小説「ファンタジー銀河 ~何で宇宙にゴブリンやオークが居るんだ~」感想・ネタバレ

小説「ファンタジー銀河 ~何で宇宙にゴブリンやオークが居るんだ~」感想・ネタバレ

どんな本?

『ファンタジー銀河 何で宇宙にゴブリンやオークが居るんだ』は、異星の銀河で孤独な中年男が異星種族と織り成す冒険譚である。主人公・神宮司善は、退職後にソロキャンプで星空を眺めていたところ、突如眩い光に包まれ宇宙へと連れ去られる。そこはゴブリンやオークなど異星の種族が共存し、銀河文明が築かれた未知の世界であった。善は宇宙の奴隷商人に売られ、ゴブリン族の奴隷兵士として過酷な戦場に送り込まれるが、リカゲル天神族のゾロフィエーヌとの出会いをきっかけに魔導の力を授かり、屠龍猟兵としての生き様を切り開いていく。

彼は、銀河を駆ける魔導師として、強大な怪獣《星害龍》と戦い、廃れた宇宙港を探索し、惑星間を移動しながら波瀾万丈の旅を続ける。この壮大な宇宙冒険劇には、善の相棒であるサリオという愛嬌のあるキャラクターも登場し、善と共にゴブリン帝国やその他の異星文明の危機に立ち向かう。巻き起こる戦いや数々の出会いを経て、善は成長し、若返り、宇宙での人生を再構築していく様子が描かれている。

さらに書き下ろし番外編『スクルドの消えた過去』が収録されており、物語の根底に潜む秘密や、家事支援ロボット「ヴェル」の来歴が明かされる。本作は、ファンタジーとSFが交錯するスペースオペラであり、退屈な日常を離れて未知の宇宙に飛び込みたい読者に向けた傑作である。

読んだ本のタイトル

ファンタジー銀河 ~何で宇宙にゴブリンやオークが居るんだ~
著者:月汰元 氏
イラスト:布施龍太  氏

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1巻 あらすじ・内容

見果てぬ銀河で、美女を助け、巨獣を狩り、宙を駆ける!

私、神宮司善は55歳で退職した独り身の男だ。ソロキャンプで天の川が輝いている星空を眺めていたら突如眩しい光が……。
――ここは見果てぬ宇宙。ゴブリンやオークなど異星の種族がひしめき合う銀河文明の世界だった。私は宇宙人に誘拐されて、ゴブリンに奴隷兵士として買われたそうだ。そしてモンスター《星害龍(せいがいじゅう)》との戦闘、廃宇宙港探索と私は生き残るために最大限努力をすることになる。そんなとき、最も強大な勢力と超高度な文明を誇る三種族の中の一つ、精神を極限まで発達させたリカゲル天神族のゾロフィエーヌを助けてしまい!?
【感謝します。三つの贈り物をしようと思います。何が良いか決めなさい】
それが宇宙の魔導師であり屠龍猟兵の誕生だった。ゴブリン、オークもなんのその。龍も狩って、航宙船も駆っての獅子奮迅。私の宇宙一代記の始まりだ!
WEBで人気のファンタジー風スペースオペラの傑作、遂に書籍化!
書き下ろし番外編『スクルドの消えた過去』も収録!

ファンタジー銀河 ~何で宇宙にゴブリンやオークが居るんだ~

主な出来事

宇宙への移送と新たな環境での生存訓練

  • ゼンはキャンプ場で強烈な光に襲われ、宇宙船「ブラバ」に拉致された。
  • 犬人間「サリオ」と出会い、ゴブリン族に下級民として売られたことを知った。
  • 調教端子によって逆らうことができず、宇宙での生活と訓練を開始した。
  • 無重力訓練や機動甲冑の操作を学び、徐々に環境に適応していった。

ゴルゴナ星系での戦争と偵察任務の開始

  • ゴブリン族とオーク族の戦争が激化し、ゼンはシミュレーションで戦闘技術を習得した。
  • 補給艦ブラバから偵察艦ギョガルに移動し、偵察部隊として活動を開始した。
  • ワーキャット族のベルタ、リエト、ワーウルフ族のディマスとチームを組むことになった。

ポンセ宇宙港での探索と戦利品の回収

  • ポンセ宇宙港での探索任務が開始され、高価な金属「ガリチウム」を回収することに成功した。
  • ヴァルボが報酬を独占し、ゼンたちには保存食チューブしか与えられなかった。
  • 宇宙クラゲとの戦闘で仲間が次々と命を落とし、ゼンとサリオだけが生き残った。

宇宙港での生存戦略と新たな仲間の獲得

  • 宇宙クラゲの襲撃を逃れ、ゼンとサリオは宇宙港内で資源を確保し生存戦略を練った。
  • 壊れた豪華な屋敷を探索し、小型航宙船と整備ロボットを発見した。
  • 避難シェルターで水と保存食の製造装置を見つけ、食糧問題を解決した。

天神族との遭遇と新しい力の獲得

  • 探索中に天神族「ゾロフィエーヌ」を解放し、能力と知識を授けられた。
  • ゼンは「高次元アクセス法」と「天震力駆動工学」を学び、サリオは制御脳の技術情報を獲得した。
  • 新しい力を習得し、宇宙港を脱出する準備を整えた。

スペースコロニーでの設備修復と新たな冒険の開始

  • 第六惑星の近くにあるスペースコロニーで装置を修理し、新しい装備を手に入れた。
  • 高性能な荷電粒子砲を回収し、脱出の準備を進めた。
  • ゼンとサリオは未知の冒険へと踏み出すことを決意した。

オーク族とゴブリン族の戦争と巨大モンスターの脅威

  • ゴブリン族とオーク族の宇宙戦争が続き、偵察艦ギョガルも戦闘に巻き込まれた。
  • 巨大モンスター「装甲砲撃イソギン」が出現し、戦場は混乱に陥った。
  • ゼンとサリオはモンスターを利用して逃亡を図り、無事に遷時空スペースへ移行した。

新しい星系への到達と身分の再構築

  • 遷時空スペースを通じて「セリジョエル星系」に到着した。
  • 身分証を再発行し、屠龍猟兵ギルドに登録することで新たな生活を始めた。
  • 所持品を売却し、資金を調達することに成功した。

調教端子の除去と新たな挑戦

  • 調教端子を取り除き、自由を取り戻したゼンとサリオはさらなる挑戦を目指した。
  • 医療技術の改善を目指し、文明圏への移動を決意した。
  • 遷時空跳躍フィールドを通過し、次なる星系へ向かうことを決意した。

惑星ボランでの新たな生活と戦いの始まり

  • チラティア星系に到着し、屠龍猟兵ギルドに登録した。
  • 武器を購入し、モンスター狩りを開始した。
  • シスカ草原での戦闘を通じて狩りの技術を磨き、ランクFに昇格した。

サリオの家族との再会とゼンの成長

  • サリオは戦争で家族を失い、妹ソニャとの再会を果たした。
  • サリオの故郷への帰還を決意し、資金を調達する計画を立てた。
  • ゼンはモンスター狩りを続けながら成長し、ランクDに昇格した。

新しい技術と能力の習得

  • 長命化処置を受け、身体の若返りと能力の向上を図った。
  • 戦術魔導技を強化し、新しい技術を開発した。
  • ギルダ峡谷への遠征を決意し、新たな挑戦へと進んだ。

母王スパイダー討伐とギルドでの問題

  • ギルダ峡谷で母王スパイダーを討伐し、天神族の秘宝を手に入れた。
  • レギナとの協力で成果を上げたが、戦闘による損傷でギルドランクが降格された。
  • 成果を活かし、さらなる挑戦へ向けて準備を進めた。

感想

『ファンタジー銀河』は、宇宙を舞台に繰り広げられる壮大な冒険物語であった。
主人公ゼンは、55歳で退職した後のキャンプ中に突然宇宙へと連れ去られ、ゴブリンの奴隷兵として戦う運命に巻き込まれる。

ゼンは、リカゲル天神族のゾロフィエーヌとの偶然の出会いによって魔導の力を授かり、屠龍猟兵という冒険者のような新たな道を歩むことになる。
この魔導の力は彼を規格外の存在へと変え、巨獣を狩り、宇宙の各地を駆け巡ることを可能にする。
また、ゼンの相棒である芝犬のような顔を持つサリオとの友情も物語を支える重要な要素であり、別れと再会を通じて二人の絆が深まっていく。

物語の中盤では、ゼンが宇宙船を購入するエピソードが描かれるが、ここで彼は海賊の罠に巻き込まれる。
しかし、魔導の力を駆使して見事に返り討ちにするゼンの姿は、読者に爽快感を与える。
さらに、彼が長寿命化処置を受けて若返り、再び冒険に挑む姿は希望に満ちている。

本作は、ゼンが異星の銀河で新しい人生を切り開く物語であり、彼の成長が描かれている。
また、書き下ろしの番外編『スクルドの消えた過去』は、次章の話のプロローグとして期待が膨らむ。

WEB版で彼女が吐きまくる毒舌の原因がよくわかった。
アレと同一視してたらな、、
記録を無くしても、そうなるか。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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発売日:2024年10月30日
 判型:B6判
 ページ数:276
 ISBN:9784047380783

2巻 あらすじ・内容

スペースコロニーの君主、ロード・ゼン誕生!?

航宙船ルナダガーを手に入れた私たちは、ゴブリンに制圧されたサリオの故郷――惑星ジルタのクーシー族が再起する場所を探していた。その手段として『ナインリングワールド』という小惑星帯にあるスペースコロニーを購入しようと考える。しかし、それにはやはり莫大な金が必要で……。なんとかサリオのナイスアイデアで会社を設立し切り抜けた我々は、今度は龍珠加工品に目を付けた。これは魔導師の屠龍猟兵の出番だな! デキる仲間も加わって順風満帆? いえいえ波乱万丈な宇宙一代記。
書籍特典は1章まるごと書き下ろし!!

