どんな本?
リビルドワールドは、ナフセ氏によるライトノベルで、2017年2月から日本の小説投稿サイト「カクヨム」や「小説家になろう」での連載が開始されている。
2023年7月の時点で、累計発行部数は75万部を超えている。
物語は、高度な科学文明の旧世界が滅んでから長い時間が流れた時代が舞台。
その旧世界の遺跡には現在では再現不可能な先進技術の遺物があり、これらのアイテムは高価で取引されている。
しかし、その遺跡には旧世界からの危険な自律兵器、モンスターが徘徊しており、遺物を回収しに来る者たち、ハンターと呼ばれる人々は、命をかけてこれらの遺物を求めている。
物語の中心には、クガマヤマのスラム地区で生きる若いハンター、アキラがおり。
彼は装備が不十分な中、危険な遺跡での探索を始めるが、途中で諦めかけていた時、突如として現れた美しい女性、アルファと出会う。
彼女はアキラに、彼女の目的を果たす手助けをする代わりに、一流のハンターへと育て上げるという取引を提案。
アキラは彼女の提案を受け入れ、アルファが持つ先進技術の知識やサポートを受け取りながら、数々の危険を乗り越えて成長していく。
この物語は、綾村切人による漫画版として『電撃マオウ』 (KADOKAWA) で2019年9月から連載が始まり。
そして、2023年7月にはテレビアニメ化の発表もあった。
最初にこの本と出会ったのは、Amazonの日替わりセールで1巻が販売されており興味を引かれて購入。
読んでみるとマッドマックスのような世界観での遺跡探索の物語。
設定やキャラクターたちが魅力的で面白く。
続きのこの巻も購入して読む。
読んだ本のタイトル
#リビルドワールド I〈上〉 誘う亡霊 (1)
著者:#ナフセ 氏
イラスト:#わいっしゅ 氏
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あらすじ・内容
科学文明の崩壊後、再構築された世界――少年と謎の美女のハンター稼業録!
電撃《新文芸》スタートアップコンテスト《大賞》受賞作!!
リビルドワールドI〈上〉 誘う亡霊
旧文明の遺産を求め、数多の遺跡にハンターがひしめき合う世界。
新米ハンターのアキラは、スラム街から成り上がるため命賭けで足を踏み入れた旧世界の遺跡で、全裸でたたずむ謎の美女《アルファ》と出会う。
彼女はアキラに力を貸す代わりに、ある遺跡を極秘に攻略する依頼を持ちかけてきて――!?
二人の契約が成立したその時から、アキラとアルファの数奇なハンター稼業が幕を開ける!
感想
荒廃した未来の世界。
孤児でスラムで暮らしていたアキラは、拳銃を片手に魔獣が蔓延る荒野を彷徨っていたら、、
突然実体のない女が全裸で立っていた。。
いきなりオチかい!!
その女は拡張現実の一種だと云う。
本来は高度な索敵機器などでないと彼女を見れないのだが、アキラは普通に彼女を見れてしまう特殊な体質者だったらしい。
その拡張現実の女、アルファの頼みは指定する遺跡を極秘裏に攻略することらしい。
何故攻略しないといけないのか等はまだ教えられないらしい。
その遺跡に入る為のトレーニングもアルファは請け負うと云う。
それから始まる2人(?)の冒険。
この世界の魔獣は背中にガトリング砲やミサイルポットを装備した、拳銃だけでは殺す事は不可能。
そんな強い魔獣を殺せるように、アキラはアルファの導きで、荒野から過去の遺物を採取してハンターギルドに売却しようとしたが、、
そんなか弱い子供が通える程度の距離で、良い遺物を採取出来る場所があるとハンターが嗅ぎつけてアキラを追跡する。
それに気が付いたアルファは、アキラを誘導してハンター達を返り討ちにする。
そして、彼等の装備をアキラは奪いハンターとして一歩を踏み出す。
更に最初に持ち込んだ遺物がかなりの高値が付き。
新品の突撃銃を購入して荒野でアルファの指導の下。
射撃練習に明け暮れていた。
だが、そんなアキラを狙うのは彼等だけでは無かった。
中途半端にアキラの情報が出回ってしまい、多くのハンターが子供が通える程度の距離の荒野を探し回る。
そんなハンターの中で、エレナとサラも噂を半信半疑ながらも調べていたら、、
他のハンターから不意打ちで襲われてしまい危機的状態になったのだが、、
そんな2人を見たアキラが、アルファの警告を無視して2人を助けてしまう。
と言っても、2人を襲って来たハンターに当たったのは最初の1発だけ。
他のハンターはエレナとサラが返り討ちにしていた。
そんな2人の無事を確認したアキラは、お礼を言おうと近付いて来たエレナから逃げるようにして去って行ってしまう。
怪我しているサラの治療薬を置いて行って、、
かなりカッコいい事してるぞアキラ!!ww
アキラの残した治療薬はサラの怪我を治したのと同時に、彼女の病魔に冒されていた身体もある程度治療してしまい。
サラの体調はかなり良くなり、調子の悪かった彼女達はコレをキッカケにハンターとしても持ち直す事になる。
そして、彼女達を助けたアキラは駆け出しハンターである事が災いして、スラムの一団から装備を狙われて取り囲まれるが、、
訓練を積んで、アルファの体調管理を受けているアキラは一団のリーダーを撃ち殺す。
その一団で幼いながらも容姿が良かったおかげで大事にされていたシェリルが、アキラに後ろ盾になってもらい一団をまとめる事に成功する。
このスラムの一団がアキラにとって重要になってくる。
そして、アキラと不運の中でも幸運な出会いをする。
