小説【ハズレ枠】「ハズレ枠の【状態異常スキル】 6」感想・ネタバレ

小説【ハズレ枠】「ハズレ枠の【状態異常スキル】 6」感想・ネタバレ

どんな本?

ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」は、篠崎芳によるライトノベルシリーズで、KWKMがイラストを担当している。

主人公は「ハズレ枠」と称され召喚した女神に廃棄場に廃棄されてしまう。
廃棄された召喚者達を嬲り殺そうと襲って来たモンスターを【状態異常スキル】を駆使し、困難な状況を乗り越えていく。
物語は、主人公が経験値の取得とレベルアップを繰り返すことで自身の限界を超え、新たなスキルを獲得し、押し寄せる魔物を蹂躙していくところから展開。

このシリーズは、読者に強い印象を与えるストーリーとキャラクターで知られている。
また、このシリーズはオーバーラップ文庫から出版されており。
それぞれの巻は、主人公が困難を乗り越えて成長していく様子を描いている。
このシリーズは、ファンタジーと冒険の要素を組み合わせたエキサイティングな物語で、多くの読者から高い評価を受けている。

読んだ本のタイトル

#ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで6
(英語名:Failure Frame: I Became the Strongest and Annihilated Everything With Low-Level Spells
著者:篠崎芳
イラスト:KWKM

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あらすじ・内容

打倒せよ蠅の王。敵は“勇血最強”の剣なり
「ハズレ枠」のスキルを駆使し、大魔帝軍最強のアイングランツを打倒した三森灯河。十河綾香と再会したのも束の間、彼は禁呪を求めふたたび金棲魔群帯へと足を踏み入れた。禁呪の秘密を知る“禁字族”。禁字族が住まう“最果ての国”。
だが、その国を目前にした瞬間、ある存在が灯河の前に現れた。異界の勇者の血を受け継ぐ”勇の剣”ルイン・シール。かの“人類最強”シビト・ガートランドすら比肩すると謳われる“勇血最強”と、蠅王との戦いが幕を開け――。
「復讐からは、何も生まれない? 何言ってやがる。俺が、生まれただろうが」
かつて空気モブだったE級勇者が、絶対最強へと至る逆襲譚、第6幕。

ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 6

感想

今巻は、前巻で大魔帝軍の最強の敵、アイングランツを打ち破った三森灯河が主人公の物語である。
灯河は「ハズレ枠」と呼ばれる状態異常スキルを持つが、それが逆に彼の武器となり、敵を倒す鍵となっている。

彼は十河綾香との再会後、再び女神打倒するため禁呪の秘密を求めて金棲魔群帯へ向かう。
そして、魔女エリカの棲家へと戻り、戦いの疲れを癒やし、更なる旅を続けるため共に旅をしていたイヴ達と別れて「禁字族」に会いに、「最果ての国」へと旅立つ決心を固めるが、旅の途中でルイン・シールという新たな敵が現れる。

灯河とスピード一族の仇、ルインとの戦いはルインの肩書きのわりにアッサリと終わるが、灯河の能力を考えると妥当な戦術でもあった。
ルインと同行していた神獣のニャキの姉がニャンタンだったのが1番驚いた。
しかも、殺す事を前提の人質とか酷い。

灯河は多くのトラブルを乗り越え「最果ての国」への道を切り開く。

一方で、綾香も自らの戦いを続けているが、女神の目標が不明で暗中模索をしている感が拭えない。

灯河と綾香は、過去の絆を再確認しながらも、新たな敵に立ち向かう準備をする。

本作の複雑な人間関係や灯河の内面の成長が感じられる。
特に、敵対するキャラクターたちとの心理戦が魅力的で、戦闘シーンの描写がリアルであった。
また、灯河と綾香の関係性に注目しつつ、彼らの未来がどう展開するのか、次巻を心待にしている。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

アニメ

PV

ぽにきゃん-Anime PONY CANYON
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OP

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ED

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備忘録

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アニメ

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備忘録

プロローグ

東軍は大魔帝軍の猛攻に苦しめられながらも、高雄聖というキャラクターの卓越した戦闘能力によって辛うじて持ち堪えている状況が述べられている。
高雄聖は風属性の基本スキルに加え、複合属性効果を持つ固有スキルを用いて戦場で多くの敵を倒している。
姉の高雄聖と妹の高雄樹は、一緒に戦いながらも疲労が蓄積していることが示されている。
戦況は依然として不利であり、大魔帝軍は絶えず新しい魔物を生み出している。
東軍の勝利には「あと一押し」が足りず、勢いを増す敵軍に対抗するための努力が続いている。
この戦いの最中、女神ヴィシスと金色のS級勇者が現れ、物語に新たな展開が生まれる様子が描かれている。

桐原拓斗というキャラクターが戦闘の最前線で重要な役割を担っている。
彼は「ウインド」というスキルを使い、後方の味方を保護しながら、多数の魔物を倒している。
この場面では、桐原が自信満々に状況を制御し、敵の大魔帝が退却する様子も描写されている。
また、戦場には金色の龍が登場し、魔物たちを一方的に殺戮している。
この戦闘の中で桐原は、金波龍と呼ばれる力を使い、敵を圧倒している。
しかし、大魔帝は何らかの理由で早期に退却を決断し、このことに関して、聖やその妹の樹は疑念を抱いている。
彼女たちは大魔帝が単純に恐れて逃げたわけではないと推測しており、何か他の意図があったのではないかと考えている。
最後に、桐原は自身の役割がこれから始まると宣言し、絶対の自信を示している。

