漫画感想(ネタバレ)「神統記(テオゴニア) 5巻(40話~49話)」

漫画感想(ネタバレ)「神統記(テオゴニア) 5巻(40話~49話)」

どんな本?

『神統記(テオゴニア)』第5巻は、谷舞司原作、青山俊介作画による異世界ファンタジー漫画である。物語は、人間と亜人、神々が共存する世界を舞台に、主人公カイの成長と葛藤を描く。昏睡状態のエルサが目覚めることなく、季節は冬を迎えようとしていた。そんな中、ラグ村近郊の森に灰猿人(マカク)族の大群が集結する。攻め込まれればラグ村は壊滅必至。故郷を守るため、カイをはじめ村人たちは灰猿人族を迎え撃つことにする。だが、加護持ちのオルハとジョゼが突如意識を失い、戦力を欠いたラグ村は窮地に陥る。この状況を打破するため、カイはヴェジンよりある任務を与えられる。

主要キャラクター

  • カイ:ラグ村の少年兵。前世の記憶を持ち、谷の神の加護を受けている。
  • ジョゼ:ラグ村領主の娘で、加護持ち。アルビノで白髪赤目の美少女。
  • オルハ:ラグ村領主の息子で、加護持ち。
  • ヴェジン:ラグ村の領主で、土地神の加護持ち。
  • エルサ:ラグ村の少女。カイと親しく、物語の中で重要な役割を果たす。

物語の特徴

本作は、異世界転生と前世の記憶をテーマに、主人公カイの成長と戦いを描くダークファンタジーである。人類、亜人、神々が交錯する独特の世界観と、過酷な運命に立ち向かう少年の姿が読者の興味を引きつける。また、前世の知識を活かした戦術や魔法の描写が他の作品との差別化を図っている。

出版情報

  • 出版社:主婦と生活社
  • 発売日:2020年10月30日
  • ISBN:978-4-391-15524-2
  • メディア展開:2025年4月よりテレビアニメが放送予定

読んだ本のタイトル

神統記(テオゴニア)4
漫画:青山俊介 氏
原作:谷舞司 氏

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あらすじ・内容

昏睡状態のエルサが目覚めることなく、季節は冬を迎えようとしていた。
そんな中、ラグ村近郊の森に灰色猿族の大群が集結する。
攻め込まれればラグ村は壊滅必至……。

故郷を守るため、カイをはじめ村人たちは灰色猿族を迎え撃つことに! 
だが、加護持ちのオルハとジョゼが突如意識を失い、
戦力を欠いたラグ村は窮地に陥る……。
この状況を打破するため、カイはヴェジンよりある任務を与えられるが──!?

「前世の記憶」に目覚めた少年が、
亜人族との戦乱の世を駆け抜ける異端ダークファンタジー第5弾!

神統記(テオゴニア)

感想

冬が迫る中、ラグ村では薪集めが行われ、カイの怪力が村人たちを驚かせた。
彼の力は異常とも言えるほどで、村人たちは神石の影響ではないかと噂するようになる。
そんな中、領主ヴェジンはカイを州都の冬至の宴へ護衛として連れて行く計画を立て、ジョゼはこの決定に密かに喜びを覚えていた。
村では巡察使の一件も落ち着き、日常が戻りつつあったが、エルサの妹リリサは姉の行方を問い詰め、カイはその答えをはぐらかすしかなかった。

その夜、カイはリリサの家を訪れ、困窮する家族の様子を目にする。
そして、谷で薬草を探しつつ、小人族の長老ポレック老や猫人族の商人フルーと情報を交換した。
亜人世界では豚人族が異形との戦いに集中しているため、一時的に谷への侵攻は避けられていることが分かった。
これを機に、カイは谷を中心にした国造りの可能性を考え始める。

一方、灰猿人族の動きが活発化し、村人たちは不安に包まれていた。
偵察の結果、森に砦が築かれ、約1,000匹が集結していることが判明する。
村は救援を求めるが、辺土伯が来るにはひと月以上かかるため、自力で防衛せざるを得ない状況に陥る。
カイは灰猿人族の目的が土地神の奪還ではないかと推測しつつ、土砂で防壁を強化する作業に没頭した。

そして、ついに灰猿人族が村へ襲来する。村の兵士たちは防壁上で迎撃し、カイは圧倒的な戦闘力で敵を蹴散らす。
彼の怪力により戦況は有利に進み、村の士気も高まった。
しかし、灰猿人族は撤退後も包囲を続け、次なる攻撃に備えていた。

戦いの後、領主ヴェジンはカイを伴い、オルハとジョゼの病の原因を探るためエルグ村の土地神の墓所へ向かう。
そこでは灰猿人族が呪いを刻んでおり、土地神の力を封じていた。
カイと領主はこれを阻止しようと突入し、戦闘の末に呪いの解除に成功する。
しかし、これこそが灰猿人族の罠であった。
彼らは村の防備が手薄になった隙を突き、総攻撃を開始していたのである。

