どんな本?
ブルーピリオドとは、山口つばさ 氏による日本の漫画作品。
美術に興味を持った高校生の矢口八虎が、美大受験や美術の勉強に挑戦する青春群像劇。2021年にはテレビアニメ化もされた。
ブルーピリオドというタイトルは、スペインの画家ピカソが青色を多用した時期を指す言葉に由来しているらしい。
作者の山口つばさは 氏は、自身も美大受験を経験したことがあり、作品にはその体験や感情が反映されている。
ブルーピリオドは、講談社の月刊アフタヌーンにて2017年から連載中。
マンガ大賞2020を受賞するなど、高い評価を得ている。
読んだ本のタイトル
あらすじ・内容
高2で絵を描くことの楽しさに目覚め。猛烈な努力の末に東京藝大に合格した矢口八虎。
ブルーピリオド 15巻
藝大2年目の夏のある日、八虎は、「公募展」なるものを知り、年上の同級生・八雲と鉢呂が、その作品制作のために彼等の故郷・広島へ帰省するのに誘われる。賞金や展示など授業や課題とは一線を画す作品作りの世界を意識した八虎は、夏休みを広島で過ごすことになった。
作品制作に励む一方、八雲や鉢呂、藝大の同級生・桃代たちと過ごすうちに、彼らの古い友人だった真田という藝大生の存在を知る。彼女こそは八雲や鉢呂や桃代にアートへ向かう強力な動機を植え付けた若き芸術家だった…!
「新入生」の時期は終わり、大人へのステップが始まる。新しい出会い、新しい課題、美術との関わり方、八虎の人生も新しい局面へ。
アートの歴史や可能性を詳細に活写、美大に進学した青年たちの情熱や奮闘を描く、今までになかった美術系青春漫画、早くも最新刊登場!!
備忘録
真田まち子の死をどう捉えるか。
1番永く付き合いのあった桃代は、何だかんだと気持ちに折り合いを付けてるようで。
彼女の事を話すと表情が歪み内側から湧き出る気持ちに苦労してる。
鉢呂は付き合いが桃代と比べると希薄だったので、前の職業もあって彼女の死はそんなに響かなかったよう。
そして、真田まち子に人生を変えられた八雲は真田のキャンパスを焼いて区切りを付けたつもりだったが、彼女の死には全く乗り越える事が出来ていなかった。
それを桃代はガキだと言う。そして、達観している鉢呂には八雲はたまに噛み付く。
本人もこのままじゃダメだと解ってもいた。
お陰でいつもだとサッサと決まるAOJのテーマが決まらなかったのだが、鉢呂との会話でテーマを決めて作成に入る。
そんな3人を側から見ている八虎の内心はグチャグチャになっていた。
お陰でキャンパスは真っ白。締切も間近で焦る八虎。
でも彼の中ではテーマはある程度決まっていたのだが、彼から見た真田まち子の死。
でもそれは桃代の背中から、鉢呂の背中から、八雲の背中から見た真田まち子の死だった。
彼等の日常にいた人が、ちょっとした事で亡くなってしまった。
冬の海を立ち入り禁止区域で描いていた真田だったが、そこは密猟が横行している場所でもあった。
それで近所の人が真田が密猟をしていると思い注意をしたら、、
真田は足を滑らせて海に落ちてしまう。
真冬の海は落ちたら、30秒で身体が麻痺してしまうらしい。
そんな状態で真田は亡くなってしまった。
声を掛けた人も真田が落ちた後に、救急車を呼んだが冬の海の中に飛び込む事はしなかった。
それを八雲は殺されたと言い。
桃代は、知り合いでもない人を死のリスクがあるのに助けに行く人は少ないと言う。
さらに真田の遺作を蟹江ギャラリーが全て買い取り、ギャラリーを開き。
初日で彼女の絵をファンが全て買い取った。
亡くなった友人を商売に利用するなと、八雲はギャラリーの中で「グロい」と言い。
そんなに、いま真田に同情しているなら当時、彼女の絵を買えよ叫ぶ。
それを絵なんか10年経ったら二束三文だと言う蟹江ギャラリーの社長は、八雲を追い出す。
それを側で見ていた鉢呂と桃代は、周りに謝罪してギャラリーから帰って行く。
そんな彼等の「視線の先」を八虎は、八雲、鉢呂、桃代の背中を描いてAOJに出展したら。
入賞した。
賞金は1万円。
八雲は、真田への献花として描いた絵が大賞となり100万円の賞金が彼に来た。
そして、その作品が美術館で展示されるが、、
設置は本人がするだ。。
会場設営の人が勝手に展示するんだと思ってた。
そして八雲が、八虎に作家デビューおめでとうと祝福する。
高校2年から始めた八虎の初めての入賞。
コレが八虎の作家デビューとなった。
雑感
「ブルーピリオド 15巻」を読んで、深い感動と共に多くの考えを巡らせることができた。
この巻で最も心を動かされたのは、真田まち子の死に対する各キャラクターの反応だった。
特に桃代の葛藤や、鉢呂の冷静な態度は、悲しみを乗り越えるさまざまな方法を垣間見えた。
真田の事を話す桃代の表情の変化や内面の苦悩は、喪失に直面した人々のリアルな心情を反映しているとも感じた。
まだ真田の死を乗り越えてない八雲には特に共感を覚えた。
彼が前巻で真田のキャンパスを焼いたシーンは、過去との決別を試みてたが、その後では未だに悲しみを乗り越えられていないことを示していた。
これは、喪失に対して誰もが完全には乗り越えることができないという人間の複雑な心理を表していると思う。
物語の中で、真田の死に対する八雲の「殺された」という表現や、桃代のリアリズムに基づいた見解は、死という現実に対する異なる認識を示しており、これには深く考えさせられた。
また、真田の遺作をめぐるギャラリーの展示や、八雲の激しい反応は、アートと商業の複雑な関係を浮き彫りにしていた。
八虎の内心にも感銘を受けた。
彼の内面の葛藤と、彼から見た八雲、鉢呂、桃代の背景が描かれた作品は、彼のアーティストとしての成長を象徴していた。
特に、彼の作品が入賞し、八雲が祝福するシーンは、友情と尊敬の深いつながりを感じさせるものだった。
全体を通して、「ブルーピリオド 15巻」は、アートを通じて人々の感情や人生の転機を巧みに描いている。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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