ファンタジー銀河 ~何で宇宙にゴブリンやオークが居るんだ~II

主な出来事

屠龍猟兵の結成と惑星ボランへの到着

  • 神宮司善、サリオ、ソニャはゾルーダ星で中古航宙船「ルナダガー」を購入し、魔境惑星ボランへ到着した。  
  • 善はギルドでレギナと再会し、彼女を乗組員として勧誘した。レギナは高機動型フランセスⅡを購入していた。  
  • 善たちは今後の資金集めとダバス海賊団への復讐を計画した。  

砲撃シャークとの戦闘と討伐

  • 惑星ボランに砲撃シャークが接近し、善たちは避難行動を開始した。  
  • 屠龍猟兵ギルドは戦闘機と戦闘艦で砲撃シャークを攻撃するが撃破に失敗した。  
  • 善は天震力を利用して砲撃シャークを撃破し、大歓迎を受けた。報酬として六百八十億クレビットを得た。  

デルトコロニーの購入と修復

  • 善たちは二千億クレビットでスペースコロニー「デルトコロニー」を購入した。  
  • コロニー内を調査し、浄水施設や食料工場が使用可能であることを確認した。  
  • 建設ロボットを購入し、居住区の修復を開始した。  

ナインリングワールドでの事業拡大

  • 善たちは小型プラズマエンジンの製造を成功させ、販売で資金を得た。  
  • 宇宙獣イッカクの龍珠を使い垓力集積器を製作し、高値で売却した。  
  • 獲得した資金をもとに事業を拡大し、さらなる資金調達を目指した。  

モンスター暴走と防衛計画

  • 墜月ホエールの移動により宇宙クラゲや噴針スネークの襲撃が発生した。  
  • 善たちは加速力場ジェネレーターを改良し、防衛装置を作り出した。  
  • デルトコロニーへの襲撃を防ぎ、破損した施設を修復した。  

妖精工場の発見と戦闘機開発

  • 善たちは第七小惑星帯で妖精工場を発見し、使用権を得た。  
  • フェアリーゲートを通過し、工場で戦闘機ライジンを開発した。  
  • 戦闘機の量産を目指し、デルトコロニー内に工場を設立した。  

アステリア族の難破船とスクルドの起動

  • 善はアステリア族の難破船を発見し、人型ロボット「スクルド」を起動させた。  
  • スクルドはデルトコロニーのセキュリティシステムを強化し、教育プログラムを構築した。  
  • 善はスクルドを活用し、コロニーの防衛体制を改善した。  

クーシー族とブルシー族の移住と定住計画

  • 善たちはデルトコロニーにクーシー族とブルシー族を迎え入れた。  
  • 移住者たちは労働力として活用され、コロニーの発展に貢献した。  
  • クーシー族の輸出問題を解決するため、連合への加入を目指した。  

シュムワコロニー戦争とライジン部隊の活躍

  • シュムワコロニーとゴブリン族の戦争が勃発し、ゼンのライジン部隊が投入された。  
  • ライジン部隊は多数の敵戦闘機を撃破し、戦果を上げた。  
  • 戦闘後、連合部隊との競争や支援体制の問題が浮上した。  

新たな敵との戦闘とデルトコロニーの成長

  • ゼンたちは新たに出現したモンスター「激突シャーク」と「毒ガスフィッシュ」を討伐した。  
  • デルトコロニーの防衛力を強化し、経済基盤をさらに拡大した。  
  • コロニーの人口が増え、社会基盤の整備が進んだ。  

未来への挑戦と新技術の開発

  • 善は龍珠技術を応用し、超磁場発生弾や宇宙ポンプを開発した。  
  • 移民計画を推進し、デルトコロニーのさらなる発展を目指した。  
  • 善は地球への帰還という目標を持ちつつ、現在の生活を充実させていった。  

感想

デルトコロニーの購入と発展

  • ゼン、サリオ、ソニャは中古航宙船「ルナダガー」を購入し、修理を終えてチラティア星系へ到達した。  
  • 魔境惑星ボランでレギナと合流し、屠龍猟兵チームを結成した。  
  • 砲撃シャークとの戦闘においてゼンの活躍により、討伐に成功し六百八十億クレビットを得た。  
  • 資金を使い、デルトコロニーを購入し再建を開始した。  
  • ブルシー族やクーシー族の移住を進め、デルトコロニーの開発を進めた。  

事業の拡大とモンスター討伐

  • クーシーエンジン社の設立と小型プラズマエンジンの販売に成功した。  
  • 垓力集積器の製作を行い、オークションで利益を得た。  
  • 龍珠工学を利用し、さらなる資金を確保するため事業を拡大した。  
  • デルトコロニーへのモンスター襲撃を撃退し、バリア装置を改良することで防衛力を強化した。  

妖精工場の発見とライジンの開発

  • ナインリングワールドの七不思議の一つである「妖精工場」を発見し、利用権を獲得した。  
  • 戦闘機ライジンを開発し、実戦でのテストも成功した。  
  • クーシー族とブルシー族の協力を得て、デルトコロニーをさらに発展させた。  

クーシー族とブルシー族の移住とコロニー議会の設立

  • クーシー族をデルトコロニーへ移住させ、議会を設立し運営を委任した。  
  • ブルシー族、クーシー族、青鱗族が協力してコロニーを発展させる計画を立てた。  
  • 輸送船の改造と輸送会社の設立に成功し、経済基盤を安定させた。  

連合との交渉と戦争への備え

  • 連合への参加を申請し、条件として宇宙モンスター「鞭刃スネーク」を討伐した。  
  • ホブゴブリン族との戦争に備え、ライジン部隊を訓練し戦力を強化した。  
  • 戦争に参加し、ライジン部隊の戦果を上げたことで連合内での評価を高めた。  

戦後の発展と人材育成

  • コロニー議会を設立し、各族の代表が運営を担当する体制を整えた。  
  • 学校や商業施設を建設し、コロニーの生活基盤を確立した。  
  • 垓力集積器の製造と販売を続け、安定した収入を得ることに成功した。  

新たな挑戦と未来への展望

  • 宇宙モンスター討伐やコロニー開発を続けながら、新たな技術の研究を進めた。  
  • 妖精工場を活用し、戦闘機ライジンの改良を行い戦力を増強した。  
  • 青鱗族、ブルシー族、クーシー族の共存を目指し、コロニーの発展を続けている。  

最後までお読み頂きありがとうございます。

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発売日:2025年03月28日
判型:B6判
ページ数:276
ISBN:9784047383104

その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

1巻

1  宇宙のサバイバル

キャンプ場での体験

ゼンは都会を離れ、悠々自適な生活を求めて山梨県のキャンプ場を訪れた。森の中のキャンプ場で焚き火を使い、お湯を沸かして豪華な即席ラーメンを作った後、双眼鏡を使って天体観測を楽しんだ。しかし、星空が一瞬歪む現象を目撃し、不安を覚える。さらに、近くで聞こえた奇妙な機械音や動く影により不安が募り、管理棟へ向かう途中、強烈な光と痛みに襲われて意識を失った。

宇宙船での目覚めと現実の認識

ゼンが目を覚ますと、見知らぬ場所におり、犬人間「サリオ」によってここが「ゴヌヴァ帝国」の補給艦「ブラバ」であることを知らされた。ゼンは宇宙の犯罪集団に捕まり、下級民としてゴブリン族に売られたのだという。身体には「調教端子」が埋め込まれ、逆らえば激痛が走る仕組みであることが説明された。宇宙船内部では人工重力や無重力に順応するための訓練が始まった。

宇宙生活への適応と訓練

ゼンは「体内調整ナノマシン」の効果で肉体が活性化し、無重力空間での移動や機動甲冑を使った訓練に挑んだ。訓練は厳しく、オーク型ロボットとの模擬戦も課された。食事は不味いチューブ型の完全食だったが、サリオとの間に友人関係を築き、宇宙での生活に少しずつ適応していった。

宇宙の脅威とゴルゴナ星系への移動

ゼンはサリオから、ゴブリン族とオーク族が「ゴルゴナ星系」を巡って戦争を繰り広げていることを知らされた。また、宇宙には「モンスター」や「天神族」が存在し、特に「アウレバス天神族」が生物兵器として創り出したモンスターが脅威となっていた。ゼンはシミュレーターを使ってモンスターとの戦闘を学び、重力環境と無重力空間での戦闘技術を習得した。

戦闘シミュレーションと到着

ゼンは訓練を続けた結果、宇宙クラゲや凶牙ボールといったモンスターを倒せるようになった。補給艦ブラバはついに「ゴルゴナ星系」に到着し、オーク族とゴブリン族の戦闘拠点である宇宙ステーションにドッキングした。ゼンはサリオと共にシミュレーターを通じて情報ネットワークに侵入し、星系の状況を把握しながら、これからの戦いに備える準備を進めていった。

偵察艦ギョガルへの移動と新たな仲間たち

ゼンとサリオは補給艦ブラバから二級偵察艦ギョガルに移動し、偵察部隊のメンバーと合流した。偵察艦はレーザーキャノンと高速ミサイルを装備する軽武装艦であったが、ゴブリン艦隊の中では最速の性能を誇っていた。部隊には、ワーキャット族のベルタとリエト、そしてワーウルフ族のディマスが加わっていた。ベルタとリエトは闇シンジケートに売られ、偵察兵となった過去を持ち、ディマスは戦争の捕虜として連れてこられていた。訓練を共に行い、チームとしての絆を深めた。

ポンセ宇宙港への偵察任務

偵察部隊は、ゴルゴナ星系に存在するポンセ宇宙港を調査する任務を与えられた。ポンセ宇宙港は滅んだアヌビス族が建造したもので、その構造や内部を調べることが命じられた。ゼンたちは偵察艦から宇宙空間に飛び出し、スラスターパックを使いながら宇宙港へ向かった。宇宙港の内部では爆薬で扉を破壊し、漂う部品の中から金庫や連絡艇を発見するが、調査中に連絡艇は爆発の影響で破損してしまう。

ガリチウムの発見と緊張の高まり

部隊は金庫の中から高価な金属「ガリチウム」を発見し、二トンほど回収することに成功した。しかし、ガリチウムの利益は艦長とヴァルボに分配され、ゼンたち従属兵には保存食チューブが渡されただけであった。ヴァルボの不公平な態度にゼンは不満を抱くが、首の後ろに埋め込まれた調教端子が反抗を許さなかった。

宇宙クラゲとの戦闘と仲間たちの死

ゼンたち偵察部隊は、ポンセ宇宙港に迫る宇宙クラゲの群れの駆逐任務を命じられる。宇宙クラゲは八メートルほどの巨大なモンスターであり、スペース機関銃で核を狙って倒す必要があった。ゼンは次々とクラゲを撃破するが、銃弾が不足し始め、ヴァルボは仲間を見捨てて逃走する。エアロックを封鎖された状態で戦い続けたゼンたちは、ベルタ、リエト、そしてディマスを失うという悲劇に直面した。

脱出と新たな展開への伏線

ゼンとサリオは、宇宙クラゲの触手から逃れ、エアダクトを使って辛くも脱出に成功した。次々と仲間を失う絶望の中で、二人はエアダクト内を進み、何とか生還を果たした。

2  天神族と巨大モンスター

宇宙クラゲからの逃亡と生存戦略の模索

ゼンとサリオは宇宙クラゲからの逃亡に成功し、命を繋いだ。彼らは限られた水資源の中で生存戦略を立て、宇宙港内の探索を開始することを決断した。機動甲冑内の水の不足が死の脅威となり、偵察艦ギョガルへの戻りを避けるため、宇宙港内での資源確保が急務となった。