1.隠滅から、帰還へ

夕刻に、勝利を収めた各国の軍はまだ現状把握が完全ではなく、活発に指示を出している状況であった。
ネーア聖国の姫、カトレア・シュトラミウスに呼び出された主人公は、仲間と共にネーア軍の陣幕に入り、セラスの正体を明かした。
これにより、彼らが戦場に現れた理由を説明しやすくなり、姫との接触も容易になった。
カトレア姫との会話で、セラスがかつてのアシントの一員であったこと、アシントが二つの派閥に分かれた過去、そして少数派だった彼らが蠅王ノ戦団として独立した経緯が語られた。
カトレア姫は、主人公たちの参戦に感謝を述べ、主人公がネーア軍に留まることなく、元の目的を追求する旅に戻る意向を示した。
カトレア姫はセラスが彼のもとで仕えることを尊重し、セラスの過去の話を受け入れた。
姫の女神に対する感情は反感に近く、セラスが女神の下で使われることを望んでいなかった。
最終的に、セラスが真実を語るためのシンプルな答え方を選んだことで、真偽の判断が容易になった。

カトレア様はセラスと女神を引き合わせたくないために、セラスを城から脱出させたと考えられる。
その後、カトレア様はセラスの保護者としての役割を引き受けることを提案し、この提案にはセラスも同意している。
この会話中に、カトレア様はセラスとの強い信頼関係を示し、さらにセラスが重要な情報を持つことを認めている。
また、カトレア様はセラスが姫様の元に戻ることを望んでおらず、セラスの意向を尊重する姿勢を見せる。
さらに、カトレア様はセラスがこれまでの戦いでの貢献を高く評価し、これからもその支援を続ける意向を示している。
セラスはカトレア様に対して敬意を表し、彼女の指示に従うことを確約している。
カトレア様とセラスの間には深い絆が存在し、その関係が今後も続くことが期待されている。

カトレア様はセラスを女神との再会から遠ざけたいという意向を示しており、そのためにセラスを城から脱出させたと考えられる。
彼女はセラスの保護者としての役割を引き受けることを提案し、セラスも同意している。
この会話中にカトレア様はセラスとの強い信頼関係を示し、セラスが重要な情報を持つことを認めている。
また、カトレア様はセラスが彼女の元に戻ることを望んでおらず、セラスの意向を尊重する姿勢を見せている。
さらに、カトレア様はセラスがこれまでの戦いでの貢献を高く評価し、これからもその支援を続ける意向を示している。
セラスはカトレア様に対して敬意を表し、彼女の指示に従うことを確約している。
カトレア様とセラスの間には深い絆が存在し、その関係が今後も続くことが期待されている。

ベルゼギアが、アヤカ・ソゴウと会話を交わしている。
ソゴウは、戦場での彼の援助に感謝しており、自身の固有スキルについて説明している。
ベルゼギアは他の勇者の固有スキルについても尋ね、ソゴウは知っている限りの情報を提供している。
特に、行方不明となっている二人の勇者の話をして、彼らが見つかることを願っている。

ソゴウは、今回の戦いで力の重要性を痛感し、より強くなることを固く決意している。
彼女は、誰も死なせないという強い意志を持ち、保護したい人々を守るために全力を尽くすと語っている。
この会話は、ソゴウが今後どのように行動するかについての洞察を与えている。
彼女は自身の信念に基づいて行動し、周囲からどのような反応があろうともその決意を変えない。

南野萌絵がベインウルフが見つかったことを伝える。ベインウルフは生きていた。
その知らせを聞いたベルゼギアは、十河綾香に感謝されるが、すでに彼が必要とする情報は得ていた。
十河はベルゼギアに再会の可能性を示唆しながら別れ、ベルゼギアは彼女の未来がどのように展開するかを考えつつ、イヴと共にその場を去る。
その後、ベルゼギアは大魔帝がどれだけ持つかが鍵となると考え、今後の戦略を練り直す。
彼は十河綾香と再会し、もし十河が彼の障害となるなら、その時にどのように対応するかを模索する。
マキアはベルゼギアの監視を終え、彼に自由に行動することを許可する。

【各地にて】

白狼王が率いるマグナル軍は、残り半分の南軍の到着を待たずに南侵軍と衝突することになる。
その衝突は王都シナドで起こり、マグナル軍は敗退し、王都は敵軍によって侵略された。
その結果、王都は壊滅的な打撃を受け、白狼王は行方不明となる。
一方で西方では、ヨナト公国が敵の西侵軍に押し返され、その軍勢は王都手前まで迫る。
ヨナトは古代兵器「聖騎兵」を投入し、戦場浅葱と異界の勇者たちが反撃に出る。
この戦いは、地域全体での激戦の中でも特に血みどろの大総力戦となった。

  【鹿島小鳩】

ヨナト公国の王都で、聖女キュリア・ギルステインが深刻な負傷を負い、担架で運ばれていた。
女王が悲痛な表情でキュリアの手を握りながら、戦場浅葱が治癒スキルを提供することを提案した。
その後、戦場浅葱のグループの女子たちがキュリアの治療を手伝うことになる。一方、敵の側近級ドライクーヴァは、聖騎兵と相討ちの形で戦死。
その最終的な一撃は戦場浅葱が与えた。
浅葱は、この戦いで得た経験から、固有スキルの重要性について考え、勝ち馬に乗ることの重要性を説く。
同時に、勇者たちのグループは、疲れていても地元の人々と協力し、積極的に貢献することで地元の不興を買わないよう努めていた。

