小説【治癒魔法】「治癒魔法の間違った使い方 6巻」感想・ネタバレ

小説【治癒魔法】「治癒魔法の間違った使い方 6巻」感想・ネタバレ

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どんな本?

治癒魔法の間違った使い方 〜戦場を駆ける回復要員〜』は、くろかた 氏による日本のライトノベルで、イラストはKeG 氏が担当。
この作品は、2014年3月から「小説家になろう」で連載が始まり、2016年3月から2020年3月までMFブックス(KADOKAWA)から刊行されました。第2回ライト文芸新人賞で佳作を受賞している。

物語のあらすじは、主人公のウサトと彼のクラスメイトであるカズキとスズネが異世界に召喚されるところから始まる。
カズキとスズネは勇者として呼ばれるが、ウサトはただ巻き込まれただけだった。
しかし、治癒魔法を発現したウサトは「救命団」という部隊に配属された。
この救命団は、治癒魔法で自身の傷を癒しながら身体を鍛え、戦場を駆け回って負傷者を治療する脳筋集団。

このライトノベルはメディアミックスとして、九我山レキ 氏による漫画版が『月刊コンプエース』(KADOKAWA)で2017年6月号から連載されている。
2022年10月時点で、電子版を含めたコミックスの累計部数は200万部を突破。
また、スピンオフコミカライズとして『治癒魔法の間違った使い方 〜誘いの街・レストバレー〜』がカクキカイ 氏による作画で、『FWコミックスオルタ』で2023年8月から先行配信で連載が開始。
さらに、2021年8月15日にはアニメ化が発表され、2024年1月から放送予定。

読んだ本のタイトル

##治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~ 6
著者:#くろかた 氏4
イラスト:#KeG  氏

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あらすじ・内容

常識破りの回復要員、常識知らずの姫君にタジタジ!?

次なる書状渡しの目的地、サマリアールに入ったウサトたち一行。
だが“祈りの国”と呼ばれ亜人を忌み嫌うこの国で、獣人であるアマコ、そして、魔物であるネアが突如として行方をくらませてしまう。
ウサトは状況が呑み込めず混乱するものの、まずは自身の旅の目的である書状渡しを完遂しようとサマリアール国王のルーカスに謁見する。
“魔王に対抗するべく連合軍を組みたい”という書状の内容をルーカスはあっさり承諾するが、なぜかウサトはルーカスの娘である王女エヴァと同居させられることに!?
果たしてアマコとネアは無事なのか、そして“常識破り”の回復要員すらたじろぐ“常識知らず”の姫君の秘密とは――!?
第六巻でもウサトの受難は続く!!

治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~ 6

感想

今巻では、主人公ウサトがサマリアール王ルーカスの招待を受け、彼の城で過ごすことから物語は始まる。
ルーカス王はウサトに治癒魔法使いとしての特別な役割を提案するが、ウサトは自身の立場とリングル王国との絆を考慮して、この提案を困惑しながらも断る。
その後、ウサトは城内でエヴァという名の少女に出会い、彼女は奇妙な振る舞いをしまくるが、純粋な心を持っており、ウサトと特別な時間を過ごすことを望んでいた。

彼女の狭い世界観と限られた経験しか持っておらず。突飛な行動はそのせいだと知る。
一方、ルーカス王はウサトに、エヴァが「死の呪い」と呼ばれる治癒不可能な病に侵されていると告げる。

ウサトはエヴァを助けようと決意し、彼女の呪いの原因を探り。
その過程で、彼はエヴァの真の姿と彼女を取り巻く複雑な背景を徐々に理解していく。

ウサトはネアとともにエヴァの呪いを解明しようと試みるが、その過程でエヴァが危険な状態に陥ってしまう。
彼は彼女を救うために戦い、最終的には数え切れないほどの骸骨と対峙し。
骸骨たちはエヴァの呪いを保つ存在で、ウサトはエヴァを救うために必死の戦いを繰り広げ、彼女の呪いの本源に立ち向かう。

彼の努力と決意により、エヴァは一時的に呪いから解放されるが、完全な解決には至らず。

そこにエヴァの母親の霊が現れ、彼女に光を与えて彼女の体を元に戻す。

この混乱の最中、ウサトは疲労で気絶し、目覚めたときには六日後だった。
彼は自身の無茶な行動を反省し、エヴァとルーカス王に感謝の意を表す。
しかし、ルーカス王は突然ウサトにエヴァとの結婚を提案し、王位継承の可能性について話し始める。
この提案に危機感を募りながらも、ウサトはエヴァとの関係をゆっくりと築いていくことを決意。

物語の結末では、ウサトがエヴァとの結婚と王位継承について深く考え、彼の未来がどうなるかという疑問が残されます。サマリアール王国の複雑な問題、エヴァの呪い、そしてウサト自身の内面の葛藤が、今後の物語展開において重要な要素となる。
全体として、この巻は緊張感あふれる戦闘シーンと深い人間関係を描き、ウサトの成長と彼の周囲の人々との絆の強さを強調していた。

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最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

救命団ノ掟
~黒服の心構え ~

一、常に周囲に注意を払うべし 
一、怪我人は丁寧に扱うべし 
一、無駄に話しかけて怖がらせるべからず 草w

第一話  邂逅!  サマリアールの王!!  の巻

王からの呼び出し

サマリアール王国に到着したウサト達は、新たな問題に直面していた。アマコとネアが突如姿を消し、その直後にサマリアールの騎士団長フェグニスが接触してきた。彼はウサトの素性を知っており、王が直接ウサトを呼んでいると告げた。

一国の王が自分を指名するという異常な事態に、ウサトは戸惑いを覚えた。理由を尋ねても、フェグニスは「陛下は変わり者であり、私達にも真意は分からない」と答えるのみであった。

アマコとネアの行方が気になったが、王の要請を無視すれば今後の書状のやり取りに支障をきたす恐れがあった。ウサトはアルクにアマコとネアの捜索を託し、自らは王のもとへ向かう決意を固めた。

ウサトの不安とアルクの懸念

フェグニスは「王の命令により、ウサト一人だけを城へ招く」と明言した。単なる使者に過ぎない自分が、一国の王に直接呼ばれること自体が不自然であり、ウサトは何か問題に巻き込まれるのではないかと不安を覚えた。

一方でアルクも、王がウサトを指名した理由に疑念を抱いていた。特に、フェグニスの接触が王の指示だけでなく、他の目的を含んでいる可能性があると考え、警戒を強めていた。しかし、ウサトが既に同行を決めた以上、アルクは残された仲間の安全を守ることに専念するしかなかった。

アマコとネアの避難

ウサトが騎士団と共に城へ向かった後、アルクのもとへアマコとネアが姿を現した。アマコは突然の未来視によって、ネアの正体が暴かれる危険を察知し、とっさに彼女を連れて隠れたのだった。

