どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
読んだ本のタイトル
薬屋のひとりごと 7
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者: #日向夏 氏
イラスト: #しのとうこ 氏
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あらすじ・内容
コミックス2作品(小学館版1巻、スクウェア・エニックス版2巻)が2月下旬に発売。女官となった猫猫が大活躍の第7弾!
里樹妃との一件が片付いたのもつかの間、
猫猫の元に高順が厄介ごとを持ってやってくる。
どんな用事かと言えば、猫猫に女官試験を受けないかというものだった。
猫猫は、半ば強制的に試験を受ける羽目になる。
新しく医官専属の女官となった猫猫の前に現れるのは、
面倒くさい変人軍師に厳しい上司の医官たち、それと同僚たる同じ女官たちだが――。
猫猫は同僚たちにお約束の通り嫌がらせを受ける。
特に、女官の首領である姚(ヤオ)は猫猫に対して突っかかってくるのだった。
薬屋のひとりごと7
アニメ化のお知らせ
感想
いきなり官女になれと言われて試験を突破するために、問題集の詰め込みのスパルタ教育をされる。
後ろにやり手婆が仁王立ち、、
猫猫、強く生きろよ。。
そして、無事に試験を突破するも御約束のイビリ。
それをスルーしてたら2名が脱落して、猫猫含めて3名が残った。
それが姚と燕燕。
姚は15歳だが才女として猫猫をライバル視しており、突っかかて来るが根が素直。
その相方の燕燕の方が質が悪いが、何故かそのターゲットは主人の姚に向かっている。
それを毎日見ていた猫猫も姚のデレを見破れるようになり、仲が良くなるのだが、、
そこに壬氏の魔の手が!!
不幸にも燕燕は姚から引き離され、姚成分欠乏症に陥ってしまう!
どうなる燕燕!?
燕燕が、男より女子が好きだと知った壬氏はネチッこいぞ!w
そんな素敵に個性的な仲間たちと事件を解決、、
今回は表では失敗した事になるのか。。
でも、一国の国王より上の地位に君臨していた巫女の死を偽ったんだから。
皇帝と皇弟は赦してくれるはず。。
罰で壬氏の嫁になれと言うかな?w
なんかそれらしい事も言ってたし。
さて、8巻行ってみよう!
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備忘録
序話
ジャズグルは初めて目にする大きな船に乗り、隣の国へ向かう。彼女は奴隷として売り払われ、言葉を話すことができないが、働くことはできた。本来『めかけ』になると思っていたが、美しいご主人様に迎えられ、文字が書けない代わりに絵を描くことを奨励された。ジャズグルは船旅を楽しみにしており、ご主人様のために頑張る必要があると感じている。ご主人様は体が弱く、日中の明るい場所に出られないが、ジャズグルはご主人様を特別だと思っている。ご主人様は王様と並ぶほどの地位の持ち主で、交易のために遠い国へ行く。ジャズグルは新しい国での生活に興味を持ち、喋れない分、聞くことに頑張ろうと決意している。
1
官女試験の日、猫猫は元祖癒し系武官の高順に再会する。彼の息子、馬閃が怪我をしてしまったため、高順が臨時で壬氏付に戻っていた。猫猫は高順から医官に準ずる立場になることを提案されるが、即答で拒否する。しかし、皇帝付の壬氏、玉葉后、主上からの推薦状が届いており、高順は猫猫を説得するために銀の粒を見せる。結局、猫猫は試験勉強をすることになり、やり手婆や他の関係者の助けを借りながら勉強に励む。試験当日、猫猫は多くの受験者とともに試験会場に向かう。試験後、猫猫は花街へ戻る途中、かつての知り合いである克用と再会する。克用は女装して試験を受けようとしていたが、既に試験は終了していた。克用は、猫猫と食事をしながら、就職先を探していることを明かす。最終的に猫猫は克用に対して、花街での出張勤務を提案し、双方合意に至る。
