どんな本?
「ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」は、篠崎芳によるライトノベルシリーズで、KWKMがイラストを担当している。
主人公は「ハズレ枠」と称され召喚した女神に廃棄場に廃棄されてしまう。
廃棄された召喚者達を嬲り殺そうと襲って来たモンスターを【状態異常スキル】を駆使し、困難な状況を乗り越えていく。
物語は、主人公が経験値の取得とレベルアップを繰り返すことで自身の限界を超え、新たなスキルを獲得し、押し寄せる魔物を蹂躙していくところから展開。
このシリーズは、読者に強い印象を与えるストーリーとキャラクターで知られている。
また、このシリーズはオーバーラップ文庫から出版されており。
それぞれの巻は、主人公が困難を乗り越えて成長していく様子を描いている。
このシリーズは、ファンタジーと冒険の要素を組み合わせたエキサイティングな物語で、多くの読者から高い評価を受けている。
読んだ本のタイトル
#ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 9
(英語名:Failure Frame: I Became the Strongest and Annihilated Everything With Low-Level Spells)
著者:篠崎芳 氏
イラスト:KWKM 氏
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あらすじ・内容
級友との再会。もたらすはともに歩く未来か、復讐者の蹂躙か。
「ハズレ枠」と称されたスキルを駆使し、第六騎兵隊を打倒した三森灯河。
窮地を脱した最果ての国はミラ帝国と同盟を結ぶことになり、代表としてムニンと灯河たちが帝国へ赴くことに。
だがそこへ、狂美帝を亡き者にせんとする抹殺部隊が女神ヴィシスにより送り込まれた。
それは、はるか昔に帝国を追われた追放帝ゼーラと、かつて灯河を見捨てたクラスメイトのひとり小山田翔吾。
袂を分かった級友。
その再会を皮切りとし、蠅王の蹂躙が――開始される。
「よお、小山田。ずいぶん、やってくれたらしいな」
かつて空気モブだったE級勇者が、絶対最強へと至る逆襲譚第9幕。
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 9
プロローグ ヴィシスはジョンドゥを呼び出し、最果ての国の処理を依頼した。ジョンドゥは新たな能力を持ち、その正体に興味を持たれていた。彼は女神に従い、異界の勇者を要求した。
1. ENGAUGE ジョンドゥは第一騎兵隊を捨て駒にする策略を用いる。灯河は竜人兵や豹兵たちと協力し、敵の騎兵隊を次々と撃破した。セラスの協力を得て、敵の攻撃を阻止する策を実行した。
2. 歪んだ合わせ鏡 灯河は第六騎兵隊を欺くため、豹兵たちの協力を得て策を実行する。セラスの自然な反応を利用して敵を麻痺させ、ジョンドゥとの戦いに挑む。ジョンドゥの速さと気配消失に苦戦しつつも、最終的に彼を捕らえた。
3. 勇者たちは、邪王素の中で 十河綾香と高雄姉妹は大魔帝と戦うために行動を開始。大魔帝の本体を見つけ出し、奇襲を試みる。高雄聖は女神ヴィシスを倒すために戦い、彼女を追い詰める。
4. 風よ吹け、白き女神の笑顔と共に 高雄聖は女神ヴィシスと対峙し、【グングニル】を使って彼女を攻撃する。女神は再生力を使って対抗するが、最終的に聖の策略により敗北する。
5. 最果ての灯火 中央の戦場では、ジオやロアが敵と激しく戦う。灯河は左翼方面で第五騎兵隊と交戦し、勝利を収める。最果ての国とミラ帝国の連合軍がアライオン十三騎兵隊を完全に敗北させた。
エピローグ 鹿島小鳩のスキル「管理塔」は、他の勇者のステータス情報を把握できる。彼女は戦場浅葱のスキルと組み合わせ、グループの戦闘力を向上させた。彼女は蠅王のステータスウィンドウを見て驚愕した。
感想
この巻もまた、激しい展開と驚きの連続であった。
特に、聖が生き延びたことや、安智弘の変貌が印象深い。
毒の知識を独占する女神ヴィシスの策謀がえげつなく、エリカの迅速な対応で命を救われたことはホッとした。
普通なら助からないよな。
そして、安が憑き物が落ちたように素直になり、世界を見に行くと言って旅立つ姿は感慨深いものがあった。
あの安が、、
2年後に灯河のピンチに現れたら爆笑しそう。
