小説【SAO・GGO】「ガンゲイル・オンライン XIII(13)」感想・ネタバレ

小説【SAO・GGO】「ガンゲイル・オンライン XIII(13)」感想・ネタバレ

どんな本?

『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン XIII ─フィフス・スクワッド・ジャム(下)─』は、緊迫感あふれるバトルロイヤルゲーム「ガンゲイル・オンライン」を舞台にした物語である。第五回スクワッド・ジャム(SJ5)の決着が描かれ、濃密なアクションシーンと戦術が繰り広げられる。

物語の主人公、レンは一億クレジットの賞金首となり、他のプレイヤーから執拗に狙われるが、仲間たちと協力して次々と困難を乗り越えていく。本作では、ゲーム内のルールが次々と追加され、特に「ゴーストルール」という斬新な仕組みが物語に新たな刺激を与える。このルールにより、戦死したプレイヤーが幽霊として復活し、戦場をさらに混沌とさせる展開が楽しめる。

激しい戦闘の中にも友情や絆が描かれ、個々のキャラクターの成長が見られるのも本作の魅力である。戦場での熾烈な駆け引きと、笑いあり涙ありのドラマが織り交ぜられた、読み応えのある一冊である。ガンアクションやチームプレイが好きな人には、ぜひおすすめしたい作品である。

読んだ本のタイトル

ソードアート・オンライン オルタナティブ
ガンゲイル・オンライン
XIII 
フィフス・スクワッド・ジャム(下)
著者:時雨沢恵一 氏
イラスト:黒星紅白  氏
監修:川原礫 氏
イラスト:abec 氏

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あらすじ・内容

この戦いは、死んでも終わらない! 第五回SJ、ついに決着!

 1億クレジットの賞金がレンに懸けられた第五回スクワッド・ジャム。濃霧の中放り出されたレンは他の参加者に執拗に命を狙われ続けるも、なんとかフカ次郎やピトフーイ達との合流を果たす。
 しかし開始から1時間後、突如フィールドが外側から崩れていき、残ったのは直径3キロメートルの城だけに。辛くも崩壊から逃れたレン達だったが、シャーリーが放った炸裂弾によりピトフーイが死亡してしまう。
 様々な思惑が入り乱れるSJ5。決着の時が近づく中、待機所に送られたピトフーイが目にしたのは、新たに追加された特殊ルールだった……。

ソードアート・オンライン オルタナティブ
ガンゲイル・オンライン XIII 
フィフス・スクワッド・ジャム(下)

感想

上中下併せて984ページ。
誤差程度とはいえ、フォースと比べると200ページほど少ない。
結末の呆気なさを考えるに、もうちょいページがあっても良いような気もするが。
自爆する中坊が最後は美味しく持って行ってくれて結末は笑えて良いのだが、賞金首にした奴は誰なのか?
ゲームに密かに参加している、後出しのルールを作って色々と引っ掻き回してくれた作家は誰に撃たれたのか?
その辺りが知りたかった。

『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン XIII ─フィフス・スクワッド・ジャム(下)─』は、第五回スクワッド・ジャム(SJ5)の決着が描かれるクライマックスの一冊である。本作では、次々と追加される特殊ルールが戦場を混乱させ、特に「ゴーストルール」によって戦死者が幽霊として復活する展開が新鮮であった。レンが賞金首として追い詰められる中、仲間たちとの連携で生き延びていく姿が魅力的に描かれている。

フィールド崩壊や城内での攻防、レンとフカ次郎の軽快なやり取りが物語の緊張感を和らげつつ、戦場の激しさを際立たせた。特に、ピトフーイがシャーリーの狙撃によって倒れるシーンや、その後にゴーストとして復活する場面は、驚きとともに物語の深みを増す要素であった。

戦闘シーンの派手さと、幽霊たちの登場によるカオスな展開が最後まで読者を引き込み、レンたちが勝利を掴むまでの道のりには強い緊迫感があった。戦場の中で見せたキャラクターたちの成長と絆が、フィナーレに向けて見事に描かれていたことが、この作品の大きな魅力である。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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ED

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備忘録

第十章  「城の罠。あるいはビービーの」

エムとそのチームメイトたちは、城門の前でピトフーイの死体を目撃していた。城の外では大地が崩壊し、彼らが隠れていた森が消え去っていった。フカ次郎は「グッバイ・フォレスト」と呟き、その景色に感傷的になっていたが、エムだけが油断せずに城の内部を警戒していた。

その間、レンは一人のプレイヤーが城に向かって必死に走っているのを発見したが、間に合わずに崩壊に巻き込まれてしまった。彼の死を見届けながらも、シャーリーもまた城に向かって全力で走っていた。彼女は城壁の上から狙撃され、ヒットポイントを半分失いながらも、どうにか城門内に飛び込み、命を繋ぐことに成功した。

シャーリーは城門を駆け抜け、ブーツの音に気をつけながら慎重に行動し、救急治療キットでヒットポイントを回復した。一方、レンとフカ次郎は大地の崩壊した光景を見下ろし、フカ次郎が「絶景かな!」と歓声を上げたが、レンは高所恐怖症で後退した。

エムはチームのメンバーに警戒を促し、次の行動に移ることを決意した。レンはピトフーイの死を心の中で悼みつつ、P90を握りしめて前進する決意を新たにした。

エムは、50メートルのトンネルを進む中、ボスに他のメンバーからの連絡がないことを確認していた。ターニャが城の高い場所にいて、ソフィーやローザ、トーマは敵の近くにいるため、返事をする余裕がない状況であった。レンは後方を警戒しながら進み、フカ次郎と共に慎重に行動していた。

クラレンスは塔の上にいたが、狙撃されて重傷を負った。敵は隣の塔から自動式の狙撃銃でクラレンスを攻撃していた。クラレンスは伏せて回復を図り、塔の螺旋階段を登ってくる敵を撃退することができると述べたが、仲間と合流するための援助を求めた。エムは彼の要請に応じ、他のメンバーと合流しようとした。

