小説「アラサーがVTuberになった話。」感想・ネタバレ

小説「アラサーがVTuberになった話。」感想・ネタバレ

どんな本?

「アラサーがVTuberになった話。」は、アラサー(30歳前後)の主人公が、現実の仕事を辞めてVTuberとして新しい人生に挑戦する物語である。物語の中で、主人公は新たな業界での困難や不安を抱えながらも、仲間との出会いや成長を通じて自己発見をしていく。VTuber活動の裏側や、年齢による悩みと向き合いながらも前向きに進んでいく姿が描かれており、年齢や挑戦することに対する勇気がテーマの一つとなっている。

読んだ本のタイトル

アラサーがVTUBERになった話。
著者:とくめい 氏
イラスト:カラスBTK  氏

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あらすじ・内容

祝、収益化!

過労死寸前でブラック企業を退職したアラサーの私は気づけば妹に唆されるままにバーチャルタレント企業『あんだーらいぶ』所属のVTuber神坂怜となっていた。「VTuberのことはよくわからないけど精一杯頑張るぞ!」と思っていたのもつかの間、女性ばかりの『あんだーらいぶ』の中では男性Vというだけで視聴者から叩かれてしまう。しかもデビュー2日目には同期がやらかし炎上&解雇の大騒動に! 果たしてアンチばかりのアラサーVに未来はあるのか!? ……まあ、過労死するよりは平気かも?

アラサーがVTuberになった話。

感想

『アラサーがVTuberになった話。』は、過労で倒れた主人公が新しい道を歩む姿を描いた物語である。VTuber神坂怜はブラック企業での過酷な労働を経て、妹の勧めでVtuberとして活動を始めることになった。最初は不慣れで戸惑いながらも、次第に自分のペースを見つけ、Vtuberとしての道を切り開いていく。

彼のデビュー直後には同期が炎上するなど波乱の幕開けだったが、神坂は「前の仕事よりマシだ」として、冷静に対応していた。過去の職場で培った精神的な強さが、どんなに厳しい状況でも彼を支え続けた。彼の炎上に対する動じない態度や、視聴者からの批判に対しても動揺せず配信を続ける姿には感動した。また、彼が仲間を助け、周囲と協力しながら成長していく様子も描かれており、仲間との絆や助け合いの重要性が伝わってきた。

物語全体にユーモアが散りばめられており、特に妹とのやり取りはコミカルで読者を楽しませてくれる。さらに、主人公が他のVtuberと連携しながら困難を乗り越えるシーンでは、彼の人間的な魅力が際立ち、応援したくなる。読後は温かい気持ちになり、次の展開が気になる一冊である。挑戦することの大切さや、成長することの喜びを感じさせてくれる、非常に読み応えのある作品であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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同シリーズ

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アラサーがVTuberになった話。

その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

プロローグ

ある男性は、過労により倒れたことをきっかけに退職し、家族の勧めでVtuberとして新たな生活を始めることになった。初めは不慣れな状況の中、Vtuberオーディションに応募して合格し、活動を開始した。彼はデビュー後、視聴者から批判を受けつつも、次第に自分のペースで配信を続けていた。しかし、同期の一人が過去の不祥事で解雇されるというトラブルも経験した。彼はこれらの出来事を前向きに捉え、次のステップへ進む決意を固めていた。

「あるVtuberの掲示板において、デビュー配信の翌日に解雇されたライバーについての議論が交わされた。解雇に関する驚きや、同期の初配信が低評価を大量に受けたことへの同情の声が多く見られた。さらに、過去に別のライバーがゲーム画面を映さずに放送を行った際の低評価数と比較するコメントや、配信者の健康問題についても触れられていた。最終的に、スレッドの一部のユーザーは配信者に対して優しく接することを提案した。」

1話 長時間配信

Vtuberデビュー後、同期が解雇されたことで一人になった配信者は、視聴者数が少ない中でも配信を続けていた。特に難しいゲームの配信で多くのリアルタイムコメントを受け、ゲームに不慣れな姿が視聴者に好評であった。徐々に視聴者数と登録者数が増え、切り抜き動画の人気も高まりつつあった。先輩Vtuberからのアドバイスを受けながら、次第に配信の質を向上させていった。ある日、妹の声が配信中に微かに聞こえたことで注目を集めるエピソードも発生した。

