どんな本?
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』は、歴史ミステリー漫画である。薬屋の少女・猫猫(マオマオ)が後宮で起こる様々な事件を解決する物語である。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年、2025年にはテレビアニメ化もしている。
物語の概要
皇帝直属軍を率いる壬氏(ジンシ)は、反乱を起こした子一族の砦へ攻め入る。雪崩を利用した奇襲作戦が成功し、敵を混乱に陥れることに成功する。果たして、このまま反乱を平定し、囚われの身となった猫猫を救い出すことができるのか。
主要キャラクター
• 猫猫(マオマオ):薬の知識に長けた少女で、後宮で起こる事件を解決する。
• 壬氏(ジンシ):美貌の宦官で、皇帝直属軍を率いる。猫猫に特別な関心を寄せている。
物語の特徴
本作は、後宮を舞台にした歴史ミステリーであり、薬学の知識を駆使して事件を解決する猫猫の活躍が描かれている。複雑な人間関係や宮廷内の陰謀が絡み合い、読者を引き込むストーリー展開が魅力である。また、美麗な作画と緻密な時代考証も高く評価されている。
出版情報
• 出版社:小学館
• 発売日:2024年12月19日
• ISBN:9784091578471
• 判型/頁数:B6判 / 164頁
• 特装版:オリジナルポストカードセット付きの特装版も同時発売。屏風のような6枚綴りのポストカードが紙ケースに封入されている。
• シリーズ累計発行部数:3800万部突破
関連メディア展開として、アニメ化やドラマCD化も行われている。
読んだ本のタイトル
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(19)
著者:倉田三ノ路 氏
原作者:日向 夏 氏
イラスト:しのとうこ 氏
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
シリーズ累計3800万部突破!
皇帝直属軍を率い、子一族の砦へと攻め入った壬氏(ジンシ)。
雪崩を使った奇襲策が的中し、敵を混乱に陥れることに成功した。
このまま反乱を平定し、猫猫(マオマオ)を救い出すことが出来るか…!?
超絶ヒットノベル、コミカライズ第十九弾!!
感想
あら、小説版より詳細にわかりやすい。
小説版だと子翠と翠苓の関係がイマイチよく判らなかった。
元々、子翠は翠苓の名前で神美に奪われてしまったらしい。
それを楼蘭が名前を借りて下女として出歩く時に子翠と名乗るようになった。
あと、小説版だと後宮が奴隷貿易の拠点のように読めてたけど、此方だと子一族の筆頭事業が奴隷貿易だったと書かれていた。
それを北の子一族を警戒していた女帝に禁止されて在庫として残った奴隷を後宮を拡張して押し込んだのが子昌だった。
女帝には忠臣として立ち回り信用を得て、その関係で先帝とも交流するようになった子昌に自身が産ませた娘を娶らせて、孫(子翠(後の翠苓))を見せて信用を得て、20年ほど後宮に入っていた神美を下賜された。
その後に楼蘭が産まれたんだな。
そうなると、神美は当時としてかなりの高齢出産だったんだな、、
その前か後かはわからないが、神美は先帝の娘を追い出して、娘の子翠の名前から”子”を奪い、翠苓と名前を変えさせて虐待をしていたんだな。
酷い暴君だ。
まぁ、神美からしたら家を元婚約者に乗っ取られて第二婦人のような形で帝から下賜されたワケだからな。
先帝が悪いように見えるが、その原因が女帝となると、、
何か違うような、、でも、先帝の娘は追い出され、娘の翠苓は虐待されたのだから最も被害を受けた者達から考えたらやっぱり酷い国だなとも思ってしまう。
帝が現皇帝に変わったから何とも言えないが、この国は末期なのかもしれない。
そんな屋台骨が腐敗している国で権力を強固にした子一族だったが、神美の我儘で滅んだと。
何とも言えない虚しさよ。
嫁にDVされてる旦那の悲哀を感じた。
最期は反逆者として打たれて終わるか。
その表情も何とも言えない物を感じた。
国自体もどうなるのか不安定さは見える。
あと、表情と言えば序盤17ページの李白と猫猫のやり取りでの李白の表情はコミカルで面白かった。
