小説「灰原くんの強くて青春ニューゲーム 7」最新刊 感想・ネタバレ

小説「灰原くんの強くて青春ニューゲーム 7」最新刊 感想・ネタバレ

どんな本?

灰原くんの強くて青春ニューゲーム」は、雨宮和希著、吟氏がイラストを担当したライトノベル。
この物語は、高校デビューに失敗し、灰色の高校時代を経て大学4年生となった青年・灰原夏希が主人公。

彼は社会人になる直前、突然7年前の高校入学直前まで時間を遡るという体験をする。
後悔しかなかった高校生活の「やり直し」の機会を得た夏希は、過去の経験を活かして見事クラスカースト最上位な美男美女6人グループの一員となることに成功。
しかもそこにはかつて片思いしていた美少女・陽花里の姿もあった。

この物語は、無自覚ハイスペック青年が2度目の青春をリアルにやり直す、強くてニューゲーム学園ラブコメディとなっている。
シリーズは2021年12月1日に始まり。
また、この作品はコミカライズ(フルカラー?)もされている。
この物語は、恋も友情も決して諦めない灰原夏希の虹色青春計画を描いる。

読んだ本のタイトル

灰原くんの強くて青春ニューゲーム7巻
著者:雨宮和希 氏
イラスト:  氏

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あらすじ・内容

孤立しようとする友を取り戻す夏希の秘策とは!?

追い詰められて自暴自棄になっていた美織を見つけ出し、ようやく日常が戻ってくると思っていたのも束の間。美織の悪しき噂を掻き消すかのごとく、とある動画がSNSにアップされた。さらに時を同じくして知らされた、怜太の暴力事件と停学処分。夏希は真相を確かめるべく怜太に会いに行くが、その過程で竜也や詩から彼が中学時代に荒れていたという衝撃的な話を聞いて―― 「だったら今度こそ、俺はお前と本当の友達になってやる」 灰原夏希の虹色青春計画は、恋も友情も決して諦めない。

灰原くんの強くて青春ニューゲーム 7

プロローグ

美織は追い詰められて自暴自棄になっていたが、灰原夏希によって見つけ出され、日常が戻り始める。しかし、安心も束の間、美織の悪い噂を打ち消すかのようにSNSにある動画がアップされる。その動画により、美織と怜太の関係が揺らぎ始める。さらに、怜太が暴力事件を起こして停学処分を受け、夏希は真相を確かめるために怜太に会いに行くことを決意する。

第一章:暴力事件

白鳥怜太の暴力事件が学校で話題になる。怜太は中学時代に荒れていたことが判明し、夏希は彼を助けるために動く。竜也と詩から怜太の過去について聞き、彼の悩みを理解する。怜太は家庭の問題や学校でのプレッシャーに苦しんでおり、その結果として暴力事件を起こしていた。夏希は友人たちと協力して怜太を励まし、彼を立ち直らせようと努力する。

第二章:天才と呼ばれた少年

夏希たちは怜太を学校に戻すために奮闘する。怜太は中学時代の友人たちとつるんでおり、学校への復帰に消極的である。夏希は怜太と話し合い、彼の気持ちを理解しようとする。怜太の家庭環境が問題であり、彼が家に帰りたくない理由を知る。怜太は自分の過去の行動を悔やみ、友達に対して申し訳ない気持ちを抱いている。夏希たちは怜太を励まし、彼が学校に戻るように説得する。

第三章:アオハル

停学が明けた怜太は学校に戻るが、彼の心にはまだ問題が残っている。夏希は友人たちと協力して、怜太が再び問題を起こさないようにサポートする。彼らは怜太に対して友情と理解を示し、彼を支えることで彼の心を癒す。怜太は次第に友人たちの支えを受け入れ、学校生活に馴染んでいく。夏希と陽花里は怜太の問題を解決するために尽力し、彼との友情を深める。

第四章:取り戻した日常

怜太は学校生活に戻り、友人たちとの関係を修復する。美織との関係も改善し、彼は再びサッカー部に参加する。夏希と陽花里は彼の支えとなり、怜太は自分の過去を乗り越え、新しい日常を取り戻す。彼は友人たちとの絆を再確認し、未来に向けて前進する決意を固める。

