小説【SAO・GGO】「ガンゲイル・オンライン I 」感想・ネタバレ

小説【SAO・GGO】「ガンゲイル・オンライン I 」感想・ネタバレ

どんな本?

『ガンゲイル・オンライン』は、川原礫(かわはら れき)によるライトノベル『ソードアート・オンライン』シリーズのスピンオフ作品であり、バーチャルリアリティ(VR)の銃撃戦をテーマにしたオンラインゲームが舞台である。

物語は、主人公の香蓮(レン)が「ガンゲイル・オンライン(GGO)」というVRゲームに参加し、チームバトルやサバイバルゲームを通じて成長していく過程を描いている。香蓮は、身長にコンプレックスを持つリアルの自分とは対照的に、ゲーム内では小柄で素早いピンクの少女アバター「レン」として活躍している。彼女はさまざまな仲間や強敵と出会い、特に「スクワッド・ジャム」と呼ばれるサバイバル大会での戦いが物語の大きな軸となる。

ゲーム内の銃器や戦術に詳しい描写が特徴で、リアルな銃撃戦とバトルロイヤル形式の対決が緊張感を生む。また、香蓮のライバルであり、狂気を抱えたキャラクターであるピトフーイや、彼女をサポートする豪志(エム)との人間関係が物語をさらに深めている。戦闘だけでなく、友情や信念、キャラクターたちの葛藤も描かれており、アクションとドラマが融合した作品である。

銃やバトルロイヤル形式の戦闘が好きな読者にとっては非常に魅力的であり、またVRゲームを通じた成長や人間関係を楽しみたい人にもおすすめできる物語である。

読んだ本のタイトル

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン
I ―スクワッド・ジャム―
著者:時雨沢恵一 氏
イラスト:黒星紅白  氏
監修:川原礫 氏
イラスト:abec 氏

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あらすじ・内容

『キノの旅』の時雨沢恵一&黒星紅白が描く、もう一つのSAO世界!

銃と鋼鉄の世界《ガンゲイル・オンライン》を舞台にしたアニメ『ソードアート・オンラインII』ファントム・バレット編。その銃器監修を担当した時雨沢恵一だからこそ描くことができた、新たなSAOワールドがここに! 身長183cmの女子大生・小比類巻 香蓮(こひるいまき かれん)。長身コンプレックスが災いし、《現実世界》では人付き合いが苦手な彼女を変えたのはVRMMO《GGO》だった。 身長150cmにも満たない理想の”チビ”アバターを手にした香蓮は、全身ピンクの戦闘服を身に纏い、プレイヤー”レン”となってGGO世界を駆け回る! そんなレンの前に現れた美人プレイヤー”ピトフーイ”。GGO内ではレアな女性同士、意気投合するが――ある日レンはチームバトルロイヤル形式の大会《スクワッド・ジャム》への参戦をピトフーイから打診され……。

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインI ―スクワッド・ジャム―

感想

SAOこと、ソードアート・オンラインの第二部の舞台となったガンゲイル・オンライン。
そこを舞台にした物語を”キノの旅”の著者、時雨沢恵一氏が書く。
銃が大好きな時雨沢氏がノリノリで書いたようで、描写は躍動感に満ちていた。

『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインI ―スクワッド・ジャム―』は、VRMMOの世界を舞台にした物語である。主人公の小比類巻香蓮(レン)は、183cmの長身がコンプレックスで、現実では人付き合いが苦手であった。

そんな彼女が、身長150cm以下の小柄なアバターを手に入れ、全身ピンクの戦闘服をまとい《ガンゲイル・オンライン》(GGO)の世界で新たな自分を見つける。

ゲーム内では、レンは小柄で俊敏な動きを武器に敵を倒していく。
やがて彼女は、GGOでの初めての友人となる美人プレイヤー、ピトフーイと出会う。
二人は意気投合し、ピトフーイからチームバトルロイヤル大会《スクワッド・ジャム》(SJ)への参戦を打診される。
レンは迷いながらも参加を決意し、巨漢のエムとチームを組んで戦いに挑むことになる。
ピトフーイはどこ行った!?w

この作品の魅力は、リアルと仮想世界のギャップを描き出したところにある。
人殺しの道具である銃を撃ってみたいが、人殺しはしたくない。
それなら仮想世界でやり合えばと、リアル世界では絶対に出せない闘争本能を剥き出しに暴れるこの世界。
あるキャラクター達は、ただひたすらにマシンガンをブッ放すだけで楽しい。