2
新しい薬師の加入により、猫猫の仲間である左膳は安堵する。猫猫自身は受験勉強の苦痛を乗り越え、合格通知を受け取る。合格通知の受け取り後、官女としての服装や準備が話題になるが、猫猫は特に準備をせずに指定された場所へと向かう。合格者の集まりでは、すでに小さなグループが形成されており、猫猫はその中で若干孤立する形となる。しかし、その場で突然倒れた若者の救助を行い、その場に隠れていた医官たちから実技試験の一環であったことを知らされる。猫猫の行動は合格と評価され、官女としての新しい生活が始まることになる。
3
医官付の官女として猫猫を含む五人が、軍部近くの医局で仕事を覚え始める。猫猫は特別扱いされず、実力で評価を得る必要がある。毎日、様々な怪我を負った武人が治療を求めてくる中、猫猫を含む五人の中で二人が積極的に仕事をこなし、残り二人は血を見て失神するなど、仕事に慣れるまでに苦労する。猫猫は洗濯や煮沸消毒などの基本的な作業を黙々とこなし、他の官女たちとの交流は少ない。医官からは仕事に対する評価や助言を受け、猫猫の存在を巡って他の官女たちとの間にはやや緊張がある。医局の仕事に慣れ、宮廷近くの宿舎で生活する猫猫は、壬氏からの文や花街の薬屋の状況報告など、日々の連絡を受け取りながら、自分の役割を果たそうと努める。ある日、後宮への手伝いが求められ、猫猫は選ばれて後宮へ向かうことになる。
4
後宮に入るにあたり、猫猫やおやじ(羅門)を含む一行は身体検査を受ける。特に姚と燕燕にとって、この検査は屈辱的であったようだ。後宮内では猫猫たちが新たな人間として注目され、猫猫の過去の行動により、既知の顔からは様々な反応が得られる。おやじは一行を直接後宮の医局に導き、そこで懐かしい顔と再会する。彼らの任務は、梨花妃を始めとする後宮の女性たちの健康状態をチェックすることであった。梨花妃には久しぶりに会い、彼女とその健康な赤子に対する診察を行う。次に、新しく中級妃になった砂欧の女、愛凛のもとを訪れ、彼女の健康状態も確認する。愛凛からは、官女たちにのみ焼き菓子が贈られる。医局に戻ると、空はすでに赤く染まっており、猫猫は日が暮れるとともにやぶ医者と茶を飲むことを考える。今後の仕事の増加が示唆され、おやじは別の仕事が残っているために早退する。やぶ医者は猫猫からもらったお菓子に興味を示すが、猫猫は菓子に隠された紙に気づき、後宮を後にする。
5
仕事終わりに宿舎に戻った猫猫は、もらった菓子から紙きれを取り出し、それぞれに異なる西の文字が書かれていることに気づく。しかし、言葉としての意味は成さず、猫猫はその意図を理解できない。その時、姚と燕燕が訪ねてきて、焼き菓子について尋ねる。姚は猫猫から菓子を要求するが、猫猫は遊び心でそれを拒否し、菓子に隠された紙きれの謎について話し合うことになる。談話室にて、猫猫、姚、燕燕は各自の菓子に隠された紙きれを出し合うが、燕燕の菓子には紙きれが入っていなかった。紙きれを解読しようと試みるも、完全に理解することはできず、猫猫は布包みの模様が紙きれの配置と関連していることに気づく。布に書かれた模様と紙きれを合わせると、「白い娘の正体を知りたいか?」というメッセージが現れる。このメッセージは猫猫に不快感を与え、白娘々のことを思い出させる。猫猫はこの情報を壬氏に報告することを決意するが、姚と燕燕はそれを阻止し、三人で情報を共有し、試験の一環ではないかと推測する。最終的に、三人は一緒に問題に向き合うことになり、猫猫は自らが医官見習いとしての役割に戻りたいと願う。
