どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
読んだ本のタイトル
薬屋のひとりごと 8
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者: #日向夏 氏
イラスト: #しのとうこ 氏
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あらすじ・内容
シリーズ累計130万部突破! オーディオドラマ化決定! コミック2冊もほぼ同時発売。猫猫の推理が冴えわたる待望の第8弾!
毒で体調を崩した姚が医局勤めに戻れるようになった頃、
猫猫のもとに大量の書物が届いた。
送り主は、変人軍師こと羅漢。
碁の教本を大量に作ったからと、猫猫に押し付けてきたらしい。
興味がないので売り飛ばそうかと考える猫猫の考えとは裏腹に、
羅漢の本によって、宮中では碁の流行が広がっていくことになる。
一方、壬氏はただでさえ忙しい身の上に加えて、
砂欧の巫女の毒殺騒ぎや蝗害の報告も重なり、多忙を極めていた。
そんな中、宮廷内で碁の大会が企画されていることを知った壬氏は、
羅漢のもとに直接交渉をしかけに行く。
開催場所を壬氏の名前で提供する代わりに、
さぼっている仕事をこなすように説得するのだが――。
薬屋のひとりごと8
感想
毒見をして毒に当たってしまった姚。
顔に黄疸がまだ残っているが、、
そしてこの巻で発覚する変人軍師の人気、、
そして、碁の強さ。
それに何かを決意して変人軍師に碁を挑む壬氏。
酒を飲めない変人軍師に酒精の入った菓子を食べさせて酩酊させながら有利に碁を進めて行くが、、、、
それを邪魔する奴のせいで壬氏は、、
そして、家族に猫猫を紹介するのだが、彼の家族って皇帝と玉葉后?
その前で壬氏は、、
もう、猫猫も年貢の納め時か??
幸せになれよ!!!
あ、変人軍師、、、
次の巻は修羅場か?
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備忘録
序話
母から常に笑顔を絶やさないようにと言われて育った娘は、父から特別な愛情を受けていた。父は高齢で、腹違いの兄は娘の母と同い年ほどであり、娘は兄からも兄の子どもたちからもいじめられていた。しかし、娘は彼らのいじめにも笑顔で対抗し、父にもその姿を認められ、「国の一番」にすると約束された。
特別視されたことで、娘は自分には何か特別な価値があると感じるようになる。父からは絶望せず、常に目を輝かせ、笑顔で生きるようにと助言される。そして、どんな環境に置かれても、楽しむことを見つけて生きてきた娘は、女たちの伏魔殿へと送られることになるが、その挑戦にも笑顔で立ち向かう覚悟を決めている。
1話
冷え込む季節に、猫猫の宿舎の玄関に「猫猫宛」の大量の碁教本が届けられた。これは変人軍師による仕業で、部下に代筆させた文も添えられていた。
姚と燕燕はこの本について議論し、碁の本であること、著者が「漢 羅漢」とあることを確認した。
姚は療養から回復し、明後日から仕事に復帰する予定であったが、今後は健康に配慮した生活を送る必要がある。燕燕は碁の本に興味を示し、一冊を受け取った。
猫猫はこの本をどうするか悩み、最終的には部屋に持ち帰ることに決めた。
燕燕は猫猫を友人と認識しており、本の代金として銀一枚を支払い、他の碁打ちにもこの本を広めようと提案した。
一方、姚は猫猫と燕燕の関係にやきもちを焼き、不機嫌な様子を見せる。
猫猫は明日の予定を姚に尋ねられ、最終的には姚と一緒に薬と化粧品を買いに行くことになった。
猫猫の偽のそばかすについても言及され、信仰上の理由として誤魔化されたが、燕燕はそれを信じない様子を見せた。
2話
翌日、猫猫は姚たちと買い物に出かける。猫猫は碁の教本を売りに出すことを考え、三冊を持参する。
南側の商店街を歩きながら、天気の悪化を心配する。
化粧品店で安全な白粉を選ぶ過程で、業者と店主の間のトラブルに巻き込まれる。
白粉の安全性を確認するため、猫猫は白粉を食べてみる提案をする。
