漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(22)」感想・ネタバレ

漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(22)」感想・ネタバレ

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どんな本?

本作は、​“クソゲー”をこよなく愛する主人公・陽務楽郎(ゲーム内名:サンラク)が、総プレイヤー数3000万人を誇る“神ゲー”『シャングリラ・フロンティア』に挑む姿を描いたオンラインゲーム冒険譚である。​彼は、仲間たちと共に広大なゲーム世界を探索し、数々の強敵との戦いを繰り広げる。​本巻では、特装版として硬梨菜による書き下ろし小説「得手不得手を変えて」が収録されており、サンラク、カッツォ、ペンシルゴンの3人が慣れない武器でレアモンスターに挑むエピソードが描かれている

主要キャラクター

  • 陽務楽郎(サンラク):主人公。クソゲーを愛する高校生で、ゲーム内では卓越したプレイヤースキルを持つ。
  • カッツォ:サンラクのゲーム仲間。ユーモアと戦略性を兼ね備えたプレイヤー。職業:プロゲーマー。
  • ペンシルゴン:サンラクのゲーム仲間。独特なセンスと行動力でチームを引っ張る存在。​職業:ファッションモデル

物語の特徴

本作は、現実世界と仮想世界を行き来する主人公の成長と冒険を描いた作品である。​特に、ゲーム内での戦闘描写やキャラクター同士の掛け合いが魅力であり、読者を引き込む要素となっている。​また、特装版に収録された書き下ろし小説では、普段とは異なる武器を使った戦闘が描かれ、キャラクターたちの新たな一面が垣間見える。​​

出版情報

  • 出版社:講談社
  • 発売日:2025年4月16日
  • 判型:B6
  • ページ数:192ページ
  • ISBN:978-4-06-539093-1
  • 価格:1,529円(税込)
  • 電子版:同日発売
  • アニメ化:2023年10月1日より放送開始

読んだ本のタイトル

シャングリラ・フロンティア(22)~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~
原作:硬梨菜 , 氏
著: 不二 涼介 氏

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あらすじ・内容

第47回「講談社漫画賞」少年部門受賞!「小説家になろう」の超人気作が待望のコミカライズ!

“クソゲー”をこよなく愛する男・陽務楽郎。彼が次に挑んだのは、総プレイヤー数3000万人の“神ゲー”『シャングリラ・フロンティア』だった!

集う仲間、広がる世界。そして“宿敵”との出会いが、彼の、全てのプレイヤーの運命を変えていく!!

最強クソゲーマーによる最高のゲーム冒険譚、ここに開幕!!



戦火を灯す遠吠えを聞け! 狼争が始まるゲーム冒険譚!! “七つの最強種”深淵のクターニッドを撃破したサンラクたち! 冒険を終えた一行を待ち受けていたのは2体目のユニークモンスター撃破を知ったプレイヤー達だった。ペンシルゴンの元を訪れる無頼の剣客、内部の軋轢に揺れるクラン「黒狼」。燻る火種を燃え上がらせるのは“狼達”か、はたまた遠き新大陸で吠え猛る“竜災”か──。楽園に戦火が拡がる新章、ここに開幕!!

シャングリラ・フロンティア(22)エキスパンションパス ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~

感想

深淵のクターニッド戦の顛末と変化の兆し
物語の前半では、サンラクたちが「深淵のクターニッド」との死闘を経て、ただならぬ報酬と称号を手に入れたが、その戦いは単なる終幕ではなかった。
討伐後の展開が示すように、クターニッドは滅び切っておらず、その存在は次なる異変への布石として機能していた。
この点において、シナリオの伏線と再来の可能性にゾクゾクするものがあった。プレイヤーが手にした報酬や称号も、単なるご褒美ではなく、新たな段階への鍵であるように思われた。

新キャラクター「京極」の登場と緊張の連鎖
特に印象的だったのは、「京極(アルティメット)」という新キャラクターの登場である。
元「阿修羅会」所属という過去を持ち、圧倒的な存在感で周囲の空気を一変させた。
彼女のような危うさを持つ人物の加入は、戦力以上に人間関係の化学反応に影響しそうであり、その今後が非常に楽しみである。
一方、秋津茜とペンシルゴンの初対面に見られた微妙な人間関係の機微も魅力であり、明るい性格の秋津茜に押されてたじろぐペンシルゴンの様子には思わず笑みがこぼれた。

