小説【SAO・GGO】「ガンゲイル・オンライン VI」感想・ネタバレ

小説【SAO・GGO】「ガンゲイル・オンライン VI」感想・ネタバレ

どんな本?

『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインVI ―ワン・サマ―・デイ―』は、銃撃戦をテーマにしたVRMMOゲーム「ガンゲイル・オンライン(GGO)」を舞台に、主人公レンたちが繰り広げる戦いを描いた作品である。今回の第6巻では、これまでのシリーズで行われていたPvP(プレイヤー同士の対戦)とは異なり、AIを相手にした新しいゲーム「20260816テストプレイ」が中心となっている。

物語は、レンを含むスクワッド・ジャム(SJ)の上位プレイヤーたちが、このテストプレイに招待されるところから始まる。彼らは、強力なNPC(ノンプレイヤーキャラクター)が守る「城」を攻略するというミッションに挑戦する。今まで戦ってきた敵プレイヤーたちと協力し、城を攻略するという展開が、緊張感とチームワークの重要性を際立たせている。

特に見どころは、レンの成長と彼女が戦いに対して抱く感情である。彼女は「楽しいから戦う」と言い放つが、その無邪気な言葉がNPCや他のプレイヤーに恐怖を与え、物語に独特の緊張感を生み出している。また、レンの仲間であるピトフーイやエムの戦術が、チーム全体の勝敗を左右する場面も多く、彼らの個性と戦い方が魅力的に描かれている。

『ソードアート・オンライン』シリーズのファンや、戦略性の高いゲームやチームプレイが好きな人におすすめの一冊であり、AIとの新しい戦いの中で成長するキャラクターたちの姿に引き込まれる作品である。

読んだ本のタイトル

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン
VI ―ワン・サマ―・デイ―
著者:時雨沢恵一 氏
イラスト:黒星紅白  氏
監修:川原礫 氏
イラスト:abec 氏

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あらすじ・内容

時雨沢恵一×黒星紅白による“もう一つのSAO”第6弾が登場!

第三回スクワッド・ジャムの死闘から約一ヶ月。
全国各地に散るSJプレイヤーのもとに、ある一通のメールが届く。それは、過去三度開された大会の上位入賞チームのみが参加できるという新ゲーム、“20260816テストプレイ”への招待状だった。
GGOの運営会社《ザスカー》からの依頼によって開催されるスクワッド・ジャムとは全く趣旨の異なるゲーム。そのミッションとは、最新AI搭載の敵NPCが守る“拠点”を攻略するというもので――。
SHINCと交わした再戦の約束を果たすため、消極的ながらも参加を決意したレン。彼女が目の当たりにするNPCの脅威とは。
時雨沢恵一&黒星紅白が贈る“もう一つのソードアート・オンライン”第6弾が登場!!

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインVI ―ワン・サマ―・デイ―

感想

『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインVI ―ワン・サマ―・デイ―』は、これまでの戦いとは一味違った、AIを相手にした新しいゲームが舞台である。レンたちは強化されたNPCに挑むため、これまで敵として戦ってきた他のプレイヤーたちと手を組み、協力して戦う姿が描かれている。これまでの個々の実力を競うスクワッド・ジャムとは異なり、チームの連携や戦略が鍵を握る戦いが繰り広げられた。

特に印象的であったのは、レンの戦いに対する姿勢と成長である。彼女は「楽しいから戦う」という言葉を何度も口にしていたが、その無邪気さと恐ろしさが同時に伝わってくる場面であった。この発言が敵NPCや他のプレイヤーに与えた衝撃は計り知れない。ゲームの世界におけるレンの感情は、単なるプレイヤーとしての楽しさを超え、彼女の内面にある葛藤や成長を示していた。

また、ピトフーイの大胆な作戦とエムの冷静な指示がチームをまとめ上げ、城攻略という難しいミッションを成功に導いた点も見どころであった。復活システムを駆使して、倒されても何度も立ち上がる姿は、ゲームならではの戦い方であり、彼らのチームワークが光った瞬間であった。

全体的に、普段のPvP(プレイヤー同士の対決)とは異なり、NPCとの協力プレイが中心のこの巻は、よりゲーム的な要素が強く、戦略や連携を楽しむ作品となっていた。各キャラクターの個性が際立ち、特にレンの戦いに対する姿勢が印象的な一冊である。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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ア二メ