最初は悩んで、最後は何かを悟って、、
背景の宇宙と惑星のように浮かぶ羅漢と猫猫の顔が面白かった。
あと李白の目も。
あぁ、ロクな事を考えてない目だなアレは。
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
PV
二期【2025年放送決定!】
OP
ED
同シリーズ
漫画
小説
類似作品
虚構推理
お薦め度:★★★★☆
後宮の烏
お薦め度:★★★★★
准教授・高槻彰良の推察
お薦め度:★★★★☆
全裸刑事チャーリー
お薦め度:★★★★★
その他フィクション
備忘録
第七十七話 再会
壬氏の登場
雪崩を利用して砦内部に突入した禁軍。それを砦内から確認していた猫猫は、紫紺の鎧をまとい、柳葉刀を手にした壬氏の姿を目撃した。
本来、宦官である壬氏が戦場にいることは異例であったが、彼の指揮によって部隊は更なる勢いを得ていた。
捕らわれた猫猫との再会
禁軍の突入で、子一族の者だと勘違いされて殺されないように隠れようとしていた猫猫だったが、一歩遅く猫猫は突入して来た壬氏と再会した。
猫猫は冷静に状況を見極めて、壬氏に保護を求めた。
周りの兵士から東宮と呼ばれた壬氏の正体を察した猫猫。
最初のコメントは「老けてますね」だった。
壬氏の公開されてる年齢は25歳。
でも実年齢は19歳と知ってのコメントだった。
その後に、壬氏は李白を呼び出し猫猫の保護を命じたが猫猫を見た李白は、この場に居るはずの無い猫猫に驚き、彼女が誘拐されてこの場にいると初めて知る。
そこで、同じ状況の大尉の娘と猫猫が繋がり猫猫に父親の名前を聴こうとしたら顔が凶悪になった。
李白の脳裏に羅漢と猫猫の顔が浮かぶシーンが面白い。
戦場の余韻と人間性の描写
李白は猫猫の居る部屋で服毒自殺した子ども達を猫猫の進言により、李白は子どもたちを砦外へ運び出し、非公式ながら埋葬を試みる意志を示した。
その際、彼は猫猫との軽口(大尉をパパと呼べ等)を交わしつつも、罪に問われる覚悟を持って行動した。
李白のこうした行為は、戦場における人間性の一端を垣間見せるものであった。
第七十八話 悪役
砦への進行と飛発の罠
壬氏は笛の音を耳にし、猫猫が無事に砦の外へ運び出されたことを知り、緊張を解いた。彼は部下たちとともに長い回廊を進み、大広間の扉に到達した。
嫌な予感から部下たちに身を避けるよう指示し、扉を開けた瞬間、弾丸が彼の横をかすめた。
敵は火薬を用いた飛発を装備していたが、その準備不足を突かれ、広間での抵抗はあっけなく制圧された。
広間での尋問と子昌の登場
捕縛された子一族の者たちは、国庫の横領や武装の不正使用について追及されたが、彼らは責任を他者に押し付けようとした。
そこへ、子昌が飛発を手に悠然と姿を現した。
壬氏は帝の勅命書を示して子一族の罪を告げたが、子昌は冷笑を浮かべるばかりであった。
子昌の最期とその不可解さ
子昌は飛発を発射するも弾丸は背後に居た兵の脚に当たり、別の兵士の反撃の末に命を落とした。
彼は最後まで笑みを浮かべ、観劇のような態度で死を迎えた。
その行動の真意は不明のままだったが、彼の振る舞いはあたかも自身の最期を舞台として演じているかのようであった。
捕縛と回廊での対峙
壬氏たちは広間を通過した回廊で、薄着の女たちと派手な男たちに遭遇した。女たちは命乞いをし、男たちは子一族ではないと主張した。壬氏はその醜態に顔を背け、捕縛を臣下に任せた。その後、一番奥の部屋に元上級妃楼蘭とその母神美がいると聞き、調査を進めた。
異様な部屋と隠し通路の発見
壬氏が部屋に入ると、乱れた寝台や衣服、漂う香の匂いが広がり、異様な雰囲気を感じ取った。露台にも人影はなく、部屋の構造に違和感を抱いた壬氏は調査を開始した。箪笥の奥に隠し通路を発見し、内部を進むと薄明かりの向こうに楼蘭が立っていた。
第七十九話 昔語り
楼蘭との対話と脅迫
楼蘭は新型の飛発を手にし、壬氏に銃口を向けながら同行を要求した。煤と焦げた髪で荒れた姿の楼蘭は、脅迫という形で壬氏を隠し部屋へと誘導した。
狭い通路を進む中、彼女の表情は後宮時代よりも人間味があふれていた。
隠し部屋での再会と物語の始まり
隠し部屋には楼蘭と似た顔立ちの娘翠苓、そして派手な装いの中年女性神美がいた。