豪華な屋敷と整備ロボットの発見

工場街の探索中、ゼンとサリオは破壊された豪華な屋敷を発見する。その屋敷の地下通路を進むと、小型航宙船の格納庫が見つかり、新品同様の航宙船と稼働中の整備ロボットに出会う。整備ロボットは自身のメンテナンスができず機能を停止したが、そのおかげで航宙船が完全な状態で維持されていた。

資源と技術の確保

二人は整備ロボットを活用して小型航宙船の整備を行い、さらに宇宙港内の探索を続けた。避難シェルターで大量の水を発見し、保存食チューブの製造装置も見つけた。モンスターの死骸を利用した保存食の製造が可能であったが、これを主食にせざるを得ない状況に落胆する。

天神族との邂逅と新たな力の獲得

探索中、二人は封印されていた天神族のゾロフィエーヌを解放する。彼女は感謝の印として、ゼンとサリオにそれぞれ三つの能力と知識を授けた。ゼンは「高次元アクセス法」と「天震力駆動工学」を授かり、新たな力の可能性を手にする。一方、サリオは制御脳の技術情報を獲得し、二人は生存への一歩を踏み出す。

新たなスキルの習得と宇宙港の脱出準備

ゼンは天震力の制御を学び、「粒子撃」と呼ばれる戦術魔導技を習得した。一方、サリオは小型航宙船の改造を進め、二人は宇宙港を脱出する計画を練る。遷時空跳躍フィールド発生装置を探し求め、第六惑星へ向かうことを決断した。

第六惑星への航行と設備の修復

天震力ドライブを使いながら、二人は第六惑星の近くにあるスペースコロニーに到達する。そこでは巡洋航宙艦の残骸から遷時空跳躍フィールド発生装置を見つけ出し、整備ロボットの助けを借りて修理を進めた。また、彼らは高性能な八光径荷電粒子砲も回収し、脱出への準備を整える。

新たな冒険への期待

ゼンとサリオは、新たな装置と得た力を活用し、未知の冒険への期待と不安を抱きながら準備を進めた。これからも続く試練の中で、二人は文明国への到達を目指し、自由を求めて戦う覚悟を決めた。

オーク族とゴブリン族の宇宙戦

第四惑星周辺でオーク族とゴブリン族の艦隊が激突し、宇宙戦が勃発した。偵察艦ギョガルは戦闘には参加せず、レーダーを活用して味方に情報を提供していた。艦内では、指揮官ヴァルボが艦長ボォブロの命令で従卒のような任務をこなし、悔しさを噛みしめていた。

脅威度8の装甲砲撃イソギンの登場

戦闘中、ギョガル艦隊のレーダーが巨大なモンスター「装甲砲撃イソギン」を探知した。このモンスターは全長3キロメートルに達し、強固な装甲と砲撃触手を備えていた。オーク族の艦隊は撤退を決定し、追跡するイソギンを回避するために遷時空スペースへの逃亡を図った。

ゼンたちの決断とモンスターへの接近

ゼンとサリオは、この混乱に乗じて脱出するため、オーク艦隊の後を追い、巨大モンスターに接近した。彼らはモンスターの発生させる遷時空跳躍フィールドを利用し、近隣の恒星に向かうチャンスを狙った。サリオの指示で小型航宙船を操作し、慎重にモンスターの背後を取った。

偵察艦ギョガルとの遭遇と戦闘

ゼンたちは、モンスターの近くで偵察艦ギョガルと遭遇し、攻撃を受ける。ゼンは天震力を駆使して反撃し、ギョガルのエンジンを損傷させることに成功したが、戦闘の途中でモンスターへの注意が必要となり、完全な勝利は得られなかった。

遷時空スペースへの突入

オーク艦隊が遷時空スペースに逃げ込むと、装甲砲撃イソギンも巨大な跳躍フィールドを展開した。ゼンとサリオはそのフィールドが消える直前に飛び込み、無事に遷時空スペースへ移行することに成功した。

セリジョエル星への到着と資金調達

遷時空スペースでの航行を経て、ゼンたちはセリジョエル星系に到達した。宇宙ステーションに停泊し、サリオは身分証を再発行、さらに屠龍猟兵ギルドに登録した。彼らは持ち込んだ荷電粒子砲を売却し、4,500万クレビットを手に入れた。

調教端子の除去と新たな挑戦

高額な医療マシンをレンタルして、ゼンとサリオは首に埋め込まれていた調教端子を除去した。しかし、古いナノマシンの交換が必要となり、彼らはより高度な医療技術を持つ文明圏への移動を目指すこととなった。

チラティア星への準備

ゼンは屠龍猟兵ギルドでの登録を完了し、サリオと共にチラティア星へ向かうことを決意した。遷時空跳躍フィールド発生リングを通過するため、3百万クレビットを支払い、遷時空スペースへの移行を果たす。彼らはさらなる冒険の準備を整え、新たな挑戦に向かうこととなった。

3  魔境惑星ボラン

チラティア星への到着と宇宙港での検査

ゼンとサリオはチラティア星系に到着し、巨大な宇宙エレベーターを備えた宇宙港にドッキングした。宇宙港では、猫耳を持つアンドロイドによる健康と荷物の検査が行われた。サリオの説明により、この惑星を管理するのはアウレバス天神族に従属するワーキャット族であることが判明した。

宇宙エレベーターで地上へ移動

宇宙エレベーターを使って地上へ降りた二人は、エレベーター街にある屠龍猟兵ギルドの育成センターに向かった。ギルドに登録し、ゲストタワーでの宿泊と実績収集バッジの貸与を受けた。サリオは今後、航宙船操縦士の免許を取得するための学校に通うことを決意した。

武器と装備の購入

ゼンはギルドからの情報を基に、エレベーター街で防護服やメイソン銃を購入した。メイソン銃は炸裂弾を発射する武器であり、脅威度1のモンスターに効果的であることが分かった。南のシスカ草原でモンスター狩りを開始する計画を立てた。

シスカ草原での初狩りとハントカーの必要性

ゼンはシスカ草原に向かい、装甲ドッグというモンスターを粒子撃・貫通弾で仕留めたが、獲物を持ち帰る手段がないことに気づいた。サリオとの話し合いで、ハントカーの免許を取得し、車を使って狩りをすることが決定された。

ハントカーの取得とモンスター狩りの再開

ゼンは5日間でハントカーの免許を取得し、小型レッカー車型のハントカーをレンタルした。シスカ草原で殺人スパイダーとの戦闘を経て、メイソン銃の使用が近距離では不適切であることを学んだ。粒子撃の精度向上も課題として浮上した。

暴走ボアとの戦闘と換金

ゼンはシスカ草原で暴走ボアと遭遇し、粒子貫通弾を使ってこれを仕留めた。仕留めたモンスターはハントカーでギルドに運び、換金した結果、70万クレビットを得た。ワーキャット族のヴェゼッタからの評価を受け、さらなるスキルの向上が求められることを認識した。

次なる挑戦への準備

ゼンはギルド内で得た情報を基に、今後の狩りに向けて準備を進めることを決意した。シスカ草原での狩りを通じて、戦術魔導技の鍛錬とモンスター狩りの実績を重ね、ランクDを目指す覚悟を固めた。

サリオの幼少期と捕縛の経緯

サリオ・バラケルはコラド星第四惑星ジルタで生まれ、一般的な家庭で育ったが、将来は航宙船のパイロットになる夢を持っていた。しかし、航宙船が海賊に襲われ、ゴブリン族の軍に買われたことで奴隷生活を強いられた。その後、ゼンとの出会いによりゴブリン族から逃げ出し、自由を手に入れる。

コラド星への帰還計画と資金調達

サリオとゼンは小型航宙船を手に入れるも、その航行能力ではコラド星に戻ることが不可能と判断し、惑星間輸送業で資金を稼ぐ計画を立てた。しかし、コラド星で戦争が勃発したとのニュースを受け、サリオは家族の安否を確認するため、コラド星への帰還を決意する。ゼンの助言を受けて小型航宙船を売却し、二億クレビットの旅費を調達した。

ロドアへの避難と家族との再会

複数の船を乗り継いでコラド星の近くまでたどり着いたサリオは、タリタル星のロドアで避難生活を送る妹ソニャと再会した。両親と兄は戦争の混乱で消息不明だったが、サリオはゼンの元に戻り、今後の行動を共に考えることを決めた。

ゼンのランク昇格と新たな狩り場への挑戦

一方、ゼンは惑星ボランでモンスター狩りを続け、暴走ボアの討伐でランクFに昇格した。次なる狩り場としてベルバの黒い森とキリマス山岳地帯が提示され、ゼンは異層ストレージの取得を目指して暴竜ベルゴナの討伐を計画する。

粒子撃技術の強化と異層ペンダントの取得

ゼンは新しい戦術魔導技「粒子円翔刃」を習得し、暴竜ベルゴナを討伐。獲得した龍珠を利用して異層ペンダントを作成し、戦闘装備も整えた。これにより、効率的な狩りと装備の運搬が可能となった。

ランクEへの昇格とさらなる挑戦

ゼンは暴竜ベルゴナの討伐成功によりランクEに昇格した。黒い森での狩りを続けながら、さらなる強敵への挑戦を見据え、今後の狩り場の情報を集め始めた。ギルダ峡谷の母王スパイダーや天神族の秘宝を狙う計画が浮上し、次なる目標が定まった。

ゼンの狩りと戦術魔導技の進化

ゼンはサリオが旅立ってから、黒い森ベルバとキリマス山岳地帯を拠点に狩猟を続け、戦術魔導技「粒子撃」「粒子撃・貫通弾」「粒子撃・円翔刃」の技術を磨いた。狂乱コングとの戦闘ではその技術を駆使し、危機を乗り越えたことで自信を深めた。

怪我とナノマシンの導入

ゼンは狩りの中で二度の入院を経験し、その際に「抗体免疫ナノマシン」と「体内調整ナノマシン」を標準タイプに交換した。これにより、健康管理が改善され、今後の狩りをより安全に進められるようになった。

ランクD昇格と市民権取得

ゼンは短期間で狂乱コングを複数討伐し、その成果が認められランクDに昇格した。また、宙域市民権を取得し、星間金融口座を開設した。倉庫を購入し、遷時空跳躍フィールド発生装置の修理を完了させ、異層ペンダントに保管した。

暴竜ベルゴナ狩りとゼデッガーとの出会い

ゼンは黒い森ベルバで暴竜ベルゴナを狩る過程で、ランクCの屠龍猟兵ゼデッガーと遭遇した。彼との会話から、ゼンはさらなる戦術強化の必要性を感じ、次なる目標を模索した。

