どんな本？
「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」は、謙虚なサークル 氏による日本のライトノベル。
この作品は小説投稿サイト「小説家になろう」で2019年10月31日から連載され、2020年7月2日からは講談社ラノベ文庫より刊行されている。
物語は、血筋と才能に恵まれず非業(?)の死を遂げた凡人の魔術師が、強い魔術の血統を有する王国の第七王子に転生し、気ままに魔術を極める無双ファンタジー。
主人公のロイドは、前世の知識と記憶と魔術への執念を武器に、恵まれた環境で魔術を学び、自由気ままに生きることを選ぶ。
アニメ化もされており、2024年4月1日からテレビ東京系列などで放送されてる。
ロイドの無双ライフや魔術の研究、周囲の個性豊かなキャラクターたちの活躍が描かれている。
読んだ本のタイトル
転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます4巻
著者:謙虚なサークル 氏
イラスト:メル。 氏
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あらすじ・内容
ロイド、錬金術を極めます！？
累計70万部突破！＆ 「マガポケ」コミカライズにて大好評連載中！
サルーム王国の第七王子・ロイド。王位継承から遠い第七王子とい う立場を利用し、魔術の粋を極めるべく研究に没頭――するあまり 魔人・グリモワールと天使・ジリエルを両手に宿し、付与魔術や神 聖魔術をも身につける。そんなロイドに声をかけてきたのは兄王子 たち。錬金術を研究する第三王子ゼロフに協力し、ゴーレム造りを 手伝うことに！ 力を合わせ、強力なゴーレム・ディガーディアを 作り出したゼロフは、各国の錬金術師が集まり技術を競い合う錬金 大祭への参加を決めるが、その会場で出会ったのはロイドとの因縁 がありそうな、謎の――？ 錬金術を使っても、ロイドの力は規格 外!? の大人気ファンタジー、第四弾！
転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます４
感想
サルーム王国の第七王子、ロイド＝ディ＝サルームは、過去の人生で魔術師としての経験を活かし、現在は魔術の研究に没頭している。
最近では、魔術だけでなく、さまざまな技術を身につけ、その知識を深めようとしている。
ロードスト領を訪れた彼は、改心した元教皇のギタンとラミィと出会い、彼らの研究を支えている。
ギタンから特殊な素材を受け取り、ゴーレム作成に挑む。ゴーレムは訓練相手として、また新たな資源を得るために使う計画である。
ロイドは兄たちの協力を得て、ゴーレム製造に必要な資源やスペースを確保する。
兄の一人、第三王子のゼロフは、ゴーレムの核製造を担当しているが、強度のある合金の作成にはまだ成功していない。
そこでロイドは、ギタンから得た素材と自身の知識を組み合わせ、新たな合金を作り出すことに成功する。
この成功をもって、ゼロフはゴーレム製造に取り掛かる。
一方、ロイドはゴーレム製造に関わる以外にも、錬金術の祭り「錬金大祭」に参加することになる。
バートラム王国で開催されるこの大会には、ゼロフと共に参加し、ゴーレム武闘会に挑むことになった。
大会では、謎の少年イドとの出会いがあり、彼はロイドが過去に作り出したホムンクルスであることが明らかになる。
イドとの再会は、ロイドにとって過去の行動を振り返る機会となる。
イドはロイドのもとを離れてからも、自分の存在意義やロイドへの恨みを抱えていた。
しかし、ロイドとの再対面を経て、イドは自己の価値を再認識し、ロイドへの誤解を解くことができた。
イドは新たな決意を固め、ロイドの研究に貢献する道を選ぶ。
錬金大祭では、ロイドとイドはゴーレム武闘会で激突する。戦いの中で、ロイドはイドのゴーレムに呪具を取り付ける者を阻止し、イドを救出する。