荒野で商売する商人のカツラギと魔獣達に襲われている中で出会い、共闘してギリギリで生き残り戦友となる。
ちなみにこの時に救援に来たのは、かつてアキラが助けたエレナとサラだったりする。
なかなかに殺伐として、いつ死んでもおかしくない世界。
面白い。
でも、アニメや漫画などの画像では見たくないな。。
多分、グロくて引くと思う。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
第01話 アキラとアルファ
犬に似た肉食獣に襲われた少年アキラは、瓦礫を武器にして必死に抵抗し、右手の拳銃で獣を撃つが、弾切れになる。しかし、諦めずに抵抗を続け、最終的に獣を倒す。アキラは自分の置かれた厳しい状況を受け入れ、生き延びるための強い意志を示す。彼は、ペットボトルの水で顔と頭から血を洗い流し、拳銃に弾丸を詰め直した後、廃墟となった都市をさらに探索していく。この廃墟は旧世界の遺跡と呼ばれ、自律兵器や警備機械、野生化した生物兵器の末裔、突然変異を繰り返す動植物など、人々からモンスターと呼ばれる危険な存在が住んでいる。アキラはこの危険を承知の上で、自分の命を賭けて価値あるものを求めて廃墟に足を踏み入れた。彼の目的は、スラム街の子供としての自分の命よりも遥かに高価なものを見つけ出すことにある。アキラが探索するクズスハラ街遺跡は、彼が住む都市から最も近く、経済圏内で最大の遺跡である。モンスターに襲われながらも、遺跡の深部に価値のある遺物があると推測し、欲に駆られるものの、危険を冒してまで進むことを諦める。遺跡は旧世界時代の自動整備修復機能が稼働し続け、高性能の警備機械が侵入者を排除する危険な場所であり、アキラは生還の可能性が皆無であることを理解している。さらなる探索を躊躇いながらも、不意に現れた神秘的な光に導かれ、幻想的な光景の中に裸の女性を発見する。彼女の美しさに見惚れるが、彼女の非現実的な振る舞いに恐怖し、銃を向けて警告する。しかし、彼女は突如姿を消し、次に現れた時は服を着ており、アキラの側にいた。彼女に向けたアキラの銃が彼女の体を通り抜けるように感じられ、その現象にアキラは混乱し、恐怖する。彼女はアキラに危害を加えるつもりはないと声をかけるが、アキラは彼女の非現実的な存在に圧倒され、思考を停止させる。高度な文明が滅びた後の世界で、人類は長い時間をかけて社会を再構築した。現在では、かつての文明の遺物が旧世界の遺物として世界中に散らばり、人々はこれらを利用して生活している。人類の生存圏内には統治企業が管理運営する企業都市が存在し、その中の一つがクガマヤマ都市である。この都市には、裕福な層と経済的な理由で貧しい層の明確な格差が存在している。スラム街に住むアキラは、何の強化も施されていないごく普通の子供であり、モンスターの襲撃を生き延びた経験からハンターになることを決意する。ある日、アキラはアルファと名乗る得体の知れない美女と出会い、彼女から遺跡攻略の依頼を受ける。アルファはアキラに前払いのサポートを約束し、彼が依頼を受けることで契約が成立する。しかし、アキラがビルに飛び込む際の反応速度にアルファは不満を抱く。その直後、遺跡の奥から飛んできた砲弾が着弾し、爆発が起こるが、アルファの姿は消えていた。アキラがビルの中へ避難し、アルファの指示に従って避ける行動を繰り返した。ビルの屋上にたどり着いたアキラは、アルファによって安全な場所へと導かれる。しかし、地上ではウェポンドッグと呼ばれる人造生物が徘徊しており、アキラは再びその脅威に直面する。アルファの指示で、アキラはモンスターを撃退するが、その過程で自分の命が危険にさらされる。モンスター撃退後、アルファはアキラにクガマヤマ都市への帰還を促し、その途中でさらなる試練が待ち受けていることを示唆する。アキラはアルファの指示に従い、生き延びるために全力を尽くす。アルファはアキラの行動を操り、彼がモンスターを撃退する手助けをする。ウェポンドッグの群れがアキラに襲い掛かるが、アキラはアルファの助けを借りてそれを乗り越える。ウェポンドッグの襲撃から逃れたアキラは、遺跡外へと辿り着く。そこでアルファに迎えられ、休息しながら話を続けることになる。アルファはアキラに高性能な装備と実力を身に着けさせる計画を説明し、そのためのサポートを約束する。アキラはハンターオフィスでの登録手続きを振り返り、得られたハンター証の安っぽさに不安を感じるが、アルファはその登録が有効であることを確認する。アキラはクガマヤマ都市に戻ることを決意し、アルファはアキラの読み書きの勉強を手伝うことになる。アキラはアルファに感謝を表し、二人のハンター稼業が始まる。
第02話 覚悟の担当
アキラが悪夢から目覚め、アルファと再び交流を始める。彼はスラム街での生活を続け、無料で提供される食料で生き延びている。ある日、アキラとアルファは遺跡を探索するが、アキラはアルファの指示を無視し危険に直面する。アルファの迅速な指示により難を逃れた後、アキラはアルファへの信頼を深める。アルファは自身が見える人間を効率的に探すために特定の姿を選んだ理由を明かす。また、自身の外見を自由に変更できることを示し、アキラに多様な姿を見せて魅了する。この経験を通じて、アキラは自己向上の決意を固める。
第03話 命賭けの対価