店主の爪に異常が見られ、以前使っていた白粉が問題の原因であることが判明する。
雨が降り始め、買い物を急ぐ。
化粧品店で白粉を購入し、帰り道に雷が鳴る。猫猫は碁の教本を売ることを諦め、姚と燕燕が互いに支え合いながら、大雨を避けつつ家路につく。
3話
壬氏の執務室では、日常の忙しさが続いていた。
隣国砂欧の巫女が訪れて以来、仕事量は倍増し、毒殺騒ぎの処理に追われる日々があった。
巫女の事件は自作自演で終わり、砂欧との外交では食糧関連の関税緩和が主な議題であった。
執務室では、書類仕事に追われる壬氏のもとに、ある文官が囲碁の本を欲しがる場面があり、その本は変人軍師こと漢太尉が作ったものだった。
馬閃はその文官に壬氏の代わりに本を買うように命じる。
後日、壬氏は碁が流行していることに気づく。この流行の原因は変人軍師の本であり、壬氏のもとにもいくつかの本が届いていた。
壬氏は、効率化のために仕事の一部を他人に委託する提案を受けるが、適切な人物選びに悩む。そこで馬閃が、書類仕事が得意な人物として自分の兄、馬良を推薦する。馬良は科挙に合格した進士であり、現在は官職に就いていないが、壬氏の仕事量を減らすのに適した人物であることが示唆される。
4話
馬良は、武人を多く輩出する馬の一族の中で文才に秀でた人物であり、壬氏の書類仕事を効率良くこなしている。
本来は壬氏の護衛を務めるべき立場であったが、その性質と病弱さから、勉学に専念しており、昨年は科挙に合格している。
しかし、人間関係の構築に苦手意識があるため、官職には就かずにいた。壬氏の執務室では、馬良の仕事の助けとして、彼の姉である麻美が補佐をしている。
麻美は、馬良が効率よく仕事を進められるように、彼をサポートし、同時に壬氏の書類仕事の負担を軽減している。
一方で、壬氏は軍事強化の提案が却下されたことに頭を悩ませており、漢太尉や魯大司馬を含む政治的な複雑さに直面している。
麻美は、碁の大会を開催する計画を持ち出し、壬氏がこの計画に関与することで、政治的な影響力を行使しやすくなる可能性を示唆する。
この大会は宮中の演習場で開催される予定であり、参加資格は銅銭十枚とされているが、実際には壬氏の直接の介入が必要とされている。
麻美の提案により、壬氏は自身が直面している政治的な問題に対して新たな視点を得ることになり、彼女の政治への理解と影響力の行使について考え直すことになる。
5話
壬氏は麻美の後押しを受けて、碁大会の開催場所について羅漢と話し合うために訪問する。
羅漢は碁大会を宮廷内の演習場で開催する計画だが、壬氏はそれに異議を唱え、白鐘劇院を提案する。
この劇場は以前閉鎖されていたが、壬氏はそれを再利用することを提案し、羅漢を説得するために様々な準備を行う。
羅漢は当初消極的だが、壬氏と麻美の提案に徐々に興味を示し、最終的には合意に至る。麻美は、大会の安全管理のために医官の配置も提案し、羅漢はそれに同意する。
また、羅漢は碁大会を通じて民の娯楽の提供と社会の不満の緩和を図ることを目的としていることが明らかになる。
碁大会の計画は、羅漢が亡き妻との思い出を形にするためのものでもある。
壬氏の提案は、羅漢による碁大会の実現に向けた重要な一歩となり、彼らの協力関係を築くきっかけにもなる。
しかし、羅漢が本当に協力的であるかはまだ不透明であり、壬氏と麻美は引き続き計画の実現に向けて努力を続ける必要がある。
6話
ある秋の昼下がり、医官のおやじと猫猫は雷雨の予感について話していた。
おやじは変人軍師から、武官三兄弟の一件についての聞き取り調査の依頼を受けており、これが問題の核心である。
三兄弟はそれぞれが別の場所にいたと主張していたが、その中で特に次男の証言に矛盾が見られる。
おやじと猫猫は、雷鳴と夕刻の鐘の音を手がかりにして、三兄弟のうち誰が嘘をついているかを突き止めようとする。
おやじは、雷鳴と夕刻の鐘の音の時系列を分析することで、次男の証言に矛盾があることを見抜く。
次男が自宅にいたと主張していたにも関わらず、雷鳴と夕刻の鐘の音の聞こえ方が、実際には自宅にいたとするには不自然であることから、次男が犯人である可能性が高まる。
