小説「ありふれた職業で世界最強 6」感想・ネタバレ

小説「ありふれた職業で世界最強 6」感想・ネタバレ

どんな本?

中二病罹患者の古傷を再発させて粗塩を塗りたくったような作品。
やめて!
私のSAN値はもう0よ!
アニメで見たら羞恥で死ねる。
文書なら何とか、、

「ありふれた職業で世界最強」は、白米良による異世界ファンタジー小説である。本作は、高校生の南雲ハジメがクラスメイトと共に異世界へ召喚される場面から物語が展開する。ハジメは、戦闘に不向きな錬成師という職業に就いたが、迷宮での過酷な試練を経て最強の力を得るまでの成長を描いた作品である。

本作は「小説家になろう」にて連載され、その後書籍化された。また、アニメ化も実現し、現在第3シーズンが放送されている。

読んだ本のタイトル

ありふれた職業で世界最強6
著者:白米良 氏
イラスト:たかやKi  氏

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あらすじ・内容

――今、“最強”の意味を知る

【メルジーネ海底遺跡】を攻略し、七大迷宮のひとつ【ハルツィナ樹海】を目指すハジメたちは、街道でハイリヒ王国王女リリアーナと再会し、驚愕の報せを受ける。――変心したハジメを信じ、教え、導いた愛子の誘拐。
「とりあえず、先生を助けに行かねぇとな」
ハジメは選ぶ。切り捨てず、見捨てず、救う事を選ぶ。
向かうは聖教教会の総本山【神山】。異端者認定を受けた“奈落の化け物”と、“神の使徒”が激突する――!
互いの信念を凌駕するのは果たして。“最強”異世界ファンタジー、第6巻!

本作は「小説家になろう」にて連載され、その後書籍化された。また、アニメ化も実現し、現在第3シーズンが放送されている。

ありふれた職業で世界最強 6

感想

本巻では、ハジメの仲間の成長が強く描かれ、次々と現れる困難に立ち向かう姿勢が魅力的であった。

愛子先生救出と聖教教会への突入

ハジメたちは、愛子先生の救出のために聖教教会の総本山【神山】に向かい、異端認定を覆すべくカチコミを敢行。
この巻では、ハジメの世界への不快度指数が更に深まり、仲間と共にさらなる試練へと挑んでいく姿が印象的であった。
香織は新たな力(?)を手に入れ、ハジメたちと肩を並べて戦う覚悟を示した。
神山の大爆発や教会の崩壊、そして最後の裏切り者の発覚と盛り沢山の展開で、物語はますます激しさを増していった。

仲間との絆と進化する戦闘

ハジメの“俺TUEEE”な戦いを軸に進むが、仲間たちの成長や新たな力が見どころでもあった。
香織が驚きの進化を遂げたことで、彼女も“化け物”の仲間入りとなった。
特に、ユエとシアの単体での戦闘シーンは圧巻で、敵が次々と叩き潰される様子には爽快感があった。
シアの笑顔が周囲の混沌の中で輝き、ハジメたちが全力で困難に立ち向かっている姿がは思わず力んでしまった。

次巻への期待と不穏な予感

聖教教会を打破し、次の舞台へ進むハジメたちは、さらなる強敵との戦いが待っていた。

エピローグで、待ち望んでいたアノウサミミ族が再登場し、彼らの次なる活躍(ヤラカシ)への期待が膨らむ。
物語も終盤に近づき、ハジメが築いた仲間たちとの絆とともに、どのように世界を救い、帰還を目指すのか、今後の展開が非常に楽しみである。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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ありふれた職業で世界最強 6

その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

プロローグ

深夜の王都を見下ろす丘の謎の魔法陣

王都を監視する魔物の影

真夜中、小さな丘の中腹で一匹の犬のような魔物が地を這うようにして進んでいた。この魔物は警戒心が非常に強く、周囲に目を配りつつ慎重に丘を登りきった。丘の頂上に到達した魔物は、遠くに煌々と輝く【ハイリヒ王国】の王都の夜景を見つめ、人工の光に目を細めていた。深夜にさしかかり、多くの人々が眠りにつく中、王都では一部の商人や夜番の兵士たちがまだ活動を続けていた。

突然の魔力の発生と不審な石板

王都の光を見つめていた魔物は、背後に突如感じた強い気配に驚き、慌てて反転した。その気配の正体は生物のものではなく、地中から発する魔力であった。魔物は慎重に近づき、地面を掘り進めると、複雑な幾何学模様が彫られた石板を発見した。この石板は、謎めいた光を放ちながら、魔物の興味を引き続けた。

魔法陣の拡大と魔物の逃走

さらに掘り進めようとした瞬間、周囲の地面に次々と光点が出現した。無数の光が並び、瞬く間に百を超える数に膨れ上がったことにより、魔物は恐怖を感じ、一目散に逃げ出した。十分も経たないうちに、光点同士が結ばれ、巨大な魔法陣が浮かび上がる。その魔法陣は石板に刻まれた幾何学模様と同一であり、吸血姫の天才魔法使いが見れば「これは空間転移の陣だ」と確信したであろう。