クラン「黒狼」とサイガ姉妹の対立
「黒狼」クラン内での軋轢も注目すべき点である。特にサイガ-0が黒狼を脱退し、ヴォルフガングに加入するという展開は、まさに爆弾発言であり、物語の流れを大きく変える契機となった。
姉妹間の確執がクランの崩壊を予感させるほどに深刻であり、この人間関係の裂け目がどう埋まるのか、あるいはさらに拡がるのかが気になるところである。

神視点で語られる運営側の存在
開発側の描写もまた面白みを加えていた。
プレイヤーとしてのサンラクを観察する継久理たち運営陣のやり取りには、リアルとゲームの交錯を感じさせられた。
特に「神は個人を愛さない」という姿勢は、ゲームの公平性を保ちつつも、サンラクの存在が異質であることを強く印象づけた。

ゲームと現実、日常への接続
一方、現実世界でのサンラク(陽務)の学校生活も描かれ、シャンフロの出来事が日常へと静かに影響を与えている様子が丁寧に綴られていた。
斎賀との通学シーンでは、彼女の行動の裏にある想いが明かされ、自身はそのもどかしさと可愛らしさに萌えを感じた。
また、セミによる珍事件など、コミカルな一幕も物語のテンポを軽やかにしていた。

装備開発とゲーマーとしての矜持
ゲーム内に戻ると、サンラクは新装備の制作に向けて奔走していた。
特に「冥王鯱」の照鏡骨を素材とした盾や、「瑠璃天ラピステラの星外套」、「封雷の撃鉄レビントリガー・災ハザード」など、どれも個性的で性能の高さとリスクの高さが共存していた。
ゲーマーとしての彼の選択には一貫したこだわりがあり、素材収集の徹底ぶりには圧倒されるばかりである。

アクセサリースロット開放とNPCとの関係
また、兎型NPCエフュールとのやり取りでは、ゲーム内ならではの温かみが感じられた。
儀式的なスロット開放や店舗在庫を一括購入するなど、サンラクの行動にはゲーム世界への没入と信頼構築の姿勢がにじんでいた。
アクセサリーの購入や強化は、戦闘力以上にプレイヤーとしての厚みを増すエピソードであった。

戦闘試験と“死”への執着
最後に、アクセサリー「封雷の撃鉄」の初使用で壁に激突して即死するという展開は衝撃的であった。
死すら検証の一部として捉えるサンラクの姿勢には、ただのプレイヤーを超えた執念と探究心が感じられ、彼のキャラクター性を強く印象づけた。

総評
本巻は、ユニークモンスター討伐後の余韻と新たな緊張の芽吹きを鮮やかに描き出しており、プレイヤーとしてのサンラクの成長、人間関係の深化、運営側の視点による世界の広がりが一体となって読者を引き込んでいた。ゲームでありながら、現実を超える“物語”を読んでいる感がある一冊であった。次巻において、この火種がどのように燃え上がるのか、期待せずにはいられない。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

見上げた空、広がる海、深淵の都市を駆けて 

206話 倶に天を戴いて 其の三十四

死の回避と蘇生の真相

サンラクは致命的な攻撃を受けたが、乱数による幸運かと思われた生還は、実際にはレイ氏がかつて使用しなかった蘇生アイテムによるものであった。戦闘の結果、クターニッドは崩壊し、その存在は霧のように消えていった。

クターニッドとの対話と報酬の提示

敗北したクターニッドは、消滅間際に人類の存在とその輝きを称賛し、連なる奇跡の意義を語った。プレイヤーたちの前には八つの報酬が提示され、その中から一つを選ぶよう促された。

秋津茜による大胆な交渉と成功

プレイヤーたちが一つの報酬を選ぶ中、秋津茜がクターニッドに対して報酬の追加を直談判した。予想外の行動により、彼女は二つの報酬を手に入れることに成功し、周囲を驚かせた。

聖杯の選択

サンラクは褒賞として「青色の聖杯(性別反転)」と「藍色の聖杯(ステータス反転)」を選んだ。前者は奇襲用の体格変更に活用可能であり、後者は構成を変えずに別スタイルへ移行可能な唯一無二の性能を持っていた。他のプレイヤーもそれぞれのスタイルに応じて聖杯を選択し、戦略の幅を広げていた。

