どんな本?
異世界居酒屋「のぶ」は、蝉川夏哉氏によるライトノベルで、京都にあるはずの居酒屋が中世ヨーロッパ風の異世界に繋がっているという物語。
この作品は、小説家になろうで2012年から連載開始し、2022年6月時点でシリーズ累計部数は500万部を突破。
また、漫画やアニメ、テレビドラマなどのメディアミックスも進められ、多くのファンから愛されています。
この作品の魅力は、異世界の住人たちが日本の料理や酒を楽しむ様子や、異文化交流を通じた友情や恋愛などの人間ドラマが描かれる点。また、作中で様々な料理のレシピや食材の背景も紹介され、読者はグルメの楽しさを共有できます。
私はこの作品を読み、大変感動した。異世界居酒屋「のぶ」は、食や飲み物が人々を結びつける素晴らしい力を伝える作品である。
読んだ本のタイトル
異世界居酒屋「のぶ」 (17)
著者:ヴァージニア二等兵 氏
原作:蝉川夏哉 氏
キャラクター原案 :転 氏
あらすじ・内容
老舗料亭宿の料理人が居酒屋「のぶ」にやって来て…?
<四翼の獅子>亭で働くパトリツィアと副料理長・小リュービクは共に敵情視察として居酒屋「のぶ」を訪れる。老舗である自身の店と比較して所詮場末の居酒屋だと見下す小リュービクだったが…?
異世界居酒屋「のぶ」 (17)
感想
表紙が秋の装いをしている。
今巻も美味しそうに食べてくれる。
《四翼獅子》亭の副料理長の小リュービク。
病気で料理をしないで部屋に閉じこもっていると言われていた彼が、ノブに乗り込んで撃沈。
その後、毎日ノブに通い大将の技を盗もうとする。
小リュービクさんメンドクセェェェーーwww
あと、何故かハンスに説教をする、、
大将がそれに弟子を取られたと不満を持ってるのがw
最初の頃にノブを手伝っていた衛兵隊長のベルトホルトの妻、ヘルミーナは双子を出産してノブに双子を見せに来た。
双子のあまりの可愛さにメロメロな一同。
お祝いにヘルミーナの好物のヒツマブシを堪能してもらうが、双子は夫婦のどちらかが抱いてないと泣いてしまうらしく。
家族想いなベルトホルトが漢気を魅せたが料理を我慢してるのを我慢できなくなった忍が、精密に時間を計算して。
ヘルミーナがヒツマブシを満喫した後に、双子を彼女が抱っこして。
ベルトホルトが鶏の唐揚げを堪能できるようにする。
眼鏡の売上が頭打ちになってしまったロンバウトは如何にしてメガネを掛けてもらおうかと四苦八苦する。
それに付き合わされるレンズを作れる唯一のガラス職人フーゴ。
フーゴは生産数が上げられないから頭打ちになっても良いと言う。
だが、商人でメガネ愛好家ののロンバウトは納得しない。
そこでたまごのダテ巻からダテ眼鏡の話をロンバウトしたらインスピレーションが沸いたらしく。
廉価なダテ眼鏡を量産して、眼鏡を掛ける事がファッションの一部だと認識させる事を企画する。
そうして、ダテ眼鏡の商品開発をする。
最後までお読み頂きありがとうございます。
同シリーズ
その他フィクション
備忘録
翼の折れた獅子
秋の夜、四翼の獅子亭の小さな騒動
夜食の慣例とパトリツィアの役目
四翼の獅子亭では、夜中になると空腹を抱えた下働きたちが夜食を求めて厨房へ忍び込むのが習慣となっていた。この夜、籤引きで選ばれたのは若い女中のパトリツィアであった。皆が寝静まった頃、彼女は抜き足差し足で厨房へ向かった。
深夜の厨房と小リュービクの姿
厨房にたどり着いたパトリツィアは、そこで療養中と聞いていた小リュービクが料理をしている姿を目にした。彼の手際の良さに感嘆しつつ、気付かれてしまった彼女は意外にも料理を持ち帰る許可を得た上、試食を求められた。
試食と天才の技量
小リュービクが提供した料理の数々はどれも見事な味わいであった。仔牛の香草焼きを始め、パトリツィアはその美味しさに驚きながらも、素直に感想を述べた。続いて出されたシチューでは、小リュービクが仕掛けた試練を見事に乗り越え、彼女の鋭い味覚に小リュービクも驚嘆した。
