どんな本?
本作は、異世界転生ファンタジー漫画である。主人公エルマは、剣聖の血筋を持ちながら、十五歳の〈加護の儀〉で「重騎士」という外れクラスを発現し、家族から追放される。しかし、この世界が自身の知るゲームの世界であり、重騎士が最強のクラスであることを知っていたエルマは、その知識を活かして無双していく。
主要キャラクター
- エルマ:剣聖の血筋を持つ主人公。重騎士のクラスを得たことで家族から追放されるが、ゲーム知識を駆使して活躍する。
- ルーチェ:エルマの仲間であり、共に冒険を繰り広げる少女。
物語の特徴
本作は、主人公が前世のゲーム知識を活用して逆境を乗り越える点が魅力である。一見「外れ」とされるクラスの真価を引き出し、成り上がっていく過程が描かれている。また、詳細なゲームシステムの設定や戦闘描写が、他の異世界転生作品との差別化を図っている。
出版情報
読んだ本のタイトル
追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する(2)
著者:武六甲理衣 氏
原作:猫子 氏
イラスト:じゃいあん 氏
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あらすじ・内容
これが今、1番「来てる」異世界転生!!! 覇権作品堂々漫画化!
「小説家になろう」総合年間ランキング第1位!!(連載開始2022年2月11日時点)
〈豪運〉の道化師少女と超高額レアドロップを狙え!!
重騎士を「防衛特化クラス」から「超攻撃特化クラス」へと昇華する最強アイテム〈燻り狂う牙〉のスキルブックを店で発見!
しかし価格はまさかの5000万G!? 途方もない金額に絶望していたエルマの前に現れたのは、
スキルツリー〈豪運〉を持つ道化師の少女だった! 重騎士と道化師による規格外の荒稼ぎが始まる!!!
※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。
感想
〈豪運〉スキルの独自性と戦術の妙
本作では、ルーチェのスキル〈豪運〉が物語の鍵を握っている。
単なる運任せではなく、計算された戦術に組み込むことで、その力が大きな価値を生み出している点が興味深い。
特に成金ラーナ討伐でのクリティカルヒットは、偶然と実力が交錯した爽快な場面であった。
このような設定の妙は、物語全体に新鮮さを与えている。
主人公の成長と仲間との関係
エルマがルーチェと協力しながら成長していく過程が丁寧に描かれていた。
元ゲーマーらしい無骨な交渉術や、実戦での経験が積み重なる中で、少しずつ仲間への信頼を深める様子が印象的である。
ルーチェの加入により、物語がさらに動き出した点も評価できる。
経済と金策のリアリティ
五千五百万ゴルドという莫大な目標額に向けた金策は、単調になりがちな冒険物語に現実味を与えている。
具体的な金額や報酬の積み上げが描かれることで、スキル取得や装備購入の背景に説得力が増している。
ただし、この設定が物語全体のテンポをやや重たくしているようにも感じた。
独特なダンジョン探索の魅力
〈天使の玩具箱〉での冒険は、幻想的な描写と緊張感が交錯する場面が多く、引き込む魅力があった。
特にツギハギベアや成金ラーナとの戦闘では、戦略とチームワークの重要性が際立ち、従来の異世界物語とは一線を画す要素として印象深い。
総評と期待
本書は、主人公エルマの成長と仲間との絆を通じて、冒険物語の醍醐味を存分に楽しめる作品である。
次巻以降では、〈燻り狂う牙〉の取得とさらなる困難への挑戦が予想されるため、物語がどのように進展するか期待が高まる。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