ハンターが危険な遺跡に挑む理由は、高価な旧世界の遺物を探すためである。旧世界の遺物には、現代の技術では再現不可能な高度な技術製品から日用品まで様々なものが含まれる。遺物の価値はその希少性と再現不可能性によって決まり、場合によっては非常に高額で取引される。アキラはアルファの指示に従いながら遺跡探索を続ける。ある日、アキラはアルファの指示に反し、自らの判断で行動してしまい、巨大な機械系モンスターに襲われる危機に陥る。しかし、アルファの励ましにより立ち直り、探索を再開する。
アルファはアキラを遺跡の比較的安全なエリアへと案内し、遺物収集を行う。アルファの選んだ場所は、機械系モンスターの警備パターンを利用して安全に遺物を収集できるよう考慮されていた。アキラは遺物を収集し、持ち帰る遺物を選びながら、アルファから遺跡に関する知識や一般常識を学ぶ。
クガマヤマ都市に戻ったアキラは、ハンターオフィス運営の買取所で遺物を売却しようとする。彼が向かったのは、下位区画にあるスラム街の近くの買取所で、そこでは遺物だけでなく、遺物ではない品も買い取られていた。アキラはナイフと医療品を除く遺物を売りに出し、買取用のトレーに載せて窓口の列に並ぶ。窓口の職員ノジマは、アキラのハンター証を確認した後、300オーラムを支払う。この金額は、新人ハンターの初回買取代金として固定されていた。ノジマは、遺物の査定が終わるまで待つようアキラに告げる。アキラは不満を感じながらも、殺し合いを生き延びた経験を背景に、ハンターとしての道を進む決意を固める。
その後、アキラは裏路地でスラム街の住人に襲われるが、遺跡で手に入れた回復薬のおかげで腹に被弾しても生き延びる。この出来事を経て、アキラは自身の立場を再認識し、再び遺跡に挑む決意を新たにする。
第04話 旧世界の幽霊
アキラは再びクズスハラ街遺跡を訪れ、前回の教訓を生かして慎重に進んでいた。彼の体調は非常に良く、アルファの指示に従って移動している。アキラは、回復薬のおかげで以前よりも体調が良くなっていることを知り、自分のこれまでの過酷な生活が体に大きな負担をかけていたことを理解する。アキラとアルファは、遺跡を進む中で、アルファの現実離れしたドレス姿について話し合う。アルファは拡張現実として存在し、彼女を視認できる特定の人々にのみ姿を見せる。
一方、アキラを尾行するハンターの二人組、カヒモとハッヒャは、アキラが高価な遺物を見つけた場所を探っていた。ハッヒャは改造した目を通じてアルファの姿を視認でき、カヒモにその存在を伝える。カヒモはこれを旧世界の技術による拡張現実の一部である可能性を考え、アルファが遺跡の管理機能の一部であると推測する。二人は、この「亡霊」がハンターを遺跡の奥に誘い込む怪談の起源に関する話を交わしながら、アキラを追い続ける。
カヒモとハッヒャは、アキラが安全に遺物を見つけ出せたのはアルファの案内のおかげだと推測し、彼らもアルファの案内を利用して遺物を見つけようと計画する。しかし、遺跡の危険性を理解しており、この方法が確実に安全であるとは限らないことを認識していた。カヒモは、チーム内での争いや遺跡の探索に伴う危険を巧みに操りながら、アキラの監視を続けることを決意する。アキラが自身を追跡している者たちの存在をアルファから知らされた。それは二人の武装したハンターであることが判明する。アキラは理由を問うが、アルファはアキラが高価な遺物を持っていると考える人物による尾行であると推測する。アルファはアキラに現実を直視させ、戦闘の準備を促す。彼女はアキラが指示通りに行動すれば問題ないと確信しており、アキラも覚悟を決めて戦うことを選ぶ。
一方、アキラを尾行しているハンター、カヒモとハッヒャは、アキラが入ったビルを監視し始める。ハッヒャは特殊な目を通してアルファを視認でき、アキラを案内していると報告する。二人はアキラがビル内で見つけたであろう遺物を探す計画を立てるが、慎重に行動を選ぶカヒモはビルの入り口で見張りを続けることにし、ハッヒャに内部の捜索を任せる。カヒモはハッヒャに連絡を怠らないよう念を押し、ハッヒャはビルに入って行く。
カヒモは、アキラが設置したかもしれない罠や、ハッヒャが大量の遺物を発見して裏切る可能性を考慮して、自らは行動を起こさずに様子を見ることを選ぶ。彼はハッヒャの安全と、懸念が杞憂であることを祈りつつ、ハッヒャの行動を監視する。アキラはアルファの叱咤と励ましによって戦意を取り戻し、狙われている二人のハンターとの戦闘に備えていた。彼は過去の成功体験からアルファの指示に従うことで勝利できると信じており、不安や怯えを覚悟で押し潰していた。アルファはアキラに対し、敵がビルに入り、一方が出入口を確保し、もう一方が内部を捜索する戦術を取っていると伝え、遠慮なく戦うよう促した。
ビル内で探索していたハッヒャは、ドレス姿のアルファを発見し、魅力に引かれて追いかけ始めるが、アルファの誘導によって警戒を緩めてしまう。その際、アキラが奇襲をかけ、ハッヒャはアキラの反撃に躊躇し、結果的に有効な攻撃を加えられなかった。アキラの銃弾がハッヒャをかすめるが、彼は防御服に守られていたため大きなダメージを受けずに済む。しかし、アキラの奇襲の際に発生した銃声によってハッヒャはアルファの存在とアキラの策略を理解する。
