どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
皇帝の寵愛を受ける玉葉妃が懐妊し、猫猫(マオマオ)は再び後宮に戻ることとなりました。
この懐妊の情報は非常に重要なため、秘密にされていますが、後宮の中には情報を探る女たちが溢れ、緊張感が走っています。
また、後宮の外からも何者かの目が玉葉妃を狙っていることを感じる猫猫。
そんな中、西の国から来た隊商(キャラバン)が後宮にやってきて、多くの女たちはその華やかな商品に目を奪われています。
猫猫は、隊商から玉葉妃へのプレゼントとして渡された衣類に違和感を抱き。
売られている香料や精油が、流産を促進する可能性があるものだったため、危険を感じました。
そんな中、虫好きの新しい侍女、子翠(シスイ)と仲良くなる猫猫。
また、子猫の毛毛も登場し、彼女の周りの男たち、やぶ医者と高順が可愛い子猫に夢中になります。
事件の裏には、玉葉妃を狙う何者かの陰謀があり、猫猫は彼女を守るために奮闘しました。
読んだ本のタイトル
#薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(8)
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者:#倉田三ノ路 氏
原作:#日向夏 氏
キャラクター原案:#しのとうこ 氏
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
猫猫・壬氏の関係に……進展アリ!?
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 8
遥か西方から隊商(キャラバン)がやってきた! 珍しくも華やかな異国の品々──普段は商店がない後宮では、妃も侍女も大はしゃぎ! そんな中、「皇帝の子を宿した上級妃・玉葉(ギョクヨウ)を守る」という任務を壬氏(ジンシ)から与えられている猫猫(マオマオ)は、隊商から「玉葉妃に」と薦められた衣類に、大きな違和感を覚え…!? そして、猫猫と妙に気の合う、変わった趣味の侍女・子翠(シスイ)も登場!
原作小説・第3巻のエピソードへ突入、超絶ヒットノベルのコミカライズ第八弾!!
感想
玉葉妃の懐妊という事で毒殺を恐れがあるため、猫猫は後宮に再び猫猫を呼び戻されました。
この巻では後宮の女たちの複雑な関係や、外部からの新しい風が生き生きと描かれています。
後宮には商店が存在しないため、今回は遥か西方からやってきた隊商が持ち込む異国の品々は、鮮烈な彩りを後宮にもたらしました。
妃たちや侍女たちは異国の品々に目を輝かせていましたが、その中には危険なものも潜んでいました。
猫猫が再び後宮での役目を果たす中、新しいキャラクターとして、猫猫と趣味が合う変わった侍女・子翠が登場します。
彼女のキャラクターは、猫猫の周りの人々との関係性をさらに豊かにしました。
特に、子翠が愛してやまない虫の知識は、毒草を語る猫猫との会話の中で魅力的に描写されています。
さらに、この巻では猫猫の新たな同居者、子猫の毛毛も登場します。
毛毛と猫猫の読みが同じであることから、読んでいる側としても新しい興奮や楽しみが生まれました。
毛毛がもたらす、やぶ医者と高順との関係も微笑ましく、猫猫たちの周りのエピソードが心温まるものとなりました。
しかし、玉葉妃の懐妊という幸せな出来事の裏には、後宮の暗部もちらつきます。
隊商が持ち込んだ商品の中に、妊婦にとって危険な香料や精油が潜んでいることに、猫猫が気づくシーンはドキドキの連続でした。
誰が、どういった目的で動いているのか、読者としても考えながら進めていくのが楽しみでした。
総じて、この巻は新しいキャラクターの登場や玉葉妃の懐妊という大事件を通して、猫猫の魅力や後宮の複雑さを再認識することができる一冊でした。
後宮の陰謀や女たちの心の動き、そして猫猫の独自の視点を通しての事件解決の過程を楽しむことができました。
好きなシーンは、猫猫が前の巻で身請けされた母のために舞を踊る場面でした。
その踊りはとても綺麗で、同時に猫猫の胸中の感情が伝わってきて、私も目頭が熱くなりました。
気になったところは、隊商が運んだ商品について。
どうしてそんな危険なものを持ってきたのか、その背後には大きな陰謀があるのではないかと思いました。
全体的に、猫猫がどんな困難な状況でも冷静に事態を捉え、解決に向かう様子はとても魅力的です。
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
備忘録
三十話 見送りの舞
その最中、猫猫は壬氏と偶然出会い、足の傷を再び開いてしまう。
壬氏は猫猫を抱きかかえて治療のために連れて行く。猫猫はこの機会に、ずっと言いそびれていた「牛黄をください」という要求を壬氏に伝える。この出来事を通じて、猫猫と壬氏の関係の深さが示された。また、猫猫の過去や彼女の周りの人々との複雑な関係が描かれ、彼女が社交界での立場や、自分と他人との間に存在する微妙なバランスをどのように扱っているかが示されてた。