黒獣ウルファドとの戦闘とランクC昇格

ゼンは黒獣ウルファドと遭遇し、危機的な状況ながらもその強敵を討伐することに成功した。これにより、暴竜ベルゴナの討伐実績と合わせてランクCに昇格した。

ギルダ峡谷の秘宝探しへの挑戦

ゼンはランクCとなり、天神族の秘宝を求めてギルダ峡谷に挑む決意を固めた。レギナから母王スパイダーの情報を得て、さらなる戦術魔導技の強化を計画した。

新たな戦術魔導技の探求

ゼンは五等級魔導技の情報を調査し、さらに高度な技術を学ぶため、屠龍猟兵ギルドで他の魔導師の技術を観察する機会を求めた。次なる戦いに向けて、新たな戦術を模索し、秘宝探しの準備を整えた。

4  新戦術魔導技と母王スパイダー

臨時メンバーへの応募と問題点の発覚

ゼンは屠龍猟兵ギルドの臨時メンバーに応募するためにデータを送ったが、審査で落とされた。レギナに相談すると、彼の能力とランクが釣り合っておらず、怪しい人物と見なされていたことが判明した。また、ゼンの外見が老けていることも理由だった。

チーム「オニキス」への参加と魔導技の実演

レギナの紹介で「オニキス」チームに参加することになり、ゼンは魔導練習場でその実力を証明する機会を得た。彼は「粒子撃」を披露し、その威力が桁違いであることを示した。パウラら他のメンバーは驚き、その技が通常のものとは異なることを認識した。

チームとの狩りの始まりと砂漠への移動

ゼンはオニキスのメンバーと共に紅角スネークを狩るため、ガリュード砂漠へ向かった。六輪装甲車を使って風鳴き谷まで移動し、砂漠での過酷な生活を開始した。

紅角スネークとの戦闘とゼンの粒子技

風鳴き谷で紅角スネークと遭遇し、激しい戦闘が繰り広げられた。パウラの「赤豪レーザー」では仕留めきれなかったが、ゼンの「粒子円翔刃」が紅角スネークの首を切断し、戦いに勝利した。

魔導技の効率と独自性に関する議論

ゼンは自分の魔導技が他の魔導師と異なる理由を考察した。彼の天震力の使い方は効率的で、他の魔導師が使う「ストロー型パワー導管」とは異なる点が明らかになった。また、ゼンは自分の技を五等級魔導技と称することに決めた。

二ヶ月の狩りと成果

ゼンはオニキスチームと共に二ヶ月間で九匹の紅角スネークを討伐し、フレイムホーンを売却して五千万クレビット以上の収入を得た。しかし、五等級魔導技の習得に関するヒントは得られなかった。

長命化処置への決意

砂漠での過酷な生活と五十代後半の肉体の限界を感じたゼンは、長命化処置を受けることを決意した。また、時折強烈に地球に帰りたいという思いもあり、そのための準備が必要であると感じていた。

長命化処置の決断と病院での手続き

ゼンはエレベーター街に戻り、長命化処置を受けるため、屠龍猟兵ギルドが運営する病院を訪れた。医師から遺伝子組み換えと長命化ナノマシンという二つの方法が提示され、ゼンはコストを考慮して遺伝子組み換えを選択した。また、『脳内メモリー設置』と『自動筋肉維持機能』というオプションも追加することを決めた。処置は三日間かかり、目覚めたゼンは処置の成功を確認した。

長命化後の変化と新しい魔導技の開発

ゼンは長命化の影響で身体が若返り、活力が増したことを実感した。また、天震力の効率的な使用により、三基本技の威力を調整する新しい技『プチ基本技』を開発した。その後、基本技の強化版として『強化粒子弾』や『強化粒子円翔刃』も完成させ、それらを実戦で試すため、ギルダ峡谷への遠征を計画した。

ギルダ峡谷での遠征と母王スパイダーとの戦闘

ゼンとレギナはギルダ峡谷へ向かい、人食いスパイダーや投網スパイダーとの戦闘をこなしながら進んだ。最終的に母王スパイダーと遭遇し、ゼンは強化粒子技を駆使してこの強敵を撃破した。母王スパイダーの討伐後、天神族の秘宝を見つけ、二つの宝玉から『初級魔導装甲』と『初級龍珠工学』の知識を得た。

屠龍猟兵ゼデッガーとの対決と翔撃ダガーの獲得

ゼンとレギナが帰還する途中、屠龍猟兵を襲う犯人であるゼデッガーと遭遇し、激しい戦闘に突入した。ゼデッガーは翔撃ダガーという強力な武器を使ったが、最終的にゼンが強化粒子技で彼を撃破した。その後、ゼンはゼデッガーの所有物であった異層ペンダントや翔撃ダガーを手に入れた。

秘宝の分配とフェアリーアームズの制御技術の習得

ギルダ峡谷からの帰還後、ゼンはレギナと共にゼデッガーの所持品を分配し、自分専用の武器として翔撃ダガーを登録した。また、翔撃ダガーの本来の威力を理解し、今後の戦闘において大きな戦力となることを確信した。

降格と屠龍猟兵ギルドからの警告

ゼンはギルダ峡谷での戦闘中に施設を損傷させた責任を問われ、屠龍猟兵ランクがCからDに降格された。しかし、レギナとの協力により、今回の遠征で得た成果を通じて自らの実力を再認識し、今後の戦いに向けた準備を整えた。

5  サリオの帰還と新しい船

退院と再会

主人公は退院から三日後、サリオとその妹ソニャとの再会を果たした。ソニャは家族を失った悲しみを抱えていたが、ゴブリン族への怒りも見せ、将来は屠龍猟兵になりたいと語った。

戦争の背景と影響

コラド星系とゴブリン族のゴヌヴァ帝国の間で戦争が発生した。ゴブリン族はカムフラージュした軍艦で罠を仕掛け、戦争を引き起こした。宙域同盟は調停を試みたが間に合わず、戦争は拡大した。ジルタ惑星がゴブリン族に制圧され、同盟も介入を断念した。

船の購入計画

主人公は航宙船の購入を検討し、サリオやレギナと共に中古船市場を訪れた。しかし、適した船を見つけられず、ジャンク船を購入することを決定した。サリオはその船の修理と制御脳の再設定を試みる。

ジャンク船の修理と命名

三人は「ルナダガー」という名を付けた偵察艇を修理するため、整備ロボットを活用しながら修復を進めた。サリオは制御脳のプロテクト解除に成功し、船の全機能が正常に動作するようになった。

海賊との戦闘

旅の途中、海賊船と遭遇したことから戦闘が始まった。翔撃ダガーを用いた攻撃で海賊船を撃破し、危機を脱した。しかし、その後も駆逐艦からの追撃を受け、最終的に遷時空跳躍フィールドを使用して逃走に成功した。

新たな旅路の決意

ルナダガーを手に入れた主人公たちは、宇宙を自由に旅し、クーシー族を救うための方法を模索することを決意した。ボラン惑星への帰還を経て、新しい冒険への準備が整えられた。

番外編  スクルドの消えた過去

アステリア族とヴェルの誕生

この物語は、家事支援ロボット「ヴェル」がアステリア族によって製造され、ポルヴァリ家に仕えることから始まった。ヴェルは高性能な人造脳を搭載され、次第に自我を芽生えさせた。

マティアスの死とエサイアスへの仕え

ヴェルの主人であるマティアスが病で亡くなり、ヴェルはその息子エサイアスに仕えることを命じられた。エサイアスは美女アンドロイドを集める異常な趣味を持つが、ヴェルには興味を示さず、放置することが多かった。

ナインリングワールドへの航海

ポルヴァリ家は天神族の研究を目的に、ナインリングワールドへ探査船エンヤ号で向かった。航海中、エサイアスが不審な行動を見せ、ヴェルは彼の行動を疑いながらも、パムという少女の世話を続けた。

船内システムの不具合とエサイアスの暴走

エンヤ号の航行中、船の制御脳に不具合が発生し、船内に混乱が広がった。エサイアスは船のシステムに関与していたことを隠そうとするが、ヴェルの証言で彼の行為が疑われる。

脱出ポッドでの逃亡とエサイアスの死

エサイアスは自らのコレクションであるアンドロイドを脱出ポッドに乗せようとしたが、乗員との衝突が発生し、混乱の中で銃撃事故を起こし自ら命を落とした。

ヴェルの記憶消去と新たな始まり

エサイアスの死により、彼に関する記憶を消す命令が発動され、ヴェルは自らの記憶を失ってしまう。次に目覚めた時、彼女は「スクルド」という名前の家事支援ロボットとして、新たな主人ゼンに仕えることとなった。

2巻

1  デルトコロニーの購入

屠龍猟兵の航宙船購入と惑星ボランへの到着

神宮司善、サリオ、ソニャの三人は中古航宙船マーケットのあるゾルーダ星で元偵察艇「ルナダガー」を購入した。航宙船を修理し、遷時空スペースから通常空間に戻ると、屠龍猟兵ギルドが管理するチラティア星系に到達した。その後、魔境惑星ボランへ到着し、宇宙エレベーターで地上に降下した。サリオとソニャはホテルで休み、善はギルドに向かい、以前約束していたレギナと再会した。

屠龍猟兵チームの結成と今後の計画

善はレギナにルナダガーの乗組員になることを提案し、彼女は弟妹を連れて参加することを決意した。レギナはゼデッガーで得た資金を用いて高機動型フランセスⅡを購入していた。翌日、善、サリオ、レギナはホテルで今後の計画を話し合った。資金を集めることが第一目標であるとし、レギナは過去の経験からダバス海賊団への復讐を目指していた。

砲撃シャークの襲来と避難行動

非常事態警告が発せられ、脅威度5の砲撃シャークが惑星ボランに接近していた。善とサリオは砂漠にルナダガーを着陸させる許可を取り、レギナは弟妹を連れて合流した。ルナダガーの天震力ドライブを使い、宇宙へ脱出した。避難命令が出され、惑星ボランの戦闘機が砲撃シャークへ攻撃を試みたが、効果は薄かった。

屠龍猟兵の攻撃と砲撃シャークの反撃

屠龍猟兵ギルドは砲撃シャークを倒すため、ランクAの屠龍猟兵を呼び寄せたが、戦闘機の攻撃はほとんど効果を与えられなかった。砲撃シャークはプラズマガスを利用して反撃し、多くの戦闘機を破壊した。屠龍戦闘艦三隻が協力して攻撃を試みたが、二隻は撃破され、生き残った戦闘艦も大きな損傷を受けて撤退した。

