「50代 お金の不安がなくなる副業術」感想・ネタバレ

「50代 お金の不安がなくなる副業術」感想・ネタバレ

どんな本?

『50代 お金の不安がなくなる副業術』は、50代から始める副業の重要性とその具体的な方法を提案している一冊である。この本は、老後の経済的不安を解消するために「戦略的副業」を始めることの必要性を強調しており、特に好きなことや得意なことを仕事にしていく方法について詳しく解説している。

本書では、まず自分に合った副業を見つけるためのアプローチを紹介し、その後、起業の形態、税金対策、社会保障制度の活用法まで、幅広いテーマをカバーしている。特に、副業を通じて長期的に収入を得る方法や、最終的にひとり起業へと発展させるためのステップが丁寧に解説されている。

50代の人々に向けて、これからの人生を安心して過ごすための実践的なアドバイスが詰まっており、これから副業を始めたいと考えている人や、老後の収入を確保したいと考えている人にとって、非常に役立つ内容となっている。副業に興味がある方や、今後のキャリアを見直したい方に、ぜひおすすめしたい本である。

読んだ本のタイトル

50代 お金の不安がなくなる副業術
著者:大杉潤 氏

gifbanner?sid=3589474&pid=889458714 「50代 お金の不安がなくなる副業術」感想・ネタバレBookliveで購入gifbanner?sid=3589474&pid=889059394 「50代 お金の不安がなくなる副業術」感想・ネタバレBOOK☆WALKERで購入gifbanner?sid=3589474&pid=890540720 「50代 お金の不安がなくなる副業術」感想・ネタバレ

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あらすじ・内容

【中高年のための副業バイブル決定版!】

老後、大きな格差になる「選択の時期」が迫っています! 60歳以降、後悔しないために今すべきこと。これから5万円の昇給を目指すより、副業で月5万円稼ぐほうがはるかに簡単です。 50代からの副業で大切なのは「好きなこと」「続けられること」。長期的な視点で始める「戦略的副業」で老後の「経済格差」は解消できます! 50代から始める副業、会社にバレない「戦略的副業」の極意を徹底解説。

50代 お金の不安がなくなる副業術

感想

本書は、50代から始める「戦略的副業」をテーマに、老後の経済的不安を解消するための方法を提案している本である。著者は、副業を通じて収入源を増やし、経済格差を埋めるための具体的なアプローチを解説していた。特に、好きなことや得意なことを仕事にし、それをライフワークとして発展させることが重要であると強調していた。

この本の前半では、自分に合った副業のジャンルを見つける方法について解説されていた。後半では、起業の形態や税金対策、社会保障制度の活用、投資信託の基本についても説明されていた。著者は、50代という節目の時期に「戦略的副業」を始めることが、将来の安心を手に入れるための鍵であると述べていた。

感想としては、この本は50代の人々に向けて、自分の好きなことや得意なことを副業として始め、将来的にはひとり起業に移行することを勧める内容である。特に、収入が下がる前に自分自身で無理なく長く稼げるビジネスを見つけることの重要性が強調されていた。戦略的に副業を考えることで、好きなことを仕事にし、趣味や消費が「投資」に変わるメリットもあると感じた。

ただし、副業での具体的なマネタイズの詳細については、トライ&エラーを繰り返しながら進めていく必要があるとして、具体的な方法は多く語られていなかった点が残念であった。最終的には、ひとり起業で元気な間は収入を得るという目標に向けて、これからも挑戦を続けていきたいと感じさせる一冊であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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Nonfiction

備忘録

はじめに「戦略的副業」のススメ

日本は経済大国であるにもかかわらず、日常生活が困難であり、将来に不安を感じる会社員が多かった。これは、変動が激しく不確実な時代において、会社や年金制度に依存できないと感じているからである。この直感は半分正しかった。物価上昇に対して給料が上がらず、定年後の人生が長くなる中、すべてを会社に託すことは難しかった。公的年金制度は優れたものであったが、将来的には受給額が減少し、受給開始年齢も引き上げられる可能性が高かった。

そのような状況下で、「副業」が注目された。会社員は、専門性を活かした副業を行うことで生活費を補い、将来の年金不足を補填することが可能であると考えられた。副業により、将来の生活への不安を軽減することができた。本書では、「戦略的副業」の重要性と実践方法が紹介された。著者は会社員生活を経て独立し、多様な仕事を行っており、その経験から副業の有用性を実感していた。

「戦略的副業」とは、好きなことや得意なことを軸にし、ライフワークとなる可能性のある副業を指した。長期的視点で副業を進化させ、本業との相乗効果を発揮することが重要であった。著者は50歳を迎えた際、副業を始めることを勧めていた。

本書の構成は、年金制度の将来展望から始まり、成功する副業の種類を紹介し、最後には副業から起業への移行方法を解説した。現代においては、安定した会社や満足のいく年金だけでは難しく、多様な選択肢が求められている。50歳になったら戦略的副業を始め、安心した人生を歩むことを勧めていた。

第 1章
本格的な格差社会の到来に、副業で立ち向かえ!

年金制度の将来展望から見える「 70歳まで働く時代」

人口統計は株価や金利と異なり、予測が外れることが少なく、日本の人口減少、少子化、高齢化が今後加速することは確実であった。これにより、日本の年金制度は次の3つの点で変化が予測された。まず、労働人口が減少する一方で、新たな年金受給者が増え続けるため、年金財政が逼迫することであった。次に、「マクロ経済スライド」により年金受給額が物価上昇率に追いつかず、実質的な年金収入が減少することであった。最後に、「所得代替率」が現役時代の61.7%から50%に低下することであった。

年金制度はこれまでにも複雑な改定を重ねてきたが、5年ごとの「財政検証」によって今後も制度変更が議論されることが見込まれた。厚生労働省は6つのシミュレーションを公表しているが、現実は最悪のパターンに近い状況で推移している。年金財政を持続可能にするには、保険料の引き上げ、年金支給水準の引き下げ、年金支給開始年齢の引き上げの3つが考えられた。

具体的には、65歳支給開始が段階的に70歳、さらに中長期的には75歳支給開始に移行する可能性があった。これを受けて「70歳就業確保法」が改正され、2021年には70歳までの就業機会確保が大企業の努力義務となった。また、年金の繰り下げ受給を75歳まで可能にした。

こうした状況の中で、70歳まで働くことが当たり前となる社会において、個々の働き方が問われることとなった。著者は、好きな仕事を長く続けるライフスタイルを目指し、50代から始める「副業」でゆっくりと育てることが可能であると述べていた。

日本の少子化が止められない原因は「出生意欲の低下」だった!