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実況

アニプレックス チャンネル【第1回】
アニプレックス チャンネル【第2回】

OP

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ReoNa – GG Collaboration Movie「Dive into GGO」 フルバージョン

ED

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備忘録

序章 Ⅰ

ある夏の日、彼は再び戦場に戻された。そこで彼は、人生で最も重要な場所が戦場ではなく、家族が待つ日常であることに気付いた。また、最も大切な行為はギャンブルではなく、しっかりと生きることであると理解した。しかし、それに気付くのが遅れたため、彼はその戦場で死んだ。そして、その日、彼は日常へと戻ることができた。その夏の日の出来事は、彼にとって一生忘れられないものとなった。

序章 Ⅱ

2026年8月16日、レンは戦場で仲間に助けを求めたが、誰も援護してくれなかった。ピンクの装備に身を包んだレンは石壁に隠れていたが、巨大な銃弾により壁が次々と破壊されていった。仲間たちは遠くで雑談をし、援護する気配はなかった。やむを得ず、レンは飛び出したが、待ち構えていたマシンガンの連射に撃たれ、ヒットポイントがゼロになり倒れた。レンは、遠くに見える古城を見つめながら、最後を迎えた。

第一章  「いくさがはじまるまで」

2026年7月31日、咲を中心に「小比類巻香に自分たちの強さを認識させる方法」について、香の友人たちが集まり会議を開いた。女子校の新体操部のメンバーである咲やカナ、リサ、萌、ミラナ、詩織たちは、レン(香蓮)が「もっと強くなりたい」と言ったことに驚き、彼女に自分が十分に強いことを理解させるための方法を模索した。彼女たちは、ゲーム内でレンと対決し、倒すことでその強さを実感させようと計画した。会議は和やかな雰囲気で進み、最終的に「これまで通り、ライバルとして戦う」という結論に至った。

2026年7月31日、香が新体操部の友人たちとお菓子パーティーを楽しんでいる間、日本各地ではさまざまな人々がそれぞれの活動をしていた。

シンガーソングライターの神崎エルザは、東京の自宅でトレーニング中に豪志と共に腹筋を鍛えていた。豪志はエルザからパンチを受けながら、体幹を鍛えていたが、その光景はやや不健全なものだった。

一方、北海道の美優は暑さに耐えながらデートの待ち合わせをしていたが、結果的にその相手とは別れることになった。

また、ガンゲイル・オンラインのプレイヤーであるデヴィッド(志乃原修哉)は千葉県で宅配業務をしながらも、心の中でピトフーイへのリベンジを誓っていた。

さらに、静岡県伊東市の学習塾では、講師の志乃原がアルバイト女子からの好意に気付かないまま、テストの採点を終えていた。彼はGGOのメッセージを確認し、内心で喜びを感じていた。

そして、神奈川県に住む五十代の小説家は執筆に行き詰まりながらも、突然のメールに触発され、新たな活力を得た。

それぞれの場所で、それぞれの人々が自分の時間を過ごしていたのである。

2026年8月4日、香は地元の北海道に帰郷していた。友人の篠原美優とファミレスで再会し、高校時代からの馴染みの店で談笑していた。美優は最近のデートの話を熱弁し、香はVRゲームについての悩みを語った。香は「人を撃つことを楽しんでいいのか」と迷っていたが、美優はそれを「ゲームだから問題ない」と軽く受け流した。

香は新しい趣味として運転や別のゲームを考えていたが、美優は「逃げたくなっているのではないか」と指摘した。そして、香が強くなりライバルたちと向き合わなければならないことを説得した。

その後、二人のスマホに同時に通知が届き、それはガンゲイル・オンライン(GGO)からのものであった。美優は「いくさが始まるぞ」と香に告げ、新たな戦いの始まりを感じ取っていた。

2026年8月16日(日曜日)に、ガンゲイル・オンライン(GGO)で新しいゲームイベントが開催されることが告知された。このイベントは、「テストプレイ」と呼ばれ、AI操作の新型NPCの戦闘力を確認するためのテストであった。参加チームは複数の拠点を攻略し、最初に敵本陣を陥落させたチームが優勝となる。NPCは強力なAIを搭載し、進化することが特徴で、攻撃側プレイヤーは3ライフ制が採用されていた。

