どんな本?
「ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」は、篠崎芳によるライトノベルシリーズで、KWKMがイラストを担当している。
主人公は「 ハズレ枠」と称され召喚した女神に廃棄場に廃棄されてしまう。
廃棄された召喚者達を嬲り殺そうと襲って来たモンスターを【状態異常スキル】を駆使し、困難な状況を乗り越えていく。
物語は、主人公が経験値の取得とレベルアップを繰り返すことで自身の限界を超え、新たなスキルを獲得し、押し寄せる魔物を蹂躙していくところから展開。
このシリーズは、読者に強い印象を与えるストーリーとキャラクターで知られている。
また、このシリーズはオーバーラップ文庫から出版されており。
それぞれの巻は、主人公が困難を乗り越えて成長していく様子を描いている。
このシリーズは、ファンタジーと冒険の要素を組み合わせたエキサイティングな物語で、多くの読者から高い評価を受けている。
読んだ本のタイトル
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 10
(英語名:Failure Frame: I Became the Strongest and Annihilated Everything With Low-Level Spells)
著者:篠崎芳 氏
イラスト:KWKM 氏
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あらすじ・内容
「ハズレ枠」と称されたスキルを駆使し、級友である小山田翔吾を討った三森灯河。着々と迫る女神ヴィシスとの決戦。紫甲虫と、転移石という最後のピースをミラ帝国で入手した彼の準備は、すべて整った。
一方で蠅王ベルゼギアが、かつて廃棄した「トーカ・ミモリ」であると気づいたヴィシスは、甘言を弄して桐原拓斗を三森灯河にぶつけることに。蠅王(三森灯河)と真の王(桐原拓斗)。真逆たる2人の王がついにまみえ、そして――。
「自己中な虚飾野郎にすぎねぇんだよ、テメェは。なぁ、桐原ぁ!?」
かつて空気モブだったE級勇者が、絶対最強へと至る逆襲譚第10幕。
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 10
プロローグ
ヴィシスは私室で計画を練っていた。ミラ帝国崩壊のため狂美帝の抹殺を考え、禁字族根絶計画も立てていた。大魔帝の問題にはヒジリ・タカオの反逆とショウゴ・オヤマダの不完全な洗脳が影響していた。ミラ領内の聖体消滅から追放帝の死を推測し、蠅王ノ戦団を敵と見なした。アヤカ・ソゴウを重要戦力とし、大魔帝討伐を決意した。
1. 使い魔、来たりて
ムニンはエリカの使い魔がアナエルの使い魔であることに驚き、高雄姉妹の助けを得てヴィシスの計画を知る。灯河は高雄姉妹との共闘を考え、セラスも同意した。エリカはヴィシスの洗脳について説明し、十河綾香の洗脳の可能性は低いとされた。狂美帝はトーカたちに宝物庫の品を譲渡し、案内を申し出た。
2. NAME
ムニンと狂美帝が同盟締結書にサインし、調印式が行われた。夜会では、狂美帝の信頼を示すため灯河とセラスが貴族たちと顔を合わせた。鹿島は灯河に十河綾香の様子を尋ね、彼女の成長と意志の強さを知る。鹿島は灯河と共に十河を説得する決意を固めた。
3. 動く、盤面
鹿島は灯河の正体を確認し、協力を約束した。過去の思い出を共有し、灯河は鹿島に小山田の死を隠していることを伝えず、浅葱グループに情報を伏せた。灯河は鹿島と今後の方針を確認し、十河の説得を進めることを決めた。夜会後、灯河はセラスとムニンと共に次の戦いに向けた決意を新たにした。
4. ターミナス
灯河たちは封印部屋を目指し、ムニンが扉を開いた。部屋には勇者たちを元の世界へ戻す呪文書があった。一方、桐原拓斗は大魔帝を討ち、ミラ帝国への侵攻を計画していた。狂美帝は浅葱を呼び出し、桐原との対決を決意した。灯河は桐原を倒す決意を固め、彼の伝書に警戒を強めた。
5. 虚偽と虚飾の行き着く果て
灯河は桐原を欺くために偽の引き渡し場所を設定し、待ち伏せした。桐原との戦闘で、灯河は無数のスキルを試したが無効化された。セラスとの連携で戦況を保ちながら、最終的にムニンが禁呪を使用するための隙を作り出し、桐原を倒した。十河は桐原を救うために高雄聖と共に灯河と協力した。
ニャンタン・キキーパット