ユニークモンスター討伐通知の不在と不安の兆候

喜びに包まれる中、サンラクはユニークモンスター討伐のアナウンスが流れていないことに気づき、不穏な予感を抱いた。その違和感を共有した仲間たちは緊張感を取り戻し、周囲を警戒した。

未知なる存在の出現

一同が警戒する中、「青」が蠢き始め、新たな異変の兆しが現れた。クターニッドとの戦いは終わっていなかったのか、それとも次なる脅威が迫っているのか、物語は新たな局面を迎えることとなった。

207話 我ら人の味方に非ざれど、防波の先陣に立つ

サンラク、深淵より生還す

ルルイアスの崩壊とバハムートの言及
サンラク一行は、正体不明の存在により海底へと沈んだ島ルルイアスの最深部で、強大な存在クターニッドと対峙していた。クターニッドはルルイアスを過去に破壊した存在であり、「始源の亡霊」や「バハムート」の名を口にした。だが、その真意や詳細は語られぬまま、島は再び沈降を始めた。

青色の脅威と決死の脱出

島全体が青色の物質に覆われ始め、サンラクたちは崩壊する都市からの脱出を試みた。仲間と共に激走し、襲いかかる「青色」の奔流を避けつつルルイアスの上部へと到達。

封将の出現とルルイアスの沈降

複数の封将が現れ、「青色」を押しとどめるための力を発揮した。ルルイアスは完全に海底へと没し、島に降りかかる破滅はひとまず防がれた。サンラクたちは、その壮絶な光景を目撃した。

208話 道は違えど心は同じ

ルルイアスの反転の圏外へ出たサンラク達にクターニッドは共に沈んだ幽霊船の残骸に掴まらせて水面へと誘導し、”深淵のクターニッド”討伐が表示された。

ユニークシナリオの完了と報酬

クターニッド討伐の成果として、サンラクは「深淵からの生還者」「トゥルー・シーカー」など多数の称号を獲得。さらに、「青色の聖杯」「世界の真理書『深淵編』」などの貴重なアイテムも手に入れた。プレイヤーとしての価値と成果を大いに高める冒険であった。

帆船による脱出と達成感

サンラクたちはユニークシナリオEXのクリア後、帆船での帰還中に揺れの中でも無事着水に成功し、生還を果たした。七日間にわたるシナリオはプレイヤーに現実を忘れさせる苛烈な内容であったが、彼らは最速でのクリアを果たし、達成感に浸っていた。

209話 戦火を嗅ぎつける獣

深淵のクターニッド討伐の報せとサンラクの名声

ユニークモンスター「深淵のクターニッド」がついに討伐され、参加者にはサンラクの名も含まれていた。この報せはゲーム内の全プレイヤーに向けてアナウンスされ、多くの注目を集めた。以前「墓守のウェザエモン」を倒した三人のうちの一人であるサンラクが再び成果を上げたことで、彼の存在は一層知られるようになった。

黒狼クラン内の緊張とサイガ姉妹の軋轢

トップクラン「黒狼」では、団長サイガ-100の様子がおかしくなり、特に妹のサイガ-0の話題に敏感に反応していた。クラン内では、サイガ姉妹の不和が噂され、ギスギスした空気が広がっていた。サイガ-0がクラン外でサンラクやペンシルゴンと共にユニークモンスターを討伐したことで、団内では分裂の兆しが強まった。

警鐘アイテムとワールドクエストの進行

サンラクは「深淵の警鐘」と呼ばれるアイテムを入手した。それはワールドクエスト四段階目に達した際、何らかの災厄の接近を警告するものであり、単なる警報にとどまらず、将来的にはレーダーとしての機能を果たす可能性があった。ワールドクエストの進行は世界の変化そのものであり、今後の展開に大きな影響を与える兆しであった。

仲間との別れと未来への布石

航行中、マーマーン族の仲間アラバが別れを告げた。アラバは感謝を述べ、鍛冶師「ガンダック」の名を出せば協力が得られると伝えた。サンラクは再会の可能性を信じ、未知の海底へも進出する意欲を示した。アラバはハリウッド映画さながらの別れの挨拶を交わし、華麗に海へと去って行った。