主人公のレンは、自分のコンプレックスを克服するためにVRの世界で小さなアバターを選んだという設定も新鮮で、彼女が戦闘を通じて成長していく姿が丁寧に描かれていた。

また、ピトフーイという謎めいたキャラクターや、戦闘中の戦略・銃器描写が非常にリアルで、戦闘シーンのスピード感が抜群であった。

本作は、銃器や戦術に興味がない者でも楽しめる工夫がされており、キャラクターの成長と物語のテンポが良く。
特に、レンがピンクのアバターで戦う姿は可愛らしさと過激さが同居しており、そのギャップが物語を一層面白くしている。
最後には、謎が残るピトフーイやエムの正体にも興味が湧き、続編への期待が高まる作品であった。

続編では、さらにピトフーイやエムのリアルの背景が明かされることが楽しみでならない。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

ア二メ

PV

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実況

アニプレックス チャンネル【第1回】
アニプレックス チャンネル【第2回】

OP

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ReoNa – GG Collaboration Movie「Dive into GGO」 フルバージョン

ED

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備忘録

序  章

二人の女性が砂漠の中で会話をしていた。ピトがレンに「スクワッド・ジャム」という大会のニュースメールについて尋ねたが、レンはそれを「イカのジャム」と勘違いして返答した。二人は冗談を交えつつ、食べ物の話題やお酒のつまみについても話し、レンが家族や自身の大学生であることを少し明かしてしまった。

ピトは、リアルの個人情報を不用意に話すことの危険性についてレンに忠告し、特にネットでは注意が必要であると指摘した。会話は続き、ピトは「スクワッド・ジャム」が少人数チームで行うバトルロイヤル形式の大会であると説明した。

二人は銃を肩にかけ、砂漠を歩きながらこの会話を続けた。

第一章「香蓮の憂鬱」

小比類巻香蓮が現実世界に戻ったのは、2026年1月18日、夕方の17時49分であった。香蓮は広々としたマンションの一室で一人過ごしており、ベッドから起き上がると、ゲームから戻すための装置「アミュスフィア」を外して丁寧に枕の脇に置いた。香蓮は幼少期から裕福な家庭で育ち、青森出身の両親に愛されながら北海道で成長してきたが、身長183センチという長身に悩んでいた。中学から急激に身長が伸びたことが彼女のコンプレックスとなり、それが原因で内向的な性格へと変わっていった。大学進学のために東京に来たが、社交的な生活を楽しむことができず、一人で過ごす日々を送っていた。

そんな香蓮が、ある日VRゲームに興味を持つようになったのは、「別の自分になれる」というコンセプトに惹かれたからである。彼女はまず『アルヴヘイム・オンライン』を試したが、生成されたアバターが長身だったため、大きなショックを受けてゲームを断念した。その後、別のゲームにキャラクターを「コンバート」することを勧められ、さまざまなVRゲームを試した結果、ついに自分に合ったアバターを見つけた。それは小柄な少女の姿であり、そのゲームは『ガンゲイル・オンライン』という荒廃した世界で銃を使って戦うものだった。香蓮はその世界で新たな自分を見つけたのである。

2025年11月、香蓮が『ガンゲイル・オンライン』(GGO)を始めてから3ヶ月が経過していた。彼女は東京で孤独な生活を送り、大学以外の時間はほとんどゲームに費やしていた。GGOの舞台は荒廃した地球で、香蓮は身長150センチに満たないアバター「レン」を選び、仮想世界での生活を楽しんでいた。ゲーム内では銃撃戦がメインであり、レンはその小柄な体格を活かして敏捷性を重視した戦闘スタイルを採用した。彼女は真剣にゲームに取り組み、モンスター狩りや対人戦闘を繰り返しながら、少しずつ強くなっていった。特に近距離戦闘でサブマシンガンを使い、相手に接近して一気に仕留める戦術を得意としていた。

しかし、レンの待ち伏せ攻撃は次第に他のプレイヤーから恐れられるようになり、「砂漠フィールドの待ち伏せプレイヤーキラー」として噂が広まっていった。やがて討伐隊が結成されるほどの存在となったため、レンは待ち伏せをやめ、普通にモンスター狩りを楽しむようになった。そんな中、彼女は「ピトフーイ」と名乗る女性プレイヤーと出会うこととなった。