さらに、ピトフーイが狙撃されて倒れたことが確認され、その狙撃手がシャーリーである可能性が高いとエムが推測した。クラレンスはシャーリーの活躍を称賛し、シャーリーと合流したいと願っていた。エムはその要望に応えつつ、チーム全体の行動を統率していた。

クラレンスとターニャがいる塔の隣には、チームMMTMのラックスが陣取っていた。彼は最新の高価な自動式狙撃銃FD338を使用し、隣の尖塔にいたLPFMとSHINCのメンバーを狙撃したが、仕留めることができなかった。ラックスはその報告をチームリーダーのデヴィッドに行い、共闘しているZEMALのメンバーを支援するよう指示された。

その一方で、エム達はトンネルを進み、城内に入る準備を進めていた。しかし、14時10分にソフィーから緊急の連絡が入り、城内ではサテライト・スキャンが無効化される特殊ルールが追加されたことが判明した。代わりに、城壁内の50メートル以内にいるキャラクターの名前と距離が視界に表示されるシステムとなった。この状況にエムは急いで退却したが、すでに自分たちの位置は露呈してしまっていた。

エムの位置が一瞬だけ表示され、それを確認した敵プレイヤーたちは、エムとピンクのチビ(レン)を狙おうと決意した。エムはトンネル内に戻り、チームメイトに謝罪したが、タイミングの悪さが原因であった。ソフィー、ローザ、トーマの三人は無事だったが、彼らは城壁の反対側に位置していた。

ソフィーとローザは、共にマシンガンを持つ火力担当で、トーマはスナイパーであった。三人はそれぞれのフィールドから無事に城に到着したが、ランクルを降りた瞬間、敵に位置を知られ、激しい銃撃を受けた。三人は一旦撤退しようとしたが、大地が崩れ逃げ場を失った。

しかし、トーマは装備を解除し、三人で反撃を準備した。敵プレイヤーたちは、三人が崖から落ちたと勘違いし、追撃を止めたが、実際には三人は城壁にしがみついて生き延びていた。

SHINCのメンバーであるソフィー、ローザ、トーマは、装備を一時解除し、迷彩服だけの姿で城壁を登り、敵に気づかれずにトンネルに戻った。そこで二人の男を背後から無音で襲い、彼らを3000メートルの断崖から突き落とした。男たちは落下中に生存していたが、【Dead】タグは表示されず、最後まで生きていることが判明した。

一方、ボスからの命令を受けた三人は、再び装備を身につけ、敵がいる町中へ進む決意をした。同時にデヴィッドは、敵の位置が50メートル以内でカーソル表示されるルールに気づき、ビービーとともにレンの動向を利用する作戦を練った。彼らはレンを敵に押し付け、その間に城の中央に向かう計画を立てた。

ビービーは、迷路が崩れると予測し、その前に城の中央へ移動するべきだとデヴィッドに提案した。彼女の予測にデヴィッドは同意し、崩壊が迫る前に行動することを決めた。

ケンタはデヴィッドから、レンの存在を敵に知らせて追い込むよう命じられた。特に、レンに気づいていないプレイヤーたちに、1億クレジットを狙うように唆すよう指示された。ケンタは、正々堂々としたMMTMの戦闘スタイルからはかけ離れたこの斬新な作戦に驚いたが、面白そうだと感じ、快く承諾した。そして、ケンタはカスタムされたG36Kを手に、走り出す準備を整えた。

第十一章  「城内戦」

14時14分、エムとその仲間たちは城の迷路に突入した。エム、ボス、アンナ、フカ次郎、レンの5人は、敵に見つかる前に行動することを選び、城の中央を目指して進んだ。迷路は広大で複雑であり、方位の表示はあるものの、ルートは不明であった。

進むうちに、レンたちは敵のカーソルが表示され、彼らの近くにいることを確認した。敵との距離は20メートルほどで、非常に接近していたが、迷路の壁が遮り直接の視界には入らなかった。

エムは無言で迷路を突き進み、仲間たちもそれに続いた。レンはこの迷路が「カーソルを頼りに進むゲーム」であることに気づき、敵と戦わず逃げることができることを理解した。

進んでいるうちに、レンは新たな敵のカーソルを確認し、またも敵が近づいていることを知った。しかし、迷路の複雑さと透明なバリアにより、攻撃が制限されていることが判明した。フカ次郎はグレネードランチャーを使おうとしたが、エムはそれを止め、安全な距離が確保できない場合、爆発が発生しない可能性を示唆した。

最終的に、彼らは迷路を進みながら慎重に行動し、無駄な戦闘を避けることを選んだ。

シャーリーは城門近くで、迷路に設置された見えない天井に気づき、下から上への狙撃が不可能であることを理解した。スナイパーとしての能力を活かせない迷路での戦いを避けるべく、彼女は慎重に行動する必要があったが、最適な武器がなく、迷路に突入することに不安を抱いていた。

一方、別の場所でムラチという新参プレイヤーが、ケンタからの情報を受け取っていた。ケンタはムラチに、ピンクのチビであるレンが南側にいることを伝え、1億クレジットの賞金首であるレンを倒すチャンスを提示した。ムラチはその報酬に心を奪われ、ケンタの言葉に従って、レンを追いかけるために意気揚々と迷路を進むことを決意した。

ケンタはムラチの反応を見て、自分の策が成功したことに満足し、次のターゲットを探し始めた。

14時17分、レン達がトンネルを抜けて約3分が経過した時点で、敵との接触はなく、戦闘もまだ起こっていなかった。彼らはこれまでに10人の敵のカーソルを確認していたが、複雑な迷路のため、敵もなかなか近づけない様子であった。迷路内では、上空からの狙撃やグレネード攻撃もないため、比較的安全に進んでいた。

レン達はエムを先頭に、中央のクリスマスケーキのような土台に向かって進んでいたが、途中で迷路の行き止まりにぶつかることがあった。ボスとアンナは弾薬を目印にして道を記録し、エムの地理感覚を頼りに進行していた。