フェグニスの持つ長剣が、魔物の偽りを見抜く『真実の剣』である可能性が高かった。その剣がネアの変身を見破る力を持っていたとすれば、隠れるという判断は正しかった。

ネアは不満を漏らしたが、状況を理解し渋々納得した。アルクは、ウサトが城から戻るまでの間、宿を探しながら待機することを決めた。

王の謁見へ

フェグニスらと共に城へ向かったウサトは、厳重な警備とサマリアールの民衆の視線を浴びながら、王の間へと案内された。

通路には豪華な装飾が施され、リングル王国とは異なる雰囲気を漂わせていた。王の間の前に立つと、侍女が武器の預け入れを求めてきた。ウサトは迷わず、小刀を手渡したが、その瞬間フェグニスがその刀に異常な関心を示した。しかし、彼は特に何も言わず、すぐに態度を取り繕った。

ルーカス・ウルド・サマリアールとの対面

扉が開かれ、ウサトは王の間へと足を踏み入れた。そこには、王座に座る壮年の男、ルーカス・ウルド・サマリアールの姿があった。

王は満面の笑みを浮かべ、ウサトを歓迎した。その表情は親しげであり、威圧感は感じられなかった。しかし、ウサトは直感的に「油断ならない男」だと警戒心を抱いた。

ルーカス王は、ただの使者であるウサトに何を求めているのか。疑問と不安を抱えながら、ウサトの謁見は始まった。

第二話  意外な評価!?  選ばれた理由!!  の巻

ルーカス王の異質な態度

ウサトが書状を渡した相手、サマリアール王国の王ルーカス・ウルド・サマリアールは、従来の王とは異なり、率直で型破りな人物であった。彼はリングル王国のロイド王の慎重な外交姿勢を「甘い」と評し、書状の内容についても脅しや強圧的な要素がないことを指摘した。しかし、それがロイド王の民を思う性格から来るものであることは理解しており、彼を「理想を掲げ、それを実現できる王」と称賛した。一方で、自身は「切り捨てたものの上に成り立つ王」とし、羨望と自嘲の入り混じった言葉を口にした。

書状の受諾と予想外の即答

ルーカス王は、ウサトが返答を待つ間もなく、書状の内容を即座に受け入れた。魔王軍の脅威を十分に認識しており、二人の勇者が重傷を負ったことでその危険性を確信したため、協力を決めたのである。フェグニスやメイドたちは王の決断の早さに慣れているようで、驚きながらも特に反対する様子はなかった。ウサトは無事に交渉を成功させたが、ルーカス王がこの件をあくまで前置きとし、本題が別にあることを察した。

異世界の存在を知る王

ルーカス王は、ウサトが異世界から召喚されたことを知っていた。さらに、勇者である犬上とカズキだけでなく、巻き込まれたウサトのことまで把握していた。彼はサマリアールの国益を守るため、密偵を送り、他国の動向を探っていたのである。ウサトは自分たちの情報がそこまで知られていたことに驚愕したが、王が求めているのは勇者ではなく、自ら戦場を駆ける治癒魔法使いであるウサト自身だと告げられた。

治癒魔法使いとしての価値

ルーカス王は、戦場で活躍する治癒魔法使いの重要性を理解しており、ローズが確立したその戦闘スタイルを高く評価していた。そのため、ウサトを迎え入れ、サマリアールに独自の部隊を作ることを提案した。しかし、ウサトはリングル王国を離れる意思がなく、また自らの部隊を持つことにも興味がなかった。王は異例の好待遇を約束したが、ウサトの決意は揺らがなかった。

サマリアールへの滞在決定

ルーカス王はウサトをすぐには諦めず、「数日間サマリアールに滞在し、国を知る時間を持つように」と提案した。旅程に大きな支障はなさそうだったため、ウサトはこれを受け入れた。しかし、王の言葉の端々に違和感を覚えた。彼が「仲間を最高級の宿へ招待する」と言ったのに対し、自分がそこに含まれていないような口ぶりだったからである。

庭園へと導かれる

メイドの案内で、ウサトは城の外れにある庭園へと向かった。そこには透明なドームに包まれた白い二階建ての家があり、魔具による結界で守られていた。メイドは「ここでは雨風を防げる」と説明したが、言葉の端々に不自然さを感じた。さらに、「食事の心配はいらない」と言いながら顔を青ざめさせたことも気になった。

謎の少女との出会い

庭園の家の扉が開き、中から一人の少女が現れた。彼女は白いワンピースをまとい、青白い髪を持ち、全身が病的なまでに白かった。少女は無邪気な笑顔でウサトに挨拶し、彼の手を掴んで力強く振った。しかし、彼の名前を「ウザト」と間違え、明るく呼びかけた。その瞬間、ウサトは精神的なショックを受け、思わず空を仰ぐしかなかった。

第三話  予測不能!  サマリアールの王女!!  の巻

出会いと初対面の失礼な言葉

白い家から現れた少女は、ウサトの名前を間違え、思わぬ形で失礼な言葉を放ったことに気付き、慌てふためきながら謝罪し、すぐに家の中へと戻ってしまった。ウサトはメイドに案内され、庭に設置されたテーブルに座ることとなった。周囲を見渡すと、広々とした庭園には池や木々があり、半透明の結界に囲まれているため圧迫感はなかった。この環境は外のようでありながらも守られた空間であり、ウサトにとっては落ち着いた場所に映った。

サマリアール王国への勧誘と未来への思案

ルーカス王の勧誘についてウサトは思案していた。自らの部隊を持つという提案は、今の自分には想像もつかないことであった。しかし、将来的に魔王を倒し、ローズに認められた後の自分の進む道を考えると、独立して治癒魔法使いの育成に携わることも悪くない選択肢のように思えた。ナックのように虐げられてきた治癒魔法使いたちに、ローズから学んだ知識や経験を伝えることもできるかもしれない。だが、そのためにはまず魔王軍との戦いを終わらせ、この世界に平和をもたらさなければならなかった。

白い石碑の発見と再会

庭を散策していたウサトは、家の陰に立てられた真っ白な石碑を発見した。それには何の文字も刻まれておらず、まるで未完成の墓のようにも見えた。その意味を考えていると、突然背後から声がかかった。振り向くと、先ほどの少女が家の壁に手をつきながら安堵の表情を浮かべていた。彼女はエヴァ・ウルド・サマリアールと名乗り、ウサトの名前を間違えたことを改めて謝罪した。ウサトはそれを気にしないと答え、彼女がルーカス王の娘であることを確認した。

友人としての歓迎と異常な発想

エヴァは、ウサトを「友人」として歓迎すると宣言した。しかし、その直前まで縄を持っていたことに気付いたウサトは不審に思い、用途を尋ねた。すると、彼女はウサトが逃げ出さないように捕まえておこうとしていたと告白した。驚愕したウサトだったが、エヴァの純粋な笑顔を見て、悪意がないことを理解し、強く追及するのは避けた。彼女の天真爛漫な性格に戸惑いつつ、夕食へと誘われることとなった。

