どんな本?
本書は、ファンタジー小説である。物語は、ギルドの受付嬢である主人公が、過酷な労働環境を改善するため、自ら強力なボスモンスターの討伐に挑む姿を描く。第4巻では、彼女の新たな挑戦と成長が描かれる。
主要キャラクター
- アリシア:ギルドの受付嬢であり、物語の主人公。残業を避けるため、自らボス討伐に乗り出す行動派。
- レオン:ギルドの熟練冒険者で、アリシアの良き相談相手。彼女の秘密の行動をサポートする。
- エリーナ:同僚の受付嬢で、アリシアの親友。彼女の挑戦に驚きつつも応援する。
物語の特徴
本作は、ギルドの受付嬢という一見地味な職業の主人公が、自らの力で問題を解決しようとするユニークな視点が魅力である。また、労働環境の改善をテーマにしており、現代社会の働き方に対する風刺も含まれている。他のファンタジー作品とは一線を画す、職業人としての成長と冒険が描かれている点が興味深い。
出版情報
• 著者:香坂マト
• イラスト:がおう
• 出版社:KADOKAWA
• レーベル:電撃文庫
• 発売日:2022年03月10日
• ISBN:9784049141443
• コミカライズ:優木すず作画、『月刊コミック電撃大王』にて2021年8月号から連載中、既刊5巻(2024年10月現在)
• アニメ化:2025年1月から放送予定
読んだ本のタイトル
ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います 4
著者:香坂マト 氏
イラスト:がおう 氏
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あらすじ・内容
常人には破壊不可能な“純遺物”を破壊して正体バレ!? ギルます第4弾!
四年に一度の「闘技大会」。その担当となった受付嬢には壮絶な地獄の業務が待ち受ける!! 当然のごとく担当になったアリナはカウンターで保管されていた優勝賞品……貴重で、高価で、普通の力ではまず壊せない(←ココ重要)「純遺物」
の像についつい八つ当たりしてしまう。
その結果――像の、首が、ポロリ!!!!
責任問題!? 高額賠償!? いやいや何より恐ろしいのは「純遺物を壊せる者がただの受付嬢であるはずない」という事実に気づかれてしまうこと!!
かくなる上は接着剤で誤魔化せてる内に、アリナ自身が闘技大会へ出場して優勝賞品をゲットするしかない――!!
感想
アリナの魅力と展開の面白さ
主人公であるアリナは、フラグを立ててはトラブルに巻き込まれる展開が定番ながらも新鮮である。彼女の奮闘は読者に笑いと感動を与える。特に、優勝賞品を壊してしまう事件の展開はコミカルかつ緊張感があり、物語に大きな動きをもたらした。
ジェイドの成長
ジェイドがアリナを助けるために残業を手伝う姿は、彼の一途さと優しさを際立たせている。盾役としての強さだけでなく、仲間を支える献身的な一面が描かれ、好感が持てる人物像となった。アリナとの距離感が徐々に縮まる様子も、ラブコメ要素として魅力的である。
ロウの過去と葛藤
これまで軽妙なキャラクターだったロウに焦点が当たり、その過去の重さが物語を深めている。彼が守りたい友情や掟を背負いながらも仲間を守ろうとする姿勢は、感動を呼ぶ場面であった。
魔神と闇ギルドの謎
魔神や闇ギルドが本格的に関わり始め、物語はさらに広がりを見せる。特に、ガルドの登場と禁術の使用が物語に緊張感をもたらし、次巻への期待を高めている。
読後の感想
全体として、アリナの成長や仲間たちの努力が丁寧に描かれた巻である。毎回の伏線回収や新展開が巧妙であり、次巻への期待を抱かせる。闘技大会という舞台がもたらす緊張感とラブコメ要素のバランスが絶妙で、読み応えのある一冊であった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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アニメ
PV
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同シリーズ
その他フィクション
備忘録
0
- 男の逃走と絶望
裏路地で男が追跡者から逃げるが、退路を氷で塞がれ、行き止まりに追い詰められる。 - 掃除屋の登場
赤髪の青年「掃除屋」が現れ、軽い口調で男に対峙するも、その言葉の裏には強い殺気が漂っていた。 - 男の命乞いと反論
男は命乞いをするが、ギルドの機密情報を売ろうとした過去を掃除屋に指摘され、追い詰められる。 - 最後の抵抗
男はやけくそで短剣を振るうが、掃除屋に軽くあしらわれ、武器を落とし動きを封じられる。 - 蒼炎による処刑
掃除屋が魔法「蒼炎」を発動し、男の頭部を消失させる。その後、超域スキルで青い炎を膨らませ、男の体を完全に消滅させた。 - 仕事への冷淡な思い
男を消滅させた後、掃除屋は「嫌な仕事だ」とつぶやきながら、その出来事を淡々と処理する。 - 掃除屋の正体
赤髪の青年の正体は《白銀の剣》の後衛役、ロウ・ロズブレンダであった。彼は人一人を消し去った事実を気に留めることなく、あくびをしながら宿舎へ戻っていった。
1
- 定時帰りの喜び
アリナは定時で仕事が終わり、平穏な日常の喜びを噛みしめながら帰路についた。 - ジェイドの登場
帰宅途中、ジェイドが現れアリナに声をかけるが、アリナは彼を鬱陶しがりつつも今回は軽くあしらうにとどめた。 - 冒険者たちの注目
冒険者たちがジェイドを取り囲み、新ダンジョン「シヴィ大聖堂」の攻略における「複合スキル」について詰め寄った。 - ダンジョン攻略の快挙
《白銀の剣》は前衛役不在でわずか一週間で超大型ダンジョン「シヴィ大聖堂」を完全攻略し、冒険者たちの間で複合スキルの噂が広まっていた。 - ジェイドの誤魔化し
ジェイドは「闘技大会を控えているため手の内を明かせない」と冒険者たちを納得させ、その場を収めた。 - アリナの期待と感謝
アリナは複合スキルの力により、残業のない未来を期待し、ジェイドに感謝の言葉を述べた。 - ジェイドの提案と即却下