第一章  不穏の影

賊襲撃と香織の救援要請

シアが賊襲撃を発見し、ハジメが救援に向かう

深夜、車内での和やかな空気の中、シアが隊商を襲撃する賊を発見した。ハジメは車を加速させ、香織の頼みで救援に向かうことを決意した。賊との戦力差をものともせず、ブリーゼの圧倒的な攻撃で賊を一掃した。

香織とリリアーナの再会

隊商に助けられたリリアーナが香織に抱きつき、二人は再会を喜び合った。香織は、リリアーナが危険な状況にあることを理解し、彼女のために協力を申し出た。リリアーナもまた、王都での異変をハジメたちに話し始める。

王都の異変と愛子の誘拐

リリアーナは王都での異変と、父エリヒド王が教会に取り込まれつつある現状を語り、愛子が銀髪の修道女に誘拐されたことを明かした。リリアーナは、王宮内での変化や周囲の様子が次第に不穏になっていくことに疑問を抱き、香織たちに協力を求めた。

ハジメの決意と教会への襲撃計画

愛子の救出を決意したハジメは、教会の総本山である【神山】に向かうことを決めた。彼は、愛子を救うことが自身の責任であると認識し、教会と対決する覚悟を固めた。さらに、七大迷宮の一つである【神山】で神代魔法を手に入れることを視野に入れ、教会との戦いを見据えていた。

リリアーナの安堵とハジメの闘志

ハジメの決意に、リリアーナは安堵し、感謝の気持ちを示した。一方、ハジメは己の道を阻む者には容赦せず、教会の陰謀を打ち砕くために闘志を燃やしていた。その姿に香織やユエたちは心を惹かれ、ハジメへの信頼をさらに強めた。

忠霊塔での密会と王宮の異変

忠霊塔にて密会するメルドとホセ

ハイリヒ王国の忠霊塔前で、騎士団長メルド・ロギンスは副団長ホセ・ランカイドと密会していた。深夜の静寂を利用し、二人は最近の王宮で起きている異変について話し合った。ホセは報告を開始し、騎士団内で「虚ろ」と呼ばれる無気力症候群が広がっていると告げた。

騎士団内での「虚ろ」の拡大と調査拒否

ホセによると、「虚ろ」は下級騎士から始まり、現在では貴族や隊長格にまで影響を及ぼしていた。メルドは調査を要請したが、エリヒド国王は軍備強化を優先するよう命じ、正式な調査を拒否した。メルドとホセは独自に対策を進めることを決意し、対策として闇魔法に精通した者を探すよう指示した。

深夜の王宮での襲撃と檜山の裏切り

メルドが自室に戻ると、クラスメイトの檜山大介が突然現れ、彼に相談を持ちかけた。しかし、メルドが檜山と話をしている間、再びホセが訪れ、襲撃が開始された。檜山はメルドに短剣で襲いかかり、さらにはホセも洗脳されたような状態でメルドを攻撃した。

脱出と銀翼の女との遭遇

メルドは窓からの脱出を試み、なんとか地面に着地したが、そこで翼を持つ謎の銀髪の女性と遭遇した。その女性から発する圧倒的な威圧感にメルドは逃れる術を見出せず、彼女の攻撃により、命を落とした。

メルドの最期の祈り

最後の瞬間、メルドは信仰する神ではなく、奈落の底から這い上がった化け物のような存在に祈りを捧げた。その祈りには、信頼と希望が込められていた。

メルドの手紙と檜山の狂気

メルドの亡き後、彼の部屋では「虚ろ」な兵士たちが修復作業を行っていた。檜山と謎の人物は、メルドが遺した手紙を破り捨て、王国への悪意に満ちた計画を加速させる意志を確認し合った。二人の狂気に満ちた笑い声が王宮に響き渡った。

第二章  王都侵攻

月明かりの監禁と愛子の救出

監禁される愛子の孤独と不安

薄暗い牢獄に監禁されていた畑山愛子は、窓から差し込む月明かりの中、憂いと不安に包まれていた。彼女は、魔力を封じられたアーティファクトのために脱出も試みられず、ただ生徒たちの安否を祈りつつ、囚われの身として過ごしていた。王都での異変や生徒の一人清水の記憶がよみがえり、不穏な思いが心を満たしていた。

突然の救出者、ハジメの登場

愛子が思わず口にした名前に応えるかのように、窓から現れたのは南雲ハジメであった。驚く愛子に対し、ハジメは冷静に部屋の安全を確認し、壁を破って部屋内へ侵入。彼は、愛子に魔力を封じるアーティファクトを解除し、王都での魔人族の襲撃について知らせた。愛子は、無謀とも思える彼の行動に驚きつつも、彼の確かな意志を感じ取った。

魔人族の襲撃と脱出

ハジメは愛子を抱きかかえ、魔人族が王都を襲撃していることを告げ、彼女と天之河たちとの合流を目指した。しかし、その矢先に異様な銀光が部屋を襲い、危険を察知したハジメは外へと飛び出した。彼は空中で愛子を支えながら、異常な威圧感を放つ敵の存在に警戒を強めた。