10話
冒険者用アイテムの購入
エルマは商店街の冒険者向けの店を訪れ、〈ヒールポーション〉を三つ購入した。戦闘中に回復アイテムを使用することの隙やリスクを考慮しつつも、〈夢の穴〉への挑戦に備えて回復手段を用意することは重要であると判断した。また、〈ヒールポーション〉の価格が七万二千ゴルドと高額であることに驚きつつも、死に直結するリスクを回避するため、迷わず購入を決断した。
〈技能の書〉の探索と制約
エルマは主目的である〈技能の書〉を探しているが、一般の店では販売されていないことに困惑した。〈技能の書〉はスキルツリーを丸ごと取得するための重要なアイテムであるが、その売買は冒険者ギルドによって禁止されており、入手した場合は貴族や教会へと流れる仕組みとなっていた。この制約にエルマは落胆し、〈燻り狂う牙〉の〈技能の書〉を手に入れる難しさを痛感した。
闇市への案内と非合法の現実
女店主は特別に非合法な手段で〈技能の書〉を扱う場所を教えた。そこは剝ぎ屋が冒険者の遺品を売買する闇市であり、冒険者ギルドも黙認している場所であった。剝ぎ屋は遺品を届けるべき規則がある一方で、実際には多くの遺品が貴族に流れる現状があるとされ、ギルドもその不公平な仕組みに対して黙認している状態であった。
貴族制度への疑念と自身の過去
エルマはこの世界の貴族制度や冒険者の現状に胸を痛め、過去の自分を振り返った。剣の鍛錬に明け暮れてきた自分が、いかに世間知らずであったかを実感した。また、自分の生家であるエドヴァン伯爵家が、当主以外の者をほとんど奴隷のように扱う体制であったことに改めて気付き、価値観が変わったことに感謝した。
闇市への期待と警戒
女店主からの案内に従い、エルマは闇市で〈技能の書〉を探すことを決意した。その際、この情報を伯爵家や都市代官に漏らさないよう釘を刺され、エルマもそれに同意した。ただし、自身がエドヴァン伯爵家の子息である事実は隠し通す決意であった。
闇店への訪問と〈技能の書〉探索
エルマは商店街で教えられた闇市「破れた魔導書堂」を訪れた。店内は薄暗く煙草の煙が漂い、埃を被った本棚や無造作に置かれたアイテムが目に入った。店主の老婆から挑発的な言葉を受けつつ、エルマは本棚にある〈技能の書〉に目を留めた。
〈技能の書〉の価値と選択肢
エルマは数冊の〈技能の書〉を確認した。内容には〈初級弓術〉、〈魔法力上昇〉、〈びっくり箱〉、〈エレメンタルガード〉が含まれていた。いずれも高価であり、最安値でも三百万ゴルドを超える設定であった。これらのスキルツリーはそれぞれ特定の戦術に有効であったが、エルマの目当てである〈燻り狂う牙〉ではなかった。
〈燻り狂う牙〉との出会い
エルマは最後に手に取った〈技能の書〉が〈燻り狂う牙〉であることに驚愕した。このスキルツリーは重騎士にとって必須であり、攻防を兼ね備えた性能を持つ。しかし、店主はその価格を五千万ゴルドと提示し、エルマの手持ちでは到底手が届かない金額であった。
店主との交渉と決意
エルマは〈燻り狂う牙〉を取り置きしてもらうよう頼み込んだが、店主は五百万ゴルドの上乗せを条件とした。商魂逞しい店主に呆れつつも、エルマは〈夢の穴〉での稼ぎや高価なアイテムドロップを狙い、金策を進めることを決意した。
11話
高額な目標額への苦悩
エルマは〈燻り狂う牙〉の購入に必要な五千五百万ゴルドを前にして、具体的な金策に頭を悩ませていた。冒険者としての収入だけでは到底及ばず、堅実な方法では何年かかるかも見当がつかなかった。一方でレアドロップを狙う一攫千金も、現在のスキル構成では効率的とはいえなかった。こうした状況から、エルマは新たな仲間を作り、効率的な狩りを目指すことを考え始めていた。