四翼の獅子亭の現状とリュービクの決意
小リュービクは厨房に立たなくなった自分が、店の評判を落としている原因であると悟りつつも、何かが足りないと感じていた。一方で彼女との会話を通じて、居酒屋ノブという店の存在を知り、気になる様子を見せた。
居酒屋ノブへの討ち入り
パトリツィアに案内され、彼は居酒屋ノブを訪れた。そこで提供された料理や店の雰囲気に触れ、小リュービクはこの店がただものではないと感じ始めた。特に芋の煮転がしの味わいには、彼自身が持つ料理哲学を揺さぶられるような衝撃を受けた。
料理の秘密と再起の決意
居酒屋ノブでの体験を経て、小リュービクは自らの立場と能力を再評価し、厨房に戻る決意を固めた。ボルガンガの肝煮の再現を試みる店主の努力を目にし、その探究心に触発された彼は、自身の料理に改めて向き合う覚悟を抱いた。
新たな一歩
店を後にした小リュービクは、四翼の獅子亭で再び厨房に立つ計画を胸に抱きつつ、自らの欠けていた部分を補うための努力を心に誓った。月明かりに照らされた古都の道は、彼に新たな未来を示しているようであった。
竹輪の磯辺揚げ
運河の再興と水運ギルドの葛藤
運河の活気と再興の兆し
古都を貫く運河沿いには、荷車を押す屈強な人足たちが行き交い、水運ギルドの復興を物語っていた。かつての繁栄には及ばないものの、荷の量は年々増加し、運河の賑わいを取り戻しつつあった。ラインホルトはその様子を見守りながら、水運ギルド〈金柳の小舟〉の未来に思いを馳せていた。
ギルドの現場と学び
父の急逝によりギルドを継いだラインホルトは、現場での経験から水運業の知識を蓄えていた。各商会の紋章や人足たちの動き、荷物の扱い方など、独学で身に付けたスキルは彼の成長を支えていた。増加する荷物に対応するため、飯場の拡充が急務であった。
居酒屋ノブでの思索と気づき
ラインホルトは日課のように居酒屋ノブを訪れ、冷えたトリアエズナマや揚げ物を楽しみながら新たな飯場の管理者について考えを巡らせた。〈鮫〉と呼ばれる男に目を付けつつも、彼の過去の暴力的な評判が判断を躊躇させていた。ノブで提供された鮫を使った料理に触れ、〈鮫〉が変わり得る象徴として心を動かされた。
他ギルドとの競争と仲間の助言
同じ水運ギルド〈水竜の鱗〉のマスター、ゴドハルトとの会話を通じて、ラインホルトは人材選びの難しさと、その意義を再確認した。ゴドハルトの助言により、自らの基準で〈鮫〉を飯場頭に据える決意を固めた。
〈鮫〉の任命と新たな挑戦
翌朝、〈鮫〉はラインホルトから飯場頭に任命されたことを告げられた。過去の行いを全て調査された上での判断だと知り、彼は感激した。ラインホルトの言葉に励まされ、〈金柳の小舟〉の再興に尽力する覚悟を新たにした。
古都の未来への歩み
ラインホルトは運河を見つめながら、ギルドと古都の未来に思いを馳せた。新しい飯場頭を迎え、浚渫事業を含む次なる挑戦に向けて動き出すことを心に誓った。彼らの目指す先には、運河を越えた大海が広がっていた。
双子のお披露目
双子のお披露目と居酒屋でのひととき
赤ん坊のお披露目と古都の伝統
ベルトホルトとヘルミーナは双子の赤ん坊、ヨハンナとエーミールを連れ、居酒屋ノブを訪れた。古都では首が据わった頃に赤ん坊を地域の人々に披露する習わしがあり、二人もその伝統に倣った。エーファの話によれば、この行事は妖精がいた時代に遡るという。双子はそれぞれ父母の特徴を受け継ぎ、愛らしさで周囲を和ませていた。
子育てに奮闘するベルトホルト
双子は両親の腕の中では大人しくしているものの、他人に抱かれると泣き出してしまうため、二人の世話には苦労が絶えなかった。ベルトホルトは衛兵中隊長の職務をこなしつつ、家事にも積極的に参加していた。襁褓替えにも慣れた姿に、妻のヘルミーナは夫の成長を微笑ましく感じていた。
ヘルミーナの願いと信之の提案