ニャンタンはヴィシスの私室を出て、自室でヒジリからの指示を思い返していた。ヒジリはヴィシスを打倒するための重要な任務をニャンタンに託し、妹たちの居場所を示す情報も提供した。ヒジリから渡されたスマートフォンを操作し、録音されたヴィシスの声を再生。ヴィシスが白狼騎士団の犠牲を許可したこと、勇者たちを元の世界に戻すつもりがないことを知り、録音を利用してヴィシスを追い詰めることを決意した。
感想
桐原拓斗のキャラクターは、その壊れっぷりがギャグの域に達しており、真の王としての自称にもかかわらず、その行動は残念な結果に終わった。
彼が金目の魔物を動員し、魔王化した姿は非常に強力で、灯河の状態異常スキルが効かないという展開には驚かされた。
また、十河綾香がヤンデレ化し、桐原との対決に加わる場面は緊張感が漂い、引き込まれた。
桐原との戦いでは、灯河が策を巡らせて彼に挑むが、桐原はそれに簡単に屈せず、激しい戦いを繰り広げた。
しかし、最終的には桐原が敗北し、彼の根底の欲望、承認欲求が満たされないまま彼の物語は終わる。
桐原の存在は、物語全体において重要な役割を果たしており、彼の壊れっぷりや狂気は、物語の緊迫感とエンターテインメント性を高めてくれた。
彼の今後の処遇がどうなるのか、次巻が非常に楽しみであった。
仲間にしたら絶対裏切るよな・・
そして、ヴィシスとの最終決戦が着実に近づいており、ミラ帝国で最重要アイテムを入手した灯河の準備が整う中、蠅王ベルゼギアの正体が灯河であることに気づいたヴィシスが桐原をぶつける策だったのが普段の彼女と比べると落差が激しく戸惑ってしまった。
ヴィシスに追い詰められヤンデレ化した十河は覚醒し、強くなりすぎたが、高雄聖が回復して和解が成立しそうな雰囲気であり、次巻での最終決戦に向けての関係性も含めて期待が高まる。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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同シリーズ
その他フィクション
アニメ
PV
OP
ED
備忘録
プロローグ
ヴィシスは自室で、今後の計画を考えていた。まず、ミラ帝国については、狂美帝を消せば崩壊するであろうと分析していた。追放帝を使った計画により、狂美帝の抹殺は高確率で成功するはずである。その後、禁字族に接触し根絶を目指す計画も立てていた。
一方、大魔帝については問題が多かった。ヒジリ・タカオの反逆により計画が狂い、彼の能力によりヴィシスの意図が知られてしまった。また、ショウゴ・オヤマダの洗脳が不完全であり、彼を完全に支配するには再洗脳が必要であった。
ヴィシスはミラ領内で多数の聖体が消滅したという報告を受けた。これにより追放帝が死んだと推測した。また、蠅王ノ戦団がミラに味方している可能性が高いことが報告された。ヴィシスはこれが狂美帝にほだされた結果であると考え、蠅王ノ戦団を敵と見なす決意をした。
大魔帝討伐のために、アヤカ・ソゴウを重要な戦力と見なしていた。ヴィシスは彼女を洗脳して使いたいが、心を壊すリスクがあるため慎重であった。アライオン軍が善戦していることから、ネーアとバクオスにも増援を要請する計画を立てていた。
ヴィシスは最終的に、アヤカ・ソゴウと勇者たちを連れて大魔帝討伐に向かうことを決意した。ミラ帝国については、ネーアとバクオスの増援とアライオン軍の奮戦により時間稼ぎをする計画であった。最悪の場合、四つの黒紫玉を使うことも視野に入れていた。
明朝、澄み渡った早朝の空気に包まれた平原で、兵士たちが整列していた。軍馬や馬車が出立の合図を待ち、アライオンから1000名の兵士と新生アライオン騎兵隊が参加していた。
ヴィシスはアヤカ・ソゴウと対面し、「おはようございます、ソゴウさん」と声をかけた。ソゴウも応じ、彼女の目には強い光が宿っていた。大魔帝を倒し、キリハラを救う決意を示すソゴウにヴィシスは心の中で既にキリハラは始末されている可能性が高いと考えたが、その言葉を口にすることはなかった。
ヴィシスは騎乗し、他の勇者や兵士たちに向かって大音声で「我が神聖連合は大魔帝との戦いを終わらせるべく魔帝討伐戦に入る」と宣言した。彼は「邪悪には決して屈せず、何度でも戦い抜く」と鼓舞し、「いざ、北へ!」と叫び、目的地に向けて進軍を開始した。
1.使い魔、来たりて
ムニンがエリカの使い魔がアナエルの使い魔であることに驚いていた。エリカは使い魔を通じて、高雄姉妹がヴィシスの抹殺に失敗し、魔群帯に逃げ込んだことを伝えた。姉妹はエリカの助けを得て命を取り留め、ヴィシスが勇者たちを元の世界に戻すつもりがないことを知っている。
トーカは高雄姉妹との共闘を考えており、セラスも同意した。エリカの報告によると、姉妹は視力を失っている可能性があり、戦いに参加するのは難しいが、他の役割で貢献できると期待している。