ジェイドはアリナに闘技大会への参加を提案するが、即座に断られ、ショックを受ける。 - アリナの帰路
アリナはジェイドを置き去りにして鼻歌を歌いながらスキップで家路につき、上機嫌な様子で一日を終えた。
2
- 冒険者の不満とアリナの余裕
冒険者が闘技大会の受付開始を急かすが、アリナは「二週間後」と冷静に対応し、残業がない心の余裕を見せた。
- 闘技大会の概要
四年に一度開催される闘技大会は、冒険者パーティーが頂点を競う大イベントであり、特設窓口が設置される。 - 特設窓口の負担
闘技大会特設窓口担当は、受付業務だけでなく、事務処理や本部との連携など膨大な業務をこなす必要があり、別名「死の窓口」と呼ばれていた。 - アリナの余裕ある態度
アリナは自分が担当に選ばれる可能性は低いと考え、特設窓口の業務を他人事として余裕を見せた。 - カウンター長からの声かけ
カウンター長に肩を叩かれたアリナは、一瞬「死の窓口担当」を任されるのではと怯えるが、通常業務の依頼と知り安堵する。 - 闘技大会担当への指名
カウンター長はアリナを闘技大会特設窓口の担当に指名。理由として、ベテラン受付嬢に依存しすぎない新方針と、アリナの成長を期待しての選定だと説明した。 - アリナの苦渋の承諾
アリナは拒否する理由がなく、消え入りそうな声で特設窓口担当を引き受けざるを得なかった。
3
- アリナの絶望的な任命
アリナは闘技大会担当に指名されたことに絶望し、周囲の受付嬢たちも同情的な反応を見せた。 - 引き継ぎ書の内容の乏しさ
カウンター長から渡された引き継ぎ書には、業務内容がたった三行しか書かれておらず、内容は曖昧だった。 - 地下書庫でのマニュアル探し
アリナは過去のマニュアルを探しに地下書庫へ向かったが、マニュアル書はほとんど白紙で役立たず、過去の書類を一から整理するしかなかった。 - 先輩受付嬢たちの不自然な優しさ
通常は他人の仕事に関与しない先輩受付嬢たちが、アリナにお菓子を差し出したり、集計作業を引き受けたりするなど、過剰に優しい態度を取った。 - 膨大な過去資料の整理開始
アリナの机の周りには、過去の書類が山積みとなり、彼女は泣きながら整理作業に取りかかる地獄の日々を迎えた。
4
- 闘技大会申請開始
闘技大会の受付が始まり、イフール・カウンターには多くの冒険者が集まり、長蛇の列を作っていた。 - 純遺物が注目を集める
今回の優勝賞品である純遺物は特大サイズで希少価値が高く、冒険者たちの関心を集めていた。 - アリナの窓口業務の混乱
冒険者たちが申請書の記入ルールを守らず、パーティー全員分のライセンスカードとサインが揃わない状況が続出した。 - トラブルの発生
インテリ冒険者が別のパーティーで申請しようとしたことをきっかけに、元のパーティーメンバーとの間で口論と暴力沙汰が発生した。 - アリナの対応
アリナは冷静に申請のやり直しを提案したが、冒険者たちの理不尽な怒りと騒動に巻き込まれ、事態の収拾に苦労した。 - 業務への不安
冒険者たちの問題行動が相次ぎ、アリナは今後の受付業務に対する不安を感じる結果となった。
5
- 参加申請の課題
アリナは、全員分のライセンスカードとサインの提出というルールが十分に理解されていないことが、参加申請の混乱を引き起こしていると指摘した。 - 非効率な業務の実態
冒険者の無知や準備不足により、参加申請の対応に時間がかかり、通常の受付業務に悪影響が出ていると分析された。 - 四年に一度の問題
闘技大会の窓口業務が四年に一度しか行われないため、過去の経験やノウハウが蓄積されず、毎回新担当者が一から対応する状況となっている。 - 改善の必要性
アリナは、効率的な受注方法を確立し、それを未来の担当者に引き継ぐことで、業務の非効率を解消する必要があると提案した。 - 未来を見据えた覚悟
アリナは、自分が再び担当させられる可能性を予感し、未来の受付嬢のためにも改善策を残すべきだと決意した。 - 受注業務の円滑化
ジェイドと共に、昼間の受付業務を妨げないようにするための具体的な対策を練ることを最優先にした。
6
- ジェイドの看板設置
ジェイドは前日の作戦会議を基に、夜通しで大きな注意喚起の看板を制作し、参加申請の条件を冒険者たちに事前に周知させる工夫を行った。 - 複数の看板による注意喚起
イフール・カウンターの入口、待機列、カウンター付近など複数箇所に看板を設置し、「全員分のサイン」と「全員分のライセンスカード」の必要性を繰り返し記載した。 - アリナの張り紙と看板
カウンター周辺にはアリナ自身が作成した小さな看板や張り紙も設置され、注意喚起が過剰になるほど徹底されたが、内容には怒りが滲む文言も含まれていた。 - ライラの驚き
ライラは看板の徹底ぶりに感心しつつ、アリナとジェイドの対策の真剣さに驚きを覚えた。 - 初日の成果と課題
開店と同時に訪れた冒険者が、設置した看板を完全に無視して申請条件を理解していないことが明らかになり、アリナの忍耐が試される状況が続いた。 - アリナの対応
アリナは冷静さを保ち、必要な条件を改めて説明し、条件を満たしていない冒険者を適切に追い返した。 - 冒険者への恐怖の伝播
アリナの威圧的な対応により、一部の冒険者は彼女を恐れ、言葉少なに引き下がる結果となった。
7
- 参加申請開始から一週間後の状況
アリナは冒険者対応と膨大な事務作業に追われ、疲弊しながらも業務を続けていた。 - 純遺物の優勝賞品の破損
アリナは純遺物の像の頭部を誤ってデコピンで壊してしまい、接着剤で修復するも心配を抱える。 - 優勝賞品の重要性
純遺物は冒険者にとって貴重な一攫千金の機会であり、多くの者が大会に参加する目的となっている。 - 壊れた賞品の発覚を恐れるアリナ
破損が発覚すると、自身の力が世間に露見し、平穏な受付嬢の生活が終わることを恐れた。 - 闘技大会への出場決意
アリナは賞品を自身で手に入れ、問題を隠蔽するために大会に出場することを決断した。 - ジェイドとの協力
アリナはジェイドに優勝賞品を譲るよう頼み込み、彼を前衛役として利用する計画を立てた。 - ジェイドの勘違い