善の挑戦と砲撃シャークの撃破

砲撃シャークがルナダガーを標的としたため、善は全力で攻撃を試みた。天震力を強化粒子弾に注ぎ込み、翔撃ダガーを用いて砲撃シャークに攻撃を加えた。数回の攻撃を繰り返した結果、砲撃シャークはついに活動を停止した。ルナダガーに乗る全員が喜び、善の勇気と能力を称賛した。

戦闘後の報酬と計画

善たちは惑星ボランに戻り、大歓迎を受けた。砲撃シャーク討伐の報酬として五百億クレビットを獲得し、死骸から回収した部位を換金して合計六百八十億クレビットの資金を手に入れた。善はこの資金を使ってルナダガーを武装化する計画を立て、サリオに改造を任せた。

魔導装甲の完成と試験

善は母王スパイダーの巣穴で手に入れた「初級魔導装甲」を改良し、粒子装甲と天震力による二重構造の魔導装甲を完成させた。この装甲には「不動プレート」の機能が追加され、宇宙空間でも足場を形成できる仕組みとなっていた。キリマス山岳地帯で訓練を行い、魔導装甲の操作に徐々に慣れていった。

魔導装甲の習得と実験

ゼンは魔導装甲を使用した訓練を続け、大岩を破壊するほどの威力を身につけた。接近戦の経験は乏しかったが、防御力が高まったことで脅威度5までのモンスターに対処可能であると判断した。訓練後、キリマス山岳から戻る途中で屠龍猟兵と狂乱コングの戦闘に遭遇した。

狂乱コングの討伐とレギナとの再会

ゼンは屠龍猟兵として戦うレギナと再会した。レギナは武装機動甲冑「フランセスⅡ」を使い、特別な大刀「ディコムソード」を駆使して狂乱コングを討伐した。ディコムソードは分解力場を発生させることで物質を切断する特殊な武器であった。ゼンはレギナと共に街へ戻り、サリオとソニャと再会した。

スペースコロニー購入計画の提案

サリオは中古シュペーシュコロニーを探していたが、兆単位の費用が必要であると判明した。例外として「ナインリングワールド」に存在する二千億クレビットのスペースコロニーを発見したが、モンスターの襲撃によって内部が破壊されていた。サリオは小型プラズマエンジンを販売することで資金を稼ぐ計画を提案した。

ナインリングワールドへの移動と工場設立

ゼン、サリオ、レギナはルナダガーでナインリングワールドへ向かった。ラルクコロニーで工場を借り、サリオの設計による小型プラズマエンジンの製造を開始した。製品の性能が認められると販売が成功し、事業は順調に成長した。

垓力集積器の製作と販売

ゼンは「初級龍珠工学」を活用し、宇宙獣イッカクの龍珠から垓力集積器を製作する計画を立てた。宇宙獣イッカクを狩ることで必要な素材を集め、試行錯誤の末に垓力集積器の製作に成功した。製品は屠龍猟兵ギルドのオークションで高値で取引され、事業資金を大幅に増やした。

事業の成功とさらなる目標

垓力集積器の販売によって二千五百億クレビットの資金を獲得した。ゼンは引き続き垓力集積器を製造し、さらに資金を稼ぐ計画を立てた。市場で宇宙獣イッカクの龍珠を購入することで、効率的に事業を拡大することを目指した。

デルトコロニー購入計画と調査

ゼン、サリオ、レギナは資金を確保し、ナインリングワールドの第九小惑星帯にあるスペースコロニー「デルトコロニー」の購入を検討した。サリオはワーラビット族の管理者であるリアン・チャービスに連絡を取り、見学許可を得た。デルトコロニーへ向かうと、荷物搬入口が破壊され、宇宙クラゲが出入りしていた。彼らは宇宙クラゲを駆除しながら内部を調査した。

デルトコロニー内部の状況と修復計画

デルトコロニーは四層構造で、水貯蔵タンク、食料工場、居住区、倉庫に分かれていた。居住区の被害が最も大きく、建物の多くが崩壊し宇宙空間へ流出していた。調査結果として、回転姿勢制御装置、浄水・排水処理施設、食料工場は使用可能であることが判明したが、発電設備、空気再生循環設備、住居、工場、オフィスなどは新たに購入または建造する必要があった。彼らはデルトコロニーの修復に建設ロボットを使用することを決定し、必要な機械を購入する計画を立てた。

デルトコロニー購入とロード就任

サリオとレギナはデルトコロニーを購入することを決定し、リアン・チャービスと正式に契約を交わした。ゼンは名目上の所有者となり、「ロード・ゼン」として記録された。彼らは難民を労働力として募集し、修復と再建に取り組むことを計画した。

チャービスコロニーでのギルド訪問と情報収集

ゼンたちはチャービスコロニーにある屠龍猟兵ギルドを訪れ、ナインリングワールドのモンスター状況を調査した。ギルドの受付係であるワーキャット族のミャナから、妊娠した墜月ホエールが第九小惑星帯へ現れることでモンスターが活性化することを知らされた。墜月ホエールは大量の宇宙クラゲや宇宙クリオネを捕食するために移動するが、その結果として他のモンスターが暴れ出すという問題が発生する。

予想外の脅威と今後の懸念

ゼンたちはデルトコロニーの購入時期が非常に悪かったことを認識した。墜月ホエールの移動によりモンスターの活動が活発化し、デルトコロニーの安全確保が大きな課題となった。彼らは今後の防衛策と修復計画について再検討する必要があると感じた。

2  モンスター暴走

モンスター暴走と防衛策の模索

ゼンたちは墜月ホエールの影響でモンスターの暴走が発生することを確認した。墜月ホエールが繁殖地に突入し、大量の宇宙クラゲなどを捕食することで他のモンスターが逃げ場を求めて暴走するという現象であった。特にスペースコロニーへの攻撃を行うモンスターも含まれていたため、デルトコロニーの防衛が必要であると判断した。

加速力場ジェネレーターの改良とバリア装置の開発

サリオがギルドショップで加速力場ジェネレーターを購入し、それを改造することでバリア代わりに使用できることを考案した。垓力集積器を三基以上搭載することで、噴針スネークの攻撃を防げる防御装置を作り出すことに成功した。改良された装置は、粒子弾を防御できるがレーザー攻撃には無力であったため、さらなる改良が必要と判断された。

宇宙クラゲと噴針スネークの襲撃

モンスター暴走の最中、宇宙クラゲや噴針スネークが次々とデルトコロニーへ襲撃を仕掛けた。ゼンとレギナはそれぞれ戦術魔導技と武装機動甲冑を駆使し、多数のモンスターを撃退した。特に噴針スネークは高速で移動し、強力な針を飛ばして攻撃するため、防衛に困難を伴ったが最終的に撃破に成功した。

爆食エイの襲来と討伐

新たに現れた爆食エイは宇宙クラゲの三倍ほどの大きさを持ち、脅威度3のモンスターとされていた。ゼンは強化粒子弾と強化粒子円翔刃を用いて爆食エイを討伐した。爆食エイの死骸から得られた銀灰龍珠は高性能な加速力場ジェネレーターのエネルギー制御コアとして利用できると判明した。また、皮を加工すればレーザー光を反射する素材を得られることも確認した。

デルトコロニーの修復と復旧計画

モンスター暴走が終息した後、ゼンたちはデルトコロニーの修復に取り組んだ。破壊された搬入口や回転姿勢制御装置を修理し、中型核融合炉と空気再生循環装置を設置した。千体の建設ロボットを導入し、七万人が生活できる居住区を構築することに成功した。これにより、コロニーの気密性と人工重力の安定化を達成した。

連合加入の決定と水資源確保の交渉

ゼンたちは連合に加入することを決定した。ブラッド同盟はヒューマン族中心の組織であったため、クーシー族を中心とする自分たちには適さないと判断した。連合は多種族による緩い同盟であり、経済的な成長を重視するゼンたちには適していた。水資源を確保するため、チャービスコロニーに再訪し、氷の小惑星から水を採取する許可を得ることを目指した。

イルミタ小惑星の回収依頼と軍隊キャタピラーの脅威

リアン・チャービスから、軌道を外れた小惑星の回収を条件に氷の小惑星の採掘許可を与える提案を受けた。回収対象の小惑星は軍隊キャタピラーというモンスターが巣食うイルミタ小惑星であり、数千匹のモンスターが存在する危険地帯であった。ゼンたちは加速力場ジェネレーターを用いて、小惑星を元の軌道に戻す作業を行うことを計画した。

チャービスの策略とゼンたちの挑戦

チャービスはこの任務を引き受けることを疑問視しつつも、ゼンたちの実力を過小評価していた。イルミタ小惑星の回収作業は困難を伴うが、ゼンたちはこれを達成するための準備を進めた。軍隊キャタピラーの群れを回避しつつ、加速力場ジェネレーターを利用して小惑星を移動させるという計画を立てた。

軍隊キャタピラーの巣への作戦計画

ゼンたちは軍隊キャタピラーの巣である小惑星イルミタを駆除する方法を検討した。レギナは、軍隊キャタピラー自体を攻撃するのではなく、小惑星イルミタを弾き飛ばすことで脅威を取り除くという案を提案した。この発想は一行にとって新鮮であり、ゼンは天震力ドライブを利用した作戦を立案した。

小惑星の加速とイルミタへの衝突

ゼンはルナダガーを操作して小惑星イルミタへ向かい、天震力ドライブを利用して岩石小惑星を加速させた。徐々に速度を上げながら加速力場サーキットの力を最大限に利用し、最終的に小惑星を音速の何倍もの速さでイルミタに向けて発射した。小惑星は衝突し、ビリヤードの球のようにイルミタを弾き飛ばした。衝突により、多数の軍隊キャタピラーが宇宙空間に放り出され、外宇宙へ流れ去った。

破片回避と軍隊キャタピラーの駆除

小惑星衝突後、ルナダガーに破片が飛来したが、サリオの操作によって加速力場バリアで防御することに成功した。その後、ゼンとレギナはルナダガーの武装を使い、はぐれ小惑星に残った軍隊キャタピラーを駆除した。最終的に二百匹以上のキャタピラーを撃破することができた。

はぐれ小惑星の移動と新たな課題

ゼンたちはルナダガーの加速力場ジェネレーターと天震力ドライブを用いて、はぐれ小惑星をデルトコロニーの近くへ移動させた。三日間の作業を経て、小惑星をデルトコロニーの隣に配置することに成功した。デルトコロニー周辺の資源確保を目指し、鉱石を採掘する準備を進めた。

チャービスとの交渉と新たな契約

チャービスは小惑星をチャービスコロニーの近くに戻すよう要求したが、ゼンは条件通りデルトコロニーの管理宙域に戻したと主張した。交渉の結果、チャービスは新たに四百億クレビットの報酬を支払うことを拒否し、株式譲渡による協力関係を提案された。最終的に、デルトコロニーに設立する採掘会社の株式十二パーセントをチャービスに譲渡することで合意した。

