どんな本?
フェルディナンドが旅立ったエーレンフェストの冬は重い。騒乱を好む「混沌の女神」のようなゲオルギーネに関する密告があったことで粛清が早められた。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身1」
一方、貴族院の三年生になったローゼマインは喪失感を振り払うように、忙しく動き回る。寮内では旧ヴェローニカ派の子供達が連座を回避できるように説得し、院内では領主候補生の講義初日が開始。文官コースの試験に、新しい上級司書との出会い、専門コースの専攻など、一年前とは立場も環境も激変した日々へ突入していく。
次第に「らしさ」を取り戻す中、神々のご加護まで大量に得て、ますますローゼマインの暴走は止まらない!?
「わたしの本好きウィルス、皆に広がれ!」
読んだ本のタイトル
#本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身Ⅺ」
著者:#香月美夜 氏
イラスト:#椎名優 氏
あらすじ・内容
第5部完結目前!
新ツェントの決定と就任式へーー新時代への助走!
大人気ビブリア・ファンタジー最新刊!
中央の戦いを終えると、フェルディナンドは次代のユルゲンシュミットへ改革を始める。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身11」
歪んだ王族の世襲を廃し、新しいツェントの選出と決定を急ぐこと。その就任式、グルトリスハイトの継承の儀式の準備が進む一方、女神によって断たれたローゼマインの記憶が戻らない。けれど、周囲の不安をよそに、彼女の頭の中は「図書館都市計画」で楽しくなってきて……。
第五部完結目前! 新時代への助走ーー自らが選択した未来へ突き進め!
書き下ろし短編×2本、椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!
前巻からのあらすじ
貴族院ではアーレンスバッハのディートリンデの手引きで他国の王族ジェルヴァージオが国の礎の魔術を狙っている。
それを防ぐためにローゼマインとフェルディナンドが率いるエーレンフェストの騎士達。
援軍のダンケルフェルガーの騎士達が貴族院に突撃する。
だが、ジェルヴァージオにツェントになってほしい中央騎士団の者達がそれに立ち塞がる。
現在のツェントのトラオクヴァールにツェントの矜持として先頭に立てとフェルディナンドに言われたのに、トラオクヴァールは礎の魔術を獲得した者に従うとヘタレる。
そこに始まりの庭から戻って来たジェルヴァージオが現れてツェントの証”グルトリスハイト”を見せ付けて来た。
だがそれはローゼマイン、フェルディナンドも持っていた。
ローゼマインはジェルヴァージオが持っているグルトリスハイトを見せて、ツェントになる資格があるとは限らないと見せつける。
3人いる王の資格を持つ者は正々堂々とツェントレースを行う事になる。
それをフェルディナンドは、ローゼマインを先を行かせてジェルヴァージオを罠に嵌める。
フェルディナンドマジで魔王w
感想
叡智の女神メスティオノーラがローゼマインの身体に降臨した時に、ローゼマインが本より大切なモノの記憶を消したらしい。
フェルディナンドの感覚では消えていたのは下町で暮らしていた時の記憶だった。
そんな記憶を無くした感覚の無いローゼマインは、演技では無く完全なる貴族令嬢になっていた。
そして、戦闘を行った事で発症した魔石に対する恐怖も無くなっていた。
そして、神の魔力に完全に染められているローゼマインは、普通にしていても神の魔力を垂れ流してらしく他の貴族達には神の力が感じられるらしく、軽く威圧してる感じになっているらしい。
そして王族との話し合いで次期ツェントの選出をして欲しいと神々から頼まれていると言う。
神々が望むツェントは”ユルゲンシュミットの礎を染められる者”。
祭壇に上がれる者は全ての大神の加護を得ている全属性の者じゃないといけない。
それをジギスヴァルトが立候補したが、彼には資格が全く無く、地位にしがみ付いて時間を稼ぎローゼマインから女神の力が抜けたら、居座る気でいたようて、それを見透かしていたトラオクヴァールがジギスヴァルトを魔法で縛り脱落。
そして、トラオクヴァールはフェルディナンドにツェントになって欲しいと言うが、前はツェントにならない意思を示すためにアーレンスバッハに婿入りしようとしたのに、その同じ口でツェントになれと言うのかと言い返す。
寝言は寝て言えとフェルディナンドの兄であるジルヴェスターもキレる。
このままでは王族は白の塔送りになってしまう。
娘を白の塔に入れるのを嫌がったエグランティーヌがツェントになると宣言する。
そして、彼女がローゼマインに名を捧げてツェント候補となり、グレトリスハイトをローゼマインから授与される事になるのだが、、
ローゼマインの身体に女神が再度降臨しようとして、フェルディナンドが妨害する魔道具を装備させていたせいで、神々がムキになって神気をローゼマインに注ぎ込んでしまった。
そのせいで、ローゼマインは神気で身喰い状態となってしまい。魔力を減らす事を積極的に行わないといけなくなった。