途中、フカ次郎の警戒音と共に、新たな敵カーソルが連続して出現し、その数と距離が急激に縮まってきた。これにより緊張が高まり、特にフカ次郎が冗談を交えながらも危機感を露わにし、ボスとアンナもその状況を深刻に捉えていた。レンは静かにエムの指示を待っていたが、エムは無言で、緊張が一層高まっていった。

14時19分過ぎ、レンたちはついに迷路内で敵に完全に囲まれる状況に追い込まれた。レンの位置が明らかになったことで、多くのプレイヤーが彼を狙って集まってきた。彼らは「100万円」を目指し、臨時のチームを結成していた。MMTMやSHINCのメンバーは含まれていなかったが、他のプレイヤーたちは南側に集結し、迷路の中でレンたちを追い詰めていた。

デヴィッドは、仲間のケンタの報告を受け、南側に敵が集中していることを確認し、自分たちも行動を開始した。一方、ソフィーたちSHINCのメンバーは、敵がレンたちを狙っていることに気づき、自分たちは中央を目指すよう指示された。

14時20分、レンたちは立ち止まり、サテライト・スキャン端末に届いた追加情報を確認した。それは「14時30分に城の外側が崩れ、中央だけが残る」というものだった。これにより、残された時間は10分弱であり、全員が急いで中央に向かう必要が生じた。フカ次郎は怒りを露わにし、レンたちも緊張を高めた。

一方、敵プレイヤーたちも同様に焦り、レンを追いかけるか、城の中央に急ぐかで迷い始めていた。

14時20分過ぎ、レンたちのチームは迷路内で敵に囲まれた状況に直面していた。敵は100万円の賞金を目指し、迷路内でのレン追撃を優先していた。彼らの中には城の中央に向かうよりも、レンを倒して報酬を手に入れることを選ぶ者が多かった。

レンたちのチームは慎重に行動しつつ、敵の包囲網を突破するために進んでいたが、敵が急に接近してきたことで状況が緊迫した。エムが先頭に立ち、ボスとアンナが左右を警戒しつつ進む中、突然、敵が突進してきた。敵は手榴弾を抱えて自爆攻撃を試みたが、エムの冷静な対応により、敵の足を撃ち、転倒させた。結果として、敵は手榴弾を爆発させたが、レンたちに被害を与えることはできなかった。

レンたちは、この自爆特攻に驚かされつつも、無事に次の行動を考えながら進んでいた。エムは状況を見極め、敵のさらなる接近がないことを確認し、チーム全員が少しの安堵を得た。

14時22分、レンたちはエムからの指示を受け、次の行動に移った。敵が周囲に集まりつつあり、彼らは何とかして包囲を突破しようと策を練っていた。敵は100万円の賞金首であるレンを狙い、周囲を囲む作戦に出ていた。エムたちは、レンを中央に送り込むために、自らは支援に回ると決意したが、状況は厳しく、エム自身も最善策を見つけられない様子であった。

フカ次郎がふと「透明バリアを人が通り抜けられるか」とのアイデアを出し、それを試すことに決めた。エムが大きな狙撃銃を使ってフカ次郎を壁の上へ投げると、彼は無事に迷路の壁の上に着地した。これにより、透明バリアは人間には影響がないことが判明し、レンも同じ方法で壁の上に上がることができた。

壁の上からは迷路を一望でき、レンとフカ次郎は中央を目指すことが可能になった。エムやボス、アンナは後方支援を続けることになり、レンとフカ次郎は敵の攻撃を避けつつ、城の中央へ向かって進むことを決意した。時間は14時24分30秒、彼らは急ぎつつも慎重に進んでいった。

第十二章  「ラストバトルを私達に」

レンが壁の上を走っていることに気づいた一部の男達は、焦りつつもレンを撃ち落とそうと試みたが、透明バリアによってすべての銃弾が無効化された。フカ次郎が塀の上を走りながら挑発する中、男たちはレンを捕まえるための策を練り始め、組体操のように協力して壁を登ることを決めた。

数人が協力し、ついに二人が壁の上に登ることに成功したが、そこで予想外の裏切りが起きた。壁の上に登った男の一人が手榴弾を持ち、下にいる仲間たちにそれを落としたのだ。結果、残った男たちは爆発によって消え去り、壁の上には裏切りを果たした二人だけが生き残った。

この二人は実は知り合いであり、賞金を折半することを約束しながら、過去の出来事を皮肉交じりに語り合っていた。彼らは狡猾な手段で他者を出し抜き、状況を有利に進めようとしていた。

レンとフカ次郎は、迷路の上を走りながら下からの銃撃を受けていたが、透明バリアによって守られていた。狙撃手たちが壁の上から攻撃を仕掛けてくる中、フカ次郎はグレネードで応戦したが、敵はうまく身を隠し被害を逃れた。レンとフカ次郎は逃げ続けるが、敵も執拗に追いかけ、レンたちを狙い続けた。

その最中、シャーリーが城壁の上から狙撃手を撃ち倒し、レンたちを助けた。シャーリーは城内での戦いに勝ち目がないと判断し、危険を承知で城壁を登っていたのだ。シャーリーの援護のおかげで、レンとフカ次郎は再び前進を続け、城中央を目指した。

一方、ラックスはレンを狙える絶好の位置にいたが、デヴィッドの指示により射撃を見送った。彼はチームとしての勝利を優先し、慎重に動くことを決めた。

レン達が壁の上を走り始めた後、エム、ボス、アンナも行動を開始した。レンが敵を引きつけている間に、三人は迷路を進んだ。エムはマシンガンを使い、ボスとアンナが盾を構えた。途中で出会った敵三人は、エムの銃撃によって即座に排除された。

時間は14時27分に近づき、崩壊まで残り3分となった。迷路内でさまよい、中央に到達できなかったプレイヤーもいれば、無事に中央の入口に到達した者もいた。デヴィッドとビービーも中央に到達し、警戒しながら進んだ。

一方、レンとフカ次郎も迷路を進み、中央の巨大な壁の前にたどり着いた。壁の高さは5メートルあり、どうやって降りるかを悩んでいたところ、下から敵二人が現れた。二人はレン達に挑発を投げかけながら近づいてきたが、レンとフカ次郎は彼らに飛び降り、その勢いで敵を倒した。