ジェイドはアリナの行動を「賞品への趣味の執着」と解釈し、彼女の真意に気づいていない。 - 秘密保持のための圧力
ジェイドが賞品の異変に気づきかけるが、アリナは強引に話題を逸らし、残業を口実に協力させることで危機を乗り越えた。
8
- ジェイドによる休憩の提案
アリナの集中力が限界に達し、書類に「つかれたみんなしね」と書き込んでしまったことで、ジェイドが休憩を提案した。 - 休憩を受け入れるアリナ
ミスを認めたアリナは、不承不承ながら休憩を取ることにした。 - 更衣室での行動
アリナは更衣室で外出の準備をするが、疲労で思考が停止しており、処刑人の格好をしてしまったことに気づかなかった。 - 雑貨屋への外出
アリナはロッカーのポーションが減っていることに気づき、補充のために夜遅くまで営業している雑貨屋へ向かった。 - 疲労による注意力の欠如
雑貨屋に向かう間、アリナは自分が処刑人の姿をしていることに全く気づかないまま行動していた。
9
- 深夜の雑貨屋に処刑人が来店
疲れ切った様子の処刑人が深夜の雑貨屋を訪れ、店主を驚愕させた。 - 処刑人のポーション購入
処刑人はポーションを一箱購入する意向を示し、その量に店主は殲滅戦を想起した。 - 店主の懸念
ポーション一箱の購入は殲滅戦を暗示すると考えた店主は、処刑人が自ら命を絶つ覚悟を決めたのではないかと憂慮した。 - 処刑人の誤解
処刑人はポーションを単に夜の残業を乗り切るために必要としていただけであり、店主の深読みとは異なる意図だった。 - 店主の涙と決意
処刑人の覚悟を誤解したまま、店主は彼の背中を押すべく感動し、ポーションをサービスで追加する。 - 店主の新たな決意
処刑人を送り出した後、店主は感動のあまり、処刑人の生き様を称える宣伝用の木板を作り始めた。
10
- 新聞記事による混乱
処刑人がポーションを購入した店として雑貨屋が報じられ、冒険者たちが処刑人を探し回る騒ぎが起きた。 - 騒動の原因
アリナが疲労のため処刑人の服を着てポーションを購入したことが発端である。 - ジェイドの指摘
ジェイドが処刑人の服を職場に置いていることを不用心だと指摘したが、アリナは便利さを理由に言い訳した。 - 休日出勤の予定
アリナは翌日の休館日にも仕事があることを嘆きつつ、窓口が閉まる分、事務作業に集中できると自分に言い聞かせた。 - 休日出勤を肯定する危機感
アリナは休日出勤を天国と称した自分に危機感を覚え、自身の仕事優先思考を問題視した。 - ジェイドの不在宣言
ジェイドが昼間は手伝えないことを告げ、アリナは一時的に絶望するも、夜には来ると知って安堵した。 - ジェイドの悔しさ
ジェイドはアリナとの休日出勤を「お勉強デート」と捉え、それを逃すことを悔しがった。 - アリナの冷たい返答
アリナはジェイドをストーカーと揶揄しながらも作業に戻り、彼の視線を無視した。
11
- アルタノ大平原の異常現象
ジェイドたちはアルタノ大平原で、ダンジョン外に出現する魔物の討伐と原因調査のクエストに挑んでいる。 - 出現する魔物の特性
ダンジョン外で発生する魔物はB級ダンジョンのボスクラスであり、エーテルのない場所に魔物が出現するのは異常である。 - ギルドの対応
冒険者ギルドは当初、突発的な現象として軽視していたが、異常出現が長期化したため、本格的な調査を決定した。 - 永久の森との比較
ルルリがエーテルの発生と関連して永久の森を例に挙げたが、アルタノ大平原にはエーテルの気配が全くないため、異常現象の原因としては該当しないと結論づけられた。 - クエストの目的
今回のクエストは、平原の魔物の討伐だけでなく、異常現象の原因を突き止めることも含まれている。 - 悲鳴の発生
ジェイドはスキルを使わずに遠くの悲鳴を察知し、仲間たちと共に悲鳴の元へ向かった。
12
- ブラックウルフの襲撃
ジェイドたちはアルタノ大平原でブラックウルフの群れに囲まれた冒険者たちを救出するため戦闘を開始した。 - ジェイドの魔惑光
ジェイドは敵視を一手に引き受ける盾役専用の魔法「魔惑光」を使い、ブラックウルフの注意を引きつけた。 - ロウの超域スキル〈永増の愚者〉
ロウは火炎球を複製して威力を増幅させる超域スキル〈永増の愚者〉を使用し、ブラックウルフの群れを焼き尽くした。 - 水晶の発見
ジェイドたちは戦場で緑色の六角柱の水晶を発見し、その水晶からブラックウルフが現れる様子を目撃した。 - 転移装置との類似性
ジェイドたちは水晶が転移装置と似たメカニズムで魔物を出現させていることに気づいた。 - 水晶の破壊
水晶から魔物が出現し続ける危険を避けるため、ジェイドたちは水晶を破壊することを決断した。 - 平原の異常出現の原因
水晶が魔物の異常出現の原因であると特定したが、転移装置としての詳細な仕組みは不明のままである。 - ギルドへの報告
ジェイドたちは水晶の破片を持ち帰り、ギルドの研究員に調査を任せることを決めた。
13
- アリナの休日出勤
アリナはイフール・カウンターの休館日に一人で大量の書類を処理するため、休日出勤をしている。 - 大量の書類
アリナのデスク周りには、「処理済み」「未チェック」などと分類された木箱が並び、大量の書類が山積みになっている。 - ジェイドの不在
いつも隣に座るジェイドが緊急の仕事で不在であり、その存在の欠如がアリナの集中力を低下させている。 - 静寂の事務室
事務室内は静寂に包まれ、アリナは懐かしさを覚えるが、一人での作業には違和感を感じている。 - 以前との比較
かつては一人での作業を歓迎していたアリナだが、ジェイドの手伝いに慣れたことで、現在は一人での作業が物足りなく感じている。 - 自分への言い聞かせ
アリナは「貴重な戦力がいないから仕方ない」と自分に言い聞かせ、書類の処理に向き合おうと努力している。
14
- ジェイドのギルド本部到着
ジェイドは緑水晶の欠片を研究員に渡し、ギルドマスターのグレンに報告するため執務室を訪れた。 - フィリの怒り
秘書のフィリは、グレンが危険地帯への出向を決定したことに激怒し、反対していた。 - グレンの左腕の喪失