第六騎兵隊を打倒したことで、最果ての国はミラ帝国と同盟を結ぶ流れとなり、帝国へ赴くことになる。この展開で、女神ヴィシスが新たな一手を打ってくるのは予想外であったが、彼女の策が付け焼き刃的で崩壊しそうな雰囲気が漂っている。安が一気に印象を変え、良い方向に進むことを期待したい。また、桐原が大魔帝を裏切り、侵攻を開始するという展開には驚かされた。
最後に、小山田翔吾がセラスに対してゲスなセクハラを仕掛けた場面は、灯河の怒りと共に印象的であった。灯河がブチギレで現れ、パラライズから尋問タイムに突入するシーンは緊張感があった。小山田の過去が明らかになることで、彼が犯罪者であることが確定した。闇堕ちは簡単だが、堕ちたら最後、戻れない道を進むという現実が描かれていた。
全体として、この巻は大魔帝との戦いや、女神ヴィシスの策謀、そしてキャラクターたちの成長と変化が描かれ、次巻への期待が高まる内容であった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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同シリーズ
その他フィクション
アニメ
PV
OP
ED
備忘録
プロローグ
イヴ・スピードとエリカ・アナオロバエルは、魔女の家の地下でヒジリ・タカオの容体について話し合っていた。イツキ・タカオが付き添っていたが、姉の容体が安定したため、イヴたちは地下へ移動していた。ヒジリは毒を受けていたが、エリカの迅速な解毒剤の準備で命に別状はなかった。
エリカは毒物の取り締まりと解毒知識の減少について言及し、ヴィシスが毒物の知識を独占していると述べた。イヴは暗殺者ギルドの歴史を思い出し、ヴィシスがその知識を独占するためにギルドを排除したと推測する。さらに、エリカは過去の勇者がギルドを根絶した背景も語った。
イヴは最近、戦場的な勘を鈍らせないために地上で捜し物をしていたが、その際にタカオ姉妹と遭遇した。姉妹は異界の勇者であり、特別な能力を持っている。エリカは毒物に対処するための解毒剤を保管しており、今回は迅速に対応できたと説明する。
リズベットもエリカから薬の調合を学んでおり、ヒジリのために調合を行っていた。リズは調合の才能を見せ、エリカとイヴに褒められる。リズはトーカやセラスの料理も得意で、再会を楽しみにしていた。
エリカは異界の勇者の世界について知ることが災いを招くとされる言い伝えに言及し、慎重な姿勢を示す。イヴはトーカの人物評を信頼し、タカオ姉妹を味方として受け入れることを決定する。
最後に、エリカは使い魔を通じてトーカたちに連絡を取ることを計画し、イヴとリズにタカオ姉妹の世話を任せることにする。エリカは使い魔の操作に集中し、イヴとリズはタカオ姉妹を支援する準備を整える。
1.再会と交渉
両国の代表者が長卓につき、対話が始まった。最果ての国の宰相リィゼロッテ・オニクと狂美帝ファルケンドットツィーネ・ミラディアスオルドシートが向かい合う。灯河やセラス・アシュレインも同席している。会話が進む中、鹿島小鳩が圧倒されて体調を崩し、戦場浅葱が彼女を休ませるよう手配する。
狂美帝は戦いの采配を賞賛し、リィゼは感謝を述べる。しかし、リィゼは緊張しており、灯河がサポートに回ることとなる。交渉が進む中、狂美帝はミラ帝国がアライオンに宣戦布告し、女神ヴィシスへの反旗を翻した理由を語る。女神による支配からの解放が目的であり、禁呪を手に入れることが重要とされる。
禁呪は異界の勇者を召喚し元の世界へ戻す力を持つとされており、ミラ帝国は禁字族の協力を求めていた。灯河はムニンの許可を得て禁字族の存在を明かす。狂美帝は宝物庫の一覧を提示し、協力の代価として提供すると申し出た。その中には灯河が探していた重要なアイテムも含まれていた。
狂美帝が灯河に相談を持ちかけた。内容は、禁字族にミラ帝国へ足を運んでもらうことだった。理由は、ミラの城地下にある封印された扉を開けるためである。その扉には禁呪に関する秘密が隠されているとされ、開くには禁字族の持つ印が必要とされている。狂美帝は女神との対決に備え、この秘密を解き明かしたいと考えていた。
灯河は一旦思考を保留し、狂美帝の勝算について尋ねた。狂美帝は、元の世界へ帰還できる禁呪があれば勇者たちを味方に引き込める可能性があり、さらに大魔帝が女神を倒すように策を巡らせることも視野に入れていると答えた。狂美帝の勝算の一つとして、戦場浅葱という異界の勇者の存在を挙げた。彼女の力が女神を討つ切り札になると見ているようである。