エリカはまた、ヴィシスの洗脳について説明した。洗脳には精神が壊れている必要があり、失敗すると使い物にならなくなるリスクがあるため、ヴィシスが十河綾香を洗脳する可能性は低いとされた。
狂美帝が訪問し、ホークの死を悼み、セラスに責任を感じる必要はないと伝えた。彼は、実直さや情の通用する世を作るためにヴィシスを討つべきだと述べた。
狂美帝はトーカたちに大宝物庫の所属品を譲渡することを告げ、案内を申し出た。トーカは転移石とピギ丸の最後の強化剤を求めている。
灯河たちは狂美帝に連れられて城内に入った。城内はまだ混乱が続いており、多くの人々が行き交っていた。狂美帝は封印部屋の件をルハイトの帰還後に進めると述べた。その後、宝物庫の品を見せるために地下へ案内した。
地下への螺旋階段を下り、長い回廊を通り、大きな扉の前に着いた。護衛が解錠し、扉が開かれた。狂美帝は水晶板に魔素を流し、部屋の照明をつけた。室内は広く、整然とした棚や展示スペースがあった。宝物庫の管理に携わる護衛が案内役を務めた。
狂美帝は灯河たちに、見たいものがあれば自由に尋ねるように言い、時間の許す限り見て回るよう促した。
灯河たちは、事前に要望していた品々が入り口近くの卓に用意されているのを見つけた。灯河は紫甲虫と転移石を確認し、本物であることを確信した。セラスとムニンは棚を見に行き、ムニンがネックレスをセラスにかける場面があった。
灯河は狂美帝とともに宝物庫内を見て回り、そこで話を交わした。狂美帝は、封印部屋の件や今後の戦いの計画について話し、灯河も意見を述べた。狂美帝は女神陣営との戦いにおいて、セラスや異界の勇者の重要性を強調した。
その後、狂美帝は灯河に対し、彼を正式な配下にする提案を拒否し、同盟関係を維持する意向を示した。灯河もその意見に同意し、共に棚を巡った。セラスが「起源涙」と呼ばれる宝石に興味を示し、それが精霊の力を強化するものであることが判明した。狂美帝はその宝石を譲ることを了承し、セラスの精式霊装が完全に近づく可能性を示唆した。
灯河たちは大宝物庫から館へ戻り、起源涙を譲り受けることができた。狂美帝は戦いの役に立つなら国宝を使っても構わないと述べ、護衛たちには秘密を守るように指示していた。館に戻ると灯河は紫甲虫の抽出を始め、セラスの起源涙の効果も徐々に現れることを待つこととなった。
灯河はスレイの回復を確認し、ピギ丸がスレイに寄り添っているのを見守った。エリカの使い魔は鳥かごの中におり、エリカ自身も休んでいる様子である。厩舎に戻ると、ムニンが酒を飲んで寝ており、セラスとスレイが一緒に過ごしていた。
灯河は銀製の盆にカヌレを乗せてみんなに差し入れし、セラスやムニンが喜んで食べる様子を見た。セラスの笑顔に灯河もほっとする。夕暮れ時、厩舎で過ごす穏やかな時間を楽しみ、翌日の調印式の準備を進める。
翌日、灯河たちは準備を整え、調印式に向けて館を出発した。
2. NAME
ムニンが同盟締結書に王印を捺し、王ゼクトの代理人としてサインを行った。狂美帝は既に作業を終えている。参列者たちは二人が座る長卓に注目していた。ムニンは翼を出し、最果ての国の者であることを示していた。装いは落ち着いた色のカーディガンで、ミラから借りたものである。狂美帝も式典用の装いで、姫君と呼ばれても通用しそうだった。二人がサインを終えると宣誓を行い、調印式は厳かな雰囲気の広間で行われた。
調印式後、カイゼ・ミラが締結書を参列者に提示し、同盟が成立したことを宣言した。拍手が続く中、灯河とセラスは隣り合って座っていた。セラスは蠅騎士装ではなく、白と青のドレスを着ていた。移動後、夜会が始まり、選帝三家や貴族と顔合わせをすることになった。
広間を出ると、十人ほどの貴族たちがセラスに話しかけたい様子だった。セラスは緊張しており、灯河に頼るように身を寄せた。灯河はセラスの腰に手を回し、彼女を守る意図を示した。
夜会の広間に移動すると、カイゼ・ミラが灯河とセラスに話しかけてきた。彼は狂美帝から遣わされたことを明かし、灯河の働きについて話した。カイゼは狂美帝の信頼を強調し、選帝三家の当主たちを紹介した。ディアス家のハウゼン、オルド家のヨヨ、シート家のリンネがそれぞれ登場し、彼らは灯河を支持する意向を示した。
夜会の目的は、狂美帝との信頼関係を周囲に示すことであった。灯河は壁際に立ち、鹿島が勇気を振り絞って話しかけてきた。彼女は十河綾香のことを知りたがっており、灯河は彼女を別の部屋に誘導した。
