に、壬氏は再び寝台に倒れ込み、侍女が起こしに来るまでのわずかな時間を眠ろうと決める。
1話
宦官の壬氏が、従者の高順と共に医局で猫猫とやぶ医者の作業を観察していた。猫猫は蒸留装置を使用し、薔薇の花びらから香油を作っている最中であった。この香油作りは、以前準備した青薔薇を用いて行われていた。作業の過程で、壬氏と猫猫の間で香油についての会話が交わされる。香油には子を流す作用があるものもあり、宮廷内での使用には注意が必要であること、そして、医局に残された蒸留装置の活用、消毒用の酒精の製造について語られた。
その後、壬氏によって宮廷外の書物販売の話が持ち上がり、猫猫は壬氏の印刷技術への関心を利用して、西方の印刷技術について説明する。話は進み、壬氏が西方の技術に関心を持つ一方で、偶然医局に届いた猫猫宛の荷物が開封される場面になる。荷物の中身は、帝からの賜り物である小説本であり、後宮中で流行していることが明かされる。この小説本は、教育的な意図も含めて後宮の女官たちに配布されていた。
猫猫はこの小説本が、宮廷内の文化や識字率向上に一役買っていることを認識し、後宮を出た後の生活のために、小蘭に字の練習を促す。小蘭は自分の将来を考え、字が読めるようになることの重要性を理解している。猫猫は小蘭に日常生活で使う言葉から字の練習を始めさせることにし、小蘭の学習意欲を支える。
2話
鈴麗公主が一年半を過ぎ、健やかに成長している。玉葉妃は公主に外の世界を見せるために散歩を提案し、猫猫や紅娘を同伴させる。外出中、公主は物置の隙間から出てきた子猫に興味を示し、猫猫がそれを保護する。子猫は薄汚れていたが、猫猫とやぶ医者の世話で健康を取り戻す。皇帝の訪問時に公主が子猫に夢中になり、その結果、子猫は「毛毛」と名付けられて医局に残ることになる。子猫は「盗賊改」という官職を与えられ、医局の鼠取りとしての役割を果たすことになった。猫猫はこの名前について疑問を抱きつつも、子猫の世話を続ける。
3話
季節は湿気が多くなり、猫猫は防虫用の香草を準備していた。翡翠宮では衣裳部屋の整理が進められ、古い服は選別されていた。新しい侍女の加入が予定されており、これは玉葉妃の懐妊に伴い、人手が必要になるためである。隊商が後宮に訪れることが話題となり、侍女たちは新しい衣裳や装飾品の購入を楽しみにしていた。特に異国の商品を扱う隊商の訪問は、後宮の女官たちにとっての大きな楽しみであった。
猫猫は隊商の訪問に興味を持ち、小蘭とともに商品を見に行く。この際、以前助けてくれた女官と再会し、茉莉花茶を購入する。その後、彼女たちは医局でやぶ医者と共に茶を楽しむことになる。この際、異国から特使が来るという情報や、後宮内で不思議な臭いがすることが話題に上がる。
4話
隊商の訪問後、後宮内では香油が流行し、様々な匂いが混ざり合って猫猫を含む多くの人々を悩ませた。洗濯場では香油まみれの衣服が積まれ、洗濯係も困惑していた。猫猫は香油の強い匂いに頭を悩ませる中、薔薇の香りが染み付いた衣服を手に取り、以前作った薔薇水の売却を考えるも、薔薇の精油が妊婦に悪影響を及ぼす可能性を考慮していた。ある日、後宮内で香料や精油の名前を書き留めた紙を壬氏に見せ、これらが妊婦に害を及ぼす可能性があると指摘する。隊商から入ってきた香料や茶葉には、害のある成分が含まれていることが判明し、猫猫はこれが意図的なものかどうかを疑問視した。壬氏との対話を通じて、後宮に毒を持ち込む意図があるかもしれないという懸念が浮かび上がる。結局、猫猫は茶葉と香辛料の購入を反省し、壬氏に茶を提供するものの、会話の中で不妊に関する効用をふざけて話し、壬氏の気分を害してしまう。壬氏は白茶を手つかずで去り、猫猫は反省の念を抱くが、壬氏が猫猫の茶を飲んでいたことに気づく。
5話
猫猫が洗濯場で小蘭に字を教えることが日課となっていた中、ある女官の失踪の噂が耳に入る。その女官は結納金が貯まり、退職する予定だったが、いなくなってしまった。この噂を耳にしたのはやぶ医者からだった。後宮の暗い闇を感じさせる話である。後宮内では、結婚を理由に辞める女官がいなくなったことが妙な憶測を呼んでいた。猫猫は、この事態に関連がないと思いつつも、後宮の日常に戻る。