グレンは以前の事件で魔神核を排除するため左腕を失い、現在は片腕の状態である。 - 裏クエストの調査
グレンは裏クエストが短期間で見つかりすぎている点に疑念を抱き、さらに調査を進めていた。 - 裏クエストと【大賢者】の関連
裏クエストの異常な発見率を追う中、失踪した四聖の一人【大賢者】が関与している可能性が浮上した。 - 【大賢者】捜索の決意
グレンは【大賢者】を捜索し、裏クエストの謎を解明するため、危険を承知で闇ギルドに接触することを決意した。 - 闇ギルドの概要
闇ギルドは諜報や暗殺など裏社会の依頼を引き受ける組織で、冒険者ギルドと敵対関係にある。 - フィリの同行要求
フィリはグレンの計画に反対するも、護衛として同行することを条件に折れた。 - グレンのイフール不在
グレンは闘技大会の日に戻る予定で、それまでの間イフールをジェイドに託した。
15
- 休日明けの業務
アリナは平日の始まりに憂鬱を感じながらも、イフール・カウンターで勤務に臨んだ。 - 闘技大会申請の最終日
闘技大会参加申請の最終日であり、営業時間終了をもって申請が締め切られる状況であった。 - 最終日の準備と警戒
アリナは最後の駆け込み申請者に備え、正面入り口を見張りながら神経を集中させた。 - 申請の締め切り
午後五時の鐘が鳴り響くと同時に、アリナはライラに指示を出し、扉を施錠して申請を締め切った。 - 業務終了の喜び
アリナは営業時間終了とともに大声で歓喜を表し、周囲からのねぎらいを受けた。 - 今後の業務
翌日に申請書類をギルド本部に提出すれば、闘技大会特設窓口としての激務はほぼ終了する予定である。 - 感無量のアリナ
アリナは困難な業務を成し遂げた達成感に浸り、定時で帰宅し自分へのご褒美を楽しむと決めた。
16
- 練習の目的
《白銀の剣》は、闘技大会優勝と魔神との戦いに備えるための練習を開始した。 - 参加メンバー
訓練場にはリーダーのジェイド、回復役のルルリ、後衛役のロウが集まった。 - 複合スキルの練習
ルルリとジェイドの複合スキルは完成しており、今回はロウのスキルを加えた新たな複合スキルの発動が目的である。 - ロウのスキルの特徴
ロウの超域スキル〈永増の愚者〉は高火力だが制御が難しく、屋外限定でしか使用できないという制約がある。 - 複合スキルの期待
ジェイドは複合スキルにより〈永増の愚者〉の制御を可能にし、魔神に対して優位を取る武器とすることを目指している。 - ロウの意気込み
ロウは不満を口にしながらも、練習に協力する意欲を示し、複合スキルの発動に挑むことを決意した。
17
複合スキルの試行錯誤
ジェイドとロウは〈永増の愚者〉を複合スキルとして活用する練習を続けているが、成功には至らない。
- ロウのスキルの制御困難
〈永増の愚者〉は一度発動すると制御が難しく、使用者の意志を無視して膨張する特性を持つため、練習が難航している。 - ジェイドの体力と努力
ジェイドは体力が抜群で、日中の訓練と夜のアリナの手伝いを並行して行っていることが明かされた。 - ロウの回想と心情
ロウはかつて一人でスキルを練習していたことを明かし、自身の手の内を他者に見られることを避けていた過去を振り返る。 - ルルリの回復薬の登場
ルルリがスキル疲労回復のために特製回復薬を持参したが、その見た目と臭いが非常に強烈で、ロウとジェイドを圧倒する。 - ロウへの強引な治療
ルルリはロウに強引に回復薬を飲ませ、ロウの悲鳴が訓練場に響き渡る結果となった。
18
- 特製回復薬の効果と問題
ルルリが作った特製回復薬はスキル疲労に効果があったが、その味と臭いが非常に強烈でロウを苦しめた。 - 緑水晶の転移装置の正体不明
アルタノ大平原で発見された転移装置は、冒険者ギルドが作ったものではなく、類似の技術を持つ別の組織の存在が示唆されている。 - 転移装置の設置距離の制約
転移装置同士は干渉を避けるため設置距離の制約があり、町中に設置することは困難であると研究員が説明した。 - 未知の技術を持つ組織の疑念
冒険者ギルド以外に転移装置を作成可能な技術を持つ組織の存在が疑われており、ロウは心当たりがあるものの言及を避けた。 - グレンの危険な行動
グレンが裏クエストの情報を得るため闇ギルド本部に向かったが、その行動に対して仲間たちが不安を感じている。 - ロウの内心と表向きの態度
ロウは心の中で懸念を抱きつつも、周囲に安心感を与えるため嘘をついて笑顔を見せた。
19
- ロウの回復後の状況
ルルリの特製回復薬の効果によりスキル疲労は回復したが、薬の味が舌に残り、濃い酒で誤魔化していた。 - ガルドとの再会
ロウは待ち合わせたガルドと酒場で会い、冒険者ギルド以外が作成した転移装置について情報を求めた。 - 闇ギルドの揺れ動き
ガルドは、平原に魔物が現れる直前から闇ギルド内部で若いメンバーが大量に離脱し、掟破りとなったことを明かした。 - 掟破りの影響
闇ギルドの掟破りによって、禁術を含む重要な知識が外部に漏れる危険性があるとされ、転移装置の技術もその一部である可能性が示唆された。 - アルタノの転移装置との関連
ガルドは、掟破りが転移装置の技術を持ち出し、それをアルタノ大平原で使用した可能性を疑い、ロウに情報の共有を求めた。 - ロウの立場
ロウは闇ギルドと深く関わることを避けており、余計な詮索をしない態度を取った。 - 会話後の別れ
ロウはガルドとの話を切り上げて酒場を後にしたが、転移装置の謎について新たな手がかりを得た。
20
- ガルドの本性
ロウと別れた後、ガルドは内心でロウの警戒心が正しいことを認めつつ、自分が危険な存在であることを意識していた。 - 酒場での対話
酔っ払いの冒険者に「超域スキルの有無」を尋ねられたガルドは、魔法を侮辱され、怒りを押し殺しつつ会話を続けた。 - ガルドの反撃
魔法を軽視する言葉に耐えかねたガルドは、青い炎「蒼炎」を使い、冒険者を瞬時に殺害し、酔い潰れたように見せかけた。 - 闇ギルドと魔法の秘密
