どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
読んだ本のタイトル
薬屋のひとりごと 10
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者: #日向夏 氏
イラスト: #しのとうこ 氏
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あらすじ・内容
シリーズ累計1200万部突破! 妖怪! 蝗害! 災害! 西都に呼ばれた謎!
最新10巻はドキドキとワクワクの波状攻撃が止まらない!無事に西都に到着した猫猫。
薬屋のひとりごと 10
環境は変化しても仕事は相変わらずで、
薬屋として、また医官手伝いとして働いていた。
どこに行っても呑気なやぶ医者に、
何を考えているかわからない新人医官・天祐。
猫猫は、壬氏の火傷が二人にばれないようにとひやひやしながら
西都での日々を過ごしていた。
壬氏もまた皇弟として政務をこなす毎日だが、
西都側は壬氏を名前だけの権力者として扱っていた。
そんな中、猫猫は農村部を視察するために連れて来られた
羅半兄とともに農村へ行くことに。
視察するにあたって、かつての羅漢の部下・陸孫が動いていることに気付く。
彼は、中央とは異なる農村部のやり方に疑問を持っていた。
一方、かつて起こった大蝗害の生き残りの老人と出会う。
また、西都の滞在先では妖怪である「飛頭蛮」が出るとの噂がはびこっていた。
猫猫は飛頭蛮の正体を探るために動き出します。
さらに、猫猫は、さまざまな問題にぶつかりながら、
かつて西都を治めていた戌の一族が滅びた理由についても考えていた。
戌の一族、風読みの民、祭祀。
五十年前の蝗害と、十七年前の戌の一族の族滅。
新たな謎が生まれるとともに、予言された災害の足音はだんだんと近づいて来る。
そして、壬氏を西都へと呼んだ領主代理・玉鶯の狙いが明らかに?
感想
面白くなって参りました!!11巻はよ!!
だが、小説家になろうは絶対に読まん!
(続きを読みたい人はどうぞ↑URLを貼っときます)
俺は敢えて読まない!
このワクワク感が楽しんじゃ!
謎解きに1卷から伏線を探して読みふけるのも面白い。
蝗害を防ごうと奮闘し、被害を受けても最大限の努力をする猫猫達。
それを横目に自身の権力を強めようと暗躍する玉鶯とその周辺達。
それに気付きながら淡々と役目をこなす壬氏達。
何気に自身の家の特産品を売り込む羅の一族達、、
親父と娘はその場に居ながら蚊帳の外ww
場所は西都で完璧にアウェー。
それでも奮闘しながらも上手くは行かない。
そんな猫猫達を横目に、ノホホンとしてるヤブ医者が癒しになってるw
その裏では玉葉后とその兄、玉鶯の暗闘が本格化して来ている。
どうなって行くのだろうか?
これだけ布石を打っていても、不発で終わるのだろうか?
それもまた良し!
人の世は全てがうまく行くほうがおかしい。
ネタバレ
蝗害を未然に防いでいた戌の一族の一部族。
女性が族長であり、周辺の部族と違う政治系統だったから他の部族に攻められて男性は殺され、女は嫁にされ。
子供は奴隷にされて売られてしまった。
そんな戌の一族を滅ぼした連中は蝗害で困窮して都に手を出してしまい滅ぼされてしまった。
そんな彼等を捕えた都の連中は彼等を農奴にして、戌の一族のやっていた蝗害の予防をさせていたが、時が流れ、世代交代を経て農奴達は任務を放棄して散り散りに逃げてしまった。
そんな事情が貯まり、蝗害が大規模化して今回の騒動となった。
西都で実権を握っている玉鶯は蝗害を誘発してるような行動をしており、これを理由に隣国に戦争を起こそうと暗躍していた。
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備忘録
序話