第二章「レンとピトフーイ」

レンは、GGOの中央都市で実弾銃を選んでいた際、褐色肌の美女ピトフーイに声をかけられた。ピトフーイは親しみやすく、すぐに二人は親しくなり、レンにとってGGO内で初めての友人となった。二人はVR女子会を開き、GGO内で女性プレイヤーが少ないことについて語り合った。ピトフーイはGGOを8ヶ月以上プレイしており、リアルでも裕福な生活を送っていることが明らかになった。彼女は数々の高価な銃を所有しており、特にレアな対物ライフル「へカートⅡ」を手に入れた女性プレイヤー、シノンの話題も出た。

ピトフーイはゲーム内での銃の知識が豊富であり、レンも次第に銃器について詳しくなっていった。ある日、ピトフーイはレンに「いつか私を倒したら、リアルで会おう」と提案した。レンはそれに応じ、ピトフーイとの対決を誓い合った。約束を交わした後、レンはGGO内でピトフーイと共に狩りを続けていたが、約1ヶ月後に「スクワッド・ジャム」の話を耳にすることとなった。

第三章「スクワッド・ジャム」

レンとピトフーイは、荒野を散歩しながら「スクワッド・ジャム」(SJ)という新しいチームバトルロイヤル大会について話していた。ピトフーイは、レンにこの大会への出場を強く勧めていた。大会は少人数のチーム戦で、ピトフーイ自身は友人の結婚式があるため参加できないため、レンに出場を依頼したのである。レンは対人戦闘に自信がなく、参加をためらっていたが、ピトフーイは「経験」として挑戦することを強く勧めた。ピトフーイは、レンが現実世界で何か抱えており、GGOでそのストレスを解消しているのではないかと感じており、「現実でできないことを思い切りやってみよう」と励ました。最終的に、ピトフーイは「返事がなければ参加する」と決め、レンはその言葉に心を動かされたが、まだ迷いが残っていた。

香蓮は「スクワッド・ジャム」への参加を迷い、対人戦闘への抵抗感を抱いていた。現実世界に戻ると、彼女は部屋に飾ってあるエアガンのP90を手にし、ゲーム内の自分と現実の自分とのギャップに虚しさを感じていた。GGOは楽しいが、現実との狭間で苦しんでいた。香蓮は、将来的に現実の責任が増え、ゲームを続けられなくなることを理解しており、ゲームを続けるかやめるか悩んでいた。また、知らない男性プレイヤーとチームを組んで大会に参加することにも不安を感じていた。友人の美優に相談すると、「楽しいと思えるなら続ければいい」とアドバイスを受けたが、香蓮は「神崎エルザのライブ」と大会の間で揺れていた。結局、ライブのチケットが手に入らず、悔しさを抱えたままGGOにログインし、ピトフーイに「暴れてやる!」とメッセージを送った。

1月30日の夜、香蓮は姉一家との楽しい食事を終えた後、自室に戻り、VR世界であるGGOにログインした。待ち合わせ場所である酒場に向かうと、ピトフーイがレンを待っていた。レンはピトフーイと話しながら、チームバトルロイヤル「スクワッド・ジャム」(SJ)のルールについて確認した。ルールは基本的に個人戦「バレット・オブ・バレッツ」(BoB)に準じていたが、いくつかの重要な違いがあった。SJでは、個人ではなくチームで参加し、リーダーの位置だけがサテライト・スキャンに表示されるため、リーダーを罠として使う戦略が可能だった。また、リーダーが戦死した場合、順位が繰り下がり、指揮権がチーム内で引き継がれる仕組みとなっていた。ピトフーイはレンにリーダー役を任せることを告げたが、その理由は明かさなかった。会話が進む中、遅れてチームのもう一人のメンバーである男が登場した。

第四章「エムという男」

レンは、巨大な体格の男エムと出会い、その圧倒的な存在感に驚いていた。エムは身長190センチを超える巨漢で、筋肉質な体と大きな顔立ちが印象的であった。レンは彼に少し恐怖を感じたが、ピトフーイの指示に従い、彼とチームを組むことになった。エムは最初、丁寧に自己紹介を行い、その性格が見た目ほど恐ろしいものではないことが分かった。レンはエムとの会話を通じて緊張がほぐれ、二人は徐々に打ち解けていった。ピトフーイが去った後、二人は演習場へ向かい、エムはレンにさまざまな訓練を課した。射撃や移動の訓練に加え、エムの狙撃ライフル《M14・EBR》の音を頼りに、距離や方向を判断する訓練も行われた。レンは訓練が大変だと感じつつも、エムとの協力関係を築きながら、彼の指示に従い、自分のスキルを高めようと努力していた。