訪問の合間、小腹が空いた夫婦のために食事を勧められると、ヘルミーナはひつまぶしを希望した。双子を出産後、貧血に悩んでいた彼女にとって鰻料理は特別な栄養源であった。信之はすぐに調理に取り掛かり、夜の営業準備中にも関わらず、美味しい鰻料理を用意した。
父親の自己犠牲としのぶの工夫
一方で、ベルトホルトは「それほど腹は減っていない」と遠慮し、ヘルミーナに優先して食べてもらうことを選んだ。その姿に気付いたしのぶは、時間差で料理を提供する方法を提案し、二人に別々のタイミングで食事を楽しんでもらう工夫を凝らした。
唐揚げと家族の絆
ヘルミーナがひつまぶしを堪能した後、信之とハンスは揚げたての若鶏の唐揚げをベルトホルトに振る舞った。香ばしい香りと味に感動しながらも、「これでトリアエズナマが飲めないのは残酷だ」と冗談を口にする彼の言葉に店内は笑顔で包まれた。家族と居酒屋の温かい交流が印象的なひとときであった。
次なる日常への歩み
満足げに食事を終えたベルトホルト一家は、再び双子のお披露目に出発した。その翌日、彼が率いる衛兵隊では時間差攻撃の訓練が始まったというが、その発想の起源を知る者は誰もいなかった。
新メニュー 独り晩酌
静かな夜と信之の独白
居酒屋に訪れた静寂
居酒屋ノブの閉店後、店内には誰もおらず、信之だけが厨房に立っていた。掃除も仕込みも終え、全てが整った空間で一人静けさを楽しむ時間は、信之にとって特別なものだった。料亭〈ゆきつな〉での多忙で苛立つ日々とは異なり、独立してからは責任を一手に担うことで、むしろ心が軽くなっていた。
一人の晩酌と思索
静寂の中、信之は発泡性の日本酒「じゃんぱん」と茄子の煮物を肴に一人酒を楽しんだ。思いつきで作った茄子のすき焼き風料理は、甘辛い味が酒と絶妙に合い、つい食材を追加して簡易すき焼きに仕立て上げた。その雑然とした料理の中に、信之は居酒屋やすき焼きの本質があるのではないかと考えた。
居酒屋の本質を見つめる
居酒屋もすき焼きも、主役は個々の要素ではなく、その全体の雰囲気や期待感で成り立つと信之は気付いた。客が何を楽しみに来店するかを常に意識し、料理や酒だけでなく、居酒屋そのものを楽しんでもらうことが重要だと理解した。それが居酒屋の主人としての使命だと感じた。
明日への準備と静かな決意
晩酌を終えた信之は、空になった酒器や食器を洗いながら、次のお通しのアイデアを考えた。季節や天候、旬の食材を考慮しながら最良のもてなしを追求することは、信之にとって変わらない日課であった。神棚に手を合わせ、翌日の無事を祈りつつ、信之はまた新たな一日を迎えるため、自室へと戻っていった。
ロンバウトの近視
ローストビーフと新たな挑戦
居酒屋ノブの賑わい
居酒屋ノブは、多様な客で賑わいを見せていた。オトーシのローストビーフはその味わいが好評で、追加注文が相次いでいた。客の一人リューは、料理の技法にまで口を挟みつつ、タイショーの技術を鋭く観察していた。リューの助言は的確で、彼の正体について周囲は謎を抱いていた。
テーブル席の三人連れ
テーブル席にはハンスの兄フーゴ、ロンバウト・ビッセリンク、そして女秘書ベネディクタが座っていた。ロンバウトは眼鏡販売の行き詰まりに悩んでおり、その原因は眼鏡を使う習慣のなさだと分析していた。彼の熱心な議論の中で、商売の新たな方向性が模索されていた。
伊達巻の調理とアイデアの閃き
タイショーが伊達巻を作る様子を見たロンバウトは、「伊達」をテーマにした眼鏡の販売戦略を思いついた。ベネディクタに眼鏡を掛けさせ、見栄えを重視した「ダテ眼鏡」としてアピールするというアイデアである。この戦略は、眼鏡の新しい需要を創出する可能性を秘めていた。
試食と成功の予感
焼き上がった伊達巻はリューや他の客にも好評であった。その味わいは、客たちの笑顔を引き出し、特にベネディクタの満面の笑みが印象的であった。この笑顔と新たな販売戦略によって、ロンバウトの眼鏡事業は新たな展開を迎える兆しを見せていた。
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