2話 初コラボ


Vtuberの神坂怜は、先輩Vtuberの柊と初めてのコラボ配信を行った。ゲームは初心者にも楽しめるレーシングゲーム「マリーオンカート」で、神坂と柊は妹の話で盛り上がり、視聴者からは「シスコンビ」と称された。ゲーム中、柊は最下位をキープし続け、神坂のツッコミに対してリアクションを返すというコメディ的な展開が繰り広げられた。配信は多くの視聴者を集め、コメントでも二人のやり取りが好評を博していた。視聴者の間では妹とのコラボを期待する声も多く、さらなる注目を集めていた。

3話 新人

Vtuberの神坂怜は、妹の声が配信に偶然乗ったことで、妹に関するファンアートが急増し、その人気が高まっていることに驚いていた。しかし、妹のセンシティブなファンアートにも「いいね」を押してしまったことがリスナーに知られてしまい、やや問題となった。さらに、Vtuberグループ「あんだーらいぶ」には新たな女性メンバーが加わり、その注目度が非常に高く、神坂の登録者数は新メンバーにすぐに追い抜かれてしまった。神坂はファンやグループ内での立場が不安定であり、今後の活動についての悩みを抱えていた。また、新人の「ルナ・ブラン」と「日野灯」は、独自のキャラクターデザインと設定で注目を集め、ファンの期待も高まっていた。

4話 ボイス収録

Vtuberの神坂怜は、妹とのコラボ要望が多い中、収益のためにボイス収録を開始した。妹が脚本を手伝うなど協力的である一方、神坂の過去の失敗が原因で、妹に一時的に嫌われてしまった。妹の機嫌を直すためにケーキバイキングに連れて行き、何とか仲直りすることができた。また、神坂は新人Vtuberの登場で注目度が下がってしまったが、新人たちは順調に人気を集めていた。神坂は、業界内での立場の厳しさを感じながらも、努力を続けていた。

妹は兄がVtuberとして活動する中で、様々な困難に直面していることを見守っていた。兄は過去のいじめ経験や自己犠牲的な性格を持ちながらも、Vtuberとしての活動を続けていた。妹は兄のデビューや活動を応援しつつも、兄が配信で彼女の黒歴史を暴露したことに怒り、兄妹の関係に緊張が生じた。ケーキバイキングに行くことで妹の機嫌は改善されたが、兄の新たな炎上や、ボイス収録に関する活動が続き、妹は複雑な気持ちを抱えていた。

新人のルナと灯がデビューし、ルナの初配信でのミュート事故を先輩ライバーが裏でサポートしたことが話題になっていた。誰がサポートしたのかは明かされなかったが、ファンの間では男性Vtuberの脱サラが関与したと推測されていた。

また、朝比奈あさひな(あさちゃん)が異色のキャラクターとして話題になり、性別不明であることや、独自の活動が注目されていた。エリカ(女帝)はポンコツキャラとして愛されており、その技術的な不手際もネタにされていた。

脱サラに関しては、新たな炎上騒動が発生し、ファンからは「メイン盾」としてアンチから他のライバーを守る存在と見なされていた。一方で、ボイス販売が好評で、ファンや同僚からの支持も得ていた。

まとめると、新人ライバーのデビューや既存メンバーの活動に対する評価、各キャラクターの個性やエピソードがスレッド内で熱心に議論されていた。

5話 いつものあれと不穏な影

5月の初めに、Vtuberの神坂怜がSNSをチェックしていたところ、知らぬ間に炎上していることに気づいた。原因は、新人ライバーのルナ・ブランが、初配信時に神坂が助けたことに感謝し、その後、神坂のツイートに「今度コラボしたいです!」と返信したことだった。これにより、神坂は先輩風を吹かせているとされ、アンチの批判を受けた。

また、神坂はこの炎上に関する多くの苦情を受け取り、柊先輩とマシュマロ(匿名メッセージ)のやり取りを見せ合った結果、運営に報告される事態となった。さらに、ルナの同期である日野灯からも謝罪のメッセージが届いたが、これにも淡々と対応していた。

神坂は炎上に慣れてしまい、あまり気にしなくなっていたが、妹が優しくなったと感じていた。しかし、炎上は収まらず、同期の畳からもボイス収録の依頼を受けてしまい、さらに燃えることとなった。神坂はこれを受け入れ、収録を終えたが、個人勢のVtuberである影尾探琉からフォローされるなど、不穏な動きも見られた。