香蓮は、入団テストが終わった翌日の土曜日、午前中に大学の勉強を終え、暇を持て余していた。彼女はゲームをすることも考えたが、GGO内で他のプレイヤーに襲われるリスクを避け、プレイを控えた。特に、大会を翌日に控えていたため、メインアームであるP90を失いたくなかったのである。午後、香蓮は神崎エルザの音楽を聴きながらリラックスして過ごしていた。彼女は神崎エルザがもっと大きな会場でライブを開催してほしいと願い、ふと思い立ちファンレターを書くことにした。初めて書くその手紙には、彼女の長身コンプレックスや、チビのアバターでVRゲームに没頭していることを正直に綴り、広い会場でのライブを望む内容も含めた。最終的に恥ずかしさを感じつつも、そのまま事務所に送ることにした。

レンが神崎エルザへのファンレターを書いていた頃、翌日の大会に向けて準備を進める他のプレイヤーたちが日本各地にいた。ある場所では、五人の男たちがインターネット通話で結束を強め、チーム戦での勝利を目指していた。別の場所では、一人の男が六人の仲間に冷静な指示を出し、実験的な大会であるため、優勝しそうになったら降参するよう伝えていた。また、あるグループの女性たちは、翌日の大会で優勝し、賞品を手に入れることを目指して意気込んでいた。さらに、別の場所では、ベッドで抱き合う男女が大会について話し、女性が楽観的に励ましていた。こうして日本の土曜日は過ぎ、ついに大会の日曜日が訪れた。戦いの幕が開かれようとしていた。

第五章「大会開始」

2026年2月1日、日曜日の正午頃、ガンゲイル・オンライン(GGO)の中心都市SBCグロッケンにある酒場が、第一回スクワッド・ジャム(SJ)の大会本部として賑わい始めていた。参加者たちはこの酒場に集まり、試合開始前に装備を整えたり、作戦会議を行う予定であった。14時ちょうどに試合が始まり、参加者たちはどんな地形か分からない戦場へと転送されることになっていた。

レンはエムと合流し、試合に向けて準備を整えていた。彼らのチーム名は「LM」であり、少人数での不利な状況にあったが、エムは二人でどこまで戦えるかを楽しむつもりであった。待機エリアで作戦を確認しながら、サテライト・スキャン端末や装備の使い方を再確認していた。

試合開始後、彼らは森に転送された。エムは森の視界が悪く、戦闘には不利な地形であると判断し、南にある都市部へ移動することに決めた。レンが前衛を務め、エムが後方で警戒しながら進軍した。

途中で発砲音が聞こえ、敵の存在を察知したが、レンたちはまだ直接の戦闘には巻き込まれていなかった。サテライト・スキャンのタイミングが近づき、レンはエムの指示に従って敵の襲撃に備えた。その時、レンは遠くに動く人影を発見したが、それが敵かどうかはまだ判別できなかった。戦いはこれから本格的に始まろうとしていた。

第六章「戦闘開始」

レンは都市部を望む森の中で敵を発見し、エムに報告した。敵は5人の男たちで、遠距離からレンに向けてマシンガンで猛攻を仕掛けてきた。レンは物陰に隠れながらその攻撃を耐え、エムは冷静に状況を分析していた。相手は「全日本マシンガンラバーズ」というチームで、撃つことそのものを楽しんでいるプレイヤーたちであった。しかし、彼らには戦術的な連携がなく、ひたすら撃ち続けるだけであった。

しばらくすると、別のチームが都市部から接近し、マシンガンチームを背後から襲撃した。この新たなチームは連携が取れており、戦闘技術も非常に高く、迅速にレンの敵を撃破していった。エムはその様子を冷静に観察し、さらにスナイパーが別に潜んでいることに気付いた。彼らの統制された動きや、迅速なラペリング技術を目にしたエムは、彼らが実際の戦闘に精通したプロであり、警察や自衛隊の特殊部隊のメンバーである可能性が高いと推測した。

第七章「対プロ戦」

レンとエムは、二回目のサテライト・スキャンが近づく中、都市部のプロチームについて話し合っていた。エムは、プロの参戦が禁止されていない点に言及し、彼らがフルダイブ技術を訓練の一環として利用している可能性を示唆した。レンは強敵の存在に不安を抱きながらも、エムの冷静な判断に従い、次の行動を模索した。スキャンが始まり、レンは都市部に複数のチームが集まっていることを確認した。その中にはプロチームも含まれ、さらに三つのチームが接近していた。エムはこの混戦に乗じて都市部を通り抜け、中央の居住区へ向かう計画を立てた。

レンはエムの指示に従い、高速道路に向けて駆け出し、状況を確認しながら素早く移動した。二人は慎重に進みながらも、プロチームが他のチームと戦闘を始めたタイミングを利用して前進した。激しい銃撃戦が響く中で、彼らは無事に進行した。