エピローグ

冬休みが終わり、学校が再開する。怜太は友人たちと共に新しい学期を迎え、日常が戻る。彼は家庭の問題も解決し、学校生活を楽しむことができるようになる。夏希と陽花里は彼を支え続け、彼らの友情はさらに深まる。美織もまた、過去の問題を乗り越え、前向きに生活を送る。彼らはこれからも困難に立ち向かいながら、一緒に未来を歩んでいく。

感想

本書は、友情と困難を乗り越える力を描いた青春小説である。
物語は、美織を救出した後に始まる新たな問題として、怜太の暴力事件と停学処分が明らかになるところから展開する。
夏希とその仲間たちは、怜太の過去と家庭の事情を掘り下げながら、彼を支えようと奮闘する。
怜太の中学時代の荒れた過去や家庭の問題が浮き彫りにされ、彼が抱える悩みが丁寧に描かれている。

夏希の愚直さが彼を周囲に引き寄せる力となっており、彼の決断と行動が物語の中心を形成している。
夏希が美織に対する気持ちを抱えつつも、陽花里を幸せにすると決意する様子が描かれ、複雑な恋愛模様が展開される。
この二重の感情が、夏希のキャラクターに深みを与えている。

物語全体としては、友情と絆の強さがテーマであった。
怜太を取り戻すために、友人たちが協力し合い、困難に立ち向かう姿が感動的であった。
特に、夏希と怜太が殴り合いを通じて本音をぶつけ合う場面は、昭和的な熱血青春を思わせる展開であり、現代の物語においても新鮮に感じられた。

美織や怜太の問題解決が一段落した後、次回は他のキャラクターたちに焦点が当たることが予想される。

このシリーズは各キャラクターの成長と関係の変化を丁寧に描いており、今後の展開が非常に楽しみである。
ただ、タイムリープや「強くてニューゲーム」という設定が、夏希の自身の限界なのか薄れている点は残念であり、その設定が再び活かされることを期待したい。

全体的に本書は、青春ラノベとして非常に楽しめる作品であり、キャラクターたちの成長や絆がしっかりと描かれていた。
今後の巻でも、同じように感動的な展開が期待できるだろう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

序章  居場所

主人公は雨の中でずぶ濡れになりながら立ち尽くしていた。
気付けば、寒さで体が冷え切り、彼は美織との間に何があったのかを反省しつつも、もう美織と会う資格がないと感じていた。
夏希に美織の面倒を任せ、彼は元の道を戻ることを決意する。
スマホでの通知から、美織が無事であることが分かり、安堵するが、その裏で夏希に対する嫉妬の感情が芽生えていた。
そんな中、かつての友人である耕哉と偶然再会し、耕哉が彼の妹の友人を捜していることを知る。耕哉は関連情報を求めるが、主人公はそれに応じない。
過去の自分に引き戻されつつも、もはやすべてがどうでもよくなっていた主人公は、その場を去る決意を固める。

第一章  暴力事件

白鳥怜太が暴力事件を起こし、一週間の停学処分を受けたという担任教師の発表は、教室に衝撃を与えた。
怜太は温厚で理知的な行動を取る人物であり、暴力を振るうような人ではないとの印象が強いため、この発表は信じがたいものであった。
この事実が明らかになった後、教室内は驚きや心配の声で満ちた。
隣の陽花里は呆然としており、主人公も心当たりがないことから、怜太の行動が理解できずにいた。

担任教師は詳細を教えることができず、直接怜太に聞くよう暗に示した。
この事件についてクラスメートたちも詳細を知ることはなく、教室から出た担任教師の後には通常以上の喧騒が教室内に広がった。
主人公とその友人たちは、昼休みに再集合して情報を整理することを決めた。
普段は怜太がまとめる役割を担っているが、今回は彼の不在が際立っていた。

昼休みに学食で集まったグループは、情報共有と昼食を兼ねて集合した。
特に注目されることもなく、一年生の間で広がる怜太の話題は上級生にはあまり知られていなかった。
怜太が暴力事件で停学になったというニュースは、学年の中心人物である彼に関心を集めさせていた。
昼食を終えたところで、美織と芹香が食堂に現れ、全員が集まった。
その後、芹香が怜太が関与しているとされる問題の動画を共有し、その動画が示す内容について議論した。
動画には怜太が悪びれない様子で不穏な発言をしているが、これが真実でないことは明らかだった。
結局、その動画が自作自演である可能性や、怜太が何らかの意図を持って行動している可能性について考察し、これを解決するために情報収集を行うことにした。