鈴の音と共に馬車から降りてきたのは、玉葉と同じ赤毛を持つ娘、雅琴である。彼女は玉葉の姪で、紗を頭にかけ、絹の衣を纏っていた。玉葉に仕える侍女の一人、黒羽が後ろから心配そうに声をかける。現場は帝の離宮で、玉葉は后として特別な許可を得て姪を外で迎えている。雅琴は玉葉に敬意を表し、玉葉は彼女を優しく迎え、食事の好みを尋ねる。雅琴の来意は不明だが、玉葉にとっては重要ではない。雅琴が警戒している様子を見せたが、玉葉は保湿剤を用いて彼女の不安を和らげようとする。玉葉の仕事は常に笑顔を絶やさないことであり、たとえ相手にどのような意図があろうとも、彼女は温かく迎え入れる決意を固めている。
1話
猫猫は馬車の外を見ながら西都への二度目の訪問を振り返る。前回訪れたときよりも暑く、同行者も暑さに苦しんでいる。雀から柑橘類の皮を入れた水をもらい、渇きを癒やす。雀は猫猫に西都の案内をすると約束し、猫猫は地元の生薬や植生に興味があるが、壬氏に注意を払う必要があると感じている。馬車は大きな屋敷に到着し、公所であることが明らかになる。楊医官と他の医官たちが待っており、分担が決められる。猫猫とやぶ医者は特に注意を払うべき壬氏の担当となる。街並みを進む中、陸孫という人物と遭遇し、短い会話を交わす。陸孫は遠出からの帰りで、西都の農村から来たと推測される。最終的に、猫猫は自分の仕事に集中することを決意する。
2話
陸孫は公所にある自室に戻り、砂と泥で汚れた服を脱ぎながら、元上司との再会について考える。以前、農村の見回りをしたいと提案しており、玉鶯から許可を得たばかりであった。しかし、都からの客人たちの来訪が予定より早まり、羅漢とその娘である猫猫との予期せぬ再会があった。羅漢が来ることを知り、陸孫は若干の面白みを感じつつも、その再会に驚く。羅漢の下で働いていた頃の記憶が蘇り、羅漢の特異な性格に改めて苦笑いする。
身体を拭く間もなく、練り香で汗の臭いをごまかし、広間へと向かう陸孫は、羅漢と音操という過去の同僚に遭遇する。羅漢は変わらぬ様子で食事を楽しんでおり、音操はそのわがままに対応している。陸孫は羅漢から六六飯店の揚げ饅頭を求められ、その特定に苦労しつつも、羅漢の記憶を頼りに答えを出す。一方で、音操とのやり取りの中で、西都に馴染んだ陸孫の変化に気付かれるが、玉鶯がそれを軽く受け流す。
陸孫はこの不意な再会と、羅漢の性格の変わらないことに内心で複雑な感情を抱きつつも、周囲には平静を保とうと努める。羅漢の要求する揚げ饅頭に関する会話は、陸孫にとって苦い思い出となり、この状況をどう乗り越えるかを考えさせられる出来事となる。
3話
玉袁の別邸は緑豊かで居心地が良い場所であり、西都が位置する戌西州にもかかわらず草本類が生えるほど水分がある。猫猫、やぶ医者、天祐、李白の一行は別邸に到着し、医務室に案内される。そこは礼拝堂のような離れで、以前は信心深い人が住んでいた可能性がある。荷物の整理を優先することにし、外の探索は後回しになる。羅半兄が間違って持ち込んだ甘藷の荷物と遭遇し、彼との再会がある。羅半兄は農業指導のため西都に来ており、羅半の実父が北の地で甘藷の栽培実験をしていることが明かされる。猫猫は羅半兄と共に農村部へ出向くことを計画し、壬氏から許可を得る。
猫猫は壬氏の脇腹の具合を診ることになり、新たに作った軟膏を使用することに。壬氏は馬閃が到着次第、猫猫の護衛として農村部へ同行することを提案し、高順はそれまでの準備期間を提案する。戌西州では蝗害の報告がなく、壬氏と高順は飛蝗の駆除に関する対策を検討している。猫猫は農村部での調査と蝗害の有無の確認に向けて準備を進めることになる。
4話
馬閃は月の君から家鴨の飼育を密命として受け、その任務に就く。当初は疑問に思いながらも、家鴨の飼育が国の憂いを減らすための施策であることを知り、紅梅館での飼育方法を学ぶことになる。紅梅館では、家畜の飼育を通じて不老長寿を目指す道士たちが活動しており、馬閃はここで家鴨の飼育について学ぶことに。意外にも、紅梅館で馬閃はかつての妃であった里樹と再会する。里樹は後宮から追放された後、紅梅館で家鴨の世話をしており、馬閃に家鴨の孵化方法を教えることになる。
里樹は現在の状況に満足しており、自分の居場所を見つけている様子を見せる。馬閃は里樹の変化に戸惑いつつも、彼女が選んだ生き方を尊重することに。家鴨の飼育を通じて、馬閃は里樹との間に新たな絆を築くことになる。
5話