このように、おやじは医官でありながらも優れた推理力を持ち、複雑な事件の真相に迫る。
そして、この事件を通じて、猫猫や他の医官たちもおやじの能力に改めて感心し、彼の評価を高めることになる。
おやじのこの能力は、彼がただの宦官ではなく、はるかに高い評価を受けるべき人物であることを示している。
7話
壬氏は、蝗害が起こった村への視察に向かった。
この遠征は、馬車と護衛を伴う小規模なもので、村の現状確認と対策立案が主な目的である。
村に到着し、村長から蝗害の被害状況について詳細な報告を受ける。村長の案内で、蝗の大量死骸を確認し、壬氏は蝗の胴体に溜まった卵を発見する。
この発見から、壬氏は蝗害がまだ終わっていないと結論づけ、地面を焼くことで卵を駆除する方針を決定する。
壬氏の遠征は、蝗害の直接的な被害状況を確認し、今後の対策を立てるためのものであった。
しかし、単に被害を確認するだけでなく、蝗の生態に関する重要な情報を得ることができた。
壬氏は、現場で蝗の卵を発見し、蝗害が完全には終息していないことを認識する。
これにより、春の収穫を守るための予防策として、蝗の卵が埋まっている地を焼くことを決定した。この決断は、将来の被害を最小限に抑えるための重要な措置となる。
8話
猫猫のもとに、飛蝗の死骸が大量に入った贈り物が届く。
この嫌がらせとも取れる行為に困惑しながらも、猫猫は医局の劉医官の指示で、荷物を持ち去り調査することになる。
隣の棟の空き部屋で、姚や燕燕と共に飛蝗のデータ収集に励む。
その作業中、羅半が訪れ、猫猫が以前行った調査の結果に関心を示す。
羅半は、飛蝗の発生原因や被害の範囲について考察し、それが特定の風の流れによって影響されていることを指摘する。
作業の報酬として、羅半は猫猫に薬用人参を贈る。猫猫は、その珍しい贈り物に大変喜び、周囲が見ている中で歓喜の舞を踊ってしまう。
9話
壬氏は、仕事の過多を解決するために麻美の協力を得ている。麻美は壬氏に、仕事の分配や権力を利用して他部署に仕事を押し付けることを提案し、壬氏はその助言を受け入れている。
また、麻美が男性であれば壬氏の補佐になっていた可能性があるが、麻美の口の達者さを鑑みると、女性であることがむしろ適していると壬氏は感じている。
一方、壬氏は自ら仕事を押し付けることには乗り気ではなく、宦官時代のように直接的な権力行使を避けている。
しかし、麻美の提案に従い、権力を利用して仕事を分配することを受け入れ、麻美の協力に感謝している。
壬氏はまた、後宮に飛蝗の死骸を送る行為を嫌がらせ以外の何物でもないと指摘され、自らの行動を反省している。
麻美の忠告により、壬氏は仕事の効率化を図りつつ、権力の適切な使い方を学んでいる。
10話
猫猫は自室で新しい薬の開発に取り組んでいる。傷口に悪い毒が入らないようにする薬草と体を活性化させる薬草を混ぜ合わせた軟膏を作り、その効果を自分の体で試していた。この行動には姚が驚き、猫猫の行動を止めようとするが、燕燕は猫猫の研究が意味のあることであると理解している。
その後、三人は夕食の準備をしていたが、鍋を焦がしてしまう。姚は猫猫に日程表を渡し、医官が配置される園遊会の話になる。園遊会は建前で、実際は新しい「名持ち」、玉袁の紹介が目的だと燕燕は指摘する。姚は玉葉后とその父親、玉袁について疑問を持ち、玉葉后が出来た人であっても親族のことはわからないと述べる。
11話
園遊会を控えた玉葉后は、侍女たちと共に衣装の確認をしていた。衣装の色味や装飾品の選定に頭を悩ませる中、玉葉后は特別な装飾品を求め、透明度の高い結晶を簪にする案を提案する。
侍女たちとのやり取りの中で、玉葉后は彼女らにもっと仕事を任せるよう促し、紅娘に結婚を考える余地を与えようとする。
その後、玉葉后は兄からの文を受け取る。
兄は玉葉后を異民族の妾の娘と蔑み、距離を置いていた。文の中で、兄は自らの娘を後宮に入内させたいとの願いを伝えてくるが、その娘は玉葉后と同じ赤い髪と緑色の目を持っていた。玉葉后は兄の野心を感じ取り、絵を破ることでその提案を拒絶する。
