小説「神達に拾われた男 2巻」洗濯屋さん? 感想・ネタバレ

小説「神達に拾われた男 2巻」洗濯屋さん? 感想・ネタバレ

どんな本?

物語の概要

『神達に拾われた男』は、Royによる異世界転生ファンタジー小説である。物語は、日本の中年サラリーマンである竹林竜馬が、三柱の神々の協力要請を受け、子どもの姿で異世界へ転生するところから始まる。異世界での新たな生活を始めた竜馬は、スライムのテイムや研究に没頭し、その能力を活かして冒険者として活動する。第2巻では、公爵令嬢エリアリアとの魔法訓練や、新たな魔法の獲得、錬金術を駆使した新商品の開発、さらにはスライムたちと共に魔獣討伐に挑むなど、竜馬の異世界での生活がさらに広がりを見せる。 

ファイアクロス

主要キャラクター

  • 竹林竜馬(リョウマ):前世は日本の中年サラリーマン。異世界では少年の姿で転生し、スライムのテイムや錬金術を駆使して冒険者として活動する。
  • エリアリア:公爵令嬢であり、竜馬と共に魔法訓練を行う。竜馬の良き友人であり、物語の重要な人物。

物語の特徴

本作は、異世界転生というテーマを基に、スライムとの共生や錬金術の活用など、独自の要素を取り入れている。竜馬の前世の知識を活かしたビジネス展開や、スライムたちの意外な能力の発見など、読者を飽きさせない工夫が随所に見られる。また、温かい人間関係や、異世界でのスローライフの描写が魅力となっている。

出版情報

  • 著者:Roy
  • イラスト:りりんら
  • 出版社:ホビージャパン(HJノベルス)
  • 発売日:2017年11月22日 ファイアクロス
  • ISBN:9784798615714

本作は、コミカライズアニメ化もされており、多方面で展開されている。

読んだ本のタイトル

神達に拾われた男 2
著者:Roy 氏
イラスト:りりんら  氏

gifbanner?sid=3589474&pid=889458714 小説「神達に拾われた男 2巻」洗濯屋さん? 感想・ネタバレBookliveで購入gifbanner?sid=3589474&pid=890540720 小説「神達に拾われた男 2巻」洗濯屋さん? 感想・ネタバレ

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あらすじ・内容

新魔法、錬金術による新商品――そして、スライムたちと魔獣討伐!
三柱の神々に見守られながら、自分なりのペースで異世界生活を営む転生者の少年・竜馬。縁あって優しく温かな公爵一家と共に旅をすることになった彼は、持ち前の戦闘技能を活かせる冒険者となり、初めての大仕事をスライムたちと一緒に無事やり遂げる。その後、竜馬は公爵令嬢エリアリアの魔法訓練に同行し、新たな魔法を獲得! さらには前世の知識や錬金術を駆使した商品が新たなビジネスにも繋がっていき……!? 魔獣討伐ではスライムたちの意外過ぎる戦闘技能も発揮される異世界スローライフファンタジー、第二幕!