アーレンスバッハ改。
アレキサンドリアの領主となるべくローゼマインは荒廃している領地に祝福をドンドン振り撒く。
さらに海にも祝福を放って領民達は歓呼の声をローゼマインに捧げる。
さらにローゼマインの神の気に染まった魔力を狙って襲って来る魔物を護衛騎士達と共に、ローゼマインの魔力でチャージしては直ぐ放ってまたチャージするとドンドン討伐して行く。
そうして魔力をドンドン使うが、寝てしまうと神の気に染まった魔力が回復してしまうので、、
寝れない。
腹も減るが食べられない。
元々虚弱体質だったローゼマインには辛い状態。
まるで身喰いの時のようになって行って行く。
それでも魔力を使わないといけないローゼマインは、大規模な魔法を行使して魔力を早く消費する。
そして、アレキサンドリア全体に回復魔法を行使して各地を護る部下達、親戚達を見てホッとして意識を手放す。
最後までお読み頂きありがとうございます。
同シリーズ
本好きの下剋上 シリーズ
兵士の娘
神殿の巫女見習い
領主の養女
貴族院の自称図書委
女神の化身
その他フィクション
備忘録
プロローグ
エーレンフェスト寮の会議室での情報交換が終わり、領主一族が次々と退出した。
フェルディナンドとローゼマインが挨拶を交わす中、彼は戦いが終わった今、無理せず休むよう言われる。
ローゼマインとシャルロッテは連れ立って階段を上がり、フェルディナンドも側仕えのラザファムの進言により、その夜は寮に留まることとなる。
ユストクスの計らいで、フェルディナンドは自身の部屋でハルトムートからの内緒話を受け、その後は側近たちと夕食を摂る予定であった。
北側と南側に分かれた寮内で、フェルディナンドの部屋には暖炉が点され、寮に泊まる準備がされていた。彼はこの夜を、側近たちと共に過ごすことにした。
メスティオノーラという英知の女神がローゼマインに降臨し、新しいツェントの選出に関わり、多くの決定を行った。
女神は自身が戻ることを告げ、フェルディナンドはローゼマインが神々の世界に留まる可能性に憂慮したが、女神がローゼマインが戻れることを示唆し、彼は安堵した。
しかし、女神の一見慈悲深い態度の裏には、フェルディナンドに対する明らかな敵意が感じられた。
女神が去った後、フェルディナンドはローゼマインに魔力を流して記憶を繋ぎ戻そうとしたが、反発に遭遇した。
女神の言葉から、記憶が断たれた状態での魔力の流し方には制約があることが明らかになった。
フェルディナンドは強い意志でローゼマインに再び魔力を流し続け、ようやく彼女が反応を示すまで努力した。
フェルディナンドは英知の女神の降臨とローゼマインの無自覚な行動に苛立ちを感じていた。
神々との関わりによる記憶の問題を避け、ハルトムートと対話を交わすが、女神の介入について多くを語ることは避けた。
ハルトムートはローゼマインの記憶の有無に関する情報を求めたが、フェルディナンドは魔石恐怖症の記憶が欠けていること以外、詳細を伝えられなかった。記憶が断たれていることは、神への助力を求めた代償だった。
フェルディナンドはハルトムートに、側近以外にはこの情報を漏らさないよう忠告し、ローゼマインの記憶の問題が感情に影響しないよう慎重に扱うよう促した。
また、王族との対話の場では銀色の布の準備が必要と考え、名捧げ側近がローゼマインに触れることができる特性を活用する計画を立てた。
顔色の悪い王族
オルドナンツを通じてレオノーレがアダルジーザの離宮から帰還し、アーレンスバッハと貴族院を結ぶ転移陣が使えることが確認された。
レオノーレと他の側近たちは、リーゼレータとグレーティアを伴って帰還する。
ローゼマインは玄関まで出向き、戻ってきた騎士たちに礼を述べる。
彼女は銀色の布に包まれながらも、側近たちとの日常生活に戻る。
この間、ローゼマインは奉納舞の練習に励みつつ、フェルディナンドとの昼食会を控え、ギルベルタ商会から届いた新しい衣装に身を包む。
しかし、彼女は自身の髪飾り職人トゥーリの顔が思い出せず、記憶の欠落に気付く。
その不安を抱えつつも、フェルディナンドとの打ち合わせのために銀色の布に包まれて運ばれる準備を整える。
王族との昼食会がエーレンフェストの領主夫妻によって準備されていた。
ローゼマインは記憶の欠損に気づき、特に自分が依頼した髪飾り職人の記憶がないことに不安を感じていた。
フェルディナンドは女神による干渉が原因であると説明し、記憶は失われていないが繋がりが切れている状態であると指摘した。
昼食会では、ダンケルフェルガーの領主夫妻とのやり取りが行われ、王族がローゼマインの前に跪くシーンもあった。
記憶の問題を解決する方法については、新しいツェントの選出が終わるまで待つこととなり、ローゼマインは不安を抱えつつも、フェルディナンドの協力を信じて待つことを決めた。
昼食会が開催され、ジルヴェスターがアーレンスバッハの食材をエーレンフェストの調理法で仕上げたメニューを紹介した。
このメニューは、エーレンフェストとアーレンスバッハの良好な関係を強調するために選ばれた。
フロレンツィアとレティーツィアの協力によって、ランツェナーヴェの横暴に苦しむ漁師たちからの魚介類が用意されたことも説明された。