ある日、猫猫は玉葉妃と壬氏から特別な用件で呼び出される。話の内容は、後宮での教育プログラムの構想についてで、壬氏は後宮内に学校を作る計画を持っていた。猫猫は、このアイデアに賛同しつつも、立地や実施方法についてアドバイスを提供する。また、壬氏からは、後宮内での毒茸に関する調査の依頼もあった。
その夜、猫猫と紅娘は葬儀に参列する。そこで、猫猫は死んだ中級妃が玉葉妃に毒を盛ろうとした可能性があることを知る。葬儀では、亡くなった中級妃に対して、猫猫は奇妙な連鎖を感じ取る。葬儀の場で、一人の女が祭壇を荒らし、死体の顔を晒す。その顔は、病気か火傷によって醜く変わり果てていた。この光景を見て、猫猫は何かを悟る。
要約すると、後宮の日常の中で、失踪した女官の噂、後宮での教育プログラムの計画、そして、奇怪な葬儀という出来事が絡み合う。猫猫は、これらの出来事を通じて後宮の闇と光を見つめ直すことになる。
6話
昨日の騒動の主は、裕福な商家の娘である下級妃であり、顔がただれる謎の病にかかっていた。この病は中級妃によって引き起こされたものであると考えられる。猫猫はこの病の原因として赤い毒茸を疑い、確認のために調査を行う。確信を得た後、壬氏と高順はこの毒茸について調べる。その結果、触れるだけで手がただれるほどの毒性を持つことがわかる。
猫猫は、中級妃の死に関連してさらに調査を進める。静妃とされる遺体の葬儀が行われたが、静妃は実は一年前に死亡しており、葬儀の遺体は他人のものだったことが判明する。遺体は静妃の装飾品を身につけており、これが静妃であることの証拠となる。この遺体は、静妃の侍女たちによって顔を潰され、静妃に見せかけられていたものである。侍女たちは、静妃の死を隠蔽し、彼女が生きているかのように見せかけていた。
猫猫は、遺体が埋められていた場所を特定し、掘り起こすと人間の骨が見つかる。この発見により、静妃が実際には一年前に死亡していたことが確認される。この遺体が静妃であることは、彼女の装飾品から明らかであった。最終的に、静妃の死の真相と侍女たちの関与が明らかになり、猫猫の調査は終了する。
7話
暑い昼下がり、異国から届いた珍しい玻璃製の大きな姿見を見に翡翠宮に呼ばれた猫猫は、玉葉妃と侍女たちがその鏡で遊んでいるのを見る。この鏡は、全身をはっきり映し出すことができる非常に珍しいもので、西方からの渡来品として非常に高価なものだった。猫猫はこの鏡に興味を示し、玉葉妃からは異国の特使からの贈り物であることを聞かされる。
翌日、高順から相談された話は、監視下にある良家の二人の娘の一人が、男と接触せずに妊娠したという不可解な事件についてだった。家の見取り図を元に考察を進める中で、猫猫は鏡を使ったトリックの可能性に気付く。鏡を使って一人が二人いるように見せかけることで、監視を欺き、外出することが可能だったのではないかと推測する。さらに、刺繍が関わるトリックにも言及し、見方によって異なる絵が現れる「だまし絵」の可能性を指摘する。
高順からは、壬氏からの言伝として熊胆が贈られる。この贈り物を受け取りながら、猫猫はこの一連の話がある種の口止め料かもしれないと感じつつ、熊胆を使った何かを作ることに興味を持つ。
8話
噂が伝説へと変化し、外交の一環として特使が「真珠の涙を持つ絶世の美女」を求めてきたという話から始まる。猫猫は、この美女が実は幼少期に特使が聞かされた異国の話に基づくもので、既に高齢のやり手婆であることを知っている。しかし、特使の要望に応えるため、また外交的な配慮から、猫猫はこの要望を満たす策を考える。
猫猫は、やり手婆が若い頃、虫の雌の死体によって雄が集まり、その結果、特使の祖父が見たとされる「月の精」としての美しい光景を再現する計画を立てる。この計画には、特使を満足させるために、数日間にわたる準備と、特定の虫を集める作業が含まれる。
計画の実行日、後宮の北側で宴が開かれ、猫猫は特別な衣装に身を包み、虫の雄を引き寄せる香りをまとい、特使の前で「月の精」として現れる。この光景は特使を含む全員を魅了し、特使の求めていた美女のイメージを完璧に満たす結果となる。猫猫の計画の成功は、偶然の要素と猫猫の巧みな演出によって、伝説的な美女の再現を可能にした。