狂美帝は同盟の調印式をミラ帝国で行いたいと提案した。選帝三家の意向であり、食糧援助もこの調印式を経てからになる。灯河はリィゼに正式な調印役を任せるべきと提案し、リィゼも外の世界を見る必要があるとしてこれに応じた。
リィゼは自らの覚悟を示し、交渉役としての主導権を取り戻した。最終的に、禁字族がミラに足を運ぶことについてムニンの意思を確認するため、一時休憩が宣言された。
灯河は禁字族ムニンの意見を聞くために場を離れた。リィゼたちは大宝物庫のリストを確認している。ムニンと合流した灯河は、彼女がミラへ赴く意志を確認し、再度交渉の場へ戻った。ムニンはミラへ行く覚悟があり、他のクロサガの者たちもその決定を支持している。
灯河はムニンの覚悟を尊重し、ミラへ同行する意志を固めた。ムニンは自身が族長であることを示し、調印式においても彼女が代表として問題ないことをリィゼとともに説明した。狂美帝もこれを了承した。
灯河は出立前に最果ての国での準備が必要であることを説明し、別行動を提案した。狂美帝はそれを了承し、特級証を提供した。これはミラ領内での通行証となり、立場を保障するものである。
灯河は、なぜ最果ての国の味方をするのか尋ねられ、仲間のためであると説明した。狂美帝はこの動機を理解し、帝都へ戻る準備を始めた。灯河は浅葱の反応を気にしつつも、今後の行動を慎重に考えることにした。
灯河たちは最果ての国に戻るため、伏兵と合流して移動を開始した。リィゼと灯河は、ムニンがミラへ行く決定について話し合う。灯河はミラ側を完全には信用しておらず、万一の場合に備え、ムニンが鴉の姿でスレイに乗ることで逃亡が容易になると説明した。
リィゼは灯河の意見に納得し、今後は自分以外の者に権限を分散させる必要性を認識した。セラスも今回の交渉で威圧感にのまれていたが、灯河のサポートで助けになったことを認めた。
リィゼは灯河とセラスに感謝の意を述べ、灯河はリィゼの個性を強みに変えることを勧めた。ジオとニコも、リィゼが灯河にやり込められる様子を微笑ましく見ていた。ムニンは、リィゼが嬉しそうにしているのを初めて見たと述べた。
灯河たちは城に戻るとすぐに合議を行い、交渉の場にいなかった他の七煌にも情報を共有した。同盟の話も順調に進み、合議はつつがなく終わった。最後に今後の予定をまとめ、その日は解散となった。
解散後、灯河はセラスやニャキと夕食を取った。夕食後、ニャキがピギ丸やスレイと共に自室へ戻ったあと、ドアがノックされた。セラスが応対すると、狼狽した様子の声が「異界の勇者が目を覚ましました」と告げた。
2.黒の目覚め
安智弘はベッドで上体を起こしており、部屋には灯河とセラスだけがいた。灯河は顔を隠し、セラスは素顔を晒していた。灯河は安に危害を加えないよう約束させ、拘束具を外した。安は過去の自分の行いを反省し、女神や第六騎兵隊に対する感情も淡泊であった。彼は謝りたい人々がいると述べ、特にクラスメイトの十河に謝罪したいと願っていた。灯河は安の気持ちを理解し、今後のことを考えた。
安は灯河に感謝し、自分を完全に見失っていたことを告白した。彼は以前の傲慢な自分を悔い、今は他人の気持ちを知りたいと望んでいた。灯河は安に自分を認めることから始めるべきだと助言した。安はそれに同意し、灯河に感謝の意を示した。灯河は安を解放することを決め、今後の道を自分で見つけるよう促した。
灯河はセラスに安の変化を説明し、今後は安が自分の道を進むことを望んでいた。安は自分を見失っていたが、今は他者を思いやることができるようになっていた。灯河は安の処遇を決定し、自分の道を進む決意を新たにした。
灯河たちは出立の準備を進めた。合間に合議に参加し、今後の指針を固めた。ムニンは自分用とニャキ用の蠅騎士のマスクを作り、それを灯河とセラスにお披露目した。ニャキが強くなりたいと奮起し、四戦煌に相談に行くのに灯河が付き添った。セラスと風呂に入りながら今後の方針を話し合い、アーミアとキィルが無断で風呂に入ってきたこともあった。クロサガの集落を訪ね、七煌たちと食事をしながら話し合い、神獣ラディスの処遇についても議論した。ラディスはミラに渡さずこちらで管理することになった。グラトラとも話す時間を作り、その夜にはリィゼの部屋で料理を振る舞われた。出立までの時間はこうして過ぎていった。
【セラス・アシュレイン】
セラス・アシュレインはトーカの蠅王装のローブを修繕していた。ローブは丈夫だが、戦闘などでほつれることがあるため、セラスは折に触れて修繕していた。トーカは椅子に座り、セラスの縫い物を見守っていた。
