小説「ありふれた職業で世界最強 8 」感想・ネタバレ

小説「ありふれた職業で世界最強 8 」感想・ネタバレ

どんな本?

『ありふれた職業で世界最強』は、白米良氏によるライトノベル作品であり、オーバーラップ文庫から刊行されている。第8巻は2018年4月25日に発売された。

本作は、異世界に召喚された高校生・南雲ハジメが、最弱の職業から最強へと成り上がる物語である。第8巻では、ハジメと仲間たちが新たな迷宮に挑み、さらなる試練や敵と対峙する姿が描かれている。また、彼らの成長や絆の深化も見どころである。

本シリーズは、コミカライズやアニメ化もされており、幅広いメディア展開が行われている。特に、アニメ第2期の第8話「不穏な影」では、愛子が神山の塔に囚われるなど、緊迫した展開が描かれている。

『ありふれた職業で世界最強 8』は、ハジメたちの冒険がさらに深まる重要な巻であり、シリーズファンにとって見逃せない内容となっている。

読んだ本のタイトル

ありふれた職業で世界最強 8
著者:白米良 氏
イラスト:たかやKi  氏

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あらすじ・内容

“ハウリアの乱”を終え、フェアベルゲンに降り立ったハジメ一行。
亜人たちが帰郷の歓喜に沸き立つなか、改めてシアとの関係に思いを馳せるハジメ。
――そして、ついに七大迷宮のひとつ【ハルツィナ樹海】の試練に挑む。
しかし出発後、大迷宮の仕掛けでメンバーが偽物と入れ替わってしまい……!?
つぎつぎに襲いかかる凶悪な試練の道中に現れた、無防備な一体のゴブリン。
複数の大迷宮攻略を前提とする高難度の試練に、ハジメが打つ手は果たして――。
「お前の言う通りだった。――“未来は絶対じゃない”」
いま、彼らの紡いだ“絆”が試される。“最強”異世界ファンタジー、第8巻!

ありふれた職業で世界最強 8

感想

絆の試練と仲間たちの成長 ハルツィナ樹海での試練は、精神面を強く問う内容であった。
特に快楽攻撃や感情反転といった特殊な罠に、各キャラクターの個性と成長が反映されていた。ティオの耐久力やシアの健気な姿が際立ち、物語に深みを与えていた。

シアの特別な存在 ハジメとシアの関係がついに一歩進展した点は、多くの読者に感動をもたらした。
シアの長年の努力と諦めない姿勢が実を結び、ハジメから「特別」と認められる場面は、彼女の成長と幸福を象徴していた。

迷宮の巧妙な仕掛け ハルツィナ樹海の迷宮は、これまで以上に厳しい試練が用意されていた。
特に人型ゴキブリとの戦いは圧巻で、仲間たちの連携と覚悟が試されるシーンとなっていた。
この迷宮の試練を通じて、彼らの絆が一層強固になったのが印象的であった。

未来への希望と不穏な影 エピローグでは、不穏な種が蒔かれ、次巻への期待が高まる展開となった。
敵側の動きや、クラスメイトたちの葛藤が描かれ、物語の緊張感を維持していた。
リリアーナや雫の成長も今後の物語に重要な要素となりそうであった。

総評 ハジメたちが仲間との絆を深め、新たな未来への一歩を踏み出す巻であった。試練の厳しさと成長の喜びが巧みに交差し、読み応えのある展開であった。
次巻でのさらなる挑戦と、キャラクターたちの行方に期待。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

第一章  英雄の凱旋

亜人奴隷解放と飛空艇の航行

亜人たちの現実逃避と驚愕の風景

ハジメが製作した飛空艇「フェルニル」に乗り、亜人たちは故郷であるハルツィナ樹海へ向かっていた。彼らは空の旅に戸惑い、驚きながらも解放の喜びに浸っていた。フェルニルの飛行は帝国民にも衝撃を与え、奴隷解放が「神の意志」として納得されるようハジメの演出が働いていた。

ハジメの疲労と帝国皇帝の登場

飛空艇の操縦に疲れ切ったハジメは、ソファーで怠惰に過ごしていたが、そこにヘルシャー帝国皇帝ガハルドが登場。ハジメの態度に呆れつつ、飛空艇に興味を示し、自らの飛空艇製作を要求した。ハジメは利益がないとしてこれを拒否し、ガハルドの懇願も女を提供する申し出も退けた。

リリアーナ姫の婚約白紙

王国側のリリアーナ姫とその従者たちも乗船していた。リリアーナの婚約が白紙撤回されたことにより、彼女は複雑な心情を抱えていたが、同乗者たちから祝福の声が上がった。リリアーナの反応には嬉しさが見え隠れし、ガハルドはこの婚約白紙の経緯と帝国内の混乱について説明した。

ハジメと仲間たちの愛情と嫉妬の嵐

ハジメがユエとシアを抱き寄せて満足感を示すと、香織やティオも彼の愛情を求めて参戦。これに対し、ユエが勝者を主張し、香織とティオが怒りを露わにする。艦内での小競り合いが激化し、他の同乗者たちも巻き込まれたが、ハジメは気怠げに見守るだけであった。

最後の航路と未来への展望

艦橋に残されたハジメと仲間たちは、亜人たちの無事な帰還とこれからの道のりを見守った。樹海が目前に迫り、帝国皇帝の悲鳴もどこかで響いていたが、ハジメたちは静かに空の旅を終える準備を進めていた。

フェアベルゲンの夜と復興

夜の灯りと復興の風景

夜が訪れたフェアベルゲンは、燐光を放つ樹海の虫や特別な松明の光で幻想的に照らされていた。香織の再生魔法によって街は急速に復興し、住人たちは平和な日常を取り戻しつつあったが、そこには前例のない喧騒が広がっていた。亜人族の帰還を待つ準備で、希望に満ちた表情で住民たちが忙しなく動き回っていた。

アルフレリックとカムの会話

長老であるアルフレリックは、書類を前にして疲れを感じつつも、カムとともに亜人の帰還の準備を進めていた。帝国との戦いで奴隷を解放したハウリア族の報告が信じがたく、アルフレリックは同胞の救出に関して複雑な感情を抱いていた。

ハウリア族の恐るべき実力

かつて処刑の危機にあったハウリア族は、今や帝国を打倒する存在となり、長老会議もその実力を痛感していた。特にハウリア族の冷酷さと剛毅な雰囲気は畏怖を誘い、かつての弱者の姿とは全く異なるものになっていた。彼らの圧倒的な力が再認識される中、アルフレリックはその対応に努めた。