最終的に、猫猫の行動は特使を驚かせ、満足させることに成功する。しかし、この成功は多くの手間と準備、そして壬氏のような協力者の犠牲を必要とした。計画の実行によって、特使との関係は良好に保たれ、外交的な意味でも重要な成果を達成する。猫猫と協力者たちの努力は、外交の場での巧妙な対応と、相手国の要望に応えるための創意工夫を象徴する。
9話
猫猫は洗濯場の裏で時間を潰しながら、世の中の暗い話題について考えていた。小蘭は手習い所の一期生として忙しく、猫猫は特使が来たことに関連する香油の事件について思いを巡らせている。この事件では、侍女たちが大量に香油を購入し、それが問題となっていた。猫猫は、責めることはできないと考え、この香油がもたらした問題をどのように解決するかについて思案する。また、後宮の複雑な権力関係や、特使たちの目的、後宮内の医療体制についても考察している。
猫猫は後宮の北側にある診療所を訪れ、そこで白い服を着た女官たちが清潔な環境で患者を看護しているのを目の当たりにする。この診療所は医官がいないが、女官たちが患者の世話をしており、酒精を使った消毒など、基本的な医療行為が行われていた。猫猫は、この診療所の存在に驚きながらも、後宮での医療体制に対する理解を深める。
最終的に、猫猫は診療所を訪れたことによって、後宮内での医療体制や、女官たちが果たしている役割について新たな洞察を得る。また、後宮での生活や各妃の立場、妃たちの出自や権力関係についても考察し、後宮の複雑な社会構造についての理解を深めている。
10話
翌日、愛藍が翡翠宮に戻ると同時に、猫猫は中年の女官から呼び出しを受ける。この女官は、診療所に勝手に薬を持ち込んだ猫猫について話を聞きたいという。猫猫は監視付きで再度診療所へ向かうことになり、お目付け役として桜花が選ばれた。診療所では、中年の女官「深緑」から、梨花妃の下女が重い病にかかっており、彼女のために薬を作ってほしいという依頼を受ける。深緑は、猫猫の薬作りの技術に期待を寄せている。猫猫はこの依頼に対して興味を持ち、賢妃の下女のために何かできることがないかと考えるが、桜花は場所が場所だけに慎重な行動を促す。
その後、猫猫は蜥蜴の尻尾を拾い上げる。この尻尾は、蜥蜴が危険を感じた際に自身から切り離して逃げるためのもので、後に再生する。猫猫はこの再生能力に注目し、それに似た効用を持つ薬を作ることを考える。しかし、この行動が桜花を驚かせ、彼女は気を失ってしまう。猫猫は桜花を介抱しながらも、自分の薬作りの探求に対する強い意志を示す。
11話
後宮の女官たちが、医官の珍しい訪問にざわついている。医官は一年ぶりに宮に現れ、風呂敷包みを持ち、すらりとした女官を伴っていた。杏という女官が対応をするが、医官は賢妃に会いたいと申し出る。壬氏という美しい宦官からの書状を提示して、中に入る許可を得る。杏は医官とその女官の案内をするが、二人は物置小屋に関心を示す。小屋には病人が隔離されており、その病人は以前水晶宮で洗濯女として働いていた下女だった。
猫猫という名の下女は、杏に対して、不正を働いていると非難する。杏は、香油を隠し持ち、堕胎剤を作ろうとしていた疑惑がある。梨花妃は杏を解雇し、後宮からの立ち入りを禁じることを宣言する。杏の本当の目的は、自分が国母になることへの執着であり、帝への愛ではなかった。
この事件を通じて、後宮内の権力闘争や人間関係の複雑さが浮き彫りになる。猫猫は、後宮から出された下女がより良い環境で治療を受けられるように手配されたことを、もう一人の下女に伝える。事件の終わりには、後宮から出された下女を気遣う優しい心が示され、後宮の冷酷さとは対照的な温かさが描かれている。
12話
昔、この国には別の民が住んでおり、遠き地から来た貴い血筋の女性が天の子を宿し、それが最初の皇帝となったという話が後宮内の手習所で語られている。猫猫は壬氏の誘いでその様子を見に行くが、生徒たちの反応は半々である。この手習所は壬氏が主導しており、建物は比較的綺麗な状態に改築されていた。猫猫は生徒たちが教えられている建国の物語に興味を持つ。特に、この物語の中に登場する王母の存在が重要であることに注目する。