昼食中、貴族院での最近の出来事や中央騎士団の取り調べ、トルークの影響の洗い流しについて話された。
これらの話は、国境門が光る事件により、多くのアウブが貴族院に集まっている状況と関連していた。
この集まりは非常に重要であり、今後の方針が決定される場でもあった。
新ツェントの条件
昼食後、側近達が一旦下げられ、重要な議題である新しいツェントの選出についての話し合いが始まった。
ローゼマインは英知の女神メスティオノーラの降臨を受け、新しいツェントの選出が必要であることを説明し、王族の魔力がユルゲンシュミットを支えるには不十分であることを指摘した。
新しいツェントは神々の要求を受け入れることが前提であり、これには魔力のあるランツェナーヴェの者達をユルゲンシュミットに受け入れ、彼らの命を奪わずに魔力を搾取するというものである。
これに対し、王族からは犯罪者を受け入れることに対する懸念が示されたが、フェルディナンドはそれに反論し、実行可能な提案を示した。
この提案には王族がすぐに同意することはなく、王族間でも意見の対立が見られた。
女神の御力と名捧げ
フェルディナンドがローゼマインに対し、彼女が女神の力を制御できていないと指摘する。
感情的な反応がその力を無意識に増幅させ、周囲に影響を及ぼしているため、フェルディナンドはローゼマインに感情を抑えるよう忠告する。
その忠告にも関わらず、ローゼマインが恐怖を感じるとその力が周囲に苦痛をもたらし、フェルディナンドも影響を受けてしまう。
ローゼマインは自身の力によって大切な人を傷つけたくないと願いながらも、その力のコントロール方法がわからず、フェルディナンドは彼女から距離を取ることを求める。
最終的にローゼマインは部屋から逃げ出し、フェルディナンドは彼女の力を適切に管理するための措置を講じることに決める。
フェルディナンドがジギスヴァルトのツェントとしての適格性について話し合いを提案する。
ジギスヴァルトは自分がユルゲンシュミットの貴族達に認められていると主張し、神々の要求に従うために必要な契約魔術を実施することになる。
ジギスヴァルトは、契約魔術の厳しさに顔色が変わる。
さらに、彼が神々との契約やローゼマインへの名捧げに躊躇することから、彼の適格性が疑問視される。
トラオクヴァールがジギスヴァルトを縛り上げ、彼が新たなツェントとして不適格であることを宣言し、ジギスヴァルトの立候補は却下される。
この過程で、ジギスヴァルトが神々の要求に応える意志がないことが明らかになる。
新しいツェントの決定
フェルディナンドがジギスヴァルト王子がツェントになることについて逡巡しているトラオクヴァールに対し、王族がツェントにならなければ全員が白の塔へ入ることになると警告する。
トラオクヴァールは、フェルディナンドがグルトリスハイトを持っているか問うが、エグランティーヌは祭壇に上がれるのは全ての大神の加護を得た者であり、グルトリスハイトとは関係ないと説明する。
エグランティーヌは、王族がツェントとなる選択肢について話し合うが、トラオクヴァールはツェントは自力でグルトリスハイトを得た者であるべきと主張し、フェルディナンドはそれに同意しない。
エグランティーヌはツェントになる意志を示すが、トラオクヴァールは自分がツェントになることを望まないと結論付ける。
罪人の扱いと褒賞
フェルディナンドは涙を流すヒルデブラントに厳しく対応し、会議の進行を優先するようローゼマインに指示する。
会議では重要な議題が多数控えており、時間の浪費は許されない。
その後、ジギスヴァルト王子が新たなアウブになることが決まり、彼の未来の行動が注視されることになる。
ローゼマインはジギスヴァルトに対する慈悲的な姿勢を示し、彼の罰を軽減する方向で進めるが、これはジギスヴァルトが将来問題を起こした場合、適切な処分が下されることを意味する。
トラオクヴァールはローゼマインの判断に感謝を示し、ジギスヴァルトの拘束を解く。
アドルフィーネの相談
アドルフィーネは、ジギスヴァルト王子がアウブになることで自身の利益が消える可能性を指摘し、契約違反を懸念している。
彼女は、ジギスヴァルトとの離婚を希望し、それについての議論が進行中である。
フェルディナンドはアドルフィーネの要求に対して否定的な立場を取りつつも、話し合いの必要性を認めている。
その後、アウブやツェントの任命や地位に関する詳細な議論が行われ、アドルフィーネの問題に対する解決策が模索されている。
また、フェルディナンドは儀式の準備と実施について指示を出し、新しいツェントの公開を予定している。
エグランティーヌの名捧げ
ローゼマインは側近たちとともにグルトリスハイトの継承式の準備を行い、エグランティーヌが新たなツェントになることを決定している。
その準備の一環として、ハルトムートに神官長の役割と神事の指導をアナスタージウスに依頼している。
また、フェルディナンドは鍵の管理をローゼマインに預け、彼女に詳細な儀式の情報を伝えている。
さらに、ローゼマインはフィリーネに新しいツェントが立った際に配布する文書の印刷を依頼し、レティーツィアの将来についてもフェルディナンドと協議している。