6
猫猫は、愛凛の謎かけの解決後、姚と燕燕に監視されながら洗濯をしていた。その最中、医局に急患として運ばれてきたのは、毒を盛られたとされる変人軍師だった。猫猫と燕燕は怪我人を見るため医局に戻り、軍師の毒症状が落ち着いた後、塩と砂糖を混ぜた水を用意して治療にあたる。羅半が軍師の安否を心配して駆けつけ、猫猫たちは軍師の毒が自らの行動によるものだったことを突き止める。変人軍師は自らの果実水に唾液を混入させ、それが腐敗して毒状を引き起こした。この事実に基づき、猫猫は毒の原因が軍師自身にあると断定し、その結論を羅半らに説明する。一方で、医官たちが帰還し、猫猫は薬の分類作業を任される。燕燕との関係も少しずつ改善し、猫猫は彼女に試験での成績や姚の年齢について聞き、燕燕が主席になる可能性を問う。燕燕は、自身が主席になることはないと断言し、猫猫に対しても謎めいた態度を見せる。
7
後宮における医官の訪問スケジュールは、おやじを含む外部の医官が十日に一度、上級妃が月に一度、中級および下級妃が三ヶ月に一度の割合で設定されている。猫猫は、姚と燕燕に監視されつつ、通常の生活を送っていた。文の検閲や壬氏からの直接の文がないこと、馬閃の異常な回復力、薬屋の状況などが記されている。愛凛妃は、後宮に入った女性の中で特異な存在であり、猫猫たちは愛凛の棟を訪れる。愛凛からの菓子の贈り物には、西の客としての招待を意味する文が添えられており、三人は高級酒楼で羅半とその護衛に会うことになる。羅半は、愛凛の後宮入内が彼の計画の一環であり、愛凛の政敵が権力を握ろうとしている状況から亡命同然の形で後宮に入ったこと、そして巫女の病を治療するために猫猫たちが選ばれたことを明かす。愛凛の出身地である砂欧では、王と巫女の二つの柱で国が成り立っており、現在の巫女は特別な存在である「白子」とされる。愛凛の後宮入内と医官付官女の選抜は、砂欧の巫女の病を治療し、愛凛の政敵への牽制としての意味合いが強い。羅半はこの計画に深く関与しており、猫猫たちの選抜もその一環だった。猫猫は、愛凛の真の目的や羅半の言葉の裏にある意味を探ろうとするが、公には言えない複雑な事情があることを悟る。
8
猫猫が裏があると確信したのは休日に花街の緑青館を訪れた時である。趙迂と再会し、薬屋で左膳と克用の作業風景を見る。新しい薬の飲み方について克用から聞く中で、彼が西方出身の人物から医術を学んだことが明かされる。その後、羅半と会い、医官付官女の件で砂欧の巫女に関する話を聞く。羅半は、巫女が実際には巫女ではなかった場合の可能性や、巫女が子を産んでいた場合の影響について語る。特に、巫女の子が白娘々であるかもしれないという話題が出る。愛凛妃がこの件に関心を持っている理由や、砂欧の政治状況についても触れられる。猫猫は、砂欧の巫女と愛凛妃の関係、白娘々の秘密を巡る政治的な駆け引きを知ることになる。羅半は、砂欧の巫女が茘を訪れる予定であり、その背景には大きな式典と砂欧と茘の関係強化があることを明かす。猫猫はこの複雑な状況に巻き込まれ、やり手婆と壬氏がこの計画に関与していることを知り、特別手当の交渉を羅半に任せることにする。
9