夕食の異常な食事習慣

テーブルに着くと、執事のエイリが用意した食事が運ばれてきた。しかし、それは全て甘味で構成されており、大皿に盛られた大量のケーキと果物だけが並んでいた。ウサトが野菜を求めると、エヴァは「朝食で食べるもの」と返し、夕食はケーキと決まっていると告げた。その偏った食習慣に困惑しつつも、ウサトはエヴァの厚意を無下にできず、渋々ケーキを口に運んだ。甘さに圧倒されながらも完食したウサトであったが、エヴァはさらにケーキを勧めてきた。断ると彼女は落ち込んでしまい、罪悪感に駆られたウサトは追加で一切れを食べることを決めた。

エヴァの価値観と異常な献身

食事の最中、エヴァは「食べ物を残してはいけない」「好きになるまで食べるべき」と純粋な目で語った。その言葉にウサトは違和感を抱いたが、彼女が無理に押し付けているわけではないことを理解した。しかし、その純粋さが時に常識を逸脱してしまうことを感じ取った。彼女はただ、サマリアールの名物であるケーキを皆に好きになってもらいたい一心で、これまで訪れた客人にも同じように接していたのだろう。

過酷な運動と異常な執事の懇願

夕食を終えたウサトは、摂取したカロリーを消費するために庭で筋トレを始めた。異様な勢いで運動を続けるウサトに、エイリは「そろそろ休んではどうか」と声をかけた。しかし、ウサトが運動をやめない限りエイリも休めないと聞かされ、仕方なく動きを止めた。その会話の中で、エイリはエヴァが狭い世界しか知らず、幼い頃からこの結界の中だけで育ってきたことを明かした。彼女は外の世界を知らないため、常識や価値観を経験ではなく、教育で身につけるしかなかったのだという。

その話を聞いたウサトは、エヴァが育った環境の影響で独特の感性を持つに至ったことを理解した。エイリはさらに、「ウサトにもう少しここにいてほしい」と懇願し、さらには「一生いてもらっても構わない」とまで言い出した。突然の提案に困惑するウサトであったが、そこにエヴァが加わり、「楽しそうだから一緒に話したい」と微笑んだ。その姿を見たウサトは、今後の滞在が決して穏やかなものにはならないことを確信するのだった。

第四話  深まる謎!  サマリアール王国の秘密!!  の巻

もてなしの失敗と期待

エヴァは、訪問者であるウサトを迎える役目を担っていた。父であるルーカス王に、精一杯もてなすよう言われていたが、初対面で名前を間違えるという失態を犯してしまった。第一印象を大切にしなければならないのに、肝心なところでつまずいてしまったことを後悔した。しかし、いつまでも落ち込んでいるわけにはいかなかった。ウサトは外で待っている。自分は彼をもてなし、よく知るべきなのだ。

ウサトが一週間ここに滞在すると知り、エヴァは大いに喜んだ。これまでの客人たちはすぐに去ってしまったが、彼は違った。彼は面白く、食後に何時間も運動し続ける驚異的な体力の持ち主であり、執事のエイリともすぐに打ち解けた。その様子を見て、エヴァは幸福感に包まれた。しかし、一方で不安もあった。彼が夜の間に出て行ってしまうのではないかという疑念が拭えなかった。安心するため、翌朝、彼の部屋を訪れることを決意した。

早朝の不安と誤解

翌朝、日の出前にウサトの部屋を訪れたエヴァは、整えられたベッドと閑散とした部屋を見て、彼が去ってしまったのではないかと焦った。彼の誠実さを信じていたのに、裏切られたような気持ちになり、思わず涙がこぼれそうになった。しかし、外へ飛び出し衛兵に尋ねようとしたところ、彼が訓練をしているのを発見した。寒い朝に体を動かす姿に驚きつつも、彼が逃げたのではないことに安堵した。

その後、ウサトは城へ向かい、エヴァは日常の掃除に戻った。庭や池、花壇の手入れを終えた頃、彼は日が沈んだ後に戻ってきた。どうやら同行していた仲間の安否を確認していたようで、安堵した表情を浮かべていた。エヴァは、仲間もこの屋敷に招くことを提案したが、ウサトは慌てて拒否した。彼がなぜそこまで警戒するのか、エヴァには理解できなかった。

共同作業の喜び

翌日もウサトは早朝から訓練を行い、その後、自分にできることはないかとエヴァに尋ねた。客人である彼に仕事をさせるのは気が引けたが、エイリの勧めもあり、一緒に掃除をすることになった。エヴァにとって、エイリ以外の誰かと掃除をするのは初めての経験だった。そのことに気付いたのは日記をつける時であり、その瞬間はただ「誰かと一緒にいる」という事実に夢中になっていた。

ウサトは作業を分担することを提案したが、エヴァは皆で同じ場所を掃除する方がより綺麗になると考え、反対した。彼は少し残念そうだったが、反論はしなかった。彼と過ごす日々は新鮮で、エヴァにとってかけがえのないものになりつつあった。

不穏な気配と疑問

三日目が過ぎ、ウサトはルーカス王に同行者たちの状況を確認し、無事を知って安堵した。しかし、彼は精神的に疲弊していた。屋敷のどこにいても、エヴァの視線を感じるからである。広くはない結界内では仕方のないことかもしれないが、振り向くと木や家の陰からじっとこちらを見つめる彼女の姿があり、その度に恐怖を覚えた。

翌朝も筋トレをするため外に出たが、ふと後ろを振り返る癖がついていた。エヴァは音も気配もなく近づくことができる。何度も背後を取られるという異常な現象に、ウサトは彼女が何者なのかを考え始めた。彼女は病気なのか、それとも別の理由があるのか。試しに治癒魔法をかけてみたが、何の効果もなかった。魔力の暴発の危険があるため、系統強化を試すわけにもいかず、彼は悩み続けた。

王の墓と秘められた過去

庭を歩いていると、石碑の前に人影があった。近づくと、それはルーカス王だった。彼は静かに微笑みながら石碑に手を置き、ウサトに語りかけた。それは、王の亡き妻エリザの墓であった。ただし、遺体はそこにはない。王は娘のためにこの墓を建てたが、エヴァは五歳の頃から毎日磨き続け、刻まれた名前すら削れてしまっていた。ウサトは彼女の行為を健気だと感じつつも、どこか異様さを覚えた。

呪いと王族の運命

朝食の席で、ルーカス王はウサトにエヴァとの結婚を匂わせる冗談を言った。ウサトは戸惑ったが、王は「君がエヴァと共にいることは悪くない選択だ」と真剣な眼差しを向けた。その言葉の意図を探るうち、ウサトは彼がエヴァに何かしらの問題を抱えていることを確信した。

ウサトは治癒魔法の可能性について提案したが、ルーカス王は即座に否定した。エヴァが抱えるものは病気ではなく、「呪い」だったのだ。それはサマリアール王族を蝕む死の呪いであり、治癒魔法では癒せるものではない。王は、外の世界を知らない娘に対し、どうすることもできず、ただ彼女を結界の中で守ることしかできなかった。