【三森灯河】

セラスは元の部下たちに温かく迎えられていた。
彼の逃亡は、カトレア姫の巧みな印象操作により、戦略的なものとして受け入れられていた。
セラスと姫さまは外で時間を過ごし、その後セラスは戻り聖騎士たちの相手をした。
イヴとの会話で、姫さまの影響力とセラスへの慕われ方が語られた。
その後、ポラリー公がセラスに会いたがっており、姫さまはそれに応じるよう促す。
セラスはこの提案に同意し、ポラリー公との会合に同意した。
セラスの行動は、今後の彼の立場に大きく影響を与えるとされた。

2.別れと、出立

光に包まれた後、主人公たちは魔女の棲み家にある転移陣上に戻ってきた。
全員の無事を確認した後、リズとの再会があった。
エリカは疲弊しており、使い魔を通じて情報を得るために負担をかけていた。
エリカはその労を称えられ、彼女の貢献を感謝された。
最後に、主人公はエリカに将来の協力を求めることを示唆した。

主人公がエリカの部屋を出て自分の部屋へ向かうと、セラスが着替えていたため、部屋を後にした。
外をぶらつく途中、食事の部屋でリズが蹲って泣いているのを見つける。
リズは無事に帰ってきた仲間たちに対する安堵の涙を流しており、誰にも心配させたくないと思っていたようだ。
主人公はリズの気配りを尊重し、静かにその場を離れ、家の外へ出ることにした。
その後、何かを決意し、階段を降りながら今日中に話をすることを考えていた。

彼らは皆で卓を囲んで夕食を楽しんだ後、北方魔群帯からの帰還後の話題に花を咲かせた。
特にエリカは、魔戦車やゴーレムなどの資源を惜しみなく使ったことについて気に留めず、その寛大さを見せた。
エリカは、自分の長い寿命を考慮すると、時間をかけて再び資源を作り出すことに抵抗がないと語った。

さらに、彼らは情報収集の方法として、エリカの使い魔を利用することが決定された。
言語機能を使わない新しい方法として、文字列が記された紙を使い、使い魔が指で「はい」または「いいえ」を示すことで、エリカの負担を大幅に軽減することが提案された。
この新しい方法は、エリカが情報を収集しやすくするために考えられ、特にソゴウという勇者の動向を優先的に監視することが決まった。

使い魔の調整が終了した後、主人公はイヴと話す機会を持った。
彼はイヴに、共に旅をしてきたが、これからは別々に行動することを伝えた。
イヴは当初、反応に戸惑いを示したが、主人公が契約の終了と今後の安全を考慮していることを説明すると、彼女も理解を示した。
主人公は、自分たちの使命が達成されたためにイヴがこれ以上自分の復讐の旅に同行する必要がないと説明し、イヴにはリズとの平穏な生活を送ることを勧めた。
また、イヴは自分の力が必要になった場合はいつでも助けを求めるよう主人公に伝え、互いに感謝の言葉を交わした。
最後に、主人公はイヴに元の姿に戻ることを提案し、彼女の腕輪に触れて変身を解除した。

主人公はセラスにイヴとの旅が終わったことを伝え、イヴがリズのためにも留まるべきだと語った。
セラスは、元々の約束を忘れていたことに気づき、主人公との旅が続いていくことを感じていたが、主人公の話を聞いて納得した。
セラスは主人公との旅に最後まで同行すると確認し、主人公はセラスを守ることを約束した。
その後、セラスは過去に主人公にキスをしたことを打ち明け、その行為に罪悪感を抱いていたが、主人公はそれを気にしないと伝えた。
セラスは主人公の応答に安心し、さらなる関係の進展を希望したが、主人公は自分の過去の家庭環境による性的嫌悪感を打ち明けた。それに対してセラスは理解を示し、真摯に対応した。

セラスはトーカに対し、彼の過去の嫌悪感を新しい感覚で塗り替えたいと提案した。
トーカは驚いたが、セラスとなら違う感覚を持てるかもしれないと受け入れた。
翌日、トーカはリズに旅の終わりを告げ、別れの時間をしっかり設けるべきだと感じた。
トーカはリズとの再会も可能であると考えている。
エリカはトーカに、他の隊員の疲労を考慮して出発を一日延期したことを話した。
また、スレイは特に疲労が見られるが、まだ成長途中であり、休息が必要だと考えている。
トーカとセラスは、リズと外で過ごしているが、トーカはリズに特別な感情を持っており、過去の自分を救うような意識があるとエリカに語った。
エリカはトーカに彼女が笑わない理由を尋ねられ、それに対して深い理由を語った。
その後、トーカはリズと過ごし、彼女との会話で気持ちが和らいだと感じた。
最終的に、リズはトーカとの会話を楽しんでおり、トーカもそれに応える形で礼を述べた。

夕食後、眠くなるまで食堂で過ごし、眠気を感じた者から就寝前の風呂に向かうか部屋へ戻っていった。
エリカは早々に退出し、最終的にはトーカとセラスが残った。
二人は片付けを始め、セラスが部屋の片付け状態に言及した。
トーカはセラスに先に風呂に入ることを勧めたが、セラスは一緒に入ることを提案し、最終的に二人は風呂に入った。
風呂では、二人はバスタオルを身に着け、互いの筋肉について話しながら触れ合った。
出立前の夜は、そんなやり取りで更けていった。

