どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
後宮を去った猫猫は花街に戻るが、すぐに壬氏のお付として外廷に勤めることになります。
新しい環境で彼女は様々なトラブルや事件に巻き込まれます。
小火や食中毒、謎の遺言など、それぞれの事件が連続して発生し、猫猫はそれらが一つの事実に収束していることを理解します。
また、壬氏を困らせる武官・羅漢が現れる。
彼は猫猫の過去を知る人物で、彼女に対する特別な執着を見せる。
羅漢の真の目的は何か?
物語は、猫猫と羅漢の対峙と、彼女が再び後宮に戻ることで展開します。
猫猫には壬氏から青い薔薇を咲かせるという難題が与えられ、その過程で彼女の家族の秘密が明らかになります。
読んだ本のタイトル
#薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(7)
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者:#倉田三ノ路 氏
原作:#日向夏 氏
キャラクター原案:#しのとうこ 氏
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あらすじ・内容
猫猫、軍師・羅漢と直接対峙…!!
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 7
懐妊した玉葉(ギョクヨウ)妃を守るべく再び後宮へと戻った猫猫(マオマオ)に、壬氏(ジンシ)から新たな命令──それは、「不可能の代名詞とされる“青い薔薇”を園遊会までに咲かせよ」という内容だった。無理難題をけしかけたのは、彼女をつけ回す軍師・羅漢(ラカン)──それを知った猫猫は、目に物見せんと闘志を燃やす…!! そして、猫猫と羅漢がついに直接対峙することになり!?
超絶ヒットノベルのコミカライズ第七弾! 猫猫の出生と家族の秘密が明かされる必読巻!!
感想
後宮女官を解雇された猫猫(マオマオ)は、花街に戻ります。
しかしその短い安息も束の間、外廷への勤務が待っており、それも美形の宦官、壬氏(ジンシ)のお付としてです。
猫猫の新たな生活は困難に満ちています。
彼女は他の官女たちからの嫉妬や様々な奇妙な事故や事件に巻き込まれます。
倉庫での小火、食中毒になった官僚、そして腕利きの職人が遺した不変な遺言。
これらの事件が次第に一つの事実へと収束していきます。
背後にはある人物暗殺への深い計画が隠されていたました。
さらに物語に転機が訪れます。
壬氏に付きまとう武官、羅漢(ラカン)が登場します。
彼は猫猫とも古い縁があり、特に猫猫には普段見せない執着を持っています。
壬氏は猫猫を羅漢から守るために奮闘しますが、羅漢の真の目的とは、、、
そんな中、玉葉(ギョクヨウ)妃が懐妊します。
毒殺を警戒して猫猫は再び後宮へと戻りますが、そこで新たな課題が待ち受けています。
「青い薔薇」を園遊会までに咲かせるという、ほとんど不可能に近い要望でした。
それも、彼女を追い詰める羅漢からの挑戦状として。
猫猫の出生の謎もまた、この巻で明かされます。
その中で、羅漢と鳳仙の間にあったやり取り、そして鳳仙の美しい姿や彼らの哀しい過去が描かれます。
猫猫の父である羅漢と、猫猫の母である鳳仙の関係は複雑で、そして鳳仙に梅毒による悲劇が訪れます。
この巻では、宮廷と花街、官と妓女、そして過去と現在が交錯する中で、猫猫、壬氏、羅漢の関係がさらに深まっていきます。
謎と感動の中で、物語は一層の高みへと昇華していきます。
この本で特に心に残ったシーンは、猫猫が青い薔薇の謎に挑む部分でした。
私も野菜ですが、花を咲かせる計算をしたとこがあるので、その部分が懐かしく感じました。
一方、猫猫の家族の秘密が明らかになる部分はとても感動的でした。
過去には悲しい出来事がありましたが、それを乗り越えて猫猫は強くなったと感じます。
家族の絆や過去の影響について考えさせられる部分でした。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
二十七話 青薔薇
春の訪れと共に、猫猫は日常の業務に追われている中、玉葉妃の妊娠が確実になり、翡翠宮では皆がその喜びを共有していた。
そんな折、美しい宦官・壬氏が現れ、青い薔薇を探す任務を猫猫に依頼する。青い薔薇に関する話は、猫猫にとっては無理難題に感じられたが、それが来月の園遊会のためと知り、さらに薔薇が咲く時期がまだ先であることを指摘する。話は軍師からの持ちかけであり、猫猫は状況を受け入れ、必要なものと場所を求めて任務に取り組むことにする。