サマリアールの歴史と秘密

王宮を後にしたウサトは、フェグニスからサマリアールの歴史について話を聞いた。かつて国は大災厄に見舞われ、復興の象徴として高塔が建てられた。その塔はやがて崇拝の対象となり、サマリアールが「祈りの国」と呼ばれる所以となった。しかし、フェグニスはその成り立ちが王の本意ではないと語り、複雑な事情を抱えていることを示唆した。

フクロウの訪問者

庭園へ戻ると、黒いフクロウが木の枝に留まっていた。それは、ウサトの知るネアであった。彼女は何かを伝えようとしていたが、ウサトはすぐに衛兵たちを説得し、彼女を結界内に迎え入れようとした。ネアがここに来たことで、エヴァの呪いについて何か新たな手がかりが得られるかもしれない。ウサトは期待と不安を抱きながら、結界の奥へと歩を進めた。

第五話  少女が抱える苦悩!!  の巻

ネアの調査とエヴァの興味

ウサトはネアを使い魔と偽り、衛兵を説得して結界内へ入ることに成功した。エヴァは花壇の手入れをしており、ネアを見て興味を示した。魔物を初めて見るという彼女は、ネアを「可愛い」と称し、熱心に観察した。ネアも得意げに振る舞い、エヴァに気に入られようとする姿勢を見せた。

エヴァはネアが食べるものに関心を持ち、肉を好むか尋ねた。ネアは調子に乗って反応したが、エヴァが「ネズミや虫を捕まえる」と言い出したことで、急に動揺した。ウサトはすぐに介入し、ネアは人間と同じ食事をとると説明して彼女を救った。エヴァは納得し、ネアを屋内に迎え入れることを決めた。

ネアの分析と衝撃の事実

部屋に戻ったウサトは、ネアからエヴァの状態について聞かされた。彼女によれば、エヴァは「存在が消えかかっている」とのことだった。呪いではなく、魂と肉体の結びつき自体が希薄になっている異常な現象であり、通常の魔術では説明がつかないものだった。

ウサトはエヴァを助けようとしている理由を尋ねられたが、「助けたいから」と単純な答えを返した。ネアは呆れながらも、彼の意志の強さを認め、協力することを決めた。

夜の異変と涙

その夜、ウサトはエヴァが庭の池の前で佇んでいるのを目撃した。彼女は涙を流しながら水面を見つめていた。ウサトが話しかけると、エヴァは「怖い夢を見た」と語った。夢の中で、彼女は黒い人影に責められていたが、今回は見知らぬ人々が彼女を守ってくれたという。そして、そのうちの一人は自分と同じ顔をしていた。

ウサトは彼女を慰めようとしたが、エヴァは「私はもうすぐいなくなる」と口にした。彼女の右手は月明かりの下で半透明になっており、確実に消滅が進んでいることが明らかだった。

呪いの発現

ウサトが彼女の手を握り、励まそうとした瞬間、小刀が震え始め、頭の中に獣のような咆哮が響いた。同時に、エヴァの体が浮き上がり、彼女の口から不気味な声が発せられた。それは「王も勇者も許さない」と憎しみに満ちた言葉を繰り返した。

エヴァの体から半透明の鎖が出現し、呪いの正体が顕現した。ウサトはその異常な現象を前にし、呪いの本質を探る決意を新たにした。

第六話  出現!  エヴァを蝕む呪い!!  の巻

骸骨たちの襲撃

エヴァの体から半透明の鎖に繫がれた骸骨が次々と出現し、不気味な呻き声を上げた。骸骨たちは下半身を失い、鉄の首輪をはめられた状態で、サマリアールの王族と勇者への憎しみを吐き出していた。彼らはエヴァを媒介にして現れた亡霊であり、呪いの実体そのものであった。

骸骨たちはウサトに殺到したが、物理攻撃や治癒魔法は効果がなく、青白い炎に包まれてすぐに再生した。彼らの攻撃は素早く、ウサトは回避しながら反撃を試みた。しかし、いくら倒しても再生する敵に対し、ウサトは焦燥感を募らせた。

反撃と骸骨の動揺

ウサトは、敵の再生が遅くなるほど粉々に砕くことで、骸骨を無力化できると気付いた。全力で殴りつけると、骸骨たちは再生に時間がかかり、次第にウサトへの恐怖を抱くようになった。彼らは攻撃の手を緩め、ウサトを取り囲むように浮遊し始めた。

しかし、その時エヴァの周囲にいた骸骨の数が減っていることにウサトは気付いた。一部の骸骨が消えたのか、それとも別の場所へ移動したのか。彼が警戒を強めた瞬間、地面から突然骸骨の腕が伸び、足を掴んできた。

骸骨の精神攻撃

骸骨はウサトの足を拘束し、次々と噛みついた。彼の頭の中に、苦しむ人々の叫びや「助けて」「痛い」といった悲痛な声が流れ込んできた。それは彼に精神的なダメージを与え、動きを封じるための攻撃であった。次第に意識が混濁し、抵抗する力を奪われていった。

そんな中、ネアが到着し、ウサトの体に魔術を施した。紫色の文様が浮かび上がると、骸骨たちは弾き飛ばされ、ウサトの意識は回復した。彼は安堵しつつ、ネアに感謝の言葉を述べた。

呪いの中継者・エヴァの解放

ウサトはネアの指示を受け、骸骨たちに対抗するために「拘束の呪術」を使うことになった。ネアの魔術をウサトの拳に込め、骸骨を次々と封じていった。そして、エヴァを媒介としている呪いの本体を断つため、彼女に直接魔術を施した。

呪いの影響が薄れた瞬間、エヴァの髪の色が変化した。真っ白だった髪が青く染まり、彼女の本来の姿が戻りつつあった。ウサトは呪いの解除に成功したのかと思ったが、ネアは「耐性の呪術」をかけただけであり、呪い自体はまだ完全に消えていないと説明した。

呪いの本質と幽霊の存在

ネアは、エヴァの呪いが単なる魔術ではなく、何かによって魂をこの世に縛りつけているものだと推測した。そして、骸骨たちは肉体を失った魂、つまり幽霊であると断言した。彼らは解放を求める存在であり、呪いにより縛られていたのだった。

また、この呪いはエヴァが城の外へ出ることを許さず、彼女を結界内に留めるためのものだった。彼女が生まれたときから城の外に出られなかったのは、呪いによってその自由を奪われていたからであった。

ウサトは、邪竜と勇者の戦いがこの呪いと関係していると考えた。そして、勇者の小刀が呪いの発動のきっかけとなったことに気付いた。骸骨たちが彼を勇者と誤認したのは、この小刀に何か特別な力が宿っていたためだと推測した。