ある夜、皇帝が選択の廟に入ると言い出し、猫猫も同行することになる。廟の中は複雑な構造で、様々な色の扉があり、正しい扉を選ぶことが求められる。このプロセスを通じて、猫猫は廟の真意について深く考察し、それが王母の血を継ぐ者を選ぶためのものであると結論付ける。猫猫はこの国の王母が持つ特殊な遺伝的特徴、すなわち赤緑色盲であることが王族に伝わる重要な要素であると理解する。この遺伝的特徴により、王母の子であることが証明される。
猫猫の解釈によると、王母の血を受け継ぐ者は夜目が利くとも言われ、建国の物語における王母が暗闇でも物を見通せたという記述と関連付けられる。この廟の存在は、王母の血を受け継ぐ者が正当な支配者であることを示すためのものであり、代々の皇帝がこの廟を通ることでその資格を証明してきた。
皇帝自身もこの廟を通ることで自らの資格を試みるが、結果は釈然としないものであった。猫猫の洞察により、王母の血を継ぐという伝統の背後にある遺伝的特徴が明らかにされ、それが国の歴史と深く結びついていることが示された。この事実は、後宮のあり方や皇族の血統に関する新たな理解をもたらすものである。
13話
猫猫は、紅娘と桜花の反対を押し切り、物置小屋を自分の部屋として使うことになった。紅娘と桜花は、猫猫の行動に困惑している。猫猫は、以前、虫を集める癖があったが、現在はそれを止め、草を採るようにしていると主張する。一方で、後宮内で虫を捕まえている女官の噂が流れ、猫猫は誤解されていると感じている。この誤解を解くため、猫猫は子翠の居場所を探り、彼女が虫を捕まえているのを発見する。
後宮での日々は、猫猫が皇太后と出会うことで変わる。皇太后は、猫猫に対して調査を依頼し、自分が先帝に呪いをかけたかどうかを知りたいと言う。猫猫は、皇太后と玉葉妃との和やかな関係を見て、後宮での様々な問題について考えさせられる。猫猫の物語は、後宮内の複雑な人間関係や権力の動きを背景に、彼女の成長と自己発見の旅を描いている。
14話
先帝に対する評価は芳しくなく、特に幼女趣味が後宮内で有名だった。皇太后は、自分が呪ったと考えているが、猫猫はそれに対し疑問を持つ。皇太后と現帝の間には年齢差があり、現帝の出産時には皇太后が重大な犠牲を払っている。皇太后は、猫猫に後宮外の内廷での茶会に同伴し、上級妃たちと交流する。茶会では玉葉妃の妊娠が話題となり、猫猫は皇太后の要請である「呪い」の調査を行うことになる。
猫猫は、先帝が使用した部屋での調査を通じて、先帝が絵を描く趣味があり、その絵の具には砒素が含まれていたことを発見する。これが先帝の体が腐敗しなかった原因であり、呪いではなく毒の結果であったことを示唆する。また、皇太后は自分の位置について思いを馳せ、先帝との関係や後宮での立場について内省する。
結論として、先帝の呪いとされたものは、実際には彼の絵の具に含まれていた毒素によるものであった。皇太后は自身の過去と現在の立場を反省し、自分の存在と行動について深く考える。
15話
新しい女官たちが翡翠宮に来たが、猫猫は名前と顔を一致させるのが苦手だ。ある日、桜花に部屋に戻るよう促されるが、猫猫は物置小屋を気に入り、調合器具や薬草を置いていた。玉葉妃の許しで物置小屋を使うことになり、猫猫は満足するが、桜花は不満顔だった。後宮の北側にある古びた棟で怪談話が始まる。参加者たちは十三の怖い話を楽しむが、猫猫は話の真相に興味を持つ。話が進むうちに、猫猫は物語の裏に隠された意味や現実を考察する。紅娘によると、怪談話を主催していた女官は先帝の御手付きであり、彼女の死後もこの催しが続けられていることが明らかになる。猫猫は、この夜の出来事から人々がどのように過去を受け止め、伝統を継続させるかについて考える。
16話
猫猫は呼び出され、玉葉妃と壬氏の前に立つ。壬氏は猫猫を数日間貸してほしいと願い出る。この交渉は、玉葉妃が猫猫の毒見役としての役割に触れ、代わりに壬氏の侍女水蓮を提供することで解決する。壬氏は子昌からの狩りの誘いを受け、猫猫を連れて行くことにする。猫猫はこの旅で新鮮な肉を期待しながらも、高官たちの間のきな臭さを感じ取る。
猫猫たちは馬車で長時間移動し、子北州の避暑地に到着。この地は子昌の一族が管理している。屋敷には、馬閃という青年とその父親である高順も同行していた。夕餉で提供された食事には、精力をつける食材が盛りだくさんであり、猫猫以外の者はこれを避ける。しかし、馬閃は猫猫と共に食事をするが、食後に体調を崩してしまう。