カヒモとハッヒャは、アキラが彼らの存在を知り、アルファを囮に使っていたことを悟る。彼らはアルファを利用してアキラの居場所を突き止め、ハッヒャはアキラを殺害しようと決意する。カヒモはハッヒャに援護を申し出るが、ハッヒャは自信を持ってアキラに対処できると返答し、アルファの案内に従って再び動き出す。この時、ハッヒャの怒りが彼の行動を駆り立てており、アルファの魅力に惑わされることはなかった。アキラはハッヒャを奇襲するも反撃を受けて深手を負い、旧世界製の医療品を用いて治療しながら、アルファの指示に従って行動を続けた。アルファはアキラの被弾を気にかけつつも、次の戦闘に向けて指示を出し続ける。アキラとアルファはハッヒャが自分たちの策略に気付く前に、彼を罠にかけて殺害することに成功する。アキラはハッヒャの装備を奪い、アルファの指示によって彼の遺体を窓から投げ捨てる。この一連の行動を通じて、アキラは装備を向上させ、アルファとの協力関係を強化した。アルファの計画性とアキラの実行力が、この危険な状況を乗り越える鍵となった。カヒモはハッヒャの銃声に警戒しながら状況を推察していたが、ハッヒャの死体が落ちてきたことで、アキラの脅威を実感する。アキラは残る敵、カヒモへの対処法としてアルファの指示に従い、旧世界製のナイフを使用してカヒモを両断し、二人の襲撃者を撃破した。ナイフは特殊な使い方によって壁を含めた対象を両断できる力を持っていたが、その使用にはナイフを破壊するリスクがあった。アキラはその行動で自身の命を救われたことに感謝し、アルファへの信頼を深めた。その後、アキラはアルファと共にビル内を探索し、旧世界製のハンカチを収穫として都市へ帰還した。この一連の出来事は、遺跡でのハンター間の襲撃と返り討ちが日常的に発生している東部の厳しい現実を象徴していた。
第05話 アキラとシズカ
アキラは遺跡から無事に都市へ戻り、買取所で前回と今回の遺物を売り、計20万オーラムを受け取る。この大金を手にし、動揺するアキラに対し、アルファは落ち着くよう助言する。アキラは、アルファの勧めで初めてハンター向けの宿に泊まり、その快適さに驚く。入浴と安全な睡眠を満喫した後、翌朝、見知らぬ部屋で目を覚まし、一瞬混乱するが、アルファによって落ち着かされる。朝食を自分で準備し、食べることで新たな経験の価値を再認識する。アキラはアルファの助言が正しかったことを認め、その快適な生活を少し楽しむようになる。クガマヤマ都市にあるカートリッジフリークは、銃火器や弾薬を扱う万屋であり、店長のシズカが一人で経営している。店は新米ハンターに人気があり、中には贔屓にする者もいるが、彼らの多くは成長するか、或いは荒野で命を落とす。シズカはハンターを恋人にしない決心をしており、ビジネスとして割り切っている。アキラという子供ハンターが店を訪れ、展示品を珍しそうに見ていたが、盗みに来たわけではないと判断される。アキラはアルファのアドバイスに従い、AAH突撃銃などの装備を新しく購入する。シズカはアキラに商品の説明をして、さらに彼の要望に応えて、丈夫で荷物を運びやすい服とリュックサックを無料で提供する。アキラは感謝し、店を去る。シズカはアキラが生き延びることを願いつつ、彼に服とリュックサックを手向ける。
第06話 信じる
アキラがシズカの店で購入したAAH突撃銃を手にし、新たな装備を得たことに喜びを感じている。重い銃を握りしめることで、今後のハンター生活における挑戦を実感する。一方、アルファはアキラに対し、今後の訓練と遺跡探索のスケジュールを説明し、アキラがその計画に同意する。アキラはアルファの指示に従い、念話の訓練を始めるが、最初は成功しない。時間が経過するにつれて念話の技術を少しずつ習得し、最終的には簡単な会話を念話で行うことができるようになる。アキラは念話の訓練を通じて、声を出さずに情報を伝達する技術の重要性を学び、アルファとの信頼関係を深める。翌日、宿に籠っての念話等の訓練を終えたアキラは、荒野での訓練を開始する。シズカの店で購入した装備を身に着け、AAH突撃銃を携えた彼の姿は以前と大きく変わり、自然と気持ちも引き締まる。アルファによる射撃訓練が始まるが、アキラは銃の正しい構え方を知らないため、素人同然の構えからスタートする。アルファの細かい指導により、アキラの構えは短時間で大きく改善される。その後、アルファはアキラの視界に拡張機能を追加し、100メートル先の小石を撃つ訓練を行う。アキラはアルファのサポートで目標に照準を合わせ、射撃を続けるが、当初は成功しない。訓練を重ねる中で、アキラは射撃の腕を向上させ、息抜きとして読み書きの勉強を始める。自分の名前がハンター証に間違って登録されていることに気付き、自分の名前の読み書きができるようになることで、少し賢くなったと感じる。アキラは荒野での射撃訓練を続けており、アルファのサポートによって視界に拡張表示される弾道予測の青線を活用しながら標的に命中させる訓練を行っていた。標的の小石に連続して命中することで、腕前の向上を実感し、アルファからもその上達を褒められる。次の訓練ではアルファがウェポンドッグの映像を標的として提示し、アキラに外したら殺される覚悟で狙うように指示する。アキラは最初はウェポンドッグの映像に恐怖し、動揺するが、映像であることを知り、徐々に対処方法を学ぶ。アキラは繰り返し訓練を行い、最終的にはウェポンドッグの映像を撃破するまでに成長する。その夜、アキラは夢の中でウェポンドッグに追われるが、訓練の経験を活かして冷静に対処し、ウェポンドッグを撃破することができた。夢から覚めた後も、再び同じ夢を見ても悪夢にはならないと自信を持つようになる。
第07話 エレナとサラ