フェルディナンドはレティーツィアの扱いを自身に任せるよう求め、ローゼマインはその提案を受け入れている。
ローゼマインは視界が真っ暗な状態で図書館に移動し、フェルディナンドによって盗聴防止の魔術具を受け取る。
フェルディナンドは本来自身が染める予定だったが、ローゼマインの魔力の大きな変化により、国の礎の魔術に弾かれたため、彼女に国の礎に魔力を供給してもらうことにする。
これにより、ローゼマインの余分な魔力も抜け、一石二鳥の効果を期待している。その後、階段が現れ、ローゼマインはその下にある巨大な礎に魔力を注ぎ込む。
これにより、彼女は魔力を適度に抜くことができ、枯渇状態からは脱却する。
その後、フェルディナンドによる指示のもと、ローゼマインは再び銀色の布で覆われ、寮に連れ帰られる。
神々の祝福
フェルディナンドが控え室に入り、ローゼマインに手を差し出した。
彼はこの日、ローゼマインのエスコートを務める。
ハルトムートは神官長として、講義の時に教師が使用する扉から講堂へ入り、舞台前に立つ。
ローゼマインとフェルディナンドは講堂の主要な扉から入る計画で、エグランティーヌとアナスタージウスが先に入場する。
フェルディナンドはローゼマインが図書館都市計画に集中できるよう、エグランティーヌが新ツェントとして受け入れられるように計画していた。
扉が閉まると、ローゼマインは指輪に魔力を流し込んだ。
エグランティーヌとアナスタージウスが入場し、儀式が始まった。
フェルディナンドはローゼマインの周りの女神の御力が増えていることに困惑しており、腕の装飾品についている魔石が光り始めていた。
儀式が進行する中、ローゼマインは不意に女神の化身らしく振る舞うようフェルディナンドに促された。
舞台に上がると、ローゼマインの周りの女神の御力が顕著になり、緊張する彼女はフェルディナンドの手を取り、舞台で奉納舞を行った。
ローゼマインは、エアヴェルミーンとの対話で自身の体を神々に貸すことを拒否する。
エアヴェルミーンは、女神メスティオノーラの力を借りて国の礎を染める計画を進めるが、ローゼマインは過去に神に体を貸した際に大切な記憶を失った経験から、強く反対する。
エアヴェルミーンは他の神々の力も借りてローゼマインに力を与えようとするが、異なる神々の力が反発し合い、ローゼマインは苦痛を感じる。
その結果、ローゼマインは体内で神々の力が衝突する痛みに苦しみながら、フェルディナンドやエグランティーヌの助けを求める。
最終的に、女神メスティオノーラがローゼマインの体内で神々の力を調整し、苦痛を和らげるために介入する。
祝福の影響
ローゼマインが意識を取り戻すと、フェルディナンドが心配そうな顔をして彼女の状態を確認していた。
メスティオノーラの降臨が終わり、神々の力が溢れる状態になっていたが、体調の変化は小さかった。
フェルディナンドは他の神々の力を固め、魔力の回復を待つと説明した。
ローゼマインは魔力が枯渇するほど使えば、神々の力も打ち消せると知り、エグランティーヌからも同様の説明を受けた。
その後、エグランティーヌがツェントとして新たにグルトリスハイトを授けられたことで、エアヴェルミーンとフェルディナンドの間で言葉のやり取りがあり、ローゼマインはエアヴェルミーンに礎を染めると約束した。
しかし、ローゼマインの体内の神々の力が増え続ける中、フェルディナンドは彼女が余計な力で苦しむことを心配していた。
儀式が終了し、ローゼマインとフェルディナンドは退場を急ぐが、ローゼマインの体はまだ完全には回復しておらず、不安定な状態が続いている。
フェルディナンドが講堂の扉が閉まると同時に、社交的な態度を脇に置いてローゼマインの体調を気にかけた。
ローゼマインは体調が悪いと答え、周囲の神々の力に苦しんでいた。
グレーティアとクラリッサは銀色の布を持って待機しており、ローゼマインにその布を被せた。
フェルディナンドは、同行する護衛騎士としてエックハルト、マティアス、ラウレンツを指名し、同行者の言動を厳しく制限することを命じた。
アナスタージウスに対しては、名捧げをしていないため、これから向かう場所に同行することを禁じた。
その後、フェルディナンドはエグランティーヌとともに神々の力が強まっていることを感じ、迅速な行動を促した。
ローゼマインは同行中の秘密保持を命じ、フェルディナンドは彼女を抱き上げて速やかに図書館へと向かった。
図書館に到着すると、ソランジュが出迎え、フェルディナンドは彼女に図書館の警備を依頼した。
エグランティーヌに対しては新しいツェントとしてのお祝いの言葉を交わし、エグランティーヌはソランジュの指導を頼った。
護衛騎士たちはフェルディナンドの指示に従い、様々な役割を果たすために動き始めた。
フェルディナンドとエグランティーヌは神々の力が集まる場所に進み、ローゼマインはその力をユルゲンシュミットの礎に供給することで、自身の苦痛を和らげた。
その後、フェルディナンドはエグランティーヌに礎とユルゲンシュミットの歴史について教え、将来の計画について説明した。
魔力枯渇計画
フェルディナンドが合格を喜ぶローゼマインに対して、まだ大量の魔力が残っていることに対する解決策を示した。