最終的に、神坂のチャンネル登録者数は増加したが、新たな問題が発生する可能性もあるとして、スレッド内での注目が続いていた。

6話  ホラーゲーム配信

5月のある日、Vtuberの神坂怜は、自分の配信が突然人気になった理由を知った。それは、彼の声を使った企画配信が成功したからであった。彼自身は自分のボイスを聞くのが恥ずかしくて配信を見ていなかったが、マネージャーからボイスの評判が良いとの連絡を受け、喜んだ。彼の配信には常連の視聴者が100人前後おり、それを大切にしていたが、一方で低評価を付けるアンチも200人前後いた。

また、神坂は300円で購入したホラーゲームを深夜に配信したが、あまり怖がらない彼の反応が話題となり、結局雑談配信のようになってしまった。この配信では幽霊に驚かず、むしろ職場での奇行を話し、視聴者を笑わせた。その後、妹がSNSで「いいね」したパンケーキを作ってあげたが、妹にSNSを監視されていることがバレて怒られてしまった。

その後、神坂はマネージャーから案件の依頼を受けたことに驚いた。スレッドでは、神坂の炎上や彼に対する案件の話題が続いていた。また、新人Vtuberのルナ・ブランが神坂に懐いていることも話題になっていたが、そのことで新たな炎上の予感が漂っていた。

7話  初案件

5月のある日、神坂怜はPCメーカーNOVOLの案件で事務所のスタジオで配信を行うことになった。通常の自宅配信とは異なり、直接依頼主の企業担当者が来るため、スーツを着用して臨むことにした。出発前に妹と会話を交わし、事務所に向かった神坂は、偶然エレベーターで後輩のVtuberである日野灯とルナ・ブランに出会った。神坂は自分がライバーであることを隠しながら対応し、配信を無事に終えた。

配信ではゲーミングPCを紹介し、企業の公式SNSからはそのプレゼンが社内のものより上手いと称賛された。しかし、その真面目なプレゼンスタイルが一部では違和感を持たれた。また、配信後には妹のSNSをチェックしていたことがバレてしまい、スレッドでは「脱サラ案件」として話題になった。視聴者からは、彼の過去の社会人経験が反映されたプロフェッショナルな対応が評価されつつも、Vtuberとしての独自性が問われる声もあった。

8話   突発コラボとクレカ天井


柊先輩が配信中に神坂怜へ通話をかけてきた。柊先輩はガチャ配信中であったが、クレジットカードの限度額に達してしまい、追加の資金が必要だった。彼は神坂に場を繋いでもらうために10分間の時間稼ぎを依頼した。神坂は少し困惑しながらも依頼を引き受け、ガチャのチュートリアルを行い、運よくレアキャラを引き当てた。

その後、柊先輩がコンビニから戻ると、神坂が引いたレアキャラに驚き、さらに視聴者数が1.2万人に増えていた。神坂は通話を終了し、コンビニへアイスを買いに行こうとしたところ、妹に見つかり、写真を撮るのを我慢しながらアイスを買いに行った。

その後、ルナ・ブランからディスコードで事務所で会ったことがあるか確認され、神坂は困惑した。スレッドでは、柊先輩のガチャ失敗や神坂の成功が話題となり、視聴者たちは二人のやり取りに笑いながらも彼らの仲の良さを感じていた。

9話   FPS配信

5月×日
ルナ・ブランから、先日事務所で会ったのではないかという確認があったが、神坂怜は適当に答えて有耶無耶にした。その後、柊先輩とのガチャ騒動の切り抜き動画が人気となり、神坂のチャンネル登録者が500人増加した。

神坂は流行のFPSゲーム「Vertex」に挑戦したが、初戦でチーターに遭遇し敗北。責任を感じて10時間射撃訓練を行い、少しずつ上達した。妹との日常のやり取りもあり、リスナーとの交流が深まった。神坂のチャンネル登録者は3250人に達し、後輩たちの登録者数にも差が見られるようになった。

その後、犬飼マネージャーから連絡があり、神坂は何か問題があったのかと心配していた。スレッドでは、神坂の配信内容や妹とのエピソードが話題となり、視聴者は彼の成長を見守りながらも楽しんでいた。

10話  イベント代打 人生相談

5月×日

犬飼マネージャーから、常闇先輩の代役としてリアルイベントに参加するよう依頼された。イベントはニヨニヨ動画主催で、Vtuberと参加者が1対1で3分間会話する形式である。急な依頼であったが、他の成人メンバーが断ったため、最終的に神坂怜が引き受けることになった。

イベント当日、予想に反して、酢昆布先生が常闇先輩のコスプレで現れ、最初の会話相手となった。彼女の登場で会場は盛り上がったが、その後の相談内容が次第に重いものになった。2人目から8人目までの相談者は、親との進路の対立、片思いの相手の問題、夫婦関係のトラブル、いじめの相談など深刻な話題を持ち込んできた。