アルテナの帰還と祖父との対話

アルフレリックの孫娘アルテナも帰還し、祖父の補佐を行っていた。アルテナはハジメの存在に対して密かに興味を抱きつつも、祖父にからかわれ、照れながらもその感情を隠そうとしていた。ハジメに対する淡い憧れを見せるアルテナであったが、その道がどれほど険しいかもまた察していた。

フェルニルの到着と亜人たちの再会

突如としてフェルニルが樹海に現れ、住人たちの注目を集めた。ゴンドラから解放された亜人たちが次々と現れると、再会を喜ぶ家族たちが涙ながらに抱き合い、フェアベルゲンは喜びの喧騒に包まれた。ハジメとともに到着した長老衆も彼の計り知れない力に感謝と驚嘆の念を示した。

香織の再生魔法と住人の崇敬

ハジメによって破壊された樹木を香織が再生魔法で修復すると、住民たちは彼女を守護女神として崇めた。香織はその神格化を必死に否定したが、亜人たちの間には香織教のような崇敬の念が生まれつつあった。

カムの演説と兎人族の決意

カムは兎人族に向けて、未来を守るために戦う必要性を説き、兎人族の誇りを取り戻すように鼓舞した。彼の熱意に応え、兎人族の間に戦う意志が芽生え始めた。カムはその戦意を利用し、更なる戦力強化を企んでいた。

アルテナの誘導とシアとの対立

アルテナはハジメに対し好意を抱き、彼の手を取り案内しようとしたが、シアに阻まれた。二人の間に張り詰めた空気が漂い、カムの思惑通りに対抗心が燃え上がる結果となった。シアに対するハジメの気遣いが、彼女への特別な感情を表すものとして仲間たちにも認識されつつあった。

誓約の場での緊張

ハジメ達と長老衆の対面

案内された広間で、長老衆はカムやハウリア族、ガハルド、そしてハジメ達と対面した。皇帝ガハルドの敗北宣言と誓約内容を自ら確認した長老衆は、複雑な感情を整理するためそれぞれ異なる反応を見せていた。特に虎人族のゼルは、ガハルドへの怒りを露わにし、殺意を含む視線を向けたが、ガハルドは挑発的にそれを受け流した。

ガハルドと長老衆の対立

ガハルドは、己の態度が気に入らないなら力で従わせろと主張し、長老衆に対して一切の謝罪や罪悪感を示さなかった。彼は、亜人族を軽んじる理由が「弱さ」に起因しているとし、敬意を払うのは戦ったハウリア族のみであると明言した。これにより、広間には一触即発の緊張感が漂った。

ハジメの介入とガハルドの帰還

その空気を読まぬまま、ハジメはガハルドを強制的に帰還させようとした。ガハルドは驚愕しつつも反論したが、ハジメは冷静に「証人として連れてきただけで会談を見守るためではない」と述べ、そのままガハルドを帝国へ送り返した。これによって、長老衆の怒りは少し和らぎ、ハジメの予想外の対応に周囲も驚嘆していた。

リリアーナとのやりとり

リリアーナもまた、ハジメの非礼な対応に驚きつつも、彼の態度に冷静な反応を示し、最終的には笑みを浮かべて受け入れた。彼女の心中に芽生えた淡い感情は、今後の展開に不確定な要素を加えつつも、リリアーナは王女としての自覚を持って任務を果たそうと努めていた。

ハウリア族への報酬と長老の提案

アルフレリックは、ハウリア族に対する追放処分の取り消しと、フェアベルゲンへの居住区の提供を提案し、更にはカムに長老の座を与えることで報いる考えを示した。しかしカムはそれを即座に拒否し、ハウリア族の目的が兎人族の未来のためだけであると主張した。彼は、他の亜人族には特別な関心を抱いていないことを強調し、必要があれば長老衆にも刃を向ける覚悟であると述べた。

カムの条件と新たな地位

アルフレリックは再提案として、ハウリア族に「同盟種族」としての地位を与えることを提案し、長老会議への参加資格も付与するという形で合意に至った。カムもこれを了承し、兎人族として独自のルールで動く意向を示した。ハウリア族の居住区が確保される一方、ハジメや長老衆もそれに理解を示し、今後の平和的共存が図られることとなった。

樹海での休息とフェアベルゲンでの滞在

フェアベルゲンでの滞在が許可され、ハジメ達は休息を取ることとなった。フェアベルゲン内はまだお祭りのような賑わいが続いており、各々が亜人族の国の文化を楽しんでいた。また、香織教信者達が香織を崇めていたが、香織は変装してそれを避けようとした。

リリアーナの帰還

最終的にリリアーナは王国へと戻ることになったが、その帰還もハジメによって強制的に行われた。王女としての扱いを望むリリアーナであったが、ハジメはそれを意に介さず、リリアーナの心中に複雑な感情を残して物語は進んでいった。

夜中の訪問とハジメの誘い

ハジメ達の静かな夜

その夜、ハジメ、ユエ、香織、ティオの四人は静かな部屋でくつろいでいた。だが、いつも賑やかなシアが不在で、四人は彼女の遅さを気にしながら会話を続けていた。そこに突然、窓からカムが訪れ、ハジメに同行を求めた。カムの真剣な様子に、ハジメは同意し、カムに導かれて部屋を後にした。

ユエの配慮と鬼ごっこ

カムの訪問後、ユエは香織とティオに「膝枕」を提案し、二人を挑発した。これに乗った二人とユエの間で、鬼ごっこが始まり、三人は窓の外へと飛び出していった。ユエのこの行動は、ハジメとシアが二人だけで話せる時間を作るための配慮であり、ハジメはその意図に感謝の気持ちを抱いた。

シアとの特別な時間

母の墓前での語り

カムに導かれて樹海にあるシアの母親の墓前に到着したハジメは、そこでシアと向き合った。シアは亡き母モナへの思いを語り、自身が家族や大切な人を守れる「英雄」になりたかったと心情を吐露した。ハジメもまた、シアの母への感謝の言葉を述べ、シアとの絆を再確認した。

シアの決意とハジメへの想い

シアは、ハジメへの恩返しの意を表し、自分ができることで彼に感謝の気持ちを伝えたいと告げた。彼女のその純粋な気持ちに対し、ハジメはシアがただ「笑っていればいい」と答え、彼女の存在が自分達の旅に色を与えたことを告げた。シアはその答えに少し不満を抱きつつも、ハジメへの想いを胸に刻んだ。

