どんな本?
本作は、異世界転生ファンタジー漫画である。主人公エルマは、剣聖の血筋を持ちながら、十五歳の〈加護の儀〉で「重騎士」という外れクラスを発現し、家族から追放される。しかし、この世界が自身の知るゲームの世界であり、重騎士が最強のクラスであることを知っていたエルマは、その知識を活かして無双していく。
主要キャラクター
- エルマ:剣聖の血筋を持つ主人公。重騎士のクラスを得たことで家族から追放されるが、ゲーム知識を駆使して活躍する。
- ルーチェ:エルマの仲間であり、共に冒険を繰り広げる少女。
物語の特徴
本作は、主人公が前世のゲーム知識を活用して逆境を乗り越える点が魅力である。一見「外れ」とされるクラスの真価を引き出し、成り上がっていく過程が描かれている。また、詳細なゲームシステムの設定や戦闘描写が、他の異世界転生作品との差別化を図っている。
出版情報
読んだ本のタイトル
追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する(7)
著者:武六甲理衣 氏
原作:猫子 氏
イラスト:じゃいあん 氏
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あらすじ・内容
VS.死霊の王!! 4人パーティでの総力戦!! これが「今一番来てる」異世界転生!!!
本来撃破が不可能の強敵「パッチワーク」に、逃げ場のない場所で遭遇してしまったエルマたち。
絶体絶命の袋小路で4人の即席パーティは、持てるスキルを総動員して立ち向かう‥‥!!
存在進化したボスにレイドバトルを仕掛ける!! 覇権作品堂々漫画化第7巻!!
感想
7巻で起きた事象は以下の通り。
- パッチワークの脅威と対策
パッチワークの三本の剣と〈デスソード〉による攻撃を、エルマは回避と〈パリィ〉で耐えつつ隙を伺い戦った。 - エルマの戦術的勝利
エルマはパッチワークのMPを消耗させた後、〈死線の暴竜〉を発動し、圧倒的な攻撃力で撃破に成功した。 - 二体目のパッチワーク討伐
ケルトの行動で生まれた隙を活かし、エルマが致命傷を与え、二体目のパッチワークも討伐された。 - ケルトの真意とスキル活用
ケルトは〈擬死〉を使い攻撃を避けつつも仲間を救い、結果的に全員の生存に寄与した。 - 〈哀哭するトラペゾヘドロン〉の破壊
エルマは発見した〈哀哭するトラペゾヘドロン〉を破壊し、魔物災害の要因を排除した。 - 〈王の彷徨〉による異常事態
〈夢の主〉ナイトボーンがボス部屋から脱走し、冒険者たちを襲う危険性が高まった。 - スカルロードとの戦闘準備
エルマは新スキル〈プロテクト〉を取得し、全員のスキルや戦力を共有して作戦を立てた。 - スカルロードとの連携攻撃
ケルトとルーチェがデバフや毒効果を駆使し、エルマが〈死線の暴竜〉で猛攻を加えた。 - スカルロードの猛攻と反撃
スカルロードの〈雷地衝〉による攻撃で一時劣勢となるが、ケルトが〈擬死〉で隙を作り、エルマがコアを破壊した。 - 勝利と仲間の安堵
スカルロード討伐により依頼を成功させ、全員が命を繋いだことに感謝し、達成感を共有した。
総括
物語のテンポと展開
この巻では、テンポの速い展開が続き、手に汗握る場面が多かった。エルマがヒルデとの決闘に勝利した場面は、戦術の巧妙さと心理的な駆け引きが印象深い。特に、スキルの使いどころが巧みであり、読者を引き込む力がある。
キャラクターの魅力
ケルトの狡猾さと意外な人情味が良いアクセントとなっていた。最初は利己的に見える彼の態度も、最後には仲間を助ける行動に変化し、温かみを感じさせる展開であった。メアベルの冷静で強かさを持つ性格も、チームに欠かせない存在感を与えていた。
戦闘シーンの魅力
