どんな本?
『偽典・演義とある策士の三國志』は、三国志を舞台にしたフィクション作品である。
主人公は現代日本のサラリーマンから、紀元165年の三国志の世界に転生した男である。
彼は諸悪の根源とされる何進、董卓の軍師、李儒として活躍する。
物語は、歴史に名を残す英雄たちと策略を巡らすスリリングな展開が特徴である。
本作では、史実とは異なる視点から三国志の物語が描かれており、歴史上の出来事を新たな角度で楽しむことができる。
主人公である李儒は、冷徹な策士として様々な策略を巡らせ、英雄たちを巻き込んでいく。
その過程で、彼がどのように天下の趨勢を変えようとするのかが、物語の大きな見どころである。
三国志のファンだけでなく、歴史に興味がある人やフィクション作品を楽しむ人にもおすすめの一作である。
策略と人間関係が交錯する中で、どのような物語が紡がれていくのか、ぜひ手に取って確認してほしい。
読んだ本のタイトル
偽典・演義~とある策士の三國志~ 5
著者:仏ょも 氏
イラスト:流刑地アンドロメダ 氏
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あらすじ・内容
「木っ端役人に思い知らせてやるわ!」
董卓最愛の孫娘・董白(とうはく)、登場!
祖父の心配をよそに、外道の本拠地・弘農へと乗り込むことになったお嬢様。
「絶対に許さないんだからっ!」
この娘、ただ者じゃない!?
でもそこで待っていたものとは!?
新女性キャラ、蔡琰(さいえん)、貂蝉(ちょうせん)も登場!
ニュー三国志、新キャラ百花繚乱!
感想
本巻では、いくつかの重要な展開と新しいキャラクターの登場が描かれている。
物語は、董卓の孫娘である董白、学者である蔡邕の娘・蔡琰、そして有名な貂蝉が登場する。
董白は祖父の心配をよそに、腹黒外道の本拠地・弘農へと乗り込むことになった。
彼女は祖父を苦しめた外道に対して復讐心を燃やしている。
蔡琰は父の蔡邕が王允に投獄されている間、彼の指示に従って弘農に避難する。
蔡琰はそこで、彼女の知識と能力を活かし、重要な役割を果たすことになる。
この巻では、北を駆ける白馬の現状として、公孫瓚と劉虞の関係が良好であることが描かれている。
公孫瓚は劉虞を敵視せず、彼の方針に従うことを決め、劉備を利用する計画を立てる。
反董卓連合に参加した諸侯たちの動向も詳しく描かれ、彼らの中には袁紹を批判し、南陽郡を明け渡す者もいる。
曹操は陳留郡を実効支配し、東郡太守に就任するが、逆賊認定の解除に苦しむ。
彼は士大夫を招聘しようとするが、その試みは失敗に終わる。
董卓は洛陽から長安に遷都した後、長安での安定した生活を楽しんでいる。
しかし、彼は自分が大将軍としての責務から逃れられないことを理解している。
本作では、物語の展開を通じて、登場人物たちの複雑な人間関係や政治的な駆け引きが描かれている。
特に、李儒の出番は少なめであるが、彼の腹黒外道な策略が物語全体に影響を与えていることが感じられる。
董卓とその部下たちは、書類地獄に苦しむことが多く、時折どちらが幸せなのか疑問が浮かぶ。
この巻では、女性キャラクターの存在が物語を鮮やかに彩り、彼女たちの活躍が物語の重要な要素となっている。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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同シリーズ
その他フィクション
備忘録
二五 北を駆ける白馬の現状
公孫瓚は、未来の知識を持つ者の助けで劉虞と対立せず、正当な評価を得たため、劉虞との関係を良好に保つことができた。現在、公孫瓚は反董卓連合の諸侯に敵視される可能性を懸念しているが、自軍の軍事力に自信を持っている。劉備を前線に送り、彼を利用する計画を立てている。劉虞との協力で袁紹の包囲網を狭めることにも成功した。
二六 曹操出世する
曹操は陳留郡の実効支配に成功し、財源的に余裕ができたが、「逆賊」との批判を受け、士大夫の招聘に失敗した。反董卓連合で友誼を結んだ鮑信が訪れ、曹操に東郡太守になるよう依頼。曹操はこれを受け入れ、東郡太守に就任し、周囲の信頼を得ると同時に書類仕事が得意な自身の強みを活かすことができた。しかし、この動きにより、曹操の活動は一時的に制約された。
二七 董卓の憂鬱
董卓は長安での安定した生活を楽しんでいたが、この平穏が長く続かないことを理解していた。皇甫嵩と再会し、袁術の逆賊認定解除や人材優遇政策に不満を抱いていると相談を受けた。董卓はこれに対応し、皇甫嵩と共に計画を進めることを決意。孫娘の董白を弘農に送り出し、護衛として李傕と郭汜を派遣した。董白は祖父の仇を討つため、復讐心を燃やしながら弘農に到着した。
二八 蔡家の事情
蔡邕と娘の蔡琰は危険な立場にあり、蔡邕は蔡琰に生き延びるよう指示した。蔡琰は弘農に向かうことを決意し、その名目として蔡邕の釈放への返礼とすることにした。数日後、蔡琰は出発の準備を終え、父との最後の挨拶を交わし、涙を堪えながら弘農に向かった。蔡邕は娘の姿が見えなくなるまで見守り続けた。