レンは敵の目にナイフを刺し、フカ次郎は拳銃で相手を撃ち倒した。この戦いぶりを見ていた酒場の観客は、その手際に感嘆した。

レンとフカ次郎は、敵を倒した後、崩壊が始まるまでの時間が差し迫っていることに気づいた。エムたちは遅れているが、フカ次郎は「大丈夫」と言い、レンたちは中央の穴に向かって進む決断をした。エムたちは迷路の中で敵に阻まれ苦戦していたが、エムは自らを犠牲にして道を切り開き、ボスとアンナを救った。

レンとフカ次郎が中央の塔に到達すると、クラレンスと再会し、転送によって仲間が次々に合流した。だが、エムはすでに死亡しており、彼の犠牲によってボスたちはここに到達できた。

その後、彼らは塔の頂上で狙撃を受け、ソフィーが死亡する。ボスはソフィーの死体を盾にして攻撃を防ぎ、スナイパーに対抗するためにトーマとアンナが応戦した。ターニャは下に降りて敵と対峙し、レンとフカ次郎は生き延びるために行動を開始した。

ボスの言葉とエムの最後の願いを胸に、レンたちは次の戦いに備えて進むことを決意した。しかし、フカ次郎は冗談交じりに「最後にはレンを撃って賞金を得る」と言い、レンはその言葉に一抹の不安を覚えた。

レンたちは、ピトフーイとエムを失い、チームの戦力が大幅に減少したが、戦いを止めるわけにはいかなかった。レンは強い決意を持って、再び塔の下部を確保するために行動を開始した。

塔の螺旋階段を急いで降りている途中で、シャーリーが転送されてきた。彼女が仲間に加わり、さらにレンたちの通信が回復したことで、状況は少し好転したように見えた。レンはシャーリーとの協力を確認しつつ、塔の出口へと向かった。塔の下で待ち構えているのは城の中央に続く広大なバトルフィールドであり、レンとターニャはその場に出る準備を整えた。

しかし、出口に飛び出した瞬間、ターニャは突然レンを押し戻し、彼女自身が敵の銃弾を受けてしまった。ターニャはその場で蜂の巣にされ、レンは急いで塔内に戻ることを余儀なくされた。銃弾の嵐にさらされながらも、レンはなんとか階段の上に避難したが、塔の外に出ることは不可能だと悟った。敵に完全に包囲され、逃げ場のない状況に陥ったのである。

ボスは、仲間のターニャの死を確認した。彼女は、レンを守るために敵に突き飛ばし、自ら犠牲となって射殺された。ボスはその瞬間、敵の狙撃手ラックスに狙われ、自らも負傷してしまったが、敵の攻撃を避けながら必死に耐え続けた。

一方、ラックスは、デヴィッドの指示のもと、塔にいるレンたちを徹底的に封じ込めるために、狙撃を続けていた。彼の目的は、レンたちが外に出てくるのを防ぐことであり、チーム全体で塔を包囲し、圧力をかけ続けた。ラックスは、途中で腕を失うという重傷を負ったものの、なおも片手で狙撃を続け、敵への反撃を行った。しかし、最終的にシャーリーの炸裂弾によって頭部を撃ち抜かれ、ついに倒れた。

シャーリーは、ロープを使って塔の外壁にぶら下がりながら、アクロバティックな体勢から正確な狙撃を成功させた。その後、彼女は仲間たちに引き上げられたが、戦闘中に自らも負傷していたことに気付いた。クラレンスと共に、彼女は応急処置を行い、次の戦闘に備えることとなった。

デヴィッドは、ラックスの戦死をステータスバーで確認し、仲間に報告した。彼とケンタ、ジェイク、ボルド、サモンの5人は、塔の入口を警戒しつつ、バリケードの後ろに広がりながら射撃の準備を整えていた。ジェイクはマシンガンを構えて塔の入口を狙い、ターニャを撃ち倒した弾も彼が放ったものであった。デヴィッドは、塔の上からの攻撃も警戒するよう指示を出しつつ、ビービーと通信を取り、彼女に対してレンたちを閉じ込めたことを伝え、早急に応援に来るよう依頼した。ビービーは、周囲を「説得」しながら速やかに向かうと答えた。

第十三章  「塔攻防戦」

観客たちは、酒場で画面越しにZEMALチームの強力な攻撃を目撃していた。彼らはビービーの指揮のもと、南東部で敵を次々と倒して進撃していった。特にヒューイは、M240Bマシンガンを使い、敵を圧倒的な火力で撃破していた。マックスとビービーも、協力してT-Sチームのメンバーを銃撃し、彼を降参に追い込んだ。降参したT-Sメンバーの退場後、ビービーは仲間を募るために拡声器を使い、周囲のプレイヤーに呼びかけていた。観客たちは、その行動に注目し、彼女がピンクのチビ、つまりレンを倒すための協力を求めているのだと理解した。

ビービーは、塔に閉じ込められたレンとフカ次郎を倒すための協力者を募り、そのために賞金を譲ると繰り返し呼びかけていた。これを聞いた複数のプレイヤーが、彼女の提案に乗り、銃を構えずに接近してきた。ビービーは彼らに北の塔へ行くよう指示し、塔の周囲を包囲するよう命じた。レンは塔から出られない状態であり、少しでも動きを見せれば狙撃される状況に追い込まれていた。ボスは、塔から迎撃する作戦に変更し、レンもそれに従うことを決意した。

一方、ビービーとZEMALはフカ次郎を倒すことを主な目標としており、そのために他のプレイヤーを誘導しながら、レンたちの塔に向かっていた。デヴィッドもこの作戦に同意し、レンたちの弾薬や戦力を削るためにZEMALの協力を利用しつつ、最終的にはZEMALを倒すことを考えていた。