神達に拾われた男 2

前巻からのあらすじ

転生した直後、3年間も森に引きこもって狩と魔法の練習。
そして、スライムの研究を行う。

1000匹以上のスライムを手慰みに研究をして、新種を作ったりしていた。

そんなある日。
森の中で怪我人のいる3人組を見付けるが、いつも見る盗賊とは毛色が全然違う。

それなので声をかけてみたら。

1人は近隣の領地の領主でしかも公爵だった。
そんな彼等を竜馬の家に案内して休養させ、怪我で熱を発していた護衛を看病して全快させる。

その後、彼等は街へ帰って行った。

そして2週間後、、
彼等は再び竜馬の家に訪問。
しかも、公爵家の家族を連れての訪問だった。

お礼を渡しながらも、竜馬に街に出てこないかと誘って竜馬は遂に街へ行く。

そして冒険者となり、ごみ屋敷の掃除。
汲み取り所の清掃等を行う。

感想

冒険者として実績を積んだ竜馬。

今回は、冒険者ギルドに注文を出す前の調査として、公爵家所有の廃坑を公爵家の人達と探査する。

竜馬はお嬢様と護衛4人と調査に入ってお嬢様に実戦経験を積ませる。
竜馬と護衛4人と連携してお嬢様を守ってトドメはお嬢様に譲るのだが、、

周りの護衛以上に、見た目が幼い竜馬が上手く誘導するから変な空気になってしまうw

さらに索敵の方法を伝授して、お嬢様が索敵をかけると、多くの魔物が天井に張り付いていると判明。

洞窟に多数い棲息していると、問題になってるコウモリ型の魔獣ケイブバットだと予想して。

竜馬はスタングレネードに似せたサウンドボムという魔法を試しに使ってみたいと周りに言って使用。

結果、天井にいた大量のケイブバットは全て床に落ち。
それをスティッキースライムに食べさせて終わる。
それだけ食べたので、スライムは増殖の分裂を始めてしまう。

さらに竜馬は、廃坑になったと言われている鉱山の土を錬金して純粋な鉄を抽出。
それの質を確認するために、公爵のラインハルトと一緒にモーガン商会のセルジュ会頭にお願いするついでに、竜馬も紹介される。

それで、スティッキースライムの粘液を塗布したレインコートと糸を納品したら対価をくれると言う。

そのあと、冒険者として依頼を受けてギルドから指定された冒険者達と廃坑のモンスター狩をする。
仲間は前回の疫病騒動で一緒に対応したジェフ、ミーヤ、ウェルアンナ、ミゼリア、シリア達とチームを組む。
そして彼等がBランクだとこの時に知る。
ちなみに竜馬はFランク。
でも実力は確実にCランク以上。

そんな彼等と余裕をもって対応していたら後ろに付いてくる低ランク冒険者達がいた。
どうやら竜馬達が倒した魔獣を拾っていたらしい。

そんな彼等を含めてまたケイブバットの群れを討伐する。

その後の低ランクの彼等が、他の冒険者達に強請りをされているのを見てしまう。
最初は自分達にしたような後ろから付いてくる行為で怒られてるのかと思ったらどうも違う。

それで介入したら強請っていた冒険者達が襲って来たので反撃。
それでも、有利だと思っていた冒険者達だったが、、
竜馬が公爵家の関係者だと聞くと動揺。
それでも実力行使をしようとしたら、竜馬は主犯のサッチと呼ばれている冒険者を瞬殺で無力化して周りを威圧。
その後、前の依頼で一緒だったアサギとレイピンが救援に来てくれたので一件落着。

その後の始末もギルドマスターに丸投げして終わるが、、
自身が公爵家に庇護されてる事を再確認して、このままじゃ腐ってしまうと思い自立しようと決意する。
それを公爵家の人々に言うが、彼等は既に察していた。

それに公爵家の人々は条件を追加する必ず連絡をすると。。
さらにいま依頼に出している廃坑の管理を竜馬に依頼する。

翌日、廃坑の近隣でゴブリンの集落が見つかり上級ランクの冒険者が集落に攻め込み。
低ランクの冒険者は逃げ込んだゴブリン達を討伐する。
低ランク側の方にいた竜馬だったが、、
ゴブリンの数が想定以上に多くて崩れそうになっているところを竜馬と使役してるスライム達がフォローして崩壊を防ぐ。

結果、発見した集落はゴブリンの群れの端だったらしく。
本隊はさらに巨大だったらしく、その一部が竜馬の処に来たらしい。

役場の手抜きがまた見つかって、公爵のラインハルトは頭を抱えてそう。。

そんな大騒動があった後に、ゴブリンの血の汚れを取るのに苦労してると聞いた竜馬は、クリーンスライムの能力が有効だと知った竜馬はクリーニング屋さんをする事を思い付く。

それをモーガン商会セルジュに相談すると、ドンドン話が大きくなって。
商業ギルドに登録して、店舗を土地付きで購入する事になってしまう。

さらに、モーガン商会から商会の人も派遣してもらう。
小銭稼ぎのつもりがかなり本格的な店になってしまった。

ただ店は竜馬が魔法で建築してるので意外と金がかかっていない。

そんな店がオープン直接前で話は終わる。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

2章 1話  休日の昼下がり

寝坊と急ぎのギルド訪問

リョウマは昼近くに目覚め、ギルドへの遅刻に気づいた。急いで準備を済ませ、隠蔽と肉体強化、テレポートの魔法を駆使してギルドへ向かった。到着した部屋では、既に全員が揃っており、ギルドマスターから報酬が分配された。リョウマは大量の報酬を得たが、それはイダケ病という危険な疫病の封じ込めに成功したことが理由であった。