幻想的な光景と膝枕

シアがハジメを大木の頂上に案内すると、そこには幻想的な霧と月光の光景が広がっていた。ハジメはシアに膝枕を頼み、二人でその美しい景色を眺めた。シアの髪が月光に照らされて輝く中、ハジメは彼女の存在が大切なものになっていることを再確認した。シアもまた、ハジメのそばで穏やかなひとときを過ごし、互いに深い絆を感じていた。

王都でのリリアーナの帰還

リリアーナの不意の帰還

一方、王都ではリリアーナが突然〝ゲート〟から帰還し、優花や愛子の前で滑り込んできた。近衛騎士や侍女と共に壮絶な帰還を果たしたリリアーナは、少し恥ずかしそうに状況を説明し、疲れた様子を見せた。

リリアーナと優花達の会話

リリアーナは優花や愛子に、帝国での出来事を語り、自らの今後の役割についても決意を新たにした。また、彼女の南雲ハジメに対する複雑な感情も垣間見える場面があり、優花達はその様子に少し驚きと疑問を抱いた。

緊急会議と家族の反応

リリアーナの帰還とその報告を受け、王国上層部では緊急会議が開かれた。その中で、彼女の弟ランデルや王妃ルルアリアが彼女の初恋の兆しに動揺し、会議の場に感情的な声が響き渡った。

第二章  ハルツィナ大迷宮

ハジメ達の樹海探索開始

• ハジメ達は【ハルツィナ樹海】の〝大樹ウーア・アルト〟へ向かっていた。樹海の霧は非常に濃く、十日に一度だけ道が開かれる。ハジメ達は【フェアベルゲン】での快適な滞在を経て、この道が開けるタイミングで出発した。途中、仲間たちは各自の出来事に巻き込まれながらも過ごし、雫のみが疲れている様子であった。

樹海の魔物との遭遇と光輝達の挑戦

• 樹海に入ると、霧に紛れた魔物達が奇襲を仕掛けてきた。ハジメやユエ達は一切対処せず、光輝達に初挑戦を兼ねて任せたが、霧の影響で感覚が狂い、光輝達は苦戦を強いられた。

香織の成長と仲間との交流

• 香織は神の使徒〝ノイント〟の体を使いこなすために訓練を続けており、その成長ぶりに仲間達は感心した。彼女の能力の高さに、雫から「バグキャラ」と評され、香織は自分が未熟だと感じつつも仲間達とコミュニケーションを深めた。

大樹ウーア・アルトの到着と石版への証のセット

• ハジメ達は〝大樹ウーア・アルト〟に到着し、その圧倒的な姿に驚嘆した。ハジメは大迷宮攻略の証を石版にセットし、石版が輝き始めた。その輝きが大樹にも広がり、再生魔法の効果で大樹が瑞々しさを取り戻し、洞が開かれた。

樹海の洞窟内部での転移とユエの偽物との対峙

• ハジメ達が洞の内部に入ると、突如足元に魔法陣が現れ、全員が転移された。転移後、ユエ達が偽物であると見抜いたハジメは、拘束して調査を行った。ユエとティオの偽物がスライムのような存在であることが判明し、本物のユエ達が別の場所に転送されていると推測した。

魔物蜂モドキとの激戦と光輝の苦戦

• 転移先で蜂モドキの群れに遭遇した光輝達は、連携しながら戦ったが、その凶悪な回避能力と毒の攻撃に苦しめられた。ハジメ達が応援に加わり、蜂モドキを次々と撃破したが、光輝達は自分の力の差に直面し、焦燥感を募らせた。

光輝の内なる葛藤とハジメからの忠告

• 光輝は自らの未熟さに苛立ちを感じるが、ハジメから「龍太郎を捜すことに専念すべき」と諭された。光輝は内なる劣等感を抱きながらも、仲間の安否を思って再び歩み出した。

再度の探索開始と仲間との会話

• 魔物の群れを撃退し、ハジメ達はユエやティオと再び合流するために探索を続けた。

ハジメの怒りと猿モドキの惨劇

• 樹海の探索中、ハジメ達は猿モドキの魔物に襲撃された。魔物たちはユエに擬態し、彼女を冒涜する行動をとったため、ハジメは激怒し、樹海を焼き尽くす勢いで猿モドキたちを攻撃した。シアと香織が必死にハジメを制止し、彼の怒りを和らげたが、樹海は焦土と化していた。

光輝の被害とハジメの弁解

• ユエに擬態した魔物を他の男に見せないため、ハジメは光輝の目を潰すという強硬手段に出た。視力を回復した光輝はハジメに抗議したが、ハジメは「恋人の姿を他人に見せられない」と弁解した。

ゴブリン姿のユエとの再会

• 樹海の奥で、ハジメはゴブリンに姿を変えられたユエと再会した。ユエは魔法も使えず、言葉も発せなかったが、ハジメは彼女を見分け、念話石を通じて再び会話を取り戻した。ユエの変わり果てた姿に一行は驚愕しつつも、再び歩みを進めた。

ゴブリン姿のティオとの再会

• さらに奥へ進むと、今度はゴブリンに変わったティオを発見した。暴行を受けて恍惚の表情を浮かべるティオに、ハジメ達は呆れ果てたが、念話石を使い会話を試みた。ティオは変わり果てた状況を快感に転じる様子を見せたため、ハジメ達は無視して探索を続けた。

巨大トレントとの遭遇と戦闘開始

• ハジメ達は探索の中で巨大なトレントと遭遇した。このトレントは【オルクス大迷宮】の過去に見た魔物に似ていたが、圧倒的な大きさと力を持っていた。光輝、雫、鈴、そしてオーガ化した龍太郎が前線に立ち、ハジメ達のバックアップのもと、トレント討伐を試みた。

光輝の奮闘と切り札「神威」の発動

• 光輝は、かつてのハジメとユエの信頼関係に触発され、自らの信頼関係を証明するため、仲間の支援を受けながら「神威」を発動。しかし、巨大トレントに直接のダメージを与えることはできず、攻撃はトレントが召喚した大量の木々に阻まれた。

巨大トレントの固有魔法と鈴の「聖絶」

• 巨大トレントは固有魔法「樹海現界」を発動し、大量の木々で全方向から攻撃。鈴が「聖絶」を展開して防御するも、魔力消耗により危機に陥った。だが、香織の再生魔法「刻永」が障壁を守り、窮地を脱する。

ハジメの決断と地獄の業火による討伐

• 戦闘が膠着する中、ハジメは「円月輪」を使い上空から燃えるタールを降らせ、樹海を焼き尽くす。摂氏三千度の業火により、巨大トレントと召喚された木々は完全に焼き尽くされ、鎮火後にはトレントの残骸が残るのみだった。