招待されたプレイヤーは、GGOで優秀なチームプレイヤーであり、6人フルメンバーでの参加が推奨されていた。参加者には経験値が付与され、優勝チームには豪華賞品も用意されていた。

日本中のスクワッド・ジャム(SJ)上位プレイヤー達が同時に特別なメールを受け取った。その中で、香蓮もメールを読み終えた瞬間、咲からのメッセージが即座に届いた。さらに、香蓮の友人美優も同じ内容に素早く反応し、香蓮のスマートフォンから勝手に返信しようとした。香蓮は異議を唱えたが、美優はアミュスフィアを2台所有していることを明かし、問題ないと断言した。

香蓮は、アミュスフィアを持っておらず、家族にもゲームをしていることを秘密にしていたため困惑していた。しかし、美優がその状況をすぐに解決できることを示し、香蓮は美優が「幻の彼氏」と遊ぶために購入したもう一つのアミュスフィアでプレイできることに気付いたのだった。

第二章  「戦場への招待」

8月16日、日曜日に行われたテストバトル当日、香蓮は北海道に滞在していた。お盆休みの間、家族との旅行を楽しんでいたため、GGOにログインできず、レンとしての技量を維持するための訓練もできなかった。美優の家に到着した香蓮は、GGOの装備についての作戦会議を始め、ピトフーイやエムとの再会に備えた。チーム「LPFM」は今回のテストバトルでも一緒に戦うことが決まっていた。

ピトフーイとエムは既に新しい装備を購入していたが、香蓮はピトフーイとは戦いたくないと決意していた。香蓮の目標は、SHINCチームとの再戦であり、今回はチームの拠点攻略を他のメンバーに任せ、自身は単独でボスたちを捜し出し、本気の勝負をするつもりであった。

20時、四人はGGOのレストランで集合し、光の粒子に包まれながらテストバトルの特設フィールドへと転送された。

テストプレイの開始と同時に、レンたち四人はフィールドに転送され、殺風景な平原に立っていた。レンはすぐに周囲を警戒し、戦闘準備を整えた。フィールドは広がる平原に点在する巨大な岩が特徴的で、天候は曇りで圧迫感のある空が広がっていた。エムとピトフーイも、それぞれの装備を確認し、特にピトフーイは軽量な装備を選んでいた。

レンたちはフィールドの構造やルールを確認し、中央のゴールを目指すことを決意した。今回のテストプレイでは復活システムが導入されており、三回まで死亡できるルールとなっていた。エムの指示のもと、レンが先陣を切り、チームは慎重に進軍を開始した。レンの目的は、ゴールではなく、SHINCとの真剣な勝負であったが、それはまだ仲間には伝えられていなかった。

第三章  「リスポーン」

レンは仲間とともにフィールドを進軍していた。レンは素早い動きで岩陰に隠れながら周囲を警戒し、他の仲間たちも順次移動していった。その途中、エムが敵の存在を察知し、レンたちは緊張感を持って行動を続けた。相手チームはレンが期待していたSHINCであり、レンはボスとの戦いに興奮し、接近戦での勝負を望んでいた。

エムの指示のもと、レン、ピトフーイ、エムは同時に散開しながら前進し、敵との距離を詰める作戦に出た。相手も遠距離からの攻撃を控えている様子で、接近戦を意識しているようだった。レンはボスとの戦いを望み、命を賭けた本気の勝負に臨む決意を固め、仲間たちに援護を頼んで突撃を準備していた。

香蓮(レン)は、仲間たちと岩陰を使って慎重に進み、敵であるSHINCに接近していた。エムからの指示を受け、レンは突撃の準備をしていたが、その瞬間、フカ次郎が敵の接近を知らせた。レンたちの背後からマシンガンの銃撃が始まり、敵は「全日本マシンガンラバーズ」という強敵だった。

レンたちは銃撃を避け、撤退を余儀なくされるが、逃げる途中でSHINCのボスに遭遇し、予期せぬ形で対面を果たした。SHINCも同じ敵に狙われていることが分かり、両チームは一時的に協力してマシンガン部隊を倒すことを決意した。

