どんな本?
『Dジェネシス ダンジョンが出来て3年』は、之貫紀 氏による日本のライトノベル。
この物語は、世界各地に「ダンジョン」が出現してから3年後の世界を描いている。
主人公の芳村は、元々は社畜として働いていたが、ある偶然からダンジョン探索者の世界ランキング1位になる。
彼は退職し、ダンジョンに潜ることを決意するが、手に入れた未知のスキルに振り回され、ダンジョン攻略の最前線に関わることになる。
この作品は、投稿小説サイト「小説家になろう」で2019年6月1日から投稿が開始され、その後KADOKAWAのエンターブレインレーベルより2020年2月から刊行されている。
また、『月刊コンプエース』で平未夜 氏の作画により漫画化され、連載が開始されている。
読んだ本のタイトル
Dジェネシス ダンジョンが出来て3年03
著者:之貫紀 氏
イラスト:ttl 氏
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
神VS元サラリーマン!?止まらない二人の猛進に世界が振り回される!!
2018年。ダンジョン攻略が当たり前になった世界。
Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 03
元社畜の脱サラリーマン芳村は不幸?な事故で最強スキルを手に入れる。
異界言語理解の力を使って碑文に隠された情報を手に入れた芳村と三好はダンジョン下層へと検証に向かう。
そこで待ち受けていたのは黄金の椅子に鎮座する神!?
碑文の翻訳サイトを開設してさらに世界から注目を集めることになったDパワーズの前に、お嬢様がやって来た!
大人気SFファンタジー!第3弾
感想
この巻では、主人公たちのダンジョン探索の深度がより深まり、科学技術との融合が一層進む。
特に目立ったのは、黄金の椅子に鎮座する神、エンガイとの予期せぬ強制戦闘で、芳村たちがレベルアップ(ステータス強化)でこれを物理的に解決する展開が印象的だった。
あぁ、、やっぱチートだわ。
ただ、これはかなり危機的状況だった。
でも、神様相手の戦いにも関わらず、物語の焦点はダンジョンの新機能開拓と世界への影響にあり、芳村たちの活動がどれほど大きな波を起こしているかが如実に示された。
また、異世界言語理解によって明らかになった情報の検証への取り組みも興味深い。
加速器実験からダンジョンが出現して3年、主人公たち芳村の活動はますます目覚ましいものになっている。
また、芳村たちが周囲の人々を巻き込みながらも、彼らの思い通りに物事を進める様子は、読む側にとっても爽快感を与える。
総じて、ダンジョンの神秘と現実世界の複雑さが絡み合いながら、主人公たち芳村の成長と挑戦を描いた本作は、ダンジョン物の魅力を十分に引き出していると感じる。
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
同シリーズ
Dジェネシス ダンジョンができて3年
その他フィクション
備忘録
序章
2018年12月、デヴィッド=ジャン=ピエール=ガルシアは日本でのオークションに関する情報収集に苦労していた。彼はヨーロッパのコネクションを使って 日本の政財界や日本ダンジョン協会(JDA)、自衛隊、マスコミ関係者に接触しようと計画していたが、目ぼしい情報は得られなかった。
一方、アーシャはフランス語を話す見知らぬ女性に声をかけられ、その女性がガルシアの側近であること、またミシェルという洗練された男性から、ガルシアがアルトゥム・フォラミニスの関係者であることやサラ=マグダレーナという魅力的ながらも一部で悪い噂のある人物が関連していることを知らされる。
東京での魔法に関する噂と、それに興味を示す多くの人々、特にアルトゥム・フォラミニスの関係者が『誰が魔法をかけたのか』という情報を求めていることが明らかになる。 サラは、本来マイアミへ行く予定だったが東京への変更を余儀なくされ、これが宗教団体の東京行きの理由と関係があるのか疑問に思う。アーシャはこの件について後にケーゴに相談することを決める。