イベント終了後、神坂怜はこれらの相談に対して真摯に対応し、時には自分の経験を交えて助言を行った。しかし、この予想外の展開に疲労感を覚えた。

また、酢昆布先生のコスプレや発言が話題となり、彼女の登場を中心に多くの反響があった。

11話  初オフコラボ  時々雨

5月×日

神坂怜は、ニヨニヨ動画のリアルイベントの代打を無事に終えたが、その内容はただのファン交流イベントというよりも市民相談コーナーのような雰囲気だった。イベント終了後、柊先輩と会い、彼の提案でオフコラボをすることになった。神坂は柊先輩の自宅に招かれ、そこでコラボ配信を行った。

柊先輩の自宅は高層マンションで、広い3LDKの部屋であった。そこで神坂は和菓子を手土産に訪問し、二人で雑談やマシュマロの質問に答える配信を行った。配信では視聴者から多くの質問が寄せられ、特に妹に関する話題で盛り上がった。

その後、配信中に柊先輩が料理配信の提案をし、神坂が料理を作り、柊先輩が応援する形で進行した。神坂は家庭的な料理を作り、その腕前に視聴者たちは感心していた。

また、配信が進む中、神坂の妹が彼氏を連れてきた場合の対処法についても話題になり、彼は「相手の素行を調査し、妹に相応しい人物であれば認める」と述べていた。妹への深い愛情が伺える場面であった。

一方、イベントに参加した後輩のルナ・ブランは、自分のチャンネル登録者数の伸び悩みに苦しんでいた。彼女は努力を続けていたが、周囲の成功と比較して自分の成績が劣ることに対して焦りを感じていた。特に同時期にデビューした幼馴染の親友が成功していることが彼女にとって大きなプレッシャーとなっていた。自分の存在価値を見つけるため、彼女は苦悩しながらも前進しようとしていた。

12話  収益化記念配信 時々雨

5月×日

神坂怜は活動を開始してから1.5ヶ月で、ようやく収益化に成功した。後輩はわずか1週間で達成したため、彼自身は遅いと感じていたが、それでも登録者が増えたことを喜んでいた。収益化を記念する配信では、スーパーチャット(投げ銭)をオフにしていたが、視聴者からの要望によりオンにすることにした。その結果、酢昆布ネキやmikuriママなどから多くの投げ銭が寄せられ、感極まる場面もあった。

また、常闇忍から歌リレー企画への参加を誘われたが、神坂は人前で歌った経験がほとんどなく不安を感じていた。助けを求めるべく、妹に相談することを決めた。

一方、幼馴染のるりと比べられることが多いある少女は、自分が常に「いい子」でいなければならないと感じていた。彼女はるりと一緒にいることで周囲の期待に応えようと努力していたが、Vtuberとしてデビューしても、その影響は変わらなかった。彼女は心の中で「自分を見てほしい」と叫んでいたが、その声は誰にも届かなかった。彼女の心の葛藤は深まり、眠れない日々が続いていた。

13話  歌リレー    時々曇

5月×日

神坂怜は、歌企画の準備で妹とカラオケに行くことになった。妹に対し、これまで歌配信のリクエストがあったものの、実際に人前で歌った経験がないことを告げる。妹はそれを聞いて驚きつつも、神坂を励まし、アドバイスを送った。神坂は妹とのカラオケデートを楽しみ、妹の助言を受けて歌の練習を続けた。

一方、日野灯は歌が好きでVtuberとして活動を始めたが、自分があまり注目されていないことに悩んでいた。幼馴染のるりと一緒にデビューし、彼女とのカップリングが期待されていたが、結局のところファンが求めているのはるりであって、日野自身ではないと感じていた。彼女はその思いを抱えながらも、次の歌企画に向けて準備を進めていた。

サブストーリー
日野灯は、過去の歌動画やカラオケ音源を見直しながら、同期との関係や自身の立ち位置に対する思いを深めていた。Vtuberの世界でも自分が演じる「いい子」像に苦しんでおり、いつも幼馴染のるりと比較されることに悩んでいた。彼女は自身の存在意義について葛藤を抱えながらも、次のステップを踏み出そうとしていた。

ルナ・ブランは、幼馴染で親友のあーちゃんに対して複雑な感情を抱いていた。あーちゃんはいつもルナの髪をきれいにセットし、優れたセンスと器用さでルナを支えていたが、周囲からはルナだけが注目され、あーちゃんは「オマケ」のように扱われていると感じていた。ルナはそんな状況に不満を持ちながらも、あーちゃんの存在が自分にとって大切であり続けた。