神の使徒ノイントの出現

ハジメたちの前に現れたのは「神の使徒」を名乗る銀髪の女、ノイントであった。彼女は神の命によりハジメを「排除する」と宣言し、神々しい姿とともに大剣を構えた。その無機質で冷たい瞳に、ハジメは不敵な笑みを浮かべ、彼女に戦いを挑む覚悟を示した。

神山での戦いの開始

標高八千メートルの神山の上空で、神の使徒ノイントとハジメの戦いが始まった。ノイントの圧倒的な威圧感に圧されかける愛子を、ハジメの紅い魔力が守り、彼は挑発的な言葉でノイントを迎え撃つ。その瞬間、絶望をもたらす神の使徒と奈落から這い上がった“化け物”の一騎打ちが幕を開けた。

王都の異変とユエ達の決断

リリアーナの護送とユエ達の目的

ユエ、シア、香織、リリアーナの四人は、夜の王宮を隠密に進み、リリアーナを光輝達のもとへ送り届けるため行動していた。彼女達の本来の目的は、愛子の救出と【神山】の大迷宮探索であり、王国の異変解決やリリアーナと光輝達の合流は二の次であった。しかし、愛子の安全確保のためには光輝達の状況確認が必要であると判断し、彼らとの接触を試みた。なお、ティオは王都の状況を俯瞰するために待機していた。

王都の大結界の破壊

一行が隠し通路を抜け、ある客室から進行を再開した矢先、突如として轟音が響き渡り、王都の大結界が破られた様子が目の前に広がった。リリアーナは驚愕し、第二障壁までが崩れかけていることに恐怖を感じていた。大結界は、魔人族の侵攻を防ぐ王都の要であったが、何者かの攻撃により短時間で崩壊寸前にまで追い込まれていた。

ティオの報告による魔人族の侵攻

ティオの念話によって、魔人族と魔物の大軍が南方から王都に迫り、結界を破壊したのが白い竜であることが判明した。リリアーナは、王国の防衛体制を突破されたことに怒りと動揺を覚え、南部の監視部隊が機能しなかった理由に疑問を抱いた。ユエ達は、白竜を使役する魔人族のフリードが空間魔法を用いて侵攻してきた可能性を考慮し、即座に対応を始める。

ユエとシアの戦闘決意

リリアーナが光輝達との合流を促す中、ユエは王都でフリードを迎え撃つことを宣言した。彼女は、過去にフリードから不意打ちを受けたことを根に持っており、「泣くまでボコる」という決意を示した。シアも同様に、無表情でフリードへの暴行を宣言し、リリアーナと香織に別れを告げたのだった。

フリードの運命と王国の防衛

ユエとシアは窓から飛び出し、フリードとの戦闘に向かって行った。王国にとっては、二人の戦闘が時間稼ぎとなり、態勢を整えるまでの猶予を得る絶好の機会であった。香織とリリアーナは再び行動を開始し、香織はハジメへの強い愛情を感じつつも、彼女達に遅れを取らないように急いで光輝達のもとへ向かった。

王都侵攻とユエ達の戦闘

結界崩壊と王都の混乱

突如として大結界が消滅し、王都は魔人族と魔物の襲撃を受けて大混乱に陥っていた。住民たちは恐怖に駆られ、一部は避難を試み、また一部は王宮内に入ろうとして混乱を助長していた。夜も遅く、まだ暴動には至らなかったものの、情勢は不安定であった。一方で、王宮側も迎撃態勢の準備に追われていたが、遂に結界が完全に破られ、魔人族と魔物の大軍が王都に押し寄せた。

王都中心でのユエ達の決断

王都中心の時計塔で状況を見守っていたティオのもとに、ユエとシアが現れた。二人は、過去にハジメを傷つけた魔人族のフリード・バグアーへの復讐心を抱いていた。ティオと情報交換する中でハジメからの連絡を受け、ティオが急遽ハジメの援護に向かった。ユエとシアは、フリードを追い詰めるため、王都での戦闘に備えることを決意した。

黒鷲の襲撃と反撃

ユエとシアは、フリードを探す中で黒鷲に乗った魔人族の襲撃を受けたが、ユエは風刃で応戦し、シアは炸裂弾を用いて敵を撃退した。戦闘中、彼女達の存在に気づいた魔物達と魔人族が、上空からも次々と攻撃を仕掛けたが、ユエ達はその圧倒的な戦闘能力で反撃し、敵を次々と撃退していった。

フリード・バグアーとの遭遇

遂に現れたフリード・バグアーは、空間魔法を駆使してユエとシアを包囲し、王都への侵攻を続行する意志を見せた。ユエはフリードに対して、自らの復讐を果たすための戦闘を開始。戦場は激しさを増し、フリード率いる灰竜の群れが一斉に攻撃を仕掛けたが、ユエは五つの天龍を召喚し、魔人族達を圧倒した。

フリードの神代魔法「震天」とユエの防御

フリードは神代魔法「震天」を発動し、空間そのものを圧縮・解放することで広範囲にわたる破壊を試みた。しかし、ユエは空間固定魔法「幻牢」で衝撃を防ぎ、僅かに傷を負うも再生能力で回復。再び立ち上がり、フリードへの反撃に臨んだ。