決意と王との対話

ウサトはエヴァを救うため、呪いの根源を突き止める決意を固めた。ネアと共に行動することを誓い、執事のエイリに自分の意思を伝えた。

その後、ウサトはルーカス王のもとへ向かった。彼は墓の前に座っており、ウサトの到着を待っていた。ウサトは王に対し、エヴァを救う方法について話し合うため、静かに口を開いた。

第七話  ネア、奔走する!  動き出す計画!!  の巻

ウサトの不在と不穏な状況

ウサトが城へ向かって五日が経過し、彼の安否を案じる日々が続いていた。アマコとアルクは宿の部屋で待機していたが、ウサトが戻らないことに不安を抱えていた。また、宿には他の客がいないことや、宿の人々がアマコの正体を知っているにも関わらず何の行動も起こさないことも奇妙であった。アルクは、この状況がサマリアール王の意向によるものではないかと推測した。

ウサトの行動について話し合う中で、彼の人となりが再確認された。彼は見て見ぬふりができない性格であり、助けを求める者を放っておけない。それが彼の強さであり、同時に危うさでもあった。

ネアの帰還と報告

そこへ、城へ向かっていたネアが帰還した。彼女は疲れた様子を見せながらも、ウサトがまた厄介事に巻き込まれていると明言した。彼はサマリアール王の計らいで、一国の姫エヴァ・ウルド・サマリアールと四日間過ごしていたという。王がウサトを引き抜こうとしていたが、彼はそれを断り、その代わりに姫の元に滞在することになったというのだ。

しかし、問題はそれだけではなかった。ネアの話によれば、エヴァは呪いを受けており、その影響で体を蝕まれていた。ウサトはその呪いを解こうと奔走しているが、彼の治癒魔法やネアの魔術でも対処できない厄介なものであった。ネアは彼に助けるのを諦めるように進言したが、彼はそれを拒み、エヴァを救うと決意したという。

ウサトと王の対話

ウサトはルーカス王に直接交渉を持ちかけ、エヴァの呪いを破壊するためにその正体を教えてほしいと求めた。突然の申し出に王は驚いたが、ウサトの真剣な態度を見て、その覚悟を受け止めた。

王は過去の出来事を語り始めた。数百年前、サマリアールは邪竜と勇者の戦いで荒廃し、王国は壊滅的な被害を受けた。しかし、当時の王は復興ではなく、勇者の力に執着し、彼を王国に縛り付けようと考えた。そして、魔術師を利用して勇者を拘束する術を作らせようとしたのだ。

呪いの起源と犠牲

だが、勇者を縛るための魔術は強大すぎた。王はそのために多くの国民を生贄にし、その魂を魔術の礎とした。しかし、計画は失敗し、勇者を拘束することは叶わなかった。残されたのは目的を果たせぬまま発動し続ける魔術と、犠牲となった者たちの魂が呪いとなって王家を蝕み続けるという悲劇であった。

この呪いこそがエヴァを苦しめていたものであり、骸骨たちは生贄に捧げられたサマリアールの民の魂であった。そして、王がこの魔術を施した魔術師も後に処刑されたが、彼が建設したサマリアールの塔は今もなお存在し続けている。

ネアは、この魔術が今も発動し続けている理由を探るために動き出した。呪いの正体が明らかになったことで、次の目標はその根源を断つことに定まった。

サマリアールの塔への計画

ネアはウサトと協力しながら、魔術の本体を探していたが、それはすぐに見つかったという。そして、彼女は新たな目的のために宿へ戻ってきた。彼女が指し示したのは、サマリアールの塔であった。

この塔は、数百年にわたって魔術が維持されてきた要となる存在であり、呪いが続く要因となっている可能性が高い。ネアはその塔を破壊することで、魔術の供給を絶とうと考えていた。そして、ウサトは呪いの本体を消し去ることに専念する。

その計画を説明した後、ネアは悪戯っぽい笑みを浮かべながら告げた。

「今夜、サマリアールの希望の象徴をぶっ壊しに行くわよ」

第八話  その怒りは彼女のために!!  の巻

夜の見守りと計画の確認

ネアがアマコたちの元へ向かってから数時間が経過し、城には松明の光が灯っていた。エヴァは未だに目を覚まさず、ウサトは彼女を見守りながら魔術の解呪を待っていた。ネアの計画に従い、ウサトはまず休息を取り、次にエヴァの耐性魔術を維持し、その力が弱まったら彼女をネアの元へ運ぶという役割を果たそうとしていた。

呪いの進行と移動の決断

時間が経つにつれて、エヴァを守る魔術の光が弱まり始めた。ウサトは予定通り彼女を運び出す準備を整えるが、自身が呪いの破壊に専念しなければならないため、エヴァの運搬は執事のエイリに任せることになった。しかし、エイリの背後には王ルーカスの姿があり、彼は計画を知り、同行を決意していた。ウサトは国の安定を考え王の身を案じるが、ルーカスは「王である以前に父である」として譲らなかった。

エヴァの目覚めと異変

移動の準備を進める最中、エヴァが目を覚ました。しかし、彼女は呪いによる影響で自分の髪の色が変わっていることに気づいていなかった。彼女が起き上がろうとした際、自身の影が存在しないことに気付き、動揺する。操られていた間の記憶も部分的に残っており、自らが何をしていたのかを悟ると、恐怖と罪悪感に震えた。ウサトは彼女を落ち着かせるため、慎重に言葉を選びながら接した。

フェグニスの正体と対峙

エヴァを連れて城を出たウサトたちは、ルーカスの護衛団と合流する。しかし、フェグニスの行動に不審な点があり、ウサトは彼が呪いについて深く知っていることを見抜く。さらに、フェグニスは勇者の刀に異常な関心を示し、自身が勇者を求めた魔術師の子孫であることを告白する。彼は勇者の力に執着し、サマリアールの未来のためにウサトを国に縛り付けようと画策していた。

ルーカスの決断と対立の激化

ルーカスはかつての信頼を裏切ったフェグニスに怒りをぶつけるが、フェグニスは呪いが王家に必要な犠牲だと主張した。ウサトはこの言葉に激昂し、彼を力で制する決意を固める。ルーカスもまた「サマリアールのためではなく、エヴァのために王である」と宣言し、フェグニスを反逆者として断罪した。

鐘の破壊と反撃の開始

同時刻、ネアとアマコたちはサマリアールの塔に忍び込み、魔力の供給源である鐘を破壊することに成功した。この行動により呪いの力は急速に弱まり、ウサトたちの計画は次の段階へ進んだ。フェグニスは焦燥しながらも剣を抜き、部下の騎士たちにウサトを制するよう命じる。

騎士団との戦闘とウサトの実力

ウサトは次々と騎士たちを倒し、治癒魔法と拘束の呪術を組み合わせた新たな技を駆使してフェグニスを圧倒した。彼の力に恐れをなした騎士たちは次々と戦意を喪失し、最後に残ったフェグニスもウサトの決意の前に敗北した。ウサトは「助けたいと思うからこそ行動する」と語り、勇者としてではなく、一個人としての信念を示した。