ガルドは闇ギルドがスキルを超える魔法技術を隠していることに不満を抱き、魔法の強さを示すべきだと考えている。 - 闇ギルドへの反発
闇ギルドマスターの「禁術の秘密を守ることで魔道士を守る」という方針に強く反発し、魔法がスキルよりも強いことを証明したいと願っている。 - 最終的な決意
ガルドは魔法の価値を認めさせるため、行動を起こす決意を固めつつ、酒場から聞こえる悲鳴を他人事のように捉え、夜の闇へ消えた。
21
- アリナの書類提出
アリナは大量の申請書類をギルド本部に提出し、職員たちを驚愕させた。イフール・カウンターの申請量の多さが職員たちに新たな地獄をもたらした。 - ギルド本部職員の反応
職員たちはイフール・カウンターの申請書類の膨大さに動揺し、アリナの労力を称賛しつつもその影響に苦悩していた。 - ジェイドへの注目
ギルド本部ではジェイドが訓練場で複合スキルを練習しているとの噂が広まり、冒険者たちが彼を視察するために集まっていた。 - ジェイドの壮絶な練習
訓練場でのジェイドは全身傷だらけでスキル疲労に苦しみながらも、自身の限界を超える複合スキル〈千重壁〉の練習を続けていた。 - 冒険者たちの動揺
ジェイドの過酷な練習を目の当たりにした冒険者たちは圧倒され、一部は闘技大会への参加を辞退する決意を固めるほどであった。 - アリナの感情の揺れ
ジェイドが壮絶な練習を続けながらも普段の仕事や手伝いを行っていたことを知ったアリナは、胸の奥が苦しくなる思いを抱いた。
22
- 闇ギルド本部への到着
グレンは数日かけて闇ギルド本部に到着し、緊張感の漂う応接間でギルドマスター・ゼファと対面した。 - ゼファの威圧的な態度
ゼファは冒険者ギルドとグレンに対する不満を語り、冒険者ギルドの行動を非難しながらも交渉を開始した。 - 闇ギルドの反応
ゼファはグレンの要求に対し、武装した部下を呼び寄せて命の危険をほのめかし、冒険者ギルドとの交渉を牽制した。 - グレンの提案
グレンは自らの命を差し出す覚悟を示した上で、魔神に関する情報を闇ギルドとの交渉材料として提示した。 - ゼファの予想外の反応
ゼファは交渉を受け入れ、威圧的な態度は演技であり、長年「闇ギルドの長」としての役割を演じたかったと明かした。 - 魔神の情報交換成立
ゼファは魔神についての情報に興味を示し、冒険者ギルドとの情報交換を承諾した。 - グレンの策略
グレンはゼファが魔神に興味を持っていることを確信していたわけではなく、単なるはったりであったことを告白した。 - ゼファの評価
ゼファはグレンの交渉姿勢を評価し、彼の失った左腕が悪霊の象徴だったのではないかと冗談めかして指摘した。
23
- 闇ギルドが【大賢者】失踪に関与
ゼファは【大賢者】が闇ギルドに依頼し、禁術を用いて別人として逃亡したことを明かした。 - 【大賢者】の依頼内容
【大賢者】は全く別人になり、すべてのしがらみから解放されたいと願い、逃亡を依頼した。 - 失踪後の足取り
【大賢者】は冒険者になりすまし、田舎で自由な生活を送っていたが、十年前に魔物に襲われ死亡した記録が残っている。 - ゼファの注意
ゼファは四聖にはこの情報を漏らさないよう求め、自身の地位を維持する意図を示した。 - グレンの確信
グレンは【大賢者】が自らの意志で姿を消したことを確信し、その死を受け入れると語った。 - 情報交換の進行
グレンはゼファから得た情報を整理した上で、冒険者ギルド側の魔神核に関する情報を提供する準備を整えた。
24
- 闘技大会の受付業務を完了
アリナは闘技大会当日の受付業務を無事に終えたが、優勝賞品の証拠隠滅という重要な任務が残っている。 - 優勝賞品の状況
アリナが以前に壊した純遺物の像が、超域スキルで封印されて展示されている。これを手に入れるため、アリナは大会に参加する。 - ライラの応援姿勢
ライラは処刑人(アリナの偽名)の応援のため、気合いの入った装いで会場に現れた。周囲の目を気にせず熱狂的な様子を見せた。 - 処刑人としての参加が話題
処刑人の名で登録されたアリナの参戦が話題となり、観戦客数が例年の倍となり出場辞退者も続出した。 - ライラの隠された意図
ライラは優勝賞品の壊れた像に細工を施し、アリナを大会に誘導した張本人である。その目的は明かされていないが、彼女の行動には裏がある。 - 魔神核の存在
ライラは右腕に潜む魔神核を感じ取りながら、目的達成のためにアリナに魔神を討伐させる決意を固めている。 - アリナへの期待
ライラはアリナを心から応援する一方で、彼女が魔神を倒すことを求めており、その結果に全てを賭けている。
25
- 闘技大会の会場について
イフールから遠く離れた荒地に位置し、転移装置を用いることでアクセス可能な巨大施設である。 - ジェイドたちの状況
試合開始を控えた選手入場門でジェイド、ロウ、ルルリが待機しているが、ロウとジェイドの複合スキルは未だ成功していない。 - アリナの登場と意気込み
アリナは仮面と外套をまとった「処刑人」として、試合開始の大幅な前に舞台に立ち、優勝賞品獲得への強い意気込みを見せている。 - 処刑人の応援団
処刑人を熱烈に応援する団体が客席に集まり、異様な熱気を放っているが、騒がず静かに応援している。 - 対戦相手の遅刻
対戦相手の一人である攻撃役が遅れて登場するが、その正体はかつて《白銀の剣》に所属していたガンズであった。 - ガンズの退場
試合開始直後、アリナの一撃によりガンズが吹き飛ばされ、意識を失った。 - アリナの圧倒的な戦闘力
敵の盾役に対して大鎚で圧倒的な一撃を加え、舞台上の相手を完全に恐怖に陥れた。 - 試合の決着
敵チームの後衛役と回復役は、アリナの破壊力に恐れをなして降参し、《白銀の剣》が勝利を収めた。
26
- 闘技大会での冴えない冒険者の登場
舞台に現れた一人の冒険者は、瘦せた長身で市販の装備を身に着けた冴えない外見であり、観客から軽視されていた。 - ロウの異変
冴えない冒険者を見た瞬間、ロウは背筋に悪寒を覚え、かつての知り合いを思い起こさせる何かを感じ取った。 - 戦闘の異常な展開