馬閃は、家鴨の飼育と配布を通じて農村の蝗害対策に貢献する任務を続けてきた。その過程で、かつての妃であった里樹と再会し、彼女が紅梅館で家鴨の世話をしていることを知る。里樹は後宮から追放された後、自分を取り巻く状況と自分自身について深く考え、紅梅館での生活を通じて成長していく。馬閃は里樹に対し、共に西都へ行くことを提案するが、里樹は自身がまだ成長途中であること、そして馬閃が月の君の護衛としての任務を最優先すべきだと考え、その提案を断る。
しかし、里樹は馬閃が次に紅梅館に来る時には、もっと自信を持っている自分でいたいと願い、その時まで待つことを希望する。馬閃は、自分が任務から戻る時には、里樹が頼りにできるような男になることを誓い、二人は再会を約束する。
馬閃の姉、麻美からは、自分で相手を選び、想いを伝えることの重要性を諭される。馬閃は、里樹の成長を待ち、自身も成長することを決意し、西都への出発を前にして里樹との未来に希望を抱く。
6話
馬閃が西都に到着したのは、猫猫たちの到着から三日遅れで、肩には家鴨の舒鳧が乗っていた。猫猫と雀は農村視察に向かうが、途中で盗賊に襲われる。馬閃は盗賊を素手で倒し、猫猫は盗賊が襲ってきた理由を雀が仕組んだと推理する。雀は、盗賊を誘い出すために猫猫たちを囮に使ったことを認め、猫猫は雀の計画に気づいていた。農村に到着後、彼らは村長からの案内で定住用の天幕に宿泊する。雀は村長との交渉で案内役の一人が盗賊とつながっていたことを暴き、猫猫と雀は盗賊に襲われた経緯とその対応について話し合う。夜、雀は山羊を交渉材料として使うために塩を準備し、猫猫に休むように言い残して天幕を出る。この物語は、馬閃、猫猫、雀の三人が農村視察という任務の中で直面するトラブルと、彼らがそれにどう対処するかを描いている。馬閃の力強さ、猫猫の機転、雀の策略が物語の進行に大きく貢献している。
7話
羅半兄が農村の畑で土の状態を確かめている場面から物語は始まる。農家の朝は早く、羅半兄はすでに畑で土を触り、その質を確認していた。畑では麦が芽吹いており、羅半兄は土の状態が悪くないと評価する。雀が加わり、朝食について話をする中、羅半兄は種芋を食べることを阻止する。農作業の話をしつつ、彼らは畑の視察を続ける。その後、馬閃、羅半兄、猫猫は朝食を取り、農作業の方法について話し合う。特に麦踏みの重要性について羅半兄は力説するが、馬閃は農業に対しての理解が乏しい。食事の後、猫猫たちは村内を散策し、農作業の状況や村人の生活について観察する。
物語の後半では、念真という老人が登場する。彼は陸孫によって耕された畑の話をするが、詳細は曖昧に留める。念真の家を訪れた猫猫たちは、彼が何者であるかを推理し、最終的に猫猫は彼を「生贄」と呼ぶ。この呼称に対して念真はある程度の納得を示し、過去の話を始めることに同意する。
8話
五十年前、遊牧民の一人であった老人は、武闘派で盗賊の部族に生まれた。彼らは略奪や人身売買を副業としていた。老人は若い頃から強奪に加わり、部族全体に傲慢が蔓延していた。ある日、族長の息子が風読みの民の娘を欲しいと言い出し、部族は風読みの民を襲う。この民は草原の祭祀を任される存在で、普通は手を出してはならないが、老人たちの部族はこれを破った。
襲撃の結果、風読みの民の成人男性は全員殺され、女性は一部が残され、子どもたちは奴隷として売り払われた。この暴挙により、老人の部族は災厄を招く。ある時、数え切れないほどの大量の飛蝗が彼らを襲い、食糧を食い尽くした。飢えに苦しむ中、部族は分裂し、老人は農奴として生きることになる。
老人は戌の一族によって農奴にされ、風読みの民の祭事を代行するが、不完全な形でしか行うことができなかった。その後、戌の一族がいなくなり、農奴たちは解放されたが、老人は二度と飛蝗に襲われたくないという理由で村に残った。
9話