第4章 ヒブンリークス
2018年12月6日: 衝撃的な碑文の内容が公表された後、主人公と三好は、マイニングを含む記述の真偽を確かめる準備を開始した。
- 彼らはエクスプローラー500万人達成に直接貢献できるわけではないが、ヒブンリークスの公開が近づく前に他の情報の検証を進めようと決意した。
- 準備の大部分は食品の注文が完了するのを待つだけであり、時間的な余裕もあったため、週末には御劔たちの訓練に再び参加する予定であった。
- 三好はダンジョンデートについて否定的な意見を述べたが、主人公はそれを修行と捉えていた。
- また、パーティ機能の使用は時期尚早として見送られた。未発表の情報を扱っているため、不測の事態を避けるための措置であった。
2018年12月8日、御劔と斎藤はYDカフェの隅の席で再会し、コンパウンドボウでウルフ狩りをする計画について話していた。ダンジョン内の狩りはVRゲームのようで、動物愛護団体からの非難の心配もなく、エクスプローラーが増えることで新しい可能性が開けることを示唆している。斎藤さんは当初ウルフ狩りに興味を示していたが、トロフィーや報酬がないためすぐに飽きてしまう。この体験をアミューズメント施設化するアイデアが浮かぶが、生命の危険というリスクやコストに対するリターンが企業にとって大きな課題であることを認識している。しかし、探索者による護衛サービスを提供することで、探索者の増加に貢献する可能性があると考えている。
2018年12月10日の東京で、鳴瀬は早朝に事務所を訪れ、十八層への探索についての懸念を表明した。この層は部分的に未調査であり、特に右側には広範な未調査領域が存在する。自衛隊が初めての調査を行った際、崖と雲海が広がる危険な地域があり、後回しにされた。その中で、バティアンと呼ばれる山の頂上付近は立ち入り禁止とされており、このエリアは過去に自衛隊のクライマーによってバティアン峰と特定されたが、ほとんど調査されていない。また、イタリア人捕虜がケニア山を登ったエピソードが語られ、この話は映画の見方についての議論につながった。鳴瀬は十八層の探索に関する情報を提供し、未調査および立ち入り禁止領域の存在と過去に自衛隊の隊員が命を落とした事件について警告した。また、アルスルズというペット(実際にはヘルハウンド)が紹介され、鳴瀬は当初恐怖を感じていたが、次第に心を開いた。WDA(世界ダンジョン協会)には鑑札や検疫に関する規定がなく、ヘルハウンドをペットとして飼う場合の行政への届け出には特定のリストが適用されない。狂犬病の予防注射の影響が未知であり、秘匿して様子を見ることが提案された。ダンジョンに関するルールは常に後追いであり、ヘルハウンドの振る舞いや「繫がった感」がUIかもしれないという話題で終わった。
探索者たちは、比較的安全な十層で休憩し、LUC(運)がドロップアイテムや魔結晶のドロップ率に与える影響を検証する計画を立てた。– ドリー(キャンピングカー)を使用して、モンスターを安全な距離から攻撃する環境を整えた後、周囲の監視を開始する。- 彼らはモンスターの数のカウントと攻撃の命中判定を楽しみながら、プロ層やファン層の増加に貢献するアイデアを考えた。代々木に施設を造る案が提案され、サバイバルゲームのような体験が提供される可能性があるが、リアルデスゲームとなるリスクや法的な問題が生じるため、参加者が減少する可能性がある。– この案はeスポーツとしての可能性を秘めているが、安全性を最優先に考える必要がある。主人公は「メイキング」の能力を使ってステータスに関与でき、経験値(SP)の約50%を好きなステータスに割り振ることが可能であることが明らかになる。– ダンジョンブートキャンプのコンセプトが提案され、参加者は厳しい訓練を通じてステータス向上を経験する。- このプログラムは代々木の「探索」への貢献を条件に設定し、攻略を支援することを目的としている。余剰ポイントの分配を目的とし、初心者には困難であるが、効果が期待できない探索者は参加させない方針が取られる。– また、鑑定を公開することで、受け入れ不能な理由を明確にすることも検討されている。- このビジネスモデルは、ダンジョンに依存する社会の問題解決の手段として提案されている。