アーレンスバッハの採集場所へ移動し、そこで魔力を消費する計画を立てる。
しかし、ローゼマインはその方法が彼女に適していないと感じ、痛みを伴う治療法を提案されると即座に拒否した。
フェルディナンドは、ローゼマインの魔力を枯渇させるためにさまざまな方法を模索し、アーレンスバッハでの神事や魔力の使い道を考慮している。
フェルディナンドとローゼマインはアーレンスバッハの採集場所で魔力を使う実験を行い、貴族院での神事の復活や地域の癒しについても話し合った。
アーレンスバッハの貴族たちも素材採集に参加し、ローゼマインはこれを通じてさらなる魔力消費を促している。
フェルディナンドはこれからのアーレンスバッハの管理と神事の普及に対して具体的な計画を立て、ローゼマインと共にこれらの課題に取り組むことを決意している。
エーレンフェスト寮に戻ったローゼマインとフェルディナンドは、ジルヴェスターたちに迎えられる。
神々の力が増したことは観覧席の者たちにも分かっていたが、ローゼマインたちが戻ってこないことを心配されていた。
フェルディナンドは、ローゼマインがメスティオノーラを降臨させ、他の神々からも力を得て、ユルゲンシュミットの礎を満たしたことを説明する。
しかし、ローゼマインの体内にはまだ神々の力が残っており、早急に一度魔力を枯渇させて、人の魔力で上書きする必要があるとされる。
フロレンツィアがローゼマインに「冬の到来を早める」という言葉の意味を説明するが、ローゼマインはこの意味を完全には理解できず、恥ずかしさに襲われる。
ジルヴェスターとフェルディナンドはローゼマインに対して、自分たちの計画を実行するための協力を求める。
ローゼマインは記憶の一部を失っているため、フェルディナンドは彼女を守るために必要な措置を講じようとする。
エーレンフェスト寮での一連の出来事は、ローゼマインが自分の立場や状況に対する混乱と、フェルディナンドたちによる保護とサポートの必要性を浮き彫りにする。
フェルディナンドはローゼマインの状態を安定させるために、彼女の魔力を枯渇させる計画を進めることを決意する。
金粉作りと帰還
フェルディナンドがローゼマインを抱きかかえて部屋を出ると、側近たちがその異変に驚くが、ローゼマイン自身はこの状況を過剰に意識していることに気づく。
周囲は彼女の身体的な負担を最小限に抑えることに集中しており、ローゼマインの恋愛感情に対する自意識過剰を反映している。
フェルディナンドは、ローゼマインの魔力回復が神々の力を膨張させる可能性を懸念しており、回復薬の使用を避けたいと考えている。
さらに、フェルディナンドは緊急でアーレンスバッハへの旅の準備を進めることを決定。
ローゼマインの側近たちもその準備に追われ、フェルディナンドは今後の行動計画について具体的な指示を出す。
ローゼマインは、この状況に対して神々の影響を受けていることを自覚し、自分の感情や行動に注意を払う必要があることを理解する。
この文書は、ローゼマインが自己の身体的な負担と精神的な状態について深く自覚し、周囲の人々との関係性やその状況に対する認識のズレを感じ取る内容である。
フェルディナンドとの関係を過度に意識することから、彼女がどれだけ周囲の期待や圧力に敏感であるかが浮き彫りにされている。
フェルディナンドはローゼマインを抱きかかえ、朝食後に多目的ホールへ運び、金粉作りを行いながら彼女の魔力回復状態を確認する。
ローゼマインは、虹色魔石で騎獣を作ったにも関わらず、魔力が完全に回復してしまい、神々の御力による苦痛や影響を受けつつあることを明かす。
フェルディナンドは、ローゼマインの体調を憂慮しつつ、アーレンスバッハへの旅立ちを急ぐよう指示を出す。
外に出ると、他領の貴族たちがローゼマインの祝福を求めるが、フェルディナンドはこれを無視するよう指示し、彼女の身体的な負担を考慮して速やかにアーレンスバッハへ向かうことを優先する。
アダルジーザの離宮へ向かい、そこから転移陣を使用してアーレンスバッハに移動する計画を立てる。
その後、アーレンスバッハ城に到着したローゼマインは、虹色のレッサー君に乗って城へ戻り、側近たちに新しい騎獣を披露する。
彼女の騎獣が神々しいと周囲から評価される中、ローゼマインは神具に魔力を注ぎ、その量と速さに貴族たちを驚かせる。
その活動を通じて、ローゼマインは自分の図書館都市計画を進め、新しい領地の名前について考える。
この文書は、ローゼマインが自分の身体と神々の御力に振り回されながらも、その御力を使って自分の夢である図書館都市の実現に向けて努力している様子を描いている。
彼女の内面の葛藤や、周囲の期待とのバランスを取りながら、自己実現を目指している点が強調されている。
魔力散布祈念式
フェルディナンドとローゼマインはビンデバルトの荒れた土地に到着し、土地が荒れている状態に不満を感じる。
ローゼマインは彼女の虹色レッサー君を使い、側仕えや料理人が使えるように、大きくて快適な空間を作り上げる。
彼女はこの騎獣を改造して、多人数が寝られる場所を提供し、それを二階建てバスのようなサイズにする。
フェルディナンドはさらに改造を求め、最終的には二階建ての家のような形になる。