ルナは最近、あーちゃんの様子が普段と異なることに気づき、彼女の不調の原因について心を痛めていた。自分ではあーちゃんを助けることができないと感じていたルナは、以前に迷惑をかけたことがある神坂怜に再び助けを求めるべきかどうか悩んでいた。最終的に、あーちゃんのために神坂怜に連絡を取ることに決めた。

14話  雨のち晴れ

5月×日

神坂怜は、歌リレーのスケジュール変更により、ブラン嬢と日野嬢の間に自分を挟む形にした。変更の理由は、二人のファンにとって自分の存在がデバフになることで日野嬢に注目が集まることを狙ったためである。しかし、この変更は多くの批判を招き、ファンからは非難の声が多数寄せられた。

日野嬢には、ファンを大切にする姿勢を持つようアドバイスし、自分の気持ちを正直に伝えることの大切さを教えた。また、リアルでも周囲の人々と腹を割って話す必要性を伝えた。日野嬢はその助言を受け入れ、歌リレーの中で自分の声を聞いてほしいと訴え、結果的に好評を得た。

神坂怜は、彼のアドバイスが日野嬢に影響を与えたことを喜んでいたが、自身の配信の同時接続数が大幅に減少したことを反省していた。最後に、日野嬢は神坂怜に感謝の意を込めてカラオケのお誘いの返信を送り、彼女の心は少しずつ軽くなっていった。

15話  一歩進んで二歩下がる

5月×日

神坂怜の歌リレー配信では低評価が1300に達し、彼の低評価ランキング独占が続いた。自身のミスも認めつつ、この結果に対して少し自嘲していたが、それ以上に後輩の日野灯からのSNSでのコラボ要請が新たな火種となった。彼女の無邪気な発言で再び炎上の兆しが見えたが、日野灯自身はあまり気にしていない様子であった。

神坂は、自身の影響が他のライバーには及んでいないことに安堵しつつ、後輩たちが彼に感謝のメッセージを送ってくれたことを嬉しく思った。また、妹との買い物を通じて、彼女の優しさや期待を感じ取っていた。

6月に入り、あんだーらいぶの運営から新衣装の提案があったが、神坂は自分の現在の状況を考慮して辞退した。彼は自分の配信が「つまらない」と感じており、改善策を模索していた。また、神坂は他のライバーのメンタルケアに一役買っているのではないかという声もあり、彼の人柄が再評価されていた。

最後に、謎の人物が神坂に関心を持ち始めた様子で物語が終わった。

16話  個人勢Vtuber

6月×日

神坂怜は、あんだーらいぶのマネージャー犬飼から、個人勢Vtuberであるアレイナ・アーレンスからのコラボ依頼を受けて悩んでいた。アレイナは登録者数3万人以上を持つ人気の個人勢Vtuberであるが、彼女の過激な発言や行動がしばしば問題視され、直近では配信がBANされるほどであった。

柊先輩に相談したところ、彼女の過去の配信内容を知ることで、アレイナとのコラボにはリスクが伴うことを理解した。アレイナは清楚系の見た目でありながら、炎上しやすい発言を繰り返すため、神坂は数字を取るために大切なものを失うかもしれないと感じていた。

その後、アレイナのSNSアカウントをフォロー返ししたところ、彼女から即座に「オフパコに持ち込む方法」を問うツイートが投稿され、神坂は再び炎上の予感を感じた。彼の周りでは彼とアレイナとのコラボに対する不安と期待が入り混じっていた。

17話  誰やねん

6月×日

神坂怜は個人勢Vtuberアレイナ・アーレンスとコラボ配信を行った。アーレンスは配信中、清楚なキャラクターを演じつつも、ミュートにして裏では別の発言をしており、彼女の特徴的な二面性が垣間見えた。視聴者たちは彼女の変わりように驚きつつも楽しんでおり、配信は盛り上がった。配信終了後、神坂は彼女のファンからの謝罪メッセージを受け取った。翌日、神坂のチャンネルは登録者が1000人増加したが、コラボ内容とは別に何かトラブルを起こしたとされ、その原因は不明であった。

18話  朗報

6月×日

神坂怜は、アレイナ・アーレンスとのコラボでチャンネル登録者が1000人増加した。彼女の巧妙な戦略と演技力に感心し、個人勢としての彼女の強さを見習うべきだと感じた。さらに、柊先輩の3Dお披露目イベントが決定し、神坂は自身の役割に全力を尽くす決意をした。このイベントは、男性Vtuberとしての初の3D化であり、事務所全体が力を入れている重要なものとされていた。