セラスは修繕をしながらトーカとの会話を楽しんでいたが、ふと自分の価値について考え始めた。自分の外見に依存せずに中身を評価されているのか不安になることがあり、トーカにその気持ちを打ち明けた。
トーカはセラスの不安を理解し、自分の考えを伝えた。どんなに修繕が必要になっても、そのローブが共に戦ってきた事実は変わらないと。セラスに対しても同じように、外見がどう変わろうと彼女を大切に思い続けると告げた。
セラスは涙を流しながらトーカの言葉に感謝した。彼の真摯な言葉により、セラスは自身の価値を再認識し、不安が和らいだ。
失うことは怖いが、それ以上に得ることの方が素晴らしい。セラスはトーカの言葉を胸に、これからも共に歩んでいくことを決意した。
【三森灯河】
灯河たちは安智弘を見送りに扉の前に来ていた。安は歩けるようになり、回復していたが、失った耳や片手、保護のための手袋や包帯など痛々しい傷跡が残っていた。安は野宿に必要なものを背負い袋に詰めていた。灯河は安に紋章入りのペンダントを渡し、ミラ領内での安全を確保するよう助言した。
安は最初の行き先を決めていなかったが、北回りでミラ、ヨナト、マグナルを巡り、アライオンを目指す計画を立てた。安は灯河やセラス、ニャキに感謝の意を述べ、最果ての国を旅立った。
数日後、蠅王ノ戦団も出立の時を迎えた。ニャキは最果ての国に残ることになり、再会を楽しみにしていた。灯河はニャキに対して、ミラでの用事が済んだ後に再び最果ての国に立ち寄る可能性があると伝えた。
灯河とセラスは、ニャキやピギ丸、スレイが再び無事に会えるよう全力を尽くすことを誓った。
灯河たちは最果ての国を出立する日を迎えた。見送りには七煌やケルベロスのロア、各兵団の兵士、そして魔物たちが集まった。ゼクト王とグラトラは灯河に感謝の意を述べ、信頼を表明した。四戦煌もそれぞれの言葉で灯河を激励した。
アーミアとジオも灯河に感謝し、今後の外交関係についての意見を交わした。ムニンもクロサガの仲間たちと別れを済ませ、銀髪の少女フギからもエールを受けた。リィゼも灯河に感謝し、ミラとの交渉を頼んだ。
灯河は、温かい見送りに感謝しつつも、復讐者としての使命を胸に、出発を決意した。
【十河綾香】
十河綾香は大魔帝との戦いを終え、別行動していた仲間と合流した。しかし、グループから高雄樹が「姉貴のところに行かなくちゃならない」と言い残し離脱したことを聞かされる。樹は離脱前に多数の金眼を倒し、残された金眼はわずか二匹であった。
綾香は自分が経験した出来事を仲間に説明し、桐原拓斗が大魔帝側に回ったことを伝えると、仲間たちは驚愕する。南野萌絵は「味方になったふりをしているのでは」と希望を口にし、綾香もその可能性を信じようとする。
そこへ女神ヴィシスが現れ、桐原が大魔帝側に回ったことに疑念を抱きつつも、理解に苦しむ様子を見せる。女神は「S級勇者を二人も失った」と不満を露わにするが、綾香にはその意図がわからない。
綾香が聖の所在を尋ねると、女神は驚き、聖が何も知らせずに女神の元へ向かったことを示唆する。最終的に、女神は綾香に高雄姉妹の裏切りを告げるのであった。
十河綾香は、女神から聖と樹が裏切ったと告げられショックを受ける。女神は彼らが自分を謀ろうとしていると信じ込み、逃亡したと説明する。綾香は聖と樹が無事であることを確認し、安堵するが、女神の話に疑問を感じる。
女神は、聖が誤解して女神を疑った理由を、ミラの皇帝の暗躍によるものだと説明する。綾香は女神の言葉に納得しきれないが、信じるしかないと自分に言い聞かせる。
その後、女神は綾香に大魔帝を倒すことが重要だと強調し、他の仲間たちの無事を保証する。綾香はクラスメイトたちから励まされ、自分がみんなを守らなければならないと決意する。
しかし、綾香は女神の言葉や態度に違和感を覚え、聖から渡されたメモを確認することを決意する。女神が微笑む姿を見ながら、何かが違うと感じるのであった。
【女神ヴィシス】
ヴィシス教団の神殿に到着したヴィシスは、地下の封印された部屋に入り、特別なクリスタルの状態を確認した。その後、彼女はショウゴ・オヤマダという者と会話し、彼の覚醒と役割について話す。最果ての国の攻略やミラの反乱についても計画を進めており、禁字族を根絶やしにした後はミラの狂美帝の暗殺を予定している。
神殿の地上部分に戻ると、神官長が狼狽しながら駆け寄り、アライオン十三騎兵隊に関する緊急事態を報告する。