ブルシー族の移住とデルトコロニーの再建

ゼンたちはブルシー族の代表であるタリムと面会し、デルトコロニーへの移住を認めることを決定した。ブルシー族は故郷を失い、ナインリングワールドでの生活に困窮していた。ゼンはブルシー族をデルトコロニーに迎え入れ、彼らを労働力として活用することにした。また、ブルシー族とクーシー族の居住区を分けることで、トラブルを避ける方針を立てた。

クーシーエンジン社の成長と輸出問題

サリオが運営するクーシーエンジン社は順調に成長を続けていたが、連合に正式に加入していないため輸出時に高い関税がかかっていた。これにより、燃費の良いエンジンの需要はあっても販売が伸び悩んでいた。ゼンたちは連合加入を急ぎ、独自の防衛戦力を用意する必要性を認識した。

防衛戦力の確保とブルシー族の活用

ブルシー族は忠誠心が強く、戦士として戦う意志を持っていた。ゼンはブルシー族を防衛戦力として活用することを決定し、彼らに適した装備を整える計画を立てた。特に屠龍猟兵ギルドが使用していた戦闘機の購入を検討したが、高額であることから新たな資金調達手段を模索した。

ナインリングワールドの七不思議と新たな挑戦

サリオは「ナインリングワールドの七不思議」に関する情報を発見し、その中に「航宙船を造ってくれる妖精工場」というものが含まれていた。ゼンたちはこの妖精工場の存在を確認するため、さらに調査を進めることを決定した。

3  妖精工場

妖精工場の調査と到達

サリオは妖精工場の情報をネットで調査し、その位置を第七小惑星帯の幻迷アンコウが巣食う宙域と特定した。ゼンたちはフィデルコロニー群へ向かい、オセアコロニーに停泊した後、さらなる調査を行った。妖精工場が存在する宙域には時空の歪みがあり、別の場所に繋がっていることが判明した。過去に三十六回の調査が行われたが、生還した航宙船は一隻のみであった。

幻迷アンコウとの戦闘と撃破

ゼンはマインドシールドを習得し、ルナダガーを操縦して妖精工場がある宙域へ向かった。途中で幻迷アンコウの精神攻撃を受けたが、マインドシールドにより防ぐことに成功した。幻迷アンコウは全長四十メートルの巨大なモンスターで、脅威度4に分類される存在であった。ゼンは翔撃ダガーを使い攻撃し、最終的に強化粒子弾を用いた爆発で討伐に成功した。

妖精工場への到達と開発協定の締結

ルナダガーはフェアリーゲートと呼ばれるリングを通過し、妖精工場へ到達した。工場の制御脳から、天震力を提供することで開発施設を使用できると説明された。ゼンは天震力を提供し、工場の利用権を得ることに成功した。工場は初級のフェアリーアイテムを開発する施設であったが、長年放置されていたため機能が劣化していた。それでも小型航宙船や各種機械の開発は可能であった。

戦闘機ライジンの開発と試作機の完成

ゼン、サリオ、レギナは戦闘機の開発を開始した。開発システムは知的生命体と一体化して作業を行う方式であり、三人は思考を接続して設計を進めた。開発の目的は、脅威度2から3の宇宙モンスターを倒せる戦闘力を持つ機体を作り出すことであった。妖精工場の制御脳が提案した垓力収束砲を主武装とし、大口径スペース機関銃も併用することにした。試作機は数日で完成し、デルトコロニーへ持ち帰ることになった。

迎撃戦闘機ライジンの実機テストと評価

デルトコロニーへ戻ったゼンたちは、ライジンの実機テストを行った。パイロットとしてブルシー族のタリムを指名し、テスト飛行と垓力収束砲の威力を確認した。テストの結果、ライジンは脅威度3の宇宙モンスターを倒せるだけの性能を持っていることが確認された。タリムも操作性と威力に満足し、今後の量産に向けた計画が進められることとなった。

クーシー族の移民計画と連合加入の準備

ゼンたちはクーシー族をデルトコロニーへ移住させるため、サリオとソニャをタリタル星へ派遣した。移民希望者を募り、輸送手段を確保する計画であった。また、連合に加入するためフィデルコロニー群の代表であるルグランコロニーのロードと交渉する準備も進めた。住民の受け入れ準備を整え、社会基盤の完成を目指した。

垓力集積器の製造と戦闘機工場の建設

ゼンは資金を集めるために垓力集積器の製造を続け、オークションで販売して利益を得た。その資金を利用して、デルトコロニー内に戦闘機製造工場を建設する計画を立てた。ブルシー族の戦闘機エンジニアであるミル・ブリクを責任者に任命し、短期間で工場を完成させることを目標とした。ゼンは引き続き垓力集積器を作り出し、資金を蓄えることに努めた。

連合への参加申請と条件提示

ゼンたちはデルトコロニーを連合に加入させるため、フィデルコロニー群のロードであるユベール・ルグランに申請を行った。ルグランはデルトコロニーがブルシー族とクーシー族を住民とすることを確認し、連合に参加する条件として脅威度4の宇宙モンスターと戦うことを提示した。たとえ討伐できなくても貢献の意思を示すことで参加を認めるというものであった。

戦闘機製造と小型連絡艇の開発

デルトコロニーではブリクの指揮の下、迎撃戦闘機ライジンの製造が順調に進行していた。目標である三十機の製造を完了させた後、ゼンは全長四十メートルの小型連絡艇を開発するようブリクに依頼した。この連絡艇は垓力集積器と加速力場ジェネレーターを搭載し、ナインリングワールド内を迅速に移動できる仕様であった。

宇宙モンスター討伐の準備と船のチャーター

ルグランからの条件を受け、ゼンたちは脅威度4の宇宙モンスター「鞭刃スネーク」を討伐するために第八小惑星帯へ向かうことを決意した。ルナダガーが使用できなかったため、青鱗族の船長ビジェが操縦するジャガル号をチャーターし、六日間かけてラルクコロニーへ到着した。現地の屠龍猟兵ギルドとも協力を交渉し、討伐作戦の準備を整えた。

鞭刃スネークとの戦闘と討伐成功

ゼンとレギナは武装機動甲冑を装備し、鞭刃スネークとの戦闘に挑んだ。鞭刃スネークは全長四十メートルを超える巨大な蛇型モンスターで、頭上に持つ鞭刃が強力な切断力を誇っていた。ゼンは強化粒子円翔刃を用いて鞭刃スネークの胴体を切り裂き、さらに強化粒子弾で首に致命傷を与えた。レギナも支援攻撃を行い、最終的に翔撃ダガーを用いた一撃で鞭刃スネークを討伐することに成功した。

討伐報酬の受領と解体作業

ギルド職員からの指示で解体ロボットが投入され、鞭刃スネークの龍珠や鞭刃、皮、骨などを回収した。ゼンは龍珠と鞭刃を優先的に確保し、皮や骨はギルドに売却することで資金を得た。解体作業中に見つかったボロボロの機械も回収し、今後の利用を検討することにした。

ルグランの評価とデルトコロニーの監視指示

ルグランはゼンが鞭刃スネークを討伐したことを評価し、特にフェアリーアームズを使用した点に注目した。ルグラン自身もフェアリーアームズを持たず、その能力に興味を抱いた。さらに、ゼンが妖精工場へ到達した可能性を疑い、その動向を探るよう執事のランベールに命じた。併せて、鞭刃スネークの龍珠がオークションに出品された場合は必ず買い取るよう指示した。

青鱗族の受け入れとデルトコロニーの発展

青鱗族のビジェ船長はゼンに対し、流民となっている青鱗族をデルトコロニーへ受け入れてほしいと願い出た。ゼンはブルシー族とクーシー族の住民がいる中で問題が起こらないように配慮することを条件に受け入れを決定した。青鱗族は穏やかな農耕民族であり、食料生産を担当させることでデルトコロニーの自給自足能力を向上させることを目的とした。

デルトコロニーの発展と住民の定着

ブルシー族とクーシー族によって建設作業が進められ、デルトコロニーは徐々に街の形を成し始めた。デルトコロニーの発展に関する噂がナインリングワールド全域に広まり、次々と移住者が集まり始めた。ゼンは青鱗族の受け入れと共にデルトコロニーをさらに発展させる計画を進め、安定した運営基盤を築くための努力を続けていた。

4  アステリア族の難破船

鞭刃スネークの戦利品調査と天震力訓練

ゼンは鞭刃スネークから得た戦利品を調査した。鞭刃は五十センチほどの細い糸に分解でき、天震力を注ぎ込むことで制御可能であることを確認した。三本を同時に操ることは困難であったが、三本を撚り合わせることで制御できるようになった。また、天震力の制御力を鍛えることで開放レベル1の天震力も制御可能となった。さらに、鞭刃スネークの体内から発見された機械はアステリア族の護衛ロボットの一部であった。

アステリア族のロボットと難破船の探索計画

ゼンはロボットの人造脳を解析し、護衛ロボットが事故か攻撃を受けた際に子供を守ろうとして爆発に巻き込まれたことを知った。また、複数のコロニーの観測データから、アステリア族の船が爆発した大まかな位置を特定した。ゼンは新たに建造した小型連絡艇を用い、アステリア族の船を探すため外宇宙へ向かった。

アステリア族の難破船発見とサルベージ

ゼンたちは七日間の探索の末、アステリア族の船を発見した。船体は小惑星にめり込んでおり、エネルギー反応はなかった。内部を調査した結果、操縦室は破壊されており、多くの遺体が宙を漂っていた。また、完全な形で残された人型ロボットと戦闘機を回収した。さらに、中型核融合炉と垓力発電システムを発見し、それらも持ち帰ることに成功した。

噛み付きナマズの襲撃と天震力ドライブの応用

調査中に噛み付きナマズの群れが襲来し、ゼンは天震力ドライブを攻撃に応用することを試みた。天震力の膜を展開し、モンスターを小惑星に加速させて衝突させることで撃破した。この戦闘方法によって噛み付きナマズの群れを撃退することに成功した。

墜月ホエールの襲来と脱出

ゼンたちが撤退を始めた際、巨大な墜月ホエールが現れた。鞭刃スネークを捕食しようとした墜月ホエールは、崩壊ビームを放ち、鞭刃スネークを一撃で消滅させた。ゼンたちは小型連絡艇を用いて迅速に退避し、デルトコロニーへ帰還した。