玉葉后が正室として明確に位置付けられ、その地位を周囲に示すことの重要性が強調される。梨花妃が后になり得る資質を持ちながら、玉葉后が正室となった理由には、梨花妃の子が長生きするか不確かであったことや、帝が近親婚を避けている傾向があることが挙げられる。また、玉葉后の一族と他国との良好な関係が必要であるため、その地位は重要である。猫猫たちは玉葉后の往診の付き添いをさせてもらうようになり、後宮での茶会で玉葉后と交流する機会を得る。茶会では、燕燕が料理対決にまつわる謎解きのような話を披露し、猫猫がその謎を解く。この交流を通じて、玉葉后が正室としての地位を確固たるものにしようとしている様子が描かれる。また、猫猫には玉葉后から翡翠の玉がついた簪が贈られ、後宮に戻ることを歓迎するメッセージが伝えられる。
10
じめっとした暑い季節、壬氏は執務室で書類仕事に追われる日々を過ごしている。書類が湿気でにじんでおり、不快感を感じていたところ、不在の間に官女が置いていったという水出しの茶が毒入りだったことが銀の匙で判明する。これは、壬氏が官女に関するトラブルを避けるため、執務室に官女の出入りを制限しているにもかかわらず、官女が持ち込んだものであった。壬氏は文官に気にせず仕事を続けるよう促し、自身も書類仕事を続ける。夕方、乳母の水蓮は壬氏に梨を提供し、壬氏はその瑞々しさに少し癒される。水蓮は壬氏に妃を娶ることで官女の問題を解決する提案をするが、壬氏はそれが簡単ではないと考えている。水蓮はまた、壬氏に後悔のない人生を歩むようにと助言し、壬氏はその難しさを感じつつ一日を終える。
11
夏の祭りの準備で都は活気に満ち、異国からの人々が訪れる中で、官僚たちは増加する仕事に追われている。文官は書類整理、武官は治安維持に励み、猫猫を含む医官たちは怪我人の治療や薬作りに忙しい。特に猫猫は、休みの日に田んぼで蛙を捕まえ、その油を試験的に薬に混ぜるなど、独自の実験を行っているが、それが老医官に没収される。食堂では、官女たちの間での男性官僚への不満や、食文化の違いによる異国の話題などが飛び交い、猫猫は姚に意地悪をするも、食後の点心として、蛙の生殖器を材料にした高級水菓子「雪蛤」が登場する。これは姚の好物であるが、その真実は彼女には知らされていない。
12
羅門(おやじ)とその部下たちがお祭りの賑わいの中、異国人との薬の買い取り交渉のために外出している。羅門は医官であり、多言語に通じるため交渉に最適である。姚、猫猫、燕燕も同行し、買い物の途中で話せない異国の子ども、じゃずぐるを見つける。じゃずぐるは特定の食材を求めていたが、言葉が通じないため意思疎通に苦労する。最終的にはじゃずぐるの保護者と思しき異国人女性が店で再会し、じゃずぐるは無事に保護者と共に店を後にする。そのお礼として、猫猫たちには高価な絹の布が贈られる。この一連の出来事から、猫猫たちは異国人の保護者がかなりの金持ちであることを悟る。最後には、時間に追われて急いで帰路につく。
13
燕燕は、皇弟殿下の付き人として期間限定で勤務することになる辞令を受け取る。この辞令により、燕燕はしばらくの間、医官手伝いの仕事から離れることになり、姚と猫猫はその間、仕事が忙しくなることを予感する。壬氏の執務室では、新しく配属される文官、武官、官女の顔合わせが行われている。壬氏はこの人選について、家柄が良すぎる者を避けていること、また、猫猫も候補にいたが、特定の理由で除外されたことを知る。その後、燕燕から異動願が出され、壬氏は燕燕の能力を評価し、異動願を承諾する。燕燕の異動願には、「男が苦手であり、女色の気がある」という備考があり、壬氏はこれをポジティブに受け止め、燕燕を採用する決断を下す。
14