14時35分、酒場で観戦していた男たちは、レンたちが塔から出られずに立てこもっている様子を確認していた。レンのチームは周囲への攻撃を控えており、残弾を節約しているのではないかと推測された。MMTMのメンバーも遠巻きにレンたちを包囲していたが、積極的な攻撃は行っていなかった。この状況は、デヴィッドとビービーが密かに結託しているためだと考えられていた。

一方、ZEMALはフィールドの中央を進撃し、他の生き残りプレイヤーをレンの塔へ向かわせようとしていた。マシンガンの銃声が時折響いたが、それは話を聞かない者たちを排除するためのものだった。運営によって生存者の位置が示されたマップが表示され、生存者たちが北へ集結していることが明らかになった。レンたちは塔に立てこもり、他のチームが潰し合うのを待っていたが、周囲の敵も同様に静観していた。

その後、デヴィッドはレンを倒すために金目当てのプレイヤーたちに優しく呼びかけ、塔の攻略を彼らに任せた。プレイヤーたちは、レンの塔に向かって進んでいったが、その中には決意を秘めた男もいた。彼は、デヴィッドやビービーの思惑を理解しつつも、優勝を諦め、せめて一矢報いるために行動していた。

塔の最上部にいるボスたちは、全ての敵に囲まれた状況を把握しており、シャーリーが新たな作戦を提案した。シャーリーはレンに戻るよう指示し、フカ次郎から武器を受け取るよう命じた。これにより、ピトフーイのチームらしい戦い方を実行しようとした。ボスはシャーリーの作戦内容を理解していなかったが、信頼して作戦を任せた。

レンが全速力で塔の螺旋階段を駆け上がっている一方で、ビービーとデヴィッドは300メートル離れた場所で再会していた。ビービーは、レンを塔に閉じ込め、二十人の男たちを支援するための攻撃を準備していた。ビービーは、男たちが塔に向かう間、彼らの背後から支援射撃を行い、レンたちの動きを封じる計画を立てていた。

その一方で、残された二十人の男たちは、賞金目当てで塔へ向かっていた。彼らはチームとしての統率もなく、連携も取れない状態で、ただ数の力で押し込むしかなかった。彼らは悲壮感を漂わせながら、少しずつ塔へと接近していった。

酒場の観客たちはこの様子を見ながら、塔を攻撃する男たちが成功するかどうかを賭けて予想大会を始めた。ある者は、塔の連中が人数で押されて不利になると予想し、多数の力が有利になるだろうと述べた。しかし、別の観客は、塔を攻撃する男たちは全滅すると予想し、過去の経験から、接近するチームが成功しない理由を主張していた。

レンたちが塔の上で防衛する中、接近するチームは人数こそ多いが、統率の取れたチームではなく、相互に連携が取れない状態であった。

14時43分、ビービーの指示で戦闘が開始された。ヒューイがマシンガンを使用し、塔の最上部に向かって遠距離射撃を行い、二十人の男たちは塔に向けて突撃を開始した。彼らは、1億クレジットを手に入れることを目指し、全力で塔へと向かっていった。

一方、塔内のレンたちは螺旋階段に避難していた。最上部はヒューイの射撃による跳弾が危険なため、全員が塔の内部に移動し、反撃の準備を整えていた。シャーリーの指示に従い、塔の守備隊は一斉に攻撃を開始した。塔の入口に迫る敵に向けて、レンや他のメンバーが火力を集中させた。

突撃してきた男たちは次々に撃たれ、次第に全滅していった。彼らは完全に塔の守備隊にとって格好の標的となり、バリケードに隠れた者も追い出されて狙撃された。デヴィッドはビービーの戦略を回想し、20人を突入させて彼らを早く全滅させることで、彼自身の生き残りが確実になることを理解したのである。

塔を守るレンたちの銃撃作戦は効果的であり、敵は一斉に倒されていった。

ビービーが合図し、戦闘が始まった。ヒューイがマシンガンを固定し、塔の最上部に射撃を続けたことで、敵が反撃できない状況を作り出した。その隙に二十人の男たちは塔に向けて突撃したが、塔の側面に開けられた小さな穴からの銃撃に次々と倒されていった。

レンは、フカ次郎から受け取った光剣で塔にいくつもの銃眼を作り、そこから安全に射撃を行った。塔まであと少しの距離に迫った者たちは、激しい反撃を受けて次々と倒され、残りの数人は逃げ出した。しかし、MMTMの待ち伏せに遭い、逃げる途中で撃たれて全滅した。

デヴィッドは仲間たちと連携し、塔付近の敵を全滅させたことを確認した後、ビービーに支援射撃の終了を報告した。ビービーは、これからSJ5の最終決戦が始まると告げ、仲間たちに敵討ちを命じ、思う存分マシンガンを撃ちまくるように指示した。

14時45分過ぎ、シャーリーは静かになった塔の中で、凌ぎ切ったことを確認した。彼女は塔の中で敵を監視し、ボスと共に仲間たちへ指示を送っていた。ボスはシャーリーの作戦を称賛したが、シャーリーはリーダーの役割をボスに譲ると宣言した。

レンたちは塔の中でフカ次郎の提案を受け、立て籠もるしかない状況にあったが、シャーリーは今後の戦闘に対する悲観的な見解を示した。彼女は、敵がより強力な武器を持って襲いかかってくるだろうと予測し、塔ごと倒される危険を感じていた。ボスは血路を開こうとするが、シャーリーはフィールドが狭いため、それも難しいと指摘した。

このままでは勝機がないと感じたレンは、フカ次郎のアイデアに一縷の望みを見出し、ロープを使って新たな戦略を思いついた。フカ次郎の冗談のような提案をきっかけに、レンは新たな突破口を見つけようとしていた。

14時45分過ぎ、ビービー率いるZEMALの一行がデヴィッドの近くに現れ、塔に立て籠もる敵に対して最後の仕上げを行おうとしていた。彼らは300メートルほど離れたバリケードの裏で合流し、デヴィッドはボルドと武器の交換を開始した。ボルドが持ってきたのは対戦車ロケット《RPG-7》であり、その威力と価格の高さにビービーも驚きつつ認めた。