12話
園遊会の日、猫猫と姚は普段通りの業務をこなしている。
空は鉛色で雪が降り始め、寒さが増している。
二人は医局への道中、園遊会に向かう人々の多さに気付く。
特に、厠の利用が活発であることから、園遊会の前に用を足しておく重要性を語り合う。
医局に戻ると、姚は燕燕によって手当てを受ける。
園遊会には関わらないものの、その周辺での小さな出来事に二人は巻き込まれる。
特に、園遊会の料理の質について、武官たちから不満の声が挙がっている。料理が不味いという不満が多く、具体的には汁物の塩辛さが問題になっている。
猫猫と姚は、この問題について話し合い、料理の異変に気付く。
業務終了後、猫猫と姚は燕燕と共に夕食の準備をすることになる。
燕燕は猫猫に野菜の買い出しを命じるが、猫猫の望む豚肉ではなく、姚は鶏肉を選ぶ。猫猫は仕方なく野菜の買い出しに応じる。
13話
昨晩の鶏肉の夕食を思い出しながら、猫猫は仕事をしていた。
その日、彼女は玉葉后から緊急で呼び出され、宮に連れて行かれる。
玉葉后の部屋で、一本の簪が話題となる。簪は園遊会で玉葉后がつけていたもので、中には大きな水晶が入っていたが、現在はその水晶がなく、簪自体も黒ずんでいた。玉葉后は猫猫にこの簪に関する謎を解明してほしいと頼む。
猫猫は、簪がどうして黒ずんで中の石がなくなったのかを調査する。
彼女は、簪が盗まれたのではなく、園遊会の際に落とされたものであると結論づける。
さらに、簪の中の「水晶」が実は塩の結晶であったこと、そして簪が黒ずんだ原因が銀を腐食させる硫黄の働きによるものであることを突き止める。
この硫黄は、簪が誤って銀を腐食させる物質が含まれる鍋に落ちたことで反応したと考えられる。
玉葉后は、この一連の騒動が、彼女に対する警告であり、より厳しく周りに対処すべきだというメッセージであると解釈する。
猫猫は、犯人が玉葉后の身近な人物である可能性を指摘し、具体的には玉葉后の侍女の一人、黒羽が関与していると示唆する。
最終的に、猫猫は玉葉后のもとで働くことを再び求められるが、彼女は自身の立場と責任を考え、直接的な回答を避ける。
玉葉后とその周囲の人々は、猫猫の忠誠と能力を高く評価しており、彼女が再び彼らの側で働くことを望んでいる。
14話
秋のある日、猫猫は医局の仕事をこなしていた。
劉医官からの突然の連絡により、玉葉后の宮から解放された彼女は、後宮の複雑な事情に思いを馳せる。
玉葉后の兄である玉鶯と、異母兄弟の間の微妙な立場について考え、玉葉后が置かれている困難な状況について憂慮する。
猫猫は、西の巫女や元上級妃である阿多の現状にも思いを巡らせ、宮廷内の複雑な人間関係や政治的な背景を感じ取る。
そんな中、彼女は劉医官から囲碁の催し物に関連するおつかいを命じられる。
その催し物は、羅半によって主催され、多くの人々が集まる大規模なイベントであった。
猫猫は医局の同僚である姚と燕燕に出会い、彼らが「おにいさま」である漢医官の代わりに、イベントで医療の手伝いをしていることを知る。
この囲碁の催し物は、羅半の商才を感じさせるものであり、囲碁だけでなく様々な遊戯や商品が販売されていた。
猫猫は、このイベントに囲碁を打つために非番の日にもかかわらず出向いた漢医官や、漢太尉も参加していることを知る。
燕燕は漢太尉に囲碁の指導を受ける機会を得るため、イベントに参加していた。猫猫は、このイベントがただの娯楽ではなく、何らかの目的を持って羅半によって企画されたものであることを感じ取りながら、催し物の主会場である劇場へと向かう。
この囲碁の催し物は、参加者にとっては囲碁の腕を競う場でありながら、猫猫にとっては羅半や漢太尉といった人物との関わりを深める機会ともなっていた。
15話
麻美は、月の君の執務室での書類整理を終え、部屋を片付ける。
その場には彼女と弟の馬良のみがいた。馬良は仕事中に間違って混入した漢太尉の書類を見つけ、麻美に渡す。
麻美は、この書類を後で漢太尉に届けることにするが、彼女の本当の関心はその日行われている碁の大会にあった。