翌日の昼過ぎ、彼らは出立の準備を終え、地上へ出ていた。
湖畔にある小屋の外で、エリカ、イヴ、リズが見送りに来ていた。
トーカたちは西の魔群帯を抜ける計画を立てており、エリカは手製の地図を渡していた。
ウルザ領を通る他のルートを避け、時間短縮を図るためにも西の魔群帯を選んだ。
出発時、イヴとセラスは再会を約束し、スレイの媒介水晶を使って湖畔の小屋を離れた。
目的地は最果ての国で、亜人種や魔物たちが身を隠す国だと言われていた。
エリカの「鍵」が必要で、その国の住人の態度や受け入れ態度は不明だった。
トーカは禁呪の習得を目指しており、女神との戦いも視野に入れていた。

【女神ヴィシス】

ヴィシスは報告書を机の上に放り、興味深く考えた。
セラス・アシュレインは、呪術なる力を用いて大魔帝の側近級を撃破し、魔防の白城における大規模戦闘で戦況を覆すほどの貢献を果たした。
また、古代の魔導具と思われる希少品を数多く所持している可能性がある。
さらに、巨大な馬型の魔物を使役していた。
かつてアシントという名で知られ、人類最強と呼ばれた者を死に至らしめた謎の呪術師集団「蠅王ノ戦団」の生存者であることが示唆されている。

【十河綾香】

十河綾香と他の勇者たちは南軍から一時的にアライオンに帰参した。
大規模な戦闘が魔防の白城で行われ、その話はアライオンにも伝わっている。
ただし、綾香たちのグループだけが戻ったわけではなく、他の多くは元の目的地である王都シナドへ向かった。
戦闘では多くの困難があり、一部の戦いでは勝利と呼べるか不明瞭な状況もあった。
特に、ベインウルフは重傷を負い、戦線に復帰するのは困難とされたが、生存が確認され、一時的な救いを感じた綾香は彼に感謝の言葉を述べた。
また、アギト・アングーンも重傷を負い、意識が戻っていない状態で発見された。
他の勇者たちも苦境にあったが、生存が確認された者もいる。
綾香はこれを身勝手ながらも安堵と感じている。
ヴィシス女神が現れ、綾香たちの戦果を称賛し、過去の態度を反省して謝罪した。
その後、仲良く協力して大魔帝を倒すことを提案した。

綾香は女神に複数の仲間の治療を依頼した。
女神はその願いを受け入れ可能であることを示しつつ、治療後に長い眠りにつく可能性があると警告した。
特に重傷を負った者ほど長期間目覚めないリスクが高いと説明した。
このため、ベインウルフなどは治療を受けるべきではないかもしれないと綾香は考えた。
さらに、女神は治療による自身の消耗も懸念しており、S級勇者が重傷を負った場合の治療については特に消極的であった。
結局、アギトの治療を依頼し、他の者は本人の意思を確認してから決めることにした。女神はその後、綾香と協力する意志を示し、去って行った。

綾香は聖と樹と共に桐原と会話していたが、突然桐原に攻撃される。
聖が迅速に反応して桐原の攻撃を防ぎ、綾香は混乱と痛みに苦しんだ。桐原はこの攻撃を「試験」と称し、綾香が戦力としてカウントされるかを試していたと説明する。
聖は桐原の行動を問い詰めるが、桐原は綾香が死んだ場合、戦いについてこないと断じ、聖にも同様の扱いを示唆する。
その後、桐原グループの一員である室田が桐原に激しく反発し、桐原は冷たく対応する。
室田は桐原の冷酷さにショックを受け、綾香は室田の感情を尊重しようと説得するが、桐原は実力を重視する姿勢を変えない。
最終的に桐原は場を去り、綾香と他のメンバーは彼の行動に対して疑問を抱く。

桐原は綾香に対し、偉人や王が当初理解されず批判されることが多いと語る。
彼は自分が直面する困難を乗り越える力の正しさを証明し続ける必要があると主張し、その過程で批判を無視しなければならないと述べる。
桐原は、自分の行動や考えが正しいことが最終的には理解されると信じている。
さらに彼は、歴史上の偉人が後世で評価される例を引き合いに出し、自分も同様に認識されるだろうと語る。
また、彼は樹に対し、自分たちがいかに冷静に行動すべきかを説く。その後、女神の使いから指示を受けた桐原は、それを無視し立ち去る。
この行動は桐原が自らの信念に従って行動することを示している。

聖は綾香にグループの構成を見直す提案を行い、班分けとサブリーダーの設置を提案する。
周防カヤ子、二瓶幸孝、室田絵里衣を班長とし、綾香が意思決定できない時に備える。
聖は周防をサブリーダーとして推薦し、綾香もこれに同意する。
また、聖はこの世界における香水の使用を文化的なアピールとして説明し、その細かい配慮を示す。
さらに、聖はこの世界の閉架書庫に関する知識も持っており、綾香とその情報を共有する。
聖は綾香のグループに積極的に関わることを提案し、その際の様々な配慮を説明している。

3. Dark

エリカの家から出発して数日が経過し、多くの魔物に襲われた。
特に北方魔群帯では、感知阻害能力のある魔戦車を使用していたため、魔物との戦いを避けることができたが、その深部を通過していたら大変なことになっていただろうと思うほどだった。
今日もスレイの速度を緩め、夜の帳が降りるのを待っていた。セラスと共に休む場所を見つけ、そこで夜を過ごす。
その間、『禁術大全』を読み進めていたが、ピギ丸の最後の強化剤に関する記述が難しい内容であることに頭を悩ませる。
素材が入手困難であることが明らかになり、絶滅の可能性も考慮に入れなければならない状況だった。
それでもエリカの地図を頼りに進路を西へと取り、旅を続ける。