冴えない冒険者は謎の青い炎をまとったナイフを使い、対戦相手の超域スキルを相殺し、わずか数分で敵を全滅させた。 - 観客の困惑と称賛
観客たちは、その冒険者の技を目の当たりにし、スキルなのか魔法なのか不明な青い術に驚きつつも、その力を称賛した。 - ロウの確信
ロウは冒険者が用いた青い術が闇ギルドで使用される「禁術」に酷似していることに気づき、その正体を疑い始めた。 - ガルドの姿が垣間見える
冴えない冒険者が舞台を退場する際、一瞬だけ顔が崩れ、ロウは彼が闇ギルドの暗殺者ガルドであることを確認した。 - ロウの行動
ロウはガルドの姿を確認した直後、急に試合に出場できないことをルルリに告げ、彼を追って駆け出していった。
27
- 闇ギルドの禁術の存在
闇ギルドには魔道士たちが長年研究した「禁術」という技術が存在し、これがギルド存続の武器となっている。 - 禁術に関する絶対の掟
禁術をギルド外に持ち出すことは厳禁であり、掟を破った者は「掟破り」と呼ばれ、確実に処分される。 - ガルドの禁術使用
闘技大会で冴えない冒険者に扮したガルドが禁術「蒼炎」を使用し、多くの観客の前で披露した。 - ロウの行動と疑念
ロウはガルドを追いかけるも、人混みに紛れたガルドを見失う。彼がなぜ掟破りになったのか、その目的に疑念を抱く。 - 掟破りの危険性
ガルドが掟破りとなり、闇ギルドを敵に回す危険性を理解しているにもかかわらず、今回の行動に出た理由が不明である。 - ロウの苦悩
ロウは闇ギルドについて詳しい自分の立場が露呈することを恐れ、ルルリやジェイドに真実を話せずにいる。 - 試合の準備
ロウは事情を隠しつつ、知り合いを追いかけただけだと装い、次の試合に向かうことをジェイドに告げる。
28
- 試合開始と一人の対戦相手
対戦相手は少年冒険者ゴーズ一人であり、彼は試合に本気で挑む姿勢ではなく、奇妙な余興を始めた。 - ゴーズの持ち込んだ像
ゴーズは優勝賞品と同じ形状の像を二つ取り出し、一つが本物でもう一つは偽物だと明言した。 - ゴーズの挑発と目的
ゴーズはアリナに像の秘密を知っていると挑発し、像の本物を選ぶゲームを提案した。 - アリナの即断で本物を選択
アリナは右の像が本物と即断し、ゴーズの動揺を招いた。 - ゴーズの反撃と像の破壊
ゴーズは像を盾にして攻撃を防ごうとするが、アリナの攻撃により像が破壊される。この行為によりアリナは証拠隠滅を達成する。 - 壊れた像の発動
壊れた像から金色の文字が浮かび上がり、隠しクエスト「暗闇の塔」の受注条件が提示された。 - 緑の水晶と転移
ゴーズは緑の水晶を取り出し、それによりアリナが強制的に隠しダンジョンへ転移させられた。
29
- 隠しダンジョンへの転移
アリナとジェイドは緑水晶の転移装置により隠しダンジョンへ転送された。部屋は黒い石造りで円形の構造をしている。 - 緑水晶の転移装置
部屋にはゴーズが使用したものと同じ緑水晶が散らばり、ジェイドはこれを危険な転移装置だと説明した。 - 魔物の転移の関連性
アルタノ平原で発生していた魔物の転移騒動が、この隠しダンジョンと関係している可能性が示唆された。 - ゴーズの登場と説明
ゴーズが現れ、広い会場を利用して緑水晶の転移装置を使用できた理由を語る。彼の目的はアリナを隠しダンジョンに招待することであった。 - 魔法陣の出現
ゴーズの足踏みにより床に魔法陣が現れ、複雑な図形や文字が描かれていく。 - 魔神の出現
魔法陣から生まれた白い光の粒子が集まり、金髪の男性──生きた遺物である魔神が具現化した。
30
- 魔神ラウムの目覚め
魔神ラウムが現れるが、ゴーズの期待とは異なり、人の魂を求めず、冷静で理性的に振る舞う。 - 魔神ラウムの意志
ラウムは、魔神の力が悪用されてきたことに憤り、自身が戦うことを望まず、アリナに「自分を殺してくれ」と頼む。 - 魔神の正体
ラウムの言葉から、魔神が元人間であり、魔神核を埋め込まれることで変異した存在であることが明かされる。 - 魔神核の特性
ラウムは「魔神核は正しい使い方をすれば制御可能」と説明し、自ら核の力を停止させる「武装解除」を行う。 - ラウムの殺害
突如現れた青年ガルドが、ラウムを暗殺し、魔神核を奪取する。ラウムは命を奪われ、体は霧散して消える。 - ガルドの自己紹介
ガルドはロウの知り合いであると名乗り、自らの行動の意図を示唆しながら、アリナたちに敵対する姿勢を見せる。 - 転移装置の使用
ガルドが緑水晶の転移装置を使用し、光が広がる中、アリナたちの行動は制限される。
31
- 闘技場への転移
ジェイドとガルドが隠しダンジョンから闘技場に戻るが、アリナの姿はなく、観客たちは状況を理解していない。 - ガルドの魔神核の使用
ガルドが魔神核を飲み込み、自我を保ったまま魔神化を果たす。観客席に青い炎を展開し、恐怖を煽る。 - 審判員の殺害
ガルドが青い炎で審判員を瞬時に殺害し、観客席は混乱と恐怖に包まれる。 - ジェイドの奮闘
ジェイドが複合スキル〈千重壁〉を発動し、観客を守るために闘技場全体を覆う障壁を展開するが、消耗が激しく体力を削られる。 - 蒼炎の攻撃
ガルドの蒼炎攻撃がさらに強化され、ジェイドは防御に限界を迎える。最終的に蒼炎の矢がジェイドの腹を貫き、彼は倒れる。 - ガルドの宣言
ガルドはジェイドを侮辱し、魔法の力がスキルを超えると主張しながら観客に恐怖と混乱を与える。 - ロウとルルリの登場
倒れたジェイドを前に、ロウとルルリが舞台に駆けつける。ガルドはロウの登場に不気味な喜びを見せる。
32
- ジェイドの生存確認と治療開始
ルルリがジェイドの呼吸を確認し、治療を開始する。彼の状態は極めて危険だが命はつながっている。 - ロウの戦闘準備
ガルドがロウを挑発し攻撃を仕掛ける。ロウは短剣を使い、闇ギルドの禁術である蒼炎を発動し応戦する。 - ルルリの動揺
ルルリがロウの禁術使用に驚愕し、彼が闇ギルドと関係していたことを初めて知る。 - ガルドの魔神核の影響
ガルドが魔神核を取り込んでおり、通常の人間を超えた魔力量を持つことが判明する。ロウは正面からの戦闘では勝てないと判断する。 - 魔道士の地位低下へのガルドの恨み