冒険者たちとの出会い
街中で騒がしい声を耳にしたエルマは、剣士のクライン、盗賊のリース、そして道化師のルーチェの三人組を見つけた。彼らは〈夢の穴〉で手に入れた〈血濡れの剣〉を巡り会話していたが、その内容は次第に険悪なものとなった。ルーチェがスキルの効果を主張するも、クラインとリースは彼女を戦力外とみなし、剣の分配から排除しようとしていた。
スキルツリーの背景と追放の危機
ルーチェのスキル構成が仲間内での期待に沿わなかったことがトラブルの原因であった。彼女は支援系のスキルを持つ可能性が高く、戦闘で直接的な役割を果たせないことが問題視されていた。しかし、スキルポイントの割り振りが失敗した場合、この世界ではレベル上げが困難になり、手詰まりになるケースが少なくない。この状況でルーチェは追放の危機に陥り、必死に仲間に残るよう懇願していた。
12話
思わぬ提案と新たな協力関係
エルマは彼女のスキルが特別なものである可能性に気付き、即座にルーチェへ提案を持ち掛けた。突然手を握られたルーチェは驚いたが、エルマの熱意に圧倒された。取り分の八割を彼女に譲る条件で共に組むことを提案し、エルマは協力関係を築こうとした。最終的に彼の勢いに押され、ルーチェは話を聞き入れる気配を見せていた。
新たな挑戦への決意
エルマは、ルーチェの協力を得られれば〈燻り狂う牙〉の購入も現実的になると確信していた。ルーチェのスキルを活かしつつ、二人で効率的な金策を行う計画を立てる決意を固めていた。
初のパーティーメンバー勧誘
ルーチェの追放話を耳にしたエルマは、彼女を即座に勧誘した。クラインはルーチェを「無能」と評していたが、エルマは彼女のスキルに潜在的な価値を見出していた。ルーチェは自身のレベルの低さに不安を感じていたが、エルマの熱意に押され、新たなパーティーへの参加を決意した。
クラインとリースの思惑
一方で、クラインとリースは〈血濡れの剣〉の売上を二人で山分けすることに執着していた。クラインはエルマの目的を疑い、ルーチェが追い出された後の外聞を気にして、形だけの餞別として十万ゴルドを渡そうとした。しかし、エルマはそれを受け取らないようルーチェに指示した。
餞別を拒否する決断
エルマはクラインの「餞別」を侮辱的なものと見なした。ルーチェに金貨を拾わせようとする態度に対し、「自分で撒いたものは自分で拾え」と突き返し、クラインをその場から追い払った。この対応により、クラインとの関係性を断ち切るとともに、後のトラブルを未然に防いだ。
新たなスタート
クラインとリースが去った後、エルマはルーチェと共にその場を離れた。エルマは十万ゴルドの価値を理解していたが、それ以上に、相手に恩を着せられる形を避けることを優先した。この選択は、ルーチェの新たな出発において重要な意味を持つものであった。
13話
ルーチェとの初対面と疑念
ルーチェは、自分をパーティーに誘ったエルマの意図を「一目惚れではないか」と冗談交じりに問いかけた。エルマは彼女の発言に困惑しつつも否定し、彼女が持つ〈豪運〉のスキルツリーの重要性を説明した。このスキルツリーは、レアドロップ率を大幅に引き上げるため、探索には不可欠な存在であった。
ルーチェの現状と不安
ルーチェは自身の低ステータスと使い物にならない攻撃スキルに悩んでいた。〈ステータス〉をエルマに見せ、自身が戦力として不十分であることを率直に伝えた。また、スキルポイントの割り振りに失敗したことが、彼女を追い詰めている原因であったことを明かした。
スキルツリーの解析と可能性