目的地までの半分の地点に達したことが確認された。
エリカの家からかなり離れた場所にある安全な建物を一夜の宿とすることに決める。
そこにはエリカの使い魔と思しきリスが現れ、エリカからの合図を受け、文字紙を用いて情報交換が行われる。
リスは文字を示し、文章を作り上げることでアライオンにいるグループの動向や、大魔帝討伐に向けた動きがないことなどが報告された。
現在地を確認するために使用されているエリカの地図をもとに、次の行動計画が立てられる。
セラスとの会話を通じて、戦力として残っている国々と、最近の戦いで失われた戦力について議論される。
また、エリカからの報告に基づき、使い魔を通じてさらなる情報が集められる予定である。

セラスとともに下馬し、前方の足跡を観察する。
その足跡は複数のもので、血の匂いが漂っていた。
足跡の主が過去にここを通過したことが確認され、大分前のものと推測される。
警戒しながら進んだ二人は、二十体に満たない金眼の魔物の死体を発見する。
この魔物たちは逃げようとした形跡があり、殺害者は逃走を図った魔物を容赦なく追いかけて殺害したと考えられる。
セラスは、殺害者が高い戦闘技術を持つことを推察する。

さらに足跡を追う二人は、魔物が恐れをなして身を隠していることを推測する。
この状況から、魔物の殺害者が非常に強力な存在であることが示唆される。その後、さらなる調査と追跡を続けることを決意し、死体の横を通り過ぎていく。
その途中でさらに衝撃的な発見をするが、詳細は語られていない。
この事件は、彼らが目指す方向と同じであり、地域の安全性に影響を与える可能性がある。

【???】

茂みからトアドが現れ、見つけた幻術地帯を抜けた道について説明した。
彼が持っていた羊皮紙には、実際に存在する水晶の描画があり、それが目的地で確認されたことが明らかにされた。
ルインはトアドの成果を称え、この発見が世界を救うための重要な一歩であることを強調した。
トアドは、これは自分だけの功績ではなく、一緒に力を合わせた全員の功績だと応えた。
その後、冗談を交えながら和気あいあいとした会話が続いた。
そして、サツキが戦略を練るために呼び戻されることが決定し、アレーヌはストライフの安全を心配していた。
これは彼ら、勇の剣のメンバーが長年共に過ごし、困難を乗り越えてきた仲間たちの結束の強さを示している。

ニャキがアレーヌが大切にしている調理器具を誤って地面に落とし、アレーヌが涙を流して嘆いた。
ニャキは謝罪を繰り返したが、仲間たちからは心からの謝罪がないと批判された。
トアドとカロはニャキの謝罪を無視し、彼を厳しく責めた。
悲劇が続く中で、ニャキは改めて謝罪の機会を求め、真剣に反省するよう促された。しかし、その試みは物理的な攻撃によって中断され、ニャキは気絶した。
その後、皆は軍魔鳩を飛ばして良い知らせを報告したが、安堵の瞬間は長く続かず、仲間の一人であるストライフが矢によって重傷を負い、その場に倒れた。
この出来事は、仲間内で深い悲しみと衝撃を引き起こし、ルインを含む全員がその現実に直面した。

サツキの合図に応じて、ルインは自分の手の汗ばみに気づき、不快感を感じた。
その後、ルインは暗がりに声をかけ、「何者だ?」と尋ねた。応答として騎士装束を身にまとった者たちが現れ、「おまえたちは勇の剣だな?」と言い放った。
これに対しルインは、なぜ同胞と認識していたウルザの魔戦騎士団が彼らを攻撃するのかと問うた。
その後、魔戦騎士団との戦闘が始まり、ルインは敵の動きに驚き、混乱する中で自らも戦闘に参加した。
戦闘が進む中でルインたちは勇の剣として魔戦騎士団をほぼ壊滅させ、生存者を捕らえた。

その生存者は、最初に「神獣をもらい受ける」と宣言した魔戦騎士団の一員だった。
ルインは彼に対し、何を意図しているのかを問いただしたが、男は何も話さないと答えた。
そこでルインはトアドに特製の鑢を用いて脅迫を始め、男に痛みを与えながら情報を引き出そうとした。
しかし、サツキの介入により一旦中止された。その後、ルインは自身の勘を頼りに男が魔戦騎士団ではなく、騎士団の装いを模した者であることを見抜き、それによって男が本当の情報を話すことを余儀なくされた。
この一連の出来事は、ルインとその仲間たちにとって精神的にも肉体的にも極めて過酷な試練となった。

カロが魔戦騎士の頭部を刃で貫き、魔戦騎士はようやく死という名の安息を得た。
サツキは、魔戦騎士がミラ帝国のルハイトの指示で動いていたことを明かし、ルハイトが現在の狂美帝に対して不満を抱いていることを示唆した。
その後、ルインは役目を終えたニャキを始末することを提案し、全員がこれに同意した。
その後の議論では、ストライフの埋葬と別れが最優先され、ストライフを埋葬し、全員がストライフとの別れを告げながら涙を流した。
しかし、気絶していたはずのニャキが消えていることにルインは気づいた。

4. Bright

セラスと主人公の視線が同じ方向へ向けられた時、何かが近づいてくる音が聞こえた。
感じ取れたのは、何かから逃げている様子であった。
やがて、少女が飛び出してきた。
少女は薄い桃色の髪と猫耳を持っており、追われていることを明かした。
彼女の名前はニャキで、魔物に襲われていると語ったが、後にその話が嘘であることが判明した。
彼女は実際には「勇の剣」と呼ばれる強力な敵に命を狙われており、逃げ場を探していた。
ニャキは他者を危険に巻き込まないように、自分が魔物に追われていると偽ったが、真実は彼女が非常に危険な状況にあることであった。