最終決戦への準備

フェグニスを制したウサトは、残る呪いの本体を破壊するため、ルーカスとエヴァを伴い先へ進むことを決めた。ネアも再び合流し、ウサトの背後から支援を行うことを約束する。こうして、エヴァを完全に救うための戦いが始まるのだった。

第九話  対決!  サマリアールの呪い!!  の巻

ネアの正体と役割

ウサトは城を進みながら、ネアの正体をルーカスとエヴァに説明した。ネアが吸血鬼とネクロマンサーのハーフであると知り、ルーカスは驚いたが、エヴァはフクロウから人間の姿に戻ったネアに強い関心を示していた。ネアは呪いを破壊するのは自分とウサトの役目であり、ルーカスとエヴァには見届けるだけでいいと念を押した。さらに、魔術の破壊が失敗した場合の覚悟を促し、ルーカスはその言葉に緊張を強めた。

呪いの影響とエヴァの運命

鐘を破壊したことで呪いは弱まりつつあったが、その影響でエヴァの魂と存在は永遠に失われる運命にあった。彼女の寿命は著しく縮まり、最悪の場合、あと一年も生きられない可能性があった。それを防ぐためにウサトは呪いを破壊しようと決意したが、ネアは失敗した場合の撤退も視野に入れるべきだと冷静に助言した。また、耐性の呪術をエヴァかウサトのどちらかにしか施せないことを指摘し、もしエヴァが狙われた場合、ウサト一人では何百もの骸骨を相手にできないと懸念を示した。

王族の呪いの源を発見

ネアの導きで、ウサトたちはサマリアール王族を蝕んできた呪いの源へと辿り着いた。彼らは王座の裏に隠された秘密の通路を発見し、ウサトが壁を破壊すると、奥へと続く螺旋階段が現れた。階段を下りた先には古びた祭壇があり、そこには緑色に輝く水晶が置かれていた。これは王族を呪い続けてきた魔術の核であり、サマリアールの民の魂を縛る楔の役割を果たしていた。

骸骨たちとの戦い

ウサトたちは水晶を破壊するために進んだが、数え切れないほどの骸骨たちが立ちはだかった。骸骨たちはまるで操られているかのように水晶を守り、彼らの意思とは関係なく鎖に引かれ、無理やり戦わされていた。ウサトが水晶を砕こうとすると、骸骨たちが防壁となって阻止し、さらに彼らの中には「やめて」と懇願する個体まで現れた。この異様な光景にウサトは戸惑い、攻撃の手が鈍った。

黒幕の登場

そのとき、魔術師の骸骨が現れた。彼こそが呪いの創造者であり、王族を呪い続けた張本人だった。彼は自らの魂を呪いと結びつけることで長い年月を生き延び、王族だけが呪われるように細工していたのだった。さらに、彼の真の目的は勇者の肉体を手に入れることにあり、ウサトの身体を乗っ取ろうとしていた。魔術師は数多くの魂を利用し、骸骨たちを操りながらウサトの心を壊そうと画策した。

ウサトの決意と反撃

魔術師の策略により、ウサトは数えきれないほどの骸骨たちに襲われ、精神攻撃を受け続けた。彼は過去の怨嗟を見せられ、耐え難い苦痛に晒されたが、決して屈しなかった。一方、ルーカスは魔術師の非道を糾弾し、勇者になろうとする彼の歪んだ思想を否定した。勇者とは力ではなく、その力をどう使うかが重要だと説いた。しかし、魔術師はそれを理解せず、なおもウサトの身体を奪うことに執着した。

魂たちの助けと魔術師の敗北

絶望的な状況の中、突如として白い人影たちが現れた。彼らはエヴァを守ってきた存在であり、歴代の王族たちだった。彼らの助力により、骸骨たちの猛攻は防がれ、魔術師の計画は揺らぎ始めた。そして、ウサトはついに目を覚まし、魔術師の背後に立った。彼は圧倒的な怒りを込めて魔術師の頭を掴み、地面に叩きつけた。その瞬間、魔術師の骸骨は砕け散り、長年にわたる呪いは終焉を迎えた。

終結と新たな未来

ウサトの圧倒的な力によって、魔術師の野望は潰えた。彼の怒りは凄まじく、その笑みは冷徹そのものであった。長年苦しめられてきた王族たちの魂は解放され、呪いの影響を受けていたエヴァにも光が差し込んだ。こうして、サマリアールの呪いは終わりを迎え、新たな未来へと向かう道が開かれたのである。

第十話  復活!  砕けぬ心!!  の巻

白い空間での記憶の奔流

ウサトが目を覚ますと、そこは白い空間であった。周囲には数えきれないほどのサマリアールの民の魂が集まり、彼を取り囲んでいた。彼らは怨嗟の声をぶつけると同時に、自らの苦しみの記憶をウサトに見せつけた。

邪竜の毒に蝕まれながらも家族のもとへ帰ろうとした男、生贄にされて命を奪われた騎士、愛する人を失い生きる希望を失った女性──それぞれの絶望が頭の中に直接流れ込んできた。邪竜に襲われ、破壊された街の記憶や、恐怖に震える少女の視点を通して、ウサトは過去の惨劇を体験することになった。

勇者と邪竜の激闘

記憶の中で、少女の目の前に立ちはだかったのは、軽装の上に鎧をまとった男であった。男は邪竜の猛攻を前にしても動じることなく、腰の小刀を抜き放った。小刀に力を込めると、己の腹部に突き刺し、不可思議な術を発動させた。勇者は驚異的な速さで邪竜へと迫り、猛毒を吸収するかのように消し去ると、その拳で邪竜を殴り飛ばした。そして、紫色の衝撃波を伴う一撃で邪竜の翼を斬り落としたのである。

この戦いを目の当たりにした少女は、畏怖と憧憬の入り混じった感情を抱きつつ、意識を手放した。

怨嗟の声と精神の崩壊

記憶の奔流を終えたウサトは、サマリアールの魂たちからさらに強い怨嗟を浴びせられた。彼らの憎悪の言葉が重なり合い、ウサトの意識を蝕んでいく。「生きたい」「お前のせいだ」「消えろ」といった呪詛の言葉が彼を取り囲み、ついに膝をついた。

意識が沈む中で、ウサトは自らの存在を手放しかけた。しかし、その瞬間、彼は拳を握り、呻くように言葉を絞り出した。「うるせぇ、黙れ」。その言葉とともに、沈みかけた体を無理やり引き上げ、周囲の怨嗟の声に立ち向かった。

エヴァのための決意

ウサトは魂たちを見据え、怒りを露わにした。彼らが何を求めていたのかを問うたが、それが同情なのか、服従なのかを知る必要はないと断じた。何よりも、彼はエヴァを守ると決めていた。狭い世界しか知らず、それでも笑顔を絶やさずに生きてきた彼女が、もっと広い世界を知るべきだと強く願ったのである。