狂美帝に頼んで確保してもらった広間近くの部屋は、夜会の合間に静かな場所で休憩したい者が使う部屋である。貴族も利用するため、内装は贅をこらしているが、煌びやかではなく落ち着いた色合いで統一されている。鹿島は緊張した面持ちで座り、灯河は斜め前の長椅子に腰掛けた。二人の距離は1メートルほどで、鹿島はそわそわしていた。
鹿島は魔防の白城の戦いについて聞き、灯河に感謝の意を伝えた。灯河はセラス・アシュレインの望みでカトレア姫を助けたことを説明し、結果として異界の勇者たちも救えたと述べた。鹿島は十河綾香の様子について質問し、灯河は彼女の強い意志と成長を伝えた。鹿島は桐原の裏切りや聖と樹の行方不明についても言及し、心から姉妹を案じている様子だった。
鹿島は女神が異界の勇者たちを元の世界に帰すつもりがないのではないかと浅葱から聞いており、桐原や聖たちがそのことに気づいて大魔帝に協力しているのではないかと考えていた。灯河は狂美帝が女神に頼らず元の世界へ戻る方法を知っており、それを十河に信じさせることができれば説得が成功すると話した。鹿島は絶対に説得を成功させると決意していた。
灯河は鹿島に、十河綾香のことを心から想っているのだろうと尋ね、鹿島は十河の優しさと温かさに惚れていると認めた。灯河は十河の力が必要だと述べ、鹿島の説得の成功が鍵となることを強調した。鹿島は灯河の話を聞けただけで助けになったと感謝し、灯河が三森灯河であることを確認した。
3.動く、盤面
鹿島は灯河に対して「三森君」と呼びかけ、ステータスを確認する。鹿島は灯河のステータスを詳細に読み上げることができる特殊な能力を持っている。灯河は声変石を外し、鹿島に自分が三森灯河であることを認める。鹿島は涙を流しながら喜びと安心を示し、灯河が生きていることに感謝した。
鹿島は自分の固有スキルを明かし、灯河のステータスが見える理由を説明する。灯河は鹿島の能力を面白いと評した。鹿島は浅葱の固有スキルについても話し、浅葱のスキルが進化し、単体を対象とした弱体化もできるようになったことを伝えた。鹿島は浅葱が追放帝を倒した方法を詳細に語り、その勝ち方が非常に危険であることを示唆した。
灯河は鹿島に自分の正体を隠し続けるように頼み、鹿島はそれに同意した。鹿島は浅葱が「勝ち馬に乗る」と言っていたことを伝え、浅葱がどの側に付くかはまだ不確定であることを示唆した。灯河は鹿島の協力を求め、鹿島は喜んで協力を約束した。
二人は過去の思い出を共有し、鹿島は灯河がかつて拾った子猫を引き取ったことを伝えた。また、学校で灯河に話しかけられた時に何も返せなかったことを謝罪し、灯河はそれを気にしていないと慰めた。灯河は鹿島に自分が小山田の死を隠していることを伝えず、浅葱グループにはその情報を伏せていることを示した。
灯河は鹿島と今後の方針を話し合い、十河の説得を進めることを確認した。灯河は鹿島に自分の正体を隠すよう指示し、接触を避けつつ協力することを決めた。浅葱と鹿島との会話で、浅葱は鹿島の気持ちを理解し、彼女の話を聞いていた。浅葱は灯河に親近感を示し、鹿島の感情を軽く見ていたが、鹿島は浅葱への信頼を保ちながら灯河と連携することを選んだ。
夜会が終わり、灯河は迎賓館に戻り、セラスの着替えを手伝った。ムニンも使い魔の世話を終え、灯河と共に次の戦いに向けた決意を新たにした。ムニンはクロサガの族長として、禁呪の封印部屋と女神ヴィシスとの決戦に挑む決意を表明し、灯河はその信頼に応えようと誓った。
灯河は夜の十時半、寝室のベッドで『禁術大全』を読んでいた。セラスとムニンが湯浴みを終えて訪れ、灯河の慰労会を提案した。灯河は二人に労われ、トノア水やアラマ水を楽しむ。慰労会の後、灯河は寝落ちしたムニンを寝室に運び、セラスと共に夜を過ごす。セラスは灯河に対する忠誠と感謝を改めて表明し、灯河もセラスの存在に感謝した。セラスは灯河の肩に頭を預け、穏やかに眠りに落ちた。
紫甲虫の〝抽出〟が終わり、灯河が強化剤の調合を始めた頃、ルハイトが戻り、大誓壁に集結していた金眼の魔物に異変があると報告した。大魔帝の死の予測が飛び交い、ネーア聖国とバクオス帝国が西へ出兵したと伝えられた。これにより、ウルザ侵攻中のミラ軍と衝突する可能性がある。狂美帝は大魔帝の死を確認し、封印部屋の件を早急に済ませる必要性を認識し、その日、灯河たちは報告内容を確認しながら地下の封印部屋へ向かった。
【女神ヴィシス】
魔帝討伐軍は、マグナルの国境線に近づき、休息のため野営をすることとなった。ヴィシスは、アライオンで処理し切れなかった書類を持ち込み、書類を片付けながら、雑務の処理能力に優れたニャンタンを思い出し、その有能さを評価した。
ヴィシスは過去の失敗を思い返し、何が狂いの原因だったのかを考えた。大侵攻の後に狂いが生じたのか、さらに過去に原因があったのかを思索する。その中で、シビト・ガートランドの死や蠅王の存在について思い至り、呪術や毒の可能性に考えが及ぶ。