19話  親同伴お絵描き配信

6月×日

神坂怜は、久しぶりに外出し、スーパーにみりんを買いに行った。途中で妹とその友人を見かけたため、妹のプライバシーを考えて道を変えた。家では妹のためにお菓子を用意し、妹の友人が来ると聞いて急いで自室に戻った。

その後、神坂怜はmikuriママと一緒にお絵かき配信を行い、彼女の夏の即売会の宣伝をした。視聴者からは微妙な評価だったが、ママとのやり取りを楽しむ様子が見られた。さらに、柊先輩のリアルイベントの前説収録のため事務所に向かった際、過去に関係のあった元同僚と偶然再会した。

5月×日

妹は、兄がまた炎上したことを知り、心配しつつも「いつものことか」と少し安心した。

6月×日

学校帰り、妹は友人から最近寄り道をしない理由を尋ねられた。友人が家に来たいと言ったため、兄に事前に連絡し、兄の作ったおやつを用意してもらった。友人がそのおやつを褒めると、妹は兄のシスコンぶりに苦労していると嘆いたが、友人からは逆にブラコンだと指摘された。

後日、兄が倉庫で元カノの私物を探しているのを見つけ、妹は兄の女性関係について思い悩んだ。さらに、友人からVtuberオーディションの1次審査を通過したと聞き、動揺していた。

20話  過去は唐突にやって来る

6月×日

神坂怜は、かつての職場で一時期同棲していた元後輩の女性と再会した。彼女はアッシュブラウンの髪でセミロングに変わっており、ストリーマーとして活動していると語った。神坂は彼女と連絡先を交換し、メッセージを受け取ったが、その中には彼女のチャンネルのリンクが含まれていた。事務所に到着した神坂は、収録前に旧知のPCメーカーNOVOLの広報担当と再会し、軽く挨拶を交わした。その後、収録を終えてからメッセージを確認したところ、元後輩からのチャンネル案内が届いており、彼は驚きを隠せなかった。

21話  身バレと登山と妹

6月×日

神坂怜は、無事にイベントの前説収録を終え、実家でのんびりと過ごしていた。元同僚の女性との再会をきっかけに、彼女の私物を返すことを決意した。彼女の私物を探すために倉庫代わりの部屋を整理していると、妹が現れ、不機嫌そうな態度で話しかけてきた。彼は元同僚との関係をただの後輩と説明し、その後、妹がリクエストしたおやつを作ることで機嫌を取り戻した。

別の日には、「箱おじ」と呼ばれるゲームの配信を行った。このゲームは、箱に入ったキャラクターが高難易度の山登りをするもので、一歩間違えると大きな失敗につながる仕様だった。神坂はゲーム中、自分の人生経験と重ね合わせながら哲学的なコメントを発し、視聴者からの反応を得た。この配信は視聴者数を増やすことに成功し、新たな登録者を得たが、視聴者からの評価は依然として分かれていた。

22話  めっちゃ早口で言ってそう

6月×日

神坂怜は、先日のアーレンス嬢との一件を受けて、新しいフォロワーの中に同業者がいないか注意していた。すると、柊冬夜の妹を名乗るアカウント「柊夏嘉」からのフォローを受けた。初めは偽物かと思ったが、柊冬夜本人もそのアカウントをフォローしており、アイコンのイラストも公式のものだったため、本物であることが確認された。

神坂は柊冬夜に妹のアカウントについて尋ね、フォローを返した。その後、柊夏嘉から感激のリプライが続々と届き、神坂のボイスコンテンツに対する熱烈なファンであることが明らかになった。

この出来事はファンスレでも話題となり、柊冬夜が「神坂ァ!」とお約束のように反応していた。ファンの間では、妹のSNSデビューに期待が高まりつつも、一部では神坂と柊夏嘉の関係について冗談交じりに懸念する声もあった。

23話  やめてくださいしんでしまいます

6月×日

柊冬夜の妹である柊夏嘉が、神坂怜のボイスコンテンツに関する熱烈な感想ツイートを投稿した。これに対し、柊冬夜が「妹を誘惑するな」と冗談交じりの反応をし、夏嘉はさらに兄への反論をツイートした。このやり取りを見たファンは、神坂怜が妹と仲良くしているのを微笑ましく感じる一方で、SNS上での炎上に巻き込まれることを懸念していた。