エムは作戦を立て、ピトフーイとターニャが自らの命を絶つことで敵を欺く計画を指示した。

香蓮(レン)たちが対峙していた敵、全日本マシンガンラバーズ(ZEMAL)は、5人の男たちからなるマシンガン愛好者のチームであった。彼らは最新のバックパック型給弾システムを手に入れ、大量の弾薬を使って無制限に撃ち続けていた。リーダーのヒューイを中心に、5人は豪快に銃を撃ちまくりながら敵に迫っていた。

エムは交渉を試みるが失敗し、ZEMALは突撃を開始した。しかし、彼らの背後から香蓮のチームメイトであるピトフーイとターニャが現れ、サプレッサー付きの銃で次々と敵を撃破。静かな銃声に紛れて、ZEMALの5人は気づかないまま全滅した。

香蓮(レン)たちは、ピトフーイとターニャの計画的な奇襲によって、全日本マシンガンラバーズ(ZEMAL)を全滅させた。エムの作戦は、ピトフーイとターニャを一度自殺させ、3分後に背後から復活させるというものであった。ZEMALは後方警戒を怠り、背後からの攻撃を受け全滅した。

レンはZEMALの成長に驚きつつも、彼らの戦術に改善の余地があることを認めた。ピトフーイも彼らの実力を称賛しながらも、さらなる進化の可能性を示唆した。

その後、ボスはレンとの戦闘を延期し、最強NPCとの戦いを優先することを提案し、アマゾネスたちと共に去った。レンたちもゴールに急ぐことを決意し、レンが先行して偵察を行うことになったが、その決断を後に後悔することになるのであった。

第四章  「悪魔の城」

レンは全力でゴール地点に向かい、途中で敵チームとの遭遇はなく、城が見えてきた。城は欧風の石造りで、城壁や尖塔がしっかりしていた。レンは仲間に状況を報告しつつ、敵の攻撃を警戒しながらさらに前進していた。

途中、城からの銃撃を受け、レンは石壁の陰に隠れるも、敵はバレット・ラインを見せずに攻撃してきた。これは通常のゲーム仕様では考えられないが、相手が「最強NPC」という設定であることを実感させた。

最終的にレンは、狙撃とマシンガンの攻撃を受けて撃破され、敵の強さに悔しさを感じつつ倒れてしまった。

レンは死亡した後、待機空間に飛ばされ、カウントダウンを待たねばならなかった。
レンは過去の行動を反省し、無謀に突撃してしまったことを悔やんだ。エムの作戦で復活し、仲間たちとの合流を果たしたレンは、城への侵入が困難であることを確認した。敵は強力で、特にバレット・ラインを表示しない凄腕のNPCに苦戦を強いられていた。

その後、エムがドローンを使用して城を偵察し、敵NPC7名の情報を取得した。敵はジェイコブ、ロイ、ロック、ケイン、ウォッカ、ハッサン、ドクという精鋭たちで、各自が強力な武器を装備していた。レンたちはこれらの情報を基に、城攻略に向けて準備を整えた。

レンは、敵の顔と武装は把握したものの、その実力については不明であった。フカ次郎がNPCの連携不足を指摘し、エムは北側からMMTMが城に接近していることを示した。MMTMは慎重に接近していたが、城門に到達した瞬間に爆発し、さらにグレネードで一掃され全滅した。

次に、SHiNCが東側から突撃したが、彼らもウォッカのマシンガン攻撃と他の敵の連携によって壊滅した。フカ次郎はその状況を冷静に捉え、ライバルチームの壊滅が有利な情報だと指摘したが、レンは悔しさを感じていた。

続いて、エムは北西からZEMALが突撃する準備をしていると知らせたが、レンはその展開に不安を抱いた。しかし、彼女が見たのは予想外の光景であった。

第五章  「全日本マシンガンラバーズの罠」

レンは、ZEMALの五人がマシンガンを使って突撃することを予想していたが、彼らは予想外に大きな板(プラカード)を抱えて登場し、英語で「我々は敵対勢力ではない。城に入れてくれ」というメッセージを掲げていた。この行動に驚いたレンたちだったが、ピトフーイは彼らが城に入り込み、油断させた後に襲撃するつもりだと推測していた。しかし、NPCがそのメッセージを理解できるはずはないとフカ次郎も指摘していた。