イダケ病の脅威と役所の問題

ギルドマスターから、イダケ病の詳細が語られた。その病気は広がりやすく、後遺症が深刻で、生き残っても生活が困難になると説明された。また、今回の問題で役所の責任者は罷免され、多くの役人が処分を受けた。掃除の仕事はギルドに任されることになり、ギルドマスターは今後の対応に頭を悩ませていた。

リョウマの過去と今後の展望

リョウマは、ギムルに来るまでの経緯を説明した。彼が森での自給自足生活を語ると、周囲は驚きつつも感心した。ギルドマスターは、リョウマの自由な選択を尊重しつつ、街に留まるよう提案した。さらに、廃坑となった鉱山での魔獣討伐依頼が告知され、解散となった。

お嬢様との魔法訓練の誘い

宿に戻ると、お嬢様がリョウマを昼食に誘い、訓練への参加を提案した。ジャミール公爵家の習わしとして、若者が旅と実戦訓練を経験することが説明され、リョウマも訓練に参加することとなった。

シャボン玉魔法と訓練の開始

訓練場所でリョウマは、水魔法を応用したシャボン玉を披露した。お嬢様や周囲の者たちは、その美しさに感嘆した。リョウマは魔法の細かいコツを教え、お嬢様も粘りのあるシャボン玉を成功させた。魔法を楽しむ様子に、リョウマも満足感を覚え、今後のさらなる訓練への意欲を感じていた。

2章 2話  魔法の訓練

シャボン玉遊びの終了と訓練の開始

訓練が始まる際、お嬢様は引き続き魔法の制御訓練を行うことになった。一方、リョウマは攻撃魔法の指導を希望し、カミルがその役目を担うこととなった。安全のため、お嬢様とリョウマは別の場所で訓練を行うことが決まった。

攻撃魔法の習得

リョウマはまずカミルの手本を見ながら、火属性の『ファイヤーアロー』をはじめとする複数の初級攻撃魔法を習得した。カミルはリョウマの習得速度の速さに驚きつつも、スムーズに次の魔法を教えた。その後、防御魔法の指導にも移り、こちらも同様に迅速に習得が進んだ。

空間魔法の指導開始

リョウマの魔法習得速度の速さを見たカミルは、空間魔法の指導をセバスに引き継いだ。セバスはリョウマの実力を確かめるため、まず『テレポート』の使用を確認した。リョウマの動きの自然さと熟練度に驚いたセバスは、次に中級魔法『ワープ』の指導を開始した。

『ワープ』と『ディメンションホーム』の成功

リョウマは『ワープ』を短時間で習得し、続けて『ディメンションホーム』の練習に取り組んだ。『ディメンションホーム』の習得には時間を要したものの、リョウマは何度も挑戦を繰り返し、最終的に成功を収めた。セバスはリョウマの集中力と魔力の多さに感心し、今後の成長に期待を寄せた。

訓練の終了と帰還

リョウマは訓練の成功に満足しつつ、セバスとともにお嬢様たちの元へ戻ることとなった。彼の魔法の才能と努力は、周囲にさらなる期待を抱かせる結果となった。

2章 3話  誘いを受けて

魔法訓練後の帰還と新魔法の披露

リョウマは集中した訓練を終え、セバスと共にワープでお嬢様たちの元へ戻った。戻るとお嬢様たちは新しい魔法の習得を喜び、リョウマに披露を求めた。リョウマはカミルとセバスから教わった魔法を一通り見せ、ディメンションホームの成功も披露した。驚きを見せる一同に囲まれ、リョウマは褒められるが、年齢相応に照れた表情を浮かべた。

武器と防具の調達

廃坑での訓練を翌日に控え、リョウマはセバスの提案で防具を買うことに決めた。紹介状を使って訪れたディガー武具店で、リョウマは短剣2本と投擲用ナイフ10本を購入した。また、動きやすく丈夫なハードリザードの革鎧を選んだ。店主ダルソンの説明を聞き納得したリョウマは、装備を整えて宿へ戻った。

廃坑へ向かう道中

翌朝、リョウマたちは馬車で北鉱山へ向かった。お嬢様は初めての実戦訓練に少し緊張していたが、ラインハルトと家族が温かい言葉をかけ、リラックスさせようとしていた。道中では訓練の目的として、廃坑内の魔獣の調査と情報収集が挙げられた。これは冒険者ギルドへの依頼内容を決定するための準備であり、同時にお嬢様の実戦経験を積む機会であった。