春の園遊会が開かれ、赤い毛氈が敷かれた庭園で様々な色の薔薇が活けられた花瓶が注目される。特に、青い薔薇を含む色とりどりの薔薇は多くの人の驚きを買い、壬氏はこれを宴席の上座に飾り、帝に献上する。壬氏の容姿や行動は多くの視線を集め、そこには様々な感情が交錯していた。一方、羅漢という狐のような目をした男が場の空気を読まずに食事を楽しむ一幕があり、彼の行動によって高官たちの間で小さな騒動が起きる。しかし、壬氏は笑顔を絶やさずに帝への献上を完遂し、園遊会は色々なドラマを含みつつも進行していく。
宴席から少し離れた東屋で、桜花が猫猫の面倒を見ている場面から始まる。猫猫は再び水晶宮に通い、青薔薇を作成するための準備に追われていた。その過程で猫猫は過労になり、体調を崩している。水晶宮の蒸気風呂を利用し、大量の薔薇を育てる実験を行っており、そのために多大な労力を費やしていた。
猫猫は、薔薇のつぼみを白い花びらだけに見えるように調整し、茎の内側から青い液体を吸い上げさせて花びらを青く染め上げていた。この方法で、青い薔薇を宴席でお披露目することに成功する。この一連の過程を、皇帝には秘密にしておくことで、誰かが言いがかりをつけても皇帝が説明をかって出てくれるようになっていた。最後には、壬氏との会話で、青い薔薇の作り方が明かされ、猫猫が爪を染める様子が描かれる。
二十八話 爪紅
宴席で色とりどりの薔薇が注目を集めており、羅漢はそれをぼんやり眺めていた。彼は管弦の音楽に退屈し、ついには隣の官の冠と毛の塊を手にしてしまう。羅漢は片眼鏡を調整しながら宴の中心に置かれた薔薇を見ていたが、活け手の性格の悪さを感じている。宴は贅を尽くしたものであったが、羅漢にとっては記憶に残らないものだった。しかしながら、爪紅の流行には興味を示し、懐かしい妓女の名前と共に、爪紅をしている小柄な女官、猫猫の姿が目に留まる。
一方、壬氏は猫猫の要望を無視して東屋にいた。猫猫は羅漢を将棋で勝負に誘い出し、賭けの代償を決める。羅漢が勝てば猫猫を「うちの子」とするが、猫猫が勝った場合は緑青館の妓女を身請けすることになる。さらに、猫猫は勝負の度に勝者が負け者に飲ませる酒に薬を混ぜるという条件を加える。
勝負は羅漢が二連敗するが、猫猫も二杯の酒を飲み干してしまう。
しかし、三戦目で猫猫が勝ち、羅漢が酒を飲んだ後、急に具合が悪くなる。猫猫は羅漢に水を飲ませ、彼が実は酒に弱いことを明かす。勝負の結果、羅漢が酔っ払ってしまい、猫猫の狙い通りになる。
二十九話 鳳仙花と片喰
羅漢は、鳳仙という妓女との過去を思い出す。彼女との碁や将棋の勝負で唯一負けた記憶があり、その時の鳳仙の優雅な爪紅が印象的だった。
羅漢は人の顔を区別できない特性があり、人々を碁石や将棋の駒に例えて覚える。鳳仙との関係は碁や将棋を通じて深まり、彼女の身請けを考えたが、金銭的に太刀打ちできず、関係は途絶えた。
三年後、羅漢は戻った妓楼で鳳仙がもはやいないことを知り、彼女の末路を知って絶望する。その後、羅漢は緑青館の妓女、梅梅の部屋で目を覚ます。
羅漢が飲んだのは猫猫が作った強い酒で、羅漢はその味に驚く。やり手婆に導かれ、妓女を選ぶことになるが、羅漢の心を動かすものはない。
しかし、病人部屋で痩せた女、鳳仙を見つけ、彼女を身請けすることを決意する。羅漢はやり手婆に金を渡し、彼女の手に碁石を渡す。その瞬間、羅漢は彼女の顔にわずかな赤みを見つけ、彼女がまだ美しいと感じる。
猫猫は泥酔した羅漢を仮眠室に送り、帰路についている途中で、楼蘭妃の一団とその父親を見かける。この時、猫猫は同行していた馬閃という官から、楼蘭妃の父親に対する不快感を感じ取る。その夜、猫猫は壬氏の棟に泊まることになり、壬氏や高順と会話を交わす。猫猫は、羅漢(狐目の男)に対して恨みは持っていないと話すが、彼の異常な執着には苦手意識を持っていることを明かす。また、羅漢が人の顔を認識できない「顔盲」であるために起きる問題や、彼が事件の解決に無意識のうちに役立っていたことも語られる。
猫猫は自分の出生と関わる羅漢への複雑な感情を吐露し、彼女自身が羅門を本当の父親として見ていること、そして羅漢への感謝と距離感を保つ姿勢を示す。彼女は羅漢を敵に回すことなく、自身の立場を守りつつ、彼との関係を客観的に評価しようとする。会話の中で、壬氏や高順との間にも深い理解や共感が交わされ、猫猫の成長や彼女を取り巻く人間関係の複雑さが浮かび上がる。
猫猫は梅梅から身請けの知らせと共にひれが入った荷物を受け取る。
彼女は身請けされた妓女を祝うために、一張羅に身を包み、かつて習った舞踏を思い出しながら踊り始めた。
アニメ
PV
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