再生する巨大トレントと次のステージへの進行

• 炭化したトレントが再生し、内部に洞窟を開く。ハジメ達はそこを通り、次のステージへと進む準備を整え、転移魔法陣によって新たな場へと移動した。

ハジメの日常と違和感の覚醒

• 朝、目覚めたハジメはユエと共に登校。日常生活に戻るも、会話や出来事に微かな違和感を抱き始める。放課後のミュウとの触れ合い、ナンパ男たちへのシアの対応を見ている中で、心の奥に潜むざわめきが徐々に増していった。

夜の葛藤と覚醒の兆し

• ハジメは夕食と入浴を終えた後、自室のベッドで考えに耽っていた。胸中には正体不明の違和感があり、心の奥底から誰かが叫ぶ声が聞こえる気がした。彼は苛立ちを覚えながら、その感情と向き合っていた。

ユエとの会話と甘い囁き

• ノックの音と共にユエが現れ、ハジメの濡れた髪を乾かし、彼を愛おしげに抱きしめた。ユエは甘く優しく囁き、ハジメの不安を和らげようとした。しかし、ハジメの違和感は次第に強まり、彼の心に深い苛立ちを残した。

消えない違和感と誓いの記憶

• ユエの愛撫に包まれながらも、ハジメは無意識に何かを思い出し始めた。それはかつて奈落の底で、ユエと共に立てた誓いであった。二人で世界を越えること、互いに守り合うことを誓い合ったあの日の記憶が蘇り、ハジメは心の奥底で自分を呼び覚ます声に応える決意を固めた。

理想のユエとの対峙と偽りの否定

• ハジメは自分が理想の恋人と理想の世界に囚われていることを自覚し、目の前のユエを偽者と断定。現実のユエこそが真実であり、理想の恋人では自分の魂は満たされないと悟った。彼は鋭い視線を向け、「理想通りの恋人」などに価値はないと強く断じた。

誓いの証明と仮初の世界の破壊

• ハジメは己の誓いを証明するため、仮初の世界を破壊する覚悟を決めた。「限界突破」を発動し、全力で魔力を放出することで、仮初の世界は真紅の光に包まれ崩壊した。その瞬間、彼は現実の仲間たちと共に生きることが、自分の幸福の本質であると再認識した。

試練の声と現実への帰還

• 崩壊する世界の中で、誰かの優しい声が響き、「甘く優しいだけのものに価値はない」と告げられる。ハジメはその言葉に反発しつつも、現実で積み重ねた経験こそが真実の幸福を築くことを胸に刻み、試練を乗り越えて現実へ帰還する兆しを掴んだ。

第三章  希望をこの手に

閉ざされた空間での目覚めと違和感の確認

• ハジメは冷たい感触と乾いた空気を感じて意識を取り戻した。彼は自分が真っ暗闇の空間にいることに気づき、周囲を確認すると、巨樹の洞に似た大きなドーム状の空間にいることがわかった。そこには長方形の物体が円周状に並んでおり、それが人が入れる大きさの棺のように見えた。

仲間の発見と仮初の世界の推察

• ハジメは棺の中で眠るユエを見つけた。彼女は黄褐色の物質の中に閉じ込められていたが、確かに生きていることを確認した。部屋には他の仲間たちも同様に閉じ込められており、彼らもそれぞれ仮初の世界を見せられていると推測した。ハジメは、試練をクリアすることで仲間たちも解放されるだろうと考えた。

ユエの覚醒と愛情の確認

• ユエが仄かに光る琥珀から解放され、意識を取り戻すと、ハジメと再会した。ユエは目の前のハジメが本物かどうか確認するために彼を見つめ、ハジメもまた彼女が本物であると確信していた。二人はお互いが理想世界で出会っていたことを語り合い、愛情の再確認をした。

シアの帰還と意志の表明

• シアも琥珀から解放され、現実に戻ってきた。彼女は理想世界の中で、過去の家族との再会を経験しつつも、今の自分を否定することなく現実へと戻ることを選んだ。その決意を語るシアに、ハジメもまた彼女の成長を感じ、優しく迎え入れた。

ティオの復活と現実への強い思い

• 次にティオが戻ってきた。彼女も理想世界から脱出し、ハジメに忠誠を誓いながら、現実の厳しさを望む姿勢を見せた。ティオの様子を見たハジメは彼女の成長と覚悟を感じ、改めて仲間として受け入れた。

香織の帰還とユエのからかい

• 香織も現実へと戻ってきたが、夢でハジメと過ごした理想的な時間を思い出して赤面し、恥ずかしさを隠しきれなかった。ユエにからかわれつつも、香織は現実の中で仲間と共にいることを再確認した。

光輝たちの解放と次のステージ

• 最後に香織の魔法で光輝たちが琥珀から解放された。彼らもそれぞれ理想世界を見せられ、困惑や悲しみを抱えながらも、現実に戻る選択をした。その直後、全員が次のステージへ強制転送される準備が整い、ハジメたちは新たな挑戦に挑む決意を固めた。

転移後の樹海での再会と警戒

• ハジメ達は【オルクス大迷宮】に似た限定的な地下空間へ転移し、再び樹海に迷い込んでいたが、今回はメンバー全員が揃っていた。ハジメは各メンバーの無事を確認し、特に偽物が紛れていないことを確認した。光輝と鈴は仮初の世界で見た夢の影響からまだ完全に立ち直れていないようで、特に光輝の様子は不安定であったが、ハジメの厳しい言葉に自らを奮い立たせ、先に進む決意を固めた。

乳白色のスライムによる攻撃と防衛

• 巨樹を目指して進んでいた一行のもとに、突然スライムの雨が降り注ぎ、周囲の木々からも乳白色のスライムが現れた。ユエの防御魔法〝聖絶〟によりスライムからの直接的な攻撃は防がれたが、スライムは地面からも襲い掛かり、各自が撃退に追われた。香織や龍太郎、鈴たちはスライムを排除しつつも、予期せぬ形で身体に液体が付着してしまう。

スライムの襲撃とハジメの対策

• スライムは大量に発生し続けていたため、ハジメはユエの結界内で周囲のスライムを一掃する計画を立てた。クロスビットを使い円月輪で炎を巻き上げることでスライムを焼き尽くす攻撃を行い、樹海全体を焼き払って紅蓮の地獄へと変えた。ハジメの静かな怒りはスライムの根絶を目指し、徹底的な掃討戦を行う形となった。