ZEMALが城に接近しても攻撃されることなく、逆に彼らの行動が順調に進む様子にピトフーイは焦り始めた。ピトフーイはエムの銃を借りて城壁に向けて狙撃を行い、敵を動かすことに成功したが、その反撃もあり、ZEMALはプラカードを捨てて逃げ出した。結局、ZEMALはマシンガンを使うことなく、森の中へと姿を消した。

レンたちは、ピトフーイがZEMALの行動に対して何をしようとしたのか疑問を抱いたが、ピトフーイは単なる「いたずら」だと軽く説明した。その後、エムが操作していたドローンが対物ライフルによる狙撃でプロペラを破壊され、落下したが、レンの素早い反応でドローンを救うことができた。ドローンは修理可能だったものの、予備のプロペラがなく、空中からの偵察は不可能となった。

ピトフーイは敵の強さに驚きつつも、気落ちせず「ネバーギブアップ」を新たなチームのモットーとして掲げ、エムに作戦を尋ねたが、エムは思いつかず、最終的にピトフーイは全チームを協力させるという作戦を提案した。レンたちは、まずは敵チーム「T-S」を説得しに行くことに決めた。

レンたちは、全身プロテクターを装備しヘルメットで顔を隠したT-Sチームと出会った。T-Sは以前の大会で優勝した実力者であり、代表としてエルビンが話を進めた。ピトフーイはT-Sに共闘を持ちかけ、エルビンは強力な敵NPCに対抗するため共闘を承諾したが、裏切りの可能性も明言した。

エルビンは他の参加チームについても情報を共有し、MMTMやSHINCが全滅し、ZEMALが逃げたことを確認した。ピトフーイはこれを踏まえ、レンに城へ向けて走るよう指示を出し、作戦を開始した。

レンはピトフーイからの伝令として、城周辺の各チームに共闘を呼びかけるため走り回っていた。最初にZEMALに出会い、共闘の提案を伝えたところ、マシンガナーとしての活躍を期待され、彼らは共闘を承諾した。

次にMMTMに遭遇し、リーダーのデヴィッドに提案を伝えるも、ピトフーイに対する不信感が見られたが、最終的に通信を繫ぎ共闘の意思を確認した。

さらにレンは、SHINCとも合流し、彼らにも共闘を提案。ボスは慎重ながらも、他のチームの動向を確認しながら話を聞く姿勢を示した。全チームとの共闘に向けて、ピトフーイの計画は着々と進んでいった。

第六章  「ピトフーイの突撃」

レンはピトフーイの指示を受け、各チームに共闘を呼びかけ、プレイヤーたちを集めていた。そして21時8分、彼らは城から約2キロ離れた廃屋の陰に集結し、合計27人のプレイヤーが一堂に会した。ピトフーイがリーダーとして状況を説明し、地図を使いながら城の構造や敵の配置を共有した。

城は東西南北に城門があり、すべてが瓦礫でガードされていた。ピトフーイは、敵の手動による爆薬と防御陣を説明し、慎重な攻撃が必要だと指摘した。また、ピトフーイは城を攻略するのが本当の目的ではなく、プレイヤー同士の戦いを目的としたゲームではないかと疑念を持っていたが、城を攻略する意欲を持って皆を鼓舞した。

各チームのリーダーたちはそれに同調し、城を攻略するために協力しようと決意した。最後にピトフーイは作戦を提示し、全員を巻き込む形で行動を開始する準備を整えた。

21時20分、ピトフーイの作戦説明を終え、参加者たちは次々と賛同した。まず、デヴィッドが「いいだろう。乗ってやろう」と賛同し、続いてボス、エルビン、そしてヒューイも同意した。レンは、ピトフーイの策の巧みさと彼らの決断の早さに感心しつつも、ヒューイの「弾薬セーブ」という言葉に疑問を抱いた。

ピトフーイは勢いよく演説を始め、仲間たちに協力を呼びかけた。そして、最強のNPCをただのAIではなく、人間のような相手とみなすように訴えた。レンはその言葉を聞きながら、戦いに向けた仲間たちの決意に満ちた目を確認した。