アクションパートはスピード感があり、ダンジョン内での緊迫感がよく伝わった。特に、パッチワークとの戦闘では、キャラクターそれぞれの役割が明確で、連携の重要性が描かれていた。ルーチェの俊敏さやケルトの狙撃、エルマの重騎士としての防御力がうまく噛み合い、読者を引き込む仕上がりである。
チームとしての成長
バラバラだった冒険者たちが一つにまとまり、困難に立ち向かう姿は感動的であった。このチームが固定されれば、物語の展開もさらに面白くなると期待できる。
今後への期待
「死神の凶手」やダンジョンの謎解きなど、未解決の伏線が多く残されており、次巻への期待が高まる。エルマの成長や、仲間たちとの絆がさらに深まることが楽しみである。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
55話
パッチワークの反撃とその脅威
パッチワークは三本の剣による攻撃と、魔法スキル〈デスソード〉を駆使し、エルマを追い詰めた。〈デスソード〉は発動が速く、威力が高い近距離専用スキルであり、三連撃と組み合わせることで強力な攻撃を繰り出す。エルマはその連携攻撃を冷静に回避し、隙を突く機会を伺っていた。
一対一の激戦の始まり
エルマはパッチワークの三本の剣と〈デスソード〉を相手に苦戦を強いられていた。巨体と高ステータスに加え、スキルの威力があまりに強力であるため、攻撃を往なしつつ、隙を伺うしかない状況であった。ルーチェたちに向けて、防御重視の戦法を指示しつつ、自らは正面から耐え忍ぶ戦いを続けた。
パッチワークの脅威と戦術の練り直し
ルーチェたちの戦いは安定していたが、エルマは単独での戦闘の限界を感じていた。パッチワークの隙を見逃さず、〈パリィ〉を使って一撃を与えるものの、すぐに〈デスソード〉の反撃を受け、ダメージを負った。それでもエルマは冷静に戦況を見極め、必要な条件を整えていった。
56話
勝利のための条件の達成
エルマは計画的に自分のHPを調整し、パッチワークの〈デスソード〉を使わせてMPを消耗させた。さらに、パッチワークのHPを一定以下に減らし、攻撃性を抑えつつ、最後の勝負に備えた。全ては〈死線の暴竜〉のスキル発動を狙った戦術であった。
〈死線の暴竜〉の発動と決着
エルマは〈ライフシールド〉で防御を固めると同時に、〈死線の暴竜〉を発動し、攻撃力と素早さを大幅に向上させた。その力でパッチワークの三本の剣を捌き切り、最終的には致命的な一撃を与えることに成功した。巨体が膝を突き、パッチワークはついに倒れた。エルマは戦いを終え、経験値と成長を手に入れることができた。
57話
二体目のパッチワークとの戦闘
エルマは倒したパッチワークの亡骸の前で息を整えた後、ルーチェたちが戦う二体目のパッチワークに目を向けた。ルーチェはパッチワークの三本の剣を右へ右へと回避し続け、ケルトは背や腕を狙って矢を放ち妨害していた。メアベルは消耗したMPを節約しつつ、ルーチェの回復に専念していた。だがルーチェの負担は限界に近づき、ケルトとメアベルの言い争いも止まなかった。
ルーチェの危機とケルトの行動
パッチワークの攻撃を受けたルーチェが壁に叩きつけられ、次の攻撃に対応できない状況に陥った。パッチワークが〈デスソード〉を発動しようとしたその瞬間、ケルトが〈脱兎〉を発動し、ルーチェを弾き飛ばして彼女を救った。ケルトは「恩知らずではない」と語り、パッチワークの攻撃を代わりに受け、大きな傷を負った。
二体目のパッチワークの討伐
ケルトが作り出した隙を逃さず、エルマがパッチワークの背を全力で斬りつけた。その結果、パッチワークの縫い目が解け、巨体が崩れ落ちた。こうして二体目のパッチワークも倒され、一同は命を繋ぐことができた。
ケルトの生存とその真意