村では防衛戦が激化し、ご当主が不在のため劣勢に立たされる。
オルハは呪いの影響で満足に動けないまま迎撃を試みるが、不調によって不覚を取る。
そこへジョゼが救援に入り、辛うじて危機を脱した。
ご当主が帰還すると戦況は一変し、灰猿人族は包囲される形となる。
しかし、さらに外部から別動隊が接近していることが判明し、その迎撃をカイに一任することとなる。

カイは別動隊が灰猿人族の最精鋭であることを知り、圧倒的な力を解放することで、彼らを単独で撃破する。
こうして村の侵略を阻止することに成功するが、この戦いをきっかけに、人族と亜人族の対立はさらに深まっていくのであった。

総括

本巻は、ラグ村の戦いが大きな転機を迎える巻であった。
序盤は日常風景が描かれ、カイの成長や村人との関係性が深まる様子が見られたが、後半は一転して激しい戦闘が繰り広げられた。
特に灰猿人族の策略が巧妙で、単なる力押しではなく、土地神の呪いを利用した知略戦が展開された点が印象的であった。

戦闘描写は相変わらず迫力があり、カイの戦いぶりもこれまで以上に際立っていた。
偽の加護持ちとして圧倒的な力を見せつける場面や、最精鋭の灰猿人族を単独で撃破するシーンは見どころであった。
彼の強さが村人たちにとって希望となる一方で、その異質さが周囲との距離を生みつつある点も興味深かった。

また、戦闘だけでなく、政治的な動きも重要な要素として描かれていた。
巡察使の問題が片付き、村が安定したかに見えた矢先、新たな危機が訪れる流れは、権力構造の不安定さを示していた。
特に、カイが谷を拠点とすることを考え始めた点は、今後の物語の大きな伏線となるだろう。

一方で、カイが意図せず神格化されつつある様子も興味深い。
村人たちは彼を加護持ちと誤認し、英雄視するようになっているが、カイ自身はその扱いを受け入れつつも、距離を取ろうとする。
自らの立場をどう定めるのかが、今後の重要なテーマとなりそうである。

総じて、本巻は戦闘と政治のバランスが取れた濃密な内容であった。
灰猿人族の策略が人族を追い詰める展開や、カイの成長と孤立が同時に進む様子が描かれ、物語の大きな転換点となる巻であった。
次巻以降、カイがどのような決断を下し、谷をどのように発展させていくのかに注目したい。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

40話

ラグ村の薪集めとカイの怪力

冬に備えた薪集めが行われ、カイの怪力が発揮された。豚人族の武器を使い、巨大なバレン杉を倒し村へ運ぶ姿は、村人たちを驚嘆させた。彼の力は村人たちから「神石を多く摂取した結果ではないか」と囁かれ、一種の畏敬の念を抱かれるようになった。

領主ヴェジンの計画とジョゼの反応

領主ヴェジンはカイの力に注目し、州都で行われる冬至の宴への護衛として連れて行く計画を立てた。この提案を受け、ジョゼは内心で喜びの色を見せた。カイの存在は村と領主家の間で新たな動きの兆しを見せ始めていた。

ラグ村の日常の回復

ラグ村は巡察使の一行が去った後、急速に日常を取り戻しつつあった。村人たちは農作業や冬支度に追われ、暗い空気も晴れていった。そんな中、初雪が舞い、厳しい冬の訪れを予感させる光景が広がった。

リリサの嘆願

兵舎を訪れたリリサは、亡き姉エルサの墓の場所をカイに問いただした。しかしカイは、危険だから教えられないと拒絶し続けた。リリサの涙にカイは謝罪するしかなく、村の女性たちは彼の行動をエルサへの独占的な愛情と解釈した。

41話

カイの悔恨と夜の訪問

カイはエルサの家族に対して知らずに犯した無礼を悔い、夜中に彼女の実家を訪れた。リリサと母親の困窮した様子を目の当たりにし、咳止めの薬草を探しに谷へ向かった。

亜人商人フルーの訪問と谷の情報交換

猫人族の商人フルーが谷を訪れ、亜人世界の情報をもたらした。ポレック老はフルーの取引を管理し、谷の安全を確保する条件を提示した。フルーから得られた情報では、豚人族が北の異形との戦いに注力しており、そのため谷への侵攻は一時的に控えられているとされた。カイは谷を中心とした国造りの可能性を初めて考え始めた。

42話

灰猿人族の煙と村の緊張

森から立ち上る灰猿人族の煙は日を追うごとに増え、村人たちの不安を煽った。例年であれば亜人族の活動が低調になる冬季に、灰猿人たちは異例の動きを見せていた。村の領主ヴェジンは籠城戦の準備を指示し、薪を矢の材料に転用するなどの対策を進めた。一方、オルハは速戦を主張したが、ヴェジンの慎重な判断により却下された。

灰猿人族の砦と敵勢力の規模

偵察部隊からの報告で、灰猿人族が森に砦を築き、約1,000匹が集結していることが判明した。その砦は村の動向を監視できる櫓を備え、戦闘の準備が整っていた。この報告を受け、村人たちは恐怖に包まれたが、助勢を求める試みは近隣の村々に断られた。辺土伯が救援に来るにはひと月以上かかる見込みであり、村人たちは自力で戦う覚悟を固めた。