その後、フェルディナンドとローゼマインは土地を癒やすために、人里離れた場所にまず魔力を注ぎ、その後農村を癒やす予定を立てる。
農村を先に癒やすと、魔獣が集まるリスクがあるためである。
ローゼマインは聖杯から虹色の液体を流し、その魔力で土地が鮮やかに癒されるのを見る。
しかし、聖杯を長時間持ち続けることは困難であり、フェルディナンドは昼食のために一旦休憩する。
昼食後、ローゼマインは聖杯をお腹に紐で括りつけて持ち続ける方法を試すことになる。
この方法が効率的かどうかは、彼女の体力と魔力の減り具合を見ながら評価される。
この文書は、ローゼマインがフェルディナンドと共にビンデバルトの土地を癒やす過程と、その過程での物理的および精神的な課題に直面する様子を描いている。
彼女はフェルディナンドの協力を得ながら、彼女自身の限界と魔力を管理しながら最善の方法を模索している。
ローゼマインはフェルディナンドと共にビンデバルトとカンナヴィッツを訪れ、その地域の海を癒やすために多くの魔力を使う。
この過程で、海の景色が明るく変わり、地元の漁師たちはその変化を喜ぶ。
ローゼマインは疲労が蓄積しており、フェルディナンドに体を支えられながら移動する。
彼女は自分の行動による疲れを認めつつも、見た目の変化に興奮するのは当然だと考える。
夕食後、ローゼマインは図書館都市の計画について話し合うためにフェルディナンドと座談を始める。
彼女はアレキサンドリアまたはベネツィアという名前の候補を提案し、どちらも本が豊富な都市として知られていることから、その魅力をフェルディナンドに説明する。
フェルディナンドはアレキサンドリアを選ぶことに同意し、図書館都市の計画を進めることになる。
この文書は、ローゼマインがフェルディナンドと共に土地を癒やし、その過程で疲労を感じつつも、図書館都市に関する計画を立てる様子を描いている。
彼女は自身の魔力を用いて目に見える変化をもたらすことに成功し、その結果を喜んでいるが、同時にその疲労も重くのしかかっている。
減らない魔力
ローゼマインは朝、魔力が回復したことで落胆する。
彼女は前日、海や魚に興奮して過ごした影響で疲労が蓄積し、魔力の回復に悩まされる。
彼女は体調が悪いながらも朝食に向かい、フェルディナンドと合流する。
フェルディナンドはローゼマインの体調を気遣いながら、彼女の体力と魔力のバランスを考慮し、領地に魔力を効率よく注ぐ計画を立てる。
しかし、ローゼマインは自身の状態を考え、自分が直接動かなくても魔力を使う方法を提案する。
具体的には、彼女が力を込めた神具を他の人に使わせることで魔力を消費しようと考える。
フェルディナンドはその提案に同意し、計画を実行に移すことにする。
この文書は、ローゼマインが自身の魔力管理に悩みながらも、周囲の協力を得て対処策を講じる様子を描いている。
ローゼマインは魔力回復による不快感で苦しんでいるが、神具の魔力を消費することで少し体調が改善される。
彼女は部屋で昼食をとりながら効率よく魔力を消費するための作業を進め、フェルディナンドは午前中に別の仕事を行っていた。
さらに、魔獣がアレキサンドリア側に移動してきているため、彼女の周囲には厳重な警戒が必要とされている。
ローゼマインは体調がまだ完全でないものの、食欲があることから自身は回復していると感じている。
しかし、フェルディナンドは彼女の体調を心配し、過度な活動を控えるよう助言している。
この文書は、ローゼマインが自身の魔力管理と体調回復に努める一方で、魔獣の脅威に対処しながら地域を守る試みを続けている様子を描いている。
大規模魔術
ローゼマインは悪夢を見た後で目が覚め、魔力回復の不快感に苦しんでいる。
レオノーレが神具を持ってきてくれ、ローゼマインはそれに魔力を流し込むことで不快感を軽減しようとする。
その後、グレーティアが部屋に入り、ローゼマインにヴァッシェンを施して清潔にする。夜間の気配を感じたローゼマインは、フェルディナンドが居間で作業していることを推測し、彼の所へ行くことにする。
フェルディナンドはローゼマインとの会話の中で、アレキサンドリアの設計について語り、文官たちが平民と協力しながら街を整備する計画を立てている。
また、図書館を中心にした街の構想に対して、彼は安全性と実現可能性を考慮して調整を提案する。
ローゼマインが図書館へのアクセスを民衆にも広げたいと考えているが、フェルディナンドは段階的なアプローチを提案している。
ローゼマインは苦痛を感じながらも、フェルディナンドと共に魔力の問題を解決しようと努力している。
フェルディナンドはローゼマインが魔力枯渇に近づいていることを指摘し、彼女の体が命の危機を訴えていると説明する。
ローゼマインはフェルディナンドに、癒しの魔法陣を複数同時に行うことができないかと提案するが、魔紙の不足と大規模魔術の難しさを認識する。
二人は古代の魔術を現代で再現する方法について議論し、フェルディナンドは魔術の準備を進めるために短期間休息することを決意する。
この段階で、ローゼマインはフェルディナンドがなぜこれほどまでに彼女のために尽力するのか疑問に思い、彼からの回答を求める。