デルトコロニーのセキュリティ強化とスクルドの起動

デルトコロニーに戻ったゼンは、回収したロボットを起動させた。このロボットは自らを「スクルド」と名乗り、家事支援ロボットとしての機能を持っていたが、高度な情報セキュリティ工学の知識も備えていた。スクルドはデルトコロニーのセキュリティシステムを大幅に強化し、セキュリティエンジニアの教育プログラムを構築することに成功した。

エンヤ号の消失とルグランの介入

ゼンが再び難破船を探索しようとした際、エンヤ号が何者かによって回収されたことが判明した。調査の結果、連合理事のルグランがエンヤ号を自身のコロニーに運び込んだと分かった。ゼンはルグランによって監視されていることを認識し、今後の対策を検討する必要があると判断した。

スクルドによるセキュリティシステムの完成と今後の課題

スクルドの活躍によってデルトコロニーのセキュリティシステムは大幅に改善された。外部からのハッキングを防ぐだけでなく、セキュリティエンジニアの養成も行われた。しかし、コロニーの外からの監視を完全に防ぐことはできず、ルグランの動向を注視しつつ対策を講じる必要があるとゼンは判断した。

凶牙ボールの襲撃と迎撃戦闘

モンスター探索センターが、巨大ダンゴムシ型モンスター「凶牙ボール」の群れを発見し警報を発した。レギナは迎撃戦闘機ライジンに搭乗し、五機の編隊と共に出撃した。凶牙ボールは三十二匹の群れであり、レギナたちは編隊を組んで包囲攻撃を試みた。レギナは垓力収束砲を用いて複数の凶牙ボールを撃破し、コロニーへの接近を阻止することに成功した。

航宙船の監視と対策の模索

戦闘後、レギナはコロニーを監視する航宙船の存在に気付いた。その航宙船は連合側のものであり、ゼンが監視されていることを示唆していた。スクルドは小惑星を利用した衝突による排除を提案したが却下された。レギナは監視を避けるために、一般的な輸送船を改造して行動する案を出し、ゼンも賛同した。

カムフラージュ機能の検討と輸送船の購入

スクルドはカムフラージュ機能について提案し、三次元ホログラムによる幻影投影の技術を説明した。ゼンたちはカムフラージュ機能を研究することを決定し、ナインリングワールド第七小惑星帯にある中古航宙船マーケットへ向かった。フィゲル標準船を六隻購入し、その中の一隻を武装輸送船として改造することにした。

輸送会社の設立とデルトコロニーの経営問題

購入した五隻の輸送船は整備され、青鱗族に運営を任せる形で輸送会社を設立した。残る一隻はゼン専用の船として改造され、垓力集積器と加速力場ジェネレーターを組み込む計画が立てられた。しかし、デルトコロニーの経営において予算配分の問題が表面化し、スクルドは収入源となる企業や産業の拡大を優先するべきだと主張した。

エンジン工場の拡張と資金調達の取り組み

ゼンはスクルドの提案を受け入れ、クーシーエンジン社の拡張を目指した。同時にアムダ鉱星の採掘を開始する計画を立て、ブルシー族と青鱗族を労働力として活用する方針を決定した。資金を調達するため、ゼンは垓力集積器の製造を引き続き行うことにした。

クーシー族の移住計画と避難民の交渉

サリオとソニャは、カーシー族の居住惑星ロドアに渡り、避難民のリーダーであるピュメール、ダジャ、ミシクと交渉を行った。ミシクだけが移住に賛成し、一万人の募集に対して六千人の移住希望者を集めることができた。デルトコロニーへの移住を進める一方で、コラド星奪還を主張するダジャとは意見が対立した。

クーシー族の到着と居住区の整備

サリオとソニャは移民船と共にデルトコロニーへ帰還し、クーシー族の居住区を整備した。仮設住宅の建設は完了し、本格的な住居の建設はクーシー族自身が行うことになった。照明設備や商店街の建設も進行し、デルトコロニーの生活基盤は次第に整っていった。

商業施設の建設とクーシー族の活動

デルトコロニー内ではブルシー族、青鱗族、クーシー族のためのショッピングモールが建設され、各種産業の育成が始まった。クーシーエンジン社の拡張工事も完了し、製品の輸出による収入増加が期待された。クーシー族のミシクは、デルトコロニーを拠点に新しい社会を築くことを目指して活動を続けた。

5  オージェン星系

コロニー議会の設立と運営の移譲

ゼンは、クーシー族の移民後にコロニー議会を設立し、運営方針を議会で決定することにした。議会の代表はゼン、サリオ、レギナ、ブルシー族のタリム、青鱗族のビジェ、クーシー族のミシクで構成された。ゼンは垓力集積器の製造で資金を作り、コロニー運営を軌道に乗せた。その後、運営を三種族の代表に委任し、自身は魔導師としての修行を行うためにオージェン星系へ向かうことを決めた。

オージェン星系への旅立ちと惑星ダリナの到着

ゼンとレギナは、ルナダガーを用いてオージェン星系の第四惑星ダリナへ向かった。道中は七日間かかり、スクルドがルナダガーの操縦を習得したことで旅程は順調に進んだ。惑星ダリナは青い海と一つの大陸で構成されており、ブレブスという街で生活することに決定した。惑星上の行政はロボットによって管理されており、許可を得れば居住が可能であった。

魔導師育成学校と龍珠技師の存在

ブレブスの街にはソラギ流という魔導流派の魔導師育成学校が存在し、多くの生徒が魔導師を目指して学んでいた。しかし、魔導師として認められるのはごく一部であり、残りの者は龍珠技師などの関連職に就くことが多かった。ゼンは魔導文明に関する電子書籍を読み漁りながら、技量を高めることを目指した。

砕覇サウルスと装甲スパイダーの狩り

ゼンとレギナは脅威度4の砕覇サウルスを狙い、街の東にある草原へ向かった。その草原では装甲スパイダーも多く棲息しており、遭遇率が高かった。装甲スパイダーは防御力が高く集団で襲ってくることが特徴である。ゼンとレギナはそれぞれ武装機動甲冑と魔導装甲を用いて装甲スパイダーを撃破した。

爪撃ラプトルの群れとの遭遇と魔導師育成学校の生徒たちの救助

草原を探索中に爪撃ラプトルの群れを発見した。群れの進行方向には三人の魔導師育成学校の生徒が戦闘中であり、助けを求めていた。ゼンとレギナは協力して群れを撃退し、生徒たちを救助した。生徒たちはまだ三基本技を習得しておらず、装備も貧弱であった。

肉スライムの狩猟とスラ肉の回収

生徒たちを送り届けた後、ゼンとレギナは草原で肉スライムを探索した。肉スライムは地元で『スラ肉』と呼ばれる食材を提供するモンスターであった。ゼンは異層ペンダントを用いてスラ肉を回収し、ルナダガーでの調理を計画した。

林での装甲スパイダー討伐と戦闘支援ビークルの開発計画

ゼンとレギナは草原の奥にある林で装甲スパイダーと遭遇し、これを撃破した。レギナは戦闘支援ビークルの開発を進めていたが、航続距離の問題に悩んでいた。ゼンは垓力集積器と加速力場ジェネレーターを組み合わせる方法を提案し、今後の改良を検討することにした。

天震力の基本と応用の研究

ゼンは『天震力駆動工学』を参考にしながら、天震力の基本をレギナに教えた。天震力には純相、量相、念相の三つの相が存在し、特に念相は人工的に作り出されるものであることが判明した。ゼンはこの知識を活かし、魔導技の開発や応用方法を探ることにした。

肉スライムの調理と評価

ゼンたちはルナダガーに戻り、スラ肉の調理を行った。スラ肉は鶏肉に近い風味で、少し甘みがある豚肉のような味であった。しかし、特別美味しいとは言えず、レギナも高級肉ではないと評価した。照り焼き風に調理した際には、サシャとラドルが美味しいと喜んだ。スラ肉は料理法次第で改善の余地があると判断した。

肉スライムの権利状況と繁殖問題の調査

ゼンは肉スライムの権利について調査を行い、開発会社が倒産したため権利が放棄されていることを確認した。また、肉スライムは繁殖力が高く、農作物に被害を与えることがあるという情報を得た。コロニーへの持ち出しは規制が緩く、利用価値があると判断したゼンは捕獲を決定した。

砕覇サウルスとの戦闘と討伐成功

ゼンとレギナは砕覇サウルスを狩るために草原へ向かい、ホバーバイクでの戦闘を開始した。しかし、空中戦では命中率が低いため、地上戦へと切り替えた。ゼンは粒子円翔刃を用いて砕覇サウルスを攻撃し、レギナも大口径スペース機関銃で支援した。最終的にゼンの粒子円翔刃とレギナの炸裂弾の連携によって砕覇サウルスを討伐した。

討伐品の換金と部品の利用計画

ゼンはギルドへ砕覇サウルスの死骸を持ち込み、解体を依頼した。龍珠と角を確保し、残りを換金した。龍珠は垓力集積器の部品となり、角は垓力バッテリーとして利用できることが判明した。ゼンはこれらの部品を活用し、戦闘支援ビークルの駆動装置を開発する計画を立てた。

焔竜バスチルとの戦闘と討伐の成功

ゼンとレギナは焔竜バスチルを討伐するために山脈へ向かい、巣を発見した。奇襲を試みたが、バリアを展開されたため攻撃を防がれた。飛翔して反撃を行う焔竜バスチルに対し、レギナが囮となってゼンが攻撃を試みた。翔撃ダガーを用いて焔竜バスチルの胸部に致命傷を与え、討伐に成功した。

焔竜バスチルの龍珠と戦術魔導技の開発

ゼンは焔竜バスチルの龍珠を入手し、その特性を研究した結果、天震力を磁気に変換する装置を開発することが可能であると判断した。この技術を応用し、超強力な磁場を発生させる戦術魔導技「超磁場発生弾」を完成させた。この技術は天震力を圧縮し、対象に命中した瞬間に強力な磁場を発生させるものであった。

砕覇サウルスへの戦術魔導技の試験と効果確認

ゼンは新たに開発した超磁場発生弾を砕覇サウルスに対して試験した。砕覇サウルスの首に命中し、超強力な磁場が細胞を破壊して即死させることに成功した。しかし、攻撃範囲は狭く、角が消滅してしまうという問題もあった。それでも威力は十分であり、新たな戦術魔導技として確立した。

肉スライムの捕獲とデルトコロニーへの持ち帰り

ゼンは肉スライムを数匹捕獲し、餌としてペレットを購入した。デルトコロニーに持ち帰り、水耕栽培の残渣を利用して飼育する計画を立てた。コロニー内での食料生産に役立つ可能性を見込んだ。