14時20分、二回目のスキャン直前、エムの予想通り、戦闘音に引き寄せられた三つのチームが都市部に集まった。あるチームは突撃を決断し、猛進した。一方、別のチームは逃げ場を探し混乱し、結果的に激しい銃撃戦に発展した。アサルトライフルやグレネードが飛び交い、両者は激しく撃ち合い、多くの犠牲者が出た。さらに、この戦闘を見ていた別のチームが漁夫の利を狙い、最終的に勝利を収めたものの、直後に覆面の男たちのプラズマ・グレネードによって全滅した。覆面の男たちはその場でスキャンを受ける準備を整え、次の行動を計画しつつ、ピンクのキャラクターであるレンとその同行者の対策も考えていた。

14時29分、レンとエムは敵と遭遇することなく高速道路を走り抜け、居住区に到達した。移動中には周囲から戦闘音が聞こえていたが、二人に向けての攻撃はなかった。レンはまだ余裕があったが、エムにとっては限界に近い速度での移動であった。二人は廃屋に入り、安全を確認しながら身を隠した。そこは荒廃した住宅で、かつての人々の生活が垣間見えるアイテムが残されていた。レンは、ピトフーイが以前話していた結婚式を思わせるウェディングドレスとタキシードの話を思い出し、GGOの精緻な演出に感心した。

14時30分、三回目のサテライト・スキャンが始まり、レンとエムは地図を確認した。生存しているチームは大幅に減少し、全滅したチームが8つ増えていた。エムはこの結果を見て作戦を練り、特に強力なプロ集団との対決に備えることを決意した。プロ集団を倒さなければ優勝はないと考え、エムはレンに協力を求めた。レンも作戦に積極的に参加し、エムと共に次のステップを進める準備を整えた。

第八章「トラップ」

14時39分30秒、レンの腕時計が振動し、四回目のサテライト・スキャンの30秒前を知らせた。レンは、エムから「うかつに喋るな」と言われていたため、言葉を控えながらも不安を抱えて作戦に従っていた。彼女はこの作戦に対して不満を感じていた。リーダーである自分が常に危険にさらされる一方で、エムはそのことを気にせず作戦を進めていることに腹を立てていたが、ゲームであるため死ぬこと自体には大して気にしていなかった。ただ、一度も銃を撃っていないことに不満を抱き、せめて一暴れしたいという思いがあった。

暗闇の中、レンは閉所にいる状況を冷静に受け入れ、エムの指示に従う準備を整え、愛銃のP90をしっかりと抱えていた。

10分前、都市部でサテライト・スキャンを確認した覆面チームのリーダーは、居住区に向けて移動する必要があると判断していた。リーダーは「エコー」チームが居住区の北東にいることを確認し、彼らに接触する準備を進めた。部下たちには「エコー」や砂漠地帯の「フォックストロット」と呼ぶよう指示を出し、チーム全員で居住区東端へと進んだ。彼らは慎重に進行し、サテライト・スキャンが始まるまで警戒を続けた。スキャンが始まり、「エコー」が80メートル北にいることが判明したが、目視では確認できなかった。リーダーはさらに警戒を強化し、周囲の報告を続けさせた。そして、倒れているスーツケースが怪しいと判断し、全員に撃つよう命じた。突然スーツケースから現れた「エコー」は反撃し、覆面チームの一人を倒した。

その10分前、エムはレンに「体が入る何かを探せ」と指示していた。レンは最初その意味が分からなかったが、エムが計画を説明した。レンを小さな入れ物に隠し、次のスキャンで敵を誘い、近接射撃で待ち伏せするという作戦である。レンは囮になることに不満を感じながらも承諾し、スーツケースを選び、その中に身を潜めることにした。スーツケースは改造され、レンは中で待機することになった。

スキャンが始まり、敵が80メートル先にいることが判明した。エムの指示に従い、レンはスーツケースから飛び出し、覆面チームの男たちを次々に倒した。エムはその様子を冷静に観察し、敵チームは降参を選んだ。レンはエムの指示に従い、複雑なルートを辿って合流地点へ向かった。合流後、サテライト・スキャンで残りの3チームが確認された。レンは次の作戦に積極的な姿勢を見せたが、エムは慎重に進むことを提案した。その後、二人は次のエリアへと進み、エムが敵を発見した。