2章 4話  廃坑調査

坑道探索の開始

リョウマたちは目的地である廃坑に到着し、調査を開始した。廃坑は長い間放置されており、草や蔦で覆われた入口が荒廃を物語っていた。護衛のジルたちと共に、リョウマとお嬢様は一列になって坑道へと進んだ。内部は暗く、廃坑特有の湿気が漂っていたが、ジルが光魔法「ライト」を使い明かりを確保した。

ケイブマンティスとの初戦闘

坑道内を進むと、大型のカマキリ型魔獣ケイブマンティスが現れた。ジルとゼフから説明を受けたお嬢様は、魔法「アイスアロー」で魔獣を撃破した。一度目は外したものの、すぐに軌道を修正し見事に仕留めた。その後、リョウマは4匹のケイブマンティスと対峙し、短剣と「肉体硬化」を駆使して的確に仕留めた。リョウマの動きは護衛たちからも高評価を得た。

増える魔獣と疲労

坑道内の魔獣は徐々に数を増やし、連戦が続いた。お嬢様は氷魔法で援護しつつも、慣れない戦闘と環境の影響で疲労が見え始めた。リョウマはこれを察して休憩を提案し、全員で坑道内で一息つくことにした。

土魔法「プレイング・クレイ」の活用

休憩中、リョウマが戦闘で使用した「プレイング・クレイ」について護衛たちが興味を示した。この魔法は土や石を粘土状にするもので、リョウマが独自に開発したものだった。護衛たちはその発想力に驚きつつも感心した。リョウマのスライムたちは魔獣の片付けを続け、探索は順調に進んでいった。

2章 5話  本物の錬金術

廃坑探索の一区切り

リョウマたちは最初の坑道の調査を無事に終え、外へと出た。清々しい空気を吸いながら集合場所へ向かう途中、廃坑周辺の景色を眺めて気を休めた。赤土のボタ山を目にしたリョウマは、土砂に含まれる鉄分を錬金術で取り出せる可能性を思い、少しの間考え込んでいた。

調査報告と昼食

集合場所に到着すると、リョウマとエリアは公爵夫妻に午前中の戦果を報告した。エリアは魔法を駆使して健闘したことを誇らしげに話し、リョウマが接近戦で助けてくれたことにも感謝を述べた。報告後、全員で昼食をとりながら、午前の探索の感想や今後の計画について語り合った。

錬金術の提案

昼食の途中、エリアがお嬢様がリョウマに「勿体無い」と呟いていた理由を尋ねたことをきっかけに、リョウマは赤土から鉄を抽出できる可能性について語った。彼は錬金術の技法で酸化鉄から鉄を取り出せると説明し、ラインハルト公爵から試してみるよう提案を受けた。

錬金術の実演

食後、リョウマは簡単な魔法陣を描き、錬金術を用いて赤土から鉄を抽出した。工程は成功し、高純度の鉄を得ることができた。しかし、純度が高すぎるため通常の用途には向かないと判断し、不純物を混ぜる「混合」の魔法陣を用いて鉄を調整した。この結果、鉄の色合いが通常の鉄に近づき、加工に適したものになった。

鉄の品質検証の提案

リョウマは作った鉄の品質を確認するため、ラインハルト公爵に適切な商人や鍛冶職人を紹介してもらうことになった。ラインハルトは検討に没頭し始め、午後の探索には参加しなかった。この結果、エリアは少し不満そうだったが、リョウマはどう対応するべきか迷いながらも午後の調査に向けて準備を進めた。

2章 6話  午後の探検と贈り物

午後の訓練の開始

午後の訓練はラインハルトが不参加となり、リョウマ、お嬢様、奥様、ラインバッハの4人で行われた。公爵夫妻から課題が与えられ、お嬢様が主導して行動を決める形式となった。新たな坑道へ踏み込むと、苔むした壁と暗闇が広がっていた。リョウマは探査魔法の実践的な使い方を説明し、器を用いて魔力の流れを視覚的に示した。お嬢様はその方法を試みて魔法を発動したが、魔力の使用量が多すぎる問題点が浮き彫りとなった。

ケイブバットへの対処法

探査により、広い空間の天井にケイブバットが大量に棲息していることが判明した。ケイブバットは弱い魔獣だが、その数が膨大であったため、一網打尽にする方法が求められた。リョウマは音魔法『サウンドボム』を提案し、坑道の安全性を確認した後に実施することとなった。遮音結界で音の影響を抑えつつ、ビッグスティッキースライムの網を用意し、実験を開始した。結果、『サウンドボム』によりケイブバットは一撃で気絶し、スライムがそのほとんどを処理した。