宮廷の近くにある離宮に、砂欧から来た巫女一団が仮住まいしている。猫猫、姚、羅門、そして護衛が数人、巫女の診察のために訪れた。この離宮は異国の客人をもてなす場所であり、その構造や装飾は異国風である。診察では、巫女が特定の病気に苦しんでいることが示唆され、その治療法について議論される。猫猫は巫女の身体的特徴や食生活から、巫女が病気を自覚しており、特定の食材を摂取していることを指摘する。
その後、猫猫と姚は医局に戻り、巫女の症状に合った薬を探し始める。その過程で、後宮での勤務経験がある医官と出会い、彼から後宮で使用される特製の「偽宦官薬」について聞くことになる。この薬は、後宮に入る必要がある男性が性欲を抑えるために使用するものであるが、副作用があり、医官はそれを好まない。
最終的に猫猫と姚は、巫女の病気に対する処置を慎重に決めることになり、その過程で燕燕の専門知識が役立つ可能性があることを認識する。猫猫はこの診察と治療の経験を通じて、医学的知識や異国の文化について学び、同時に政治的な慎重さを持つことの重要性を理解する。
15
巫女の往診を終えた帰り、猫猫たちは通りの賑わいを馬車の中から眺める。往診の意義については疑問が残るものの、水分を取ることや夜間の散歩など、生活指導が巫女にとって役立っていることが分かった。巫女の砂欧では水が貴重であり、水を頻繁に飲む習慣がないため、水分摂取の増加が頭痛の減少につながった。また、砂欧に比べて茘の日差しが弱く雨も多いため、白子である巫女にとっては散歩が可能になり、喜ばれている。
巫女の訪問者は様々であり、中には占いを求める者もいるが、猫猫は占いに対して疑問を持っている。おやじは占いや人柱などの古い習慣について語り、過去には意味があったものが形だけ残ることの厄介さを指摘する。
医局に戻ると、変人軍師が猫猫を東宮の食事会の毒見役に指名していることが明らかになる。姚は巫女のそばにいることになっていたが、猫猫に毒見役を勧める。変人軍師の提案は意外であり、猫猫や姚はその申し出をどう受け止めるかで悩む。結局、猫猫は毒見役を引き受けることになり、姚は巫女のそばに留まる。この選択は、国際問題を避けるためにも猫猫が変人軍師の側につくことが適切とされる。
16
楽しみにしていた異国風の料理が提供される食事会が迫る中、猫猫は変人軍師の近くには行かずに済むようになり、姚は巫女の離宮での生活に張り切っていた。食事会の当日、猫猫は燕燕と偶然廊下で出会い、彼女が姚不足で疲れた様子をしていることを知る。猫猫は食事会の準備を渋々進め、使い走りとして後宮の妃たちに蚊よけの線香を配る任務を受ける。食事会では、猫猫が毒見役を務め、猫猫は変人軍師の奇行に手を焼きつつも、彼の行動を紐で制限する工夫をする。愛凛妃から猫猫は巫女の健康状態について尋ねられ、巫女が病気ではないことを伝えるが、愛凛の真意や体調に疑問を感じる。食事会が始まると、姚が突然倒れ、嘔吐する事件が発生する。姚だけでなく、巫女の毒見役も体調を崩していることから、巫女に毒が盛られた可能性が浮上する。おやじが現場に駆けつけ、猫猫に巫女の方を優先するよう指示し、自らは姚の世話をすることになる。猫猫は羅門(おやじ)の指示に従い、巫女たちのもとへ急ぐ。食事会という公の場での突然の事件により、猫猫は巫女と姚の安全を最優先に行動を開始する。
17