第九章「エムの戦い」

レンはエムの「敵だ」という声に反応し、湖の上に見えた黒い点が敵であると認識した。湖の上を高速で移動していたのはホバークラフトであり、敵はそれに乗って銃撃を仕掛けてきた。レンとエムは伏せて弾を避けたが、敵の接近を防ぐため、エムは自分の秘密兵器である強力な防具「チキンシールド」を展開し、防御を固めた。この防具によって、ホバークラフトからの銃撃を弾き返すことに成功した。レンはP90で敵を牽制しつつ、エムの作戦に従って囮となり、全力で走り回って敵の注意を引いた。エムはその間に狙撃の準備を進め、レンと協力しながら敵の攻撃に対応した。

ホバークラフトを手に入れたチームは、GGOの熟練プレイヤーで構成されており、リーダーはBoB本戦に出場した経験を持つ者であった。彼らはチームプレイを重視し、複数の武器を効果的に活用してフィールドで次々と敵を倒していた。特に沼地の宇宙船に立てこもっていたチームを攻略するため、ホバークラフトを使い高速で接近し、近接戦で勝利を収めた。その後、残りのチームを探して進撃した彼らは、エムとレンのチームに遭遇した。ホバークラフトを駆使して攻撃を仕掛けたが、エムの特製の防御盾に阻まれた。エムは見事な狙撃で敵を次々に倒し、レンも囮として機敏に動きながら攻撃をサポートした。最後にホバークラフトで突進してきた敵も、エムのプラズマ・グレネードで吹き飛ばされ、レンが止めを刺して勝利を収めた。

第十章「レンとエム」

レンは敵を倒した後、エムに報告し、エムがバレット・ラインなしで狙撃した理由を尋ねた。エムは、バレット・サークルやバレット・ラインを発生させずに直接狙撃したと説明した。これは射撃アシスト機能を使わず、正確に狙う高度な技術であり、レンはその技量に感心した。その後、二人は次の行動を検討するためにスキャンを実施し、敵が近くにいることを確認した。突然の攻撃でレンは重傷を負い、エムに担がれてホバークラフトで脱出した。敵の弾丸を避けつつも、1キロ以上の距離を離れることに成功した。レンはショックから立ち直りながら、エムに感謝の意を伝えた。エムは冷静に次の作戦を立て、ホバークラフトの燃料が少ないため、荒野に向かうことを決めた。

14時59分、居住区の豪華な家の三階バルコニーで、筋肉質な女性ボスが敵を発見し、仲間のトーマに狙撃を命じた。トーマはドラグノフ狙撃銃でレンを狙撃し、命中させたが、エムが迅速にレンを救出し、ホバークラフトで逃走した。トーマは続けてエムを狙ったが弾は外れ、エムがレンを担いでホバークラフトに乗り込むことに成功した。ボスは他の仲間にも攻撃を命じ、マシンガンで湖畔を激しく攻撃したが、敵は逃げ切った。スキャンによると、敵は南西に逃走しており、ボスは部隊をトラックに集合させ、南西の荒野への追撃を指示した。

15時6分、レンとエムは湖から南西エリアの荒野に上陸した。荒野は平坦で岩が点在しており、隠れ場所に適していた。レンはホバークラフトを捨て、エムと共に次のスキャンを待ちながら警戒を続けた。その間、レンはエムが手紙を読もうとしていたことを思い出し、確認した。エムは驚きつつ手紙を読み始めたが、その内容はレンに明かされなかった。レンは次の戦闘に備えて武器を準備し、戦意を高めた。15時9分、エムが手紙をしまい、レンに近づいた。そして、突然銃口を彼女に向け「すまん」と言い放ち発砲した。

第十一章「デスゲーム」

レンは突然エムに撃たれたが、鍛えられた敏捷性で弾丸を回避した。エムが続けて発砲しようとしたが、レンは素早く反撃し、エムの銃の安全装置をかけて攻撃を防いだ。エムはその後、恐怖から取り乱し、涙を流しながら「自分が死ねば現実世界でも死ぬ」と訴えた。彼の説明によれば、ピトフーイという人物から手紙を受け取り、その指示で命をかけた戦いをしていたという。エムはレンを倒してリーダーになり、降参しようと考えていたが、レンの敏捷性を甘く見て失敗した。レンはこの状況に呆れながらも、エムに感謝の言葉を残し、一人で敵と戦う決意を固めた。エムには隠れるよう指示し、通信を切って東へ向かった。