21時38分、レンは準備が整ったことをピトフーイに報告し、作戦が開始された。作戦は、縦一列に並んだ連合チームが、楯を持った先頭の兵士を中心にムカデ競走のように前進し、城へと迫るものであった。全員が銃を持ちながら進む中、敵のマシンガンや対物ライフルの攻撃を楯とプロテクターで防ぎつつ、少しずつ距離を詰めた。

アンナとトーマがスナイパーとして後方から支援し、城の塔にいる敵のスナイパーを牽制した。前進する奇数チームは、城への制圧射撃を行うマシンガナーの援護を受けつつ、少しずつ進んだ。

ピトフーイは、この作戦がうまくいくかは分からないとしながらも、敵NPCが対策を取るまでの時間が重要だと語った。全員が一丸となり、連携を保ちながら前進を続けたが、敵がどのように対応してくるかが鍵となっていた。

21時43分、レンたちはムカデ競走のような進軍を続け、城までの距離を600メートルにまで縮めていた。そのとき、城壁前に大量のスモークグレネードが発生し、城が煙に包まれて見えなくなった。これはピトフーイが予測していた敵の防御策であり、デヴィッドも煙幕による心理戦の可能性を指摘していた。

その後、ピトフーイの指示でレンが行動を開始した。彼女は全速力で北の城門へ突撃し、見事なジャンプで城門を越えた。城内に突入したレンはケインと遭遇し、激しい銃撃戦の末にケインを撃破した。

第七章  「ジェイコブ」

21時44分、レンは城への突入に成功し、ケインを倒したことを仲間に報告した。これにより、南側で進軍中の仲間たちは士気が上がり、ターニャとケンタも無事に城内に侵入したことを伝えた。ピトフーイの作戦は大胆かつリスクの高いもので、南側での強引な進軍と、北側からのレンたちの突撃が鍵となっていた。

南側のチームが敵の注意を引きつけた隙に、レンたちは城内への突入を成功させた。しかし、レンが突入した後も、各チームは分散して城内を混乱させることが目的であり、それぞれが単独で行動を開始した。

一方、ケンタは城内でドクという敵NPCに遭遇し、反撃の隙を与えられずに敗北した。ドクは冷静にケンタを倒し、彼の持っていた手榴弾を安全に処理しながら「こいつじゃないな」とつぶやいた。

ケンタが倒れたころ、南側の城門付近では激しい戦闘が繰り広げられていた。煙が晴れて城が姿を現し、城壁からは敵が激しい銃撃を開始した。プレイヤーたちは前進しながら応戦し、特にT-Sのチームは重装備で支援射撃を行っていた。

同時に、ターニャは城内で螺旋階段を発見し、ウォッカとの銃撃戦に突入した。激しい戦闘の末、ターニャはウォッカと相打ちになり、敵のマシンガン手が排除されたことが報告された。

一方で、レンは城内を慎重に進み、大広間にたどり着いたが、何も見つからず、突然複数の敵に襲われた。レンは捕らえられ、通信を遮断されてしまった。彼女はなんとか抵抗しようとしたが、NPCに捕縛されて身動きが取れなくなり、敵に情報を取られる危険があった。

南側ではプレイヤーたちが突撃を準備しており、時間との戦いが続いていたが、レンは捕虜となり、絶望的な状況に追い込まれた。

第八章  「戦う理由は」

レンは、自ら命を絶って再生の場へ移送され、無事に復活する準備が整った。敵に捕らえられている状況から逃れるため、自ら頭を壁に打ちつけ、死を選んだのだった。彼女の行動に感心しつつ、他のプレイヤーたちもそれぞれ戦いに挑んでいた。

南側の城門では、デヴィッド率いるチームが進行し、他のプレイヤーも一斉に突入を試みたが、敵からの狙撃や爆発で次々と撃退された。特にT-Sのメンバーは城門を突破しようとしたが、地雷やRPG(携行式ロケットランチャー)による攻撃で壊滅的な被害を受けた。

このRPGは、通常のGGO(ガンゲイル・オンライン)では使用されていない武器であり、その威力により次々とプレイヤーが倒されていった。ピトフーイは、この強力な武器に対し興味を示し、奪取したいと語っていたが、状況は厳しく、時間との戦いも続いていた。

レンは、激しい戦闘の末にジェイコブとドクに対峙し、彼らが運び出そうとしていた「毒ガス弾頭」を奪うべく突撃を開始した。ドクを撃ち抜き、ジェイコブとの激しい肉弾戦に突入したレンは、ナイフと拳銃で互いに攻防を繰り広げた。