馬良も碁には興味があったが、人混みを苦手としており、大会には参加しない。
麻美と馬良は、漢太尉がなぜ囲碁大会を開催したのか、その理由を疑問視する。
特に馬良は、漢太尉が将棋をより好む人物だと知っていたため、囲碁大会の選択が不思議に思えた。
二人は、漢太尉が非常に優れた知能を持つ人物であることを認めつつ、彼の動機や世界観を理解するのに苦労する。
その後、麻美は別の仕事を探して月の君の宮に向かう。
宮では、侍女の水蓮が焼き菓子を作っており、麻美はその味見をすることになる。
水蓮は麻美に焼き菓子のいくつかを子どもたちのために持ち帰ることを提案する。
麻美は、水蓮から月の君が翌日も碁の大会には参加せず、勉強に専念することを聞かされる。
また、水蓮から侍女として働かないかという提案を受けるが、麻美は家庭の事情を理由に断る。
麻美は宮を後にし、子どもたちに持ち帰る焼き菓子を手にしながら、翌日の天気が晴れることを願いつつ、碁の大会の成功を祈る。
16話
猫猫は碁大会会場で飲み物を作りながら、本来の休日を過ごせずにいることに不満を感じていた。
昨日に続き、今日も非番ながら碁大会に参加しており、姚と燕燕も同じく劉医官の指示で来ていた。
燕燕は碁が好きで楽しそうにしているが、猫猫は自分の役割に納得がいっていない様子だ。
碁大会では、昨日勝ち上がった人たちが舞台上で変人軍師と対決しており、変人軍師は三人と同時に碁を打っている。
会場は活気に満ちており、勝ち上がった人たちは変人軍師との対決を楽しみにしている。
猫猫は、姚と交代で外で活動しているが、主には室内で飲み物を作る役割を担っている。
碁大会は、羅半の企画であり、参加費の他にも、菓子販売などで利益を上げている様子だ。
碁を打つ参加者たちは、勝ち進むために札を集め、最終的には変人軍師との対決を目指している。
中には、弱い相手ばかり選んで勝ち上がる参加者もおり、猫猫はそのような行為に疑問を抱いている。
会場では、壬氏という覆面の男が特に注目を集めている。彼は碁の腕前も高く、多くの参加者たちを圧倒している。
羅半は壬氏の勝利を喜び、碁大会が成功していることに満足している。
しかし、壬氏が覆面を外し、その美貌を露わにした瞬間、会場は驚きに包まれる。
壬氏の正体は、後宮で有名な美しい男性であり、その突然の登場に会場の雰囲気は一変する。
最終的に壬氏は、碁で勝ち進み、変人軍師との対決に挑むことになる。
猫猫は、壬氏がなぜこんなにも勝ち進むことに執着しているのか、その理由を探ろうとする。
一方で、変人軍師も壬氏の挑戦を真剣に受け止めている様子だ。猫猫は、この碁大会を通じて、参加者たちの様々な思惑や変人軍師と壬氏の関係について新たな発見をすることになる。
17話
猫猫は、壬氏と変人軍師の碁大会の舞台を見つめている。この碁大会は、壬氏が変人と純粋に碁を打ちたかったために開かれたものだった。
観客たちは多く、最終戦となる二人の対局に注目が集まっている。
猫猫はこの試合を遠くから見ながら、受付で饅頭を数えて片付けをしていた。
そこへ、馬閃の姉である麻美が壬氏からの菓子を持ってくる。猫猫は中身を確認し、美味しさに驚くが、変人軍師が菓子を食べてしまう。
試合は激しく、壬氏の勝ち目は少ないように見えるが、変人軍師の仕掛ける手が遅いことが気になる。
猫猫は、壬氏がわざと変人軍師に菓子を食べさせ、酔わせる計画を立てていたのではないかと推測する。
さらに、試合中に突然、初老の男が現れ、息子が失踪し、その指が入った布包みを持ってきておやじに探し出すよう命じる。息子が死んだ場合の責任を問う様子であった。
18話
三つ子の父、博文が劇場に乱入し、息子の指が入った布包みを持参する事件が発生。試合は中断され、変人軍師は碁盤に顔を突っ込んで眠ってしまう。
状況は猫猫、壬氏、おやじ、そして棋聖を含む限られた関係者が残る中で話し合われることに。
博文は次男の失踪を訴え、指の持ち主を長男だと勘違いしていたが、実際には長男自身が失踪し、次男と三男がその事実を隠していた。
