どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
玉葉妃の妊娠によって、猫猫は再び後宮に戻ります。
その後宮は、女たちの複雑な関係や権力争いが絶えず、さらに外部からの不穏な動きが見受けられました。
中でも、隣国の特使が後宮に持ち込んだ問題が大きな話題に。
彼女等は、かつての絶世の美女、妓女を再び見ることを要求します。
困った壬氏は、この問題の解決のため猫猫に相談します。
猫猫は、壬氏の美貌を活かし、彼を絶世の美人として特使たちの前に引き出します。
そして、異国の特使たちは壬氏の美貌に圧倒され、その自身の美貌へのプライドを完全に打ち砕かれました。
一方、後宮内では堕胎薬の製造という深刻な事件が発覚します。
玉葉妃の周りの人々は、彼女を守るために力を合わせ、この問題を解決しようとします。
その中でも、梨花妃の活躍は目覚ましいものがありました。
彼女は、妃としての立場や権力を活かし、事件を解決に導く大きな役割を果たしました。
読んだ本のタイトル
#薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(10)
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者:#倉田三ノ路 氏
原作:#日向夏 氏
キャラクター原案:#しのとうこ 氏
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あらすじ・内容
イケメン宦官・壬氏サマ、禁断の姿…解禁。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 10
五十年前に曾祖父が目撃したという、月の精のように美しい女性を見たい──異国の美女特使・二人組からの無理難題。壬氏から相談を受けた猫猫は入念な調査の末にその真相に辿り着き、空前絶後の破壊力を持つ”切り札”を用意し…!?
そして猫猫に「薬を煎じてほしい」という新たな依頼、その裏には後宮内の権力争いにまつわる様々な思惑が交錯していて…!?
猫猫の推理が冴える痛快エピソードを収録、超絶ヒットノベルのコミカライズ第十弾!!
感想
玉葉妃の妊娠を受けて、猫猫(マオマオ)は再び後宮に戻ってきます。
この事実は皇帝の寵妃という特別な立場ゆえ、厳重に秘密にされているのですが、後宮の女たちの間では腹の探り合いや策略が絶えません。
また、後宮外部からも様々な動きが見受けられ、特に異国の特使が後宮に現れて大きな騒ぎとなります。
特使たちは、数十年前に曽祖父が見た美しい月の精を見たいという無理難題を押し付けてきます。
この問題解決のため、花街に詳しい猫猫が呼び出され、絶世の美女が今では銭ゲバなオババだと判明します。
そんな彼女の代役を用意するため、猫猫は壬氏をその美女の役に抜擢します。
そして、壬氏に化粧を施し、蛾を利用して舞台を演習して壬氏を月の精として舞台に立たせます。
そんな彼を見た特使たちは彼の美貌に圧倒されてしまいます。
一方、後宮内では更なる問題が起こります。
猫猫には「薬を煎じてほしい」という新たな依頼があり、その背後には後宮内の権力争いや複雑な策略が交錯しています。
水晶宮での堕胎薬製造の騒動や、診療所での事件、
様々な出来事が続く中、猫猫の推理力と洞察力が光ります。
本の結末では、梨花妃が更にその存在感を増して、侍女頭杏を死罪から守る行動をとります。
猫猫の鋭い推理と梨花妃の懐の大きさが、後宮の中での様々な事件や問題を解決へと導くのでした。
この本で特に好きだったシーンは、壬氏が異国の特使たちを圧倒するシーンです。
私も仕事で難しい交渉をすることがあるので、そういった場面で自信を持ち、相手を圧倒する壬氏の姿には感動しました。
その後の退場でずぶ濡れになったのは笑いましたがw
一方、後宮での堕胎薬の事件は、少し気が重くなる部分もありました。
しかし、その中で梨花妃がどのように動き、事件を解決していくのかは非常に興味深く読むことができました。
私も困難な状況の中で、どうすれば周りと協力して問題を解決できるのか、この本を通して多くのことを学べた気がします。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
三十八話 月精 後編
特使を迎える宴の準備
宴は後宮の北側で行われることに決まり、急きょ準備が進められた。男子禁制の後宮ではあったが、北側だけ一時的に解放された。特使の希望を最優先するためであったが、毒見や準備の詳細まで徹底された。
特使たちの登場
特使として現れたのは金髪の美女二人であった。彼女たちは従姉妹であり、異国特有の透き通った瞳と豪華な衣装で場を圧倒した。宴席は馬車を改造したものが使われ、特使たちが注目の的となったが、その自信に満ちた態度が一部の者を苛立たせた。
月夜の演出と特使の挑発
宴が進む中、特使の一人が主上の馬車に近づき、不敬とも取れる行動を取った。しかし、もう一人の特使がそれを抑え、場の混乱を最小限に抑えた。猫猫はその場面を観察し、特使たちがこの宴に込めた政治的意図を感じ取った。