ユエの再生魔法「壊刻」とフリードの退却

ユエは「壊刻」を発動し、フリードと白竜が過去に負った傷を再現することで苦痛を与えた。これによりフリードは追い詰められ、満身創痍となる。援軍として駆けつけた魔人族が時間を稼ぐ隙を利用し、フリードは空間転移で撤退した。怒りを滲ませたユエは、残る魔人族を「震天」で殲滅し、鬱憤を晴らした。

ハジメの光柱と王宮への合流

戦いを終えたユエとシアは、王宮の一角で光輝く巨大な柱が発生し、魔物の大軍が消滅する光景を目撃。犯人がハジメであることを悟り、彼と合流するため、二人は王宮へ向かって急いだ。

第三章  神の使徒

月下に銀翼がはばたいた

銀翼と紅の戦闘

銀翼が夜空を裂き、銀の魔弾を放つ場面から始まった。この魔弾は驚異的な連射性と威力を秘め、標的を狙って殺到する。対するは、紅色のアーティファクト兵器であり、全ての敵を粉砕してきた威力を誇る。互いに高度な技術で弾幕をかわし、銀の羽を裂く中で、命がけの戦闘が繰り広げられた。

愛子の悲鳴とハジメの機動

戦闘の激しさに、愛子が思わず悲鳴を上げた。ハジメは愛子を抱えながら、彼女を守るために最低限の動きで弾幕を回避する。愛子は生身での空中戦に恐怖を覚えるが、ハジメは彼女を安全に保つため、彼女を抱き続けた。ハジメは仲間の救援が来ることを信じ、愛子に少しの辛抱を求めた。

ノイントの冷徹な攻撃

銀翼をまとったノイントが冷徹な声を発し、双大剣での攻撃を加える。彼女の銀の魔力には「分解」の固有魔法が付与されており、触れるだけで致命的な威力を発揮する。ハジメは最小限の動きでノイントの攻撃をかわし、冷や汗を流しつつも愛子を守り続けた。

聖教教会の参入と異変

聖教教会の司祭たちが合唱を始め、その歌声によりハジメと愛子の体力と魔力が削がれていく。司祭たちの歌が引き起こす魔法「覇堕の聖歌」は、相手を衰弱させる恐ろしい効果を持つものであり、ハジメはそれに耐えながらノイントの攻撃を回避した。

ティオの登場と愛子の決意

絶体絶命の中、黒竜ティオがハジメの元に駆けつけ、黒きブレスでノイントを吹き飛ばした。ティオは愛子を守り、共に戦う決意を固める。愛子もまた、戦闘に加わる覚悟を決め、標高八千メートルの激戦の中でティオと共に聖教教会へ挑む。

ノイントとの激闘とハジメの策略

初撃とノイントの迎撃

ハジメは電磁加速式対物ライフル「シュラーゲン」でノイントへ攻撃を仕掛けた。紅い閃光がノイントを狙うも、ノイントは回避し、ハジメに急接近してきた。しかし、ハジメはノイントの動きを予測し、クロスビットで迎撃した。ノイントは、瞬時に対応し大剣で防御するも、スラッグ弾の衝撃波に一瞬の隙を作られてしまう。

連撃とノイントの防御

ハジメはその隙を逃さず接近し、「振動破砕」と「衝撃変換」を用いた強力な拳撃を放った。ノイントはギリギリのところで防御態勢を整え、大剣で攻撃を防ぐが、強烈な衝撃で吹き飛ばされた。続くハジメの連撃に、ノイントの大剣には小さな亀裂が入り、その防御が揺らぎ始めた。

魔法による迎撃と空中戦の展開

ノイントは銀羽を飛ばし、魔法陣を展開して激しい攻撃を繰り出した。ハジメもまたドンナーとシュラークで応戦し、互いに高度な戦術を駆使した空中戦が繰り広げられた。ハジメはノイントに対して「神山」全体への脅威をほのめかし、会話を通じて敵の思惑を探ろうとしたが、ノイントは淡々とハジメの死を望む主の意向を伝えるのみであった。

神速の接近戦と武器破壊

ハジメはノイントに接近し、至近距離での激しい戦闘が再び展開された。互いの技量は互角であり、激しい攻撃の中で、ハジメはノイントの大剣の亀裂を狙い続けていた。最終的に、ハジメの狙い通りノイントの大剣は折れ、彼女に致命的な隙が生まれた。

捕縛と一撃必殺

ハジメは特殊なワイヤーでノイントの動きを一時的に拘束し、電磁加速式パイルバンカーを使用してノイントの銀翼と心臓部を貫いた。これにより、ノイントは完全に行動不能となり、地に落ちた。ハジメは止めを刺すために銃を向けるも、その瞬間、遠方で大聖堂の崩壊を知らせる爆発音が響き渡った。

聖教教会の崩壊と愛子の動揺

聖教教会の爆発

ハジメが聖教教会の方を振り向くと、巨大なキノコ雲と共に大聖堂が崩壊していく様子が目に入った。ティオと共に愛子もその場におり、驚き狼狽する愛子は自身が意図せず教会の爆発を引き起こしてしまったことに動揺した。

愛子の特技と不可抗力の爆発

愛子は教会の結界を突破するため、発酵操作を用いて可燃性ガスを発生させ、それをティオのブレスで点火した結果、予想を超える大爆発が起きてしまったのだ。愛子は責任を感じつつも、その壮絶な結果に耐えきれず涙を流した。