ケルトは大きな傷を負い意識を失ったように見えたが、実際には〈擬死〉スキルを使い、魔物からの攻撃を回避していた。エルマの指摘に対し、ケルトは防御本能からの行動だと弁解した。メアベルは呆れつつも、ケルトの生存を安堵していた。一方で、彼の行動の本音が半ば透けて見えるやり取りが続いたが、最後には全員が無事であることが確認された。
58話
ケルトの回復と謝罪
ケルトはメアベルの〈ヒール〉でHPを半分まで回復し、残りは〈ヒールポーション〉と自然回復に頼ることになった。ルーチェに助けられたことを感謝されると、ケルトは気まずそうに「借りを作りたくなかっただけだ」と返した。さらに、彼はパーティー行動における効率を重視する姿勢を改めるつもりはないと断言したが、一方で早々に逃げた判断ミスについては謝罪し、頭を下げた。
エルマの戦闘力とドロップアイテム
メアベルがエルマのパッチワーク討伐に驚きを示すと、エルマは〈ミスリルの剣〉やレアスキルツリーのおかげであると説明した。ケルトが呆れつつも意地を張る中、エルマはパッチワークの亡骸からドロップした〈ブレイカー〉を発見した。攻撃力に優れるものの扱いが難しいこの武器を、エルマはケルトに譲ろうとしたが、ケルトは頑なに受け取りを拒否し、先へ進むことを促した。
ケルトの捻くれた態度と行動
ケルトは地図を睨みながら「経験豊富な自分が先に行く」と言い出し、通路の先を進んだ。これまでと矛盾する主張ながら、彼が危険を引き受ける姿勢を見せたため、エルマたちはそれに従った。ルーチェは「捻くれているが可愛いおじさん」と評し、早足でケルトの背を追った。
合流地点への進行
全員がHPやMPに余裕のない中、合流地点への進行が決定された。出口に戻るより近いことや、目的地に着けば〈夢の主〉ナイトボーンの討伐は他の冒険者に任せられるという理由からである。カロス一人で対応可能なナイトボーンではあるが、途中でパッチワーク二体と遭遇した不運があった。
ケルトの斥候としての役割
ケルトは〈聴覚強化〉や〈第六感〉を活用し、通路の先を確認しながら案内を進めた。彼は自分のスキルを過剰に知らせたくなかった理由として、狩人クラスの脆さを挙げた。広い場所では強みを発揮するが、狭い〈夢の穴〉内では逃げ切れないこともあるためである。彼はエルマたちに「借りを作った以上、命を預けられる相手だと思う」と認める素直さも見せた。
59話
レアアイテムの発見
移動中、ケルトの〈第六感〉が反応し、黒い歪な多面体の宝石〈哀哭するトラペゾヘドロン〉が発見された。エルマはこれを受け取ると、即座に壁に叩きつけて破壊した。このアイテムは高純度の闇属性マナと魔物の魂を結晶化したもので、災厄を引き寄せる危険性があるため残すべきではないと判断した。
異常事態の予兆
〈哀哭するトラペゾヘドロン〉の発見により、〈夢の穴〉内部の異常が魔物災害に関連している可能性が浮上した。これにより、誰かが意図的に災厄を引き起こしている可能性が示唆された。ケルトの〈聴覚強化〉と〈第六感〉により、遠方からの異常な足音や悲鳴が感知され、状況は一層緊迫した。
〈王の彷徨〉の発生
異変は合流地点付近で発生しており、〈夢の主〉がボス部屋から脱走する〈王の彷徨〉の可能性が示唆された。〈夢の主〉が徘徊すれば、集合前の冒険者が次々に襲われる危険性が高まる。エルマたちは、合流が既に不可能な状況下で最悪の展開を迎えようとしていた。
〈夢の主〉との戦いを巡る議論
ケルトは、現在の状態でナイトボーン(【Lv:70】)と戦うのは無謀であり、逃げるべきだと主張した。しかし、地図の不正確さや〈王の彷徨〉中の〈夢の主〉が人間のマナを追う性質のため、逃走は不可能と気付いた。加えて、ケルトが聞いた速い足音がナイトボーンの特徴と一致せず、存在進化が起きている可能性が示唆された。この進化により、ナイトボーンは【Lv:85】に達していると推測された。