深夜、ヴィシス教団の神殿地下にて、ヴィシスは集まった者たちに重大な極秘任務を伝えた。彼らはファフニエル姉弟、剣虎団のリリ・アダマンティン、そして追放帝ゼーラである。ヴィシスはミラとの戦いでアライオン十三騎兵隊が敗北し、強力な手駒が失われたことを明かし、新たにこれらの戦力を投入することを決めた。
ヴィシスの息子と称するオヤマダ・ショウゴも加わり、彼の圧倒的な力を見せつけたが、その精神の不安定さから警戒が必要とされた。最終的に、ヴィシスは彼らに最果ての国の扉を開く鍵の入手と狂美帝の抹殺を命じた。
3.帝都ルヴァへ
灯河たち一行は最果ての国を発ち、西へ向かいミラの帝都ルヴァを目指していた。道中、丘陵地帯を抜け、森林地帯を進んでいた。夜の移動を避けるため、彼らは夕食を取りながら休憩した。灯河は特製のモンブランを仲間たちに振る舞い、ムニンとセラスはその甘味を楽しんだ。
食事後、彼らは焚き火を囲んで作戦会議を開いた。灯河は、無効化の禁呪を使うためにはヴィシスに近づき、詠唱を完了させる必要があることを確認した。セラスはヴィシスの用心深さと驕りを指摘し、ムニンは禁呪の発動に全力を尽くすと誓った。
灯河たちはミラの帝都ルヴァに無事到着し、作戦の準備を進めていた。
灯河たち一行は、ミラの帝都ルヴァに到着した。帝都の東門で特級証を見せた後、城の迎えを待つ間、詰め所で待機した。兵士たちの間で噂になっていた蠅王ノ戦団の実物を見て驚く声が聞こえた。
その後、ホーク・ランディング補佐官が迎えに来て、彼らを馬車に案内した。馬車の中には狂美帝が乗っており、驚いたセラスとムニンの反応が見られた。狂美帝は道中の状況や戦争の情勢について話し、特にネーア聖国のカトレア姫との関係に触れた。
狂美帝はアライオンのS級勇者であるヒジリ・タカオと接触し、彼女を味方に引き込もうとしていることを明かした。さらに、禁呪の秘密を手に入れることで女神を打倒する計画を語った。
馬車は城へ到着し、灯河たちは狂美帝との会話を終えた。
灯河たち一行は、馬車でミラの城へ到着し、城の扉から出迎えを受けた。狂美帝やホークと共に降車し、まず迎賓館へ案内されることになった。
帝都の中央には豪華な白亜の城があり、三重の防壁で囲まれている。中央区画には皇帝や高位貴族が住み、第二区画には中堅の貴族や商家、第三区画にはその他の市民が住んでいる。城の防備は堅固で、帝都の雰囲気は比較的落ち着いていた。
迎賓館に到着すると、灯河たちは豪華な館内で休息を取った。セラスは王宮暮らしだったにもかかわらず、その贅沢さに驚き、ムニンは翼を隠していたために疲れていた。
灯河はムニンに翼を出しても問題ないと告げ、ムニンは着替えに行った。セラスはムニンの無邪気さに微笑みながらも、灯河たちのムードを和らげるムニンの存在を評価した。
灯河たちが館内をチェックした結果、特に怪しい様子はなく、普通に客を招くための建物であることが確認された。窓から外庭を見ると、監視がついていることがわかったが、これは狂美帝も予想していたことであろう。
ムニンは外の世界に慣れておらず、翼を収納していることもあり、かなり疲れていた。灯河はムニンに休むよう促したが、ムニンはソファで休むことにした。
灯河はムニンに、結婚や伴侶について尋ねた。ムニンは、族長として禁呪の呪文書を探すために一人で外に出る覚悟をしており、そのために伴侶を見つけることを避けてきたと語った。
灯河はムニンに頼ってもいいと伝えたが、ムニンは少し疲れた様子でふらつき、灯河に支えられた。ピギ丸も一緒に挟まれて苦しんだが、ムニンは灯河に支えられることで少し元気を取り戻した。
セラスが戻ってきた時、ムニンは灯河に支えられていることを焦って説明し、灯河は状況を説明しつつも、セラスが嘘を見抜く能力を持っていることに安堵した。
ムニンがソファで寝息を立てているのを見て、セラスは彼女が大変疲れていることに気づく。灯河は、到着後に疲れが一気に出たのだと説明した。セラスは、道中でムニンが気配りをしてくれていたことを思い出し、彼女が思いやりのある人物であると感じた。
灯河はソファに深く腰を沈め、ムニンとの距離が縮まったことを感じつつも、まだ少し苦手だと感じていることを認める。一方、セラスは灯河との距離を縮めたいと思いを告げ、灯河も同意する。
その後、二人は室内の心地よい沈黙を楽しんでいた。
【セラス・アシュレイン】
セラスは目を覚ましたムニンを湯浴みに誘った。これはトーカを少し休ませたいという意図もあった。館内の浴場は魔導具で水を温める仕組みで、二人は広い浴場に入る。セラスはその美しさに感嘆し、ムニンと体形の話題で盛り上がった。