報告書にあった「廃棄遺跡」での異変がヴィシスの興味を引き、過去に廃棄遺跡に落とした灯河のことを思い出す。ヴィシスは灯河が生き延び、蠅王として復讐を果たそうとしていることに気づいた。
その時、伝令が入り、タクト・キリハラが大魔帝を討ち取ったという報告と、キリハラがヴィシスとの会談を求めているという知らせがもたらされた。
ヴィシスはタクト・キリハラが大魔帝を討ち取ったという報告に驚き、キリハラと会談するために新生騎兵隊を率いて指定の国境線へ赴いた。キリハラは金眼の魔物を従属させるスキルを持ち、ヴィシスはその真意を探るために会談を進めた。
キリハラは自分が真の王であることを主張し、ヴィシスに対して協力を求める。ヴィシスは彼の要求に応じ、協力関係を結ぶことを決意した。キリハラはマグナル王国を手に入れることを目指し、セラス・アシュレインを正室に迎えようとしている。
ヴィシスはキリハラの要求を受け入れ、彼の計画を支援することを約束した。二人は共闘関係を結び、キリハラの目標達成に向けて協力することとなった。
【十河綾香】
魔帝討伐軍はアライオン王城へ引き返した。女神は「状況が変わった」とだけ告げ、詳細は明かさなかった。数日後、大魔帝が桐原拓斗によって討たれたとの噂が広まり、女神がその事実を確認した。しかし、桐原は大魔帝の心臓を隠し、女神との会談でミラとの戦争を望んでいると伝えた。
綾香は困惑しつつも、桐原が暴走していると知り、女神との共闘関係に不安を抱いた。女神はミラが神族を殺す手段を持ち、その脅威に対抗するため戦争を正当化した。ミラの皇帝一族は大陸の統一を目的とし、その宿願のために戦争を起こしていると説明した。
さらに、蠅王ノ戦団がアライオン十三騎兵隊を無慈悲に殺害したと報告され、女神は綾香にその事実を伝えた。綾香は蠅王がそんな行為をするとは信じられないが、女神は彼の過去の行動を示し、彼の残忍さを訴えた。
ヴィシスは、捕虜処刑の中にヤスが含まれていたことを知りショックを受ける。女神はヤスに特別任務を与えていたが、蠅王に殺されたと説明した。女神は蠅王が狂美帝に洗脳されていると確信している。高雄聖や他の仲間の消息も不明で、彼らも洗脳される可能性があると述べた。
女神はヴィシスに桐原拓斗を止めるよう頼んだ。ヴィシスは他のクラスメイトを戦争に巻き込まない条件で参加を決意し、ミラへ向かうことを承諾した。
女神は人質にしようとしていた柘榴木先生の本性を暴露し、彼が教師になった動機を語らせた。ヴィシスは柘榴木に教職に対する向き合い方を改めるよう強く求めた。最後に、女神は小山田君の状況を説明し、ヴィシスはアライオンに残る人々を女神に託した。
綾香は出立前に周防カヤ子に今後の方針を説明した。カヤ子は西の戦場に同行したいと申し出たが、綾香はそれを断り、周防には残る仲間の面倒を見る役割をお願いした。
綾香はカヤ子に、なぜ自分のグループに入ったのかと尋ねると、カヤ子は人付き合いが苦手で孤立していた自分に対して、綾香だけが純粋な善意で話しかけてくれたため信用できると感じたからだと答えた。
カヤ子は綾香に無事に戻ってくるよう強く願い、最後まで味方であることを誓った。綾香もみんなで元の世界に帰ることを約束し、カヤ子は「すべてが終わったら大事なことを伝えたい」と告げた。
綾香は出立前に周防カヤ子に今後の方針を説明した。カヤ子は西の戦場に同行したいと申し出たが、綾香はそれを断り、カヤ子に残る仲間の面倒を任せた。
綾香がなぜ自分のグループに入ったのかと尋ねると、カヤ子は人付き合いが苦手で孤立していた自分に対して、綾香だけが純粋な善意で話しかけてくれたため信用できると感じたからだと答えた。
カヤ子は綾香に無事に戻ってくるよう強く願い、最後まで味方であることを誓った。綾香もみんなで元の世界に帰ることを約束し、カヤ子は「すべてが終わったら大事なことを伝えたい」と告げた。
十河綾香は魔導馬を走らせ、西の戦場を目指していた。魔導馬は通常の馬よりも速く移動できる貴重な馬であり、女神は惜しまずそれを綾香に与えた。
女神もまた、自らの使命を果たすためにアライオンを発った。
綾香は周防カヤ子のためにも絶対に生きて戻る決意を固めていた。今回の戦いには仲間を巻き込みたくなかった。自分が鬼と化すかもしれない姿を見せたくなかったからだ。
綾香はみんなを守り、必ず一緒に元の世界に戻ることを誓い、魔導馬の速度をさらに上げた。
【カトレア・シュトラミウス】
ミラ帝国がアライオン王国に反旗を翻し、蠅王ノ戦団がミラ側に味方するという噂が広がっていた。カトレア・シュトラミウス率いるネーア軍とバクオス軍はアライオン軍を助けるため西へ向かっていたが、途中で金眼の魔物の群れに遭遇した。