二九 弘農
荀攸が李儒を訪れ、蔡邕からの書状について話し合った。蔡琰を保護し、彼女が父の仕事を引き継ぐよう求めた。李儒は蔡琰の意思と能力を確認し、彼女の保護と養育を優先することを決めた。董白が使者として派遣され、李儒は彼女を正式な使者ではなく貴人として扱うよう指示した。董白は元服前の子供であり、李儒は迎えの役を司馬懿に任せた。
三〇 袁紹の現状
袁紹は冀州を奪おうとしたが、劉虞が冀州牧に任じられたことで計画が破綻し、孤立状態に陥った。袁紹は曹操や劉岱と連合を組んで劉虞を討とうとするが、田豊や沮授は計画に疑問を抱いていた。袁紹の身勝手な計画により、冀州の豪族たちは今後も苦労を強いられることが確定していた。
三一 皇帝と司馬懿
劉弁は董卓からの書状を確認し、王允や楊彪の行動を信用した。司馬懿は袁紹の討伐を優先すべきと提言し、劉弁は納得した。李儒は袁家を弱体化させる策を講じ、慎重に計画を進める決意を示した。劉弁は袁家を確実に弱体化させることを目指し、計画を進めた。
三二 曹操の涙
曹操は荀彧を迎える祝賀の宴を開き、彼の加入を心から喜んだ。荀彧は曹操の治める東郡の治安や活気に感銘を受け、仕官することを決意した。宴の中で、曹操と陳宮が荀彧の加入を喜ぶ理由を説明し、荀彧は曹操陣営の未成熟さを好機と捉えた。翌日、年末の大盤振る舞いにより、曹操や陳宮は経理の問題に直面したが、表情は明るかった。
三三 年末の孫家
孫堅は息子の孫策が江夏の劉琦を討つことを提案し、頭を悩ませていた。孫堅は南郡の安定を優先し、劉琦を攻める時期ではないと判断した。孫策は父の言葉を理解し、次の戦に向けて意気込んでいたが、孫堅は息子の血気の多さを懸念していた。
三四 大将軍の軍師
董卓は部下と密談を行い、長安での政治の煩雑さから逃れるために郿に拠点を構える計画を語った。賈詡は合理主義的な姿勢で董卓を支持し、必要な予算を自由に使えるように提案した。董卓は賈詡に異常があれば報告するよう指示し、賈詡はその期待に応えるべく準備を進めた。
三五 呂布の懊悩
呂布は長安に常駐することに苦しみ、名家や文弱どもに対する反感を抱いていた。紅昌が董卓に夜の世話をすることを危惧し、彼女の気持ちを察しつつも王允の策略には気付かなかった。呂布は紅昌を側室に迎える許可を得るため、董卓と話をすることを決意した。
三六 呂布の嫁取り
呂布は紅昌を側室に迎える許可を得るため、董卓と会談した。董卓らは呂布の真剣な表情を見て驚いたが、側室の件と知り安堵した。賈詡は王允の顔を潰さないために一度董卓の世話をさせるべきだと提案し、最終的に紅昌が董卓に世話をしたことにすれば問題ないと結論づけた。
三七 弘農会議
牛輔が弘農を訪れ、董白に劉弁への取次を依頼するが断られる。太傅への取次を求め、李儒と会い、呂布が任紅昌を側室にしたいと伝える。李儒は董卓が王允に配慮する必要はないと結論づけ、呂布の希望通りに任紅昌を側室にするべきだと指示した。董卓は長安から距離を取ることも提案された。
三八 太傅の仕事
劉弁は李儒と共に喪が明けた後の対応を話し合い、劉氏の処遇について決定した。反董卓連合に参加した劉氏の処遇を考え、彼らを許さないと決意し、属尽の特権を剝奪することを決定した。地方の軍閥諸侯は喜んで受け入れ、この行動は後世の歴史家から評価された。
三九 高祖の風
公孫瓚は州牧に任命され、年を越せたことに安堵していたが、劉備が訪れ督郵殺害の罪を無効にして欲しいと頼む。公孫瓚は劉備の頼みを受け入れ、彼の罪を無効にする裁判を行った。しかし、劉備を罪人として手配したのは冀州刺史ではなく、その事実が新たな問題を引き起こす可能性が残っていた。
孫策と周瑜
孫策は周瑜に江夏の劉琦への攻撃を諦める理由を説明し、周瑜も同意した。孫堅は動かないことを決めたが、孫策は焦りを感じていた。周瑜は揚州への攻撃が最適と判断し、情報収集を提案。孫策は新たな目標を得て意気込んだ。
少女たちの出会い
董白は王異と共に宿場町を散策しようとしたが、荷駄隊の到着で中断される。荷駄隊を率いる蔡琰に興味を持ち、話を聞くことにした。董白と蔡琰は互いに打算を働かせながらも、重要な出会いとなった。
少年と少女たちの出会い
董白は李傕と郭汜が慌てて帰還し、急いで支度をするよう伝えられた。董白は状況を理解せず怒りを募らせたが、皇帝の教育係である李儒と面会するためであった。蔡琰は状況を理解し、董白もその重大さに気づいた。二人はそれぞれの目的地に向かうこととなった。
李儒と司馬懿と皇帝と
蔡琰は唐后の女官として推薦され、文才を活かすこととなった。董白は唐后の客人として迎え入れられたが、司馬懿は彼女を反面教師として役立てる考えであった。李儒は董白を「無職」扱いとし、彼女の教育に悪影響を及ぼさないように配慮した。
子供と大人
董白は李儒との面会後、恐怖に震えて部屋に戻った。李傕と郭汜は彼女が弘農に関わるべきではなかったと諭したが、司馬懿は警告を発し、李儒の叱責が待っていることを告げた。董白は赦され、王異と徐庶は安堵した。
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