一方、ビービーはZEMALのメンバーに「ビッグ・ママ」を召喚するよう指示した。彼らは手際よく組み立てを進め、完成したのは《M2重機関銃》。この強力な武器を用い、塔に立て籠もる相手に対して圧倒的な火力を発揮しようとしていた。

デヴィッドはZEMALがこの選択をした背景に驚きながらも、ビービーの知略を称賛した。彼女はある小説を参考にしたことを明かし、重機関銃を分担して運ぶ戦略が生まれた経緯を説明した。ビービーはシノハラやトムトムの戦死を悔やんでいたが、それが武装運搬の問題だけではなく、仲間への愛情から来ていることをデヴィッドも理解していた。

そして、彼らはかつての仲間を倒すために動き出した。

「M2重機関銃が登場したことで、酒場の男達はさらに興奮していた。彼らはガンマニアであり、その巨大な武器に魅了されていた。ZEMALのメンバーが、この強力な兵器を使って塔を攻撃しようとしているのを見て、彼らは驚きつつもその戦略を理解した。デヴィッドはRPG-7を装備し、チームはそれぞれ役割を分担しながら慎重に行動していた。

男達は、塔を破壊し、中の敵もろとも壊滅させる計画が進行中であることに気付き、これが最善の策であると認めざるを得なかった。一方で、螺旋階段の下でレンはフカ次郎と光剣を交換し、反撃の準備を進めていた。シャーリーもロープを手にし、次の動きに備えていた。」

第十四章  「ゴースト/スクワッド・ジャムの幻」

14時53分、SJ5で生き残っていたのは18人であった。LPFMチームからはレン、フカ次郎、クラレンス、シャーリーの4人、SHINCチームからはボス、アンナ、トーマ、ローザの4人、ZEMALチームからはビービー、ヒューイ、ピーター、マックスの4人、MMTMチームはデヴィッド、ジェイク、ケンタ、ボルド、サモンの5人、そしてBOKRの一人である。

ビービーの合図でヒューイがM2重機関銃を発射し、塔への全力射撃が始まった。塔は損傷を受け、あちこちに大きな穴が開いたが、完全に倒壊することはなかった。ZEMALとMMTMは塔に迫り、レン達がまだ生存しているか確認するためにさらに攻撃を続けた。

一方、レンたちは塔の崩壊を避けるため、事前にロープを使って塔の外壁にぶら下がるという大胆な作戦を実行していた。フカ次郎のグレネードランチャーによる反撃が始まり、塔の基部に結んだロープにぶら下がったまま、レンたちはギリギリで生き延びることに成功した。

この作戦は、フカ次郎の提案からヒントを得たもので、幸運にも塔の崩壊に巻き込まれずに済んだのであった。

デヴィッドは、フカ次郎が放ったグレネードの発射音と、周囲に迫る弾道の恐ろしい破壊力にすぐさま気づいた。グレネード弾が垂直に発射され、自分たちの上空から落下してくることを認識し、デヴィッドは「逃げるな!撃ち落とせ!」と命じた。ビービーも「空を薙ぎ払え」と命じ、ZEMALとMMTMのメンバーたちは一斉に空へ向けて銃撃を開始した。

プラズマ・グレネード弾が次々と空中で誘爆し、蒼い光が広がって爆発が連鎖していった。その結果、爆発による衝撃波がデヴィッドたちに襲いかかり、彼らを地面に叩きつけた。デヴィッドやビービーたちは後方に吹き飛ばされ、一瞬で状況が混乱した。

一方、レンたちもプラズマ・グレネードの撃ち落としに気づき、計画の失敗を悟ったが、彼女たちはすでにロープで城の側面にぶら下がっており、辛うじて生き残っていた。レンたちは必死にロープをたぐり寄せ、絶壁を登ろうとしていた。

この計画の裏には、ローザの犠牲があった。彼女は、敵の攻撃を引きつけるために最上部で目立って行動し、デヴィッドにRPG-7を撃たせる役割を果たしたのだった。ローザの死によって塔の崩壊を遅らせ、その間にレンたちはロープを準備し、脱出に成功していた。

ボスはローザの犠牲を無駄にしないため、アンナやトーマと共に懸命にロープをたぐり、登り続けた。しかし、レンが先頭に立って登り切ろうとした瞬間、爆風に襲われて彼女の体は後方へと吹き飛ばされた。

フカ次郎が撃った12発のプラズマ・グレネード弾は、全て空中で誘爆し、敵チームを減らすことなく大きな花火のような効果しか残さなかった。フカ次郎の腕前が良すぎたため、弾が散らずに集中し、誘爆を引き起こしてしまったのが原因であった。これにより、敵を倒すことはできなかった。

デヴィッドやMMTMのメンバーは、爆風で吹き飛ばされたが無事であった。ケンタだけが少しダメージを受けたが、回復キットを使用して回復を開始した。ビービーは仲間たちにマシンガンを撃ちながら前進を指示し、ZEMALのメンバーも敵に向けて射撃を続けた。

一方、レンは逆さにぶら下がった状態で爆風に巻き込まれ、再び登ることを決意した。彼女は仲間たちと共に瓦礫の山を登り、敵と戦おうとしたが、ボスが肩を撃たれてしまい、アンナやトーマも負傷した。手榴弾は誤って落ち、シャーリーに直撃し、彼女は死亡した。

クラレンスも奮闘し、敵に撃たれながらもボルドにダメージを与えたが、最終的に倒れた。レンはクラレンスの死を無駄にしないため、再び戦おうとしたが、愛銃のP90を失ってしまった。彼女は決意を新たにし、デカネードを手にして敵陣に突っ込もうとしたが、敵の銃弾に撃たれてしまい、計画が中断された。

デヴィッドは、遠くからレンが飛び出した瞬間をスコープ越しに目撃し、レンの左肩を撃ち抜いたビービーの腕前に感嘆していた。ビービーはイギリス製の《L86 A2 LSW》という珍しい軽機関銃を使用しており、その高い射撃精度でレンを転ばせたものの、致命傷には至らなかった。デヴィッドは仲間に警告を発し、レンがデカネードを持っているため、決して逃がしてはならないと伝えた。