ハジメ達の探索と大迷宮「神山」の攻略

謎の男と大迷宮への誘導

瓦礫の中で、白い法衣を纏う謎の男が現れ、ハジメ達を大迷宮の入り口へと誘導した。ハジメはその男が解放者の一人ラウス・バーンの映像体であると推測し、ティオと愛子と共にその場へ向かい、魔法の知識を得ることに成功した。

新たな魔法と王都への帰還

ハジメ達は魂に干渉する「魂魄魔法」の知識を得、再び王都へ向かう決意を固めた。愛子もまた帰還の可能性を信じ、改めて王都の仲間たちの無事を祈りながら、三人で下山を開始した。

王都での衝撃の再会

ハジメ達が王都へ戻ると、目の前に広がっていたのは、胸から剣を突き立てられた香織の無惨な姿であった。この衝撃的な再会は、ハジメにとっても愛子にとっても大きな試練となり、彼らは新たな覚悟をもって次の戦いに臨むことを決意することとなった。

第四章  裏切り

王宮での異変と雫の警戒

不気味な破砕音と雫の警戒心

雫は、王宮内で突然の破砕音を耳にし、戦闘態勢を整えた。この異変に対する不安と、近くの人々が姿を消していることが彼女の警戒心を強めた。特に愛子とリリアーナが行方不明であり、教会からの説明も不十分であったため、雫は異様な緊張感を抱いていた。

愛子とリリアーナの不在と危機感の共有

愛子とリリアーナの行方不明により、雫や護衛の仲間たちは不安を抱きつつも、教会からの説明を待っていた。しかし、時間が経っても二人は戻らず、さらには教会関係者や騎士たちも姿を消したため、危機感がさらに増していった。雫は優花らと協力して、今晩中に行動を起こすことを決意した。

王宮内の動揺と異変の発覚

光輝達との協力体制と警戒の欠如

雫は、クラスメイトである光輝と龍太郎の部屋を訪ね、事態を共有しようとしたが、光輝は王宮内での不審者の可能性を疑わず、雫の警告を軽視していた。雫は危機意識を持たない光輝の姿勢に困惑しつつ、他のクラスメイトと協力する必要性を感じていた。

ニアからの報告と魔人族の侵攻

侍女ニアが現れ、王都の防御結界が破られ、魔人族の大軍が侵攻していることを報告した。この情報に、雫とクラスメイトたちは驚愕した。王都を守る結界が突破されるなど信じがたい事態であり、王宮内にいる者たちも動揺し始めた。

光輝と仲間たちの対策協議

防衛策と時間稼ぎの提案

光輝は、少しでも王都の住民を避難させるため、自らが時間稼ぎをすると提案した。しかし、大多数のクラスメイトが戦闘意欲を失っていたため、前線に立つのは一部の者のみであった。雫は彼らの意志の揺らぎを感じつつも、仲間を鼓舞する必要性を痛感した。

メルド達との合流を決意

勇者パーティーの一員である恵里が冷静な判断を下し、メルド達騎士団と合流して戦力を整えるべきだと提案した。光輝もまた彼女の意見に賛同し、クラスメイトたちと共に、王都防衛のための準備に動くことを決意した。

光輝と仲間たちの苦境

光輝達は緊急集合場所に指定された訓練場に到着し、多くの兵士や騎士が整列する中、王国騎士団副団長ホセ・ランカイドが状況説明を行っていた。集まった者たちの士気は低く、光輝達は奇妙な空気を感じていたが、ホセに中央へ案内され、士気のない兵士たちに違和感を抱いた。

謎の光と襲撃

ホセが持っていた物から閃光が放たれ、その直後、兵士や騎士たちが光輝達を取り囲み、不意を突いて攻撃を開始した。特に前衛の者達が分断され、雫の警告も間に合わず、多くの生徒が負傷した。

クラスメイトへの裏切り

雫が逃れた隙に、親友の恵里が突如、謎の力で兵士たちを操り、クラスメイト達を次々と拘束し始めた。さらに恵里は、兵士を使って仲間を次々に操り人形に変え、雫に対して嘲笑的な態度で語り掛け、異様な本性を見せた。

恵里の暗躍と香織への危機

恵里は異様な儀式で香織を手に入れようとしていたが、そこで南雲ハジメが登場し、圧倒的な力で恵里と彼女の操る兵士たちを次々に排除していった。ハジメの圧倒的な戦力により、戦況は一変し、恵里は退却を余儀なくされた。

香織の救助と希望

ハジメは香織を助け出し、ティオ達と共に退却した。雫は絶望の淵にいたが、ハジメの励ましにより、再び希望を取り戻し、仲間たちの治療に専念する決意を固めた。

第五章  たった一日の出来事

訓練場の出来事

• ハジメが訓練場を去った後、雫によって神水を飲まされた光輝は短時間で全快した。リリアーナが指揮を執り、混乱した王宮の態勢が整えられ、負傷者の搬送や状況の調査が迅速に行われた。