この行為を通じて、イドはロイドへの誤解を解き、ロイドに感謝する。
最終的に、ロイドはゴーレム武闘会での勝利を収め、バートラム王国の女王から技術開発のための引き抜きを提案されるが、これを辞退する。
この一連の出来事を経て、ロイドはさらなる研究への意欲を新たにし、イドとの新たな関係を築くことに成功する。
ゴーレム製造や錬金術の知識が深まる中、ロイドの周りには新たな仲間や挑戦が待っていた。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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同シリーズ
その他フィクション
アニメ
PV
OP
ED
備忘録
ロイド＝ディ＝サルームはサルーム王国の第七王子で、以前は魔術師としての人生を送っていたが、ある事件後、王子として新たな生を受ける。
彼は魔術の研究に熱心に取り組んでおり、最近では魔術のみならず、剣術や暗殺術、気功術など、様々な技術を身につけている。
ロードスト領を訪れた彼は、元教皇であり改心したギタンとラミィと合流し、彼らの研究を支援している。
彼はギタンから特殊な素材を受け取り、ゴーレム作成のための材料として使用する計画を持っている。
ゴーレム作成には複数の目的があり、特に彼の魔術の訓練相手として、また、レア素材の入手が容易になったことから実現可能となった。
さらに、城内での彼の地位も固まり、ゴーレム作成に必要な資源やスペースを自由に使えるようになった。
ロイド＝ディ＝サルームは、城に戻り、すぐにゴーレム製造のための工房を訪れる。
この工房は、ロイドの兄である第四王子ディアン＝ディ＝サルームと第二王子アルベルト＝ディ＝サルームによって支援されている。
ディアンは鍛冶師として、アルベルトは魔術師として、ロイドのゴーレム製造計画に協力している。
ロイドはレア素材を大量に持ち帰り、二人はその質と量に驚く。
素材はゴーレムの外骨格製造に使用されるが、核の生成は成功していない。
そのため、第三王子ゼロフ＝ディ＝サルームが核製造を担当しているが、適切な強度の合金の発見には至っていない。
ロイドは、ギタンから得られる素材を組み合わせることで、より硬い合金を作出しようと考え、再び素材調達に向かう。
アルベルトは二人の兄弟の仲直りを促し、共にロイドの計画を支援し続けることを決意する。
ロイドは、メイドであり元暗殺者のレンを用いて、新たな合金の作成に挑む。
レンは自らの能力で毒や薬品を生成できるが、金属の生成は未経験である。
しかし、ロイドの指示により、レンは金属の硬度測定を行う。
一方、ロイド自身も錬金術を用いて数百種類の合金を高速で合成し、その中からカタコント合金を超える硬度を持つ合金を見つけ出す。
この成功は、レンの能力を活用し、ロイドの指導のもとで行われたものである。
また、グリモとジリエルも合成作業に参加していたが、ロイドの作業速度と効率の高さには及ばなかった。
最終的には、特定の合金がカタコント合金の約七倍の硬度を持つことが判明し、ゴーレムの核に適する素材として選ばれる。
作業完了後、ロイドはゴーレム工房へ戻り、今後の製造作業に取り掛かる予定である。
ゴーレム工房に戻ったロイドは、ゼロフの部屋を訪れる。
ゼロフは深夜まで作業に勤しんでおり、寝ていたが、ロイドが新しい合金を持ってきたことで目を覚ます。
この合金はカタコント合金の約7倍の硬度を持ち、ゴーレムの核として使用することになる。
アルベルト、ディアン、ゼロフは、この新合金に驚き、早速ゴーレムの製造に取り掛かることを決める。
しかし、ロイドは自身が合金を作ったことを隠し、レンが作ったと説明する。
ディアンとゼロフは、それぞれゴーレムの外装と核の生成に取り掛かり、ゴーレム「ディガーディア」の試運転が行われる。
ディガーディアは、ロイドが準備していたオーガとの戦闘でその能力を示す。
ゴーレムはオーガを圧倒し、アルベルト、ディアン、ゼロフはその性能に満足する。