2018年12月11日、美晴が斎賀に三好梓がヘルハウンドをペットとして飼っている件について相談した。斎賀は、日本の法律やダンジョン協会の規定ではヘルハウンドを特別扱いする項目がなく、現行法ではただの犬として扱うしかないと結論づけた。斎賀はこの事態に対応するため、秘匿する方針を決め、何か決まり次第報告するよう指示した。十八層に到着した探索者たちは、未完成のマップと壮大な風景に圧倒された。特に、バティアンと呼ばれるピークの麓にある洞窟群は立ち入り禁止エリアであり、過去に自衛隊員が命を落とした危険な場所でもあった。彼らは未知の探索への挑戦に対する危険と興奮を感じながら、探索を進める決意を固めた。あるアイテムが使用者本人の危険を察知する機能を持つことが鑑定結果から示唆されたが、そのアイテムが他者に対する危険を見逃す可能性について懸念が示された。三好はスキルの所持数の多さを危惧し、スキル使用による寿命の減少の可能性への議論が展開されたが、ペナルティがあれば鑑定結果に表示されるはずだという見解が示された。二人はケニア山に近い洞窟を目指し、ゲノーモスの採集のため地下洞窟へと進んだ。洞窟の入り口は思いの外小さく、内部は溶岩洞窟のような玄武岩質の壁で構成されていた。洞窟を進むうちに、人工的に造られた地下の神殿前の広場に出た。この広場は人為的に作られたことが明らかで、光を発する地衣類によって照らされていた。三好と先輩は、ゲノーモスが住むとされるこの地下の神殿を探索し、ゲノーモスの軍団と戦闘を繰り広げた。戦いの最中、彼らはスキルオーブのドロップ率の高さに興奮したが、ゲノーモスは無限に湧いてくるようだった。戦闘が激化する中、二人はゲノーモスに囲まれつつも、神殿内への撤退を決意し、ゲノーモスの包囲をかいくぐって神殿内へ逃げ込んだ。神殿内部はギリシアやエジプト風の装飾が施されており、二人は追いすがるゲノーモスから扉を閉じて逃れ、周囲を闇が包んだ。その後、LEDカンテラと予備のヘッドライトを使用し、細い回廊を進んで夜目を利用して探索を行った。彼らが到達した広い部屋はエジプトのアモン神殿の多柱室を思わせる空間だったが、生命探知には反応がなく、進む道は奥にのみ続いていた。
日没に迫る中、二人は柱廊と中庭を通り抜け、最終的に聖所と思われる四方八角形の部屋に到着した。部屋に隠された奇妙な魔法陣が、何かのスイッチに触れることで発動し、浮遊感を伴って上へと移動し始めた。移動の先に何が待っているのかは不明だが、ある文化人類学者の記述によれば、エンカイという存在が上に待っている可能性がある。エンカイは暴力を振るうこともあるとされ、その背景には深い意味があるかもしれない。
三好と自衛隊員の会話は、マサイ社会における男性が女性を殴ること、そしてエンカイとオラパというキャラクター間の暴力的なエピソードに及ぶ。エンカイ(太陽を象徴)は額に深い傷を負い、オラパ(月を象徴)は片目を失うという神話的な寓話が語られる。この神話はマサイの生活圏とキリマンジャロ山に関連しており、彼らの対話は冒険中の危険察知、生命の価値、未知への対処方法について深い洞察を提供している。特に、彼らの安全を守るために先手を打つことの重要性が強調されている。
太陽が沈む中、金色に輝く椅子に座るシルエットが見え、それがエンカイであると推測された。三好はシルエットに向かって鉄球を投げたが、エンカイはそれを簡単に弾き、一瞬で三好の前に移動し拳を振り下ろした。しかし、三好と拳の間に現れた黒い塊が彼女を救い、エンカイの攻撃は地面に激突して大きなクレーターを作り出した。三好は自身の素早さを高め、エンカイに対抗したが、エンカイの反応は速く、攻撃はほとんど効果がなかった。エンカイの再攻撃を黒い塊が阻止し、三好はエンカイの額を狙って全力で鉄球を投げ下ろし、エンカイは攻撃を受けてもなお強大であったが、三好は力をさらに高めて直接対決を決意した。戦闘は激化し、最終的に三好の鉄球がエンカイの額に命中し、エンカイは地面に落ち動かなくなった。エンカイの体が黒い光に還元され、エンカイからドロップされたアイテムを鑑定した結果、魔法のダメージを大幅にカットする能力を持つアイテムであることが判明し、これにより生存率を高めることができると確信した。