カトレアは聖騎士たちと共に撤退を指示し、迂回路を探すことに決めた。しかし、追撃が激しく、時間を稼ぐために兵士たちが命を捨てる覚悟を決めた。ガス・ドルンフェッドと共に撤退を続ける中、綾香が現れ、人面種と戦うことを決意した。
綾香は武装戦陣を発動し、浮遊する銀の武器を従えて人面種に立ち向かった。カトレアは彼女ならやれると信じ、軍の動きを止めて綾香の戦いを見守った。
アヤカ・ソゴウの戦いぶりを見ていたカトレア・シュトラミウスは、人面種が断裂される直前に怯み背を向けようとする動きに驚いた。しかし、そんなことはありえないと自分に言い聞かせた。
翌日、アヤカを迎えたネーアとバクオスの連合軍は無事にポラリー公爵の混成軍と合流し、対ミラ連合軍と改名した。その翌朝、ポラリー公爵を追ってきたミラ軍と対峙することとなった。
【戦なる鬼神の銀世界】
チェスター・オルドは、ミラ軍の総指揮を担うも、アヤカ・ソゴウ率いる異界の勇者の奇襲に苦しんでいた。彼女は敵を殺さず無力化し、指揮官を次々と捕らえていた。ミラ軍の士気は低下し、混乱が広がった。最終的にチェスターは撤退を決断するが、アヤカに追いつかれ、戦闘の末に気絶させられた。彼女の目的は、戦争の中でも最小限の死者を出すことだった。
ミラ軍はアライオン領土まで攻め込む勢いだったが、戦局が急変した。総指揮官チェスター・オルド以下、多数の指揮官が捕虜となり、戦線を崩壊させた。勢いを取り戻したアライオンの混成軍に押し返され、ミラ軍はウルザとの国境線まで大きく撤退を余儀なくされた。この戦いは、「ミラ軍はたった一人の勇者によって敗北した」と囁かれている。
【ニャンタン・キキーパット】
ティノは、マスターの命令で露天風呂の見張りをしていたが、次々と現れるリィズやシトリーに悩まされる。アンダーマンのプリンセスも侵入を試みるが、ティノは必死に阻止しようとする。最終的には、仮面の力を使いスーパーティノに変身して侵入者を撃退しようとするが、誘惑に負けてしまいそうになる。しかし、ティノは自制心を取り戻し、守りの役割を全うしようとする。その後、悪夢から目覚め、再びマスターの部屋で混乱の中にいることを思い出す。ティノはマスターに助けを求め、部屋に戻ると水色のドラゴンのような姿をしたマスターに出会う。
殺戮が終わり、白狼騎士団は壊滅した。金眼たちが死体を処理している中、唯一生き残ったのはニャンタン・キキーパットであった。キリハラはヴィシスの指示でニャンタンを生かすと述べ、彼を見下して去るよう命じた。キリハラはニャンタンに、この出来事を他言しないよう警告し、もし違反すれば命の危険があることを告げた。ニャンタンは恐怖を感じつつ、その場を離れた。キリハラは自身がニャンタンを越えていることを認めさせ、満足して息をついた。
4.ターミナス
灯河たちは封印部屋を目指し、狂美帝やセラス、ムニンと共に向かっていた。封印部屋に到着し、ムニンが扉に刻まれた文字を読み解いたことで扉が開いた。部屋の中には禁呪の呪文書があり、その内容から勇者たちを元の世界へ戻すための送還呪文と、異なる世界から召喚する呪文であることが判明した。
一方、桐原拓斗は大魔帝を討ち、金眼の魔物を従える力を得てミラ帝国への侵攻を計画していた。彼の要求は、蠅王ノ戦団の蠅王の引き渡しと、セラス・アシュレインの忠誠であった。灯河はこれに対し、桐原を倒すことが必要であると主張した。
さらに、アヤカ・ソゴウがウルザ戦で敵軍を壊滅させたとの報告が入り、彼女の力が戦局を大きく左右していることが明らかになった。狂美帝はこの状況を受けて、アサギ・イクサバを呼び出す決断を下した。
灯河たちは、桐原拓斗が大魔帝を倒したことを知り、彼が暴走している可能性を考慮した。桐原は強力な力を手に入れ、金眼の魔物を従えている。狂美帝は、桐原の伝書の内容を浅葱に伝えた。浅葱は桐原の動向に驚きはしたものの、彼が正気を失っていると判断した。
浅葱は、桐原との対決は蠅王ノ戦団に任せ、自身は十河綾香の説得に向かうことを提案した。浅葱は、綾香がクラスメイトを傷つけることができないことを知っており、説得の成功率が高いと考えた。カイゼは説得に失敗した場合の懸念を示したが、浅葱は自信を見せた。
灯河は狂美帝に、桐原との戦いに備えるための人員と物資の手配を求めた。彼は桐原が蠅王の正体に気づいている可能性を考慮し、最悪の事態に備える必要があると考えた。狂美帝は灯河の要請に応じ、必要な手配を行った。
最後に、灯河は桐原の伝書に含まれる「オレはおまえを、許さない」というメッセージが、自分を指している可能性があることを指摘し、警戒を強めた。