日本の出生数は、2022年に80万人を下回り、7年で20%以上減少するという危機的状況にあった。藤波匠氏の著書『なぜ少子化は止められないのか』によれば、この急速な少子化の背景には若者の賃金の低迷があった。特に、バブル世代と比べて10歳若い団塊ジュニア世代の40代後半の実質年収は150万円少なく、この差が結婚や子供を持つことに対する意欲を低下させていると指摘された。

日本の平均年収は443万円であったが、正社員と非正社員の間で二極化が進んでいた。非正社員の年収は198万円に過ぎず、格差が広がっていた。このような賃金の低迷は、日本の「失われた20年」や「失われた30年」の一因とされ、労働人口の高齢化が進む中での賃金の減少は大きな問題であった。

団塊ジュニア世代が50代に差し掛かる中で、名目賃金が上昇しても、物価上昇に伴う実質賃金の上昇は難しいと予測された。このため、収入を増やすために「副業」を行うことが必要とされた。日本の少子化と人口減少のトレンドは、今後も加速する可能性が高く、年金財政はさらに厳しい状況になることが予想された。

60歳以降の働き方は多様化し、格差が拡大する

「70歳就業確保法」は将来的に大企業で義務化され、中小企業には努力義務として移行すると予測された。65歳までの雇用義務化時には、企業は定年制廃止や定年年齢引き上げ、再雇用制度導入の選択を迫られ、大半が再雇用制度を選択した。これにより、多くの社員が60歳以降は非正規社員として再雇用され、年収が大幅に下がることが一般的であった。

しかし、「70歳就業確保法」が本格的に義務化された場合、60歳以降の働き方は多様化し、格差が拡大すると予測された。会社は業務委託契約や社会貢献活動の支援など、様々な雇用条件を提示することが予想された。この法改正に伴い、大企業は50代社員に自らのキャリアを考え、開拓する「キャリア自律」を求め始めていた。

日本企業の新卒一括採用や年功序列賃金といった従来の制度は、グローバル競争の中で競争力を失いつつあった。特にメンバーシップ型のゼネラリスト育成は、技術革新の速さに対応できず、リスクとなっていた。欧米ではジョブ型のスペシャリスト育成が主流となり、日本企業でも若い世代は「自分のキャリアは自ら創る」という考えが定着しつつあった。

50歳以上の会社員には、60歳以降の大きな格差につながる選択の時期が迫っていると警鐘が鳴らされた。正解は一人ひとり異なり、各自が自分のキャリアについて考え、最良の働き方を選ぶ必要がある。主導権は会社ではなく自分にあるという認識が求められていた。

キーワードは「逆算」(バックキャスティング)

2023年のWBCで侍ジャパンを指揮し、14年ぶりに世界一を奪還した栗山英樹監督の「栗山メモ」には、「逆算」というキーワードが何度も登場していた。

この「逆算」や「戦略的思考」は、大きな目標を達成するために重要であるとされた。50歳からの「副業」においても、ライフワークをゴールにし、「逆算」で考えることが大切であると述べられた。ライフワークを展望し、長期的に育てていく「副業」は、個人の人生戦略としての「戦略的思考」が必要であるとされた。

また、最初から完璧を目指すのではなく、まずは好きなことを始め、第一歩を踏み出すことが重要であると考えられた。具体的な進め方については、今後の課題とされた。

人生のミッション(ライフワーク)とは「 IKIGAI」

「戦略的副業」とは、以下の4つの条件を満たす副業であると定義された。1つ目は、好きなこと、得意なこと、世の中の役に立つこと、収入が得られることが重なる「IKIGAI(生きがい)」を仕事にすることである。2つ目は、選択肢を多く、時間軸を長く取り、人生のミッション(ライフワーク)から逆算して副業を考える戦略的思考を持つことである。3つ目は、世の中の変化に対応し、リスキリングを重ねて副業を進化させる長期的視点で取り組むことである。4つ目は、結果として本業にもプラスの効果をもたらし、相乗効果が発揮されることである。

著者は、幸福学の第一人者である星渉氏と前野隆司教授の共著で紹介されている「IKIGAIベン図」を通じて、この考え方を知った。図では、好きなことと得意なことが重なるのが「情熱」、得意なことと収入が得られることが重なるのが「専門性」、収入が得られることと世の中の役に立つことが重なるのが「天職」、世の中の役に立つことと好きなことが重なるのが「使命」とされた。これらが重なる部分が「生きがい」であると考えられた。

著者は、人生のミッションを考える際に「幸せの4つの因子」に基づいて考えることを推奨していた。その中でも特に「ありがとう(つながりと感謝の因子)」を重視し、自分の人生のミッションを見つけることがIKIGAIの発見につながると考えた。

著者自身は、ビジネス書の素晴らしさを世界中に伝えることを人生のミッションとして見出し、55歳の時に無報酬の副業としてブログを開設し情報発信を始めた。そこから独立起業し、研修講師や経営コンサルタント、ビジネス書作家としての道を歩んだ。著者は、自分のIKIGAIを見つけ、それを軸にビジネスを進化させていくことの重要性を強調していた。

戦略的副業は、選択肢の数と時間軸の長さがポイント(ここ重要!)

「戦略的副業」とは、選択肢を多く持ち、長期的な視点で取り組むことであると定義された。特に50歳から始める副業は、人生の最終目標である「ライフワーク」から逆算して考える戦略的思考が重要であるとされた。短絡的に副業を選ぶのではなく、選択肢を広げ、時間をかけて副業を進化させることが求められた。

選択肢を多く持つとは、これまでに培った知識、経験、スキル、人脈を細かく分析し、自分ならではの特徴や強みを見つけ出すことであった。また、自分の経験を組み合わせたり、マーケットを絞り込んだりすることで、他の人にはない独自性を持った副業を考えることが推奨された。

副業を進化させるためには、社会のニーズに対応し、必要なスキルをリスキリングすることが大切であった。また、すぐに結果が出なくても、まず始めることが重要であり、PDCAサイクルを高速で回しながら進化させることが成功への鍵とされた。