乳白色スライムの粘液の効果と新たな試練

• スライムの襲撃が収まった後、メンバーたちはそれぞれが強烈な快楽を伴う異常を発症し始めた。ハジメは、これはスライムの粘液が媚薬効果を発揮しているためだと推測した。ユエやシア、香織も異常なまでにハジメに迫る状況となるが、彼女たちは自分の意志で試練に抗い、正気を保とうとする姿を見せた。ティオだけはこの快楽に打ち勝ち、冷静さを保っていた。

メンバーの絆と決意の表明

• ハジメはユエ、シア、香織に信頼を示し、自らの意志で試練を乗り越えることを期待した。三人もそれに応え、快楽に屈することなく仲間としての絆を証明する決意を示した。ハジメは彼女たちをそっと抱きしめ、精神的な支えとして寄り添うことで、彼女たちの不安を和らげた。

大迷宮の試練と仲間の成長

試練の終結

ハジメたちは、迷宮の試練を無事に乗り越え、周囲の地面が金属質なメタリックなものに変わっているのに気づいた。ユエ、シア、香織の三人は目を覚まし、快楽の効果が消えて正気に戻ったことを確認した。ハジメは三人の精神力を称賛し、彼女たちは喜びを浮かべつつ、感謝の気持ちを表した。

困難を乗り越えた雫

雫も試練を耐えきり、ハジメと香織からの称賛に照れる表情を見せた。彼女は瞑想で耐え切ったと述べ、ハジメに感謝した。ハジメは着替えと簡易更衣室を用意し、仲間の回復を支援した。光輝と龍太郎は意識を取り戻し、状況を理解して頭を下げた。

冷静な準備と安心感

ハジメは、予備の服を宝物庫から取り出し、仲間のために即席の更衣室を設置。ユエが魔法で温水を降らせ、心身を整える準備を整えた。敵の襲撃を防ぐための地形変化を行い、周囲の警戒も怠らなかった。

ティオへの「お仕置き」

ティオが再び話しかけるも、ハジメはわざと冷淡な態度を取り続けた。ティオは「ティオと呼んで欲しい」と懇願し、ハジメはその姿を見て少し満足げだったが、最後には彼女の願いを聞き入れた。ティオは純粋に喜びを表現したが、ハジメはティオの「残念さ」に苦笑いを浮かべた。

心の傷と笑い

一行は再び迷宮の探索を続けるが、光輝や龍太郎、鈴は試練の記憶に心を痛めていた。雫は、鈴を慰めるために自らの恥ずかしい過去を話し、鈴は少し笑顔を取り戻した。これにより、一行は気まずさを払拭し、再び前向きな気持ちで進むことができた。

大樹への到達と異様な光景

迷宮を進むと、ハジメたちは巨大な大樹の根元に辿り着いた。そこから延びる枝が複雑な空中回廊を形成しており、地下に広がる壮大な光景に驚愕した。全員が大樹の威容に敬意を表し、改めてこの場所の異様さを実感した。

不気味な音の発見

シアのウサミミが何か不気味な音を捉え、皆がその音源を確認しようとした。ハジメとシアがその異常を見つけ出し、不安な表情を浮かべる。

ゴキブリ大群との対峙と応戦

黒い津波の襲来

ハジメたちは地下空間に突如として広がる、無数のゴキブリの大群に直面した。彼らは圧倒的な嫌悪感を抱きつつ、最大限の攻撃を放ち、ゴキブリの津波を撃退しようと試みた。オルカンや雷龍、ブレスなど、各自が持てる最強の力を駆使してゴキブリの波を打ち払ったものの、攻撃の規模に対し、大群の勢いは衰えることがなかった。

魔法陣の出現と巨大ゴキブリの誕生

次第に、ゴキブリの群れが空中に幾何学的な模様を形成し、巨大な魔法陣が浮かび上がった。中心には卵状の球体が現れ、それが破裂すると、中から巨大な人型のゴキブリが姿を現した。鋭利な爪を持つその異形の存在は、まさに大迷宮の最終ガーディアンであり、強烈な威圧感を放っていた。

反転魔法の発動

巨大ゴキブリが放つ魔法の一撃が炸裂し、ハジメたちはその影響で感情が反転させられた。本来抱くべき嫌悪感が愛情へと変わり、仲間への信頼や愛情が憎悪へと変貌した。各々が仲間に対して激しい嫌悪を抱きつつも、敵であるゴキブリに対して異様な愛しさを感じる、歪な感情の中で戦闘が再開された。

五天龍による反撃

ハジメとユエは反転した感情に抗いながらも、敵としてゴキブリを殲滅する決意を固めた。ユエの五天龍が放たれ、風・炎・雷・氷・土を司る五つの龍がゴキブリの群れを飲み込み、次々と敵を消滅させていった。この壮絶な魔法の威力で、周囲のゴキブリはほぼ一掃された。

再生する人型ゴキブリ

しかし、負傷した人型ゴキブリは、他のゴキブリを吸収することで再生する能力を持っていた。ハジメとユエが立てたダメージは瞬く間に回復され、人型ゴキブリは完全な形で復活を遂げた。この無限に再生する能力を前に、ハジメたちは再度、難敵との戦いを強いられることとなった。

「人型」との死闘:黒煙の包囲と対抗戦

黒煙の襲撃と腐食の威力

ハジメとユエが「人型」の前で攻撃の準備を整えていると、「人型」から黒煙が放たれた。その黒煙は触れたものを腐らせ、大樹の枝通路をも崩壊させた。「人型」の攻撃は腐食性のある砲撃であり、強烈な威力を持っていた。

「人型」の超音速攻撃とユエの負傷

「人型」は高速移動でユエに迫り、風の刃と衝撃波を伴う攻撃で彼女を負傷させた。ユエは急いで回避したが、肩と脇腹から出血し、吐血も見られた。再生能力を持つユエであったが、「人型」の攻撃は危険極まりないものであった。

五天龍の解放と反撃

ユエは天龍の力を解放し、五天龍が黒の津波をなぎ払い、空間全体を一掃した。しかし、「人型」は再び再生し、ユエの上空から急襲を仕掛けた。ハジメも即座に応戦し、精密射撃で「人型」を狙ったが、高速移動で回避される。

再生する「人型」の正体と想定

「人型」が持つ能力は「神の使徒」を模したものであり、ハジメはこれが大迷宮の試練であると推測した。「人型」は腐食、再生、風の刃、そして高速移動など多彩な能力を駆使し、難敵であることが明らかとなった。