15時11分、小型の軍用トラックの横で六人の女性たちが最後の戦いに備えていた。リーダーであるボスを中心に、全員がロシア製の武器を装備し、戦闘準備を整えていた。狙撃手のトーマ、マシンガナーのソフィーとローザ、スナイパーのアンナ、サブマシンガンを持つターニャがボスの号令のもと、次の獲物である敵チームを仕留めるために集結していた。彼女たちは武器の性能とコストパフォーマンスを活かし、敵を追い詰めることを楽しんでいた。アンナが歌を口ずさみ、軽い笑いが交わされたが、ボスが全員を引き締め、戦闘への集中を促した。彼女たちは最後の敵を油断なく狩るため、荒野へ進軍した。

15時16分、レンはラストバトルに向けて準備を整え、大きな岩の陰に隠れながら状況を確認し、装備を点検していた。P90とプラズマ・グレネードを手にし、残弾は397発あったが、救急治療キットは持っていなかった。レンはこれまでの戦いを振り返り、自身の敏捷性を最大限に活かす方法を考えた。サテライト・スキャンまであと3分。レンは決意を固め、風のように砂礫の中を走り始めた。その一方で、エムは荒野で一人叫び、自分の行動を正当化しながら死の恐怖を訴えていたが、周囲には誰もおらず、その声は虚しく空に消えていった。

第十二章「ラストバトルは私に」

六人の女性チームは荒野を進み、リーダーであるボスは仲間と共に次のサテライト・スキャンに備えていた。ターニャが先頭を切り、警戒しながら前進していたが、15時19分過ぎにピンクのウサギ(レン)が現れ、突如戦闘が始まった。レンはその俊敏さを駆使して敵の攻撃を避け、ターニャを倒すことに成功した。しかし、直後にマシンガンでの激しい反撃を受け、レンは一時的に逃走を余儀なくされた。

レンはプラズマ・グレネードを巧みに使い、敵の攻撃を回避しつつ反撃を試みたが、敵チームの反撃は激しく、彼女のヒットポイントも限界に達しつつあった。戦況は厳しく、窮地に追い込まれたが、最後の瞬間にエムが戦場に再登場し、レンを救う形でラストバトルに参戦した。

第十三章「死闘」

ボスは仲間のローザが巻き込まれた爆発の余波で吹き飛ばされ、ヒットポイントが六割まで減少し、愛銃であるヴィントレスを失ってしまった。彼女は拳銃ストリージを手にし、残る仲間たちに指示を出しながら、レンとの激しい戦闘に突入した。レンはその機敏さを活かしてボスの攻撃を巧みに避け、次々とボスの仲間を倒していった。

戦闘の中、レンは自分の愛銃P90を盾として使用した結果、銃が破壊されてしまったが、その怒りを力に変え、ボスとの直接対決に挑んだ。ボスは高い戦闘技術で応戦したものの、最後にはレンがナイフでボスの首を切り、勝利を収めた。同時に、スナイパー同士の戦いも展開され、エムがトーマとの撃ち合いに勝利したことで、レンとエムのチームが大会の優勝を果たした。

第十四章「後日談」

レンとエムは、試合終了後に待機エリアへ転送され、優勝を確認した。試合結果が表示され、彼らがトップであることが明確に示されていた。レンは破壊された愛銃P90を思い出しつつ、エムと共に疲労を感じていた。二人は装備を解除し、ログアウトの準備を進めていた。レンはエムに、最後に助けられた理由を尋ねたところ、エムは「自分が安全だったから」と素直に答えた。二人は賞品について話し合ったが、特に期待していない様子だった。しかし、レンはP90を再入手できることを少し期待していた。最終的に、レンはエムに別れを告げ、ログアウトすることを決意した。

香蓮はアミュスフィアを外し、汗ばんだパジャマの感触に気づきながらベッドから起き上がった。部屋は夕暮れの光でぼんやりと照らされていた。彼女はリビングに飾られていた黒いP90を手に取り、鏡に映る自分の姿に向かって無言で構え、「ばあん!」と軽く破裂音を口にした。その後、スマートフォンを手に取り、ある相手に電話をかけて翌日の予約を確認した。その一方で、戦いに敗れた他のメンバーたちは、次のスクワッド・ジャム(SJ)に向けた鍛錬について話し合い、筋力を限界まで高め、両手にマシンガンを持つことで火力を倍増させようと意気込んでいた。

2026年2月2日、茨城県の百里航空自衛隊基地で、二人の男性が会話していた。40代の三佐と20代の二尉であった。二尉は訓練の結果について、「良くも悪くもゲームだ」と報告し、ゲーム内での射撃が実戦には適さない点を指摘したが、部下たちはその結果に満足して笑顔を見せていた。三佐はその報告を受け、電話で菊岡という人物に結果を伝えた。翌日の2月3日、香蓮は女子高生グループと偶然遭遇し、髪型を褒められた。彼女は新渡戸咲という女子高生と握手を交わし、次回の勝負を誓い合った。その夜、東京のある場所では、スクワッド・ジャムに参加できなかった女性が不満を漏らし、次回の開催を待ち望んでいた。