ウサトは怒りと決意を込め、拳を白い地面に叩きつけた。その瞬間、空間にヒビが入り、白い世界が砕け散った。意識が戻ると、彼は骸骨たちを振り払い、周囲を見渡した。

魔術師との対峙

立ち上がったウサトは、広間で嘲笑を上げるローブを纏った骸骨を見つけた。彼がすべての元凶であり、呪いの創造者であった。ウサトは怒りを滲ませながら歩み寄り、魔術師の頭を掴み、地面に叩きつけた。骸骨の頭部は粉々に砕けたが、再生するのは明らかだった。

ネアやルーカスと再会し、彼らの無事を確認したウサトは、骸骨たちの様子に違和感を覚えた。魔術師の命令に対し、骸骨たちはもはや従わなくなっていた。彼らはウサトとの対話を通じて、自らの真の望みを理解し、魔術師の支配から解放されようとしていたのである。

決戦と魔術師の滅び

魔術師は焦り、なおもウサトの肉体を奪おうと襲いかかった。しかし、ウサトは彼の首を掴み、そのまま宙へと持ち上げた。精神攻撃すら効かなくなった今、魔術師はもはや抵抗する力を失っていた。

ウサトは勇者の小刀を手に取り、祭壇へと魔術師を投げ飛ばした。続いて、拘束と治癒の魔術を込めた小刀を投げつけ、それを魔術師の頭に突き刺した。最後に、解放の呪術を込めた拳を握りしめ、魔術師の額へと振り下ろした。

その一撃によって、魔術師の体は砕け散り、水晶も粉々に砕けた。呪いに囚われていた魂たちは光となり、ついに解放された。魔術師の魂もまた、断末魔の叫びとともに消え去った。

エヴァの救済と未来

すべてが終わった後、エヴァの元には青髪の女性の魂が現れた。彼女はエヴァの髪を撫でると、優しく微笑みながら光に包まれて消えていった。その直後、エヴァの体には変化が起こった。今まで失われかけていた影が完全に戻り、彼女は人並みに生きられる身体を取り戻したのである。

ルーカスは娘の回復に歓喜し、涙を流した。ウサトは安堵しながら床に倒れ込む。すべてが終わり、エヴァの未来も開かれたのだった。

ネアはウサトに感謝の言葉を求めつつ、彼の血をねだった。ウサトは苦笑しながらそれを受け入れた。こうして、長きに渡る呪いは終焉を迎え、新たな一歩が踏み出されたのである。

第十一話  ウサトの受難は終わらない!?  の巻

目覚めと仲間の心配

ウサトは気絶していたが、目を覚ますとすでに翌日の夜であった。ルーカスが彼を運び、アマコやアルク、ネアが彼を見守っていた。アマコは無茶をしすぎたウサトを心配し、厳しく叱責した。ウサトは自らの無謀さを認め、素直に謝罪した。幸いにも鐘を破壊したことは問題視されず、安堵することができた。

玉座の間での別れ

翌朝、ウサトたちは玉座の間に集まった。サマリアール王国を出発し、水上都市ミアラークへ向かうための挨拶が目的であった。ルーカスとエヴァが迎え、ウサトの行動に対する感謝を述べた。呪いは解かれたものの、フェグニスの一族やその影響を受けた騎士たちの存在が残っており、問題は完全には解決していなかった。

ルーカスはフェグニスを捕らえたと語ったが、彼は呪いの崩壊を知り、抜け殻のようになっていた。ルーカスにとっても、長年信頼していた人物を処罰せざるを得ないのは苦しいことであった。しかし、サマリアールはリングル王国に協力する意思を示し、ウサトの役目の一つは無事果たされた。

ルーカスの申し出

ルーカスはエヴァを失わずに済んだことを改めて感謝し、ウサトの存在がなければ王としての職務を投げ出していたかもしれないと語った。しかし、その言葉の後に続いた申し出がウサトを困惑させた。ルーカスは「ウサトを婿に迎え、王位を継がせたい」と提案したのである。

ウサトは驚き、即座に断ろうとしたが、ルーカスは彼の実力と度胸を評価し、本気で推していた。さらにエヴァも乗り気であり、「好きになってもらえるまで頑張る」と宣言した。ウサトは圧倒され、精一杯の抵抗として「友達から」と返すしかなかった。だが、エヴァはその返答を受け入れ、むしろ前向きに捉えていた。

突然の報道と逃亡

その場を去ろうとしたウサトの前に、執事のエイリが現れた。彼が持っていた紙を拾い上げたウサトは、そこに書かれた衝撃的な記事を目にし、絶句した。それは「カームヘリオ王子の求婚を断った女勇者の想い人は治癒魔法使いウサト!?」という見出しの記事であった。しかも、ウサトの似顔絵は過剰に美化され、まるで貴公子のように描かれていた。

この報道は明らかに犬上先輩の遠距離援護によるものであり、ウサトは自らの立場がさらに厄介なものになったことを理解した。アマコのフォローも微妙に的外れで、ルーカスとエヴァは競争心を燃やしていた。さらに、ネアまでこの情報を知る前に気絶させなければならなかった。

最後の逃走

耐えきれなくなったウサトは、その場から逃げ出した。背後ではルーカスとエヴァが晴れやかに見送っていたが、ウサトにとってはそれどころではなかった。婿入りの提案、報道の影響、エヴァの真剣な想い──すべてが重なり、彼はただひたすら走るしかなかった。空を見上げながら、彼は「数百年続いた呪いを破った自分でも、どうにもならないことがある」と痛感するのであった。

閑話  彼女は母に思いを馳せる

旅立ちとウサトの困惑

サマリアールを出発した後も、ウサトは苦い表情を浮かべていた。額を押さえながら歩く彼の様子から、まだ城での出来事を引きずっていることが明らかであった。特にスズネが発言した「想い人」発言が記事として広まったことが彼にとって衝撃的だったのだろう。ウサトは仕返しを考えていたが、スズネの性格を考えれば逆効果になることは明白であった。

アマコとアルクは、ウサトが今回の事件でどれほどの困難を乗り越えたかを理解していた。彼はエヴァの呪いを解くために奮闘し、数百年もの間苦しみ続けた魂と向き合った。最終的にはサマリアールの王から婿として迎えられないかと持ちかけられるほどの評価を受けたが、ウサト自身にとっては思わぬ試練となった。

アマコはそんな彼を見つめながら、ある疑問を抱いた。ウサトはなぜか変わった人々に好かれることが多すぎるのではないか。思わずその感想を口にすると、ウサトは何が特殊なのかと困惑したが、明確な答えを見つけることはできなかった。

エヴァの未来への不安

旅を進める中で、アマコはふとエヴァのことを考えた。呪いから解放された彼女は、これからどのように生きていくのか。狭い世界で過ごしてきた彼女が、いきなり広い世界へ飛び込んで大丈夫なのか、不安がよぎった。