さらに、副業は本業との相乗効果を発揮することが理想であり、本業に支障をきたさないように進めるべきであるとされた。本業の安定収入を活かし、時間をかけて副業を育てていくことで、成功の可能性が高まると考えられた。遠大なライフワークのビジョンを持ちながらも、気軽に副業に挑戦することで、より良いアイデアが生まれ、成功する可能性が高まるとされた。

戦略的副業は、長期的な視点で取り組む

「戦略的副業」の3番目の定義は、「リスキリングを重ねて副業を育てていくこと」である。技術革新が速く、先行きが不透明な社会において、副業も世の中のニーズに合わせて進化させる必要がある。重要なのは、100%の準備ができなくても、ある程度の自信があれば行動を開始することである。完璧を求めすぎると、いつまでたっても副業を始められないため、まずは動き出すことが大切である。

副業を始めたいが決断できない人は、完璧な計画を立てようとしすぎる傾向にある。致命的なリスクがない限り、ある程度の試行錯誤を受け入れ、徐々に副業を形にしていくことが重要である。多くの会社員が副業を始める際のアドバイスとして、やっていて楽しい「好きなこと」を副業にし、最初から大きな投資を避けることが推奨された。

副業を長期間続けることで、クライアントのニーズを理解し、自分の情報発信が広まることで成果が出始める。特に3年目からビジネスが立ち上がり始め、4年目には成長が加速するケースが多い。継続することが重要であり、多くの人は2年で結果が出ないと諦めてしまうが、続けることで徐々に目立ってくる。

発信を続けるためには、「楽しいこと」を副業にすることが最大の秘訣である。好きなことを楽しみながら続けることで、長期的に大きな成果が得られる。著者自身も、ビジネス書の書評ブログを10年間続け、3200冊以上の書評記事を公開し、大きな成果を得た。(スゲェ、、俺、まだココの半ばだ)

また、副業を始める際には大きな投資を避けることも重要である。致命的な失敗を避け、心に余裕を持ちながら続けることで、アイデアが浮かびやすくなり、ビジネスモデルを修正しながら成功に近づけると考えられた。

副業は本業とともに伸ばすべきもの

「戦略的副業」の4番目の定義は、本業との相乗効果を高めることである。うまくいっている副業は、結果的に本業にもプラスになることが多い。これは、主に次の2つの理由によると考えられる。

第一に、本業で培った知識やスキルを活かせる副業を選ぶことで成功しやすくなるからである。本業と関連する副業は相乗効果を発揮しやすく、互いに得られるヒントを活かすことができる。

第二に、本業に支障をきたさないペースで副業に取り組むことで、長期的な視点を持ちながら進められるためである。本業と関連のない副業を行うと、思考の切り替えに時間がかかるが、関連する副業なら普段からアイデアを考えられる環境が整いやすい。

これらの理由から、本業に影響を与えないような時間配分での副業を勧めており、本業での専門性を活かさない副業はうまくいきにくいとされていた。相乗効果を意識せずとも、結果的に本業と副業が互いにプラスになるような取り組みが成功の鍵と考えられた。

次章では、具体的に成功しやすい副業のカテゴリーについて述べるとしている。

また、日本の少子化が進行し、年金財政が悪化する見込みのため、年金支給開始年齢が段階的に70歳に移行し、70歳まで働く時代になることが予想された。60歳以降の働き方は多様化し、格差が拡大するため、50歳からの「戦略的副業」でこの時代を乗り切ることが重要とされる。

戦略的副業の要点は、以下の4点である:

1. **IKIGAI(生きがい)を仕事にする**:好きなこと、得意なこと、収入が得られること、世の中の役に立つことが重なる「IKIGAI」を仕事にする。

2. **選択肢を多く、時間軸を長く**:多様な選択肢を持ち、長期的な視点で取り組む。

3. **長期的視点で取り組む**:長い時間をかけて副業を育てる。

4. **本業と相乗効果**:本業と副業が互いにプラスになるようにする。

人生のミッションは、IKIGAIベン図の通り、4つの要素が重なる「IKIGAI」であり、戦略的副業を考える出発点とされる。

第 2章  成功する副業は3つに集約、まずは「物販ビジネス」

成功する副業は、リスクが少なく長続きするものであり、以下の3つのカテゴリーに集約された。これらのカテゴリーは、坂下仁氏の著書『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい』の分析結果に基づいている。

1. 物販ビジネス  
2. 賃貸ビジネス  
3. 情報ビジネス  


これらの副業の選択肢は、それぞれの人の個性や得意・不得意により異なり、一般的には物販や賃貸ビジネスが始めやすいとされていた。著者自身は物販には向いていなかったが、情報ビジネスでは多くのアイデアが湧くことを強調していた。

物販ビジネスの例として、ヤフオク!やメルカリを利用した「せどり」が挙げられた。これらのプラットフォームを使って不要品を売ることから始め、在庫を抱えての販売を行うことで、継続的な利益を追求することが推奨された。

また、「越境EC」は日本の商品を海外へ販売するビジネスであり、特に円安が進む中で有望と考えられた。日本の高品質な商品は海外で人気があり、英語での出品が得意であればライバルが少なく成功しやすいとされた。

副業で成功するためには、以下の共通点が重要であるとされた。

1. 継続すること  
2. 小さいことを積み重ねること  
3. すべて自分でやることが苦ではないこと  

荒井智代氏の例では、調べることが好きで、そのスキルを活かしてeBay輸出で成功した。好きなことを副業にすることで、行動しやすくなるとされた。

副業を始める際には、会社員としての本業と関連性を持たせることが推奨された。これにより、本業と副業の相乗効果を発揮しやすくなる。副業は、試行錯誤を繰り返しながら消費者のニーズを理解し、成功へとつなげるものである。副業はそれぞれの人のオリジナリティを持ち、細かく見ればマネタイズのポイントは異なるため、活動自体を楽しむことが重要とされた。

また、長期的には副業をライフワークに育てることを目指し、「好きな仕事」を選ぶべきであるとされた。

物販ビジネスは誰でも始められるが、差別化が難しいとされている。しかし、オンリーワンの副業を目指すことが推奨された。物販ビジネスにおいて、商品の範囲、ターゲット顧客、情報発信の方法などで他と差別化することで、独自性を持つことが可能である。

藤原和博氏が提唱する「クレジットの三角形理論」は、100人に一人の専門性を3つ組み合わせることで、100万人に一人の希少性を持つ存在になることを目指す手法である。この理論は再現性があり、1つの専門性だけでトップに立つのは難しいが、異なる3つの専門性を組み合わせることでオンリーワンになれるとされる。