午後の授業で、数学の村上先生が黒板に数式を書き連ねている中、主人公は机の下でスマホを操作していた。
授業に集中する気持ちはなく、ミンスタで広まった怜太の動画について再度確認していた。
動画を投稿した匿名アカウントには、涼鳴の生徒であることしか記載されておらず、過去の投稿は削除されていた。
怜太の自作自演説が真実なら、このアカウントの持ち主が協力者である可能性がある。

授業の休憩時間、クラスメイトや他クラスの生徒たちの会話を聞いていると、怜太の暴力事件について多くの噂が広まっていることが分かった。
怜太を知る人々は彼のことを信じており、暴力を振るうような人物ではないと話していたが、他のクラスの生徒からは否定的な意見も聞かれた。

主人公は、怜太に関する噂が広まっている要因を考える。
それは怜太が学年のリーダー的存在であること、美織に関する過去の噂、動画が強い証拠として受け取られていること、そして実際に暴力事件が発生していることが要因だと考えた。
これらの要因が組み合わさることで、怜太に関する噂が爆発的に広まったのだ。

授業中に隣席の陽花里に注意されるが、村上先生にスマホを見られることなく、事なきを得る。
スマホが見つかると没収され、規定回数を超えると解約されるルールがあるため、主人公は注意深く行動していた。

放課後、竜也が主人公に怜太の家を訪ねる提案をする。
竜也は部活を休んでこの件を優先することを選び、二人で怜太の家に向かう。
道中、竜也は怜太が精神的な余裕を失っている可能性があると語る。

怜太の家は古いアパートで、中年の男性が扉を開ける。
この男性は怜太の父親であり、見た目や態度が荒んでおり、酒臭い。
父親は怜太が家にいないと告げ、追い返そうとする。
竜也と主人公は、怜太の家庭環境に問題があることを確認し、怜太が故に成績や態度が良いのは父親を反面教師にしているためだと考察する。

怜太が見つからないため、二人は一時撤退するが、陽花里から連絡があり、怜太が怪しげな人々と一緒にいる場所を突き止める。
竜也と主人公はその場所に向かい、そこで怜太と再会する。
怜太は中学時代の友達と一緒にいたが、彼の態度は冷たく、学校への復帰意欲も見られない。
怜太は何か問題を抱えているようだが、具体的な理由は話してくれない。

竜也が怜太との関係を修復しようとする中、緊張が高まるが、陽花里の存在が事態を収束させる。
怜太は再び去ってしまい、二人は手がかりを失い途方に暮れる。
怜太の未来に対する悲観的な発言が、彼が元の生活に戻る意思がないことを示している。

土曜日の休日に、主人公は自宅でゆっくりと一日を過ごすことにする。
部屋が冷え切っているため、暖房をつけてからトレーニングを行い、その後ランニングをしてシャワーを浴び、コーヒーを淹れる。
そんな日常の一コマの中で、美織からの連絡がスマホに届いていることに気づく。
美織との電話では、昨日の怜太との出来事をどう伝えるかで悩むが、美織は怜太に対して責任を感じており、自分も関与していることに苦しんでいる。

怜太が不良グループと一緒にいたこと、学校に戻る意志がなさそうなことを説明し、二人は互いに罪滅ぼしを試みているが、解決策が見つからずにいる。
主人公はこの事態をどう受け止めればよいか、日常に戻ることができずにいる。
竜也からのメッセージがあり、夜に怜太の件で話し合う約束をする。
それが、今後の展開にどのように影響するのかは未だに不透明である。

主人公は気を紛らわすためにギターを弾いて過ごし、約束の時間前に家を出た。
玄関から外に出ると、空は既に真っ暗で、冷たい風が肌を撫でる。
完全防備態勢で、無駄に汗を流しながら電車に乗り前橋駅に向かう。
指定されたファミレスで既に待っていた竜也と詩と合流する。食事をしながら、怜太について話し合うことになる。

主人公は、怜太の過去を詳しく知らないことに気がつく。
特に中学時代に怜太が荒れていた時期のことは、主人公にとって新しい情報だった。
怜太は一時期、学校で有名な不良グループとつるむようになり、不登校気味になっていた。
その怜太がどのようにして元の自分に戻ったのか、その理由は明らかにされていない。