鉄のインゴット作り

午後の訓練終了後、ラインハルトが鉄のサンプルを依頼した。リョウマは錬金術を用いて長方形のインゴットを迅速に作成した。作業は短時間で完了し、ラインハルトへ引き渡された。その後、スライムの分裂と訓練を行いながら広場で過ごした。

メタルスライムとの契約

訓練中に戻ってきたお嬢様と奥様から、メタルスライムをプレゼントされた。このスライムは金属の特性を持ち、リョウマはすぐに従魔契約を結んだ。さらに餌として鉄分を含む赤土を与える実験を計画し、ボタ山から必要な土砂を持ち帰る準備を整えた。

スライムの訓練

リョウマはスライムを戦闘訓練で育成し、その特性を活かした戦術を教えていた。柔軟な体と核を守る性質を利用して防御と回避を重視し、一部のスライムは武器を使えるまで成長していた。これに対し、公爵夫妻は驚きつつもテイマーギルドでの講習を勧めた。

帰路の準備

訓練の合間にスライムの分裂や契約を進めたリョウマは、赤土を大量にディメンションホームへ収容した。鉱山での活動を終え、リョウマは収穫物と共に帰路につく準備を整えた。

2章 7話  モーガン商会

午後の訓練の開始

午後の訓練はラインハルトが不参加となり、リョウマ、お嬢様、奥様、ラインバッハの4人で行われた。公爵夫妻から課題が与えられ、お嬢様が主導して行動を決める形式となった。新たな坑道へ踏み込むと、苔むした壁と暗闇が広がっていた。リョウマは探査魔法の実践的な使い方を説明し、器を用いて魔力の流れを視覚的に示した。お嬢様はその方法を試みて魔法を発動したが、魔力の使用量が多すぎる問題点が浮き彫りとなった。

ケイブバットへの対処法

探査により、広い空間の天井にケイブバットが大量に棲息していることが判明した。ケイブバットは弱い魔獣だが、その数が膨大であったため、一網打尽にする方法が求められた。リョウマは音魔法『サウンドボム』を提案し、坑道の安全性を確認した後に実施することとなった。遮音結界で音の影響を抑えつつ、ビッグスティッキースライムの網を用意し、実験を開始した。結果、『サウンドボム』によりケイブバットは一撃で気絶し、スライムがそのほとんどを処理した。

鉄のインゴット作り

午後の訓練終了後、ラインハルトが鉄のサンプルを依頼した。リョウマは錬金術を用いて長方形のインゴットを迅速に作成した。作業は短時間で完了し、ラインハルトへ引き渡された。その後、スライムの分裂と訓練を行いながら広場で過ごした。

メタルスライムとの契約

訓練中に戻ってきたお嬢様と奥様から、メタルスライムをプレゼントされた。このスライムは金属の特性を持ち、リョウマはすぐに従魔契約を結んだ。さらに餌として鉄分を含む赤土を与える実験を計画し、ボタ山から必要な土砂を持ち帰る準備を整えた。

スライムの訓練

リョウマはスライムを戦闘訓練で育成し、その特性を活かした戦術を教えていた。柔軟な体と核を守る性質を利用して防御と回避を重視し、一部のスライムは武器を使えるまで成長していた。これに対し、公爵夫妻は驚きつつもテイマーギルドでの講習を勧めた。

帰路の準備

訓練の合間にスライムの分裂や契約を進めたリョウマは、赤土を大量にディメンションホームへ収容した。鉱山での活動を終え、リョウマは収穫物と共に帰路につく準備を整えた。

2章 8話  大規模な討伐依頼

冒険者ギルドでの依頼の手続き

リョウマは廃坑山の魔獣討伐依頼の手続きのため、冒険者ギルドを訪れた。ギルドマスターに呼ばれ、廃坑内で確認された魔獣の情報を提供する。討伐対象はケイブマンティス、ケイブバット、スモールラットなどで、特にメタルスライムの存在が話題となった。また、汲み取り槽の掃除依頼も受け、スライムの処理能力の向上を活かしてすべて引き受けることを約束した。