エルマはルーチェの〈スキルツリー〉を確認し、〈豪運〉の特性スキル〈招きニャロン〉が驚異的な幸運力上昇をもたらすことに気づいた。このスキルは、パーティー全体のアイテムドロップ率を劇的に向上させるため、探索において極めて重要であると評価した。彼女の低いステータスや攻撃スキルの欠如を補うには十分な価値があった。
今後の計画と希望
エルマは次の探索で三千万ゴルドを稼ぎ、ルーチェのレベルを【Lv: 21】まで引き上げる計画を提案した。ルーチェは自分の能力を過小評価していたが、エルマの言葉に戸惑いながらも希望を見出していった。エルマは、彼女のスキルと役割を最大限活用し、効率的な探索を行う決意を固めた。
都市ロンダルムから〈夢の穴〉への旅立ち
エルマとルーチェは、都市ロンダルムを出発し〈夢の穴〉へ向かった。途中の村で一泊した後、目的地である〈天使の玩具箱〉を目指して移動した。〈夢の穴〉は創造神アルザロスの悪夢が具現化したものであり、魔物とアイテムが出現する特異な空間である。これを攻略するには〈夢の主〉を倒す必要があった。
ルーチェの不安とエルマの計画
ルーチェは〈天使の玩具箱〉の推奨レベル【Lv:50】以上に対し、自分たちのレベルが低すぎると不安を訴えた。しかし、エルマは低階層での安全なレベリング計画を示し、ルーチェを安心させた。彼は彼女の武器として八十万ゴルドをかけて購入した〈鉄石通し〉を渡し、その性能を活かした戦術を説明した。
〈鉄石通し〉の性能と意図
〈鉄石通し〉は高防御の敵にダメージを与えやすい特殊なナイフであり、今回の敵に最適な装備であった。ルーチェは最初、高価すぎる武器に恐縮していたが、エルマの説得により受け取った。このナイフは、彼女のスキル〈豪運〉との相乗効果を発揮するためのものであり、エルマはこれが必要不可欠だと強調した。
〈燻り狂う牙〉取得への決意
エルマは〈燻り狂う牙〉を手に入れるため、ルーチェと協力して資金を稼ぐ必要があった。重騎士である彼にとって、このスキルツリーは最重要であり、それがなければ効率的な探索や戦闘は困難だった。彼はルーチェに全幅の信頼を寄せ、今回の探索で目標を達成する決意を固めていた。
〈天使の玩具箱〉の入口に到達
道中、ルーチェはエルマの真意を勘違いしつつも、次第に緊張を和らげていった。そして二人は、森奥にある虹色の渦……〈天使の玩具箱〉の入口へと到着した。エルマは次の行動に備え、気を引き締めていた。
〈天使の玩具箱〉への挑戦開始
エルマとルーチェは〈天使の玩具箱〉に足を踏み入れた。内部は色鮮やかな通路が広がり、幻想的な雰囲気であった。ルーチェはエルマへの感謝を示しつつ、自身の役割を果たす意気込みを語った。エルマは慎重にスキルツリーを調整し、戦略的なスキル〈影踏み〉を取得して万全の準備を整えた。
ツギハギベアとの戦闘開始
探索を進める中で、二人の前に魔物ツギハギベアが現れた。可愛らしい外見ながら、攻撃力は十分に脅威であった。エルマは〈影踏み〉で魔物の動きを封じ、ルーチェに死角からの攻撃を指示した。ツギハギベアは隠された鉤爪や巨大な口を見せて反撃を試みたが、エルマが防御スキルを駆使して巧みに捌いた。
戦闘の決着とレベルアップ
ルーチェは〈鉄石通し〉を用いてツギハギベアに十度の攻撃を加え、遂に撃破に成功した。彼女はツギハギベアの残骸に抱きつきながらアイテムドロップを期待したが、エルマはそれを宥めつつ幸運の温存を提案した。戦闘の結果、ルーチェのレベルは【Lv:13】から【Lv:16】へと上昇した。
次の準備への一歩
エルマは引き続きルーチェのレベルを上げ、〈愚者の曲芸〉のスキルツリーを成長させる計画を進めていた。金策の準備として、次の戦闘に向けた下準備が着々と整えられていた。
ツギハギベアの討伐とレベルアップ