ニャキと主人公の間には怯えと覚悟が交錯していた。
主人公はニャキに対して質問をすることにしたが、彼女が答えるのが辛い内容であれば強制しないと伝えた。
ニャキは「勇の剣」についての情報を提供し、彼らがスピード族を殺害した出来事を懐かしむかのように語ったことを明かした。
この話は勇の剣にとって重要なターニングポイントであったようだ。
さらに、勇の剣がアライオンの女神様の隠密部隊であることが判明し、情報の少なさがその隠密性から来ていることが理解された。
勇の剣についての詳細を探る中で、彼らが参加していないことや、シビトの死をまだ知らないことなど、彼らの行動が不審に感じられた。
ニャキが最果ての国への鍵であり、勇の剣に殺される運命にあるという事実を知り、ニャキは深い絶望を感じながらも彼女の役目を果たそうと決意していた。
しかし、彼女は生きたいという願望を持ちながらも、最果ての国に入るための鍵である自身がどのように扱われるかを恐れていた。

主人公はセラスにニャキを託し、自身は敵対する勢力である勇の剣に向かって進んでいった。
彼はマスクを被り、枝を踏みつけながら勇の剣の追手を誘導する。
彼の行動は怒りによるもので、気配を感じ取りつつ進む中で、追手が近づくにつれて緊張が高まる。
二人の勇の剣の一員、トアドとバードウィッチャーに遭遇し、彼らがニャキを捕えるために来たことが明らかになる。
主人公は女神の使いとして自らを偽り、彼らとの会話を通じて情報を引き出そうとする。

主人公は追手に対して嘘をつき、信頼を得ようと試みるが、追手の一人が神獣のニャキについて尋ねる。
二人は神獣が逃げた方向を知っていると言い、主人公に不審感を抱かせながらもその場を乗り切る。
会話の終盤で、主人公は急に攻撃を仕掛け、トアドとバードウィッチャーを制圧する。
彼は二人の脚に深い傷を負わせ、彼らがこれ以上動けないようにする。

その後、トアドにスピード族の集落を襲った事実について尋ねる。
トアドは当初理解不能の反応を示すが、次第に状況を理解し、スピード族に対する行為を謝罪する。
主人公の質問に真剣な態度で応じるトアドは、スピード族が主人公が関係しているかのような反応を示すが、主人公はそれを否定する。

主人公はトアドに対してスピード族の生き残りが彼の仲間にいることを明かし、トアドはその事実に混乱し、驚愕する。
トアドは亜人族を人間に対する脅威とみなし、滅ぼすべきだと熱く訴えるが、主人公はトアドの考えに強く反発する。
トアドはその場で亜人族の滅ぼすべきだとの考えを説き、同時にその行動が「輝かしい過去」として彼らにとって重要だったことを語る。
これに対して主人公は、スピード族が平和的な共存を目指していたことを引き合いに出し、トアドの行動を疑問視する。

最終的に、主人公はトアドとバードウィッチャーに対して強い憎悪を表明し、二人が提唱する考え方を「おぞましい」と評する。
主人公は自身の正義を信じ、トアドたちの行動を許すことができないと断言し、彼らを「滅ぼすべき連中」と宣言する。
このやりとりの中で、主人公はトアドの考えを完全に否定し、自身の行動原理を明確にする。

主人公は【バーサク】という能力を使い、バードウィッチャーがトアドに襲いかかるよう仕向ける。
バードウィッチャーが咄嗟に剣を手に取り、トアドを攻撃し始める。
トアドは必死に抵抗し、その過程で自らも剣を取り、バードウィッチャーの攻撃を防ぐ。
バードウィッチャーの攻撃は続き、トアドは主人公を非難しながらも、バードウィッチャーを止めようと叫ぶ。

トアドはバードウィッチャーが正気に戻ることを願いながら、彼との過去を思い出し呼びかけるが、効果はなく、最終的にはバードウィッチャーの剣により傷つけられる。
その後、バードウィッチャーがトアドに致命的な一撃を加えることになり、トアドは彼を抱きしめながら命を落とす。

この間、主人公は木の上から状況を冷静に観察しており、彼自身もこの状況に疑問を抱きつつ、トアドとバードウィッチャーの対決を見守っている。
トアドが死に際し、主人公はトアドとバードウィッチャーの死体を見下ろし、自身の行動を正当化しながらも、彼らが同類であることを認めている。

主人公は仲間たち、セラスとスレイと共にニャキとの再会を果たす。
ニャキの命を救ったことに感謝されるが、ニャキは自分が原因で問題を引き起こしたことに罪悪感を感じている。
主人公はニャキの純粋な性格に触れ、彼の偽りない情報を伝えることに苦痛を感じていたセラスの行動を受け入れる。
ニャキは主人公たちと一緒に行動することを渋り、自身の存在が他人に迷惑をかけると考えている。
しかし、主人公はニャキの安全を確保することにこだわり、彼女が一緒に行動することを望む。

ニャキは自身が追われる存在であるため、危険を感じており、主人公たちが巻き込まれることを懸念している。
主人公はニャキを勇の剣の隠密部隊から守る決意を示し、仲間たちと共に未知の敵との対決を覚悟する。
彼はニャキの持つ純粋さを大切にしながらも、自身の行動に厳しい現実を抱えており、彼の過去や経験から来る葛藤が表れている。
最終的には、ニャキとの関係を深めながらも、必要に応じて戦う覚悟を固める。

