どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
玉葉妃の妊娠という大ニュースにより、後宮へ戻ることとなった猫猫。
皇帝の寵妃という特別な位置づけのため、その情報は極秘とされていた。
後宮内の女たちは日々の小競り合いが絶えない中、外部からも疑わしい動きが見られ始める。
特に、静妃と宗妃という二人の妃の間で繰り広げられる毒物を使った攻防が主要なストーリーとなる。
猫猫は、静妃が宗妃にカエン茸の毒を盛ったという疑いを持ち、さらに静妃自身がその毒に触れたことで肌がただれたのではと考える。
しかし、猫猫の鋭い推理により、静妃が実はすでに亡くなっており、他の人物がなりすましていたことが判明する。
さらに、失踪していた女官の話が絡んでくることで、一連の事件の真相が明らかにされる。
一方、月精前編では、五十年前の美しい「月の精」という女性を再現するための壬氏を利用するシーンが描かれている。
読んだ本のタイトル
#薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(9)
(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者:#倉田三ノ路 氏
原作:#日向夏 氏
キャラクター原案:#しのとうこ 氏
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あらすじ・内容
名探偵・猫猫の推理が冴える最新刊!
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 9
後宮に生えている毒性のある茸を探せ! 壬氏(ジンシ)からの指令を不審がりながらも、毒草好きの血が騒ぎ後宮中を駆け回る猫猫(マオマオ)。そこへ中級妃の葬儀の知らせが舞い込み、猫猫は侍女頭のお供として葬儀へ参列することに。すると、斎場に突如現れた包帯まみれの謎の女──妃の亡骸に罵詈雑言を浴びせ、暴れ回る…!! 斎場が騒然とする中、猫猫は何か閃いたようで…!?
ミステリアスな雰囲気の新キャラも登場、超絶ヒットノベルのコミカライズ第九弾!!
感想
後宮に再び足を運ぶこととなった猫猫(マオマオ)は、玉葉妃の妊娠の秘密を背負う中で、後宮の女たちの複雑な関係性や外部の動きに警戒を強めます。
壬氏からの指令で、後宮内に生えている毒性のある茸「カエン茸」を探し求める猫猫は、次第に宗妃と静妃の間で起こった不可解な事件の真相に迫ることとなります。
宗妃は突如、顔がただれる奇病にかかり、彼女が日常的に静妃から虐められていたことから、静妃が彼女に毒を盛ったのではないかという疑念が広がります。
しかしその後、静妃も同じ奇病にかかり、結果的にカエン茸を食べて自害したのではないかという結論に。
そんな静妃の葬式で、宗妃が彼女の遺骸を侮辱する姿が描かれます。
猫猫の鋭い直感と調査の結果、真の犯人や事の背後に隠された陰謀、さらには1年がかりの隠蔽工作や身分の入れ替わりなど、後宮の陰影が浮き彫りとなります。
真実は、静妃自体がすでに亡くなっており、それを隠すための別人によるなりすましが行われていたという衝撃的なものでした。
さらに、月の精と称される美しい女性の存在を求めてくる異国の美女特使二人組に、猫猫は挑むこととなります。
彼女はその真相を探る過程で、驚きの「切り札」を用意します。
本作は、後宮の複雑で陰謀渦巻く世界を舞台に、猫猫の鋭い直感や緻密な推理で事件を解明していく過程を中心に描かれており、読者を引き込む展開となっています。
この本で特に印象的だったのは、静妃が実は亡くなっていたことを猫猫が見抜くシーンでした。
猫猫の鋭い洞察力と推理の過程が非常に引き込まれました。
私自身も社会人として仕事での問題解決を求められることが多いので、彼女の問題解決のアプローチには感心しました。
また、カエン茸についての詳しい情報や、それを使った毒物の攻防も興味深かったです。
一方で、妃同士の嫉妬や策略が繰り広げられる中、猫猫が毒茸を嬉々として探すシーンでは彼女が楽しんでいる姿が微笑ましく、そういった軽いシーンも本の魅力だと感じました。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
三十四話 冬人夏草 前編(アニメ 27話 2期3話)