しかし、ロイドはディガーディアの性能に完全には満足しておらず、自分の実戦相手としては不十分と感じる。
ロイドはディガーディアを自分好みに改造することを考え、他に使い道を見出そうとする。
ディガーディアは、多くの魔術装置が取り付けられているため、改造することでより多様な機能を持つゴーレムにすることが可能である。
ロイドはその潜在的な可能性に興味を持ち、今後の改造に期待を寄せる。
数日後、ロイドはメイドのシルファと剣術訓練をしていた。彼はシルファの剣術に追いつくために魔術と「気」を駆使している。
ゼロフが訪れ、錬金術の祭りである錬金大祭の参加を提案する。ロイドはゼロフのパートナーとして、その祭りに参加することを決める。
錬金大祭は各国の錬金術師が技術を競い合う場で、特にゴーレムによる大武道会が目玉である。
ロイドはこれを機に、新たな知識や技術を学び取ることに期待を寄せている。
数日後、ロイドはシルファ、レン、そして使い魔であるシロと共に錬金大祭が開催されるバートラム王国へと向かった。
街は祭りの雰囲気で賑わっており、様々な出店が並んでいた。
レンは錬金術の商品に興味津々で、ロイドは錬金術とは異なるが関連する技術について説明した。
シルファはインスタントヌードルをアレンジして料理を提供し、出店者から感謝された。
その後、ロイドたちはタオとその祖父チェンに遭遇。
チェンはロイドの持つ「気」の力に感動し、彼に百華拳を継ぐことを提案するが、タオによって拒否される。
タオとチェンの間では冗談交じりの口論が発生し、その場は賑やかな雰囲気に包まれた。
ロイドたちは、錬金大祭で売り物が売り切れるほどの賑わいを見せたタオとその祖父チェンの店を手伝った。
その後、タオはロイドたちの案内役として同行し、祭りの様々な面白い出展を一緒に回った。
途中でグリモとジリエルが少年に攻撃を仕掛けたが、少年はそれを軽く防ぎ、「イド」と名乗り、再び会うことを約束して去っていった。
少年はロイドに何かを伝えたかったようだが、詳しい目的は不明のままだった。
ロイドたちは、イドという少年に関する事件をきっかけに解散し、シルファはその理由を調べようとした。
ロイドはイドのことを気にかけていたが、シルファには話さず、イドが昔の知り合いかもしれないという話を持ち出した。
しかし、シルファはイドの存在を覚えていないと答えた。
ゼロフが読んでいた新聞にはイドの名が記載されており、彼がバートラムのゴーレム操縦者であり、前大会の覇者として今回の大会に出場することが明かされた。
イドとロイドはもしかするとライバル関係にあるかもしれないが、ロイドが彼と知り合いである可能性については明言されなかった。
大会のトーナメント表によると、イドとロイドが所属するチームが決勝で対戦する可能性があることが示唆された。
これに対し、ゼロフとロイドは意気込みを新たにし、ディガーディアの調整に励むことになった。
ゴーレム武闘会がバートラム中央大広場で開催され、多くの観客が詰めかけた。各ゴーレムは事前に暗幕で覆われており、開会と共にこれが取り払われた。
ゼロフとロイドはディガーディアの整備を終え、暗幕が取り払われる瞬間を外で迎えた。
他のゴーレムも順に暗幕が取り除かれ、様々な特徴を持つゴーレムが姿を現した。
中には、異国の衣装をまとったタオとその祖父の操るゴーレムや、前大会の覇者であるイドのゴーレムもあった。
イドのゴーレムは特に観客からの歓声が大きく、彼の人気の高さが伺えた。イドとロイドの間には、決勝での対戦を示唆するような視線のやり取りがあった。
ロイドたちは初戦の相手であるルゴールとその女型ゴーレムに挑戦することになり、イドとの戦いにも期待が高まった。
ディガーディアはゴーレム武闘会の初戦でマギカミリアと対戦し、圧倒的な勝利を収めた。
試合は開始直後から一方的で、ディガーディアの魔力砲による攻撃が決定的なダメージを与えた。
ルゴールの反撃も魔力砲の速さには及ばず、マギカミリアは頭部を破壊されて敗北した。