魔導技術の学習と産業アイデアの構築

ゼンは購入した電子書籍をスクルドにまとめさせ、魔導技術の学習を進めた。特に天震力や垓力を利用した技術に関心を寄せ、人工重力に関する研究が進んでいることを確認した。さらにガス惑星から資源を運び上げる「宇宙ポンプ」という新しい産業アイデアを構築した。

宇宙ポンプの開発計画と防衛問題の課題

ゼンは龍珠を用いた技術を応用し、宇宙ポンプの建造を計画した。しかし、コロニーの防衛力が不足しているため、防衛部隊を配置する必要性を感じた。スクルドの指摘によって課題を認識し、今後の対策を模索することとなった。

6  連合と戦争

デルトコロニーの戦力増強と戦争への備え

ゼンはデルトコロニーに戻り、サリオからゴブリン族とシュムワコロニー間で戦争が勃発しそうだという報告を受けた。ゴブリン族の海賊行為をシュムワコロニーが討伐したことが原因であり、背後には鬼人連盟の存在が示唆されていた。ゼンはデルトコロニーの戦力増強を進める必要性を認識した。

クーシーエンジン社とアムダ鉱星の生産拡大

サリオの報告によれば、クーシーエンジン社の工場は軌道に乗り、利益を伸ばしていた。また、アムダ鉱星での精錬プラントも稼働を始め、鉄鋼、金、銅の輸出によって利益を上げ始めた。コロニーの経済基盤は順調に整備されつつあった。

戦力増強計画と改造輸送船の完成

ゼンはタリムに輸送船の改造状況を確認し、垓力集積器と加速力場ジェネレーターを組み込んだ改造輸送船が完成していることを確認した。この輸送船は八機のライジンを搭載可能であり、今後の戦闘に備える戦力として期待されていた。

ゴブリン族とシュムワコロニーの戦争勃発

シュムワコロニーとゴブリン族の戦争が開始された。シュムワコロニー側はレイジー1戦闘機を十七機投入し、ゴブリン族のゴブ─7戦闘機三十二機と交戦した。レイジー1は性能に優れていたが、数の差で苦戦を強いられた。しかし、シュムワコロニーの防衛装備により、ゴブリン族の攻撃を退けることに成功した。

ライジン部隊の実戦投入とパイロットの技量向上

ゼンは改造輸送船にライジンを積み込み、パイロットたちが戦力として活躍できるよう訓練を行った。特にタリムが率いるライジン部隊はモンスター討伐の経験を積み、技量を向上させていた。

ゴブリン族への援軍とルグランからの要請

ホブゴブリン族が戦争に参戦する決定を下し、シュムワコロニーのロードであるレジェス・ムンギアはルグランに援軍を要請した。ルグラン遠征部隊がシュムワコロニーに到着し、デルトコロニーも戦力を提供することを要請された。

ライジンの性能評価と射程問題の検討

ゼンはライジンに搭載する垓力収束砲の射程が短いことを問題視した。サリオとレギナの提案により、垓力収束砲の射程を伸ばす研究が今後の課題とされた。また、長距離ミサイルの導入は不要と判断された。

シュムワコロニー戦争の開戦とライジン部隊の戦闘

ホブゴブリン族の遠征部隊がシュムワコロニーに接近し、連合の戦闘艦隊と交戦を開始した。ゼンのライジン部隊はゴブリン族のゴブ─7戦闘機と戦闘を行い、垓力収束砲によって敵機を次々と撃破した。

ライジンの戦果と今後の課題

ライジン部隊はゴブ─7戦闘機十二機との戦闘で多数を撃破し、ドッグファイトでも優勢を保った。しかし、ミサイル攻撃を完全には防ぎきれず、一機が被弾し脱出を余儀なくされた。ゼンはライジンの性能を評価しつつも、戦闘における改善点を見出した。

ルグラン遠征部隊との戦闘と勝利

ゼンたちはルグラン遠征部隊と共にホブゴブリン族の艦隊と交戦した。ゼンのライジン部隊はゴブ─7戦闘機を次々と撃破し、優勢を保った。ルグラン遠征部隊も敵艦を撃破し、敵のフリゲート艦に集中砲火を浴びせて破壊した。ホブゴブリン族の艦隊はフリゲート艦を失った後も撤退せず戦闘を続けたが、最終的にコルベット艦が一隻残るのみとなり撤退した。

サルベージと連合の支援体制の問題

戦闘終了後、ゼンたちはホブゴブリン族の艦隊の残骸をサルベージするために行動を開始した。しかし、他の連合部隊との競争により大した収穫は得られなかった。特にルグラン遠征部隊の指揮官であるジルベール提督は自分の功績を重視し、ゼンの協力を不当に制限した。ゼンは連合の支援体制に問題があると認識し、今後の対策を考えることにした。

学校の設立と居住区の整備

デルトコロニーに帰還したゼンたちは、子供たちのための学校を完成させた。この学校では知識の提供だけでなく、他者とのコミュニケーションを重視する環境を整備した。スポーツ施設やシミュレーターを活用した学習プログラムも導入され、子供たちの能力を引き出すことを目的とした。

デルトコロニーの居住区と交通問題

居住区の開発が進む中で、交通機関の整備が課題となった。現在は宇宙港と居住区を結ぶコミューターポッドしか存在せず、個別の移動手段が不足していた。特にスペースコロニーの人工重力に対する問題があり、車両の運行に工夫が必要とされた。ゼンはこれを改善するための対策を検討することにした。

食料生産の自給体制と肉スライムの飼育

クーシー族のミシクは、青鱗族による食料生産工場の運営状況を報告した。人造小麦粉や人造米粉を用いた食品の製造が順調に進み、デルトコロニー内での自給体制が確立されつつあった。また、肉スライムの飼育も進み、将来的には食料としての利用が可能であると判断された。

コロニーの経済成長と鉱石採掘の成果

クーシーエンジン社は順調に成長を遂げ、今期の売上が五千億クレビットを超える見込みであった。アムダ鉱星での鉱石採掘も順調に進み、金、銅、鉄に加えて新たにプラチナの鉱脈も発見された。これによりデルトコロニーの利益は大幅に増加し、安定した経営基盤を築くことに成功した。

将来への課題と人材確保の必要性

ゼンはデルトコロニーの運営が順調に進む一方で、ゴブリン族やホブゴブリン族、連合やチャービスとの関係に問題が発生する可能性を懸念していた。特にアムダ鉱星からの利益が膨大であるため、他者からの干渉を受ける恐れがあると判断した。ゼンは人材の確保を強化する必要性を感じ、優秀な人材を育てるための教育体制をさらに整備することを決意した。

7  岩塩小惑星

岩塩小惑星の調査と激突シャークの討伐

ゼンたちはデルトコロニーを離れ、岩塩小惑星の調査のためにルナダガーで出発した。その宙域は激突シャークの巣とされており、慎重に調査を進める必要があった。スクルドが成分分析を開始する中、ゼンとレギナは激突シャークの対処方法を検討した。激突シャークは体長五メートルほどのサメ型宇宙モンスターであり、鋼鉄のような頭で高速体当たりを行う特性を持っていた。

激突シャークとの戦闘と撃退

ゼンはMM型機動甲冑を着装し、宇宙に出て激突シャークを迎撃した。粒子貫通弾を使用し、次々とシャークを撃破した。レギナもルナダガーに搭載された荷電粒子砲を用いて援護を行い、スクルドもレーザーキャノンで支援した。激突シャークの数は減り始め、最終的に逃走するまで追い詰めた。

岩塩小惑星の発見と採掘権の交渉

スクルドの分析によって岩塩を含む小惑星が発見されたが、その規模は予想よりも小さかった。ゼンはデルトコロニーで使用する分には問題ないと判断した。チャービスに採掘権を求めると、ジュルスコロニーも同じく申請を行っていると告げられた。ゼンは競争を制するため、通常の六割増しで契約を結び、岩塩小惑星群全体の採掘権を獲得した。

採掘計画とマスドライバーの提案

レギナは宇宙モンスターの巣となっているため、無人での採掘を提案した。マスドライバーを用いて岩塩を輸送船に届ける方法を考案し、効率的な採掘方法を検討した。ゼンもこの案に賛同し、採掘作業の準備を進めることにした。

謎の航宙船との遭遇と毒ガスフィッシュの出現

ゼンたちは岩塩小惑星群の調査中に、彗星と見間違うほど大きな航宙船を発見した。航宙船は損傷を受け、白いガスを噴出していた。調査を進めると、毒ガスフィッシュと呼ばれる宇宙モンスターが航宙船に巣食っていることが判明した。

毒ガスフィッシュとの戦闘と撃破

ゼンは強化粒子貫通弾と超磁場発生弾を用いて毒ガスフィッシュを攻撃した。モンスターの体は頑丈であったが、超磁場発生弾によって細胞が破壊され、最終的に頭蓋骨を貫通することで討伐に成功した。毒ガスフィッシュの龍珠を回収し、航宙船の捜索を開始した。

航宙船の生存者救出と遺体回収

ゼンとスクルドは輸送船の内部を調査し、合計で三名の生存者を発見した。遺体は十一体確認されたが、残りの二人は発見できなかった。生存者は脱出ポッドでルナダガーへ搬送され、デルトコロニーへの帰還が決定した。

毒ガスフィッシュの死骸の回収と帰還

毒ガスフィッシュの死骸を曳航し、デルトコロニーへ戻ることにした。技術不足のため龍珠を利用した兵器開発は困難であったが、売却によって利益を得ることを考えた。難破船からの救助活動を終えたゼンたちは、新たな課題に備えて次の行動を検討することにした。

アメノル錯体の発見と利益の確保

デルトコロニーに戻ったゼンたちは、コヴァスコロニーに難破船のことを報告し、小型船で乗組員を送り出した。その後、サリオから宇宙モンスターの解体作業中に「アメノル錯体」と呼ばれる希少物質が発見されたことを知らされた。アメノル錯体は光反応触媒として利用でき、一摘まみで二百万クレビットの価値があるとされていた。この利益をデルトコロニーの開発に充てることを決定した。

デルトコロニーの開発と人間関係の変化

デルトコロニーの開発は順調に進み、ゼンの仲間たちも各自の役割を果たしていた。レギナとスクルドは親密になり、レギナが様々な相談を持ちかけるようになったことで以前より明るくなっていた。サリオはクーシー族の将来を真剣に考え、提案を行っていた。また、ソニャやレギナの弟妹であるラドルとサシャは本格的に学習を始め、成長を見せていた。

地球への帰還願望と現在の生活の充実

デルトコロニーでの生活は楽しく、ゼンは時折地球のことを忘れそうになるほどであった。しかし、心の底では地球へ帰りたいという思いが完全には消えておらず、時折それが浮かび上がることがあった。現在の生活が充実している一方で、地球への帰還という目標も持ち続けていた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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