楼蘭は壬氏を神美の望みを果たすために連れてきたと語り、壬氏に対する憎しみや嫉妬が神美の表情に浮かんでいた。
その後、楼蘭は燭台を置き、過去の物語を朗々と語り始めた。
その内容は、後宮と子一族に隠された真実を明かすものであった。
女帝の支配と後宮の拡大
楼蘭は、先帝の時代における女帝の影響力と後宮の拡大について語った。暗愚な先帝は母である女帝の傀儡となり、政を行っていた。女帝は、息子が女に興味を示さないことに業を煮やし、後宮に次々と美女を送り込んだ。その中で、北方の一族から上級妃を選び出すために族長に要請した経緯が語られた。
後宮の拡大の裏に隠された目的
当時、子の一族の稼ぎの筆頭は奴隷交易だった。
それを女帝が目を付けて、後宮に居る娘を人質にして他国への奴隷の輸出を禁じてしまった。
自国内での奴隷制度は花街の妓女と同じ扱いだったが、他国に出された奴隷の扱いが酷かったので、それを建前に禁止されてしまった。
手元に売り先のなくなった奴隷が多く残った子一族の先代は困窮してしまった。
そんな奴隷たちを一時的に保護する場所として後宮を利用しようと若かりし子昌が提案した。
こそに家族から売られた若い娘や去勢された男を集め、教育を受けた後に身分が改善される可能性があり、売った家族の罪悪感を減らす可能性もあった。
第八十話 事の始まり
子昌の策略と後宮事業の背景
楼蘭の父である子昌が、後宮事業を通じて一族の信用を回復しようとしたことが語られた。
彼は女帝の信頼を得るため、後宮拡大を「公共事業」として提案した。
同時に、後宮を奴隷交易に代わる事業と位置付け、女帝と一族の双方に利益をもたらすよう策を練っていた。
しかし、子昌は一族内での権力が弱く、神美を含む一族の者たちが賄賂や横領を繰り返す事態を制御できなかった。
翠苓の出生と子昌の思惑
楼蘭は、異母姉である翠苓の出生についても明かした。
翠苓は神美が後宮に入った時に着いてきた侍女の大宝が先帝が手を出して産ませた吾子の娘だった。
だが、吾子は先帝の血を引く者でありながら、女帝を恐れたせいで帝の吾子として扱われない。
認知を拒否された存在であった。
その後、吾子は後宮に勤務していた医官の娘として追放され。
それを気にしていた帝の命令で子昌は彼女を妻に迎え、娘(翠苓)が産まれた。
その時の名前は子翠と名付けられていた。
その褒美に後宮に19年間入り、帝の通いの無かった神美を下賜された。
この背景には、先帝と女帝の双方からの圧力や、子昌自身の複雑な立場が影響していた。
子昌、メッチャ苦労してる。
神美との対立と衝撃の告白
楼蘭は、母である神美との対立を激化させた。
神美が一族の権力を利用し、国の財産を横領して浪費してきたことを指摘した楼蘭は、母親が子一族の腐敗の一因であると糾弾した。
子昌はそれを隠蔽しようともせずに放置していた。
それが、子一族の滅亡に繋がると分かっていながら、敢えて悪役として滅ぶ事を選んでいた。
神美は激高し、楼蘭に飛発を向けるが、それは暴発し神美自身に致命傷を与える結果となった。
第八十一話 悪女
楼蘭の最期の舞台
楼蘭は母の死を前にしつつも、壬氏に過去の罪を告白し全ては神美の我儘によるものだったと供述。
そんな神美の我儘の印として、楼蘭は壬氏の顔に傷を付け。
閂をかけていた扉が開かれたのを契機に、砦の屋上で雪の中を舞いながら壮絶な最期を迎えた。
その姿は壬氏を含む全員に深い印象を残し、楼蘭の人生が一つの舞台劇のように終わりを告げた。
第八十二話 戦の終わり
目覚めと壬氏の怪我
怪我の治療を受けた壬氏は猫猫の居る場所を聞いて、馬車へと入って行った。
そして、彼女の無事な姿を確認するため近づくと猫猫が目を覚ましてしまった。
猫猫は壬氏の頬に大きな傷がある事に気が付き、雑に縫われた痕になってる事を確認した。
猫猫は怪我の原因を尋ねたが、壬氏は軽く受け流した。
猫猫は苛立ちながらも彼に安全な行動を求めたが、壬氏は戦地に出た理由を「妙なお願いを聞いた」とぼかした。
楼蘭との思い出
壬氏は猫猫に楼蘭との関係を尋ねた。
猫猫は「友人かどうかはよくわからない」と答えたが、壬氏もまた彼女のことを理解できないまま終わったと話した。
猫猫は楼蘭が託したものを守る覚悟を再確認し、壬氏に休息を勧めた。
Share this content:
コメントを残す