司会者による勝利宣言の後、ディガーディアとゼロフは大歓声を受けながら待機場所に戻った。
ゴーレム武闘会の初戦後、ゼロフはディガーディアから降りてこず、ロイドに外での対応を任せた。
ルゴールは敗北を認めつつも次の機会に勝利を誓い、ロイドに握手を求めた。
ロイドは多くの人々からのインタビューやサインの要求に応じる羽目になった。
その後、タオからも声をかけられ、彼女が参加しているゴーレム、ラオカンフーについて語り合った。
ラオカンフーは人間の身体を模しており、気を使って動かす特殊なゴーレムだった。
タオとロイドは互いをライバルと認め合い、拳を合わせることで決勝での対戦を誓った。
試合は順調に進行し、ディガーディアは初戦を勝利で飾る。
敗者たちの悔しさと努力の跡が強調される中、ロイドはそれを悲観するよりも彼らが楽しみながら挑戦したと前向きに捉えている。
その後、ルゴールが敗北を認めつつも前向きな姿勢を見せ、ロイドに次への意気込みを伝える。
次の試合では、イドが操るレオンハートとタオが操るラオカンフーが対決。
序盤、ラオカンフーの速さと技術が光るが、レオンハートは攻撃せず、ゴーレムへの愛情を語るイド。
最終的には、レオンハートが王水幕という技術を使用し、ラオカンフーの攻撃を無効化しながら勝利する。
イドはゴーレムを傷つけたくないという理由から、最小限のダメージで戦いを終えさせた。
この戦いでイドの優れた技術とゴーレムへの深い愛情が明らかになる。
試合後、タオはラオカンフーから降り立ち、外見は明るく振る舞っていたが、実際には大きな悔しさを抱えていた。
ロイドたちはタオが悔しさを露にする様子を目撃し、その真剣な姿勢に感じ入る。
タオはイドとの戦いで自身の未熟さを痛感し、涙を流しながらも更なる強さを求める決意を新たにする。
この一件から、ロイドは試合の失敗もまた成長への糧となると捉え、タオが前を向いて進む姿を支持する。
ゴーレム武闘会後、ロイドはルゴールと他国のゴーレム搭乗者たちと交流を持つ。
ルゴールはシューゼルの第一王子であり、ゴーレム製造に情熱を注ぐ変わり者として知られ、経済発展に貢献していることが明かされる。
アルベルトとルゴールの親しさが伺え、ディアンからはゴーレム製造の背景について説明がある。
ルゴールから夜に親睦パーティの提案があり、アルベルトとディアンは賛同するが、ゼロフは整備などを理由に参加を辞退し、ロイドに全てを任せる形となる。
パーティから抜け出したロイドは、ゼロフと共にディガーディアの改修作業を進めていた。
イドが高純度の魔髄液を贈ってきて、ゼロフとロイドがレオンハートの強力な結界に対抗するための改修を行うことが可能になる。
イドはロイドと全力で戦いたいとの意志を示し、彼から更なる挑戦を受けることになる。
アルベルトたちも加わり、改修作業は夜を徹して進められ、結界対策が施される。
作業後、魔髄液が余るが、ロイドはそれを他の改修に使うことを決める。
試合後、ロイドはイドのゴーレムに呪具を取り付けようとする者を見つけ、その行為を阻止する。
呪具を持っていた男は、イドによって立場を追われたゴーレム研究者であった。
彼はロイドの神聖魔術によって浄化され、罪を償うことを決意する。
イドはロイドが自分のゴーレムに不利を与える行為を阻止した理由を尋ね、ロイドは全力で戦いたいと返答する。
二人は決勝戦での全力対決を約束する。
決勝戦当日、快晴のもと、ディガーディアとレオンハートが対峙した。
試合はゼロフが体調不良により、ロイドがディガーディアを操縦することに。
イドはゼロフに魔術をかけていたが、ロイドに対しては全力で戦うことを望んでいた。
試合中、ロイドはイドから受けた攻撃を回避し、ディガーディアに様々な強化魔術を施す。
レオンハートも激しい攻撃を見せるが、最終的にロイドが魔力砲と大魔剣を使ってレオンハートを撃破した。
試合後、イドはロイドの真剣な戦いに感謝し、ロイドは強化魔術の可能性を改めて確認するのだった。