伝説を再現する計画
猫猫は過去の「月の美女」の伝説を再現するために行動を開始した。やり手婆の過去の話や、子翠の協力で集めた蛾を使い、伝説を具現化するための演出が準備された。
満月の夜に現れた「天女」
宴が終わるころ、猫猫は計画通りに動き出した。黒布をまとった美人が現れ、淡い蛾の光とともに月下に立つその姿はまるで天女そのものであった。特使たちはその光景に息をのみ、計画は成功を収めた。
壬氏の奮闘とその後
この演出には壬氏も協力しており、濡れた衣装と髪で疲労困憊していた。猫猫は彼の髪を拭きながら、計画が無事に終わったことを実感した。特使たちへの印象操作も成功し、後宮内は一時的な平穏を取り戻した。
三十九話 診療所
翡翠宮での静かな時間
猫猫は翡翠宮で小蘭がいない隙に静かな時間を過ごしていた。手習い所に通う小蘭が忙しくなり、猫猫は医局へ行くことも考えたが、やぶ医者の多忙さを思い出して断念した。先日の香油問題や特使の動向に思いを巡らせながら、香油の危険性や毒物混入の可能性について考えを整理した。
後宮の妃たちと階層構造
猫猫は地面に絵を描きながら、後宮の妃たちの力関係を整理した。玉葉妃を中心とする妃たちはそれぞれ異なる背景を持ち、権力や立場によって微妙なバランスを保っていることが分かった。また、過去の毒殺未遂事件や翠苓の逃亡を思い出しながら、毒や陰謀の影に思いを馳せた。
診療所への訪問
桜花に頼まれ、風邪を引いた愛藍を診療所に連れて行った猫猫は、洗濯場の裏にある診療所を初めて訪れた。そこで中年の女官が手際よく診療を行う姿に感心した。診療所は清潔で合理的な作りだったが、薬の匂いがしないことに猫猫は疑問を抱いた。
壬氏との偶然の会話
診療所から戻る途中、猫猫は壬氏と高順に遭遇した。猫猫は診療所の印象や薬の取り扱いについて感想を述べたが、壬氏は医官が男性のみである制度の限界について語った。猫猫は壬氏の表情や背景に思いを巡らせながらも、つい不謹慎な発想をしてしまい、自らの考えに苦笑した。
後宮の仕組みと課題
壬氏との会話を通じ、後宮の制度的な問題や医療体制の改善の必要性を感じた猫猫であったが、深く考えることを避け、翡翠宮へと戻っていった。その途中で商売の可能性を思い付き、相変わらずの軽妙さを見せながら新たな一日を迎える心構えを整えた。
四十話 みたび、水晶宮 前編
診療所からの呼び出し
翡翠宮で静かに過ごしていた猫猫は、中年の女官・深緑からの呼び出しを受けた。玉葉妃からの許可を得た猫猫は、愛藍の代わりに桜花をお目付け役として診療所へ向かうことになった。道中、桜花との軽妙な会話が交わされたが、診療所での話が核心に迫る内容であることが明らかになった。
診療所での依頼
深緑は猫猫に、梨花妃の下女が重い病にかかっているとの情報を伝え、助けを求めた。下女の症状は倦怠感、微熱、そして異様な咳といったもので、診療所に来ることすら許されなかった経緯が語られた。猫猫はその話に不安を覚え、病の詳細を確かめる必要性を強く感じた。
未知の病への疑念
梨花妃の下女の症状を整理した猫猫は、それが後宮全体に影響を及ぼしかねない問題であると判断した。しかし、水晶宮への立ち入りには慎重な手続きが必要であり、壬氏を通じた許可が欠かせない状況であった。桜花は焦る猫猫を諭しつつも、猫猫の行動を注意深く見守った。
蜥蜴の尻尾と未知の薬
深緑との話を終えた帰り道、猫猫は偶然蜥蜴の尻尾を見つけ、それを捕まえた。蜥蜴の再生能力に着目した猫猫は、生やす薬を作るという研究に活用する意図を抱いていた。しかし、尻尾を見た桜花は驚愕し、気絶してしまった。猫猫は尻尾を大事に保管しつつ、桜花の介抱に追われることとなった。
医官の訪問と異変
後宮の玄関口に現れた医官とその女官付きの姿に女官たちはざわめいていた。杏が事情を尋ねると、医官は梨花妃に会うためだと書状を見せた。書状には壬氏の名が記されており、やむなく杏は医官を宮の奥へ案内した。
物置小屋の発見と病人
宮の奥へ向かう途中、医官が物置小屋に興味を示し、扉を開けた。中には病に伏す下女が隔離されており、独特な病人の臭いが漂っていた。女官として変装していた猫猫は迅速に病人を診察し、感染症の可能性を指摘した。
香油の謎と侍女頭・杏の疑念
猫猫は物置から見つかった香油や香辛料を調べ、杏がそれらを隠し持ち堕胎剤を調合しようとしていた疑惑を指摘した。壬氏と猫猫が問い詰める中、杏は動揺しながらも罪を否定し、侍女頭としての誇りを盾に応じた。
四十一話 みたび、水晶宮 後編
梨花妃の決断
梨花妃は毅然とした態度で杏の行動を責め、侍女頭の解任を決断した。杏は激しく反発し、梨花妃に向かって暴言を吐くが、妃の強い意志により退けられた。侍女頭としての権威は完全に失墜し、杏は後宮を追放されることとなった。
病人の処遇と小さな希望
病に伏せていた下女は後宮を去り、より良い治療環境を得ることが約束された。猫猫は、病人の世話をしていた下女の一人から感謝の言葉を受け取り、白い花を手渡された。その場には、静かに咲く白い花だけが残っていた。
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