ペンシルゴンの懸念

一方、「蛇の林檎」の店舗ではペンシルゴンがアナウンスに苦笑を浮かべながらも、サンラクの快挙が波紋を広げることを予測していた。ランキング上位でもないサンラクの活躍は、周囲からの疑念や反発を招きやすく、適切な「納得」の形が求められていた。

210話 裏方、あるいは神と呼称される者

旧知のプレイヤーとの再会と新たな申し出

ペンシルゴンの元には、元「阿修羅会」所属の女性プレイヤーが現れた。新大陸から帰還し、かつてのクラン「黒狼」との対決に向け、ペンシルゴンの所属する「旅狼」への加入を申し出た。彼女は対人戦に特化した剣士であり、強力な戦力として歓迎すべき存在であったが、同時に暴走の危険性を孕んでいた。

旅狼の受け入れと新たな仲間の誕生

ペンシルゴンは、彼女の申し出を一考することにし、他のメンバーと相談する意向を示した。彼女はPNを「京・極(アルティメット)」と名乗り、独特な存在感を放っていた。こうして、旅狼はさらに多様な戦力を取り込み、サンラク、オイカッツォらと共に「黒狼」との対決へ向けて動き出すこととなったである。

スパムハヤブサによる目立ちと到着

考察クランからサンラク宛に送り出された大量のスパムハヤブサは、フィフティシア中で注目を集めていた。

時代遅れの部屋と神の存在

部屋には窓もなく、古臭いデスクトップ型のパソコンが一台置かれていた。その場にいた継久理は、神としてゲーム「シャングリラ・フロンティア」の世界の運営に関与していた。彼女はゲームの現状に不満を抱きながらも、己の創造物に喜びを見出していた。

開発メンバーの再会と混乱

スーツ姿の木兎夜枝が現れ、次いで白衣姿の天地が激昂しながら登場した。彼女たちはユニークモンスター「クターニッド」と「ウェザエモン」の討伐データに関して激しく口論を交わした。天地は継久理の改ざんを疑い、継久理は天地の調整不足を非難した。

仲裁と真相の追及

木兎夜枝は両者を仲裁し、討伐は正規の手段によるもので改ざんはなかったと主張した。さらに、討伐者が「サンラク」という一人のプレイヤーであり、プレイ開始からわずか一か月の間に数々の高難度イベントを攻略していたことが明かされた。

観測者としての判断

サンラクの存在は継久理にとっても想定外であったが、彼女は「神は個人を愛さない」として、運営による介入を拒否した。天地は不満を抱きつつもその判断を受け入れた。ゲームの停滞を破る存在としてサンラクの活動は興味深いとされた。

更なる依頼と世界の裏側

話題はサンラクから一転し、「ガキ大将」と「実家」からの要請へと移る。「ガキ大将」からは新情報のリークを、「実家」からはメンテナンス依頼が来ており、継久理はそれぞれに対して対応を指示した。

神の観測とサンラクの記録

一連のやり取りが終わると、継久理は密かにサンラクのプレイログを観察し、「ツクヨ丸」は無理でも「キョージューロー」なら可能だと呟いた。そして彼女の端末には「サンラク」の名が最新の観測対象として記録された。

211話 ウルフパック・トランスファー

フィフティシアに到着

クライング・インスマン号をからフィフティシアに上陸した直後、サンラクは「京極キョウアルティメット」と名乗る和風の獣人プレイヤーに話しかけられた。
それを遮るように、サンラクはアーサー・ペンシルゴンと再会した。

サイガ姉妹の対立とその原因

現地にはサイガ-100とサイガ-0呼ばれる二人の姉妹プレイヤーが対峙しており、極度に険悪な空気を漂わせていた。
京極の分析によると、サンラクがユニークモンスターを二度にわたり独自に討伐し、そのアナウンスに名を連ねたことで、クラン「黒狼」内で不満が生じていた。
京極は新大陸での「改宗コンバージョン」によって種族を獣人種に変更していた。これにより、キャラメイク時の種族固定の制約の理屈が明らかとなった。