彼らは、どのステータスに保有している90ポイントを割り振るかについて議論しており、特に知力(INT)の強化に傾いている。また、アルスルズの戦闘での有用性と強化方法についても議論している。魔結晶を用いた強化や、直接アルスルズに問いかけることで情報を得ようとしており、ダンジョン内外でのヘルハウンドの能力とその活用方法についても話し合っている。アルスルズの強化にはMPの増加、魔結晶の摂取、戦闘経験による成長の可能性があり、特にAGIとINTの重要性が強調されている。三好のステータス調整では、HPが心許ないものの、腕輪の能力で大きなダメージをMPが吸収する対策が示されている。彼らはまた、ダンジョン内で見つけた「ムフフ」と呼ばれる木の枝がダンジョン外に持ち出せるかどうか、そして持ち出した後の状態についても議論している。ダンジョン内で見つけた物質がリポップするかどうかを検証し、特に「ムフフ」の木が復活するかどうかを確かめる実験を行う予定である。
彼らはダンジョン内での農業が可能かどうかについて議論しており、特にダンジョン内で育てた作物を外に持ち出せるか、及びダンジョンがそれを許容するかに焦点を当てている。ダンジョン内の特定層で農業が行えれば、寒冷地や乾燥地でも農業が実現可能になる可能性を探っている。また、彼らはンガイの玉座というアイテムが黄金でできており、毎日リポップする可能性についても言及しており、これが実現すれば大量の黄金を得られるが、毎日エンカイと戦うリスクもあることを認識している。翌朝、三好はダンジョンへ向かい、ブラキオサウルスの木がリポップしているのを確認し、ダンジョン内での農業や植物の持ち出しに関する実験の可能性が示唆された。彼らはダンジョン内でのモンスター狩りを続け、特にゲノーモスを狩り〈マイニング〉スキルオーブを集めた。この活動は、〈マイニング〉スキルの確率とLUC(運)の関係を検証するためである。戦闘でのオーバーキルや、ドロップしたバナジウムのインゴットについても触れられている。三好と主人公は、ダンジョンからの帰還後、事務所で鳴瀬に報告を行い、ダンジョン内での実験を通じて得た知見や二十層でドロップしたバナジウムの価値について議論した。バナジウムは製鋼添加剤として需要があり、ダンジョンからのドロップは資源として重要な意味を持つ可能性があるが、その需要を満たすのは非現実的であることも指摘された。
ダンジョンに関する未知の物質「Dファクター」についての不安が表明されている。エクスプローラーの健康診断データからはDファクターが人体に問題を与える証拠は見つかっていないが、レベルやステータスなどゲーム的要素が人間の能力に関わっている可能性については完全には理解されていない。Dファクターが人間の範疇を超えている可能性についての懸念があり、科学的な調査が提案されている。また、ダンジョンに関連する謎の物質Dファクターが存在し、それが他の世界では一般的に利用されているという話があり、ダンジョンを通じてDファクターをばらまいて環境を整備しようとする試みが行われている。ダンジョンが地球改造ツールとしての役割を持ち、それがもたらす可能性のある肯定的及び否定的影響について考察されている。具体的な提案として、畑作りを通じた土地利用の相談がなされている。ダンジョン内で農業が可能かどうかについて議論しており、特にダンジョン内で育てた作物を外に持ち出せるか、そしてダンジョンがそれを許容するかに焦点を当てている。この実験が成功すれば、ダンジョンを利用した無限の収穫が可能になるかもしれないと考えている。