ムニンが胸の大きさについて不便を語り、セラスも同意した。二人は身体を洗い、湯船に浸かりながら真面目な会話に移った。ムニンは体力の不足を感じており、特訓中の疲れやすさを話題にした。セラスはムニンの戦闘技術を評価しつつ、体力の向上が必要だと感じていた。
湯船にはムニンの黒い羽根が浮かんでおり、彼女はそれを気にしていた。セラスはムニンの翼の色を美しいと感じていると伝え、トーカも同じ意見であることを話した。ムニンはトーカの言葉に感謝し、目を閉じて休んだ。セラスは心の中で、ムニンも素晴らしい人であると感じていた。
【三森灯河】
灯河は館を出て周囲を散策することにした。セラスにムニンの護衛を頼み、自身は一人で動きやすくするためである。迎賓館のエリアを抜けて城内に入ると、兵士たちの許可を得て内部を見学し始めた。城内は豪華で掃除が行き届いており、廊下の壁に背を預けて見取り図を確認しつつ進む。
広い空間に出ると、象牙色の手すりの階段が二階へ続いていた。階段を登った先で、アサギ・イクサバと遭遇し、彼女に気づかれた。
4.白き軍勢と、闇なる黒き蠅
灯河は浅葱の案内で第三食堂に向かった。浅葱は元の世界の学食に似ていると語り、ここで雑談するのが好きだと言った。灯河は浅葱の考えや彼女の固有スキルに興味を持ち、対話を通じて情報を探ることにした。浅葱は女神を信用していない理由を語り、灯河は彼女の見解を慎重に聞き取った。
浅葱が固有スキルの話を始めると、灯河はその力が女神に対抗できる可能性があることを確認した。会話の途中で狂美帝が現れ、北部でのヨナトの出兵や白き軍勢の出現について説明した。剣虎団がその白き軍勢を指揮していることが明かされ、灯河は状況の悪化に気づく。
狂美帝はミラの防衛と戦力の配置に悩んでおり、浅葱や灯河の力を借りたいと考えているようだった。最終的に、狂美帝は灯河の蠅王ノ戦団に剣虎団の対処を依頼することを提案した。
灯河は迎賓館に戻り、セラスとムニンに事情を説明した。剣虎団を無力化すれば、白の軍勢はミラの残りの戦力で対応できると考え、狂美帝の依頼を引き受けるつもりであると告げた。セラスはその決定に従うことを表明し、ムニンも疑念を持ちながらも納得した。
灯河はセラスとムニンに、帝都の守備を任せ、自分一人で行動することを伝えた。ムニンは鴉に化けて偵察を申し出たが、灯河は彼女が狙われる危険性を指摘し、却下した。また、スレイも帝都の守備に残すことにし、もし危険を感じた場合は脱出するよう指示した。
灯河は剣虎団との戦いに挑むため、セラスたちに守備を託し、ミラの軍馬を借りて出発することを決意した。セラスは彼の無事を祈りつつ、ムニンを守り抜くことを誓った。灯河は、自身の正体を隠しつつ任務を遂行する覚悟を固めた。
ミルズ遺跡に一人で潜入していた灯河に、剣虎団が親切に声をかけた。彼らは「早く上へ戻るのを勧める」と助言し、調査は他の私兵に任せるようにと言った。また、一緒に上へ戻るか尋ねたり、「無茶はするな」と注意を促した。
【剣虎団――リリ・アダマンティン】
ミラの北部に接するヨナトとの国境にヨナト兵や白狼騎士団が布陣する前の出来事である。剣虎団はショウゴ・オヤマダ、ゼーラ帝と共にヨナト公国に入り、女神からの指示に従いミラとの国境に向かった。ヨナト領内で歓迎を受けた後、白狼騎士団とニャンタン・キキーパットも合流し、ミラ領内への侵入を開始した。
剣虎団は森に身を隠し、ゼーラ帝は金眼の魔物を白き者「模造聖体」に変える能力を発揮した。ゼーラ帝の命令で剣虎団は模造聖体を従えて行動することとなった。ゼーラ帝は、彼自身と模造聖体が邪王素の影響を受けるため、大魔帝討伐には不向きであると説明した。その後、作戦が開始された。
剣虎団はゼーラ帝と別れた後、最寄りの砦を制圧し、聖体軍を武装させた。兵士たちには退却を促し、避難民を帝都へ向かわせる作戦を実行した。作戦は順調に進行していたが、オヤマダが姿を消した。リリは副団長のフォスと共にオヤマダの行方を追ったが、見つけることができなかった。
剣虎団のメンバーは作戦を進めながらも、互いに励まし合い、オヤマダの不在をカバーした。団長リリは過去の経験から、メンバーの失敗を責めることなく、前進することを強調した。彼らは次の目的地を目指し、白き軍勢を引き連れて進んでいった。
【剣虎団――フォス】
剣虎団は聖体軍を率いて南部へ侵攻していた。ゼーラ帝やオヤマダからの連絡はなく、行方も不明であった。副団長のフォスは、仲間のユオンとともに町を制圧し、聖体を武装させた。彼らは罪悪感を抱えながらも、ミラの人々を避難させる作戦を遂行していた。