責任転嫁と情報操作の応酬

ペンシルゴンはサンラクが独断で動いたと公言し、サイガ-100の詰問に対し、サンラクも部分的に情報を明かした。リュカオーンの攻略法がSF-Zooにより解明されつつあると述べ、情報提供の条件としてヴォルフガングの許可を引き合いに出した。

サイガ姉妹の決断と衝撃の脱退宣言

議論の最中、サイガ-0が突如として黒狼を脱退し、ヴォルフガングへの加入を申し出た。この突然の告白により、場の空気は凍りついた。

結末と今後の波紋

この発言により、黒狼内部の亀裂と今後のクラン間関係に重大な変化が生じることが示唆された。サンラクは騒動の渦中にありながらも、クランの再編と新たな局面に向けた動きに巻き込まれることとなった。

212話 其は天穹を覇する黄金の失墜を望む者

ペンシルゴンは旅狼ヴォルフガングのリーダーとして現れ、サンラクに新メンバーの紹介をお願いした。
光属性の秋津茜を前にしてペンシルゴンは怯みながらも人心掌握を試みたが効果はなかった。

そして、サンラクは深淵のクターニッドは周回プレイできるかもしれないと言い。
最初はキョージュに吹っかけようとしたが、周回プレイ可能となると黒狼が独占するかもしれないと警戒する。

213話 リアル・ストロング

通学初日とオンラインゲームの余韻

夏休みが終わり、陽務は制服に袖を通し、通学路に足を向けていた。頭の中には、ゲーム『シャンフロ』での戦果と、それに伴って発生した面倒ごとの数々が浮かんでいた。

気配と足音の正体

登校中、陽務は後方からの足音に違和感を覚えた。徐々にその距離が縮まり、ついには一メートル以内まで迫った。後ろを振り返ることをためらいながらも、その人物からの声掛けでようやく正体が明らかとなる。それは夏休みに出会った女子生徒・斎賀であった。斎賀は偶然を装い、同じ通学路を選んだと語った。

学校とゲームの話題

二人は共に学校へ向かう中で、話題は再び『シャンフロ』に移った。陽務が話を振ると、斎賀は戦士職でクランに所属していることを明かした。やがて、新大陸の話題に至り、プレイヤーの動向や攻略状況についても触れた。陽務は、斎賀との会話に一定の充実感を覚えた。

予期せぬ蝉の襲撃と斎賀の反射

突如、セミが斎賀に向かって落下してきた。彼女は即座に反応し、手刀で蝉を叩き落としたものの、その蝉が陽務の顔面に着地し、彼は転倒した。斎賀の反射的な手刀は蝉を蘇生させ、陽務にセミファイナル地雷として襲いかかるという珍事が発生した。

教室での一幕と夏の終わり

陽務は斎賀に何度も謝られながら教室に入った。そこでは、日焼けしたクラスメイトたちの姿や、『シャンフロ』に関する話題が飛び交っていた。掲示板やSNSでは、陽務が関与したユニークモンスター撃破や、廃人クランの動向が注目を集めていた。夏の思い出は終わったが、ゲームと現実の交錯する日常は続いていくのであった。

登校初日の朝と斎賀との遭遇

夏休み明けの通学路で、陽務は寝不足気味の状態で登校していた。朝の青空にはまだ夏の名残を感じさせる入道雲が浮かび、彼はルストからの早朝チャットに付き合った夜更かしの影響で眠気を抱えていた。登校中、突然背後から声をかけられ、驚きつつも振り返ると、同級生の斎賀が立っていた。斎賀は緊張した様子ながらも話しかけ、学校までの道を一緒に歩こうと申し出た。陽務はその提案を受け入れ、学業について会話を交わしながら共に登校した。

学校での反響と友人とのやり取り

学校に到着した陽務は、斎賀と一緒に登校していたことがクラスで話題になっていることに気づいた。友人からは「高嶺の花」として知られる斎賀と一緒に通学したことが信じがたいという反応を受け、根掘り葉掘りと質問攻めにされた。陽務はそれに対し、偶然通学路で出会っただけだと答えた。斎賀がいつもは外車で登校していたことから、徒歩で登校していた理由についても質問されたが、陽務自身も理由を知らず、女心を理解するよりゲーム内のアイテム生成ロジックの方が分かりやすいと答えた。