著者は、この理論を実践し、ビジネス書、財務戦略、多彩な発信力の3つの専門性を組み合わせ、オンリーワンの存在としてビジネスを展開している。専門性は10年単位で作り上げるものであり、好きなことを中心に据えることで継続しやすいと述べられていた。

物販ビジネスでは、「越境EC」が有望であると考えられる。特に、日本のモノを海外へ輸出するビジネスが注目されており、円安の進行がこのビジネスの可能性を広げている。eBayを利用した輸出ビジネスが成功している例があり、特に自動車部品やカメラなど、日本製品の需要が高いとされた。

荒井智代氏は、調べることが好きで、リサーチ力を活かしてeBay輸出で成功した。彼女の経験から、副業で成功するためには、素直に学び続け、小さな成功を積み重ねることが重要であるとされた。

副業を始める際には、好きな仕事を選ぶことが行動のハードルを下げ、長続きさせるための秘訣とされる。また、選択肢を多く持ち、試行錯誤を楽しむ姿勢が大切であり、本業と関連性を持たせることで相乗効果を得ることができる。

長期的に稼ぎ続けるためには、3つの専門性を組み合わせ、オンリーワンの存在になることが重要であり、1つの専門性を身につけるには10年単位で取り組むことが求められる。「成功曲線」を念頭に置き、諦めずに継続することが成功の鍵とされた。

第 3章  会社員の信用力を活かせる「賃貸ビジネス」

賃貸ビジネスの中で、特に「大家業」は伝統的な副業であり、資金繰りと立地が重要な要素である。資産家が相続税対策でアパートを建設し、賃貸するケースが一般的である。また、住宅ローンの普及により、会社員も賃貸用不動産を購入しやすくなったが、不動産は高額な投資となるため、リスク管理が必要であった。

坂下仁氏の著書によれば、大家業の成功には「資金繰り」と「立地」が重要であるとされた。資金繰りは、家賃収入と経費、借入金返済を月次ベースで管理することが求められた。立地については、空室リスクを減らすために自分がよく知っているエリアに投資することが推奨された。

新しいタイプの賃貸ビジネスも注目されており、例えば「都市型トランクルーム」や「レンタルスペース投資」がある。トランクルームは高利回りが期待でき、手間がかからず、安定的に稼働するビジネスである。レンタルスペースは時間貸しで、物件を持っていなくても可能なビジネスで、特に写真撮影が得意な人に向いている。

不動産以外にも、自家用車やキャンピングカーのレンタルなどが賃貸ビジネスとして注目されている。キャンピングカーのレンタルは、コロナ禍で人気が高まり、観光需要の回復とともに収益性が向上した。

賃貸ビジネスの成功には、自分の好きなことや得意なことを活かし、独自性を持たせることが重要である。また、副業は本業に支障をきたさない範囲で行うことが求められ、時間のコントロールができるモデルを構築することで、時間生産性と総収入を比例させることが可能である。

第 4章  副業の本命は「情報ビジネス」

情報ビジネスの市場規模は無限大

物販や賃貸ビジネスと異なり、情報ビジネスには市場規模の制限がなく、コストも低いため、会社員の副業として有望であった。情報ビジネスは種類が豊富で、市場規模が無限大であることから、利益率を高くしやすいビジネスとして評価されている。

中小企業庁の調査によれば、会社員が独立する際の人気職種は「コンサルティング業」と「営業代行」である。これらは本業で培った知識やスキル、人脈を活かせるため、副業としても有望であった。コンサルティング業は顧客の問題解決に直結する仕事であり、営業代行は売上向上に課題を抱える企業にニーズがある。

副業初心者に対しては、「ランサーズ」や「クラウドワークス」といったクラウドソーシングサービスを利用する方法が推奨されていた。これらのプラットフォームは、リモートワークが可能な多くの職種を提供し、手数料が発生する仕組みであった。

資格がなくても始められる職種としては、ガイドやインストラクター、コーチなどがあり、観光地でのガイドや初心者向けの指導教室が人気である。プロ向けのインストラクターは実績が必要だが、初心者向けの教室は親しみやすく、需要が高い。特に、技術を少し先んじた中級者が教えることで、人気を集めることができた。

在宅ワークの急増に伴い、心身の不調を訴える人が増加したため、ヨガやマインドフルネス、アウトドア活動などが注目されるようになった。手軽に始められる運動や楽器演奏は、ストレス解消の手段として人気が高まった。

このような状況で、副業として指導教室やコミュニティ運営が行われ、自分の得意分野を活かしながら楽しみながら取り組むことができる。特に中高年に人気のウクレレ教室など、手軽に始められる活動が注目された。

また、食の分野でも手作りパン教室や時短料理教室が人気で、これらは副業レベルから始めた情報ビジネスの成功例であった。

地方では首都圏の副業人材の活用が進められており、特にICTに強い人材が不足しているため、地元企業や店舗にとっては貴重な存在となっている。伊豆半島で行われたプロジェクトでは、副業人材と地元経営者のマッチングが成功し、新規事業や社員の活性化に期待が寄せられた。

情報ビジネスの成功には「情報発信」が重要であり、自分が提供する商品・サービスをブログやクラウドソーシングプラットフォームで発信し続けることが求められた。特に、ターゲットとなる顧客に役立つ情報を提供し続ける「コンテンツマーケティング」が効果的である。

ブログはストック型メディアで「人生の母艦」

ブログの毎日更新は理想であり、情報が頻繁にアップされるサイトは興味のある人々から繰り返し訪問されるものである。ブログのテーマに関連するビジネス書の書評や紹介記事を書くことで、ネタに困らず、サイトの信頼性も向上するというアドバイスがある。ブログの始まりは2013年で、約10年間、ほぼ毎日更新し続け、3,466記事、3,241冊の書評を掲載してきた。ブログ開設当初は記事の質が低く、備忘録的な内容であったが、起業後にサイトをリニューアルしてからアクセスが増加し、より読まれるブログとなった。