フェルディナンドは彼女を家族同然と考えており、それ以上の理由は必要ないと述べる。
これにより、ローゼマインはフェルディナンドの深い愛情と支援を再認識する。
ローゼマインがフェルディナンドに深刻な表情で何かを言いかけるものの、言葉を呑み込んでしまった。
彼女の魔力の消費と回復のバランスを観察し、アレキサンドリア全体を覆う規模の魔法陣の起動が彼女を枯渇に導くことをフェルディナンドは警告している。
そのため、ローゼマインは自室で休むようにと命じられる。彼女はフェルディナンドの態度に傷つけたかもしれないと感じるが、具体的な理由は掴めないままである。
フェルディナンドはアレキサンドリアに新たな研究施設を設立することに関心を持っているが、彼自身がアウブとなることは考えていない。
ローゼマインは彼の野望について疑問を投げかけ、二人は共に大規模な癒しの魔術の準備を進める。
魔法陣が完成し、ローゼマインは疲労と枯渇感に苛まれながらも、フェルディナンドに最後の祝詞を聞かせて意識を手放す。
エピローグ
城の領主の部屋で夕食が提供される際、グレーティア、リーゼレータ、ユストクスの三人は毒見を行った。
ユストクスはアーレンスバッハ特有の毒についての知識を指導し、特に注意が必要な食材について教えた。
この知識は、将来的にアウブとなるローゼマインの安全を守るために不可欠である。
ローゼマインはフェルディナンドと二人だけで食事をとり、その後大規模な魔術の準備が行われた。
彼らはアーレンスバッハの貴族の間にも敵が存在するため、毒見には特に注意が払われる。
名捧げ側近以外は食事後に退室するよう命じられ、フェルディナンドとローゼマインは礎の間へ向かう。
フェルディナンドはローゼマインの魔力で満たされた魔石を使用し、ローゼマインは彼に信頼を寄せている。
しかし、グレーティアは自分の無力さに不満を抱えており、主を助けることができない自分に苛立ちを感じている。
グレーティアは中級貴族出身であり、幼少期は母親の実家で育ち、その後貴族の家で洗礼式が行われた。
政略結婚に利用される予定で育てられたが、自由を求めてローゼマインに名を捧げ、庇護を求めた。彼女は高い魔力を持ち、苦労の多い生い立ちを持つ。
グレーティアはフェルディナンドと数人の側近以外に過去を知る者はほとんどおらず、フェルディナンドが彼女の主要な支援者である。
彼女はローゼマインに対する忠誠心が強く、他の側近と比べても特に彼女を支えることに尽力しているが、自身の役割に対して不満も感じている。
グレーティアは大規模魔術の成功に安堵するが、ローゼマインとフェルディナンドの安全が気にかかり、扉の向こうの状況について心配を抱えている。
彼女はローゼマインへの忠誠と支援を続けており、彼女の健康と安全が最優先事項である。
グレーティアはローゼマインが礎の間から出てくるのを待ちわびていたが、何もすることがなく、焦燥感と不安で一杯だった。
ユストクスに促されてお茶を淹れることにしたが、手が震えるせいでなかなか上手くいかない。
リーゼレータからのオルドナンツを受け取り、ローゼマインがまだ戻っていないことを知り、彼女の無事を祈った。
かつて自分を救うために神に祈ったが叶わなかった経験がある中で、他者のために、ローゼマインのために祈ることにした。
これがグレーティアにとって本当の意味での初めての祈りだった。
閑話
継承の儀式
今日は、新しいツェントにグルトリスハイトの授与が行われる特別な継承の儀式がある。
この儀式は通常のツェントやアウブの就任式とは異なり、未成年でも参加が許可されているため、異例の事態である。
ローゼマインは女神の化身として、新しいツェントにグルトリスハイトを授与する役割を担っており、彼女自身もこの場に招待されていた。
ダンケルフェルガーの領主一族やその他の貴族たちも集まり、祝勝会での出来事や、ローゼマインが王の養女となること、また彼女が次期ツェントに嫁ぐ話が周知されている。
エーレンフェストはこの儀式に積極的であり、神事の重要性を押し出そうとしている一方で、フェルディナンドはローゼマインの婚約者として、さまざまな執務を支援している状況が明らかになっている。
澄んだ鐘の音が響き、儀式の開始を告げる。今日はエグランティーヌが新しいツェントとしてグルトリスハイトの授与を受ける特別な儀式が行われており、多くの楽師たちが入場する。
続いて青色神官たちが入場し、ハルトムートが先導している。
エグランティーヌがアナスタージウス王子にエスコートされて入場し、彼女には祝福の光が降り注ぐ。
次に、女神の化身であるローゼマインがフェルディナンドにエスコートされて入場し、彼女からは女神の御力が放たれ、淡い光を帯びている。
ローゼマインの姿は、女神の化身としての威光を放っており、その変化には観客も驚嘆する。
ローゼマインは神々から直接英知を授かり、その力で舞いを奉納する。
彼女の舞は、神々の元へ向かう道を開くための古い魔法陣を用い、見る者を圧倒する。
舞い終えると、彼女の姿は消え、神々の像が動き、道を閉ざす。
全てが終わった後、ローゼマインの姿は見えなくなり、フェルディナンドが彼女が神々の招きを受けて始まりの庭へ行ったことを説明する。