その夜、小雨の中でフォスは助けを求める声を聞き、罠かもしれないと警戒しながらも助けに向かった。しかし、声の主が見つからず、屋内で不気味な気配を感じた。最終的に天井を見上げると、赤い目が彼を見つめていた。
【剣虎団――イゼルナ】
剣虎団は金眼の魔物への対処のために集合したが、副団長のフォスが来なかったため、イゼルナとビグが彼を捜索することになった。フォスの声を聞き取った二人は、聖体を連れて建物内を探すも見つからなかった。
捜索中に雷鳴が轟き、イゼルナが驚いた瞬間、ビグの姿が忽然と消えた。イゼルナは背後に何かの気配を感じ、振り向くと赤い目の存在に遭遇した。次の瞬間、彼女の意識は途切れた。
【剣虎団――リリ・アダマンティン】
町の東側でリリ・アダマンティンと剣虎団は金眼の魔物と激戦を繰り広げていた。聖体の消費を抑えつつ魔物を倒すが、仲間たちの姿が次々と消えていく。リリは戦闘中に麻痺させられ、動けなくなる。彼女は蠅王が襲いかかるのを目撃し、仲間たちの安否を心配しながらも最後の力を振り絞って反撃しようとするが、意識を失う。その直前、蠅王の言葉が彼女の耳に届いた。
【狂美帝】
帝都は雨にけぶり、北東部の白き軍勢の動きが止まり、剣虎団の報告も途絶えていた。狂美帝ツィーネは、北西部の都市や町からの避難民が増え、白き者たちが城壁内に侵入し始めたことを聞く。宰相カイゼに避難民の対処を一任し、禁字族の保護を指示する。
その後、ゼーラ帝が皇帝の間に現れ、彼とツィーネの対話が始まる。ゼーラ帝は復讐を遂げるために来たが、ツィーネはこの大陸の統一と平和を目指していた。二人は最終的に剣を交え、ツィーネは神聖剣エクスブリンガーを抜き、斬影刃を操りながらゼーラ帝と対峙した。
【セラス・アシュレイン】
セラス・アシュレインは、ミラの報告役から帝都が白き軍勢に襲撃されていると聞き、ムニンと共に脱出を考えることになった。セラスは、合流地点に向かうべきだと提案し、ムニンもこれに同意した。彼らはスレイを第三形態にして脱出の準備を整える。
その時、ホークが異界の勇者オヤマダに捕らわれ、拷問されているのを発見した。セラスはホークを救出するため、単独で行動を決意する。オヤマダは女神の洗脳が解けたようだが、依然として危険である。セラスは慎重にオヤマダに近づき、ホークを解放するよう命じた。オヤマダはセラスに気づき、事態は緊迫した。
5.このすべての悪意をもって
セラス・アシュレインは、ホークを救うためにオヤマダの前に現れた。オヤマダはセラスに屈辱的な要求をしながら、ホークを解放する気がないことが明白であった。セラスはホークを守りつつ攻撃を受け、体が重くなるという異常な効果に苦しむ。ホークは既に死んでおり、オヤマダはこれを楽しむ。
セラスが危機に瀕している中、スレイが現れ、必死に戦うがオヤマダに圧倒される。セラスはムニンを守るために時間を稼ぐことを決意し、屈辱を受け入れるふりをする。最後に、オヤマダがセラスに襲いかかる直前、突然別の存在が現れ、状況が変わる。
【小山田翔吾】
小山田翔吾は中学時代、反社会的グループに所属していた。裕福な家庭で育ち、刺激を求めてリーダーのミツミとつるむようになった。ミツミは様々な悪事を働き、その中には薬物を使った犯罪も含まれていた。しかし、ミツミのグループは強力な反社会的勢力「蝕」によって壊滅された。ミツミの末路を知った小山田はグループを抜け、高校に進学する。
高校では、桐原拓斗と出会い、彼の金持ちの世界に憧れを抱く。桐原のホームパーティーに参加し、成功者たちと交流することで、再び刺激を求め始める。やがて、小山田は桐原の周りの金持ちたちを利用し、パパ活を装った美人局を計画することに決める。
小山田翔吾は背後から現れた三森灯河に対面し、恐怖を感じた。小山田はミツミの機嫌を損ねた時の恐怖を思い出し、さらに強い恐怖を抱いた。彼は逃げ出そうとしたが、激痛と吐血に見舞われた。三森の声を聞き、小山田は彼を思い出したが、現在の三森は全く違う人間のようだった。
三森はセラスと会話し、小山田を無視して話を続けた。小山田は三森が生きていることを知り驚いたが、彼の態度に苛立ちを覚えた。三森は小山田にヴィシスの計画を話すよう要求した。小山田は反撃の意思を見せるとすぐに刃を突きつけられた。
小山田は命乞いをし、自分の行動を弁解しようとしたが、三森は全てを見抜き、信じなかった。三森は小山田が邪悪であり、救う価値がないと断言し、彼を処刑した。最期に、小山田は三森とセラスの姿を見たが、それが彼の最後の光景となった。