その夜、アルベルトらはロイドの優勝記念パーティを開催した。
しかし、ロイドはイドのことで頭がいっぱいであり、気分が乗らずにバルコニーで涼んでいた。
グリモとジリエルに、イドがロイドが作り出したホムンクルスであることを明かす。
以前、ロイドは錬金術を通じてホムンクルスを製造しようとしたが、作り出されたホムンクルスの精神年齢は幼く、予定通りには使用できなかった。
そのホムンクルスがイドであり、彼がなぜロイドの存在を忘れていたのか、またイドがロイドに強い恨みを持つ理由についても疑問が残った。
イドを探し出すため、ロイドはレンと共に元暗殺者ギルドの領主、ガリレアのもとへ行き、イドの捜索を依頼した。
ガリレアはイドのことを知っており、かつてターゲットとして調査したが、依頼が不当であると判断し断った経緯があった。
ガリレアは、イドが以前住んでいた可能性がある場所をいくつか挙げ、ロイドたちはイドが荒野に拠点を持っていたことに着目し、そこを調査することにした。
イドの居場所を探すため、ロイドは自分の使い魔であるシロを呼び出す。シロは笛の音に応えて現れ、大きな白い犬の姿でロイドに飛びつき、ロイドはシロと一緒にイドを探す計画を立てる。
翌日、シロはガリレアからの手紙を持って戻ってきた。
その手紙にはイドの居場所が見つかったと書かれていた。ロイドはシロに乗り、指示された場所へ向かう。
ロイドはシロ、レンと共に、ガリレアの案内でイドの隠れていたと思われる荒野の地下施設に潜入する。
施設内で、イドが巨大なゴーレムに乗って逃げたと推測され、その後バートラムで暴れている巨大ゴーレムの情報が届く。
イドからの『念話』で、彼がゴーレムを使っての戦いを望んでいることが明かされる。
ロイドはディガーディアで対峙する決意を固めるが、ディガーディアが見当たらない。
ゼロフが代わりにディガーディアに乗って出かけようとしていたが、ロイドは彼を降ろし、自らが乗る。
ゼロフの覚悟を受け入れつつも、ロイドは自身がイドと戦うべきだと考え、ディガーディアで出発する。
ディガーディアを操るロイドは、崩れ落ちる民家から落下する子供を救出する。
その後、街中に残っている人々を風系統魔術『飛翔』で街の外に避難させる。
この行動により、戦いの邪魔になりそうな人々を安全な場所へ移動させ、ロイドとイドの戦いが街全体を使って行える状況が整った。
ロイドは、広場付近に逃げ遅れの人々がいなかったことから、イドが街の人々を逃がしたことを推測する。
そして、準備を整えたロイドは広場へ向かい、タルタロスとの対決に臨む。
途中で時計塔が巨大な触手によって破壊されると、その先にはさらに巨大化したタルタロスの姿が現れる。
タルタロスはディガーディアの約二十倍の大きさに成長しており、全身が触手のようになっていることが描写される。
ロイドはディガーディアを使い、ルゴールと共にタルタロスとの戦いに挑む。
最初はタルタロスの巨体と再生能力に苦戦しながらも、ルゴールは魔力を集中させて攻撃を仕掛けるものの、効果はなかった。
タルタロスはマギカミリアを攻撃し、破壊しようとするが、ロイドはイドを救出するために空間転移を使う。
その後、ロイドはディガーディアの真の力を発揮し、大規模な魔術でタルタロスを攻撃する。
彼の魔術は、地面を掘り進む追尾弾や、雷、風、水を使った攻撃でタルタロスを圧倒する。
最終的には、星を落とす魔術「天星衝」でタルタロスに決定的なダメージを与える。
衝撃波が襲来するが、ロイドは結界魔術「絶天蓋」で周囲を保護し、自身や周りを守る。
戦いの中で、イドが気を失っている間にロイドが空間転移で彼を安全な場所へと移動させていたことが判明する。
戦いが終わり、イドがゆっくりと意識を取り戻す。
イドは意識を取り戻し、自分を救ったロイドに感情を爆発させる。
ロイドはイドを救った理由を説明し、イドは自身に価値がないと悲観する。
グリモとジリエルが過去について尋ねると、イドは自身がロイドによって作られたホムンクルスであり、ゴーレムによって育てられたことを明かす。