ブログの開設は、無料ブログプラットフォームであるアメブロが簡単だが、商業利用が禁止されているため、ワードプレスを用いた公式サイトの開設が推奨される。また、noteのような有料記事を配信できる仕組みもあるが、情報発信ポータルとしてはワードプレスの方が適している。ブログはストック型メディアであり、記事が蓄積され、過去の発信にアクセスしやすい特徴がある。SNSのフロー型メディアとは異なり、ブログは日付順やテーマ別に整理され、どの程度の記事が蓄積されているかが一目で分かる。ブログの継続的な更新は、発信者の活動を明確に示し、「ブログは人生の母艦」であると考えられている。

YouTubeは最強ストック型メディアだが発信の負荷が大きい

YouTube動画は情報発信の最強ツールであるとされ、次の三つの理由からその価値が評価されていた。第一に、動画は圧倒的な情報量を伝えられ、視聴者の満足度が高かった。第二に、YouTubeがGoogleのグループ会社であるため、検索で上位に表示されやすく、アクセスを集めやすかった。第三に、動画はストック型メディアであり、過去の配信も再生されやすいという利点があった。

著者がYouTubeチャンネルを開設したのは、鴨頭嘉義人の著書『カンタンに売れるのになぜ YouTubeをやらないんですか!?』を読んだことがきっかけであった。ビジネス書からの影響を受けて、新しいことにチャレンジすることが多かった著者は、YouTubeの競争力と将来性に衝撃を受け、動画配信を始める決意をした。

しかし、YouTubeの動画制作には多くの手間がかかり、身なりの整えや音の遮断、採光の調整、編集作業などが負担であった。著者は毎日動画をアップするという目標を150日間続けた結果、オーバーワークで体調を崩し、不定期の更新に切り替えた。また、多くの人気YouTuberはプロのスタッフがついており、素人が一人で戦うには難しいフィールドになっていた。

それでも著者のチャンネルは1270人の登録者を獲得しており、素人感のあるチャンネルでも観られていた。結論として、副業としてYouTubeを利用するには負担が大きいため、事業が軌道に乗った後に外注を検討するのが良いとされた。ただし、動画制作に興味や得意がある人は、楽しみながら積極的に行うべきであると述べていた。

これからの注目すべき情報発信ツールは「音声配信」

2023年2月、大杉氏は音声配信の「stand.fm」を始めた。研修会社の管理職から、「声がよく通るので音声配信に向いている」との助言を受けたのがきっかけであった。YouTubeでの動画配信時には、動画の編集が手間であると感じていたため、音声のみで勝負する方が自分に合っていると考えた。

アメリカでは既に音声配信が注目されており、ポッドキャストは質の高い配信が多く、ピューリッツァー賞を受賞する番組も存在していた。日本でも「Voicy」で配信するビジネス書作家やインフルエンサーが増加している中、大杉氏は手軽に配信ができる「stand.fm」を選んだ。

「stand.fm」の魅力は、スマートフォン一台で簡単にクリアな音声を配信でき、編集も容易である点にあった。また、配信者とリスナーが一体となるコミュニティが温かい雰囲気であることも特徴であった。

大杉氏は「大杉潤の出版応援ラジオ」という番組を持ち、毎日配信を続けて多くのリスナーに聴かれていた。また、配信ごとの再生数を確認できるアナリティクスツールも充実しており、スマートフォンだけで簡単に分析できる点が利点であった。

詩の朗読コミュニティや Audible Kindle作家も誕生!

音声配信は、スマートフォン1台で手軽に始められ、多くの会社員や主婦が副業として取り組んでいた。画像がない音声のみの媒体では、話し方に人柄が反映され、温かみや人間性が伝わりやすいとされている。「ここいまポエム」は、詩の創作活動を通じて共感を呼び、音声配信「stand.fm」内で広がりを見せた。ここいま氏は、配信活動が評価され、「stand.fmパートナープログラム」に認定され、収益化の道を歩んでいた。

一方、飛立未鳥氏は、言語聴覚士としての経験を活かし、Kindle本の出版と音声配信を軸にビジネスを立ち上げた。飛立氏は音声配信を通じて自己表現や人とのつながりを深め、Kindle出版やAudible配信の活動を続けていた。彼は、音声配信とブログ記事の連動により、視覚と聴覚の両方で情報を提供し、理解を深める取り組みを行っていた。飛立氏の番組は「文字と音声で癒す」をテーマにしており、多くのファンからの支持を受けている。

Interview
森田創氏
首都圏副業人材と地方企業のマッチング
森田創- 49歳

森田氏は、1974年神奈川県生まれで、東京大学を卒業後、東急に入社し、海外事業や新規事業の立ち上げを担当した。2019年に日本初の観光型MaaSを伊豆で立ち上げ、2021年には合同会社うさぎ企画を設立し、独立した。彼は、地元の経営者と首都圏の副業人材をマッチングするプロジェクトを成功させた。このプロジェクトでは、17社中14社が首都圏副業人材を活用し、成果を上げた。

森田氏は、副業成功のためには、地元企業のニーズをしっかりリサーチし、ITスキルを持った若者を活用することが重要だとした。彼自身、副業を始めた際には「自分の中にあるスキル」を見つけることが大切だと感じた。彼の事業は「人づくり」「足づくり」「場づくり」の三本柱を基に展開されており、今後は海外展開も視野に入れている。森田氏は、交通とコミュニティを組み合わせた地域活性化を進める人材として、国内外での活躍を目指している。

Interview
ここいま氏音声配信で創作ポエムの朗読を広げてビジネスに
ここいま- 40代前半

2020年12月からポエムやエッセイの執筆、ブログ運営、音声配信を始めた。音声配信プラットフォーム「stand.fm」のパートナープログラム(SPP)にも参加した。新卒で正社員として入社した会社で販売業務を担当し、店長としての実績を上げたが、環境に適応できず1年3か月の休職を経て退職した。休職中に書き始めた「3行日記」がポエム創作のきっかけとなり、現在は別の販売職をしながら副業として活動を継続している。

幼少期から作文や日記が好きで、文章で人を動かすことを理解していた彼は、エッセイコンテストでの入賞経験も持っている。最初の仕事は、顧客とコミュニケーションを取りながら心を豊かにする販売業務に魅力を感じたため選んだ。だが、BtoBの仕事に移り、心療内科に通院することになった。その後、パートタイムで接客・販売を始めたが、給与の格差に驚き、副業を考えるようになった。

彼は、音声配信「stand.fm」での収益チャンネル申請を通じて、メンバーシップ配信やギフトを受け取り、組織に依存しない働き方の可能性を見出した。創作活動として「ここいまポエム」をWebサイトで公開し、音声配信での「朗読フリー」宣言によりファンコミュニティが自然と形成された。