エルマの提案とステータスの開示
エルマは作戦立案のため全員の〈ステータス〉開示を提案した。ケルトは冒険者にとって〈ステータス〉は生命線であり共有はリスクが大きいと反論したが、エルマの信念と指揮に従うことを決意した。全員がスキルや戦い方を共有し、エルマとルーチェのスキル構成に驚きを示したが、信頼を深め合った。
60話
新たなスキル取得
エルマはスキルポイントを使用し、〈重鎧の誓い〉を強化したことで〈プロテクト〉を取得した。このスキルはダメージを30%軽減するバリアを付与するもので、格上相手の攻撃を一撃凌ぐ助けとなる。一方で発動時の隙や消耗があるため、戦術的な使用が求められる。
ヒールの優先順位
エルマは限られたMPでの回復を提案し、自身ではなくルーチェとケルトへのヒールを優先するよう指示した。この戦いではケルトが前線での重要な役割を担う必要があり、彼の負担が大きくなることを示唆していた。ケルトは戸惑いながらも、エルマの指示に従う覚悟を決めた。
〈夢の主〉スカルロードの出現
ケルトのスキルで〈夢の主〉の到着を察知し、全員が配置に就いた。闇の中から現れたのは下半身が漆黒の馬の形をした骸骨、スカルロードであった。この存在進化体は【Lv:85】に達しており、胸骨の奥に青白く輝く球体を持つ。その威圧的な姿は、全員に強い緊張を与えた。
重騎士の特性スキル発動
エルマは戦闘開始直後に〈ライフシールド〉を展開し、〈死線の暴竜〉と〈不惜身命〉を発動させた。この三点コンボにより、攻撃力と素早さを最大限引き上げた。圧倒的火力で短期決戦に持ち込むことを狙い、スカルロードへ突撃した。
61話
ケルトの不意打ち攻撃
スカルロードの巨体に対し、ケルトは〈影沈み〉で背後を取り、矢を放った。矢は正確に胸骨の隙間を抜け、弱点の球体へ命中した。スカルロードは一瞬動きを鈍らせたが、即座に盾を構え、防御態勢を取った。
連携攻撃の展開
ルーチェは〈曲芸連撃〉で壁を駆けながらスカルロードを翻弄し、その間にメアベルが〈スロウ〉を放ち速度を減少させた。さらに、ルーチェのナイフによる毒効果が発動し、追加の速度減少を引き起こした。エルマは〈ディザーム〉で攻撃力を下げ、状態異常を重ねてスカルロードの動きを抑え込んだ。
戦闘の焦点
この一連の連携攻撃により、スカルロードに複数のデバフを与えることに成功した。しかし、これらの効果はすぐに切れる短時間のものに過ぎない。ここからは圧倒的火力で押し切るしか道はなかった。時間との戦いが本格化した。
63話
〈夢の主〉との総攻撃開始
スカルロードに対し、エルマは総攻撃の指示を出した。敵のデバフが効果を発揮している間が勝機であったが、スカルロードは圧倒的な攻撃力と防御力を見せつけた。ルーチェやケルトの攻撃も致命傷には至らず、エルマも〈パリィ〉で受け流すのが精一杯であった。スカルロードのスキル〈雷地衝〉による大規模な攻撃が放たれ、エルマの〈ライフシールド〉が破壊され、ルーチェも吹き飛ばされた。
ケルトの〈擬死〉による反撃
スカルロードの猛攻の中、ケルトがスキル〈擬死〉を用いて敵の意識を欺き、不意打ちの矢を胸部のコアに命中させた。この攻撃でスカルロードの動きが一瞬止まり、エルマはその隙を突いてコアへの全力攻撃を仕掛けた。〈死線の暴竜〉と〈不惜身命〉の力を最大限に活かし、スカルロードを完全に撃破した。
勝利の余韻と安堵
スカルロードの撃破により、パーティーは大規模依頼の最悪の結果を免れた。メアベルは安堵から力が抜け、ケルトは危険な役割を果たしきった達成感と共に天井を見上げていた。「悪くねぇ気分だ」と涙混じりに笑うケルトの姿が、死闘の重みを物語っていた。
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