その後、神坂怜は後輩のレディからのメッセージに対応し、配信設定や先輩に関する相談に乗ることが多くなった。後輩たちは神坂怜とのコラボを希望していたが、神坂は自分の影響を考え、慎重な対応を取った。ファンの間では神坂怜の優しさや配慮が評価されているものの、彼の行動が時折炎上の原因となることもあり、常に注意が必要だと感じていた。

24話  暗雲

6月×日

神坂怜は「スーパーマリーブラザーXX」の配信を行い、懐かしさを感じながらも最新のゲームに挑戦した。配信中には視聴者とともにゲームに登場するキャラクターや設定についての軽い冗談や考察を交わし、盛り上がりを見せた。また、彼は新しいジャンルとして「ドキドキ手芸部」というビジュアルノベルゲームにも挑戦し、視聴者からの反応を楽しんでいた。

その後、定期的なマネージャーとの連絡で、柊先輩の3Dイベントが中止になる可能性があると告げられ、神坂は驚きと困惑を隠せなかった。また、影尾探琉というVtuberが、近々リーク情報を公開すると予告し、界隈に不安が広がっている状況であった。

25話  ゴシップ系Vtuberと炎上

6月×日

神坂怜は、マネージャーの犬飼から柊先輩が交通事故で足を骨折したとの知らせを受けた。柊先輩は松葉杖や車椅子なしでは移動が困難であり、3D配信イベントの開催が危ぶまれる状況であった。運営はイベントの中止も検討し始めたが、影尾探琉というVtuberがこの情報をリークしたため、事態が複雑化した。

影尾の配信でのリーク情報により、あんだーらいぶの内部告発者として神坂が疑われることになった。彼の配信動画には低評価が増え、登録者数も減少した。SNSや動画サイトでも騒ぎが拡大し、神坂はますます追い詰められたが、それでも普段通りの態度を保ち、SNSで冗談を交えた投稿をして雰囲気を和らげようと努めた。

また、柊先輩は神坂に助力を求め、神坂はその要請に応じることを決意した。柊先輩の怪我の背後には、妹の夏嘉ちゃんを守るためという理由があったことも明かされ、神坂はさらに協力する決意を強めた。事態の収束を図るため、神坂は状況を冷静に分析し、先輩やあんだーらいぶへの批判を最小限に抑えるための対策を考え始めた。

26話  時間稼ぎ

6月×日

神坂怜は、SNSで柊先輩の食事に関する軽い冗談をリークとして投稿し、続いて通い妻として妹の夏嘉のことを示唆する冗談も投稿した。これに対してアレイナ・アーレンスや酢昆布、mikuriといった他のVtuberや関係者が反応し、SNS上でユーモラスなやり取りが繰り広げられた。これにより、炎上や不信感を払拭するための軽い雰囲気作りが成功した。

さらに、後輩のルナ・ブランと日野灯もSNSで神坂を応援するコメントを投稿し、騒動をユーモアで和らげることに協力した。神坂の軽快なSNS活動により、登録者数が500人増え、事態の収束に向けた時間稼ぎにもなった。

その後、運営はイベントを予定通り開催することを発表し、柊先輩もSNSで自己管理の不足を謝罪し、イベント開催は彼の強い意志であることを説明した。この発表により、一部のファンは納得し、応援する姿勢を見せた。

27話  作戦会議

6月×日

柊冬夜の3Dお披露目イベントのために関係者が集まり、ディスコードで緊急会議が行われた。当初の計画では柊が歌って踊る予定だったが、彼の足の怪我により計画が変更された。メンバーは新しいアイデアを模索し、イベントの内容を調整した。

最終的に、「Vtuber格付けチェック! 女帝VS畳」というテーマで、人気番組のパロディとして、味覚テストなどを含むイベントが提案された。この企画は、柊が動けない状況でも楽しめる内容として決定された。

また、会議の中で、食べ物に関するネタやメンバー同士の軽い冗談も飛び交い、和やかな雰囲気で進行した。結果として、関係者全員が協力し、イベントの成功を目指して準備を進めることになった。

28話  魔界へ

6月×日

神坂怜はまたも炎上し、マシュマロに多くの苦情が寄せられた。原因は、獅堂エリカが「3Dお披露目イベント緊急会議」のやり取りを雑談で話したためであった。今回の騒動では、登録者が減るどころか100人増えたという不思議な結果となった。

柊冬夜はイベントの準備に追われており、運営も急な内容変更に対応するため忙しかった。他のメンバーも台本の変更に対応するため、配信頻度を減らしていた。神坂怜も前説の再収録が必要となり、急遽東京の事務所で収録することになった。