アキラは荒野で射撃訓練を続け、アルファのサポートを受けながら標的の小石に命中させていた。訓練を重ねることで、腕前が上達していき、アルファから褒められる。訓練の進展として、アルファは以前アキラを襲ったウェポンドッグの映像を標的として提示し、実戦に近い状況を想定させる。アキラは当初、ウェポンドッグの映像に恐怖するが、映像であることを知り、徐々に恐怖を克服し、対処法を学ぶ。何度も訓練を繰り返し、最終的にウェポンドッグを撃破する能力を身につける。夜、アキラはウェポンドッグに追われる夢を見るが、訓練の経験を活かして撃。破する。夢から覚めたアキラは自信を持ち、再び眠りにつく。同じ夢を見ても、もはや悪夢ではないと感じる。照り付ける日差しの下、乾燥した荒野を二人の女性ハンターが荒野仕様車両でクズスハラ街遺跡に向かっていた。彼女たちの装備は遺跡の外周部探索には過剰なほど高性能である一方、奥部を目指すには不足していた。ハンターの実力は装備に依存する面が大きいが、彼女たちの実力は中途半端だった。クガマヤマ都市のハンターたちの間では、低難度の遺跡にまだ未調査部分が残っているという噂が流れていた。エレナとサラもこの噂を聞きつけ、再調査を決めた。エレナはサラの体調を気遣い、危険が少ない外周部の探索を提案した。サラは消費型ナノマシンの補給が必要で、その補給費用を稼ぐためにも、噂が真実であることを期待していた。
探索中、エレナとサラは各々の役割を果たし、モンスターとの戦闘で協力していた。エレナは情報収集を担当し、高性能の機器を駆使して遺跡の構造把握や索敵に努めていた。サラは強力な火力を担当し、身体強化拡張者として重火器を扱っていた。エレナが見つけた未知の部分をサラが攻撃し、互いに支え合いながら遺跡探索を続けていた。エレナは子供の足跡を探しており、その足跡が未調査部分に繋がる可能性を追っていたが、まだ発見には至っていなかった。二人は濃い霧が濃くなることに注意しつつ、遺跡探索を進めていた。今日もアキラは映像のモンスターを標的にした射撃訓練を続けていた。訓練の過程で多数のアキラの死体の山が生まれ、彼はこれを避けるために必死に訓練を重ねていた。ある時、標的のモンスターが突然消え、アキラはアルファから他者が近づいていることを知らされた。エレナ達が荒野を進んでいる姿を双眼鏡で確認し、アキラは警戒心を強めた。彼らがアキラを追っているわけではなく、クズスハラ街遺跡に向かっているだけだとアルファは説明したが、アキラは彼らが友好的でない可能性に備え、遺跡に移動することにした。
一方でエレナ達は、件の子供の足跡を発見し、その跡を追っていたが、探索中に色無しの霧の濃度が増していることに気づいた。エレナはサラのナノマシンに悪影響が出ていないか心配し、サラは無理をしてでもエレナを安心させようとした。エレナ達は資金難であり、今回の噂に縋ることで一発逆転を狙っていたが、探索は収穫無しに終わりそうだった。色無しの霧が濃くなる中、一部のハンターたちは噂の遺物が見つからない不満といらだちを募らせ、別の獲物を手に入れることを決意していた。エレナが情報収集と警戒を担当していたが、遺跡に広がる色無しの霧の濃度が予想以上に速く増し、情報収集機器にも大きな影響が出始めていた。これにより索敵範囲が狭まり、エレナは撤退を決断する。彼女たちは慎重に遺跡の外周部を進むが、霧の影響でモンスターと至近距離で遭遇する危険性が増していた。
その中で、モンスターに追われるハンター8人をエレナたちが発見。彼らの武装ではモンスターを倒せない状況を把握し、エレナとサラは助けを決断する。しかし、モンスターを倒した後、ハンターたちは感謝もせず、手榴弾を投げてエレナたちを襲撃する。サラはエレナを守り、爆発から護るが、エレナは男たちに捕らわれる。
男たちはエレナたちの装備を狙っており、エレナたちを襲ったのもそのためだった。彼らは以前ハンターであったが、強盗へと転じた者たちである。エレナは男たちに抵抗を試みるが、サラは両股を撃たれてしまい、彼らの前で無力化される。
その時、未知の者による銃撃が始まり、男たちは撃退される。エレナはサラを引きずりながら廃ビルに避難し、彼らを助けたのが味方か敵か分からない状況で警戒を続ける。サラの怪我は1時間ほどで歩けるようになる見込みであり、彼女たちはその場で様子を見ることにする。
第08話 殺しの理由
エレナたちが男たちによって一時的に追い詰められ、無力化されかけた時、アキラが彼らに奇襲をかけることに成功した。色無しの霧を考慮した戦術と、絶妙な位置からの銃撃により、アキラは男たちを一方的に撃退することができた。アルファの支援を受けつつ、アキラは男たちの位置を正確に把握し、安全な位置から狙撃を続けた。アキラが敵を撃退する中で、彼とアルファの間には、アキラの行動の動機やアルファの支援の意味に関する会話が交わされた。
アキラは、自らを危険に晒しながらも赤の他人であるエレナたちを助けようとしたが、これはアルファからの依頼を完遂するために自身の命を危険に晒すべきではないという疑問を持つアルファによって問題視された。アキラの行動は、自身が再び襲われる可能性を減らすと同時に、自らの「運」を良くするためのものだと説明されたが、これは建前であり、実際には彼がエレナたちを助けることを通じて男たちを殺すための理由を探していた。
アキラとアルファは、男たちを一掃するために協力し、その過程でアキラは男たちの一人が降伏して命乞いをしてきたにもかかわらず、彼を撃ち殺した。最終的に、アキラは全ての男たちを殺害し、エレナたちは難を逃れた。この一連の出来事は、東部でよく見られる運の悪い者たちが集まり、賭けに出て無理をするという光景の一例であった。エレナ達がビルに立て籠もり、周辺の敵の反応が消えるのを確認した後、未知の救助者に感謝しつつもその意図や要求が不明であることに懸念を抱いた。エレナはその反応を追い、感謝の意を伝えようとするが、アキラからは直接会うことを拒否される形で返答があり、代わりに回復薬が提供された。エレナとサラは回復薬を使用して負傷を治療し、その効果に驚いた。