育児用ゴーレムによる世話はイドにとって幸せな時期だったが、ロイドが突然魔術の訓練を始めたことで状況は一変する。
ロイドはこの訓練を「最強魔術師育成計画」と称し、イドに魔術を教え始めたのである。
イドは、ロイドが作ったサルーム王城地下の錬金術研究所で、基礎知識を詰め込まれていた。
研究所にはロイドが借りてきた膨大な数の書籍があり、イドはそれらを学んでいたが、肉体的にも精神的にも限界に近づいていた。
そんなイドを見て、世話をする小型ゴーレムたちは心配していた。
ある日、イドはロイドが間違えて持ってきたと思われる、より高度な内容の本を見つける。
ロイドに問題を解いてもらうことで、彼の期待に応えられない自分を証明しようと考えるが、ロイドは問題を簡単に解いてしまい、イドは自分とロイドの間にある理解力の差を痛感する。
自分ではロイドの期待に応えられないと絶望し、ロイドにこれ以上自分に時間を費やさないよう頼む。
ロイドがイドの存在を忘れていた理由は、自らが精神系統魔術『忘却』を使い、イドの記憶を抹消したからである。
この魔術は自己の記憶の一部を消去するもので、不要な記憶の整理に使われることがある。
イドが自分の存在意義やロイドの期待に応えられなかったことで絶望し、記憶の抹消を望んでいたが、ロイドはイドの成長を楽しみにするために記憶を消したと説明する。
しかし、イドは旅をして錬金術の研究に没頭するも再び失敗し、存在の意義を見出せずにいた。そこにグリモとジリエルがイドを諭し、自らの存在に自信を持つべきだと助言する。
イドは自己の価値観を改め、ロイドに対する誤解が解けたと感じ、安らかな表情で目を閉じる。
サルーム王国敷地内に新たに建設されたゼロフの研究所は、かつてのものと比べて遥かに大きく立派である。
ロイドはこの変化を自らの功績ではなく、皆の協力の結果と謙遜する。
ゼロフはゴーレムファイトでの優勝が評価され、より良い研究環境を手に入れた。
研究所の隣では、ゼロフと話がしたくて集まってきた他国の錬金術師たちが立食パーティを開いている。
イドは自己の未熟さを認め、初心に返ってロードストの生体研究チームに協力している。
イドはロイドから空間転移の魔術を教わり、いつでもロイドのもとに必要な物を持ってくることができるようになった。
イドはロイドのもとを訪れ、錬金術について話を始めるが、彼の態度は以前とは一変していた。グリモとジリエルは、イドがどれほど力をつけて次に挑んでくるかを楽しみにしている。
ロイドもまた、イドの挑戦を待ち望んでいる。
バートラム王国の宮殿にサルームの王子であるロイドと彼の兄アルベルトが呼び出される。
女王シルビアは彼らを冷たく迎え、ロイドに対して何かとんでもないことをしたと言及する。
緊張するロイドの代わりにアルベルトが前に出て、ロイドの幼さを理由にシルビア女王に対して温情を求める。
シルビア女王は二人の交渉を楽しげに見て、ロイドが国外に出ないことを残念に思うも、彼の才能を高く評価する。
ロイドは政治的なやり取りについていけず、現実逃避しながらも兄の支援に安堵する。
シルビア女王の真の目的は、ロイドを技術開発のためにバートラム王国に引き抜くことだったが、アルベルトの交渉によってそれは叶わなかった。
王宮を後にするロイドとアルベルトは、一連の出来事について話し合う。
アルベルトはロイドに感謝を述べ、錬金大祭でのサルーム王国の技術力の披露と、その結果として得られた多大な効果について満足している様子を見せる。
予定外だったが、ゼロフの性格改善やディガーディアの性能限界の確認など、想定以上の成果を上げたと評価している。
アルベルトはロイドを称賛し、これらの成果がロイドのおかげであると伝える。
その後、アルベルトはロイドにアイスクリームを買ってあげると約束し、二人は楽しそうに家路を急ぐ。
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