どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
後宮に住む猫猫は、壬氏が宦官でないことを知り、その秘密を守る日々を過ごす。
ある日、猫猫は友人の小蘭が年季明けた後の後宮を出るための仕事を探していると知り、子翠と共に後宮内の大浴場に行き、新たな伝手を作ろうとする。
その時、上級妃・里樹妃が幽霊を見たという話を耳にする。
猫猫はその謎を解明するため、新たに後宮にやってきた赤羽や玉葉妃とともに幽霊騒動の真相を追う。
最終的に、猫猫の鋭い観察力と論理で、この幽霊騒動は自然な現象として説明され、里樹妃の心の平安も取り戻される。
読んだ本のタイトル
#薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(14)
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者:#倉田三ノ路 氏
原作:#日向夏 氏
キャラクター原案:#しのとうこ 氏
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あらすじ・内容
猫猫、「踊る幽霊」の謎に迫る!!
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 14
壬氏(ジンシ)の「秘密」を知ってしまい、
動揺を隠せない猫猫(マオマオ)。
一方、侍女仲間の小蘭(シャオラン)は、
あと半年で年季が明けるため
「次の仕事の伝手はないか」と悩んでいる模様。
すると同じく侍女仲間の子翠(シスイ)の提案で、
三人で大浴場へ出向き中級妃と繋がりを
作る活動を開始することに。
ところが、そこにいるはずもない上級妃・
里樹(リーシュ)妃の姿を見かけ違和感を抱く猫猫──
それが、「幽霊騒動」の幕開けであった…!!
超絶ヒットノベル、コミカライズ第十四弾!!
感想
後宮の日常と小蘭の将来への模索
序盤では、小蘭の年季明けに伴う職探しの悩みがテーマとなる。猫猫は子翠と共に小蘭の未来を真剣に考え、花街や大浴場などの案を模索する中で、3人の友情の絆が強調されていた。
この部分は、猫猫の思慮深さと他者を思いやる心が伝わる物語であった。
幽霊騒動の発生と謎解き
幽霊の話は、猫猫の鋭い観察力と論理的な推理が際立つ展開であった。
里樹妃が訴える幽霊の正体を探る過程で、物置や鏡の仕掛けが明らかになった。
この部分では、猫猫の論理的思考が見事に発揮され、複雑な状況を簡潔に解決する能力が魅力的に描かれていた。
壬氏と猫猫の関係性の変化
カエル事件で壬氏が宦官ではないことを猫猫が知ったことで、二人の関係性が微妙に変化する様子が描かれる。
この秘密の共有は、二人の信頼関係を深める契機となりつつも、猫猫の内心に複雑な感情を引き起こしていた。
この描写は、物語の重要な伏線とも言える。
湯殿での妃たちとの交流
大浴場の場面では、妃たちとの交流や湯女としての新たな挑戦が描かれた。
猫猫や小蘭が湯女として働きつつ、妃たちの世話をしながら情報を収集する姿は、後宮での新たな関係性を築く過程として印象深かった。
結末と余韻
本巻では、幽霊騒ぎを通じて猫猫の能力や人間性が改めて描かれた。小蘭との友情、妃たちとの絆、そして壬氏との複雑な関係性が一冊に凝縮され、多くの余韻を残した。
本巻を通じて、猫猫の成長と彼女を取り巻く人々との絆がさらに深まったことが実感できる内容であった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
五十四話 湯殿
働き口を探す小蘭の悩み
小蘭は後宮での年季明けを控え、次の働き口を探していた。彼女は猫猫に助言を求めたが、猫猫は花街の緑青館を提案するのを躊躇していた。そこが厳しい労働環境であることを知っていたためである。代わりに猫猫は他の案を模索し、子翠が意外な提案をする。
大浴場での新たな挑戦
子翠の提案で、猫猫たちは後宮の大浴場を訪れた。妃や上級女官たちが集う露天風呂で、按摩を手伝うことにした。初めての経験ながら、猫猫は持ち前の器用さを活かして妃たちに満足を与えた。さらに、糸を使った脱毛技術が侍女たちに好評を得た。これにより、彼女たちは一時的に収入を得る機会を得た。
湯女としての労働と収穫
湯女の仕事は重労働であったが、猫猫たちは次々と訪れる客を丁寧に世話した。その結果、小さな報酬やお礼を受け取ることもあった。特に小蘭は甘いものを貰うことで幸福を感じ、子翠も手際よく仕事をこなしていた。
後宮の噂と妃たちの動向
大浴場では、妃たちの懐妊に関する噂話が飛び交っていた。玉葉妃や梨花妃の話題に加え、新たに楼蘭妃の懐妊も取り沙汰されていた。猫猫はこうした情報を集め、玉葉妃への報告に役立てるつもりでいた。
宦官に関する話題
後宮では宦官に関する話題も上がっていた。新たに入ってきた宦官たちは元奴隷である可能性が高く、彼らの過去には討伐や救出劇が絡んでいると考えられた。小蘭はその中の宦官に興味を示したが、猫猫は壬氏を思い出し、内心複雑な気持ちでいた。