アキラの行動原理や彼が提供した回復薬について、エレナ達は当初疑念を抱きながらも、最終的にはアキラを「何らかの事情を抱える良い人」と評価し直した。エレナがハンターコードを残して連絡を待つが、アキラがそれに応じるかは不明のままであった。
その後、エレナとサラは男達の装備を回収し、その売却から得た資金で落ち目であった状況を好転させることができた。不明確な噂を追って始まった賭けは、彼女達にとって結果的に成功し、落ち目の流れを逆転させるきっかけとなった。
第09話 真面なハンター
エレナとサラが立て籠もったビルでの銃声が静まり、敵の反応が消えたことを確認すると、救助者に感謝する心情を抱く。エレナは救助者への感謝の意を伝えるために外へ出て、アキラからの回復薬を受け取る。アキラは直接の接触を避け、エレナに回復薬と使用方法が記された紙を投げて助言する。エレナはアキラの助けに感謝し、ハンターコードを残してサラのもとへ戻る。アキラはエレナが去った後で紙を確認し、ハンターコードの意味をアルファに尋ねるが、具体的な行動は取らない。エレナとサラは回復薬を使用して怪我を治療し、救助者に対する評価を高める。その後、彼女たちは敵から回収した装備を売り、経済的な窮地を脱する。エレナとサラは、この経験を通じて、未知の救助者への感謝と将来の恩返しの意志を新たにする。アキラがクズスハラ街遺跡に遺物収集に向かう。資金難のため、この探査が成功しなければ再びスラム街の路上生活に逆戻りする恐れがある。アルファは、アキラが真面目な顔で遺跡に進もうとすると、訓練内容の比重を変えることを告げる。今後はアルファの索敵なしでも動けるようになることが目標だ。アキラは、アルファの索敵がない状況を想像して遺跡を見ると、その危険性を改めて認識する。
遺跡での訓練は厳しいものとなり、アキラは数歩進むたびにアルファからの指摘を受ける。しかし、アルファのサポートがあれば遺物収集はスムーズに進み、アキラはそれなりの量の遺物を持ち帰ることができる。アルファは、アキラの実力に応じて遺物の量を増やしていくと約束するが、贅沢な宿泊施設に泊まるための遺物量の増加には否定的である。アキラはアルファの判断を受け入れるが、同時に風呂付きの部屋に泊まりたいという願望も持っている。
第10話 落ちている財布
アキラが遺跡からの帰路、普段より多めの遺物を背負ってスラム街を通っていた際、アルファから囲まれていることを警告される。スラム街の治安は非常に悪く、遺物の価値に目が眩んで暴挙に出る者が存在する。今回、アキラはスラム街のある徒党に目をつけられてしまう。徒党のリーダーであるシベアは、アキラから通行料として遺物を要求するが、アキラは拒否し、必要であれば抵抗する覚悟を示す。アルファのサポートのもと、アキラはシベア達の油断を突き、突然の銃撃で反撃し、追手を撃退しながら逃走を試みる。シベアは軽い負傷を負いながらも、アキラを追い続ける決意を示す。スラム街でのアキラの立ち回りは、以前のような弱々しい少年ではなく、一人前のハンターとしての自覚と覚悟を持っていることを示している。アキラがスラム街で追手に囲まれた際、アルファの索敵能力によって敵の位置を正確に把握し、先制攻撃で数人を撃退する。アルファは追手が逃げ始めていることを告げ、残りの敵の処理を指示する。アキラは計画的に行動し、シベアの一味を効率的に倒していく。シベアはアキラを追うが、状況を誤読し、迷いが生じた結果、アキラに追いつかれて撃たれる。シベアは命乞いをするが、アキラは最終的に彼を撃ち殺す決断をする。事件後、アキラは人間との戦いばかりでモンスターと戦うことがないと嘆くが、アルファはアキラの強さが原因であることを示唆する。アキラはスラム街で金を持つことの危険性に気づき、強盗に襲われない実力をつける必要があることを認識する。事件を経て、アキラとアルファは買取所へ向かう。数日前にアキラによってシベアの徒党が壊滅した後、シェリルはスラム街で途方に暮れていた。彼女はシベアの徒党の一員であったが、シベア達の死により徒党は解散し、彼女は移籍に失敗し孤立していた。特にシェリルはシベアに贔屓されており、他の徒党に受け入れられなかった。シェリルは集団に属して生き延びる術に長けていたが、一人では生きていく自信がなかった。彼女は自分の将来について深く考え、ある計画を思いつくが、その実行にはリスクが伴う。しかし、現状を変えるためにはその賭けに出るしかないと決意する。
アキラはシズカの店に弾薬を補充しに行き、そこで偶然エレナとサラに再会する。アキラは彼女達を助けたことを隠していたが、シズカには既にバレていた。シズカはアキラがエレナとサラを助けたことを肯定し、彼らとの関係を深めるよう促す。アキラはその提案に戸惑いながらも、エレナとサラが彼に対して抱いている好意や期待を知り、複雑な感情に苛まれる。シズカはアキラとエレナ、サラとの関係を推し進めようとするが、アキラは自分の身分や状況を考えて躊躇する。
シズカの観察により、エレナやサラがアキラを助けた謎の人物として理想化し始めていることが示される。エレナはアキラを「彼」と呼び始め、一連の出来事をロマンチックな物語として語り始めていた。シズカはアキラに、エレナとサラの間で生まれつつある誤解を解くためにも、彼らとの関係を明らかにすることを勧める。しかし、アキラは自身の素性や状況を考慮し、この提案に慎重な姿勢を示す。