ジェイコブは戦いの途中、レンに「なぜ戦うのか」と問いかけたが、レンは「楽しいからだよ」と答えた。その後、レンはジェイコブにとどめを刺し、勝利を収めた。ジェイコブの最後の言葉は「もう続けたくない」という、NPCらしからぬものであり、レンはその異常さに驚きつつも、冷静にとどめを刺したのである。

最終章 Ⅰ  「いくさがおわって」

レンは激闘の末、ついに勝利を収めた。クリアタイムは残り3秒というギリギリのタイミングで、彼女は安堵の息を漏らした。目の前には、ナイフが刺さった髭の男の亡骸が転がっていた。レンは彼に敬意を表し、ナイフを引き抜こうと奮闘し、なんとかそれを手にした。

その後、レンは南門へ向かい、仲間たちと合流した。ピトフーイをはじめ、他のプレイヤーたちもレンの活躍を祝福し、勝利の喜びを分かち合った。レンは「毒ガス弾頭」を放置し、ピトフーイの呼びかけで酒場でのパーティーへと誘われた。

仲間たちは次々とフィールドを去っていき、最後にはレン、ピトフーイ、エム、フカ次郎の4人が残った。彼らはパーティーの計画を立てつつ、バズーカを使って他のプレイヤーに声をかけたが、結局4人で酒場に向かうこととなった。

レンは「楽しかった」と振り返り、仲間との協力プレイを心から楽しんだ。彼女は、次回のゲームもみんなで協力し、強敵に立ち向かうことを期待しつつ、グロッケンの酒場へと向かった。

最終章 Ⅱ  「ある夏の日」

ジェイクは、かつて国のために志願して軍に入り、厳しい訓練を経て特殊部隊に所属した。多くの戦場を経験し、多くの敵を倒し、仲間を生還させ続けたことが彼の誇りであった。戦友のロイも同様に戦い続け、ある時自らのミスで指を失ったが、笑い話にするほどの強さを持っていた。

ジェイクは軍を退役後、平凡な生活を送ると思っていたが、かつての戦友に誘われて民間の警備員として再び戦場に戻った。彼は多くの危険な任務をこなして無傷で帰還し、次第にその生活に慣れていった。家族との時間を大切にしつつ、外国での仕事を続けた。

しかし、ロイはある日突然、引退を決意し、ジェイクにも危険な任務から手を引くよう忠告した。ジェイクはそれを拒否し、自分はまだ戦えると信じていたが、ロイの言葉が心に残ったまま、その後も戦場に向かう決意を固めていた。

ジェイコブは、意識を取り戻すと見知らぬ場所にいた。彼の仲間ロイと、知らない男に囲まれ、彼らから現在の状況を聞かされる。ジェイコブは、東欧の廃城でロシア製の核弾頭を守る任務に就いており、記憶を失っていたことに気づく。彼とそのチームは、反政府組織と戦いながら核弾頭を守っていたが、ジェイコブは任務中に頭部を負傷し記憶を失った。ロイと他の仲間たちは、再びジェイコブを戦いに引き戻そうとする。

ジェイコブは、記憶を取り戻しつつも、再び戦場に立ち、敵と戦った。城を守るための戦闘は続き、ジェイコブのチームメンバーは次々に死んでいった。ついにはロイも戦死し、ジェイコブは戦場での恐怖と孤独感に苛まれる。最終的に、彼は敵の少女兵士との対決で重傷を負い、命を落とす直前に、自分の生き方に対する疑問を抱きながら、「もう続けたくない」と呟き、少女によって命を奪われた。

ジェイコブは、病院で目を覚ました。彼の前には、戦友のロイと医師ドクがいた。ロイは、ジェイコブに「覚えているか?」と尋ね、ジェイコブは自分が戦場で負傷し、ピンク色の少女にナイフで刺されて死んだことを思い出した。しかし、ドクはそれが現実ではなく、フルダイブ型ヴァーチャル・リアリティ・マシンを使った夢だったと説明した。