探索者がダンジョン内で良い場所を見つけた際に拠点を作ることがあるが、長期間存在する拠点は実質的に土地の占有となる。浅層の土地利用には許可が必要になる可能性があり、特に三十二層以降では拠点が金属資源の集積地として利益を生む可能性がある。小規模な拠点は無許可でも許される場合があるが、大規模な拠点や特定層の占有には許可が必要である。食糧支援は無償で提供したい意向があるものの、他の領域での利益は得たいと考えており、営利企業としての活動も視野に入れ合同会社設立が提案されている。ダンジョン内の土地を借りるための手続きの面倒さや、法人格の必要性について議論され、試験的な申請を進めることになった。成功すれば大きな変化がもたらされる可能性がある。
斎藤がダンジョンでスライムを叩き続けた経験を隠して、謎の師匠から教えを受けていたと偽る話が芸能界で話題になった。彼女は以前は無名だったが、二ヶ月でブレイクし、予定されていた主役女優を抜擢される形でオーディションに勝利した。このオーディションは出来レースの状態だったが、監督が斎藤を気に入ったため、彼女が役を得た。斎藤はインタビューで謎の師匠について言及し、その話がさらに話題を呼んだ。このインタビューは録画され、放送されることが期待されている。
2018年12月14日に、彼らはレンタカーで軽トラを借り、鳴瀬秘密研究所(株式会社常磐医療機器研究所、略して常磐ラボ)を訪れた。そこでは、精密計測用デバイスと簡易版デバイスが紹介され、ソフトウェア開発用に持ち帰られた。簡易版デバイスは構造が単純化されており、市販製品としては必要なセンサーのみを残して設計される予定である。精密計測用デバイスは非接触での脳波計測が可能で、超高感度の素子が開発されていたが、その詳細な説明は専門外であったため理解が難しい部分もあった。デバイス間の精度についてはソフトウェアでの調整が可能で、測定精度の揺らぎは非常に小さいとされている。
量産とコストに関する議論では、コスト削減の可能性が示され、量産に向けて製造委託が選択される見込みであること、このデバイスが世界的なベストセラーになることを目指しているが、技術的には既存の技術の組み合わせであるため、競合に模倣されるリスクがあることが指摘された。電磁波計測用センサーについては特許取得の可能性が低いとされるが、プロジェクトは進行中であり、プロトタイプの製作は迅速に進められる予定である。デバイスが人間の能力を数値化する器械であることが明らかにされ、大規模なビジネスへの発展可能性が探られている。
彼らは新たに開発されたデバイスについて話し合い、その量産に関するコスト見積もりを受け取った。三好はこのデバイスを世界的なベストセラーにする計画を翠に説明し、翠は提携を承諾した。買収防御についての議論もあり、三好が資金面でのサポートを提案した。彼らは試験機を持ち帰り、今後の動きに警戒しつつも提携に同意した。
三好は新しく入手した機器を使用し、主人公を含む複数の人物のステータス計測を行った。このプロセスには長い時間がかかり、事務所を訪れた鳴瀬も関心を示したが、三好の反応により退散した。三好はさらにサンプル数を増やす意向を示し、主人公はそれに応えようと御劔さんに連絡を試みたが、留守電にメッセージを残した。一方、港区の番組制作会社メディア24に勤める氷室隆次は、大学時代の友人である中央TVのプロデューサー、石塚誠から新人女優の師匠とスキルオーブのオークションについて調査するよう依頼された。石塚はこのオークションの実態や落札者に関する情報に興味を示し、リスクを伴う調査に対して氷室は複雑な感情を抱いた。斎藤が接触した場所がJDAの商業ライセンスIDに登録されている住所と一致する可能性があり、石塚は氷室に対してさらなる調査を依頼した。報道ではなく制作局で取り扱うこと、リスクを伴うが仕事として進めることが決定された。氷室はこの依頼を受け、石塚と局長はプロジェクトの進行に複雑な感情を抱いている。