灯河は、廃棄される直前に桐原拓斗から「消えるならさっさと消えろよ、E級」と言われたことを思い出していた。桐原は以前とは別人のように感じられるが、それは灯河自身も含め、皆がこの異世界でおかしくなってしまった結果である。十河綾香や安智弘も変わり果てた。
灯河は、自分たちは「王」などではなく、ただの自己中心的で身勝手な異界人に過ぎないと考えている。彼は桐原拓斗を倒す決意を固め、「ここが、おまえの終着駅だ」と決意を示している。
【鹿島小鳩】
ヨヨ・オルドは平原で戦局を見守りながらも、冷静を保っていた。鹿島小鳩は不安を感じつつ、戦場浅葱と共に陣幕の中にいた。ヨヨの参戦が味方の士気を回復させ、狂美帝の指揮参加が囁かれていることで、ミラ軍の敗北ムードは払拭されつつあった。
浅葱は十河綾香の説得を試みるが、綾香は女神の影響でミラ側を警戒していた。浅葱は綾香を信じておとなしく捕まるふりをするが、小鳩がベルゼギアの正体が三森灯河であることを明かす。綾香は動揺しつつも、桐原拓斗を止めるために三森に会いに行くことを決意した。
綾香は固有スキルで銀の馬を召喚し、桐原を止めるために駆け去った。浅葱は綾香を止められないと判断し、三森に任せることを決めた。浅葱は小鳩に蠅王の正体を隠していたことを問い詰めるが、最終的に三森を信じることにした。
【桐原拓斗】
桐原拓斗はミラからの返事を受け取り、蠅王の首とセラス・アシュレインの引き渡しが示された内容に不信感を抱いた。彼は、かつて自らの死を偽装し油断を誘った三森が、また罠を仕掛けているのではないかと疑念を抱く。
桐原は自らの強さに自信を持ち、三森が企むとしてもその程度の策は通用しないと考えた。彼は指定された場所での引き渡しを計画しながらも、周囲の魔物を休眠状態にして負荷を減らしつつ待機していた。
桐原は自分が正しい位置に人々を戻すという使命感を持ち、弱者を切り捨て強者を優遇することを信条としていた。彼は指定の日を待ちながら、約束が守られなければミラを破壊することを決意していた。
桐原拓斗は指定された日に到着し、雨の中で待機していた。彼は早く到着し、周囲を見回した後、部下の魔族からミラの者たちが一時間以内に到着するとの報告を受ける。彼は、セラス・アシュレインとの初顔合わせに際し、配下を連れて行かないことを決意する。
雨が強まり、建物内に入ることを考えたが、待ち伏せの可能性を疑いつつも、堂々と進むことを選んだ。彼は三森灯河の卑劣な罠を予測し、逆にその罠を利用する意図を持っていた。桐原は心の中で、三森に状態異常スキルを使わせ、その意図を見抜いた上で対処する覚悟を固めていた。
5.虚偽と虚飾の行き着く果て
桐原拓斗は雨を避けて建物に入るが、その中に灯河が待ち伏せしていた。灯河は天井に張り付き、ピギ丸の新能力を駆使して隠れていた。桐原が近づくと、灯河は小ピギ丸を使って桐原の注意をそらし、【パラライズ】などのスキルを試みたが、桐原は【金色龍鳴波】で全て無効化した。
桐原は「誘い込まれたのはお前だ」と灯河を嘲笑し、金龍の光で室内を照らす。灯河は逃げ道を確保しており、窓の外に脱出する準備をしていた。
灯河は、追放帝から力を得たという話を狂美帝から聞き、女神の解呪を使える可能性について考えた。彼は桐原に備えて、最悪の事態に対策を立てていた。雨の中、桐原が建物に入ると、灯河は天井に隠れていた。ピギ丸の新たな能力を使い、灯河は桐原を狙ったが、桐原は【金色龍鳴波】で無効化した。灯河は外に脱出し、桐原とセラス・アシュレインの戦闘が始まった。
セラスは進化した精霊装を身に纏い、金龍に対抗する。桐原の言葉に動揺するも、灯河の助言で持ち直す。戦闘は激しく続き、セラスは技術で桐原に対抗するが、互角の戦いに持ち込むのが限界だった。灯河は【フリーズ】などのスキルを試みるが、効果はない。
桐原との激しい戦闘の中で、灯河は無数のスキルを試したが、すべて無効化された。セラスとの連携で戦況を保ちながら、灯河は桐原の動きを観察し続けた。桐原の金龍は彼の感情と連動し、自律的に動いているようだった。
桐原は自身が王であると主張し、灯河を挑発するも、灯河はそれを一蹴し、セラスと共に戦い続けた。桐原の攻勢は激しく、セラスの呼吸にも乱れが出始めるが、灯河はスキルを放ち続けた。
桐原は自身の優位を信じていたが、灯河は彼の動きが徐々に鈍くなっていることを指摘し、それがスキルの微弱な効果の積み重ねであると説明した。桐原は焦り、短期決戦に切り替えた。
灯河は桐原の攻撃を受けながらも、桐原の本質を突き、彼の過去や本性を暴いた。桐原の怒りは頂点に達し、最終的には禁呪を用いて女神の解呪を打ち破ることを決意した。