登場人物

香蓮(レン): 主人公であり、リアルでは小比類巻香蓮という名の女子大学生である。身長183センチという長身がコンプレックスで、現実では内向的な性格を持つ。VRゲーム『ガンゲイル・オンライン』(GGO)では、身長150センチ未満の小柄なアバター「レン」として、軽快な動きとサブマシンガン「P90」を駆使し、敏捷性を活かした戦闘スタイルを得意としていた。彼女はゲーム内で「砂漠フィールドの待ち伏せプレイヤーキラー」として恐れられるようになり、やがて「スクワッド・ジャム(SJ)」というチームバトルロイヤルに参加することとなった。

ピトフーイ: GGOでレンが出会った褐色肌の美女で、レンの初めての友人となった人物である。ゲーム内では、豊富な銃器の知識と技術を持ち、レンに「スクワッド・ジャム」への参加を勧めた。リアルでも裕福な生活を送っており、レンにリアルの個人情報を不用意に話すことの危険性を指摘するなど、ゲーム内外で賢明な一面を持っていた。彼女はGGOを深く愛しており、レンとの友情や対決を通じて関係を深めていった。

エム: 身長190センチを超える筋肉質の巨漢で、ピトフーイの仲間である。GGO内では狙撃ライフル「M14・EBR」を駆使して戦闘に参加していた。レンとチームを組み、彼女に対して冷静な指導を行い、戦術を教えながら協力関係を築いていった。彼はピトフーイから命をかけた指令を受けており、レンとの関係もその使命に基づいていた。

ボス: 六人の女性チームのリーダーで、戦闘技術に長けた人物である。彼女は仲間たちを率いて荒野での戦闘を展開し、マシンガンや狙撃銃などの武器を駆使してレンと激しい戦闘を繰り広げた。最終的にはレンとの一騎打ちで敗れたが、その戦闘力と冷静な指揮でチームをまとめていた。

トーマ、ソフィー、ローザ、アンナ、ターニャ: ボスが率いるチームのメンバーで、それぞれが異なる役割を担っていた。狙撃手、マシンガナー、サブマシンガンを使う者など、多様な戦術で戦闘に参加していた。

スクワッド・ジャムに参加したチーム

LMチーム(レンとエムのチーム): 主人公であるレンと、彼女のパートナーであるエムから成る二人チームである。レンは小柄で敏捷なアバターを使い、主にサブマシンガン「P90」を用いて素早い接近戦を得意としていた。一方、エムは巨体を活かし、強力な防御力と狙撃を得意とする戦術家で、狙撃ライフル「M14・EBR」を使用していた。彼らは少人数ながらも互いの強みを活かしながら戦った。

全日本マシンガンラバーズ: このチームはマシンガンを愛するプレイヤーたちによって構成されており、チーム名通り、マシンガンを乱射して戦うことを楽しんでいた。戦術的な連携が乏しく、ただ撃つことを楽しむスタイルであったため、他のチームに狙われやすく、都市部でプロチームに背後から襲撃され敗北した。

覆面チーム(エコー): 覆面を被ったメンバーで構成されたチームで、非常に高い連携能力を誇り、プロフェッショナルな戦術を駆使して戦っていた。彼らは「全日本マシンガンラバーズ」を撃破し、さらに他のチームとの戦闘でも優位に立つ場面があったが、レンたちとの戦いで最終的に敗北した。

プロ集団: このチームは、戦闘技術が高く、現実世界でも訓練を積んだ可能性のあるプレイヤーたちで構成されていた。彼らはチームとしての連携が優れており、ホバークラフトなどの乗り物を活用して戦闘を行い、フィールドで次々と敵を撃破した。レンとエムとの戦いでは、エムの特製防具「チキンシールド」によって攻撃を防がれ、敗北を喫した。

SHINC(ボス率いるチーム): 六人の女性から成るチームで、リーダーであるボスを中心に結束していた。彼女たちはロシア製の武器を多く使用し、高度な連携と戦闘技術で戦いに臨んでいた。特に狙撃手のトーマやマシンガナーのソフィー、ローザがそれぞれの役割を果たしながら、戦術的にレンたちに挑んだが、レンとの直接対決で敗北した。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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