詩と竜也から、怜太の家庭の事情が影響していたことが語られる。
怜太の母親が家を出て、父親が荒れたこと、経済的にも苦しくなり、精神的に追い詰められていたことが、怜太の行動に影響を与えていたという。
怜太が社交的でありながら、自分のことについてはあまり語らない秘密主義者であることも、主人公たちには理解が進む。

怜太との関係を深く考える中で、主人公は怜太がどのような気持ちで現在を生きているのか、それを知ることができずにいる。
また、怜太が自分たちに何も相談せず、不良グループと一緒にいる理由が、本当の友情に基づくものか、単なる偶然の一致なのかを見極めたいと考える。
この出来事が主人公たちにとって深刻な心配事となっており、友達としての絆が試されている状況である。

夕食後、主人公は以前から気になっていたことを竜也に尋ねる。
竜也と詩は、長谷川が上の先輩であり、彼らのグループのリーダーであったことを語る。
長谷川は美織の悪評を広めていた人物であり、その影響で美織は精神的に追い込まれていた。
詩は、問題の真相を探るために長谷川に連絡を取る。

長谷川からの返信は驚くほど早く、「話したいことがある」という内容であった。
この事実から、長谷川が怜太の居場所について何か知っている可能性が高いと考えられる。
翌日の会う約束をして、竜也は試合のため不参加を決定し、詩と主人公が長谷川と会うことになる。二人は長谷川との関係が微妙であることを理解しており、やや気まずい雰囲気の中で会話を交わす。

間章  一

幼少期、主人公は裕福な家庭で育つ。父は成功している経営者で、母は専業主婦だった。
しかし、主人公が中学二年生の時、父が経営する会社が倒産し、家庭は急速に崩壊する。
父は精神的余裕を失い、アルコールに依存し始め、母は怒りっぽくなり、二人は頻繁に争うようになる。

経済的困難のため、主人公はサッカー部を辞めざるを得なくなり、学校での友達との関係も希薄になる。
家を避けるようになり、夜は公園でサッカーをすることが唯一の慰めとなる。
そこで不良グループの長谷川耕哉と出会い、彼らと親しくなる。
やがて、耕哉のグループに巻き込まれ、抗争に参加するようになる。

ある日、酒を断った父がサッカー部に戻ることを勧めるが、主人公は自分の居場所がもうないと感じていた。
そんな中、長谷川耕哉は主人公に対して決闘を提案し、「お前が俺に負けたらサッカー部に戻れ」と言う。

第二章  天才と呼ばれた少年

日曜日に喫茶マレスでバイトをしている主人公は、午後三時半に詩と長谷川との集まりが予定されている。
バイト中、副店長と七瀬、鳴と共にシフトに入っている。
忙しい時間が終わり、七瀬と鳴に最近の噂について説明する。
噂の対処方法を話し合いながら、七瀬は集まりには参加しないことを決める。

七瀬は、長谷川が大人数だと話しにくくなる可能性があると考え、参加を控える。
詩との関係も気まずいため、集まりには参加しない方が良いと判断する。
この間、七瀬は主人公に対して、詩との関係についてもっと気楽に接するよう助言する。
外は雨が降り始め、七瀬は怜太の現状について心配している。

からんと来店を告げる鈴が鳴ると、詩が店内に入ってきた。
詩は時間より二十分早く到着し、主人公が詩を案内した席で七瀬と会話していた。
詩は最近のトラブルで精神的に疲弊している様子で、元気がない。
その後、長谷川陽子が店に来店し、詩と長谷川はやや硬い雰囲気で挨拶を交わす。
長谷川は話があると言い、詩はそれを聞く準備をする。

(長谷川陽子)

星宮さんが美織に対する非難の言葉を発したことを耳にする。
その後、美織に対して不当な扱いをしていることに気付き、後悔する。
美織は怜太くんと付き合っているが、実際には灰原くんが好きであり、その事実に腹を立てていた。
美織の悪評を広め、怜太くんに影響を与えようとするが、怜太くんは美織を信じ続ける。
結局、美織が行方不明になり、星宮さんは自分の行動に対する責任を感じ、美織の捜索を兄に依頼する。
兄は捜索中に問題を起こし、警察に捕まるが、怜太くんが介入して事態は収束する。
星宮さんは自己の行動を反省し、怜太くんに謝罪するが、怜太くんは自己責任を感じている。

(灰原夏希)