ビービーはこの軽機関銃を、分隊支援火器として使いながら、敵を確実に狙い撃つ能力を発揮していた。デヴィッドは彼女の選んだ銃器に感嘆し、その腕前にさらに魅了された。しかし、彼はこの戦闘が終わった後にビービーをお茶に誘うという軽い会話を試みたが、ビービーはその誘いに対して冷静に応じ、戦闘後に考えると言っていた。

その時点で、レンはまだ生きており、デヴィッドはナンパに気を取られている場合ではないと自覚し、戦いに集中することにした。

レンは肩を撃たれ、ヒットポイントが大幅に減少し、バックパックを枕にして仰向けに倒れていた。回復を試みたが、彼女は絶望的な状況に追い込まれた。敵からの銃撃が続く中、彼女はこれまでの戦いを思い返し、ピトフーイやエムの顔を思い浮かべた。すると、幽霊のように現れた彼らの姿が、レンや仲間たちの前に浮かび上がってきた。彼らはまるで生き返ったかのようにフィールドに現れ、その後、特別なルール「ゴーストルール」が公開された。

このルールにより、戦死したプレイヤーが「ゴースト」として復活し、フィールドで再び行動できることが明かされた。ゴーストは、生者と異なり、攻撃を与えることができないが、フィールド上を探索して経験値やクレジットを獲得することができる。ゴーストは実体を持ち、フィールド上を自由に移動できるが、生者には干渉できないなど、いくつかの制約が課されていた。この新しいルールにより、戦死者が再びゲームに参加し、戦いはさらに複雑な展開を見せることとなった。

シャーリーとクラレンスは、待機所で会話をしていた。ゴーストとしてフィールドに戻るかどうか迷っていたが、クラレンスは「もう8分しかないし、戦闘が終わる前にすべてが終わる」として特に急いではいなかった。彼らは戦闘に戻るよりも、ゴーストに関連する食事メニューについて話し始め、シャーリーは「特別にリアルの話をしてやる」と言いながらも、二人はのんびりと待機所で過ごしていた。

その一方で、フィールドに残っているレンとフカ次郎はまだ戦いに集中していた。レンはゴーストルールの存在を知って興奮し、フカ次郎に対して「とにかく右太と左子をぶっ放せ!」と指示を出した。フカ次郎はそれに応じ、再びグレネードを発射した。敵であるデヴィッドと彼のチームは、これが通常弾であることを確認し、適切な距離を保ちながら回避した。

デヴィッドは作戦を立て、レンたちを全滅させてフカ次郎を生き残らせ、敵に向かわせる計画を考えたが、その中にはビービーに対する感情も含まれていた。彼の部下たちはデヴィッドの計画に従い、彼の下心にも気づきつつ、戦略を進めた。

一方で、ゴーストになったプレイヤーたちは、生者に影響を与えることはできなかったが、その姿や行動が戦場の緊張感を高めていた。

レンはデカネードの爆発によって、敵チームのMMTMを全滅させたことに喜びを感じた。爆風でバリケードが吹き飛び、平らな地面が広がり、【Dead】のタグが五つ散らばっているのを確認した。レンはボスに無事か確認し、ボスから「ZEMALは引いた」という報告を受け、ホッとした。フカ次郎の蹴り技で、デカネードがデヴィッドへパスされたことが分かり、レンはフカ次郎を称賛した。フカ次郎は別のアカウントでスポーツゲームを楽しんでいることを冗談交じりに語った。

一方、ピトフーイはゴースト待機所で他の死者たちに対して、レンを支援することで賞金を誰かに奪われないようにすることを提案した。その提案に多くのプレイヤーが賛同し、ゴーストとしてフィールドに戻ってきた。

ラックスはゴーストたちに襲われ、銃撃され続けた。彼はゴーストたちの攻撃に耐えながらも、ついに昇天した。ZEMALのメンバーはビービーによって警告を受け、なんとか危険から逃れたが、MMTMのチームを救うことはできなかった。

レン達は、MMTMを倒し、ようやく一息をつけた。戦いは10分近く続き、時刻は15時になっていた。レンはフルダイブに慣れており、疲労感は少なかったものの、戦いが終わった後に頭痛がくるかもしれないと感じていた。レンはフカ次郎の装備を調整し、次に備えていたが、プラズマ・グレネードは回復していなかった。ボスはZEMALに対して進撃を提案したが、レンは一緒に戦うことを求めた。

レン達はZEMALとの火力勝負に不安を感じていたが、フカ次郎を切り札にして攻撃を仕掛ける作戦を立てた。しかし、その間にゴーストたちが集まり、レン達をサポートしようとしていた。ゴーストたちの数は増え、約80人が集まっていた。レンは彼らのサポートに感謝しつつ、集中して戦略を考えることにした。

一方で、ZEMALのトムトムとシノハラは、ゴーストたちを集め、レン達と戦うための作戦を立てていた。彼らはゴーストたちにピンクのチビであるレンとその連合チームを倒すことを提案し、多くのゴーストが賛同した。実況プレイヤーのセインもゴーストとして参加し、戦いの実況を始めたが、実はレンに対して多少の恨みを抱いていたようであった。

15時5分、両チームの作戦が決まり、戦いが動き出した。レン達側のゴースト約80人が、ピトフーイを先頭に南側の敵ゴースト軍団に向かって突撃した。ピトフーイは光剣を掲げ、怒濤の進撃を見せた。一方、トムトムとシノハラ率いる敵ゴースト軍団約90人も、バリケードを構えて迎え撃つ準備を整え、激しい銃撃戦が予想された。

ゴーストたちは通常のプレイヤーよりもヒットポイントが10倍あり、一度の攻撃で簡単に倒れることはなかった。そのため、突撃側は多少の被弾を我慢しながら進み続け、防衛側の陣に穴を開けようとした。

防御陣の後ろには生者であるZEMALの4人が待機していた。ゴーストたちは生者に攻撃できないため、突撃側が防御陣を突破しても生者によって撥ね返される仕組みが構築されていた。この二段構えの防衛ラインが、突撃側にとって大きな壁となることが予想された。