王都の復興と王宮の状況

• 王宮の兵士約五百人が恵里によって傀儡兵にされ、訓練場にいた一部を除き姿を消したことが確認された。これらの兵士はフリードの対軍用ゲートにより魔人族の領土へ移動したと推測される。

• さらに、王都近郊に魔石を基点とした魔法陣が地下浅く作られ、フリードの空間転移の秘密であったことが判明。これもまた恵里の策略によるものと考えられた。

• 重鎮たちは既に傀儡兵により殺害され、国王の座は空席のまま。リリアーナが暫定的に指導を取ることとなり、後にランデル殿下が即位する見込みとなった。

聖教教会と市民の不安

• 王都が大変な事態にあるにもかかわらず、聖教教会からの音沙汰がないことが市民の不安と不信感を引き起こしていた。教会関係者が不在である理由は明らかにされなかったが、ハジメは【神山】からリリアーナに対策を丸投げしていた。

檜山の遺体と王都の再建

• 訓練場付近で檜山の遺体が発見され、魔物に襲われた痕跡があった。訓練場でハジメに敗北した後、魔物に食い尽くされた様子であった。

• 魔人族の襲撃から五日後、光輝たちは王都の復興に協力しつつ、行方不明となったハジメのことを考え続けていた。

生徒たちの精神的ダメージと支援

• 檜山の裏切りや仲間の死により、生徒たちは精神的に傷ついていたが、愛子や優花の存在が支えとなり、復興活動に参加する者も多かった。

• 愛子は生徒たちを鼓舞し、彼らの心情を聞いて回ることで心のケアに努めていた。愛子護衛隊も居残り組の支えとなり、クラス全体の雰囲気が沈むのを防いでいた。

訓練場での再会と騎士団の再編成

• 新たな騎士団長クゼリー・レイルと副団長ニート・コモルドが選ばれ、訓練場で再編成試験が行われた。その最中、光輝はリリアーナから労われ、彼女の疲労に気づきながらも励まし合った。

• 突如として空から黒い点が複数見え始め、ハジメ、ユエ、シア、ティオが訓練場に降り立った。

香織の再登場

• 雫は香織がいないことに不安を感じつつも、ハジメに問いかけた。そこへ銀髪碧眼の女性として現れた香織に気づき、涙を流しながら彼女に抱きついた。香織は友人の雫を抱きしめ、心配をかけたことを詫びた。

今後の期待と課題

• リリアーナや光輝は、ハジメとその仲間たちが王都で果たした役割を理解しつつ、再会の場面にて複雑な感情を抱いていた。

雫への説明

• ハジメ達は訓練場から光輝達が普段使っている大部屋へ移動し、香織が新たにノイントの体を持つことになった経緯を説明した。ハジメは香織の魂魄をノイントの体に定着させたと簡潔に述べ、続けて香織が神代魔法の力で魂魄の固定と定着が可能になったことを話した。

香織の選択と決意

• 香織は自らの弱さを克服し、ハジメの隣に立つ決意を持ち、再生魔法で蘇生する代わりに、強力な体を望んだ。結果として、ノイントの体を使うことに成功し、神の使徒としての能力も引き継いだ。

感謝と決意

• 雫は香織が無事に戻ったことに感謝し、ハジメ達に深く礼を述べたが、ハジメは軽い態度で「仲間を助けただけ」と返答した。その後、香織やユエ達の視線を受け、ハジメはこれからの行動について考えを巡らせた。

光輝とハジメの対立

• 愛子がさらわれた際の経緯について話すと、光輝はハジメに対して早く真実を伝えてほしかったと非難した。しかし、ハジメは光輝が信じなかったであろうと冷静に応じ、クラスメイトとして力を貸す義務はないと断言した。光輝は納得しなかったが、ハジメの冷徹な視線に沈黙した。

王都防衛への協力

• リリアーナはハジメに王都の防衛に協力してほしいと頼んだが、ハジメは再び旅に出る意志を示した。最終的に、出発前に大結界の修復だけ行うことを約束し、リリアーナは安堵の表情を見せた。

帝国への同行

• リリアーナは帝国での交渉を迅速に行うため、ハジメの移動手段を利用して帝国領へ同行することを提案し、ハジメは彼女を送り届けることを了承した。ただし、帝都には入らないという条件を付けた。

クラスメイト達の懇願

• 光輝、雫、鈴、龍太郎らは、それぞれの決意からハジメに一度だけ神代魔法を手に入れる手助けを求めた。特に雫は恩を返すことなく再び頼らざるを得ないことを心苦しく思いながらも、必死に懇願した。最終的にハジメは、彼らを【ハルツィナ樹海】攻略に限って同行させることを了承した。

今後の決意

• ハジメは、ノイントのような神の使徒が再び現れる可能性を考慮し、光輝達に力を持たせることで自らの敵に対抗させようと決意した。そして、自分の旅の終わりが近づいていることを感じつつも、故郷に帰るために全ての障害を薙ぎ倒す覚悟を新たにした。

王都の喧騒と人々の強さ

• 王都のメインストリートにて、ハジメ、ユエ、雫の三人は人々の喪失感と復興への意志が交錯する光景を目にした。侵攻の日から五日が経過したが、人々は悲しみを抱えつつも復興に励んでいた。ハジメ達はホットドッグのような食べ物を手に、冒険者ギルドへ向かっていた。

