どんな本?
満洲国の樹立と滅亡の背景をなぞりながら、現在も続く日本組織の病巣を洗い出す。
犠牲は弱い者が被り、企画立案した者はしっかり生き残り寿命を全うする。
そして歴史は繰り返す。
同じ過ちを繰り返して、、
読んだ本のタイトル
満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦著者:安冨歩 氏
あらすじ・内容
なぜだれも止められなかったのか?
混迷の中で建国され13年で崩壊した満洲国。一極集中の特異な社会、急拡大した満鉄、石原莞爾ら陸軍エリートの苦悩――成立と暴走の要因を「東大話法」で話題の著者が解明する。現代にも通ずる欺瞞の系譜が見える。
満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦
感想
元々満州とは樹齢500年を超える針葉樹が生えていた鬱蒼とした森林だったらしい。
針葉樹以外の広葉樹もしっかり生えていた自然豊かな土地で、虎や豹などがいた地帯だったらしい。
猫じゃなくて豹なんだ、、
そんな大型の肉食獣を支える生態系を維持出来るほど豊かな自然が満州にはあった。
豹が猫のようにいたか、、
猫なら可愛いけど豹は、、
大陸の自然が怖い!
そんな満州は清王朝を建てた満州族の故地であったらしく耕作地にには使わずに狩場や祭礼の土地として使っていた。
そんな土地を清朝の権威が弱まり、ロシアが居座り。
日本が戦争でロシアを追い出し。
満鉄を軍事目的に通し、世界情勢の波に乗って大豆の耕作地へと変貌し行き。
森林が地平線へと変貌してしまった。
風の強い地域でもあるので栄養豊富な土壌の喪失が深刻な気がするけど、、
凍ったり泥になつたりするから表土の喪失は無かったのかな?
窒素を溜める根粒菌を作る土地ではあっても耕作で土地は痩せ細っていったらしい。
それもわずか20年で、、
その20年間何が起こったのか?
なぜ森林だった満州が近代的な社会空間へと変貌したのか?
県城、村の配置、住民の気質などの土地柄を紹介。
何でゲリラが粘れたのかも納得。
さらに満州国へ樹立して暴走して行くエリート達の思想。
彼等の思想の根底にあるトータルウォーの概念。
それぞれのエリート達のトータルウォーへの対策への思想をと実行を紹介。
そうやって走らせた企画の暴走が止まらなくなり、企画立案したエリートが止めに入っても、彼等の薫陶を受けた次世代のエリート達が止まらなくなった状況を紹介。
そして崩壊の様子が書いてあり、敗戦濃厚となってくると逃げるエリート達。
それに巻き込まれソ連に捕虜となって連れて行かれる男性達。
その男性達を引き抜かれて取り残される女子供、老人達の話を紹介。
そんな暴走、崩壊をしたシステムが現代日本にもしっかり受け継がれていると書いてある。
そんな日本の病巣の習慣、文化を語源化して名前を付けたのが立場主義。
最後までお読み頂きありがとうございます。
動画
同著者の本
ノンフィクション
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