ルーチェはエルマの援護を受けながらツギハギベアを討伐し、【Lv:16】から【Lv:19】へと成長した。さらに、戦闘後には熊の顔が描かれた盾〈ベアシールド〉をドロップし、二人の士気は上がった。この盾は市場価値が二十万ゴルドあり、金銭面でも収穫となった。
二体目のツギハギベアとさらなる成果
探索を続けた二人は、もう一体のツギハギベアを倒し、ルーチェは目標であった【Lv:21】に到達した。同時に、再び〈ベアシールド〉をドロップするという異例の幸運を見せた。エルマはルーチェの高い幸運力が、この結果を引き寄せたと推測した。
幸運力とルーチェの重要性の再確認
エルマはルーチェの持つスキル〈招きニャロン〉の強力な効果を改めて認識した。これまでのパーティーが彼女の能力を活かしきれなかった背景を考察しつつ、ルーチェと組めたことに感謝の意を述べた。彼女のスキルが、金策や探索において極めて重要であることを再確認した。
14話
成金ラーナ討伐への準備
ルーチェのレベルがツギハギベアに追いつき、これ以上の効率的なレベル上げが難しくなったため、エルマは次なる目標である成金ラーナ討伐へと向かう決意を固めた。ここからが本番であると告げ、二人は〈天使の玩具箱〉の奥へ進む準備を整えた。
成金ラーナの概要と狙い
成金ラーナは金色の体を持つ特別な魔物であり、倒すことで高価なアイテムをドロップすることで知られていた。戦闘能力は低いが、驚異的な素早さと防御力を誇り、属性攻撃やデバフを一切受け付けない強力な耐性を持っていた。このため、成金ラーナを捕らえるには特殊な手段が必要とされた。
成金ラーナ討伐の困難さ
成金ラーナの【素早さ:67】【防御力:200】という能力値は、冒険者たちにとって大きな壁であった。その素早さはルーチェの2倍以上、エルマの3倍に達し、防御力の高さから通常の攻撃ではダメージが通らなかった。加えて、逃げ足の速さから多くの冒険者が取り逃がし、時には命を落とす危険も伴っていた。
エルマの作戦とルーチェの役割
エルマは成金ラーナの特性を熟知しており、今回の狩りではルーチェの能力が鍵を握ると考えていた。彼女が持つスキル〈愚者の曲芸〉に新たなスキルポイントを振り分けることで、成金ラーナへの有効な攻撃手段を確保できると確信していた。この計画に基づき、ルーチェにはスキルポイントを全て〈愚者の曲芸〉に投入するよう指示した。
計画の進行と期待
エルマは成金ラーナの防御力を貫く方法を見出しており、ルーチェのスキルがその実現に必要不可欠であると説明した。成金ラーナの攻略にはルーチェが得た新スキルが鍵となるため、彼女の能力を最大限引き出す準備が進められた。ルーチェはその期待に戸惑いながらも、指示通りスキルポイントを振り分け、成金ラーナ討伐に向けて準備を整えていた。
成金ラーナとの出会いを目指して
エルマとルーチェは、〈夢の穴〉内を探索しながら成金ラーナの出現を待っていた。成金ラーナは極めて稀にしか現れない魔物であり、生成ルートや出現する魔物の配置を熟知していないと遭遇すら難しい存在であった。しかし、エルマは〈マジックワールド〉での知識を活かし、効率的な探索を進めていた。
15話
黄金の輝きとの初遭遇
探索を進める中、突然カエルのような鳴き声が響き、曲がり角から黄金に輝く成金ラーナが姿を現した。ルーチェの高い幸運力によるものか、予想以上に早い段階での遭遇であった。この予想外の展開にエルマは驚きつつも、成金ラーナ討伐の準備に入るべく、冷静に次の行動を見据えていた。
黄金の魔物との初対決
黄金に輝く成金ラーナが姿を現し、その特異な存在感にエルマとルーチェは一瞬息を吞んだ。エルマは冷静に作戦を伝え、ルーチェは壁や天井を駆使する〈曲芸歩術〉で巧みに成金ラーナの背後を取り、〈ドッペルイリュージョン〉で分身を作り出して追い込むことに成功した。成金ラーナはエルマの足元で〈影踏み〉によって動きを封じられ、完全に捕獲された。