長谷川は美織を追い込んだ事実を赤裸々に語るが、その態度は自己保身的である。
美織が行方不明になった事件の日、長谷川兄と怜太が喧嘩をし、警察沙汰になる。
詳細は不明だが、暴力事件の一端として学校からは停学処置が下される。
長谷川兄が事件当日、怜太に美織の行方を尋ねたことから、誤解が生じて喧嘩に発展した可能性がある。
解決策として、怜太と直接話をすることが必要であると判断し、長谷川と詩はゲームセンターで怜太と会う計画を立てる。
長谷川は兄に連絡を取り、怜太との会話の機会を模索する。
長谷川の行動は受け入れがたいものの、怜太に対する感情は本物であると評価される。美織への謝罪も予定している。

ゲームセンターは閉店が二十四時で、治安が悪く、特に垣割高の連中がたむろしている。
長谷川と詩は、内部に入り怜太と接触する計画を立てる。
店内はBGMやゲーム音でうるさいが、人が多いために、彼らは人目を避けながら怜太を探す。
怜太と長谷川兄は二階で話しており、詩は長谷川兄をそこから離れさせる。
これにより怜太が一人になり、詩と共に彼に近づき話を持ちかける。
怜太はため息をつき、彼らの意図を理解し、抵抗せずについてくる。

怜太をゲームセンターの外に連れ出した二人は、自動販売機で飲み物を買う。
詩は怜太が逃げないように警戒するが、怜太は逃げる意思がないことを表明する。
話の中で、怜太は家には帰っておらず、友達の家に泊まり、バイトを探していると明かす。
父親との問題を理由に家に帰りたくないとし、学校とサッカー部を辞める意向を示す。

怜太は自分には卒業する資格がないと感じており、友達にもなりえないと自己卑下する。
過去の自分の行動を悔やみ、詩との友情も否定する。彼の内面の葛藤が話の中で明らかになる。

怜太は以前の暴力事件について語り、それが美織を守るためではなく、長谷川兄に対する八つ当たりから起こったことを認める。
この出来事が、彼が現在の生活に区切りをつける契機となったと述べ、自分は周囲にとって害であると結論づける。

最終的に長谷川兄が現れ、怜太が再びゲームセンターの中へと戻っていく様子が描かれる。
詩との間で未解決の感情や問題が残る中、物語は続く。

翌日、月曜日の学校では、怜太の空いた席が目立ち、教室の雰囲気は重苦しい。
昨日の出来事はグループチャットで共有されていたが、クラスメートの反応はなかった。
昼休み、陽花里から声をかけられた夏希は、彼女の指示でSNSを開く。
そこには美織による自己の行動を詳細に説明する長文の投稿があり、彼女は自らが怜太との関係で犯した過ちを公表していた。
美織の投稿は自己犠牲的な怜太の行動を明かし、彼の評判を守ろうとした彼女自身の責任を強調していた。

学校では美織の投稿が話題となり、彼女はクラスメートからの質問に囲まれていた。
美織の行動の背後には、怜太の自己犠牲を否定し、自らの行動を正直に評価されたいという願いがあった。
夏希と陽花里は美織の覚悟を感じ取りつつ、注目を避けて静かな場所で昼食をとることにした。

夏希と陽花里は二人で学校の屋上に出る。
この時期は屋上に人がいないため、二人きりで昼食を楽しむ。
陽花里は夏希に手作り弁当を作ってくれることを申し出るが、夏希はその申し出を喜んで受け入れる。
陽花里が弁当を持ってきており、そのおかずを夏希に勧める場面がある。
二人は夏希が抱える心配事について話し合い、陽花里は夏希の心情を理解しようとする。

その会話の中で、夏希は怜太の問題について語り、彼が学校を辞める意向を持っていることを懸念する。
夏希は怜太が本当に学校を辞めたいのか疑問に思い、彼の笑顔がなく楽しそうではない現状を変えたいと願う。
夏希は自分の気持ちを直接怜太に伝えることの重要性を認識し、陽花里からの励ましを受けて自信を取り戻す。
陽花里は夏希の素直な性格を評価し、夏希が困難に立ち向かう勇気を支持する。

間章  二

怜太と美織は電話で会話を交わす。美織がSNSに投稿した内容について話し合いが行われる。
美織は自分の行動について正直に全てを公表したが、怜太はその方法が美織に悪い影響を及ぼすと指摘する。
怜太は美織の罪を自らが背負うべきだと考え、自己犠牲を提案するが、美織はそれを拒否し、自分の行動に対して自己責任を取るべきだと主張する。