友人との軽口と自己認識

陽務は、友人とのやりとりの中で、斎賀に関する関心の高さに驚きを感じつつも、あくまで自分は「雑草」だと自虐的に表現した。だがその一方で、抜かれぬタンポポのようなガッツを持つ男になりたいと願う心を抱いていた。こうして、陽務は少しばかりの誇りと自意識を胸に、新たな学期の幕を開けたのである。

新学期の始まりと再会

夏休み明け、学校では軽い集会と課題提出のみで下校となった。サンラクは帰宅せず、ゲームショップ「ロックロール」へ立ち寄ることにした。ここで彼は店員・岩巻とやり取りし、安価で「裏ボスが倒せない」と評判のVR教材風ゲームを購入しようとしていた。

214話 わるいおおかみ、きれるうさぎ、へんたいねこ

斎賀との関係とすれ違い

斎賀は、実はシャンフロを始める際に岩巻からサンラクのことを聞いていた。
そのため彼に興味を持っていた彼と共にゲームをしたい。
そのためには彼に自身がサイガ-0だと告白したい斎賀だったが、店の入り口でフリーズしてしまい。

その間にサンラクは帰路についてしまった。

その後、斎賀は岩巻に反省会を開かれていた。斎賀の消極性が指摘され、会話の練習を勧められていた。

ゲーム内でのケジメと許し

その日の夜、サンラクはクターニッド戦での影響を考慮し、シャンフロにログインした。かつて仲間たちを連れて強引に突入したことを反省し、ケジメを取るためヴァッシュに謝罪を試みた。エムルの困惑をよそに腹を括ったサンラクであったが、結果的にはあっさりと許される展開となった。

クターニッドとの激戦と装備の損傷

サンラクとエムルはクターニッドとの七日間に及ぶ激戦を終え、ビィラックのもとを訪れた。サンラクは、その戦いで使用した装備がほぼ破損状態にあることを報告し、新たな装備の製作を依頼した。ビィラックは、破損状態の煌蠍の籠手に顔をしかめつつも、その戦闘の苛烈さを理解していた。

大量の素材とゲーマーの性

サンラクはルルイアスから収集した膨大な素材をビィラックに提示した。その量にビィラックは驚愕し、彼のプレイスタイルが尋常でないことを再認識した。サンラクは、あらかじめ必要数を想定して素材を集めるというゲーマー特有の習性について言及した。

新装備の依頼と盾へのこだわり

ビィラックからの質問に対し、サンラクは頭装備・腰装備・拳武器・片手剣・盾の製作を希望した。盾の選定については、完全回避特化の自分があえて盾を使うことの意味を考えながらも、自らの直感と好みに従って選択した。パリィや戦術の幅を広げるため、小型で操作しやすい盾を希望したのである。

冥王鯱の素材と盾の素材決定

ビィラックは素材の中から、冥王鯱の照鏡骨を発見し、それを盾に使いたいと申し出た。サンラクもそれに同意し、素材の希少性と強さを再確認した。この素材はビームを放つためのレンズ部位であり、盾としての使用に最適と判断された。

リュカオーンの呪いと種族変更の制限

サンラクは、ゲーム内の「改宗」システムによって種族変更が可能になることに気づいた。しかし、自身の身に刻まれた「刻傷」によってその選択が封じられており、変更は不可能となっていた。これはリュカオーンによる呪いであり、解除するには彼を倒す必要があると認識した。

装備完成の見通しと破損品の修理

ビィラックは新装備の完成を翌夜と告げ、同時に破損した煌蠍の籠手の修理には一週間かかると伝えた。サンラクはそれに納得し、今後の活動の方針を思案し始めた。

アラミースとサンラクの再会

アラミースはビィラックに踏みつけられているという奇妙な状態で、サンラクの前に現れた。彼は約束の品として、キャッツェリア王国の宝物であるアクセサリーを届けに来ていた。サンラクは即座にそれを受け取り、ロールプレイを交えながら礼を述べた。アラミースはその振る舞いに満足げな様子を見せた。