その問いかけに、ウサトは優しく答えた。エヴァにはルーカスをはじめ、執事のエイリや城の人々がついている。彼女は決して一人ではなく、支えてくれる人々がいるのだ。

アマコはウサトの言葉に納得しながらも、エヴァの母のことを思い出した。彼女が魔術師に襲われた際に現れたという母の魂。その話を聞いたとき、自然とアマコは自分の母のことを思い出した。

彼女の母は故郷で眠り続けていた。二年前に最後に見た母の顔を思い浮かべるだけで、胸が締めつけられる。今も変わらず眠り続けているのか、それともすでに目を覚ましているのか──それすらも分からない。最悪の可能性が脳裏をかすめたとき、ウサトが彼女を呼びかけた。

ウサトの気遣いとアマコの想い

ウサトの声に驚いたアマコは、彼の心配そうな顔を見上げた。彼はアマコの様子が辛そうに見えたことを気にしていた。

アマコはすぐに平静を装い、ネアがまだ気絶していることを指摘した。ウサトは慌てて彼女の治癒を行い、ネアは文句を言いながらも目を覚ました。

その後、ウサトは再びアマコに向き直り、辛いことがあれば話すように促した。彼にはアマコが無理をしていることが分かっていたのだ。

アマコはそんなウサトの言葉に感謝しながら、小さく微笑んだ。彼の察しの良さに驚きつつも、その優しさに救われる気持ちを抱いた。そして、心の内に秘めた想いをそっと胸にしまいながら、隣を歩くウサトと共に道を進んでいった。

閑話  彼女は彼に思いを馳せる

スズネの失態と現実逃避

カームヘリオの宿で、スズネは布団に顔を埋め、絶望の底に沈んでいた。先代勇者を信仰するこの国で、彼女は取り返しのつかない失言をしてしまった。ウサトへの想いを公の場で暴露してしまい、それが国中、さらには大陸中に広まってしまったのである。

きっかけは、王国を脅かしていた巨大な魔牛の討伐だった。戦いは苦戦したものの勝利し、その功績を認めたカームヘリオの王子が彼女に求婚を申し入れた。しかし、その場でスズネは彼の申し出を断り、勢い余ってウサトへの想いを情熱的に語ってしまった。

今となっては取り消しようのない状況に、彼女は羞恥に悶えていた。しかし、そんなスズネに対し、女騎士クルミアは呆れた様子で出発の準備を促した。

王子との対決と失言の余波

スズネの断り方は、あまりにも決定的であった。彼女は王子に対し「私には将来を約束した大切な人がいる」と宣言し、さらにはウサトの強さや優しさを語ることで、彼の価値を強調した。結果として、王子の婚約は完全に否定される形となり、そのやり取りは街中の話題となった。

クルミアはそんなスズネの発言をからかいながら次々と再現し、彼女をさらに羞恥のどん底へと突き落とした。布団にくるまりながら身悶えするスズネに、クルミアはさらに追い打ちをかけた。

「敵を倒す剣が私達勇者ならば、仲間を守る盾がウサト君だ」──その決定的な一言を思い出させた瞬間、スズネは絶叫しながら壁に激突し、完全に力尽きた。

ウサトの存在と彼女の決意

王子がウサトを侮辱したことも、スズネが感情的になった理由の一つだった。治癒魔法使いを「軟弱な存在」と評した王子に対し、彼女は全力でウサトを擁護したのである。クルミアもまた、魔王軍との戦いで救命団がどれだけ重要な存在であったかを認識しており、王子の発言には強く反発していた。

スズネは一度は落ち込んだものの、ウサトとカズキが旅を続けていることを思い、再び前を向く決意をした。彼らが頑張っているのだから、自分もここで立ち止まってはいられない。

しかし、立ち直った矢先、クルミアは再び彼女の発言を繰り返した。「今、ここにいる私は彼のものだ!」──その一言で、スズネの決意は再び揺らいだ。

新たな旅立ちと試練

スズネは気を取り直し、身支度を整えた。街にはウサトの誤った美化された似顔絵が出回り、多くの女性たちの間で話題になっていた。彼女は不機嫌そうにそれを見つめながら、クルミアに指摘されるまでもなく、自分の気持ちが大きく広まってしまった現実を受け入れるしかなかった。

もはや後戻りはできない。王子の求婚をウサトへの想いを理由に断った以上、これからはその気持ちを押し通すしかないと決意した。

しかし、部屋を出た瞬間、クルミアは待ち構えていた。「私はウサト君にどうしようもなく恋い焦がれているのさ!」──再び羞恥の言葉を投げかけられ、スズネは前のめりに倒れ込んだ。

彼女の新たな旅路は、どうやらまだまだ試練に満ちているようであった。

閑話  呪いとは

魔王とシエルの対話

魔王は突然、シエルに「呪いとは何か」と問いかけた。シエルは戸惑いながらも、呪いを「恨み」として定義し、特定の対象に向けられるものと答えた。魔王はそれを認めながらも、さらに深い意味があると示唆した。

魔王は邪竜の話を持ち出し、サマリアール王国に関する自身の見解を述べた。現在「祈りの国」と呼ばれるその地を、彼は「勇者に解けぬ呪いを与えた国」と評した。

勇者の戦いと呪い

サマリアールはかつて勇者と邪竜の戦場となった。魔王は、勇者が神竜から強力な武具を授かり、精神的に追い詰められていたことを理由に、邪竜の敗北を確信していた。勇者は相次ぐ裏切りや非難に晒されながらも、最終的にサマリアールを救った。しかし、彼が救った人々は、彼の力に目をつけた者たちによって魔術の生贄にされ、魂を抜かれた屍へと変えられてしまった。

これにより、勇者は「人間を救ったことで彼らを死へ導いてしまった」という罪悪感を抱えることとなった。この後悔と虚無感こそが、彼に刻まれた決して解けぬ呪いであった。

勇者の選択と未来への期待

シエルは、勇者が受けた呪いが魔術とは異なる精神的なものだと理解した。魔王によれば、勇者はその後ただ敵を打ち倒し、最終的に魔王との戦いに勝利した。しかし、シエルは魔王の言葉に何かが隠されているのではないかと感じた。

魔王は、勇者が人間の未来に希望を抱いていたと語った。彼は現在に絶望しながらも、未来には可能性があると信じていた。しかし、その未来が本当に変わったのかは、もはや確かめる術がない。

シエルは最終的に「勇者は人間を選んだ」と結論付けた。しかし、魔王はそれを愚かと評し、人間の本質は変わらないと断言した。それでも、勇者の戦いは終わり、現在を生きる魔族にとって重要なのは「人間に勝つこと」だけであった。

勇者の呪いと人間への興味

魔王は、勇者を蝕んできた呪いがついに破壊されたことに興味を抱いていた。その呪いを壊したのは、蘇った邪竜を討った人間だった。このことに思考を巡らせた魔王は、突如として笑みを浮かべた。

シエルはその理由を理解できず困惑したが、魔王は「自分が人間を評価していることに気付かされた」と述べた。その笑い声は広間に響き渡り、シエルはただ泣きそうになりながら、それを聞いていた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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