第11話 アキラとシェリル
アキラはアルファと共にシズカの店から宿へ帰る途中、再び尾行されていることに気づかされる。都市内での襲撃は一般的ではなく、尾行している者が武装していないことから、アキラに対する直接的な脅威ではないとアルファは分析する。振り返ると、アキラと同世代の少女が挙動不審な様子で立っているのを発見する。この少女はシェリルであり、以前アキラを襲った集団の一員だった。アキラに何か話があるようだが、シェリルは恐怖でまともに話すことができず、涙を流している。アキラはシェリルの恐怖に対して戸惑いながらも、彼女を宿の部屋まで連れて行き、話を聞くことにする。シェリルは提案された風呂を利用し、アキラは彼女が落ち着くのを待つことにした。シェリルは風呂でリラックスしながら、アキラへの提案について考え直していた。彼女は自分の身をアキラに提供する覚悟を決めており、自分の提案が受け入れられるよう努力する決意を新たにする。一方、アキラはシェリルの提案に興味を示さず、面倒事に巻き込まれることを避けたいと思っていた。しかし、アルファの助言により、善行を積むことで自分の運を改善できるかもしれないと考え、シェリルの提案に一定の条件付きで協力することを決める。アキラは徒党のボスにはならないが、シェリル個人にはある程度協力すると伝える。シェリルはアキラの後ろ盾を得たが、同時に徒党のボスになる責任も負うことになった。アキラとアルファのやりとりから、シェリルは自分が提案した「好きにして良い」という言葉が、アキラには性的な意味ではなく、戦力としての価値を見極めるものとして解釈されていたことを知る。結局、アキラはシェリルの体に興味を示さず、その提案も拒否する。アルファはアキラの行動原理を理解するために、シェリルを観察の対象として利用することを計画していた。
第12話 シェリルの徒党
アキラはシェリルと一緒にスラム街を散策しており、彼女の案内でシベアの縄張りだった地域やその周辺を訪れた。スラム街には多数の徒党が存在し、それぞれの秩序があり、知らない場所に踏み込むことは危険であるという知識をアキラは持っていた。彼はシェリルと共に、スラム街の一部で都市開発が頓挫した場所を訪れ、そこがスラム街にしては整った環境であることに興味を示す。アルファは、その開発が初めから頓挫する予定であったことや、裏で何かをしている可能性を示唆したが、アキラはアルファの異常性には意識的に目を向けないことにしている。アキラにとって重要なのはアルファが自分の味方であることであり、彼女の存在の不可解さは問題視していない。
アキラはアルファの提案でシェリルにプレゼントをすることになるが、何を贈るかについてはアルファから自分で選ぶよう指示される。アキラは自分で何かを選ぶ経験が少ないため、何が適切な贈り物かについて悩む。最終的にシェリルに直接何が欲しいか尋ねることにし、彼女からの要望を聞いてプレゼントを選ぶことにする。アキラはシェリルとの関係を外部に示すための証拠として、彼女に何かを贈ることを決めた。シェリルはアキラからプレゼントを選んでもらうことになり、かなり驚いた。彼女はアキラが自分のために真剣にプレゼントを選んでくれることに感謝し、アクセサリーを選んでほしいと頼んだ。アキラは彼女の要望に従い、ペンダントを選んで贈った。その後、二人はスラム街を見て回り、日が落ち始めた頃に解散した。
シェリルはシベアの徒党の壊滅後、空白地となった縄張りを自分の拠点と宣言し、シベアの徒党の生き残りを新たな徒党に迎え入れることに成功した。彼女はアキラとの関係を利用して、自分が新しいボスであると他の徒党の生き残りに説得し、アキラが彼女を特別扱いしていることを示すために贈られたペンダントを証拠として見せた。シェリルの策略は成功し、彼女は自分の命を守るための第一歩を踏み出すことができたが、アキラが常に側にいるわけではないため、今後も慎重に行動しなければならないことを自覚していた。拠点の外でシェリルの襲撃を計画していた男達は、彼女の話をどこまで信じるかで意見が分かれていた。一部はアキラとの関係や彼女が得たペンダントをただのはったりや安物と見なし、襲撃を推進した。彼らはアキラに対する報復のリスクを考慮しつつも、拠点を制圧しシジマさんに提供することで自らの地位を上げようと考えていた。しかし、襲撃を実行に移した瞬間、アキラによって襲撃者達は銃撃され、多くが死亡した。アキラはシェリルに手を出すなと警告し、任務を完了させた。
この一連の出来事は、アキラがシェリルとの約束を果たし、彼女の安全を確保するために冷静に行動したことを示している。アキラがシェリルと一緒にいなかったのは、彼女を狙う者達を誘き出すためであり、計画は成功した。生き残った者達は、アキラがさらに質の悪いハンターであることを悟り、彼の行動に恐れを抱いた。この事件は、アキラがシェリルの護衛を続けることができない現実と、彼女の運命が最終的には自身に委ねられていることを示している。シェリルは朝からアキラを宿の前で待ち、彼に対して徒党の現状や拠点の場所、連絡方法について要点をまとめて伝えた。また、新入りとの顔合わせのために、その夜に拠点に来てほしいと頼んだが、アキラの反応は鈍かった。さらに、定期的に拠点に顔を出してほしいと懇願したが、アキラは忙しいため難しいと返答した。シェリルはなんとか約束を取り付け、その場を収めたが、アキラにはその場しのぎで答えたような印象を受けた。シェリルはアキラが前日彼女の拠点の前に転がっていた死体のことについて何か知っているか探ったが、アキラはそれについて特に反応を示さなかった。シェリルはアキラの関与を疑いつつも、彼女自身、納得できる理由を見つけられずにいた。最後に、アキラからもらったペンダントが実は安物だと考え直し、今後の協力関係をどう維持していくかについて悩みつつ帰路についた。