猫猫が洗濯場で小蘭に字を教えることが日課となっていた中、ある女官の失踪の噂が耳に入る。その女官は結納金が貯まり、退職する予定だったが、いなくなってしまった。この噂を耳にしたのはやぶ医者からだった。後宮の暗い闇を感じさせる話である。後宮内では、結婚を理由に辞める女官がいなくなったことが妙な憶測を呼んでいた。猫猫は、この事態に関連がないと思いつつも、後宮の日常に戻る。
ある日、猫猫は玉葉妃と壬氏から特別な用件で呼び出される。話の内容は、後宮での教育プログラムの構想についてで、壬氏は後宮内に学校を作る計画を持っていた。猫猫は、このアイデアに賛同しつつも、立地や実施方法についてアドバイスを提供する。また、壬氏からは、後宮内での毒茸に関する調査の依頼もあった。
その夜、猫猫と紅娘は葬儀に参列する。そこで、猫猫は死んだ中級妃が玉葉妃に毒を盛ろうとした可能性があることを知る。葬儀では、亡くなった中級妃に対して、猫猫は奇妙な連鎖を感じ取る。葬儀の場で、一人の女が祭壇を荒らし、死体の顔を晒す。その顔は、病気か火傷によって醜く変わり果てていた。この光景を見て、猫猫は何かを悟る。
三十五話 冬人夏草 後編
昨日の騒動の主は、裕福な商家の娘である下級妃であり、顔がただれる謎の病にかかっていた。この病は中級妃によって引き起こされたものであると考えられる。猫猫はこの病の原因として赤い毒茸を疑い、確認のために調査を行う。確信を得た後、壬氏と高順はこの毒茸について調べる。その結果、触れるだけで手がただれるほどの毒性を持つことがわかる。
猫猫は、中級妃の死に関連してさらに調査を進める。静妃とされる遺体の葬儀が行われたが、静妃は実は一年前に死亡しており、葬儀の遺体は他人のものだったことが判明する。遺体は静妃の装飾品を身につけており、これが静妃であることの証拠となる。この遺体は、静妃の侍女たちによって顔を潰され、静妃に見せかけられていたものである。侍女たちは、静妃の死を隠蔽し、彼女が生きているかのように見せかけていた。
猫猫は、遺体が埋められていた場所を特定し、掘り起こすと人間の骨が見つかる。この発見により、静妃が実際には一年前に死亡していたことが確認される。この遺体が静妃であることは、彼女の装飾品から明らかであった。最終的に、静妃の死の真相と侍女たちの関与が明らかになり、猫猫の調査は終了する。
三十六話 鏡
暑い昼下がり、異国から届いた珍しい玻璃製の大きな姿見を見に翡翠宮に呼ばれた猫猫は、玉葉妃と侍女たちがその鏡で遊んでいるのを見る。この鏡は、全身をはっきり映し出すことができる非常に珍しいもので、西方からの渡来品として非常に高価なものだった。猫猫はこの鏡に興味を示し、玉葉妃からは異国の特使からの贈り物であることを聞かされる。
翌日、高順から相談された話は、監視下にある良家の二人の娘の一人が、男と接触せずに妊娠したという不可解な事件についてだった。家の見取り図を元に考察を進める中で、猫猫は鏡を使ったトリックの可能性に気付く。鏡を使って一人が二人いるように見せかけることで、監視を欺き、外出することが可能だったのではないかと推測する。さらに、刺繍が関わるトリックにも言及し、見方によって異なる絵が現れる「だまし絵」の可能性を指摘する。
高順からは、壬氏からの言伝として熊胆が贈られる。この贈り物を受け取りながら、猫猫はこの一連の話がある種の口止め料かもしれないと感じつつ、熊胆を使った何かを作ることに興味を持つ。
三十七話 月精 前編
噂が伝説へと変化し、外交の一環として特使が「真珠の涙を持つ絶世の美女」を求めてきたという話から始まる。猫猫は、この美女が実は幼少期に特使が聞かされた異国の話に基づくもので、既に高齢のやり手婆であることを知っている。しかし、特使の要望に応えるため、また外交的な配慮から、猫猫はこの要望を満たす策を考える。
猫猫は、やり手婆が若い頃、虫の雌の死体によって雄が集まり、その結果、特使の祖父が見たとされる「月の精」としての美しい光景を再現する計画を立てる。この計画には、特使を満足させるために、数日間にわたる準備と、特定の虫を集める作業が含まれる。
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PV
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OP
ED
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