カイの思索と村の準備

カイは灰猿人族の動機を分析し、彼らが土地神を奪還しようとしていると推測した。しかし、村人たちにそのことを説明する余裕はなく、黙々と土砂で正門を埋める作業に従事した。兵士たちはカイの怪力に希望を見出しながらも、戦いの恐怖を隠せずにいた。

43話

戦闘の開始

灰猿人族の軍勢がついに村へ接近し、防壁上で待機する兵士たちは緊張を高めた。飛礫が飛び交う中、バスコの号令で大弓が一斉に放たれ、数匹の灰猿人族を仕留めた。しかし、その攻撃が敵の闘争心を煽り、灰猿人族の怒号が戦場を満たした。村の存亡を懸けた戦いが始まった。

44話

灰猿人族の猛攻と村の防衛

灰猿人族の軍勢がラグ村に襲来し、防壁に取りつき始めた。村の防壁は堅牢であったが、灰猿人の身体能力により突破が試みられる。村の兵士たちは弓や槍で応戦し、女たちは飛礫を避けながら物資や臭い汁を供給して戦いを支援した。この臭い汁は灰猿人に効果的で、多くの敵が防壁から落ちていったが、それでも敵の猛攻は続いた。

カイの活躍と防壁の防衛

防壁上では、カイが偽の加護持ちとして圧倒的な活躍を見せた。彼の怪力は灰猿人族を圧倒し、多くの敵を殴り倒した。その活躍により防壁の中央部の攻防を一手に引き受け、村の士気を大いに高めた。灰猿人たちはカイの隈取りを加護持ちと信じ、攻撃の勢いを失った。

戦いの終息と村の状況

戦いは村の善戦により第一波の攻撃を退ける形で収束した。灰猿人族の軍勢は退却を始めたが、その後も村を包囲し続けた。一方、ラグ村では防壁の被害を修復しながら戦いの準備を続行した。カイの活躍により防壁周辺の死傷者は少なく、彼の戦功が村人たちに称賛された。

45話

領主の命令とカイの出立

戦いの後、カイは領主に呼ばれ、オルハとジョゼが倒れたことを知らされる。領主はカイを伴い、二人の病の原因を探るためエルグ村の土地神の墓所へ向かった。そこでは灰猿人族が墓所を荒らしており、土地神に呪いをかけていたことが判明した。

46話

エルグ村への突入と灰猿人族の排除

ご当主様は夜陰の中、驚異的な速さでエルグ村の墓所へ駆けた。カイもその後を追ったが、冷静さを保つため距離を置いた。墓所では灰猿人族が呪いを刻んでおり、ご当主様とカイはそれらを迅速に排除した。カイは初めて『加護持ち』の力を存分に発揮し、村の防衛戦よりも効率的な戦闘に驚嘆した。

ご当主様の教えと戦略的思考の重要性

戦闘後、ご当主様はカイに『加護持ち』としての心得を説いた。無計画な突撃は命を危うくする愚行であり、冷静に選択肢を見極めて勝利の道筋を立てるべきと教えた。この教えを受け、カイは村の防衛や戦術に対する視点が広がり、『加護持ち』の本質を理解し始めた。

土地神の墓所の冒涜とその影響

灰猿人族は土地神の墓所を荒らし、呪法を用いてその力を妨害していた。ご当主様は墓所の簡易な修復と祈りを捧げ、墓所の尊厳を守る努力をした。カイは墓所を汚す行為の恐ろしさと、それが土地神や村に与える影響を痛感した。
さらに、この作戦がご当主を村の外におびき寄せ灰猿人族本隊が村を襲撃していた事を知る。

47話

灰猿人族の本隊が村の門に群がり破壊してきた侵入して来た。
防戦する兵士達。
だが、ご当主が居ない村は劣勢だった。

48話

呪われているオルハは動かない身体で迎撃に出る状況を見て逃げる事が脳裏に浮かんでいた。
そんな時に、ご当主が帰還して来て戦況が変わって行く。

49話

呪いで気を失っていた気が付いたジョゼは自身が城内の避難所にいることに気が付いた。
避難民を励まし、武装して戦場へ向かう。

ご当主が戻ってきて灰猿人族は包囲される形になってしまった。
それに対して外にいる灰猿人族の別動隊が此方に向かって来るのをご当主はカイに一任してしまう。
それを見たオルハは激高して灰猿人族へ斬りかかるが不調であるため不覚を取ってしまう。
そこに、ジョゼが救援に入り危機を脱する。

50話

オルハに救援に入ったジョゼは攻撃できたのは一撃のみだったが、形勢は逆転しており彼女の周りは安全になっていた。
村に侵入した灰猿人族は全滅。
一方、別動隊の迎撃に向かったカイは別動隊が灰猿人族の最精鋭だと知る。
力を開放して一人で灰猿人族の最精鋭を圧倒する。

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その他フィクション

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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