斎藤涼子と彼女の友人が芳村の事務所を訪れたことがきっかけで、番組制作会社メディア24の氷室隆次が彼女たちの動向を追っていた。斎藤が以前「師匠」と言及した人物と関連のある住所を訪れる様子を氷室は尾行し、非日常的なイベントの前兆を感じ取り、その秘密を探るために潜入を試みた。斎藤と御劔が芳村の事務所で三好による人間の能力を計測する装置を用いた秘密の実験に参加した際、ステータス計測を行い、彼女たちは相互の能力値を確認した。
一方、USのDパワーズ監視要員カヤマとNSAから出向しているノールは、メディア24の所有車を使って侵入を試みた人物に注目した。諜報界では各国の監視が公然の秘密であり、侵入者の動きが素人っぽいことから、マスコミ関係者であることが判明した。彼らはその日、侵入者が再び現れなかったことを特に感慨もなく受け止めていた。
二人が念話に夢中になっている中、三好はアルスルズの網に何かが掛かったことを伝えるが、異常を感じつつも二人は計測を続ける。御劔や斎藤のステータス上昇について考え、彼らはダンジョンでの経験が現実世界での能力向上につながることを楽しく語り合った。夜になり、御劔と斎藤がタクシーで帰宅し、鳴瀬さんも帰宅。三好と主人公は事務所に戻り、外部からの侵入を推察し、メモリーカードから斎藤を追跡している映像を発見し、ストーカーの可能性を疑う。捕まえた男が番組制作会社メディア24のディレクター、氷室隆次であることが判明し、彼らは氷室の意識が戻るまで計測データの解析を続ける計画を立てる。
氷室隆次は、自分が暗い密閉空間に閉じ込められたことに気づき、棺桶に生き埋めにされたと恐怖を感じる。彼は斎藤涼子が入った事務所に侵入した記憶を思い出し、中央TVのプロデューサー、石塚からの依頼で斎藤涼子に関する調査をしていたことを明かし、命乞いをする。氷室は麻痺させられ、中野の警察病院に収容される。三好は氷室が事務所の敷地に不法侵入した後の出来事について、後でお見舞いに行くことを提案する。氷室が落としたカメラから、彼が番組制作会社メディア24のディレクターであることが判明し、三好がさらに調査することになる。また、三好は時間軸方向の変化を含んだデータを三次元に変換し、視覚化モデルを作成する。この技術は、将来的にステータスの詳細な解析や個人識別に利用される可能性がある。主人公は〈収納庫〉オーブのハントと、それを誰に使わせるかという問題に直面しており、〈マイニング〉スキルの利用者選定も重要な課題となる。
翌朝、三好が徹夜でPC作業をしていたところを鳴瀬に怒られる場面が描かれている。三好は処理が終わらないと嘆き、スーパーコンピューターの使用を提案し、HPCIを利用することを考える。彼女は京や地球シミュレーターの使用申し込みに興奮し、スーパーコンピューターの利用を熱望していた。また、「先輩モデル」という謎のプロジェクトが存在することが示唆されているが、詳細は三好が覚醒してからの話となっている。午後には、主人公が代々木ダンジョンへ向かい、一方三好は中野の警察病院を訪れて氷室隆次と対面する。氷室は三好にカメラを返され、庭に落ちていたことを伝えられる。混乱する氷室は、以前の記憶を思い出し、恐怖を感じる。三好の声を聞いて再び安堵するが、暗闇に落ちる恐怖を感じていた。
氷室隆次は三好から鉢植えをお見舞いとして受け取るが、病院の規則で生花の持ち込みは禁止されていたはずである。鉢植えに植えられていたデュランタの花言葉は「あなたを見守る」であり、氷室はその名前を思い出した瞬間に青ざめる。三好は氷室にマスコミ関係での協力を頼み、彼は快く頷く。一方、鳴瀬美晴はJDA本部にDパワーズから得た情報を報告する。報告内容にはダンジョン内の土地利用ルールの暫定版や三好梓が開発したステータスを表示するデバイスのことが含まれていた。このデバイスにより未知のスキルやアイテムを安全に取り扱うことが可能になる。鳴瀬と斎賀は今後の対応に頭を悩ませる。鳴瀬は三好と主人公にダンジョン内での農園のテストを行うための土地を借りることを提案し、実験に適した場所を探すためにダンジョンへと出向く。彼らは天辺に一本の木が生えた小さな丘を見つけ、その周囲をゴブリン対策として網で覆う計画を立てる。また、ダンジョンが持ち込んだ物をリポップさせることについて疑問を抱くが、主人公はダンジョンがDファクターを含む食品の生産に協力的である可能性を提案する。