5.すべてを戮する悪魔

ルインは、逃げたニャキの行方を心配している。
ユーグング、ミアナ、サツキといった仲間たちもニャキの扱いについて議論し、もっと厳しく対応すべきだったと後悔している。
彼らはニャキが彼らの親切を裏切ったことに怒りを感じており、次に捕まえた際はもっと厳しい措置を取ることを誓っている。
一方、ルインは自身の甘さを反省し、ニャキに対してもっと冷徹になるべきだったと感じている。

ミアナはルインを慰め、彼が勇の剣の象徴であることを強調し、勇の剣たちは人間にとって危険な存在を排除する使命があると力強く述べている。
ルインは仲間たちの支持を受け、改めて勇の剣としての自己を取り戻し、敵を排除する使命に対する決意を新たにしている。
彼は、憎しみだけで行動するのではなく、もっと楽しい方法で目的を達成しようと考えている。

ルインたちは、ニャキを連れ戻した後に最果ての国の場所を確認する計画である。
しかし、トアドとバードウィッチャーが戻ってこないため、不安が高まっている。
二人がニャキを追えないはずがなく、ナンナトットは過去にニャキを意図的に起こして眠りを浅くしていたことを明かす。
カロはニャキが移動していた可能性を指摘するが、二人がまだ戻ってこないのは異常であると感じている。

ナンナトットはニャキの目を潰しておくべきだったと後悔し、アレーヌは聴力も奪っておくべきだったと述べる。
ルインは、トアドたちが人面種に遭遇した可能性を心配しており、サツキとユーグングも同意する。
その後、サツキ、ナンナトット、カロはニャキを捕まえるために再び捜索に向かう。
彼らはニャキに対する厳しい処置を考えており、ルインもそれを承認している。

ルインは、ニャキの扱いに関して自身の優しさに苦悩しているが、ナンナトットは彼の気持ちを理解しており、必要以上に怒りに任せて行動しないことを確認している。
最終的には、ニャキを縄で縛って引きずることに決め、捜索チームは新たな決意で出発する。
彼らは最果ての国の扉の位置を確認しており、あと少しで目的を達成できると信じている。

サツキたちが林に入った後、ルインたちは開けた場所で彼らの帰りを待っていた。
周囲は廃墟が多く、遮蔽物は少ない。
虫の音が響く中、突然の静寂が訪れ、ルインは何かがおかしいと感じた。
彼は全員に戦闘態勢を取るよう叫んだ。この状況に対し、ミアナは魔法で防御壁を作る「白壁雑音」を発動し、半球形の防壁を形成した。

ルインは直感に従い、何が問題かはわからないが、全身を見せることが危険であると感じた。
夜が深まるにつれて、視界が狭まり、闇が彼らに不利になることを悟った。
彼の判断は過去にも何度も彼らを救っており、この時も直感を信じることにした。

ルインたちは、サツキたちが戻るのを待ちながら、夜が迫る中で不穏な気配を感じ取る。
何者かに対し、ルインは話し合いを提案するが、返答はない。
一方、アレーヌとユーグングはサツキたちの安否を案じる。
ミアナは、敵の脅威を恐れ、近隣に強敵がいることに驚愕する。
ルインはこの圧迫感が最果ての国の住人からのものかもしれないと考え、彼らに対する危険性を再認識する。

突然、サツキが現れるが、彼の様子はおかしい。
白目を剝き、不自然な動きで接近し、カタナを持っている。
ルインたちは彼が何かに操られているのではないかと疑いながらも、仲間として彼を止めようとする。
サツキはルインたちに攻撃を仕掛け、ルインは彼をなんとか正気に戻そうと試みるが、最終的にサツキはルインの手によって致命的な一撃を受ける。
その瞬間、サツキの目には再び認識の光が戻るが、それは彼の生涯の終わりを意味していた。

ユーグングは、斬られた耳に布を押し当てていながら、サツキが最後に正気に戻ったかどうかを問うが、これに対しミアナはルインを擁護する。
しかしユーグングは、ルインに対するミアナの盲目的な擁護を批判し、自らも怪我をしていると反論する。
この場の緊張はルインによって静められ、彼は彼らに落ち着くようにと言い、まだ安全ではないと指摘する。
その後、二人はニャキへの怒りを共有し、彼を倒すことを誓い合う。

アレーヌは、ルインの指示に従って「光玉」を使うことを申し出る。
彼女はニャキに対する責任を問うと強く言い、ルインは彼女の強さに感心しつつ、彼らがこの世界の「光」そのものであると宣言する。
ルインは邪悪な闇に対して彼らが決して負けないと強調し、遠くで奇妙な声が聞こえた気がすると述べる。

光玉が投げられると、ルインたちの緊張感はさらに高まる。彼らは敵が自分たちの全身を捉えないと攻撃できないことに気づく。敵の攻撃は、彼ら自身の姿を完全には捉えられないため、躊躇しているように思える。敵はルインたちが全身を見せない限り、手が出せない状態にある。外に投げられた光玉は虫を引き寄せ、その周囲を照らす。一方で、ルインはサツキから受け継いだカタナを持ち、ニャキへの復讐を誓う。

状況が進むにつれ、彼らは緊張と恐怖で息苦しさを覚える。
外の音に耳を澄ます中で、馬の足音が聞こえてくるが、それは異常なほどの力強さを持っており、ただの馬ではないことが示唆される。
ルインは、その場にいるだけでなく、何か大きな力を感じ取っている。