瑠璃天ラピステラとレビントリガーの贈与と評価

サンラクはアラミースから、キャッツェリア最高の宝石匠による「瑠璃天ラピステラの星外套」と、「封雷の撃鉄レビントリガー・災ハザード」を受け取った。
前者は魔力のストックと変換が可能な純白の外套で、任意の魔法を一つまでチャージし、MP消費なしで発動できるという特徴を持っていた。使用されている「ラピステリア星晶体」の等級によってチャージ量が変化し、一等級であれば300まで蓄積可能であった。
後者は右手を覆う琥珀の装飾付き手袋で、特殊な雷属性状態「古雷」を発動させる効果を持っていた。発動には右親指の琥珀を胸に当てる必要があり、「災ハザード」級という危険性の高いクラスであった。この状態中、サンラクは攻撃性能が飛躍的に上昇するが、体力を定期的に消費するというリスクを伴っていた。

評価と今後の展望

アクセサリーの性能を確認したサンラクは、すぐにラビッツのアクセサリー屋へ向かう必要性を感じた。受け取った装備の能力の高さに驚きつつも、そのリスクも冷静に理解していた。特に「災ハザード」級のアクセサリーが持つ自傷効果には危機感を抱きつつ、その使用価値を見極めようとしていた。

215話 歴史的正当性を行使した合法半裸及び職人的見地から語る変態の異常性

エフュールとの出会いと依頼内容

サンラクは、茶色い毛並みの兎型NPC・エフュールの店を訪れ、アクセサリースロットの拡張を依頼した。エフュールは京言葉を使いながらも丁寧に応対し、アクセサリー職人としての腕を示した。彼女はロッキングチェアで人形を縫いながらサンラクを迎え、アクセサリースロットの確認と開放を引き受けた。

スロット拡張の手順と結果

エフュールはサンラクのアクセサリー状況を確認し、スロットを封じていた要因を特定した。儀式的な手順でスロットの開放を行い、サンラクは物理的な“予防注射”のような処置を受けることとなった。これにより、未開放であったスロットが拡張され、新たなアクセサリー装備が可能となった。

新装備の試着と装備バランスの検討

スロットが開放されたサンラクは、さっそく新たに装備を試す。マント付きの外套は動きの自由度を妨げる要素があり、特に空中戦などでは支障が出ることが予想された。一方、「封雷の撃鉄・災」は革手袋に近く、操作性に問題はなかった。

アクセサリーの効果と購入

エフュールの店で販売されていた人形型アクセサリーには、持ち主の厄を引き受けたり回復効果を付与するなどの機能があった。サンラクは興味を示し、それらを一括で購入した。店の在庫を買い尽くす行動は、ゲーム内経済ならではの快感であり、NPCとの関係性を強化する一因にもなった。

ピーツとのエピソードと経済感覚

購入資金として宝石と引き換えに大量のマーニを消費したことで、ピーツの困惑する様子が語られた。この一連のやり取りは、ゲーム内での資産運用と、それにまつわる感情的な変化を象徴していた。

次の目的地と装備確認

エフュールとのやり取りを終えたサンラクは、装備の受け取りを後回しにしつつ、アクセサリーの性能を実戦で試すべくコロシアムに向かうことを決めた。とりわけ、撃鉄の機能に関しては強い関心を示していた。

アクセサリー「封雷の撃鉄」の試用開始

サンラクは、「封雷の撃鉄レビントリガー・災ハザード」というアクセサリーの実験を行った。これは「過剰伝達オーバーフロー」という特殊効果を発動させるものであり、デメリットを含んだ高性能アイテムであった。装備を外し、発動条件に従って琥珀を胸に叩きつけることで雷のようなエネルギーが体内を駆け巡り、身体の内側からエンチャントされたような感覚に包まれた。

暴走と初回の死亡

高まる力に任せて全力で駆け出したサンラクは、目の前の壁に衝突し即死した。彼はコロシアムの控室でリスポーンし、エムルから事情を聞くことで自分が異常な加速によって壁に激突したと理解した。壁まで20メートルあったにもかかわらず、数秒で衝突して死亡したことにより、サンラクは「過剰伝達オーバーフロー」がもたらす速度強化が極端であると認識した。

再検証への意欲

その結果、サンラクはアクセサリーの持つ潜在能力とリスクを確かめるため、自ら再度死を覚悟してコロシアムに戻り、再検証を開始する決意を固めた。彼の関心はこの装備の実用性と限界を見極めることにあり、その衝動に突き動かされるままに実験を継続していった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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