16話
必殺スキルによる討伐
成金ラーナの高い防御力を貫通するため、エルマはルーチェに〈ダイススラスト〉を使うよう指示した。期待値の低さから過去に軽視されていたスキルであったが、その特性が今回の討伐には最適であった。ルーチェの一撃が見事にクリティカルヒットを生み、成金ラーナの黄金の体表に亀裂を走らせて討伐に成功した。
莫大な報酬と高揚感
成金ラーナ討伐により、エルマとルーチェは大量の経験値を獲得し、ルーチェのレベルは【Lv:27】に達した。さらにドロップアイテムとして〈輝くラーナの飾剣〉を入手した。その市場価値は千七百万ゴルドに達し、ルーチェは驚きのあまり意識を失いかけるほど興奮していた。
17話
二体目の成金ラーナ討伐
休息後、エルマはもう一体の成金ラーナ狩りを提案した。約三時間の探索の末、再び成金ラーナを捕獲し、ルーチェは〈ダイススラスト〉で七度目の挑戦でクリティカルヒットを決めた。討伐後、再び〈輝くラーナの飾剣〉を入手し、その価値はさらに三千四百万ゴルドに達した。
ルーチェの動揺と成功の余韻
二体目の成金ラーナ討伐を終えたルーチェは、その莫大な価値に再び動揺し、意識を失いかけた。エルマは彼女を支えながら、ここまでの成功が〈天使の玩具箱〉という特殊な環境とルーチェの幸運力に支えられたものであることを実感していた。二人はさらなる挑戦に向け、再び前進することを決意した。
輝くラーナの飾剣の価値と次の課題
エルマは手に入れた二本の〈輝くラーナの飾剣〉の価値を確認し、それらをどう処分するかを考えていた。千七百万ゴルドという額が生み出すリスクも考慮し、安全な売却方法を検討する必要があると判断していた。一方、ルーチェは未だにその価値に驚きを隠せず、混乱気味であった。
赤ん坊の声と王の彷徨の発生
ルーチェが赤ん坊の泣き声に気付き、その音が〈夢の主〉のものだとエルマが推測した。〈王の彷徨〉が発生しており、〈夢の主〉が徘徊している可能性が高いと判断した。推奨レベル【50】の強敵であるが、エルマは冷静に状況を分析し、適切に対処することを決めた。
負傷した冒険者との遭遇
出口へ向かう途中、深手を負った二人の冒険者が現れた。彼らは圧倒的な強さの魔物に襲われ逃げてきたと語った。エルマはその危険を察知し、彼らを見捨てることなく助ける決意を固めた。
エルマの覚悟と行動
エルマは負傷した二人を救うため、ルーチェに二人を導く役を託し、自身は魔物の注意を引きつけることを宣言した。ルーチェはエルマの意志に戸惑いながらも、仲間を信じてその指示に従うことを決めた。
18話
ブリキナイトとの対峙
エルマは魔物〈ブリキナイト〉と対峙した。ブリキナイトは全身に返り血を浴びた恐ろしい姿で現れ、さらなる二体が続いて姿を現した。その状況を見てルーチェは戦いに参加したいと申し出たが、エルマは彼女の安全を優先し、退避を命じた。
エルマの決意とルーチェの脱出
ルーチェはエルマの厳しい言葉を受け入れ、負傷者を連れて逃げることを決意した。彼女はエルマに追い付くことを約束しつつ、冒険者たちと共に出口へ向かった。エルマはその後ろ姿を見送りながら、自身の役割を全うするべく剣を構えた。
エンブリオとの対峙
エルマは、三体のブリキナイトを前に、さらに背後から現れた〈夢の主〉エンブリオに向き合った。エンブリオは胎児のような異様な姿で、強力な防御力と浮遊能力を持ち、攻撃が困難な存在であった。エルマは、ブリキナイトを相手にしながらエンブリオの弱点を突く戦略を立てた。
同シリーズ
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