巫女ともう一人の毒見役が嘔吐を繰り返し、猫猫は彼女たちの看病を担当する。姚の症状は深刻で、壬氏は燕燕の気持ちを考慮しても彼女の看病を不問にする。巫女の容態が少し安定すると、壬氏が状況確認のために猫猫のもとを訪れる。議論の中で、愛凛妃が毒を盛った疑いが浮上するが、猫猫はこの毒が茸毒であり、愛凛妃が犯人であることに疑問を持つ。猫猫は、巫女と姚の中毒症状の差異と発症タイミングから、毒の摂取が食事会より前、離宮であったと推測し、巫女たち自身が自演で毒を盛った可能性を示唆する。この行動は、愛凛妃に罪を着せる目的があったと考えられる。さらに、巫女が愛凛妃を陥れる理由として、巫女が子を産んだ疑惑が浮上し、それが白娘々の母親である可能性が指摘される。この情報は、巫女の地位や生命に直結する重大な秘密であり、茘への亡命理由にも関連していると推察される。最終的に、猫猫と関係者は巫女が愛凛妃を罠にはめた可能性を深く探ることになり、この問題が国際的な諍いに発展することを避けるために犯人探しの緊急性が高まる。しかし、猫猫自身もこの推論に完全には納得していない様子を見せ、羅門(おやじ)も肯定も否定もせず静かに見守る姿勢を取る。
18
壬氏が猫猫に寝間着の着替えを手伝わせる場面から始まる。猫猫は壬氏の健康を気遣い、眠りにつきやすい薬湯を提供する。二人の間には、過去の共同作業の回想や、現在の猫猫の立場に対する微妙な感情が交錯する。壬氏は猫猫に対して結婚を申し込むが、猫猫はこの提案に戸惑う。猫猫は壬氏との曖昧な関係性について不満を漏らし、壬氏はその不満に対して直接的に返答する。壬氏は猫猫に対する自分の感情を明確にし、結婚を申し込むが、猫猫は壬氏の提案に混乱し、様々な疑問と不安を抱く。猫猫は壬氏の提案が自分や周囲に与える影響を懸念し、壬氏の真の出生の秘密や周囲の人々の反応について考える。
19
数日後、壬氏からの何の連絡もなく、猫猫は巫女毒殺未遂事件について考え続けていた。事件は愛凛が自白し、罪を認める方向で進んでいったが、猫猫はこの自白に疑念を抱いていた。羅半は愛凛の自白内容について報告し、猫猫はその内容に不満を感じる。愛凛が巫女に対して恨みを持ち、巫女を襲ったという話に猫猫は納得がいかず、事件の背後にある真実を探ろうとする。
猫猫と羅半は、巫女が実は男性である可能性について議論する。巫女が去勢された男性である場合、その秘密を守るために愛凛が罪を被った可能性を検討する。巫女の性別が男性であることが公になれば、砂欧の政治に大きな影響を及ぼす可能性があるため、巫女が自分の正体を隠すために外遊に出たという推測に至る。最終的に、猫猫は巫女が自殺するために外遊に出たという恐ろしい推測を口にする。
20
冒険に満ちた生活から一転、退屈な日々を過ごしていた巫女は、自身が長らく『巫女』として特別視され、崇拝される存在であったことに疑問を持ち始める。自分の本来の名前を忘れてしまうほどに、その座に縛り付けられていた巫女は、終わりを迎える時間が来たことを実感する。巫女はジャズグルという声を失った娘と交流し、彼女に絵を描かせながら、自分の過去と現在を反省する。
巫女は自身が男として生まれ、後に去勢されて巫女にされたこと、そして王を廃するための駒として利用されたことを知る。自分の人生が他人の手によって操られてきたことに気づき、その事実に打ちのめされる。巫女は療養の名目で、生まれた村に近い場所に移り住み、そこで自分の未来について深く考えるようになる。生まれた村からは、巫女と同じく白い肌を持つ赤子が送られてくるが、巫女は自分の終わりを受け入れ、巫覡に全てを託すことにする。
ある日、巫女の部屋に茘の官女が無断で入り込み、巫女の食事である茸粥を食べる。この行動によって、巫女と巫覡は大きな衝撃を受ける。官女の行動は、巫女の食事が毒であることを示唆するものであり、彼女の勝ち誇った様子は、彼女が何か大きな秘密を握っていることを示している。巫女と巫覡はこの突然の出来事に対してどう対応すべきか、途方に暮れる。
21