【追放帝】
追放帝は、かつての仲間であった三森灯河に突然現れて驚愕した。三森は生きており、かつての姿とは全く異なっていた。追放帝は動揺し、三森に対する恐怖を感じた。
三森は追放帝に質問を投げかけ、追放帝は適当に答えるが、三森は全てを見抜いていた。三森は追放帝が女神やヴィシスに関与していることを探ろうとするが、追放帝は正直に答えない。三森は追放帝を許すつもりはなく、彼を処刑する意志を示す。
追放帝は涙ながらに命乞いし、自分の行いを悔い改めると言うが、三森はそれを信用しなかった。最後に、三森は追放帝に「救えねぇよ、おまえ」と冷たく告げ、追放帝は処刑される。それが追放帝がこの世で見た最期の映像であった。
灯河とセラスは迎賓館の二階で休んでいた。セラスが落ち着いたので、灯河はセラスの顔を拭いていた。セラスも灯河の顔を拭いていると、ムニンが部屋に訪れた。ムニンは湯浴みを終えて戻り、謝罪の言葉を述べたが、灯河は気にしないように言った。ムニンは灯河の優しさに感謝し、気遣いを見せる。
灯河は自分が小山田を殺したことに後悔はなく、特別な感情も湧かなかったことを認めた。ムニンは自分が葛藤していたことを謝罪し、涙ぐむが、灯河はムニンの気持ちを変えようと冗談を交えた。セラスも灯河の望むことを信じると言い、和やかな雰囲気が続いた。
その時、窓の外に白い鳥が現れ、合図として腹を見せた。灯河はその鳥がエリカの使い魔であることに気づいた。
エピローグ
キリハラは、大陸の最北に位置する航海不能海域に囲まれた不毛の地で、大魔帝と共に過ごしていた。彼は大魔帝が生み出す魔物を倒し、経験値を得て強くなっていた。キリハラの生活は占領した大誓壁から運んだ物資で賄われていた。
ある日、キリハラはレベルアップの伸びが鈍化していることを大魔帝に報告した。大魔帝はそれを「一つの伸び代が達した」と解釈し、他の成長の余地があると説いた。キリハラはその考えに同意し、真の王は偽る必要がないと述べた。
キリハラは世界の王になることを目指しており、そのために他の国を滅ぼす計画を立てていた。彼は大魔帝に対して、神族や人間を滅ぼす運命にあることを受け入れ、その間だけ自分の国を存続させることを提案した。
大魔帝はキリハラの提案を受け入れ、彼の強固な信念に感心した。キリハラは自分の消滅後の世界には興味がなく、自分が生きている間だけ国を守ることを望んでいた。
大魔帝はキリハラの真意を探りつつ、彼が本気で根源なる邪悪と共に世界を敵に回すつもりであることを理解した。キリハラの精神性に触れ、大魔帝は人間に対する認識を改める必要があると感じた。
キリハラは大魔帝に対して、自分がふさわしい相手であることを宣言し、世界に対する大進撃を始めると告げた。大魔帝もまた、その進撃を楽しみにしていると応じた。
キリハラは金眼の魔物を倒し続け、大魔帝は彼のために魔物を生み出し続けていた。キリハラは大魔帝の生み出した魔物を倒すことで経験値を得て強くなり、大魔帝は再侵攻のための軍勢を生成し続けていた。
ある日、キリハラは大魔帝に反旗を翻し、彼を攻撃した。金色の光をまとった刃で大魔帝を貫き、痛みとともに大魔帝を地面に這わせた。キリハラは、自分がこの世界で王となるだけでは満足できず、元の世界でも王になるための宿命を果たすべきだと気づいたのである。
大魔帝はキリハラに対する警戒心を薄れさせていたため、不意打ちに対応できなかった。キリハラの攻撃により、大魔帝は倒れ、キリハラは大魔帝の心臓を手に入れた。キリハラは、元の世界に戻るために必要な特別な邪王素を持つ大魔帝の心臓を手に入れるために彼を倒したのである。
最後に、キリハラは大魔帝の心臓を手にし、彼の生み出した魔物たちとともにその場に立っていた。
【桐原拓斗】
桐原の背後には、無数の金眼の魔物と側近級が並んでいた。背後の軍勢はさらに後ろまで続いている。最前列の魔物や側近級は歯を食いしばり、血の涙を流していた。桐原拓斗は刀を床に置き、その先端を支えにして王座に座っていた。
「これで、王の軍勢は整った。大魔帝には感謝せざるを得ない。時はきた。ここから次のオレを始める」と桐原は語った。彼は数匹の金波龍を纏いながら、大誓壁の方角を見据えた。
「王の戦いをここから次のステージへと進める」と桐原は続けた。新たなる金色の王である桐原は、次にヴィシスを狙うことを決意した。
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