灯河とセラスは、桐原を欺くために偽の引き渡し場所を設定し、蠅王の首とセラス・アシュレインの偽者を狂美帝に用意させた。桐原を油断させるため、本物の灯河とセラスは予定より早く待ち伏せ場所に到着していた。
桐原が雨を避けて建物に入ったため、計画通りに進行。灯河は状態異常スキルを使用して桐原を攻撃するが、すべて無効化されたため、建物から退避した。その後、ピギ丸の合図でセラスが登場し、桐原と戦闘を開始。
灯河は桐原を動揺させるために状態異常スキルの連続使用を試みた。桐原は次第に疲労し、焦りから短期決戦に切り替えた。灯河は桐原の注意を自分とセラスに集中させることで、ムニンが禁呪を使用するための隙を作り出した。
最終的に、桐原の意識と感情を最大限に煽り、ピギ丸の合図でムニンが禁呪を使用するタイミングを確保した。
雨が上がり、桐原の肌に半透明の鎖が浮かび上がった。灯河が【パラライズ】を発動すると、桐原の金龍が消滅し、桐原は無理に動こうとして血を噴き出した。その後、桐原はセラスに灯河を殺すよう命じるが、灯河が【スリープ】を使い、桐原を眠らせた。
桐原を殺そうとしていた灯河に、十河が現れ、桐原を殺さないよう懇願する。十河は桐原を変えられると信じ、対話のために力を求めて強くなったと訴えた。灯河は桐原を氷漬けにする【フリーズ】のスキルを説明し、十河に時間を与えた。
突然、高雄聖が現れ、十河は彼女に抱きつき、泣き崩れた。聖の登場により、十河は落ち着きを取り戻し、灯河は助かったと感謝の意を示した。
灯河は十河との会話中、懐中時計を取り出して高雄聖の到着時間を確認していた。スレイのいななきは聖が来たことを知らせる合図であった。聖が来ることを十河に知らせなかったのは、灯河を信じない十河に対する配慮であった。
高雄聖は蠅王の正体が灯河であることを勘づいており、灯河と協力して女神を倒す計画を立てた。聖は桐原を詳細に分析し、灯河にその情報を提供していたため、灯河は桐原を巧みに煽ることができた。
灯河は聖に十河を救うための協力を頼み、聖は了承した。聖はエリカたちの助けを受けて回復しており、灯河に感謝していた。最後に、聖は灯河に謝罪し、蠅王の評判と使い魔を通して印象が変わったことを伝えた。
高雄姉妹は固有スキルを使いながら灯河の元へ急ぎ、姉の高雄聖は早く到着し、妹の高雄樹は遅れて到着した。樹は桐原や委員長の安否を確認し、聖は十河を安心させた。灯河は、全員が揃ったところで瓦礫に腰を下ろし、話を始めようとした。
エピローグ
ティノは、マスターの命令で露天風呂の見張りをしていたが、次々と現れるリィズやシトリーに悩まされる。アンダーマンのプリンセスも侵入を試みるが、ティノは必死に阻止しようとする。最終的には、仮面の力を使いスーパーティノに変身して侵入者を撃退しようとするが、誘惑に負けてしまいそうになる。しかし、ティノは自制心を取り戻し、守りの役割を全うしようとする。その後、悪夢から目覚め、再びマスターの部屋で混乱の中にいることを思い出す。ティノはマスターに助けを求め、部屋に戻ると水色のドラゴンのような姿をしたマスターに出会う。
ティノは、マスターの命令で露天風呂の見張りをしていたが、次々と現れるリィズやシトリーに悩まされる。アンダーマンのプリンセスも侵入を試みるが、ティノは必死に阻止しようとする。最終的には、仮面の力を使いスーパーティノに変身して侵入者を撃退しようとするが、誘惑に負けてしまいそうになる。しかし、ティノは自制心を取り戻し、守りの役割を全うしようとする。その後、悪夢から目覚め、再びマスターの部屋で混乱の中にいることを思い出す。ティノはマスターに助けを求め、部屋に戻ると水色のドラゴンのような姿をしたマスターに出会う。
【ニャンタン・キキーパツト】
ニャンタン・キキーパットはヴィシスの私室を出て、自室に戻った。ヒジリ・タカオからの指示を思い返しながら、ニャンタンは妹たちの居場所を示す情報を確認した。ヒジリはアライオン王城に残るクラスメイトたちを安全に逃がすこと、そしてヴィシスを打倒するための重要な任務をニャンタンに託していた。
ニャンタンはヒジリから渡されたスマートフォンを操作し、録音されたヴィシスの声を再生した。ヴィシスは白狼騎士団の犠牲を許可したこと、勇者たちを元の世界に戻すつもりがないことを話していた。ヒジリはこの録音を利用することで、ヴィシスを追い詰める手段を提供していた。
ニャンタンは緊張しながらも、この録音を使えばヴィシスがこの世界のすべての者を敵に回すことになると理解した。
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