2018年12月20日
朝、主人公は、事務所の窓から連なって走る有蓋トラックのミニコンボイを見て感想を述べる。
三好との会話から、この辺りでよく見かける引っ越しトラックの話に移り、出て行く人はよく見かけるが、引っ越してくる人はあまり見ないという話題になる。
三好は引っ越し時の見積もりサービスの経験を話し、競合する引っ越し業者間での気まずい雰囲気や、家具類を処分してくれる業者を選んだことを述べる。
その後、鳴瀬が翻訳部屋から、碑文の日本語と英語翻訳完全版のUSBメモリを持って現れ、その労をねぎらわれる。
彼女は、ダンジョンやファンタジーに関する豊富な知識を背景に、分かりやすく碑文を翻訳していた。
主人公は、碑文の公開後に〈マイニング〉のオークションを開く計画を述べ、これに対し鳴瀬は驚きの反応を示す。
2018年12月23日、三好と主人公は斎藤たちが訪れることを前提に会話を交わし、その中で三好の鑑定スキルがJDAに報告されたかどうか、ステータス計測デバイスのセキュリティや将来の展開について議論した。彼らはステータス計測デバイスが人類を分断する可能性や、ステータスによる人間の分類の扱いについて懸念を表明する。斎藤と御劔はクリスマスのイルミネーションを楽しみ、和食レストランで食事をする。この日は特別な予定がなく、三好はアルスルズのための実験を行っていた。鳴瀬はダンジョン内の土地利用に関する賃貸契約書を提出し、斎賀に碑文の全文翻訳サイト「ヒブンリークス」について報告する。このサイトの公開により生じる問題や、三好が計画しているマイニングオーブのオークションについても議論された。
2018年クリスマスイブの深夜、東京では放射冷却により星が瞬く寒い夜に、ヒブンリークスのサイトが公開され世界中に衝撃を与えた。最初にアクセスしたのはおそらくモニカで、米国からのアクセスが急増し、Redditでの紹介が大きな注目を集めた。特に、Dカード所有者間でテレパシーが使用可能であることが話題となり、その潜在的な利用可能性が示唆された。これにより、学業試験のカンニング対策など、Dカード所有者の確認や所有有無をチェックするデバイスの必要性が議論された。また、センター試験に大きな影響が予想され、サイトの内容が真実である可能性についての疑念が招かれた。
一方で、ダンジョン省初代長官のカーティスは、Dパワーズとの競争でオーブの落札や情報戦において劣勢に立たされている状況を焦りを感じていた。日本政府によるエージェントの失敗後、ロシアから公開された資料と一致する新たな情報が報告され、これが鉱物資源に関するものであることから、カーティスは代々木での下層探索強化と〈マイニング〉の採取を命じることで大きなチャンスと捉えた。
2018年のクリスマスイブ深夜、東京ではヒブンリークスのサイトが公開され、世界中に衝撃を与えた。このサイトでは、Dカード所有者間でテレパシーが可能であることが話題となり、特に学業試験のカンニング対策が必要とされた。また、FSBのエージェントが日本で失敗したことや、碑文翻訳サイトの情報がロシアの〈異界言語理解〉オーブと一致していることから、ロシアは代々木ダンジョンへの探索を強化し、〈マイニング〉スキルオーブの探索を指示した。
イギリスでは、碑文翻訳サイトにイギリスから出た碑文も翻訳されていることが報告され、アメリカでは、サイトの実際の所有者がアズサミヨシであることが判明し、彼女がオーブを取り扱うオークションハウスの責任者であることが確認された。
主人公は、サイモンに捕まり、ヒブンリークスのサイトについて話し合った。サイモンは、アメリカが情報を独占しようとは考えていないことを示唆し、代々木ダンジョンで〈マイニング〉が確認されたことを話した。