残り50メートルの距離で、防御側が先に発砲を開始し、激しい戦闘が始まった。

ピトフーイ率いるゴースト軍がビービー軍との戦いに突撃した。両軍は激しい銃撃戦を繰り広げ、ピトフーイは光剣を使って敵陣に突入し、敵を次々と倒していった。彼女の無謀な暴れっぷりにより、防衛陣を突破したが、生者に攻撃できないゴーストたちはビービーやその仲間たちに弾き飛ばされてしまった。ピトフーイ軍のゴーストたちはビービー軍に抑え込まれ、ビービーたち生者に対する突撃は失敗した。

その後、フカ次郎とレンがゴースト軍の後方からビービーを襲撃し、ビービーを狙った。しかし、ビービーは巧妙に避け、フカ次郎の運転するPM号に乗り込み、激しい攻防が繰り広げられた。最終的に、ビービーとフカ次郎は崖の先へと突っ込み、崖から落下しながらも激しい銃撃戦を続けた。

レンは崖の手前でなんとか静止し、フカ次郎の叫びを聞きながら、ビービーとフカ次郎の運命を見守った。最終的にフカ次郎のヒットポイントが尽き、彼は昇天したが、レンはその勇敢な戦いを振り返り、フカ次郎の最後の叫びを心に刻んだ。

レンが戦いの中で疲れ切り、崖の上に座っていたところ、ヒューイとマックスというZEMALの生き残り二人が現れた。彼らはレンに感謝の意を示しつつも、戦いを続ける決意をしていたが、レンの仲間の狙撃によって倒された。レンは彼らに感謝し、疲労から座り込んでいたところに、仲間のアンナやトーマ、ボスが現れ、勝負の結末について話し合った。

レンはボスとの一騎打ちを提案し、勝ったらアンナかトーマに自分を撃ってほしいという条件を出した。しかし、突然塔から現れた自爆チームの生き残りが現れ、自爆を試みた瞬間、ボスがレンを蹴って崖から落とし、自爆から救った。レンはその恩に感謝しつつ、崖下へと落ちていった。

その直後、戦闘は終結し、『CONGRATULATIONS!! WINNER LPFM!』という勝利のメッセージが表示された。結局、誰も1億クレジットを得ることなく、SJ5は終了した。レンは落下し続ける中で、戦いの結末を考えつつ、優勝を味わうことになった。

第十五章  「争い済んで日が暮れて」

2026年9月20日、レンはピトフーイに迎えられ、前日のSJ5の優勝を祝うパーティーに参加した。場所はグロッケンの酒場で、LPFMとSHINCのメンバーが全員揃っていた。パーティーは和やかに進行し、レンはボスや他の仲間たちに助けてもらったことに感謝の意を述べた。ピトフーイの軽快なスピーチの後、乾杯が行われたが、その直後にパーティーは終わり、反省会が始まった。

反省会では主に前日のバトルについて脱線しながら語り合い、ピザを注文してさらに盛り上がった。レンはピザを食べることで現実世界での食欲に影響が出ることを気にしながらも、特別な日に少し食べることを決めた。

最も気になっていた賞金の出所について、フカ次郎は「誰でもいい」という結論を出し、それが最良の答えであると皆で納得した。レンはその答えに少し戸惑いながらも、パーティーの最後にアンチョビたっぷりのピザに手を伸ばして、楽しい一日を締めくくった。

登場人物

  1. レン
    主人公であり、ピンク色のチビキャラクターとして登場する。彼女は勇敢に戦い、最終的にはSJ5で優勝を勝ち取った。高所恐怖症だが、戦いの中で成長し、チームを率いる存在であった。
  2. ピトフーイ
    レンの仲間であり、非常にエネルギッシュで怖れを知らない女性。彼女は光剣を使って戦い、ゴースト軍を率いて突撃したが、敵に弾かれてしまった。レンの勝利を共に祝った。
  3. エム
    レンの仲間であり、チームの作戦指揮を担当した。冷静で慎重な性格であり、戦いの中で重要な役割を果たしたが、最終的には犠牲となり、レンたちが生き延びるための道を切り開いた。
  4. フカ次郎
    レンの仲間で、優れた運転技術とユーモアを持つ女性。PM号を駆使して敵と戦い、最後はビービーとともに崖から落下しながら戦い抜いた。
  5. シャーリー
    スナイパーとして活躍したレンの仲間。戦いの中で重要な狙撃を行い、レンを助けたが、最後には自らも命を落とした。
  6. クラレンス
    レンの仲間で、最後まで奮闘したが、最終的には敵に倒された。レンにとって頼れる仲間であった。
  7. ボス
    SHINCのリーダー的存在で、冷静沈着に指示を出し、チームを導いた。最終的にレンを助け、戦いを共に乗り越えた。
  8. ビービー
    敵チームZEMALのリーダー格であり、知略に長けた女性。レンたちと激しく戦い、最後にはフカ次郎と崖から落下する壮絶な戦いを繰り広げた。
  9. デヴィッド
    MMTMチームのリーダーで、冷静に戦略を練る人物。ビービーと協力しつつも、最後はレンたちに敗北した。
  10. ヒューイ
    ZEMALのメンバーで、マシンガンを使って敵を圧倒した。最終的にはレンたちに撃退された。
  11. マックス
    ZEMALのメンバーで、ヒューイと共にレンたちと戦った。最後にはレンの仲間に撃たれて倒れた。
  12. ローザ
    SHINCのメンバーで、戦闘中に犠牲となり、仲間を救うために命を賭けた。
  13. アンナ
    SHINCのメンバーであり、戦いの中で重要な役割を果たした。戦闘後もレンと共に最後の戦いに備えた。
  14. ターニャ
    SHINCのメンバーで、塔での戦いで敵に撃たれて命を落とした。
  15. ラックス
    MMTMチームのスナイパーで、敵に狙撃され倒された。
  16. ケンタ
    MMTMチームのメンバーで、レンを追い詰めようとしたが、戦いの中で倒された。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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