読んだ本のタイトル
#花菱夫妻の退魔帖 2巻
著者:#白川紺子 氏
あらすじ・内容
晴れて夫婦となった鈴子と孝冬。孝冬の裏稼業である”お祓い”に用いる十二単の霊・淡路の君を退治することに決めた鈴子は、同時に育ての親たちを殺した「松印」を持つ人物を捜していた。ある日、以前お家騒動があったと噂の多幡家の跡継ぎが、孝冬不在の花菱家を訪れて……。大正時代の東京を舞台にした悪霊退治ファンタジー第二弾!
花菱夫妻の退魔帖 二
前巻からのあらすじ
霊を祓う、先祖代々血族に取り憑いてる怨霊のようなモノ「淡路の君」に霊を喰わせる宮司でありながらも花菱男爵の地位に就いてる孝冬。
孝冬を後継にしたかった祖父が亡くなり、兄が跡を継いだ際に別の家に養子に出されたが、兄が流行感冒で亡くなり孝冬は花菱男爵家の当主となった。
そんな孝冬と出会い初対面でいきなり結婚してほしいと言われる鈴子。
彼女は生者、死者両方とも等しく映る目を持っていた。
母を亡くし、その目を利用して貧民窟で霊視出来る事を利用して浅草の千里眼少女となり生活をしていたが、彼女を孫だと言う華族と面談したら顔がソックリで彼女が血族だと疑う者は居なかった。
そして、瀧川の屋敷に住まないかと言われたが迷い浅草へ帰る途中に、共に住んでいたテイ、虎吉、銀六の霊から帰って来るな。
殺した犯人を探してくれと頼まれて瀧川家の子となった。
そんな鈴子は、結婚適齢期となり花菱孝冬に気に入られ花菱鈴子となり花菱家に住み始める。
感想
生者、死者両方が平等に見える鈴子を気に入り、鈴子と夫婦となった花菱孝冬男爵。
孝冬は鈴子に若干依存しており彼女に嫌われる事に怯えていた。
その鈴子は孝冬に取り憑いている淡路の君と呼ばれている、悪霊を食べる怨霊を退治しようと企んでいる。
そんな鈴子から、淡路の君をなるべく見せないように努力する孝冬だったが、、
鈴子からしたら相談してほしいのに、空回って苦しんでいるようにしか見えない孝冬を心配して何とかしてあげたいとも思っていた。
そんなある日。
黄昏の客人
鈴子の異母姉の双子の雪子、朝子との食事で多幡子爵家での御家騒動の末に家を出て行った庶子の長男が、60歳も過ぎて借金の催促に現れ。
それを断ったら灯籠に頭を打ち付けて死んでしまった。
その庶子の霊がほぼ毎日、夕方にボロボロの紋付袴を姿で縁側に立ち、突然襖を開けて”返せ”と叫ぶらしい。
それをされた多幡子爵は寝込んでしまい、その後体調を崩して亡くなってしまった。
それでも霊はほぼ毎日、現れては”返せ”と叫ぶ。現在は空き家になっており誰も住んでおらず霊は放置されていたが。
その屋敷を買いたいと言う者が現れたので、多幡子爵の息子が孝冬にお祓いを頼みに花菱屋敷へ訪れる。
そこから判明する多幡子爵家の庶子のカス具合はドン引きモノ。
無いわ、、
正式に婚儀を結んでいないとはいえ、お内儀さんが亡くなりそうなのに不在とか無いわ、、
そして娘を金のために売ろうとか、、後、屋敷を買おうと言い出した奴もなかなかに怪しい。
五月雨心中
新しい使用人の「わか」を雇おうとし。
現在の雇い先の藤園子爵家の伯母、青竹様(宮中の源氏名)が住む屋敷で働いているのだが、、
その屋敷は手首だけの幽霊が何かを探しているようでカサカサと這い回っているらしい。。
それを聞いた鈴子は、花菱家が経営している淡路の孤児院出身のわかを屋敷に引き取る挨拶に赴いた。
そこで這い回る手を確認したのだが、、
その手の持ち主の霊が生垣を乗り越えようと足掻いているのを発見。
その霊の除霊を藤園子爵家から正式に請けた孝冬が屋敷に乗り込み淡路の君が食べて終わる。
その後、霊は藤園子爵家の元運転手だと判明。
そして元運転手が執着していたのが、元運転手が無理心中し、大怪我をして生き残った彼女だったが、風聞を気にした子爵家から追い出され。
失意な時に、自身をそんな立場に追いやった男の霊に怯えて亡くなってしまった藤園子爵の元妻の遺髪だったと判明。
その時に、前の巻でも出て来た新興宗教の名前が出てくる。
その元妻は新興宗教にお付き合い程度に関わっていた事が判明。
鈴子が探している3人を殺した犯人も関わっていそう。
金の花咲く
鈴子の異母姉と兄、花菱夫婦を食事をした。
芝紅葉館でチラッと見た金色の刺繍の夫人が今回の霊。
以前関わった降矢の紹介で、実業家の波田が買った硯箱に取り憑いている女の幽霊を祓って欲しいという依頼。
波田はこの硯の出所を知りたいと言う。
不思議に思いながら仕事を請けて、鈴子が見た芝紅葉館で以前見た女を探す。
そして、鈴子を芸妓と間違った酔客が鈴子に絡み。
嫌がったら激昂して鈴子を襲おうしたら孝冬が反撃。
そこから一悶着と思ったら、鴻心霊学会の鴻と名乗る者が執りなした。
そして、怪我をした鈴子を看病してくれた芸妓が探してた芸妓。
鈴子の異母の千津にアゲハ蝶の家紋を使っていて最近没落した家と聞いたら。
御倉家の麻布の叔母からさらに情報を仕入れ。
さらに、以前芝紅葉館で世話をしてくれた芸妓から霊を見た者が現れたと聞いて。
その時には鈴子は、波田が依頼した硯箱の霊の正体を看破していた。
それは没落した御倉家のために70歳の老人の後妻に売られそうになり。
逃げて芸妓になった、御倉君子の姉の未央子が霊の正体だった。
君子は未央子の簪を持っていた。
踊りが好きだった君子は芸妓として売り出そうとしたが、、
客の暴力に遭いお座席に上がる事が出来なくなっており。
姉にも申し訳ないと言っていたら。。
波田が現れた。
そして、君子が暴力に遭い怪我をした時に介抱して彼女を庇ったのが波田だと知る。
そして、姉の未央子は波田に苦しんでいる君子をどうにかして欲しいとお願いしていたようで、、
波田から知り合いが経営する女学校が舎監を探していると職を紹介。
それを聞いた霊の未央子はフッと笑って消えて行った。
それを見て泣に崩れる君子。
良かったと思う反面。
女性が1人で生きて行くのが苦しい世の中というは胸が痛くなる。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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その他フィクション
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