雫の疑問とハジメの決意

• 雫がギルドに向かう目的を尋ねると、ハジメは依頼完了の報告を伝えに来たと答え、さらにミュウを日本に連れて行く意向を明かした。驚く雫に対し、ハジメはユエやシアと共に帰国する決意を示し、雫もハジメの覚悟を確信した様子で微笑んだ。

愛子への疑念とハジメの釈明

• 雫が愛子について問い詰めると、ハジメは救命行為としてのキスであったと説明したが、雫やユエの反応から愛子がハジメに特別な感情を抱いていることが明らかとなった。ハジメはその事実を意識しつつも放置することを決め、雫もこれを了承した。

冒険者ギルドでの出会い

• ギルドに到着したハジメ達は、ミュウの依頼報告をしようとするが、ギルド内で「金」ランクの冒険者アベルと出会う。彼はユエや雫に近づこうとしたが、ユエによって撃退された。また、ハジメとユエは吟遊詩人の噂により「股間スマッシャー」「スマ・ラヴ」として恐れられていた。

漢女マリアベルとの再会

• ハジメ達は漢女マリアベルに遭遇し、彼がかつてユエに告白した男であると判明した。マリアベルはクリスタベルの下で漢女としての道を歩んでおり、ハジメは漢女の増殖に戦慄を覚え、この世界からの脱出を誓った。

大結界の修復と錬成師たちの熱意

• 大結界の修復に向かったハジメは、王国の錬成師ウォルペンに案内され、神代のアーティファクトを短時間で修復した。職人達はハジメの技術に感銘を受け、弟子入りを懇願したが、ハジメはそれを断った。やがて王都の職人達がハジメの技術を求めて追いかけ、リリアーナ王女が事態の収拾に乗り出す事態となった。

王宮での再会と恋人関係の確認

• 王宮に戻ったハジメは、ユエが優雅にお茶を入れてくれたことに感謝しつつ、職人たちに追い回されたことで雫に文句を言った。雫も助けたかったものの、職人の熱意を前に止められなかったと弁解した。ハジメは、ユエを膝に乗せて茶請けを「アーン」としている最中、突然現れたランデル王子に挑発されるも、角砂糖であしらうことで対抗した。

ランデル王子の登場と失恋の行方

• ランデル王子が、香織を思い、ハジメに敵意を抱いて突撃したが、ハジメに軽く撃退され心が折れてしまった。泣き崩れるランデルをリリアーナが助け起こし、香織が心配して駆け寄るも、香織の思いがハジメに向いていることを知り、さらにショックを受けた。最終的に、ランデルは恋の痛みに耐えきれず、部屋を飛び出して行った。

香織とハジメの三角関係と雫の反応

• 雫が、ハジメを称賛するもユエや香織の視線が雫に突き刺さり、雫はその居心地の悪さに気付く。その後、リリアーナはハジメに依頼した聖教教会の件についての報告をし、愛子を「豊穣の女神」として国民に神への信仰を見直させる策を実行したことを感謝した。

愛子の悩みとハジメの励まし

• 忠霊塔の前で、亡きメルド団長や檜山ら生徒たちに悔恨の念を抱き佇む愛子の前に、ハジメが献花を捧げに現れた。愛子は、自身が手を汚したことへの罪悪感に苦しみながらも、ハジメの存在に心の支えを感じ始める。ハジメの「これからも背負い続けてくれ」という励ましに涙し、教師としての覚悟を再確認した。

王宮への帰還と愛子の変化

• ハジメと泣き止んだ愛子が王宮へ戻る途中、愛子が恥ずかしそうにハジメの傍を歩く姿に、ハジメは少し冷や汗をかいた。王宮に戻るとユエ達に見つかり、無言の視線にさらされた。

デビッド達神殿騎士の決断

• 王宮に向かう途中、デビッド達神殿騎士と再会した。彼等は愛子の安否を心配していたものの、愛子の無事を喜び、彼女に対する忠誠心を再確認した。以後、〝豊穣の女神〟として愛子を崇め、王国の守護に励むことを誓った。

食堂での夕食と仲間たちとのやりとり

• 夕食の場でシア達がハジメに対して責めるような言葉をかけ、ハジメは他人事のように料理を楽しんでいた。ユエは少し心配していたが、ハジメは愛子に対する対応について「放置する」との方針を示した。

クラスメイト達の出現と緊張の再燃

• 食堂での食事中、クラスメイト達が現れ、愛子も同席した。ハジメと愛子の間に微妙な雰囲気が流れたが、ハジメはとぼけて会話を続け、愛子は感謝しつつも恥ずかしさを隠せなかった。

ティオの奇妙な要求とハジメの対応

• 突然、ティオが〝ご褒美〟として初めて会ったときのように扱ってほしいと要求した。これに対し、ハジメは冗談交じりで返し、ティオも最終的に添い寝の権利を要求し、無事に受け入れられた。

食後の騒動とクラスメイトの反応

• 食事が進む中、シア達がハジメに「あーん」と料理を食べさせ、愛子は自分もと迷ったが、すぐに思い直した。クラスメイト達は甘い雰囲気にそわそわし、女子生徒は興味津々に、男子生徒は嫉妬と羨望の眼差しをハジメに向けた。