会話の中で、怜太は美織を無理やり恋愛関係に追い込んだと自己反省し、その罪悪感から美織を守るために犠牲になろうとする。
しかし、美織はその関係を自分の意思で選んだことを明確にし、怜太に対して感謝の意を表す。
美織は怜太の自己犠牲に反対し、彼の存在が自分にとって重要であることを強調する。

最終的に、怜太は美織の選択を尊重し、もう口出ししないと決める。
怜太は美織に感謝を伝え、彼女の幸せを願うが、自らは距離を置くことを選択する。
美織は怜太に学校に戻ることを望み、また一緒に過ごしたいと願うが、怜太はそれが美織を苦しめると考えている。

第三章  アオハル

停学期間が明けたが、怜太は学校に来なかった。
美織による投稿により、周囲の注目は増す一方で、学校生活はやや難しくなった。
その中で、夏希は怜太を学校に戻すための奇策を思いつき、昼休みに計画を発表した。
計画内容は、怜太に対する決闘の挑戦状であり、負けた方が何でも言うことを聞くという条件が書かれていた。
夏希の提案は友人たちには冗談と受け取られ、反対されたが、芹香だけが支持した。
芹香は更に手紙に追記し、もし怜太が逃げた場合は美織が代わりに制裁を受けるという脅しを加えた。
この提案には七瀬も肯定的な反応を示し、仮にこれで怜太が来た場合の対策を問うたが、夏希と芹香は親指を立てて自信を持って答えた。
この計画に対する皮肉や批判が多く、実行の可能性は低いものの、彼らの友情と創意工夫が垣間見える。

果たし状を託された長谷川は疑問を呈したが、夏希は自信を持って計画を進めた。
長谷川は怜太の兄に果たし状を渡し、夏希はその確認後に怜太に連絡する予定である。
長谷川は電子メッセージで十分ではないかと問い詰めたが、夏希と芹香は雰囲気を重視し、紙の果たし状の方が良いと説得した。
この間、陽花里や長谷川は、夏希の取り組みを苦笑しながら見守った。
竜也からの指摘で、怜太が喧嘩で非常に強いことが明かされ、夏希の自信は揺らいだが、果たし状は既に託されていたため、夏希は前進するしかなくなった。
この計画に対する不安や批判は多いが、関係者はそれぞれの立場から反応している。

夜を「喧嘩のコツ」を調べることに費やし、翌日の授業に集中できずにいた夏希は、放課後に予定していた怜太との決闘に向かう。緊張と胃の痛みに襲われながらも、竜也、美織、芹香と共に現地へと向かった。そこで待つ怜太には、竜也がルールを説明し、夏希は精神的にも戦略的にも挑んだ。

対戦中、夏希は自身が鍛えた筋肉を信じ、様々な戦術を試みるが、怜太の経験と技術に圧倒される。彼の攻撃は夏希の防御を次々と破り、夏希は何度も地面に倒された。それでも夏希は、友達としての絆を訴え、戻ってくるよう怜太を説得し続ける。怜太は、自らの存在が他人を不幸にすると考え、夏希たちとの距離を置こうとするが、夏希は友情を重んじ、戦いを通じて関係を修復しようと努めた。

最終的には、夏希の拳が怜太に通じ、彼の心の防御を突破する。
怜太は自分の本心を明かし、夏希の友情と説得によって、彼らの関係は新たな展開を迎える可能性を持つようになる。

夏希が反則として禁止されていた顔面へのパンチを怜太に放ち、これが原因で緊張した空気が流れる。
竜也は、夏希が反則を犯したことに冷たい目を向けるが、怜太は負けを認め、夏希の勝利を宣言する。
これにより、夏希は怜太を永遠の友達と宣言するが、これは怜太の温情によるものと竜也から指摘される。

夏希は、勝利を喜ぶが、周りからは彼の行動が幼稚だと評される。
その後、彼は怜太と話を交わし、怜太が家庭の問題で苦しんでいることを聞く。
怜太の母親が再婚し、父親がその影響で仕事を失うかもしれない状況にあり、怜太自身もバイトを始める必要があると感じている。
このような家庭環境と精神的な負担を背負いながら、怜太は自己犠牲の行動に出ていた。