今後の展望としては、健康を第一に考えつつ、音声配信がさらに普及する中で「ここいまポエム」を広めたいという願望がある。副業としての目標は年間20万円を超える収益を目指し、活動を育てていくことである。「ここいま」というニックネームは、マインドフルネスの「いまここにいます」から取られており、自分の得意分野を掛け合わせたオンリーワンの活動を続ける意欲を持っている。

Interview
飛立未鳥氏音声配信から Audible Kindle作家に
飛立未鳥- 41歳

1974年に神奈川県で生まれた人物は、専門学校を卒業し、言語聴覚士として病院に勤務した。専門は成人の失語症や高次脳機能障害、摂食嚥下障害であった。最初の病院勤務時に結婚し、産休・育休を経て転職したが、うつ病のため休職し退職した。その後、パートで病院に勤務しながらKindle本の出版を始め、さらに音声配信プラットフォーム「stand.fm」で配信を開始し、Kindle本のAudible配信にも挑戦した。

彼女は小さいころから音楽を聴くことや歌を歌うことが好きであり、アカペラや人の声に興味を持っていた。また、本やマンガ、ドラマを見ることや、人の世話を焼くことも好きであった。彼女は、手話通訳士の講演に感銘を受けたことや、医療系に興味があったため、国家資格である言語聴覚士を目指すことにした。

うつ病で退職した後、彼女は「このままで終わりたくない」という思いから、Kindle本を出版して自分の経験を活かし、誰かの役に立ちたいと考えるようになった。本を書くことに興味があり、自分の好きなことを活かして副業を始めた。彼女はパソコン操作が苦手であったが、友人の助けを借りて克服した。Kindle作家のコミュニティに馴染めず、売上には苦労したが、普段から繋がっている人々との関係を大切にして活動していた。

彼女は現在、副業の収入を上げて独立起業することを目指し、以下の行動を行っていた。

1. KindleとAudibleの活動
2. 公式サイトの開設
3. ブログ記事の執筆
4. 夢を書き出し、見失わないようにする
5. 書きたい内容を深掘りする
6. メモ帳を持ち歩き、思いついたことをメモする
7. 音声配信「stand.fm」を毎日配信

音声配信では、人との繋がりを大切にし、自己鼓舞や情報収集を目的としていた。副業で生計を立てるためには、自分の信念を持ち、諦めずに楽しむことが重要であると感じていた。副業を始めたいが一歩を踏み出せない人に対しては、「まず、やってみる」というスタンスが大事であると述べている。Kindle本の出版が達成感を与え、自己肯定感を高めてくれると考え、行動することの重要性を強調していた。

Chap. 4のポイントは以下の通りである。

– 情報ビジネスの市場規模は無限大であり、副業初心者でもクラウドソーシングのプラットフォームに登録することで気軽に始めることが可能である。
– ビジネスの基本は「顧客の問題解決」であり、手軽さと心身の健康が重要なキーワードとなっていた。
– 首都圏の副業人材を活用することが地方創生の切り札になり得ると考えられていた。
– 情報ビジネスの核心は「情報発信」であり、ストック型メディアであるブログは「人生の母艦」となり得る最も有効なツールであるとされた。
– YouTubeは最強のストック型メディアであるが、発信の負荷が大きいことが課題であった。
– 今後注目すべき情報発信ツールとして「音声配信」が挙げられていた。
– 音声配信ツールからは詩の朗読コミュニティやAudible Kindle作家が誕生していることが示された。

第 5章  副業や節税で得た資金を積立投資で着実に増やす

Chap. 5では、投資を副業の「ターボ・エンジン」として活用する方法が述べられていた。

– 投資を「一攫千金」として考えるのではなく、副業で得た余裕資金を用いて着実に資産を増やす手段とすることが成功の鍵であるとされた。
– 投資は、余裕資金で行うべきであり、リスクのない投資はリターンも少ないため、高利回りの商品は詐欺の可能性が高いと注意喚起されていた。
– 効果的な投資法として「ほったらかし投資」が推奨されており、特に「積立投資」が再現性のある方法として紹介された。
– 投資の基本原則として、「長期・分散・積立」および「手数料の安い商品」に投資することが重要であると強調された。
– おすすめの投資商品として、米国株の「S&P 500インデックス投信」が挙げられ、その理由として米国経済の優位性とパフォーマンスの高さが示された。
– 投資商品は手数料の安さを重視し、複数のインデックスファンドに分散して投資することが推奨された。
– 投資において重要な「複利運用」は、配当を元本に組み入れて再投資することで長期的な資産形成を可能にする手法であると説明された。

税金のコントロールが投資や事業の成功に重要であると述べられていた。

– 「脱税はせず、可能な限り節税をする」という基本スタンスが強調され、「つみたてNISA」が推奨された。つみたてNISAは、手数料が安く、長期・分散・積立に適した制度で、非課税枠が増加する2024年からの新制度が日本の資産形成を変える可能性があると考えられた。
– 副業や事業所得が発生する場合、キャッシュを手元に残すための節税スキームの活用が重要であるとされた。特に「小規模企業共済」や「経営セーフティ共済」などの制度が紹介され、これらはフリーランスや小規模企業経営者にとって有益な退職金準備の手段であると説明された。
– 資産を使い切る「ゼロで死ぬ」人生設計についても述べられ、資産を適切に取り崩しながら充実した生活を送るために「資産活用」の技術が重要であると指摘された。
– 妻の基礎年金を「理論最高値」にすることが、妻がひとり暮らしになった場合に備えて重要であると述べられ、夫婦で年金戦略を立てることが推奨された。