猫猫は、壬氏の部屋での夜を過ごすことになるが、そこでのやり取りから、壬氏と高順、馬閃の間にある微妙な関係性が垣間見える。猫猫はこの屋敷での一連の出来事を通して、貴族社会の複雑な人間関係や、自身の位置づけについて改めて考えることになる。
17話
翌日、壬氏たちは狩場へ向かい、壬氏は覆面をつけて「香泉」と名乗る。猫猫は馬車で後を追い、山荘に到着する。そこでは使用人たちが料理の準備をしていたが、猫猫は手伝わずに周囲を観察する。李白という犬の世話をしている知人に出会い、少し話を交わす。宴会では、壬氏が上座に座り、料理に手をつけず、覆面を外さない様子が不審に思える。子昌と思われる男が壬氏に何かを囁き、その後、壬氏は不安定な様子で山荘を出て森へと向かう。
猫猫は壬氏を追い、森の奥で彼を見つける。壬氏は人目を気にして覆面を外そうとしないが、猫猫は彼をさらに人目から隠れた場所へと連れて行く。そこで突然、飛発(火薬を使った武器)の使用が示唆される危険な状況に遭遇する。壬氏は猫猫を抱えて滝へ飛び込み、二人は瀑布を落下する。
18話
護衛の兵や高官たちが慌てており、主が離席してから一時が過ぎた。馬閃は、主がどこにいるのか考えており、部下を捜索に向かわせていた。一方で、侍女が水を持って主の後を追ったことが話されている。宴の場では、主が長時間消えていることに対する憂慮と揶揄が交錯していた。子昌が主催する宴ではあるが、何か事を起こすにはやりにくい雰囲気があった。
急ぎ足の武官が報せに来て、主の衣が川の岩場に引っかかっていることを報告し、その場には誰もいなかったことを伝える。これにより、宴は騒然となり、官たちが捜索に出ることになる。馬閃は官たちの荷物から狩りの道具を確認し、魯袁という高官の荷物から問題の矢が見つかる。魯袁は矢が自分のものではないと否定するが、周りは動揺する。
捜索が続けられる中、馬閃はさらなる調査を提案し、魯袁の一行が不安になる。その後、川べりで破けた衣と血がついた矢が見つかるが、衣の主は見つからない。馬閃は矢を持って官たちに調査を求め、その際に犬を連れた武官が猟犬を使って魯袁を指摘する。最終的に、男が慌てて隠していた飛発が発見され、犯行が明らかになる。
19話
壬氏と猫猫が滝へ飛び込んだ後、二人は滝の裏側にある洞窟にたどり着く。猫猫は泳げないため、溺れかけてしまい、壬氏が助ける。その後、服を絞って体を温めようとするなど、二人は生存のために協力する。洞窟内で壬氏が猫猫に食べ物を提供し、互いの体調を気遣いながら、飛発の音に再び警戒する。猫猫は壬氏が宦官でないことを認識しつつも、その事実に深入りすることを避け、二人は出口を探る。
出口を探す中で、猫猫は壬氏の体の一部を間違って触れてしまい、その事実に動揺するが、その状況は二人の間で穏便に処理される。その後、李白と猟犬が登場し、二人は洞窟からの脱出に成功する。猟犬が飛発の匂いを追跡し、犯人を特定する手がかりを見つける。李白は犯人の捕縛に成功し、真犯人を特定するための証拠を確保する。
このエピソードは、壬氏と猫猫の関係性の深まり、壬氏の秘密の一端が明らかになりつつも、猫猫がその真実から距離を置こうとする心情、そして最終的に犯人追跡に成功するまでの経緯を描いている。
終話
猫猫は、最新式の飛発が西方から来たものであり、その取引が国と国の間で行われれば戦争を引き起こす可能性があると危惧している。高順は夜宴に参加しており、猫猫は留守番をしている中、壬氏が猫猫の部屋を訪れる。壬氏と猫猫は、以前の誤解を解消しようとするが、通じ合うことはできない。壬氏は猫猫に牛黄を贈り、それが猫猫には大変喜ばれるが、壬氏が伝えようとした本当の意図は猫猫には伝わらなかった。
高順は、宴会で他の官たちと交流し、東宮が無能と見做されている状況を察知する。東宮である壬氏(華瑞月)について、高順は何が起こっても彼を支えようと決意しているが、その思いや計画は他人には伝わっていない。猫猫は壬氏の秘密に関わることには消極的だが、壬氏からの贈り物、牛黄には大変感謝しており、必要があれば壬氏を助けることを内心で決意している。
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