新たなる脅威:数十体の「人型」

一体の「人型」を撃破した直後、天井からさらに数十体の「人型」が現れ、ハジメとユエに襲いかかった。二人は紅と黄金の魔力を放ち、再び戦いに身を投じる決意を固めた。

シアたちの奮闘と絆の回復

黒の津波と「半人型」との交戦

シアたちも黒の津波や「半人型」に包囲されるが、各自が奮闘し、敵を撃退していった。鈴は一瞬の躊躇いを見せたものの、ティオの叱責で立ち直り、結界師としての役目を再び果たし始めた。

シアの無双と香織の覚醒

シアは敵を圧倒し、まさに無双の活躍を見せた。香織もまた雫を守るために反射的に体が動き、互いに背を預け合いながら戦う中で、香織と雫の友情と信頼が再確認された。

ティオの使命感と仲間への思い

ティオは憎悪に包まれる状況下でも仲間を守る使命感を貫き、特にシアに対しては敬愛の念を抱いていた。彼女の言葉が仲間たちに力を与え、共に戦う意志を強めるきっかけとなった。

強固な拠点と仲間たちの絆

シア、香織、雫、ティオは各々の役割を果たし、拠点を構築。どれだけの「半人型」が襲いかかろうとも、彼女たちは一丸となって対抗し、圧倒的な力で敵を打ち破った。

五十体の「神の使徒」との決戦:腐食の嵐を超えて

「人型」の猛攻と防御の策

五十体の「神の使徒」としての「人型」が、腐食の黒煙を圧縮した砲弾を放ち、ハジメとユエに迫った。ハジメは「宝物庫」から大盾を取り出し、腐食の雨を防ぎながら、ユエがゲートで上空に移動する布石を打った。

上空からの反撃と「禍天」の防御

ユエは上空から超重力場「禍天」を展開し、腐食の砲撃を逸らしつつ、ハジメがクロスビットでスラッグ弾の雨を降らせ、「人型」を次々に撃破した。残った「人型」も腐食の槍で反撃するが、ユエの「禍天」によって攻撃は阻まれた。

蒼天弾による圧倒的な攻勢

ハジメとユエは次々と協力技を繰り出し、蒼炎弾や振動粉砕で「人型」を圧倒していった。ユエは蒼炎弾を転送しながら「人型」を撃破し、ハジメもレールガンで敵を連続して打ち破った。二人の連携により、「人型」の包囲は徐々に崩れた。

背中合わせの信頼と精密射撃

「人型」が魔法陣を展開し、ユエとハジメに大規模な攻撃をしかけようとする中、二人は背中合わせの信頼で互いの敵を無力化した。ユエの重力魔法「絶禍」で腐食弾を吸収し、ハジメは魔眼石で敵の核を見抜き、精密射撃で破壊した。

ハジメの限界突破と最終防衛

ユエが準備中の大技を完成させるため、ハジメは「限界突破・覇潰」を発動し、すべての能力を五倍に引き上げた。圧倒的な魔力で腐食の竜巻を吹き飛ばし、ガトリング砲「メツェライ」で「人型」を迎撃。ハジメの周囲は絶対防衛線と化した。

蒼き焰「神罰之焰」の発動

ゴキブリの大群と追い詰められたハジメとユエ

無数のゴキブリが地下空間全体を覆い、閉鎖空間を形成しハジメとユエを圧縮した。しかし、ハジメはユエに最後の時間を与えるために防御を続け、クロスビットと自身の体で結界を保った。

最終奥義「神罰之焰」による殲滅

ユエが完成させた超広域殲滅魔法「神罰之焰」が発動し、ゴキブリや「人型」など、ユエが敵と見なしたもの全てが灰燼に帰した。この魔法は、魂魄魔法「選定」によってユエが指定した者のみを焼き滅ぼし、シア達を無傷で残すほどの精密性を備えていた。

戦後の余韻とユエの愛情表現

戦いが終わり、ハジメがユエを抱きかかえ、二人は互いの気持ちを確認し合った。ユエは戦いの疲労もありながら、ハジメに愛情を示し、「魔力補給」を兼ねた吸血を楽しむことで、二人の絆がさらに深まった。

大迷宮「ハルツィナ樹海」攻略後の休息と新たなる希望

ハジメ達の無事とティオの変貌

ハジメとユエが広場に戻ると、シアと香織が驚いた様子で迎えた。特に、ティオが普段とは異なる頼れる「お姉さん」らしい姿を見せたことに二人は驚き、それが「普通」には戻らないことを知ると、やや複雑な心境であった。

休息と回復

広場で香織の再生魔法や携帯食によって体力を回復した後、皆は再び元気を取り戻した。疲労を癒すため、敢えて感情反転魔法の影響下での言動には触れず、静かに休息した。

天空へ導く階段の出現

休息が終わったタイミングで、大樹から輝く通路が出現し、ハジメ達を天空の階段へと誘った。倦怠感の残るハジメは笑みを浮かべつつも、新たな試練がないことを祈りつつ、その階段を進んだ。

「ハルツィナの庭園」と概念魔法の獲得

圧倒的な自然の美しさと異世界の高さ

階段を登りきった先には、見事な庭園が広がっていた。大樹の頂上に位置するその場所から、濃霧の海が眼下に広がり、まるで異次元の高所にいるかのような景観が広がっていた。

リューティリスの言葉と神代魔法「昇華魔法」の真価

庭園の最奥にある大木の石板が輝き、そこから大樹の守護者であるリューティリス・ハルツィナの映像が現れた。彼女は、ハジメ達が試練を越えたことを称え、昇華魔法の真価について語った。それは全ての神代魔法を昇華し、「概念魔法」へと到達するものであった。

「導越の羅針盤」の贈与と帰還への希望

リューティリスは、ハジメ達に「導越の羅針盤」を贈った。この羅針盤は、望む場所を指し示す概念魔法が込められており、ハジメはこれにより日本への帰還手段が手に入ったかのような喜びを覚えた。しかし、昇華魔法のみでは完全な帰還は難しいと知り、全ての神代魔法を手に入れる決意を新たにした。

仲間たちの思いと未来への決意

クラスメイトとの約束と仲間たちの喜び

ハジメは、共に帰還することを望むクラスメイトたちの期待を受け止め、羅針盤が指し示す道を皆で歩むことを約束した。光輝や鈴たちは、希望を胸に秘めながらも確かな帰還の手段を求め続ける意思を固めていた。

故郷への想いと仲間たちの絆

最後に、ハジメはユエ、シア、香織、ティオの温かな視線を受け、その想いを胸に再び歩みを進める決意をした。庭園の魔法陣を起動させ、仲間たちと共に新たな冒険へと進む彼らの姿は、希望と覚悟に満ちていた。