里樹妃の登場
猫猫は浴場に入る里樹妃とその侍女頭を目撃した。普段はあまり姿を見せない彼女が現れたことで、猫猫の関心が引かれた。彼女の登場が今後の展開にどのような影響を及ぼすのか、猫猫の中で考えが巡った。
五十五話 赤羽
饅頭を囲む三人姉妹との会話
翡翠宮の休憩時間、猫猫は新入りの三姉妹と共に饅頭を食べていた。三人は白羽、黒羽、赤羽という名前で、猫猫はその特徴を頼りにようやく名前を覚えたばかりであった。彼女たちは猫猫に、なぜ翡翠宮に仕えているのか問いかけ、特に白羽は玉葉妃との信頼関係を疑問視していた。猫猫は毒見役としての立場を説明しつつ、湯殿での作業に三女の赤羽を誘い、姉妹の了承を得て共に向かうこととなった。
湯殿での仕事と赤羽の葛藤
湯殿に到着すると、赤羽は浴衣を脱ぐことに恥じらいを見せた。子翠の軽い悪戯で赤羽は仕方なく前掛け姿となり、猫猫たちと共に妃たちの世話に取り掛かった。初めての作業で緊張する赤羽であったが、猫猫の指導で香油を塗り、妃の肌を整える作業に取り組んだ。猫猫は赤羽の恥じらいを気にしつつ、次々と客をこなしていった。
里樹妃との偶然の出会い
作業の合間に猫猫は、湯殿に迷い込んだ里樹妃と侍女頭を見かけた。里樹妃は慣れない様子で、滑りやすい床に足を取られそうになっていた。猫猫は脱毛の技術を試すため妃を誘い、丁寧に処置を施した。処置後、里樹妃は驚きながらも満足そうな様子で、肌が整ったことを喜んでいた。
幽霊の噂と妃たちの不安
里樹妃が大浴場を訪れた理由について、侍女頭は金剛宮の湯殿で幽霊が出ると話した。その噂に妃と侍女頭は恐怖を感じ、大浴場に避難してきたのだという。猫猫は侍女頭の説明を聞きながら、幽霊の正体について興味を抱き、湯殿での仕事の合間に思索を巡らせていた。
五十六話 踊る幽霊
幽霊騒動の発端
猫猫は壬氏と共に金剛宮を訪れた。里樹妃が幽霊を見たという訴えに基づき、壬氏が調査を命じたのである。里樹妃の証言では、湯殿で人影を見たというが、それがどのようなものであるか詳細は不明であった。
物置と風呂場の調査
調査を進めた猫猫は、物置の湿気が壁を腐敗させ、隙間が生じていることに気づいた。その隙間から漏れる湯気が帳を揺らし、幽霊のように見える原因を生んでいた。また、湯船の底の排水口やその位置関係が、見間違いを起こしやすくしていると推測された。
幽霊の正体
猫猫は物置にあった古い銅鏡を発見した。この鏡は光を当てると壁に像を映し出す「魔鏡」であり、それが幽霊の正体であることが判明した。鏡に映る顔は里樹妃の亡き母に似ており、妃は涙ながらにそれを抱きしめた。
侍女との対立
その後、侍女たちの中で里樹妃を軽んじる態度が明らかになった。ある侍女が鏡を取り上げようとしたが、里樹妃は奪い返した。この様子を見ていた壬氏は、侍女の不敬を非難し、彼女たちの立場をわきまえるよう釘を刺した。
壬氏の決断と収束
壬氏の威圧的な態度により侍女たちは沈黙し、幽霊騒動は終息に向かった。里樹妃は母の形見である銅鏡を大切に抱え、平穏を取り戻した。猫猫は壬氏の冷静な対応を目の当たりにし、その一連の行動に内心で畏怖を抱いていた。
五十七話 噂の宦官
医局での麻酔薬の研究
医局では猫猫が麻酔薬に適した薬草を調べていた。その横では、子猫の毛毛がやぶ医者の足に絡みつき、小魚を奪っていた。やぶ医者との会話の中で、宦官が後宮に入る際の検査方法について議論が交わされた。触診による確認が行われていることを知った猫猫は、自身の疑念を深めたが、その後話題は新しい宦官の話へと移った。
新入り宦官の話題
やぶ医者は、最近後宮に入った若い宦官たちの話を語った。その中でも特に整った顔立ちの者が注目されていることが判明した。元は奴隷であり、過去に酷い折檻を受けていたことから、身体の左側に麻痺が残る彼の姿は、他の宦官や女官たちの興味を引いていた。
壬氏と高順の会話
執務室での壬氏と高順の会話では、壬氏が猫猫に自身の秘密を伝えるべきか迷っている様子が見られた。高順は、羅漢という人物の存在にも触れつつ、壬氏に早急な決断を求めた。壬氏は自らの立場や過去に関する真実を猫猫に伝えるべきだと理解しつつも、彼女の反応を恐れていた。
新入り宦官たちの様子
翌日、壬氏は新入り宦官たちの仕事ぶりを視察した。風呂焚きや洗濯といった労働をこなす彼らの中で、特に目立つ宦官が一人いた。彼の整った顔立ちや女官への気配りの良さが評判となっていたが、身体には過去の虐待の痕が残っていた。壬氏はその姿に気づきながらも、表面上はねぎらいの言葉をかけるに留めた。
荷車の事故
視察中、荷車の転倒が発生し、貴重な氷が地面に転がった。女官が怯える中、怒る宦官の姿があった。その場面で、壬氏は猫猫と親しい女官の姿を認識し、事態の成り行きを見守ることにした。
アニメ
PV
二期【2025年放送決定!】
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