念真という人物が主人公の物語は、過去に遡ること五十年前、彼らの部族が風読みの民を滅ぼし、それによって大規模な蝗害が起きたという出来事を背景に持つ。念真自身も風読みの民の代わりに農奴となり、生涯を通じて祭事を行う羽目になった。ある日、猫猫と馬閃、羅半兄が念真の話を聞くことになり、秋耕と害虫駆除の重要性について議論する場面が描かれる。物語は、念真と他の登場人物たちが、過去の行いの結果として起きた蝗害とどう向き合うか、そして土地を豊かに保つためにどのような行動を取るべきかを模索する過程を描いている。特に、農地の耕作や害虫の駆除が重要なテーマとなり、昔の祭事が実は農業の知恵であったことが明らかにされる。猫猫たちは、念真の助けを借りて祭事を現代の村で再現することになり、祭事を通じて地域社会に農業の重要性を再認識させる。この過程で、村の人々は祭事の意味を理解し、自らの行動を見直すことになる。しかし、物語は念真の過去の行いや、現代の村人たちが直面する問題といった、重いテーマも含んでいる。最終的に、猫猫たちの取り組みは、祭事と農業の知識を通じて地域社会を一つにまとめ、過去の過ちを乗り越える一歩となる。物語は、人々が互いに協力し合い、より良い未来を目指すことの大切さを示して終わる。
10話
宦官であるやぶ医者が開く茶会と、そこに集まる異色の参加者たちを描いている。主人公の猫猫は医務室に帰ってきたばかりで、そこで天祐や李白と共に茶を飲みながら近況を報告し合う。猫猫の部屋はやぶ医者によって少女向けの装飾が施されており、彼女はその変化に戸惑う。後に、猫猫は壬氏の治療を行い、農村訪問の報告と感想を共有する。壬氏と猫猫は風読みの民や戌の一族について話し合い、西都での生活や政治的な動きについても触れる。物語の最後には、猫猫と雀が夜の屋敷で謎の白い面、飛頭蛮を目撃するという怪異の要素も盛り込まれている。
11話
飛頭蛮の出現は約二か月前から報告されていた。最初に目撃したのは仕事を終えた下男で、月明かりの中で白い面が浮かんでいるのを見た。その後も、屋敷の周囲で奇妙な面や女の首が飛んでいるとの報告が相次いだ。猫猫はこの話を医務室で他の者たちと共有し、李白も飛ぶ顔の話について相談されていたことを明かす。翌日、猫猫は天祐と共に飛頭蛮が出た場所を調査し始める。調査の結果、不気味な顔をした梟を捕獲することに成功する。梟は白く丸い顔をしており、暗がりでは白い面が浮かんでいるように見えた。しかし、そのサイズは予想よりも小さかった。
壬氏はこの騒動に気づき、猫猫たちに事情を聞く。猫猫は飛頭蛮の正体が梟であると説明し、壬氏はより詳しい話を聞くことを望んだ。天祐は猫猫の医学的知識を尊重し、一緒に調査に加わったことを説明するが、壬氏の反応は冷ややかだった。結局、飛頭蛮の正体は特定の梟であり、その不気味な外見が怪異の原因とされたが、全ての謎が解明されたわけではない。
12話
壬氏たちが捕獲した鳥、すなわち「飛頭蛮」の正体を調査するために壬氏の部屋で話し合いが行われた。猫猫は、この鳥が怪異の正体だと思った理由を説明し、夜行性の肉食鳥であることから「面梟」と推測した。面梟は、黒っぽい羽毛を持ち、夜の闇に紛れやすい特徴がある。また、人の目は点が並んでいると顔に見える傾向があり、夜に浮かぶ「面」の正体はこの面梟であると結論付けた。
天祐は、面梟のサイズが小さすぎると指摘するが、猫猫は人間の目の錯覚を説明し、さらに、面梟が慣れ親しんだ人間から鶏肉を食べる様子から、長年飼育されていたことを示唆した。猫猫は、面梟を育てた人物が変なお面をつけていた不審者である可能性が高いと考え、その人物が梟の育て手であると結論づけた。
猫猫の推理によると、この梟は都への献上品として用意されていたが、何らかの理由で逃がされた可能性がある。その後、梟を再び捕獲しようとした人物が不審者であり、梟の育て手であることが示唆された。この不審者の捕獲に成功し、猫猫たちはその人物に会うことになった。
13話
猫猫は雀に案内され、捕らえられた不審者、庫魯木と対面する。庫魯木は十歳前後の女児であり、西都ではなく華央州の人種の特徴を持つ。彼女は、逃げた鳥、面梟を捕まえようとしており、そのために変装していた。猫猫たちは庫魯木から、彼女が鳥を育てていた経緯や、鳥が売られた事情を聞き出す。庫魯木は、鳥を野生に返すつもりで育てていたが、父親によって売られてしまったと説明する。