怜太は夏希に感謝し、これからは自分たちの問題に正面から向き合うことを決意する。
夏希と怜太は、今後も困難に立ち向かっていく覚悟を新たにし、友情を深めることを誓う。

間章  三

美織が河川敷の階段に座っていたとき、彼女と隣り合わせになった人物が、美織の心情について語る。
夏希たちが殴り合いを終えて夜空を仰ぎながら語り合っている様子を、美織は複雑な表情で眺めている。
美織は、男子がするような愚かなことには付き合えないと述べ、心配しながら見守っていたことを吐露する。
その様子を見て、美織にとっては複雑な心境であることが伺える。
美織は、人質として名目上使用されていたこともあり、その状況が非常にカオスであると感じていた。
美織と隣に座っていた人物は、互いに複雑な心情を共有しながら、夏希たちの和解を暖かく見守っている。

第四章取り戻した日常

怜太は停学期間が終わり、学校に復帰した。
入れ替わりに長谷川が停学処分を受けたが、美織の口添えにより一日で復帰した。
怜太は再び学校生活に馴染み、元の人気を取り戻しつつある。
美織の助けで、彼はクラスメイトからの信頼を少しずつ回復している。
隣のクラスでは美織と長谷川が仲良くなり、クラス全体がまとまりつつある。
怜太はサッカー部に復帰し、父親との関係も改善されたことから、バイトを始めることにした。
彼はカラオケ店でバイトをすることにし、長谷川の兄もそこで働いている。
怜太は、自分の状況について充実感を感じており、新たな関係を築いていく構えを見せている。

放課後、陽花里と合流し、彼女は最近小説賞への応募を終え、テストに集中する意志を示した。
勉強の場所として、陽花里がよく利用する喫茶店に行くことになる。
店内で勉強を始める前に、陽花里は成績の低下が最近の恋愛感情によるものだと告白する。
彼女は小説と学業、恋愛をすべて頑張りたいと強い意志を見せるが、自分が扱う多くのタスクに罪悪感を感じている。
それに対して、彼は彼女が学業と恋愛をバランスよく管理できるように支えると約束する。

手を動かしながらも陽花里を気に掛けることを忘れない。
初めは集中して勉強していたが、時間が経つにつれて陽花里の集中力が途切れ始める。
休憩の提案に対し、彼女は自分の場合小説に没頭し過ぎることを語る。
その後、陽花里は夏希に近づきたいと言い、隣に移動する。数学の問題について教える場面では、二人は近距離で互いに緊張する。
勉強に集中できないことを謝罪する陽花里に対し、夏希は支援を約束する。
最終的には、テストが終わり、二人はテストの結果を待つ中でリラックスした時間を過ごす。

陽花里と一緒に学校を出た二人は駅前のマックで昼食を取る。
テストが終わり、すぐに冬休みを迎える時期であり、陽花里はクリスマスを一緒に過ごしたいと提案する。
これに対し、夏希はまだ具体的な計画を立てていないことに気付く。
普段からデートプランを立てるのに苦労しており、特別な日にはなおさらのことである。結局、二人は昼食を終えた後、陽花里が眠くなったためにその日の予定を終了する。
夏希は自分でクリスマスデートのプランを考える必要があることを自覚し、残された日数を意識しながら次のステップを考えている。

冬休み前日の12月22日、テストの結果が返却され、廊下には上位五十人の順位表が掲示されている。
一位には灰原夏希、二位には七瀬唯乃が名を連ね、僅か二点差で夏希が上位に立つ。この勝利は、陽花里との勉強会の成果であると夏希は感じている。
友人たちも良い順位を保っており、特に陽花里は百人以上を抜き、大きく順位を上げている。

教室はもうすぐ冬休みということもあり、浮ついた雰囲気が漂う。
中には、部活に専念している詩もおり、クリスマスにも活動を続ける様子。
夏希は陽花里とのクリスマスデートを控え、自信を持ちつつも、全力を尽くして彼女を幸せにすると心に誓う。

冬休み初日の23日、バンド活動に参加していた鳴と山野は、クリスマスの過ごし方について話していた。
鳴は人混みを避け、家で過ごすことを選び、ピザとケーキを用意している。
山野は冗談を交えながら鳴をからかい、それぞれのペースで過ごすことを理解している。