大迷宮「ハルツィナ樹海」攻略の幕引き

こうしてハジメ達は、「ハルツィナ樹海」という過酷な試練を乗り越え、新たな希望と共に未来への道を切り拓いた。

第四章  変わりゆく心

早朝の鍛錬と静謐な決意

森の静寂と雫の鍛錬

【フェアベルゲン】の都は早朝の静けさに包まれていたが、森の奥では雫が黒刀を振るう鋭い音が響いていた。彼女は明鏡止水を心に描きながら、木の葉を斬る鍛錬を行っていたが、その集中は度々乱され、心に浮かぶ一人の少年の影に苛立ちを覚えた。

鍛錬を乱す心の影

大迷宮での出来事が思い返される度に、雫の剣筋は乱れ、彼女の内心は荒れ狂っていた。特に、理想的な夢の中で見せられた乙女らしい自分や、大迷宮での感情反転により抱いてしまった少年への複雑な感情が、心をかき乱していた。

ハジメとの再会と会話

ハジメの登場と動揺する雫

雫が鍛錬の余韻に浸っていると、突如、ハジメが現れた。彼の不意の登場に驚いた雫は狼狽し、やや挙動不審な様子を見せた。ハジメは「目が覚めて鍛錬をしようとした」と説明し、雫が汗だくであることに気づき、タオルを渡した。

黒刀の強化と新たな力

ハジメは昇華魔法の力で雫の黒刀を強化し、重力魔法、空間魔法、再生魔法などを付加した。これにより、黒刀は大幅な性能向上を遂げ、強大な能力を持つ魔剣と化した。雫はその性能に驚きと冷や汗を覚えつつも、感謝の意を示した。

帰還の準備と信頼の言葉

雫への信頼と大迷宮攻略への決意

ハジメは「最後の大迷宮である氷雪洞窟攻略後には、日本への帰還手段が手に入る」と話し、邪魔が入る可能性について言及した。彼は雫に強化された黒刀を渡し、帰還への戦力強化を図った。また、クラスメイトの中で最も信頼できる存在として、雫に対する信頼の言葉を投げかけた。

雫の胸中と最後の別れ

ハジメの信頼の言葉に雫は内心で感激し、穏やかな気持ちになったものの、氷雪洞窟攻略に同行することは叶わないと悟った。彼女は、クラスメイト達と共に待つことを選び、ハジメの道を応援する決意を固めた。

朝の静寂と紅の鍛錬

ハジメの独自の鍛錬と雫の安らぎ

ハジメは独自の鍛錬を始め、円月輪と銃の制御を極める訓練を続けた。その鮮やかな紅い光と銃声が朝の静寂を破る中、雫はその姿に心を奪われ、やがて安らかな表情で眠りについた。

親友との再会と安らぎの昼

雫の目覚めと香織の優しさ

雫はうっすらと目を開け、自分が香織の部屋で目覚めたことに気づいた。ハジメが鍛錬を終えた後、疲れ果てて眠ってしまった雫を運び、香織に託したのだった。香織は、疲れていた雫を優しく諭しながらも、その無防備な姿に微笑んでいた。

ハジメの奇抜な搬送方法

十字架に磔の雫

香織からの説明によれば、ハジメは重力石の鍛錬として雫を十字架に磔にした形で部屋まで運んだとのことだった。この光景は早朝の巡回中に目撃され、雫の姿に敬意や驚きを抱く者も現れた。雫は、この奇抜な運搬方法に静かに怒りを燃やし始めていた。

シアとアルテナの“喧嘩”

シアのプロレス技とアルテナの応答

階下からの騒がしい音に雫と香織が降りていくと、シアがアルテナにプロレス技をかけていた。アルテナはハジメに対する関心をシアが阻止しようとした結果、思いがけない展開での「喧嘩」に発展していた。アルテナは羞恥心を感じながらも、どこか嬉しげな表情を見せ、その状況に場の空気が困惑に包まれた。

親愛の言葉と友情の確立

ハジメの特別な想いとシアの安心

ハジメはシアを「特別な存在」として優先すると告げ、その言葉にシアは安心感を得た。ハジメの態度はシアへの親愛の証であり、シアは心から喜びを感じた。また、アルテナはシアに対して友情を求めており、互いの手を握り合い友情を確立したが、アルテナの親密すぎる言動にシアは戸惑いを見せていた。

香織の想いとユエとの取っ組み合い

香織とユエの小競り合い

ハジメがシアへの特別な感情を語ったことで香織も自身の想いを再認識したが、ユエの挑発的な態度により香織とユエの間に取っ組み合いが勃発した。二人は空中での取っ組み合いを繰り広げ、食堂から飛び出していった。

フェアベルゲンの騒々しい昼

騒然とする昼食時間

ティオはハジメに対して更なる愛情を示そうとするが、ハジメからの冷淡な反応に逆に喜びを見せ、食堂内は困惑と笑いに包まれた。一方で雫は、ハジメの態度に対して自身の内心を整理しようとしていた。食堂の外ではシアとアルテナの追走劇が続き、フェアベルゲンの昼は騒々しくも賑やかなものとなっていた。

夕暮れの広場での誓い

鈴の友人・アルテナとの苦難

夕方、【フェアベルゲン】の広場で、シアは疲れた様子で項垂れていた。理由は、友人となったアルテナによる過剰な「かまって」攻撃であった。アルテナは、シアに執拗にまとわりつき、その結果、シアは精神的な疲労を抱えることになった。ハジメはそんなシアの姿に失笑しつつも、彼女の苦労を労い、優しく耳を撫でた。シアは、ハジメの手に身を預け、甘い時間を過ごしていた。

ハジメの誓いとシアの歓喜

ハジメは、シアに対して「未来は絶対ではない」という彼女の言葉に共感し、自身の想いを伝えた。シアは、ハジメに愛される「特別な存在」としての地位を得たことに歓喜し、涙ながらに感謝を伝えた。二人は夕日に照らされ、深い愛情で結ばれた時間を共有した。

仲間たちの立ち聞きと温かな絆

見守る仲間たちの反応

二人の甘いひとときを、光輝、龍太郎、鈴、雫、香織、ユエ、ティオが物陰から見守っていた。見つかったことにシアは顔を赤らめ、動揺を隠せなかったが、ハジメは気にする様子もなく仲間たちに彼女との関係を認めた。ティオはからかいながらも温かい視線でシアを祝福し、ユエもシアを抱きしめ、彼女の努力と想いを称賛した。

鈴の願いと仲間たちの決意

広場での出来事の後、鈴は意を決し、次の大迷宮へ同行することをハジメに頼んだ。彼女は、友人の恵里と対話し、再び繋がりを求める決意をしていた。光輝や龍太郎も、彼女の決意に共感し、自らの成長と新たな力を手に入れるため同行を願い出た。ハジメは、皆の決意に折れ、再び仲間と共に旅を続けることを受け入れた。