スライムの管理と昇格条件の達成

リョウマは自身が保有するスライムの数を確認し、合計で4,310匹に上ることに驚かれた。ギルドの手続き中、受付のメイリーンから、前回の汲み取り槽の掃除依頼による成果でFランクに昇格していることが告げられた。また、Eランクへの昇格条件を満たす可能性も見込まれ、順調にランクを上げていることを確認した。

討伐依頼への準備

翌日、リョウマは討伐依頼に参加するため冒険者ギルドに向かった。ギルド前には多くの冒険者が集まり、賑わっていた。そこで知り合いのジェフ、レイピン、シェールと再会し、共に討伐に向かうこととなった。道中の雑談で、リョウマが討伐後の魔獣の死体をスライムの餌として買い取る計画を話し、驚かれながらも納得される。

討伐班の編成と戦力確認

現地でギルドの指示に従い、リョウマは知り合いばかりの班に編成された。班の戦力確認では、リョウマが主に土属性の魔法や雷、氷属性の攻撃魔法を使い、飛行系魔獣を担当する役割を担った。他の班員は近接戦闘や回復を得意としており、バランスの取れた布陣で討伐を開始した。

討伐の開始

班員たちと役割を分担しながら、リョウマは洞窟内で討伐を進めた。魔法を駆使してケイブマンティスやケイブバットを効率的に処理しつつ、班全体の連携を強化する行動を取った。討伐活動は順調に進行し、リョウマの魔法と戦闘技術が大いに役立った。

2章 9話  一般的な冒険者

弱い魔物との戦闘とリョウマの実力

新たな坑道での戦闘はスモールラットやスライムばかりで手応えがなく、リョウマたちは軽い調子で進んでいった。途中、リョウマが自分のFランクについて疑問を抱き、班員たちから実力を評価されていると聞かされる。リョウマがガナの森でブラックベアーを討伐した経験を明かすと、班員たちは彼がCランク相当の実力を持つと判断し、ギルドマスターの配慮で班に配属されたのだと納得した。

後をつけていた冒険者との出会い

坑道を進む中、リョウマたちは後ろから自分たちをつけていた6人組の冒険者と出会った。彼らはGランクやFランクの駆け出し冒険者で、生活費に困り、リョウマたちが捨てた魔物の死体を拾い集めていた。ウェルアンナが彼らを叱責するも、ミーヤやシリアが配慮し、拾った死体を持ち帰ることを許可した。また、彼らにケイブバットの群れ討伐の手伝いを依頼し、協力する形となった。

ケイブバットの群れの討伐

リョウマは自作の魔法「サウンドボム」を使い、ケイブバットを一斉に気絶させることに成功した。手際よく作業を進めた結果、ケイブバットの群れを殲滅することができた。この実力を目の当たりにした6人組はリョウマを見直し、彼への疑念を抱いていたことを反省した。

リョウマの外見と実力のギャップ

作業後、班員たちはリョウマの戦闘能力が外見からは想像できないと語った。リョウマ自身も盗賊に舐められることが多かったと振り返るが、返り討ちにしてきたと笑った。班員たちはリョウマを「天然の罠」と冗談交じりに評価しつつ、彼の実力を改めて認めた。

昼食準備のため広場へ戻る

討伐を終えた一行は、昼食の準備が整う時間になったため、広場へと戻ることにした。道中、リョウマの実力に関する軽い談笑が交わされ、穏やかな雰囲気で次の行動に備えることとなった。

2章 10話  魔獣討伐の休憩時間

昼食後のスライムの世話

冒険者広場で昼食を終えたリョウマは、手持ち無沙汰となりスライムの世話をすることを決めた。仮設受付で許可を得た後、受け取った魔獣の死体を使いスライムたちに餌を与えた。ポイズンやスティッキースライムが豪快に食事を進める中、メタルスライムは鉄粉を用意されるまで地面を掘る素振りを見せていた。リョウマはスライムの特徴や行動を観察しつつ、時間を過ごした。

スライムの実験とメタルスライムの弱点

リョウマはスライムの特性を知るため、毒液や酸などを用いてメタルスライムへの影響を試みた。毒液や粘着液には無反応だったが、酸には反応を見せて苦手としていることが判明した。その後、実験の過程で汚れてしまったメタルスライムを磨き上げ、球体に整えた。しかし、不意に坂の上でメタルスライムを地面に置いてしまい、球体の形状のまま転がり落ちるハプニングが発生した。