回廊で響く足音の中、新入りの侍女が付き添う壬氏の前に、老人が現れ、壬氏に手を伸ばす。母は介入し、老人を牽制する。老人は何かを伝えようとし、最終的には重要そうな石を落とす。場面は変わり、老婆が登場し、老人を連れ去る。後に壬氏は、老人が父で老婆が祖母であること、自分が父だと思っていた人が実は兄だと知る。
その夜、壬氏は不快な夢を見て汗だくで目覚め、水を飲んで落ち着こうとする。眠れないため、修練用の模擬刀で剣舞の練習をする。明け方になり、湯浴みの準備を考えながら、女官の反応を思い浮かべる。自分が宦官としての完璧な役割を演じるためには、こうした準備が必要だと感じているが、そのことを口に出せずにいる。
最終的に、壬氏は再び寝台に倒れ込み、侍女が起こしに来るまでのわずかな時間を眠ろうと決める。
三十一話 書(アニメ 25話 2期1話)
宦官の壬氏が、従者の高順と共に医局で猫猫とやぶ医者の作業を観察していた。猫猫は蒸留装置を使用し、薔薇の花びらから香油を作っている最中であった。この香油作りは、以前準備した青薔薇を用いて行われていた。作業の過程で、壬氏と猫猫の間で香油についての会話が交わされる。香油には子を流す作用があるものもあり、宮廷内での使用には注意が必要であること、そして、医局に残された蒸留装置の活用、消毒用の酒精の製造について語られた。
その後、壬氏によって宮廷外の書物販売の話が持ち上がり、猫猫は壬氏の印刷技術への関心を利用して、西方の印刷技術について説明する。話は進み、壬氏が西方の技術に関心を持つ一方で、偶然医局に届いた猫猫宛の荷物が開封される場面になる。荷物の中身は、帝からの賜り物である小説本であり、後宮中で流行していることが明かされる。この小説本は、教育的な意図も含めて後宮の女官たちに配布されていた。
猫猫はこの小説本が、宮廷内の文化や識字率向上に一役買っていることを認識し、後宮を出た後の生活のために、小蘭に字の練習を促す。
小蘭は自分の将来を考え、字が読めるようになることの重要性を理解している。猫猫は小蘭に日常生活で使う言葉から字の練習を始めさせることにし、小蘭の学習意欲を支える。
鈴麗公主が一年半を過ぎ、健やかに成長している。玉葉妃は公主に外の世界を見せるために散歩を提案し、猫猫や紅娘を同伴させる。外出中、公主は物置の隙間から出てきた子猫に興味を示し、猫猫がそれを保護する。
三十二話 商隊(アニメ 26話 2期2話)
子猫は薄汚れていたが、猫猫とやぶ医者の世話で健康を取り戻す。皇帝の訪問時に公主が子猫に夢中になり、その結果、子猫は「毛毛」と名付けられて医局に残ることになる。子猫は「盗賊改」という官職を与えられ、医局の鼠取りとしての役割を果たすことになった。猫猫はこの名前について疑問を抱きつつも、子猫の世話を続ける。
季節は湿気が多くなり、猫猫は防虫用の香草を準備していた。翡翠宮では衣裳部屋の整理が進められ、古い服は選別されていた。新しい侍女の加入が予定されており、これは玉葉妃の懐妊に伴い、人手が必要になるためである。隊商が後宮に訪れることが話題となり、侍女たちは新しい衣裳や装飾品の購入を楽しみにしていた。特に異国の商品を扱う隊商の訪問は、後宮の女官たちにとっての大きな楽しみであった。
猫猫は隊商の訪問に興味を持ち、小蘭とともに商品を見に行く。この際、以前助けてくれた女官と再会し、茉莉花茶を購入する。その後、彼女たちは医局でやぶ医者と共に茶を楽しむことになる。この際、異国から特使が来るという情報や、後宮内で不思議な臭いがすることが話題に上がる。
三十三話 香油(アニメ 26話 2期2話)
隊商の訪問後、後宮内では香油が流行し、様々な匂いが混ざり合って猫猫を含む多くの人々を悩ませた。洗濯場では香油まみれの衣服が積まれ、洗濯係も困惑していた。猫猫は香油の強い匂いに頭を悩ませる中、薔薇の香りが染み付いた衣服を手に取り、以前作った薔薇水の売却を考えるも、薔薇の精油が妊婦に悪影響を及ぼす可能性を考慮していた。ある日、後宮内で香料や精油の名前を書き留めた紙を壬氏に見せ、これらが妊婦に害を及ぼす可能性があると指摘する。隊商から入ってきた香料や茶葉には、害のある成分が含まれていることが判明し、猫猫はこれが意図的なものかどうかを疑問視した。壬氏との対話を通じて、後宮に毒を持ち込む意図があるかもしれないという懸念が浮かび上がる。結局、猫猫は茶葉と香辛料の購入を反省し、壬氏に茶を提供するものの、会話の中で不妊に関する効用をふざけて話し、壬氏の気分を害してしまう。壬氏は白茶を手つかずで去り、猫猫は反省の念を抱くが、壬氏が猫猫の茶を飲んでいたことに気づく。
アニメ
PV
二期【2025年放送決定!】
OP
ED
同シリーズ
漫画
小説
類似作品
虚構推理
お薦め度:★★★★☆
後宮の烏
お薦め度:★★★★★
准教授・高槻彰良の推察
お薦め度:★★★★☆
全裸刑事チャーリー
お薦め度:★★★★★
その他フィクション
Share this content:
コメントを残す