ガルドが魔道士の地位がスキルの発芽によって失われた歴史を語り、魔法を軽視する現代への激しい怒りを表明する。 - スキルへの憎悪と魔法復権の野望
ガルドはスキルを与えた神を憎み、大陸をかつての魔法最強の時代に戻すという野望を抱いていると宣言する。
33
- ガルドの氷壁による閉じ込め
ガルドが「鳥嘴氷」を発動し、氷壁でロウたちを密閉空間に閉じ込めた。 - 蒼炎の無効化
ロウが蒼炎を纏わせた双剣で氷壁を斬りつけるが、魔神核で強化された壁には通じなかった。 - ルルリへの人質行為
ガルドがルルリの首を掴み、人質に取ることでロウのスキル発動を強要した。 - ロウのスキル発動
ロウが「〈永増の愚者〉」を発動し、蒼炎を増殖させつつその炎を制御し、狭い空間内で解き放った。 - 蒼炎の意外な制御力
ロウのスキルが蒼炎を完全に制御し、ガルドの右腕を蒼炎の巨竜のような形で噛み切り、ルルリを解放した。 - ルルリの困惑
ロウがこれまで「制御が難しい」と説明してきたスキルが、完璧に制御されたことにルルリは驚きを隠せなかった。
34
- 氷壁の溶解と戦闘の結末
ガルドの展開した氷壁が溶け、ルルリが無事に解放された。ガルドの右腕は蒼炎に焼かれ、完全に消失した。 - スキルの意外な使用可能性
ロウがスキル〈永増の愚者〉を狭い空間で使用可能であることが明らかになった。従来の説明では不可能とされていた状況での発動にルルリは驚愕した。 - ガルドの嘲笑
右腕を失ったガルドが狂気じみた笑いを見せ、ロウがスキルを隠していたことを指摘した。 - ロウの告白
ロウはスキルが室内でも使用可能であることを知りながら、禁術の蒼炎を使うことでスキルが発動可能になることを隠していたと認めた。 - ルルリの困惑と動揺
ルルリはロウがこれまで嘘をついていたことに衝撃を受け、彼に対して不信感を抱いた。
35
- ガルドの挑発とロウの過去
ガルドは、ロウがかつて闇ギルドの暗殺者だったことを明かし、友情を壊そうと挑発した。 - ガルドの魔神核による再生
ガルドは切断された右腕を魔神核の力で接合し、無傷の状態に戻った。 - ガルドの奇襲とロウの応戦
ガルドがロウにナイフで奇襲を仕掛けたが、ロウは反射的にこれを防ぎ、戦闘が続いた。 - 蒼炎の圧倒的な威力
ガルドは魔神核で強化された蒼炎を生成し、それをロウに向けて放つ。蒼炎は舞台をも溶かし、圧倒的な威力を見せた。 - ロウの覚悟とスキル発動
ロウはルルリとジェイドを守るため、自身のスキル〈永増の愚者〉を発動し、ガルドの蒼炎に対抗した。 - 青い竜の激突
ロウのスキルで生成された青い竜が、ガルドの蒼炎とぶつかり合い、壮絶な衝突が展開された。
36
- アリナの転移と人混み
アリナは隠しダンジョンから転移し、アーケードの出入り口に放り出されるが、混乱した人々に妨げられて進むのに苦労する。 - ジェイドへの強い焦燥感
アリナは、試合会場で戦っているであろうジェイドを心配しつつ、彼を探し続ける。 - シュラウドの幻影
逃げ惑う人々の中に、アリナの記憶の中で重要な存在であるシュラウドの姿が現れる。しかし、それが幻影であることを理解する。 - アリナの決意
幻影のシュラウドから「引き返せ」と諭されるが、アリナは「守りたい人を失いたくない」として戦う決意を示す。 - シュラウドの正体
アリナが幻影に向けて大鎚を振るうと、それはかき消え、代わりにゴーズが現れる。 - ゴーズの正体と挑発
ゴーズは自身のスキルでシュラウドの幻影を作り出し、アリナを翻弄していたことを明かす。 - アリナの怒り
ゴーズの悪ふざけに怒りが爆発したアリナは、容赦なく大鎚を振り、ゴーズを殴り飛ばす。
37
- ロウの過去
ロウは幼い頃から闇ギルドに属し、暗殺者として人を殺して生活していたが、孤児院の子供たちを羨望の眼差しで見ていた。 - シャーロとの出会い
ロウは孤児院の少年シャーロと友達になり、共に遊びながら一時の幸福を感じていた。 - 記憶消去の悲劇
シャーロがロウの蒼炎を見たことで、闇ギルドがシャーロの記憶を消去。以降シャーロはロウを完全に忘れてしまい、友情が断たれた。 - 闇ギルド脱退の決意
15歳のロウは、闇ギルドで十分稼いだとして脱退を決意。ギルドマスターのゼファから条件付きで脱退を許される。 - 禁術に関する交換条件
ロウは禁術の記憶を保持する代わりに、掟破りの処分を手伝うという条件を飲み、闇ギルドを抜ける。 - シャーロの現在
ゼファから、シャーロが冒険者にならず、平和な生活を送っていることを知らされる。 - 《白銀の剣》としての現在
ロウは冒険者として活動し《白銀の剣》に所属しているが、魔神や仲間との関わりにより抜けられない状況に陥る。 - 禁術を使わない理由
ロウは、仲間であるジェイドやルルリに記憶消去を受けさせたくないという思いから、どんな状況でも禁術を使わないことを貫いている。 - 忘れられることへの恐怖
シャーロに「お前、だれ?」と言われた記憶がロウの心に深く刻まれ、仲間に自分の存在を忘れられることを恐れている。 - 自らを責める思い
ロウは、仲間を騙し続けた自分の行動を後悔しつつ、それでも彼らとの繋がりを守りたいと願っている。
38
- ロウの蒼炎とガルドの魔神核による戦闘
ロウは超域スキル〈永増の愚者〉を用いてガルドの蒼炎に対抗したが、魔神核による膨大な魔力量に押され敗北した。 - ロウの致命傷
ロウは攻撃を受け流すことに成功したものの、脇腹に大きな損傷を負い、床に倒れ込んだ。 - ルルリの治癒スキルの使用
ルルリはスキル〈不死の祝福者〉を用いてロウの傷を癒そうとするが、自身の体力を大幅に消耗することになった。 - ガルドの残忍な攻撃
ガルドはルルリを蹴り飛ばし、再び攻撃を加えようとするが、途中で行動を遮る者が現れる。 - ジェイドの復活と奮闘
ジェイドは致命的な傷とスキル疲労を押して立ち上がり、ルルリをかばいながらガルドに立ち向かった。 - ジェイドの仲間への信念
ジェイドはロウを非難するガルドに対し、ロウを仲間と断言し、不屈の意志を示した。 - アリナの登場
戦闘が激化する中、大鎚を携えたアリナが現れ、ガルドに対峙する形で場に加わった。