最終的にルインたちは、敵がスライムの突然変異であり、異質な力を持っていることを理解する。
彼は自らの直感を信じ、スライムとの戦いに勝利することを確信する。
敵の正体を明らかにし、勝利への鍵を握るというルインの直感が、彼らを導くことになる。

【三森灯河】
二人の勇の剣、ナンナトットとサツキが途中で見つかった。
主人公は不意打ちを利用し、二人を捕獲し、サツキにバーサク状態のナンナトットを切り捨てさせた後、サツキにもバーサクを施した。
音の誘導を駆使し、サツキを他の仲間たちのいる場所へ向かわせた。
その後、主人公は防壁を確認し、その不自然さから魔導具の力を疑ったが、敵の全身を視認できず、計画が狂った。
視認が必要な状態異常スキルを活用できず、サツキは制御不能に。
主人公はスレイに偽の足音を出させ、ピギ丸には巨大化して注目を集めさせる計画を立てた。
これにより、敵の注意を引きつけながら防壁に接近しようとする。

日が落ちかけた頃、主人公はナンナトットとサツキを発見し、不意打ちで捕獲した。
サツキはナンナトットを攻撃させられた後、自身もバーサク状態に追い込まれた。
その後、サツキは音に誘導され仲間たちのいる場所へ向かった。
主人公は防壁を通り抜け、スロウスキルを使い、俊敏に動いて仲間たちの隙間を狙った。
最終的には、四人全員にパラライズをかけた後、彼らを拘束し、情報を引き出そうとした。
誰か一人を救うという条件のもと、四人は絶望的な状況に置かれた。

場面は凍りついた雰囲気で始まる。
最初に情報を提供したのはアレーヌで、自分が死ぬのを嫌がっていた。
ユーグングとアレーヌはお互いに責任を押し付けあい、激しく非難し合った。
一方、ミアナも重要な情報を口にし、その後、ルインが他の人物に知られていない重要な情報を持っていると主張し、自分が生き残るべきだと述べた。
彼らは競争的に情報を開示し合い、その過程で激しく罵り合ったが、最終的には仲直りし、再び協力し合う姿勢を示す。
この展開は、追い詰められた時に真の本性が現れるというテーマを描いている。
情報の開示は最初は自己保存のために始まったが、結局、彼らは共同で行動することを選んだ。

主人公は四つの死体を見つめた後、背を向け、指笛を吹く。
この指笛はエリカの家にいた頃、イヴから教わったものである。
指笛の合図でピギ丸とスレイが現れ、主人公は彼らと共に歩き出す。
魔群帯にあるため、死体は放置しても自然に処理されるだろうと考え、セラスたちの元へ戻ることを優先する。
一度足を止めて振り返り、自分が何度も正気を疑われていることについて言及し、再び前を向いて歩き出す。
彼は自嘲的に、復讐に走る者が正気であるはずがないとつぶやく。

【セラス・アシュレイン】

男は一人で、手に曲刀を持ち、感じていた気配が近づいていることを察していた。
ニャキは既に後方の茂みに隠れており、セラス・アシュレインはその男、カロと対峙していた。周囲は闇に覆われていたが、月明かりが最低限の視界を確保していた。
カロは、ニャキを渡す意志のないセラスと会話を交わす。カロは人間の様子が消え、セラスとの戦闘に入る。
互いの剣がぶつかり合い、セラスは二撃目でカロを制し、彼の息が絶えるのを見届ける。
戦いが終わり、セラスは精式霊装を解除し、カロを見下ろしながら自分が相手であることの幸運を語る。

【三森灯河】

セラスたちが待機していた場所に戻ると、血のにおいがした。
セラスがピギ丸とスレイの無事を確認し、地面の血を見て来訪者について尋ねると、セラスは勇の剣の者が来たことを伝える。
倒したかどうか尋ねると、セラスは怪我もせずに倒したと答える。
話し合いの中で、セラスがカロを斬り捨てたことが明らかになる。
カロの死体は別の場所に移動されていた。ニャキの安全を考慮しての行動であった。
ニャキは戦闘の影響で疲労し、包帯を巻いており、セラスが処置を施していた。
ニャキはまだ戦えると主張するが、スレイに任せることになる。

ニャキは疲れており、スレイに乗ることになったが、全員が起きている中で寝ることを拒否した。それに対し、スリープ魔法を使用し、ニャキはスレイの上で眠りについた。進行中、勇の剣の死体がある場所を避けながら、魔物の気配が集まっていることに注意を払いつつ移動を続けた。休憩中、ニャキは食事を提供され、干し肉や栄養補助食品を食べながら、以前は満足に食事を与えられなかったことに感謝の涙を流した。セラスはニャキに慌てずに食べるよう助言し、ニャキは涙を浮かべながら感謝の意を示した。さらに、ニャキは最果ての国への同行を申し出され、喜んで同意した。ニャキの家族である「ママさん」、「ねぇニャ」、「まいニャ」についても語られ、ニャキは彼らに深い愛情を持っていたことが明らかにされた。

エピローグ

アライオンの女神の元に、勇の剣による報告が軍魔鳩を通じて届けられた。ヴィシスは長期間にわたって特定の地域を勇の剣に探索させており、ついに重要な情報が得られた。ヴィシスはトモヒロ・ヤスに重要な任務を依頼し、この任務は大魔帝討伐よりも重要であると強調した。ヴィシスはヤスの能力を高く評価し、彼にこの任務を任せることを決定した。その後、ヴィシスは日常的な業務をこなしている中、突然、部下が部屋に入って来て、ミラ帝国がアライオンに宣戦布告したことを報告した。この報告には驚きと困惑が表れていた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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