一方、陽花里とのクリスマスデートの計画を立てている主人公は、群馬県内のぐんまフラワーパークで開催されるイルミネーションを楽しむ予定である。
この場所は大きく、美しいイルミネーションが期待できる。
主人公たちは寒さを気にせず、遠出する価値があると話している。

芹香は、他のメンバーが恋愛に現を抜かしている間も練習を続ける予定である。
山野は、熱い夜を過ごした結果、翌日の練習に影響が出ないように忠告している。

また、バンドメンバー間で美織や怜太の事情がどう解決されたのかについて話題が出るが、それについては具体的な解説はされておらず、美織と長谷川が仲良くなっていることについて、芹香は良いことだと評価している。

十二月二十四日、クリスマスイブに、主人公はイルミネーションを見に行くデートの準備を行っていた。
防寒を最優先に考慮し、ダウンコートやマフラーなどを着込んでいる。
デートの楽しみと緊張が入り混じった気持ちで、荷物を確認し、家を出た。

主人公は電車で移動し、約束の駅で陽花里と合流した。陽花里はランチを早めに切り上げてデートの準備をしていた。
二人はまずショッピングモールを訪れ、その後イルミネーションを見に行く予定だったが、人混みと寒さにより疲れ、カフェで休憩をとることにした。

カフェで、陽花里はテストの結果を父に報告したことや、自分と主人公の関係について会話をした。
陽花里は主人公が他の女の子を見ることに対して少し嫉妬を見せ、二人の間には恋人同士の小さな誤解や葛藤があることが示されていた。
しかし、主人公はその場を和やかな雰囲気で乗り越えようと努力していた。

昼間は人混みを抜けながらショッピングモールで過ごし、夜はイルミネーションを見に行った。
デートは充実していたが、陽花里は主人公が別の女性のことを好きであることに気づいてしまい、その心情を主人公に伝えた。
彼女は主人公が他に好きな人がいても、今の彼女であることに変わりはないと強く言い、主人公の心が自分だけのものになる日を待つと宣言した。

この事実を受け入れつつも、主人公は陽花里のことを心から愛しており、彼女を幸せにすることを誓った。
カフェでの会話後、二人はイルミネーションが美しく輝く公園を訪れ、感動しながら歩いた。
夜が更けるにつれて、主人公は陽花里に自分の気持ちを改めて確認し、公共の場で思わずキスをしてしまう。
この行動が周囲の人々の注目を集め、恥ずかしい思いをするが、それでも二人はお互いの愛を確認し合った。

最終的には、主人公と陽花里は幸せな時間を過ごし、二人の関係はより深まった。
ディナーの予約があるため、彼らはその場を後にし、一日を締めくくった。

クリスマスイブの夜、主人公と陽花里は予約していたレストランで食事を楽しんだ。
レストランは高崎駅近くにあり、主人公が一周目でも訪れたことのある場所であった。
彼らはコース料理を味わいながら、会話を楽しんだ。食後、主人公は陽花里にクリスマスプレゼントとしてネックレスを渡した。
ネックレスはシンプルなデザインで、中央にダイヤモンドが輝いており、陽花里にとても似合っていた。

陽花里はネックレスを気に入り、大切にすると語った。
主人公はこのネックレスを選ぶ際にかなり悩んだが、自分のセンスで選んだものが陽花里に喜ばれたことに安堵した。
このネックレスは二か月分のバイト代を費やしたものであったが、陽花里の笑顔が見られたため、それは価値のある出費だったと感じていた。

終章  年末年始

冬休み中、主人公はバンド練習とアルバイトに忙しい日々を過ごした。
陽花里とは電話で話していたが、互いの都合が合わず会うことができなかった。
29日以降、バンド練習も休みとなり、家族との時間を過ごすことにした。
大掃除の後、祖母の家へと向かい、親戚が集まって年末年始を祝った。
酔った叔父から酒を勧められたが、主人公は断った。
家族と新年を迎え、紅白歌合戦を見ながらくつろいだ。

新年早々、母親と妹は初詣に出かけたが、主人公は家で過ごした。
昼過ぎまで寝ていた後、祖母や父親とテレビで新年駅伝を観た。
妹とのやり取りや、祖母の優しさが冬の日常を暖かくしていた。

冬休みが終わり、学校が再開すると、友人たちと新年の挨拶を交わし、学生生活が再び始まった。
陽花里からはピアノのコンクールの話を聞き、一緒に見に行くことになった。季節が巡り、青春の一年目が終わりに近づいていた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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