その後、神坂怜は「魔界町」という難易度の高いアクションゲームの配信を行ったが、その選択はあまり良くなかったようだ。視聴者からの反応はさまざまで、一部の古参リスナーとのやり取りも盛り上がったが、新規リスナーからは驚きの声もあがっていた。

一連の騒動は、ゴシップVtuber影尾探琉が再び緊急配信を行ったことによりさらに広まった。影尾探琉は、あんだーらいぶ運営に対して批判を繰り返したが、新しい情報は何もなく、通常の内容であった。神坂怜とその周囲は、炎上を乗り越えつつイベントの成功に向けて準備を進めていた。

29話  メッセージが消去されました。

6月×日

神坂怜は事務所で前説の再収録を行うために移動中、影尾探琉が配信を行ったことをSNSで知った。配信では新たな火種はなかったが、影尾探琉が演者に無理をさせる運営に問題があると指摘し、リークのおかげで対応が早まったとも述べていた。影尾探琉は、神坂怜を特定せずに批判したが、仮想記者が「リーク者は神坂怜だ」と推測し、それが拡散されてしまった。

神坂怜はこの状況に対し、公式からの声明がないため疑惑が残っていると感じていた。彼はSNSでの苦情や低評価を受け流しつつも、支えてくれるファンやスタッフに対する申し訳なさを感じていた。また、収録中に台本の内容を変更するよう提案し、運営に配慮を求めた。

その後、神坂怜は「魔界町」というアクションゲームの配信を続けたが、荒らしコメントが相次いだ。彼の配信は長時間に及び、彼自身も体力的に厳しい中、2周目に挑戦することとなった。サポートしてくれるファンやモデレーターのおかげで荒らしコメントは削除され続け、神坂怜はファンへの感謝と謝罪の意を示した。

イベント開催まで残り3日となり、ファンの期待とともに神坂怜は配信活動を続けていた。

30話  3Dお披露目イベント その1

6月×日
イベント前日、神坂怜は柊先輩の招待でイベント会場に向かい、設営作業を見守った。イベントチケットの抽選に落選した神坂怜は、Web会議に参加していたため、現地で応援することを決めた。イベント会場にはフラワースタンドや物販ブースがあり、ファンや関係者からの支持を感じた。柊先輩は3Dお披露目イベントに緊張していたが、それでも皆に支えられ準備を進めていた。

6月×日、イベント当日、神坂怜は裏方としてサポート役を務めた。後輩たちや他のVtuberたちと共にイベントの準備を進め、料理やチョコパイを振る舞うなど、スタッフとしても働いた。イベントの成功を願い、緊張する後輩たちを励ましながら、神坂怜自身も影から支える役割を果たした。ファンの応援や共演者の協力により、イベントは無事に進行していた。

イベント当日、会場は盛り上がりを見せ、ファンも大勢集まり、特に物販の畳フィギュアが即完売するなど人気を集めた。また、イベントの前説を担当する予定だった神坂怜は、ファンや関係者からの感謝の言葉を受け取りつつも、自身の役割を全うしていた。

31話  3Dお披露目イベント その2

6月×日
イベント本番前、神坂怜はスタッフ用のまかないを作り、後輩たちを労った。イベント中の緊張を和らげるため、ローズヒップティーを振る舞い、後輩たちの努力を褒めた。彼は周囲への感謝の気持ちを表しつつ、自分の役割を全うしようと心がけていた。

イベントの前説を担当した神坂怜は、成功を祈りながら裏方でサポートし、様々な業務をこなした。観客の歓声を聞きながら、彼は自身の役割と他者への感謝を再認識し、Vtuberとしての活動に喜びを感じた。彼は、これからも周囲に恩返しをするために努力を続けることを誓った。

エピローグ

神坂怜は、イベントが無事に終了し、SNSやWeb配信でも好評だったことに安堵していた。彼は前説を担当し、イベント中には自身が陶芸教室で作った茶碗を使用していた。茶碗を作った理由は、過去に取引先の社長の奥さんが運営する陶芸教室に通っていたためであった。イベントが成功し、観客から感謝の声が上がる中で、彼は自分がこんなにも支えられていることに感謝し、Vtuberを始めたことに喜びを感じていた。自分が周囲に恩返しできる存在になれるかを考えながらも、ファンからの声援に感激していた。

後日、事務所からイベントに使った茶碗の返却があったが、それは彼の作ったものではなく、借金のカタで受け取ったものだった。神坂怜のチャンネル登録者数は4,500人に増加していた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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