第13話 運が悪い者達
アキラはクズスハラ街遺跡近くで、動くモンスターを標的にした射撃訓練をしていた。実際にモンスターに襲われる状況を想定した訓練で、アキラは度重なる失敗を経験しながらも訓練を続けていた。一方、カツラギとダリスはモンスターの群れに追われ、危険を避けるためクズスハラ街遺跡へと向かった。遺跡内でモンスターの群れに追い詰められた彼らは、最終的に迎撃の準備をする。アキラはアルファの指示に従い、トレーラーが襲われている現場へ急ぐことになったが、その途中でアキラ自身もモンスターの群れに捕捉されてしまう。アルファはアキラに遺跡内でトレーラーの人々と合流し、一緒に応戦するよう指示した。カツラギ達は、トレーラーを止めて遺跡内の袋小路でモンスターの群れと対峙することを決意した。アキラはアルファの指示で、モンスターの群れが襲い来る状況で遺跡に急いでいた。アキラに気付いたモンスターの一部が彼に襲い掛かるが、アルファの的確な指示に従いながら、アキラは回復薬を服用し、戦闘に備える。アキラはアルファのサポートを受けて、移動しながらモンスターを撃退し、遺跡に近づいていく。その間、アキラは訓練時に比べて実際のモンスターが弱く感じることに疑問を持つが、アルファは訓練の厳しさがアキラの成長に繋がったと説明する。
一方、カツラギとダリスはモンスターの群れに追われ、遺跡内で迎え撃っていた。予備の弾薬が尽きかける中、ダリスはカツラギに急ぐよう叫び、迫り来るモンスターの群れとの戦いに覚悟を決める。しかし、ダリスが絶体絶命の状況に陥ったその時、アキラの銃撃がモンスターを倒し、ダリスを救う。アキラはビルの窓辺からカツラギ達を援護しており、その銃声にダリスは救われたことを実感する。アキラは遺跡に入り、アルファの指示に従いながら廃ビルの窓辺から銃撃を開始し、周辺のモンスターを効果的に撃退していった。その結果、カツラギ達の状況は改善し、互いに援護し合うことでモンスターの群れを倒すことに成功した。戦闘終了後、アキラがカツラギ達の下に行くと、彼らはアキラが子供であることに驚いたが、彼の実力を軽んじることはなかった。カツラギはアキラに感謝を表し、ハンターであることを知ると、商売相手として商品を安くすることを提案した。カツラギ達はアキラをトレーラーに乗せ、クガマヤマ都市へ向かうことにし、アキラもそれに同意した。その後、カツラギ達はモンスターの死体の山を豪快に吹き飛ばしながら、車両を発車させた。
第14話 不運と幸運と偶然の繋がり
トレーラーがアキラを乗せ、クズスハラ街遺跡からクガマヤマ都市へ向かっている最中、カツラギとダリスは激戦の勝利に喜び、その体験をアキラに話していた。アキラは彼らの話に興味深く耳を傾けていたが、商売については自分には無理だと感じていた。カツラギは商売で成り上がる夢を語り、アキラにもハンターとしての道を歩むことを勧めた。しかし、再びモンスターの群れが接近していることが明らかになり、緊張が高まる。アキラはカツラギの提案を却下し、トレーラーを捨てることを提案したが、カツラギは遺跡内の状況が悪化することを理由にこれを拒否した。結局、アキラたちはその場で迎撃の準備を始め、アキラはアルファのサポートを受けて戦う覚悟を決めた。アキラたちは群れが十分に接近するまで待ち、確実に致命傷を与える距離で攻撃を開始し、絶望的な耐久戦に挑むことになった。アキラはアルファの指示に従ってモンスターを撃ち続けていたが、弾丸の消費と体力の消耗に焦りを感じていた。死に物狂いで戦い続ける中で、アキラは回復薬を使用し、体力を維持しながら戦闘を続けていた。しかし、一瞬の油断が命取りとなり、重傷を負いかけるも、間一髪で反撃に成功し、危機を脱した。しかし、戦況は悪化し続け、カツラギたちは弾薬が尽きると絶望的な状況に陥った。
その時、エレナとサラが乗る荒野仕様の車が現れ、榴弾と対物弾頭でモンスターの群れに一方的な攻撃を加え、アキラたちを救出した。エレナとサラは、アキラが以前助けた女性ハンターたちであり、彼らの活躍によりモンスターの群れは殲滅され、アキラたちは難を逃れた。アキラたちはエレナたちと合流し、トレーラー内で緊急依頼の後処理についての話し合いが行われた。アキラはカツラギたちから離れ、サラに感謝を伝える。サラは仕事の一環として気にしないと答え、自身も過去に助けられた経験から、幸運を象徴するペンダントを身につけていることを明かす。アキラはこの話を興味深く聞き、今回の経験が幸運につながったと感じる。
アルファはアキラの行いが報われたことを楽しげに話し、彼の動揺を面白がる。アキラは戦闘を生き延びたこと、そして過去の行為が幸運につながったことに感謝しつつ、アルファのからかいには照れつつも突っぱねる。
この一連の出来事はアキラにとって大きな影響を与え、彼自身はまだその変化を完全には理解していないが、確かな変化があったことを示している。
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