この夢は、ジェイコブの妻リザが依頼したもので、彼を戦場から引き離すための治療法だった。ジェイコブは長年、戦場で無敗を誇ってきたが、そのせいで自分がどれだけ危険なことをしているかを理解できなくなっていた。そこで、彼が「死ぬ」ことで戦場から離れさせるためのシナリオが作られたのだった。

夢の中でジェイコブと共に戦っていたロイや他の仲間たちも、全て演技だった。ジェイコブは、この経験を通じて、戦場ではなく家族のいる日常が最も大切なものであると悟り、もう二度と戦場に戻りたくないと答えた。

最終的に、ジェイコブは戦場から引き戻され、日常へと帰ることができた。彼は、家族との生活が何よりも大切であることを知り、この夏の日の出来事を一生忘れないと決意した。

登場人物

レン(香蓮)

  • GGOのプレイヤーであり、中心人物。ピンク色の装備を纏い、戦場で仲間に見捨てられながらも戦い続けたが、最終的に命を落とした。その後、仲間たちと新たな戦いに臨み、最強NPCやライバルチームとの戦いを繰り広げた。

美優(フカ次郎)

  • 香蓮の友人で、香蓮と共に戦いや日常の悩みを語り合う。香蓮を励まし、GGOの新しい戦いへの参加を促した。GGOでは主に戦闘支援や分析を行った。彼女の観察力は作戦の進行において重要な役割を果たした。

咲、カナ、リサ、萌、ミラナ、詩織
 
咲を中心とした香蓮の友人たちで、香蓮が自分の強さを再確認するためにゲーム内での対決を計画した女子校の新体操部のメンバーたちである。

  • ピトフーイ
    GGO内の香蓮のチームメイトであり、強力なプレイヤーである。彼女は戦略的な行動を取り、仲間たちを導きつつ、時折独自の行動で戦局を変えた。
  • エム
    ピトフーイの仲間で、戦略を担当する冷静なプレイヤー。チーム「LPFM」のメンバーであり、城攻略作戦や他のチームとの交渉にも積極的に関わった。
  • デヴィッド(志乃原修哉)
    千葉県で宅配業務をしているGGOプレイヤーで、ピトフーイへのリベンジを誓っていた。彼は重要なイベントに参加し、共闘作戦に加わった。
  • 五十代の小説家
    神奈川県に住む作家で、執筆に行き詰まりながらも突然のメールで新たなインスピレーションを得た。
  • ジェイコブ
    最強NPCの一人であり、レンとの最後の戦いで敗れた。彼は戦う理由を問い、最終的に命を落としたが、その言葉はNPCらしからぬものだった。
  • ロイ、ドク
    ジェイコブの戦友であり、彼と共に戦場にいた人物たちである。彼らはジェイコブと共に敵と戦い、命を落とした。

城攻略に参加したチーム

  • LPFM(香蓮、ピトフーイ、エム、フカ次郎)
    • 香蓮(レン)が所属するチームで、ピトフーイがリーダーとして指揮を執った。彼らはGGO内での経験が豊富であり、仲間との強い連携を活かして城攻略に挑んだ。ピトフーイの大胆な戦略とエムの冷静な指示が特徴で、最終的に城内への突入を成功させた。
  • T-Sチーム
    • GGOでの実力者チームであり、特に防御力に優れた装備を使用していた。リーダーのエルビンが指揮を取り、ピトフーイの提案に賛同し、城攻略に参加した。重装備を駆使し、前進をサポートする役割を担った。
  • ZEMAL(全日本マシンガンラバーズ)
    • マシンガン愛好者で構成されたチームで、ヒューイを中心とした5人組である。彼らはピトフーイの提案に賛同し、共闘することを決めた。彼らの突撃力と大量の弾薬を活かし、敵への攻撃を試みたが、戦局は彼らにとって厳しかった。
  • MMTM
    • リーダーのデヴィッド(志乃原修哉)が率いるチームであり、ピトフーイに対して不信感を持ちながらも最終的には共闘を承諾した。彼らは慎重な行動を心がけつつ、城門へ向けて進軍したが、強力な敵の攻撃に苦戦した。
  • SHINC
    • 香蓮のライバルチームであり、今回の城攻略においても重要な役割を果たした。彼らは敵との接近戦を得意としており、特にボスとの再戦を望んでいた。ピトフーイの提案に慎重に耳を傾け、共闘を決意した。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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