猫猫は庫魯木に、風読みの民について尋ね、庫魯木は自分の曽祖父が風読みの民であったこと、彼らが滅ぼされた後も鳥を育てる伝統が残っていたことを話す。庫魯木はまた、彼らが鳥を使った連絡手段を持っていたこと、鷹狩りをしていたことも明かす。彼女の家族は現在は鳥を育てて金持ちに売ることを生業としており、庫魯木自身も鳥の扱いに長けている。
庫魯木の話から、猫猫は風読みの民が完全には滅びておらず、その一部が現代にも生き残っている可能性があることを推測する。また、風読みの民の伝統や技術が今もなお何らかの形で継承されていることを示唆する。
最終的に、猫猫は庫魯木に鳥を返し、彼女の父親や玉鶯さまの母上との関係、風読みの民の存在についてのさらなる情報を得ることに成功する。庫魯木の話は、猫猫が持っていた疑問や憶測に対して重要な手がかりを提供し、風読みの民に関する猫猫の調査を一歩前進させる。
14話
猫猫は壬氏の部屋でお茶会のような形式で、風読みの民についての意見を述べる。猫猫は風読みの民が花嫁狩りや奴隷狩りに遭って滅んだとされるが、実際にはその技術を持つ子孫が生き残っていると推測する。特に、鳥を使った伝達手段が風読みの民の強みであり、諜報活動に利用されていた可能性が高いと述べる。また、生き残った風読みの民は、戌の一族または別の勢力に保護されていたと考えられる。
猫猫はさらに、風読みの民の技術が砂欧に伝わり、そこから白娘々が鳩を使った伝達手段を得た可能性を指摘する。この技術の伝達は、風読みの民が滅びる前、つまり裏切りによるものだったと推測する。
さらに、猫猫は陸孫が農村視察中に賊に襲われた件に言及し、その背後には何らかの意図があったと推測する。雀からは、その賊が陸孫を標的にしたのは、案内人が関与していたことが明らかになる。
最後に、猫猫は天祐という新人医官に対してどのように対応すべきか壬氏に尋ねる。水蓮は猫猫が壬氏とは「行儀見習い」として以前から顔見知りであったと説明して、猫猫の立ち位置に関する問題を解決する。
この議論を通じて、猫猫は風読みの民に関するさまざまな推測を壬氏に提供し、さらに陸孫が関わる事件についても触れ、現状の理解を深めると共に、風読みの民の技術や歴史の影響を探る
15話
羅半兄は農業実習から別邸へと帰還し、疲労感を抱えつつ荷物を片付けていた。その時、壬氏が現れ、羅半兄に対して農業に関する深い知識と技術を持っていると褒め、彼に戌西州の農村地区で秋耕や芋の栽培を指導してもらいたいと依頼する。壬氏はこの仕事をできるだけ早く、特に二か月以内に全ての地区で秋耕を教え、その後芋の栽培を開始することを希望していた。この依頼は蝗害対策の一環として提案されたものであり、壬氏は使える資源を最大限に活用する意図があった。羅半兄にとっては非常に困難な任務であったが、壬氏の圧倒的な存在感と要請に対して断ることができず、受け入れるしかなかった。猫猫は羅半兄がこの大仕事をこなすために栄養剤を用意し、サポートを惜しまない様子を見せる。この出来事は、為政者が国のために前もって対策を講じる重要性と、その過程で生じる犠牲についての複雑な感情を示している。
16話
猫猫にとって一時的な平穏な日々が続いた。その間、西都で採れる材料で医薬品を作り直し、医療器具を集めるなどの日常業務に加え、変人軍師の訪問や家鴨の卵の出来事などがあった。しかし、この平穏は羅半兄が農業実習のために旅立ってから一月以上が経過し、彼からの手紙を通じて農地の状況が報告される中で、猫猫は壬氏の火傷の治療にも携わっていた。手紙には羅半兄の苦労が伺え、壬氏は鳩を使った情報伝達の便利さを認めていた。
猫猫は麦の収穫時期に蝗害の有無を確認するため、陸孫と共に農村へ向かう。陸孫は蝗害調査の他にも、文官としての雑務や食料備蓄の調査などを理由に現地調査を行っていた。猫猫は、陸孫が農村の状況を直接見る重要性についても質問し、蝗害対策の知識を得たいという彼の意図を理解する。
農村に到着し、麦の収穫と薬草の採取を前にしていたが、その平穏は急報を持ってきた武官によって中断される。武官が渡した羅半兄からの手紙は、線と乱雑に塗りつぶされた部分だけで構成されており、猫猫はそれが蝗害を意味すると直感する。猫猫には以前にも似たような警告があったことを思い出させ、蝗害の兆しを予感させる内容だった。