長男の指からは鉛中毒の兆候が見られ、彼が愛飲していた安価な葡萄酒が原因であることが示唆される。長男は鉛中毒による錯乱状態で亡くなり、二男と三男がその事実を隠蔽しようと指を切断して自演の証拠とした。
猫猫はこの事件を解明し、次男と三男が長男の死に関与していること、そして自演の真相を暴く。
この過程で、三つ子の父である博文の家庭内の問題も明らかになる。
最終的には、長男の死の真相が解明され、三つ子の間の複雑な関係性が浮き彫りにされる。
この事件を通じて、表面上の関係性の裏に隠された家族内の問題や個々の責任、そして社会的な問題が織り交ぜられていることが示される。
猫猫や壬氏、おやじらの関わり合いを通して、人間関係の複雑さや倫理的なジレンマが描かれている。
19話
壬氏は、帝から借りた棋聖に碁の指南を受けていたが、棋聖からは辛辣な評価を受ける。
棋聖は壬氏の碁の技術について、基本はできているが発想が凡人の域を出ず、見たことのない手に焦ると指摘する。
壬氏は変人軍師、羅漢に勝つための方法を模索しており、棋聖から勝つための条件を教わることになる。
しかし、実際の対局では、壬氏は変人軍師に敗れる。
その後、変人軍師は珍しく感想戦を行い、壬氏の打ち方について語り、彼を認める様子を見せる。
これは、変人軍師が壬氏に対して特別な興味を持っていることを示唆している。
また、変人軍師が碁の大会を開いた理由について、羅半は変人軍師が過去の棋譜、特にある女性と打った棋譜に強い思い入れを持っており、彼女のような碁を打つ人間が現れないかを期待していることを明かす。
壬氏は、変人軍師との碁対局を通じて、自らの限界を知りつつも、それを乗り越えようとする姿勢を見せる。
一方で、変人軍師は壬氏に対して敗北を喜ぶことなく、むしろ彼の成長を期待する態度を示す。
このエピソードは、壬氏と変人軍師の関係性が単なる対立関係ではなく、互いに認め合い、成長を促す関係へと進化していることを示唆している。
20話
猫猫は深夜、壬氏からの文によってある場所に連れていかれる。
到着した場所で水蓮に迎えられ、身体検査を受けることになる。
猫猫は壬氏、主上、そして玉葉后がいる部屋に案内される。この顔ぶれに猫猫は驚くが、この集まりの目的は不明である。部屋には様々な生薬が置かれており、猫猫はその生薬に興味を示す。
壬氏は主上と玉葉后の前で自らの脇腹に焼き印を押し、自身が玉葉后に逆らうことがないことを示す。
この行動は壬氏が皇族を離れることを意味し、自らを「人」として扱ってほしいと主上に申し出る。
この焼き印は壬氏が玉葉后の敵にならない証明であり、猫猫はこの行動に驚く。
主上は壬氏の決断に驚きながらも、壬氏に対して理解を示す。
猫猫は壬氏の焼き印の手当てをしようとするが、壬氏はこれを拒否し、猫猫を自分の寝室に連れて行く。
猫猫は壬氏の行動に混乱しながらも、焼き印の手当てをすることに集中する。
終 話
玉葉は、ある夜の出来事に疲れ果て、湯浴みもせずに寝台に倒れ込む。
その日の出来事は、普段であれば笑い話となるようなものだが、その衝撃の大きさによって感慨深いものがなかった。
玉葉は自分が二児の母であることを思い出し、子どもたちのことを確認しなければと思いつつも、目の前にある壬氏から与えられた印を見て、彼が本当に自分に逆らわないと言ったことが真実かどうか疑問に思う。
玉葉は弟のように思っている壬氏に対して複雑な感情を抱いている。
自分が玉袁の娘として後宮に送り込まれたこと、人形として生きるには宮廷の生活があまりにも面白すぎることなど、さまざまな思いを巡らせる。
玉葉は人間生活の中で楽しいことばかりではなく、時には自分の意にそぐわないこともあると考える。
その上で、自分の異母兄である玉鶯が自分を悪と見なしていること、そして自分が悪であるならばそれでいいと考え、兄からの手紙を履で踏みつぶす。
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PV
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