未来への展望と新たな旅立ち

大迷宮攻略と再会の約束

ハジメは、仲間と共に最後の大迷宮攻略を果たした後、故郷である地球に帰還するための準備に思いを馳せた。彼は、愛娘ミュウとの再会を楽しみにし、故郷で待つ家族や友人たちと再び過ごす日々を願った。彼の視線は遠く未来へ向けられ、旅の終わりと新たな始まりを心に描いていた。

エピローグ

魔人族の国での異形な訓練

魔王城での屍獣兵の訓練

魔人族の国【ガーランド】の訓練場に、異形の亜人族のような者たちが集まり、鋭い獣の叫び声と殺気を放っていた。彼らは鋼鉄の鎧を一撃で凹ませる膂力と獣のような敏捷性を持ち、さらに人間族や魔人族のように魔法を操っていた。その姿にフリード・バグアーは嫌悪感を覚えた。訓練場を見下ろしていた彼に、中村恵里が近づき、彼らの正体――フリードと恵里の手による「屍獣兵」の存在を語った。屍獣兵は王国騎士団の遺体に魔物の特性と降霊術を施し、無意識に戦い続ける私兵として作り出された存在であった。フリードはその哀れな姿に内心で嫌悪しつつも、協力した自身の責任を認めた。

再会を待つ恵里の狂気

その後、恵里はフリードに「神の使徒」が不在であることを問い、フリードから「招待客を迎えに行った」という回答を得た。恵里はその答えに満足そうに狂気じみた笑みを浮かべ、間もなく始まる「再会」を心待ちにしていた。

王国各地の静かな異変

ハイリヒ王国での大道芸

同じ頃、ハイリヒ王国の王都では、優花が大勢の子供たちを前に大道芸を披露していた。ナイフを宙に舞わせる彼女が、フィナーレとして高く投げ上げた一瞬、【神山】から輝く何かが落下しているのを目撃した。その異変に彼女は一瞬、困惑の表情を見せた。

ライセン大峡谷でのゴーレムの呟き

ライセン大峡谷の大迷宮では、小さなゴーレムが外の様子を監視し、空に浮かぶ銀の輝きを見て静かに呟いた。ゴーレムに宿る魂――ミレディ・ライセンは、どこか静かな表情で、「旅の終わり」を示唆するように言葉を漏らした。

遥か海での母娘の平和なひととき

エリセンの海辺での母娘の昼食

海上の町エリセンの桟橋では、レミアと娘のミュウが昼食を楽しんでいた。レミアは、ミュウの好きな魚の串焼きを用意し、二人で和やかな時間を過ごしていた。串焼きはミュウにとって、父やシアとの思い出を感じる特別な料理であった。しかし、そんな二人の穏やかなひとときに、空からの異変が訪れた。男たちの視線に促され空を見上げると、太陽を背にした銀の翼を持つ何者かが、無機質な瞳で二人を見下ろしていた。

番外編  月刊フェアベルゲン

【フェアベルゲン】での休息と次の大迷宮への準備

フェアベルゲンでの束の間の休息

ハジメ達は、樹海の大迷宮攻略を終え、美しい都【フェアベルゲン】でしばしの休養を取ることにした。都の人々は、ハジメ達が復興や奴隷解放に尽力したことに感謝し、大きな恩と好意を抱いていた。その結果、ハジメ達は快適な日々を過ごしていたが、いつまでも平穏に浸っているわけにはいかないと、次の大迷宮【氷雪洞窟】への出発を準備していた。

氷雪洞窟への旅程と決意

ハジメは、南大陸のシュネー雪原を突破する必要がある氷雪洞窟の攻略について打ち合わせを行った。フェルニルがあるため時間短縮は可能だが、経験を積むべき大事な何かを見逃すことへの警戒も伝え、光輝や龍太郎にも気を引き締めるように促した。ユエや香織、ティオがハジメの姿勢を温かく見守る中、雫はハジメが以前よりも落ち着きと大人らしさを増していることに気付き、変化を感じていた。

シアの到着と自然な親密さ

仲間に遅れて登場したシアは、都内で家族が「二つ名ブーム」を起こそうとしていたために遅れたと説明。ハジメはシアの行動を称賛し、二人の親しげなやり取りが自然と広場の空気を和やかにした。シアの態度には自信と余裕があり、雫はシアが以前よりも成熟した女性としての魅力を感じさせることに気付いた。

【月刊フェアベルゲン】再編版と光輝の勘違い騒動

再編版第一号の受領と驚愕の記事

シアが翼人族の手による情報誌【月刊フェアベルゲン】を持参。過去の奴隷解放や帝国襲撃の影響で発行が途絶えていたが、今回の復興を祝して再編版が発行された。光輝が雑誌を手に取ると、「勇者様は男色家!? 狙われる南雲氏!」と書かれた記事に激しく動揺。ユエとシアはハジメを守ろうと立ち上がり、光輝は弁明に追われることとなった。

記事内容による混乱と誤解

雑誌の記載は事実を誇張しており、特にシアに関する部分では「姫」としての称号やラブロマンスについても言及されていた。彼女がハジメを「運命の相手」と感じたエピソードも取り上げられ、改めてその感情が公にされることにシアは赤面した。ユエも、編集者のマオ長老に不満を持ち、処罰を示唆するほどであった。

仲間への思いと絆の確認

シアの心情と仲間への感謝

シアは取材に対し、仲間たちへの感謝と愛情を率直に述べていた。彼女はユエを姉のように感じ、香織に対しては最初に抱いていた感情の変遷を述べ、今は深く尊敬していると語った。ティオについても、変態的な面はあるが実は誰よりも見守り支えてくれる存在だと認め、彼女の母性的な一面に安心感を感じていた。

ユエの語る「未来への願い」

最後にユエが、ハジメとの関係に触れた言葉が記されていた。彼女はハジメから数多くの「大切なもの」を与えられ、彼の幸福な未来を心から願っていた。この言葉は仲間全員に感動を与え、ハジメ自身も照れを隠しきれず、円卓に突っ伏した。

仲間たちの友情と雑誌の影響

雑誌の影響と未来への決意

雑誌の内容は多くの誇張や不正確な表現が含まれていたが、それでも彼らの友情や絆が確かめられる機会となった。また、フェアベルゲンでの人気は爆発的であり、特にシアの物語は亜人女性の憧れとして語り継がれることとなった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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