17話
蝗害の警告にもかかわらず、村人たちは猫猫の警告を真剣に受け止めていなかった。しかし、過去の経験から蝗害の恐ろしさを知る念真さんの怒りと、陸孫による麦を相場の倍で買い取るという提案により、村人たちは急いで収穫を始めた。猫猫は炊き出しの準備と殺虫剤の製造を行い、陸孫は麦の収穫を金銭的なインセンティブで加速させた。作業は効率よく進み、大部分の麦が二日で刈り取られた。しかし、その平穏は短命で、飛蝗が近づいていることが明らかになり、猫猫と雀は村中を走り回り、村人たちに警告した。
18話
収穫が進む中、飛蝗の大群が村に襲来した。村人たちは松明を灯し、家を閉ざして虫の侵入を防ぎ、収穫物を安全な場所に避難させた。馬閃は飛蝗を網で捕まえて殺し、雀は村人に支援を提供した。虫に襲われる中、狂気が広がり、一部の村人はパニックに陥った。陸孫は村人を励まし続けたが、猫猫は虫殺しの薬を作り続けて手を傷つけた。飛蝗の襲撃が最も激しい時、空から雹が降り始め、飛蝗の動きが鈍くなった。猫猫はこの雹を天の恵みと捉え、雹乞いをするが、頭に雹を受けて気絶した。
19話
飛蝗の襲撃後、猫猫は気絶から一日後に目覚め、李白や雀と再会する。村は飛蝗による被害を受けたが、降った雹と冷え込みにより、飛蝗の動きが鈍化。猫猫は気絶中に作った強力な殺虫剤(毒薬)で飛蝗を駆除し、村人たちからは「毒のねえちゃん」と呼ばれるようになる。李白は西都への帰還を提案し、猫猫は残った殺虫剤の作り方を村人に伝授し、準備を整える。
陸孫は飛蝗対策で大きな役割を果たし、彼の過去と家族を失った悲しい背景が明かされる。彼は猫猫に求婚の冗談を言い、雀とのやり取りも軽妙だった。最終的に、猫猫と李白は西都へ帰ることにし、猫猫は殺虫剤作りでできた手の傷痕を残したまま村を後にする。
20話
猫猫が西都に戻った際、飛蝗の襲撃による混乱の跡を目の当たりにする。西都では飛蝗に対する対応が農村とは異なり、恐怖が支配していた。猫猫は李白と共に壬氏の別邸に到着し、やぶ医者や天祐と再会する。壬氏の別邸では、飛蝗駆除に役立った猫猫の作った殺虫剤(毒薬)について話し合いが行われる。
壬氏は西都の事態に対して何もせず、玉鶯の手柄になるような行動を取っていた。猫猫は、壬氏がまだ行動できる余地があると指摘し、壬氏自身も疲れている様子が見え隠れする。猫猫は壬氏に無理をしないようにと助言するが、壬氏は自分なりの方法で猫猫の心配を払拭しようとする。
最終的に猫猫は、西都での滞在を続けながら、できる限りのサポートを提供することを決意する。壬氏とのやり取りは、彼の人間性や猫猫との関係の深さを示すものであった。
終話
玉葉后は、重鎮の妻たちを招いて茶会を開催していた。茶会の目的は、政治的なつながりを強化することではなく、むしろ穏やかで野心のない妻たちとの親交を深めることにあった。会話の内容は、流行の香りや新しい化粧品についての軽い話題で、政治的な話題は避けられていた。雅琴、玉葉の姪も参加しており、玉葉は彼女を西都から遠く離れた自分の姪として紹介した。雅琴はまだ後宮に入内しておらず、玉葉だけでなく、玉袁からも入内しないように言われていた。玉葉は自分の価値を高め、玉袁の利益になるよう努めている。茶会後、雅琴との会話の中で、玉葉は彼女の心配事に耳を傾け、雅琴が戌西州の現状について尋ねた際には、すぐに情報を提供することを約束した。
茶会の後、玉葉は白羽から戌西州で蝗害が起きたことを知らされる。玉葉は、西都がまだ混乱している中で情報を伝えるために鳩を使うことを決め、『御心のままに』とだけ書かれた手紙を送る。玉葉は自分の役割と父の期待を再確認し、西の地のために何ができるかを考えて行動を起こす決意を新たにする。
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PV
二期【2025年放送決定!】
OP
ED
同シリーズ
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