猫猫は、巫女の付き人から奪われた茸粥をもう一度食べようとするが、毒見の名目で阻止される。猫猫は毒見が完了していないと主張し、残りの粥を要求する。彼女は、姚という官女の手記を引き合いに出し、毒が仕込まれている可能性について論じる。巫女の食事が計画的に毒である可能性を示唆し、毒が二段階で効く設計になっていることから、巫女の自殺を計画したことを推測する。猫猫は、巫女とその付き人に対して、愛凛が巫女のために罪を被っている状況について問い詰める。巫女が話し始め、彼女の生い立ちや巫女としての役割、そして王派による追放の危機について語られる。愛凛が巫女を庇っていたことや、姶良が利用した可能性についても触れられる。巫女は、自分の人生が他人によって捻じ曲げられてきたこと、そして巫女という立場にすがるしかなかった自己の過ちを認める。猫猫は、巫女が自分の過ちを認め、残りの人生を贖罪に使うことを提案する。猫猫の提案により、巫女とその付き人は深刻な選択を迫られる状況に立たされる。
22
陶器の壺には名も知らぬ女の骨が入れられ、遠い異国の地で尊ばれることになった。猫猫は黒い帯に触れながら、形だけの喪を示し場を後にする。巫女は予定通り亡くなり、検分には猫猫とおやじが立ち会った。巫女の亡骸は、壬氏の提案により、彼女がもはや巫女ではないことを示す特別な部屋に安置される。巫女は砂欧国内の巫女の立場を落とさずに亡くなることを選び、自身の死を選んだのはこれ以上生きる価値を見出せなかったからかもしれない。
しかし、壬氏と阿多は、巫女の知識と経験がまだ価値があると考え、彼女に新たな生き方を提案する。巫女は、条件として愛凛と白娘々の安全を確保することを求め、さらに茘国からの援助を頼むことにする。この交渉により、巫女は新たな人生を歩み始めることとなる。
猫猫に渡された羊皮紙には、口がきけないじゃずぐるという子どもが描いた落書きが含まれていた。これらの絵は、未来の出来事を予言しているかのようで、猫猫はその意味を理解しようとする。巫女は、砂欧の巫女が何かを欠く代わりに別の力を持つと語り、自分の力は自分の正体を知った時に消えてしまったと明かす。
最後に猫猫が見た羊皮紙には理解不能な絵が描かれており、彼女はその意味を探ろうとするが、壬氏に急かされてその場を離れる。
終 話
蝉の季節が終わり、蟋蟀の声が聞こえ始める中、都の郊外にある屋敷の一室で、猫猫は毒見から回復した姚のもとを訪れている。姚は自宅療養中であり、早く仕事に復帰したいと願っている。猫猫は、姚の回復を助けるために薬湯を提供する。姚の家は以前は豊かであったが、現在は物寂しい雰囲気が漂っており、使用人も少ない。姚の家族の事情と彼女の向上心について触れられている。
姚と猫猫は、最近の出来事について語り合う。猫猫は、姚に毒を盛った犯人を生かしておく形になったこと、姚が表向き毒見に失敗し汚名を着せられていることについて罪悪感を感じている。姚は、自分が丁重に扱われていることに疑問を抱き、世間の状況を理解している。
姚は、彼女の看病を続けたかった燕燕についても言及し、彼女の必要性と燕燕の未来について考えを述べる。姚は自身の未来についても話し、医官付の官女としての仕事に対する情熱を示す。しかし、姚は、自分と燕燕に関わる仕事について猫猫が何かを隠していると推測し、猫猫に対して何も言わないようにと願い出る。
最終的に、猫猫は姚の屋敷を出て、家路につく。途中で、祭の後の静かな街の様子を感じ取りながら、日常に戻る人々の様子を観察する。猫猫は、異国の巫女の死が街の人々にとっては一時の話題に過ぎなかったことを思い、自らの感じた冷たい風と共に物語は終わる。
アニメ
PV
二期【2025年放送決定!】
OP
ED
同シリーズ
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