39
- ジェイドたちの壊滅的な状況
ジェイドとロウは重傷を負い、ルルリは治癒スキルの多用で顔が青ざめながらも治療を続けている。 - ガルドの魔神化と目的
ガルドは魔神核を用いて魔神化し、スキルを凌駕する魔法の力を証明するため、アリナを倒すと宣言した。 - ガルドの禁術「呪竜」召喚
ガルドは二百年前の魔道士たちの怨念から生まれた禁術「呪竜」を召喚し、アリナのスキルを封じた。 - アリナのスキル封じ
アリナの神域スキル〈巨神の破鎚〉は呪竜の呪いによって発動しなくなり、通常の筋力に戻ってしまった。 - ガルドの呪竜への確信
ガルドは呪竜を用いることでスキル至上主義への反発を示し、魔法が神域スキルを超えることを証明しようとした。 - アリナの絶望と恐怖
アリナはスキルを失い、自身を守る力がないまま呪竜と対峙し、仲間を守れない恐怖に囚われた。 - ロウの決意
重傷を負ったロウは、アリナに代わり自ら呪竜を破壊すると宣言した。
40
- ロウの覚悟と決意
ロウは仲間を守るために、自身のスキル〈永増の愚者〉を全力で発動し、呪竜の破壊を目指すと宣言した。 - ロウの後悔と戦う理由
ロウは今まで仲間を欺いてきたことを後悔し、記憶が消される前に仲間を守る最後の戦いに挑むことを決意した。 - ジェイドの助力と複合スキル
瀕死のジェイドがスキル〈終焉の血塗者〉を発動し、ロウの〈永増の愚者〉と融合させ、蒼炎を増幅し新たな力を形成した。 - アリナの無力さと覚悟
スキルを封じられたアリナは、それでも仲間を守るためにガルドの攻撃を受け止める覚悟を示した。 - 白炎の盾と剣の出現
ジェイドがガルドの蒼炎を防ぐ白い炎の盾を作り出し、その後、盾は双剣に形を変えロウの手に渡った。 - ロウの反撃
ロウは白炎の双剣を用い、呪竜を真っ向から切り裂き、黒い怨念の竜に白い亀裂を走らせた。 - 呪竜の破壊
ロウの一閃により呪竜が砕け散り、ガルドの守りの術は完全に崩壊した。
41
- ロウの最後の一手
ロウは白炎の双剣で呪竜を破壊し、アリナに後を託した。 - アリナの猛攻
アリナは銀の大鎚でガルドを圧倒的に追い詰め、蒼炎をもなぎ払って攻勢を続けた。 - ガルドの脅迫
追い詰められたガルドは、青い炎をジェイドに向けてアリナの行動を封じようとした。 - アリナの怒りと決意
アリナはジェイドを侮辱するガルドに激怒し、自身の思いをぶつけながら戦い続けた。 - 黄金の大鎚の覚醒
アリナの怒りと決意により、銀の大鎚が黄金の大鎚に変化し、強大な力を発揮した。 - ガルドの敗北
アリナは黄金の大鎚でガルドを撃破し、魔神核を粉砕。ガルドは塵となり霧散した。
42
- ジェイドの複雑な感情
ガルドの消滅を喜びつつも、自身の評価が事務能力に偏っていることに複雑な思いを抱いた。 - アリナの怒り
アリナはジェイドの度重なる危機に対し怒りを露わにし、彼を揺さぶって叱責した。 - ロウの過去の暴露
ロウが闇ギルドの禁術保持条件として掟破りの処分に協力していた事実が明らかになった。 - ゼファの登場
闇ギルドマスター・ゼファが現れ、禁術使用に伴う掟破りとしてロウとその仲間たちへの制裁を宣告した。 - ゼファの治癒行為
ゼファはロウの負傷を完全に治癒させたが、その目的は掟破りの処分の延期を知らせるためであった。 - 掟破りの処分条件
ゼファはロウに、〝あの方〟に関与する掟破りたちの処分を命じ、その完了をもって自身の処罰を免除するという条件を提示した。 - ルルリとジェイドの擁護
ルルリとジェイドはロウを守るためゼファに反論し、記憶消去や仲間から引き離されることを拒絶した。 - ゼファの憂いと信念
ゼファは禁術の価値と闇ギルドの存在意義を説き、魔法の価値を守ることが仲間を救う手段であると主張した。 - ロウへの激励
ゼファはロウに蒼炎を託し、仲間と共に戦うことを許し、彼の友情を認めた上で笑顔で場を後にした。
43
- アリナの見舞い
アリナは余ったポーションをジェイドに届けるため、治療院を訪れた。照れ隠しで見舞いではないと主張した。 - ルルリの回復薬
ルルリはロウのために特製の回復薬を用意したが、その怪しい見た目にアリナは触れずに済ませた。 - ジェイドの感激
ジェイドはアリナの持ってきたポーションを感激しながら受け取り、彼女の来訪に驚き喜んだ。 - 優勝賞品の破壊
アリナが密かに破壊した優勝賞品についてルルリが触れた際、アリナは動揺しながらも証拠隠滅が完了したことで安堵していた。 - 復元された優勝賞品
ジェイドはバラバラになった優勝賞品の破片を集めて復元し、アリナへの感謝として贈った。これにアリナは微妙な表情を浮かべつつも受け取った。 - アリナの感謝
アリナは仕方なくジェイドの気持ちを受け取り、復元された賞品を受け取ることで感謝の意を示した。 - グレンの登場
病室にグレンが訪れ、ジェイドたちの元気な様子を確認しつつ新たな展開を予感させた。
44
- 病室のにぎわい
アリナが病室を出ようとしたタイミングでグレンが訪れ、狭い病室が一時にぎやかになった。 - グレンの目的
グレンは十五年前に失踪した【大賢者】の消息を探るため、闇ギルド本部を訪れていたと語った。 - 闇ギルドとの連携
冒険者ギルドと闇ギルドの関係改善が進み、グレンは【大賢者】の情報を得ることに成功した。 - 【大賢者】の行方
失踪後の【大賢者】はフィールアという田舎町で五年間冒険者として過ごしていたことが明らかになった。 - フィールアとアリナ
フィールアはアリナの故郷であり、彼女も【大賢者】がその地にいた頃に住んでいた。 - 【大賢者】の死
グレンは【大賢者】がダンジョンで魔物に襲われて死亡したと報告したが、その死因に疑問を抱いている。 - 【大賢者】の名
フィールアで【大賢者】が使用していた名前は「シュラウド」であったと判明した。 - ジェイドたちの驚愕
【大賢者】の死に関する話は、ジェイドやルルリ、ロウに衝撃を与え、病室に緊張が走った。
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