エグランティーヌはその後、難しい立場で舞台に上がることになる。
エグランティーヌが舞台に上がり、跪いて祈りを捧げると魔法陣がゆっくりと浮かび上がった。
彼女の奉納舞が進むにつれて、魔法陣は明瞭になり、光の柱が徐々に伸びていったが、祭壇の神像が動き始めたのは舞の終わり近くであった。
舞が終わり神々に感謝を捧げても彼女の姿は消えず、神々からの招待がなかったため、周囲からは不安そうな声が上がった。
しかし、ハルトムートが祭壇の上部を指し「神々の元へ向かう道が開かれた」と述べ、安堵の声が漏れた。
アナスタージウス王子がエグランティーヌを祭壇までエスコートしたが、祭壇には彼女だけが上がることができた。
エグランティーヌは祭壇の最上部へと入っていった後、神像は元の位置に戻り、観客からは感嘆の声が上がった。
エグランティーヌのツェント候補としての資格が確定し、その奉納舞は技術的にも非常に優れていたが、ローゼマインに先立って行われたため、その神秘性には及ばなかった。
ハルトムートが静粛を求め、ローゼマインとエグランティーヌが神々の元から戻る場面が描かれている。
エグランティーヌが先に戻り、ローゼマインが後に続く。
ローゼマインの女神の力が強まったように感じられ、エグランティーヌはローゼマインのエスコートを務め、祭壇を下りた。
ローゼマインはエグランティーヌの頭に冠を置き、ツェントとしての地位を認められたエグランティーヌが神々への誓いを宣言する。
この儀式ではローゼマインがエグランティーヌにグルトリスハイトを授与し、彼女が正式にツェントと認められる。
エグランティーヌの立場がツェントとして確固たるものとなり、ローゼマインの女神としての威光が示された。
始まりの庭と誓い
アナスタージウスはエグランティーヌにツェントになることの重要性を問い、彼女が本当にその道を望んでいるかを確かめた。
エグランティーヌは自らの意思でツェントの道を選ぶことを決意し、アナスタージウスにその決意を伝えた。
彼女は自力で逃げ道を作り、ローゼマインは自らの選択で王の養女となり、グルトリスハイトを手に入れる権利を放棄した。
エグランティーヌは、争いを避け、より良い手段を選択するためにツェントになることを選んだと説明し、アナスタージウスも彼女の決意を理解し、支持した。
エグランティーヌは、自らがツェントになることで様々な問題を穏便に解決できると判断した。
フェルディナンドと英知の女神との間で交渉が行われた。
エグランティーヌは場にいたが、目立たぬよう振る舞っていた。
英知の女神はエアヴェルミーンに解毒薬を与えるようフェルディナンドに命じ、エグランティーヌがそれを行うことになった。
エグランティーヌがエアヴェルミーンに解毒薬を与える間、フェルディナンドと英知の女神はローゼマインについて議論を交わした。
彼らの話からは、ローゼマインが持つ特別な力と、それによる深刻な影響が明らかにされた。
エグランティーヌは新たなツェントとしての役割を果たそうとするが、神々からの認識と人間界の期待には差異があることが示された。
エアヴェルミーンはエグランティーヌに神と人の仲立ちができるかを問い、彼女は自分が神々の理を十分に理解していないことを認めつつ、ツェントとしての役割を全うすることを誓った。
この誓いは神々によって確認され、エグランティーヌの新たな役割が始まった。
新しいアウブのすげぇ魔術
漁師たちは仕事を終えた後、港近くで集まり、残った魚を調理して飲酒しながら談笑する。
ある日、彼らは新しいアウブ、ローゼマインについて話していた。
ローゼマインは以前港で問題を起こしていた外国人を排除し、海の大門を閉じることで港を守った。
このことで、彼女は漁師たちから英雄視されている。
また、彼女はシオヤキ(塩焼き)という料理を好むことが明らかになり、これが漁師たちとの親近感を増していた。
新しいアウブの魔術によって海の状態が改善され、魚が増える様子も目撃されており、漁師たちは彼女の行動に感謝している。
また、ローゼマインは平民にも癒しを与える能力があることが話され、これが彼らの信頼をさらに深めることになった。
彼らは彼女のさらなる活動に期待を寄せている。
漁師たちは仕事を終えた後、酒を飲みながら話をしていた。
ある日、フルトという漁師が、倉庫のような大きな物体が飛んでいるのを見たと主張したが、他の者たちは信じなかった。
その夜、新しいアウブであるローゼマインが魔力で領地を満たすための大規模な魔術を行うとの知らせがあり、漁師たちはそれを見るために集まった。
この魔術は、緑色の光が空に広がり、美しい模様を描いた。
そして、フルトは自分が見たものとは異なると語った。
魔術の結果、翌朝、漁師たちは海が驚くほどきれいになっているのを発見し、魚が増えているのを感じた。
彼らは興奮し、ローゼマインに感謝しながら舟を出し、再び魚を捕ることを楽しみにした。
この魔術は、ローゼマインが領地のために大規模な魔力を使ったことを示しており、漁師たちはその恩恵を直接的に感じ取ることができた。
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