以上のポイントを踏まえ、税制の専門家との相談を通じて、適切な資産管理と節税を行うことが推奨された。

Chap. 5では、投資を「副業のターボ・エンジン」として活用し、資産を増やす方法が述べられていた。

– 投資は「長期・分散・積立」の3大原則に基づき、ドルコスト平均法を用いることが推奨された。毎月一定金額を積み立てることで安定した資産形成が可能であるとされている。
– 手数料の低いインデックス投信、特に米国株S&P 500インデックス投信が勧められ、パフォーマンスを低下させる分散投資(先進国株、世界株、8資産均等型)を避けるべきだとされた。
– 「複利運用」の活用が資産形成には欠かせない鉄則であると強調され、資産運用のパフォーマンスを最大化するための鍵とされた。
– 税金管理の重要性も指摘され、「つみたてNISA」が非課税であり、手数料が安い商品しか選べないため、大きな失敗を避けることができると推奨された。
– 2024年1月からの新NISA制度は、日本人の資産形成に大きな変革をもたらすと考えられ、非課税枠の拡大が期待されている。
– 副業やフリーランスでは、小規模企業共済や経営セーフティ共済などの節税スキームの活用が資産管理に有利であるとされている。
– 「ゼロで死ぬ」という人生設計には、「資産活用」の技術が重要であり、資産を効率的に使い切ることが豊かな人生に繋がると述べられた。
– 妻の基礎年金を480か月満額納付し、10年繰り下げ受給することで「理論最高値」にすることが推奨された。これにより、パートナーがひとりになった際の年金収入を最大化することができる。

第 6章  副業から「ひとり起業」に移行する方法

『フリーランス&副業で働く!実践ガイド』というムック本が注目を集めていた。2023年4月に「フリーランス新法」が成立し、フリーランスの働き方が変化し、価値を提供できるフリーランスや副業従事者が働きやすい環境が整備されつつあった。同書で示されたポイントは以下の通りである。

1. フリーランスは、弱い立場から社会に不可欠な存在へと変化した。
2. コロナ禍でフリーランスや副業の数が増加した。
3. 60歳以上が全員フリーランスになる時代が現実味を帯びてきた。
4. 「キャリア自律」の意識が広がり、働き方の多様化が加速していた。

2020年の『フリーランス実態調査』によれば、国内のフリーランス人口は462万人で、そのうち本業が214万人、副業が248万人であった。フリーランスの年齢構成は60歳以上が最も多く、40歳以上のミドルシニアが7割以上を占めていた。これからの時代、40歳以降のミドルシニアにとって副業を軸としたフリーランスは重要な選択肢となり得る。フリーランスを選択した理由として、「自分の仕事のスタイルで働きたい」(57.8%)、「働く時間や場所を自由にする」(39.7%)、「収入を増やす」(31.7%)が挙げられていた。

フリーランスの働き方に対する満足度は「仕事上の人間関係」(85.7%)、「就業環境」(82.9%)、「プライベートとの両立」(81.8%)が高かったが、「収入」に関しては37.4%と低かった。50歳から戦略的副業を始め、定年後は「ひとり起業」に移行することが推奨された。長く働くことで、老後の「お金」「孤独」「健康」の不安が軽減されるとされた。

定年後の働き方としては、「雇われない働き方」に移行し、好きなことを仕事にする「定年ひとり起業」が勧められた。定年前後に副業を始め、60歳以降はフリーランスとして働く「最強のキャリアプラン」が提案された。副業を通じて、好きなことが本業になるかどうかを試し、失敗してもリスクがないとされた。

「トリプルキャリア」の考え方では、働く期間を以下の3つに分けた。
1. ファーストキャリア(23歳~57歳)会社員
2. セカンドキャリア(57歳~75歳)フリーランス
3. サードキャリア(75歳~100歳)ライフワーク

これにより、安定した収入を得ながら、厚生年金を確保し、長く働くための「キャリア自律」が進められた。セカンドキャリアでは、収入の安定性がないため、複数の収入源を持つ「収入の複線化」が重要であるとされた。会社員の副業も「収入の複線化」の一環であり、戦略的副業として位置づけられる。トリプルキャリアの考え方でキャリア自律を進め、ライフワーク副業を見つけることが重要であるとされた。

「好きなことを仕事にする」という考え方が成功の鍵である。副業やフリーランス、ライフワークで成功するためには、好きなことを選ぶことが重要であった。好きなことを仕事にすると、継続が容易であるため、結果が出ない期間も続けられる。多くの人は「好きなことでは稼げない」と考えるが、これは思考法の問題である。ロジカルに「どうすればできるか」を考えることで、好きなことを仕事にできる可能性がある。

ロジカルな思考では、「自分」と「未来」にフォーカスし、「どうすればできるか」を考える。多くの会社員は好きな仕事を経験していないため、「好きなことを仕事にする」という発想が難しいが、ロジカルに考えれば可能性は広がる。好きなことを仕事にすることで、趣味が「消費」から「投資」に変わる。自分が好きなことにお金と時間を使うことで、それが仕事としての価値を持つようになる。

「プロティアン・キャリア」という考え方が注目されており、自己成長を目指す生き方として推奨されている。副業は「変幻自在なキャリア」への第一歩とされ、好きなことを仕事にすることで理想のライフスタイルを実現することができる。「コト(体験)を売る」から「ライフスタイルを売る」時代が到来しており、自分のライフスタイルを発信して収益化することが重要である。

ビジネスモデルとして「ノマド&ブランディング」を掲げ、好きな場所で好きなライフスタイルを実現し、それを発信することでビジネスにつなげることができる。今後のマーケティングは、「生き方やライフスタイルを売る」方向に進むと考えられる。人生の後半を充実させるために、50代から好きなことにフォーカスして戦略的副業を始め、将来的にフリーランスとしてのセカンドキャリアに進み、75歳からのサードキャリアでは理想のライフワークを実現することが推奨されている。

Interview
大谷裕幸氏趣味のカメラから本業を活かしたトヨタ式コンサルまで
大谷裕幸- 64歳

1959年に愛知県で生まれたこの人物は、南山大学外国語学部英米科在学中にアメリカのイリノイ州に交換留学生として滞在していた。トヨタ自動車に入社後、広報部で海外からのVIP受け入れや記者対応を担当し、その後、カナダ・トロントに家族とともに5年間駐在しながら旅行を楽しんだ。2022年に退職し、株式会社PROTEAN HIROを設立し、キャリアコンサルタントやフォトグラファーなど多岐にわたる事業を展開した。

英語が得意で、トヨタ自動車に入社したが、定年近くで『副業するならカメラマン』という本に出会い、副業として出張カメラマンを始めた。キャンピングカーのレンタルや翻訳などの副業も展開し、集客に苦労しながらもマッチングサイトを活用して成功を収めた。

副業を始めるにあたってのアドバイスとして、自分が好きで得意で需要があることを見極めることを推奨し、失敗を恐れずにいろいろ挑戦することが重要であると述べた。副業を本業に育てるには、投資や借金を避け、生活設計を崩さないことが成功の要因であると語った。