一日の振り返りと今後への展望

• ハジメは、神山からの登場、冒険者ギルドでの出来事、愛子の相談への対応、夕食での騒動を思い返し、混乱の一日を過ごしたことを実感した。翌日にはリリアーナ達と共に王都を出発する予定であり、新たな騒動への予感を抱きつつも、変わらず不敵な笑みを浮かべていた。

エピローグ

【ハルツィナ大樹海】の異変

霧に包まれた危険地帯

 【ハルツィナ大樹海】は、この世界最大の秘境であり、七大迷宮の一つに数えられる場所であった。霧が視界を遮り、探索方法も役に立たないこの樹海は、亜人族にとって天然の要塞であり、安全な拠点であった。しかし、その静寂は破られた。

襲撃を受けた【フェアベルゲン】

 樹海内の亜人族の拠点である【フェアベルゲン】は、炭化した草木や瓦礫の山と化し、亜人族の故郷は破壊された。多くの亜人族が連れ去られ、故郷を守ろうとしたものの、その努力は叶わなかった。

ハウリア族の覚醒と決意

カム・ハウリアの登場

 ウサミミをなびかせ、戦士然とした姿のカム・ハウリアは、ハウリア族を率いて【フェアベルゲン】の正門に立った。かつて気弱で平和を愛するウサギの一族だった彼らは、今や鋭い眼差しを持つ戦士集団となっていた。

同胞の奪還を誓うハウリア族

 兎人族の連れ去られた仲間たちの救出を誓い、カムは選抜部隊の編成を指示した。彼の号令に応え、ハウリア族は戦意を高め、同胞を取り戻すための戦いを開始することを決意した。

復讐の宣言

怒りの雄叫び

 カムは一族の前で怒りを表し、「侵略者に鉄槌を下す」ことを宣言。ハウリア族は「虐殺、暗殺、首刈り」の叫びを上げ、敵に恐怖を与えることを誓った。その気迫に圧倒された魔物でさえ、恐れ逃げ出した。

帝国への宣戦布告

 カムは「帝国の愚者どもに思い知らせる」と宣言し、部下たちも応えて激しい雄叫びを上げた。その声に【フェアベルゲン】の他の住人たちは敵襲と勘違いするほどの勢いであり、ハウリア族の怒りは樹海を揺るがした。

シアの不安

家族を感じ取るシア

 一方、ハイリヒ王国の王宮にいたシアは、突然の不安を感じ取り、家族が何か無茶をしているような気がしたと告げた。ハジメは再会を楽しみにしているのだろうと軽く流し、シアも頷いたが、内心では家族の無事を祈った。

運命の予兆

 シアはこの時、家族が一国を相手に喧嘩を売っているとは想像もしていなかった。しかし、彼らの行動が亜人族全体の立場を大きく変えることになる運命が、着実に進行していた。

番外編  秘密結社ソウルシスターズ

お姉様への尊敬と記録の開始

• 本記録は八重樫雫様の忠実なる近衛騎士として、後世に伝わるようにお姉様の姿を正確に残すことを目的としたものである。お姉様はその美しさ、強さ、知恵において卓越した存在であり、近衛騎士としてその真実を未来に記録することを使命と感じていた。

召喚直後の訓練場での出来事

• 異世界に召喚された直後、騎士団として使徒たちの訓練を補佐していた。ある使徒の魔法暴発により足を捻ってしまったが、その場を装い医務室へ向かおうとした際に、お姉様が気づき、お姫様抱っこで医務室へ運んでくださった。優しい言葉をかけられ、心が震え、自然と「お姉様」と呼ぶようになった。

ソウルシスターズの結成

• お姉様への敬愛が広がり、同様の想いを持つ者たちによって《ソウルシスターズ》が結成された。この組織は陰ながらお姉様を支えるための秘密組織であり、メイドのニアの座を奪うことを目標としていた。

香織様の救援とお姉様の心痛

• お姉様は親友である香織様に特別な配慮を示し、香織様が倒れた際には常に寄り添っていた。香織様の無事を確認し、彼女を支えつつも、お姉様自身もまた友人を守れなかったことに苦しんでいた。

皇帝陛下の求婚

• お姉様が模擬戦に参加していた際、皇帝陛下から求婚を受けたが、これを完璧に断った。お姉様の毅然とした態度に、ソウルシスターズ一同は歓喜し、彼女の強さと意志を再確認することとなった。

ハジメ様の存在とお姉様の変化

• ハジメ様の活躍を目の当たりにし、驚きと感心を抱いたお姉様。彼から贈られた剣を抱きしめ、語る様子には喜びが溢れていた。しかし、彼との関係に特別な感情があることは否定し、お姉様は彼への恋愛感情を持たないことを明言した。

お姉様の旅立ちと近衛騎士の想い

• 最後に、お姉様がハジメ様と共に旅立つ際、自分が護衛として同行できなかったことに無念を感じた。ソウルシスターズ一同はお姉様の無事を祈りつつ、彼女がこれ以上、ハジメ様に「守られない」ことを願っている。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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