アメリカでは、行方不明になった船の木材から作られたデスクに座る大統領が、翻訳された碑文にザ・リングに関する内容が含まれていないことに安堵した。彼は、ダンジョンがそのことを記述してしまうと、世界中から非難される可能性があることを懸念していた。
主人公は、サイモンに捕まり、ヒブンリークスのサイトについて話し合った。サイモンは、アメリカが情報を独占しようとは考えていないことを示唆し、代々木ダンジョンで〈マイニング〉が確認されたことを話した。
アメリカでは、行方不明になった船の木材から作られたデスクに座る大統領が、翻訳された碑文にザ・リングに関する内容が含まれていないことに安堵した。彼は、ダンジョンがそのことを記述してしまうと、世界中から非難される可能性があることを懸念していた。
2018年12月26日: 午前中、褐色の美少女アーシャが日本での滞在を楽しんでいる様子で事務所を訪れた。
彼女は29日まで日本に滞在し、その後家族と新年を過ごす予定であり、ディワリについても言及した。
- 三好はアーシャを自宅に招待し、アーシャはアルトゥム・フォラミニスという宗教団体からの不快な関心を示唆した。
- 大学入試センターではDカードを使った不正行為が問題となり、具体的な対策が決まっていない状況である。
- JDAでは、受験生がDカードを所有しているかどうかを判断する方法について会議が開かれ、最終的に個人情報提供が難しいと結論付けられた。
- 斎賀はDパワーズのステータス計測デバイスがDカードを取得していない人間のステータスを計測できないという情報に着目し、新たなアイデアを思いついた。
アーシャはホテルをチェックアウトして事務所に戻り、アキハバラでカレー屋を全て回りたいという願いを表明した。
- 三好はカレー大王とカレーの王女様と書かれたTシャツを作成し、祈願アキバ一周カレー行脚と書かれたパーカーを加えるアイデアを提案した。
- 鳴瀬美晴はDカード取得者を判別する機器の制作をDパワーズに依頼するメールを受け取り、これが厳しいスケジュールであることを理解していた。
- 三好はPCの前でDカード取得者を識別するデバイスに関する問い合わせに頭を悩ませており、これらの問い合わせは大学入試センターや各大学の入試事務室からのものであった。
- 最終的には鳴瀬美晴との話し合いを進めることになった。その後、三人はアーシャと共に秋葉原でのカレー巡りを楽しんだが、ベジタリアン向けのカレーが少ないことに挑戦された.
2018年12月29日に、主人公たちはコミックマーケットを訪れ、アーシャは日本文化を「研究」と称して多様なコスプレや薄い本に興味を示した。彼らはイベントで多くの本を購入し、アーシャは大量の薄い本をプライベートジェットで持ち帰る計画を立てた。イベント終わりには、アーシャが参加したサークルの余った本を全て購入し、「リアル石油王の娘」としてSNSで話題となった。帰宅後、疲れた主人公たちは事務所に灯りがついていることに気づき、鳴瀬さんが謝罪しているのを見つけた。この日の経験は、彼らにとって非日常的なものであり、鳴瀬さんの謝罪は彼らの次なる行動への階段を強制的に上らせることになった。
後日譚
NHK放送センターでダンジョン研究家の吉田陽生が提案した企画は、現在のテレビ業界の傾向と公共放送の方針により、採用が難しい状況にあった。
企画はダンジョンブームを背景にしているものの、以下のような様々な問題が指摘された:
- 高レベルな探索者の確保が困難
- 目的が十層より先という難易度の高さ
最終的には、パイロットの準備やモキュメンタリーという方向性が提案されている。
一方で、アーシャは父親のアーメッドに「総攻め」という言葉の意味を尋ねており、アーメッドはそれを企業買収の戦略として解釈するが、自身のビジネス手法とは異なると説明している。
このやり取りは、家族間の温かな交流を示しており、アーメッドが娘からの紅茶を楽しみにしている様子が描かれている。
Share this content:
コメントを残す