現在はキャリアコンサルタントや業務改善コンサルタント、英語教師、日本語教師、出張カメラマン、キャンピングカーのレンタルの6つの仕事を楽しみながら行い、75歳まで続けたいと考えている。その後は八ヶ岳の別荘を拠点に写真撮影を続け、写真展や写真集の出版にも挑戦したいという夢を抱いていた。

Chap. 6 では、フリーランスの立場が弱いものから社会に不可欠な存在へと変化しつつあることを示していた。特にコロナ禍でフリーランスや副業が急増し、60歳以上が全員フリーランスになる時代が現実味を帯びてきた。キャリア自律の意識が広がる中で、働き方の多様化と変化が加速していた。

副業から「ひとり起業」へ移行することが最強のキャリアプランとされ、働く期間を三つに分ける「トリプルキャリア」が長く働き続ける秘訣とされた。好きなことを仕事にすることが成功の鍵であり、すべての消費が投資に変わるという計り知れないメリットがあると述べられていた。

また、変幻自在の「プロティアン・キャリア」という生き方が注目されており、自分のライフスタイルをお金に換えることが究極の情報ビジネスであると強調されていた。

おわりに  副業をライフワークにするプランドハップンスタンス

この本は著者の7作目の新刊であり、最新の情報や知見を盛り込んでいた。著者は、音声配信「stand. fm」による情報発信と「資産活用」の技術の二つの新たな知見を得たと述べていた。

音声配信については、スマホ一台で簡単に配信できる操作性や、配信者とリスナーが一体となっているビジネスモデルの将来性を感じていた。アメリカではポッドキャストが事業として確立しており、日本の音声配信市場も今後成長すると予測していた。

「資産活用」の技術については、『60代からの資産「使い切り」法』から大きな示唆を得たとしており、この本がキャリア形成や資産活用において重要な書籍であると評価していた。

また、人生を通して長く続けられる「戦略的副業」を勧め、その中で「プランドハップンスタンス・セオリー」が鍵を握ると述べていた。これは、偶然のチャンスを主体的に活用し、キャリアを開発していくことの重要性を説いている理論である。

本書の出版に際し、協力者への感謝の意を表していた。

参考文献

・『定年起業を始めるならこの 1冊!定年ひとり起業』大杉潤
自由国民社『定年後のお金の不安を解消するならこの 1冊!定年ひとり起業マネー編』大杉潤
・自由国民社『定年前後の生き方の悩みを解決するならこの 1冊!定年ひとり起業生き方編』大杉潤
・自由国民社『定年後不安人生 100年時代の生き方』大杉潤
・角川新書『銀行員転職マニュアル大失業時代を生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け』大杉潤
・きずな出版『入社 3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書 10000冊から答えを見つけました』大杉潤
・キノブックス 『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい年収アップと自由が手に入る働き方』坂下仁
・ダイヤモンド社『いますぐ妻を社長にしなさい』坂下仁
・サンマーク出版『とにかく妻を社長にしなさい』坂下仁
・サンマーク出版『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート ~今こそプロティアン・ライフキャリア実践!』金澤美冬
・総合法令出版『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』田中研之輔
・日経BP 『60代からの資産「使い切り」法』野尻哲史
・日本経済新聞出版 『DIE WITH ZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス
・ダイヤモンド社『定年前、しなくていい5つのこと』大江英樹
・光文社新書『なぜ少子化は止められないのか』藤波匠
・日経プレミアシリーズ『年収 443万円安すぎる国の絶望的な生活』小林美希
・講談社現代新書『大橋巨泉「第二の人生」これが正解!─人生 80年時代「後半生」を楽しく生きるための 10の選択』大橋巨泉
・小学館 『99・ 9%は幸せの素人』星渉・前野隆司
・KADOKAWA『一生食いっぱぐれない 50代から自分を生かす頭のいい副業術』中山マコト
・青春新書インテリジェンス 『1日 30分からはじめるはじめての eBay(第 2版)』荒井智代
・自由国民社『さよなら、赤信号』ラッタ
・Kindle出版 『100万人に 1人の存在になる方法』藤原和博
・ダイヤモンド社 『「成功曲線」を描こう。夢を叶える仕事ヒント』石原明
・大和書房 『The Next Hundred Million: America in 2050』ジョエル・コトキン
・(Penguin Books)『完全解説都市型トランクルーム経営』浦川浩貴
・幻冬舎『堅実な資産運用をしたいならこの 1冊!レンタルスペース投資の教科書』坂口康司
・自由国民社『普通の会社員のための超副業力』森新
・CC Cメディアハウス『スキルマッチング型複業(副業)の実践書』大林尚朝
・日本能率協会マネジメントセンター『わたしも家族も笑顔にする幸せキッチン』遠藤早智
・自由国民社 『MaaS戦記伊豆の未来の街を創る』森田創
・講談社『カンタンに売れるのになぜ YouTubeをやらないんですか!?』鴨頭嘉人
・サンクチュアリ出版『うつ病予防決定版:家族をうつ病で苦しませないために今家庭でできること』飛立未鳥
・Kindle出版『フリーランス&副業ではたらく!実践ガイド』一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(監修)
・日本経済新聞出版『フリーランス実態調査』内閣官房日本経済再生総合事務局
・2022年『新版安売りするな!「価値」を売れ!』藤村正宏/日本経済新聞出版『やっぱり!「モノ」を売るな!「体験」を売れ!』藤村正宏
・実業之日本社『消齢化社会年齢による違いが消えていく!生き方、社会、ビジネスの未来予測』博報堂生活総合研究所
・集英社インターナショナル新書『時間とムダの科学』大前研一ほか
・プレジデント社『第 4の波大前流「 21世紀型経済理論」』大前研一
・小学館 『「見えない資産」が利益を生む: GAFAMも実践する世界基準の知財ミックス』鈴木健二郎
・ポプラ社『戦略的思考トレーニング目標実現力が飛躍的にアップする 37問』三坂健
・PHPビジネス新書『藁を手に旅に出よう〝伝説の人事部長〟による「働き方」の教室』荒木博行
文藝春秋『7つの習慣』スティーヴィン・ R・コヴィー
・キングベアー出版 『「向いている仕事』を見つけよう』トム・ラス
・ダイヤモンド社『その幸運は偶然ではないんです!』 J・ D・クランボルツほか
ダイヤモンド社

本書、参考文献より引用

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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