坂を転がるメタルスライムとその救出

メタルスライムは坂を勢いよく転がり、坂下の茂みで停止した。リョウマが急いで追いかけ確認したところ、スライムは動揺して固まっていたが、特に損傷はなかった。リョウマはメタルスライムの頑丈さを確かめる実験を考えつつ、再び安全な状態に戻した。

鉱山下での争いの発見

鉱山を下る途中、リョウマは争いの声を聞きつけ、声のする方向へ向かった。そこでは10人以上の冒険者たちが、かつてリョウマの班の後をつけていた6人組の冒険者を取り囲み、激しい口論を繰り広げていた。状況を観察したリョウマは、6人組が再び他人の獲物を無断で持ち去った可能性を考慮しつつも、人数で圧倒して罵声を浴びせるやり方に疑問を抱いた。

争いの仲裁と新たな展開

リョウマは場に姿を現し、双方の言い分を確認しようと試みた。6人組がリョウマの班から獲物を譲り受けたことを証言し、穏便な解決を提案したが、冒険者たちは反発し、6人組を責め続けた。最終的に髭面の男「サッチ」が場を収めるよう提案し、事態は収束しかけた。しかし、その直後、冒険者たちは武器を抜き、緊張が一気に高まった。

2章 11話  不良冒険者

突如現れた石柵の防御

冒険者たちの中で緊張が高まる中、リョウマは土魔法「アースフェンス」を発動させ、大きな石の柵を作り出した。これにより、6人組と敵対する男たちを隔てつつ、一部の男を牽制した。柵の効果を説明しつつ、敵の動きを分析したリョウマは、男たちが荒事に慣れていることを見抜いた。これにより、彼らの行為が単なる冒険者としての振る舞いではなく、盗賊に近いものであることを確信した。

挑発と本格的な衝突の始まり

リーダー格の男サッチは仲間たちに檄を飛ばし、リョウマへの攻撃を指示した。6人組の少年の警告を受けたリョウマは、彼らに走る準備をさせつつ、自身で敵の注意を引きつけた。さらに、敵が増長する態度や公爵家に関する話題を利用し、敵の混乱を誘うことに成功した。

反撃と撤退の指示

混乱の中でリョウマは土魔法「クリエイト・ブロック」で石材を生成し、柵を武器として利用。男たちをまとめて吹き飛ばし、6人組に逃走を促した。リョウマの迅速な対応により、6人組は無事に撤退を開始したが、サッチはなおもリョウマへの攻撃を続行しようとした。

リーダーとの一騎打ち

サッチは斧を振るいリョウマに迫ったが、リョウマは冷静に彼の動きを封じ、右腕を脱臼させたうえで左腕も骨折させた。サッチの戦闘不能により、男たちは恐れおののき、攻撃の手を止めた。

追撃者の封じ込め

一部の男が逃亡を図ったが、リョウマは空間魔法「テレポート」を用いて阻止。男たちを次々に拘束し、ギルドマスターの前で事実を明らかにする意向を示した。最終的に敵対する男たちは全員無力化され、6人組の安全は確保されたが、この対応により集合時間に遅刻することとなった。

2章 12話  鉱山の魔獣討伐・ 1日目終了

援軍の到着と拘束の引き継ぎ

リョウマが不良冒険者を拘束している最中、アサギとレイピンが現れた。6人組の少年冒険者から助けを求められ、状況を確認しに来たという。リョウマが施した拘束は、スライムを利用した万全のもので、不良冒険者たちは身動きが取れない状態であった。アサギは見張りを引き受け、リョウマに受付への報告を促した。レイピンの魔法の助けを借り、リョウマはスライムを片付けて急ぎ受付へ向かった。

ギルドマスターとの会話と評価

受付に到着したリョウマは、事情を説明し、そのままギルドマスターに呼び出された。ギルドマスターは、リョウマの行動が正当性を持つものであり、罰則を科さないことを告げた。また、不良冒険者たちのリーダーであるサッチの過去について語られた。サッチは元々真面目な冒険者だったが、Cランクで挫折し、次第に素行を悪化させていったという。信頼を寄せかけた相手に裏切られた形となり、ギルドマスターは憔悴していた。

自分への疑問と反省

馬車に揺られながら、リョウマは自らの行動を振り返った。サッチたちに苛立ちを覚えたことが自分の行動に影響を与えていなかったか、冷静さを欠いていなかったかと問い直した。さらに、この世界での自身の在り方を省み、公爵家に依存しすぎている現状に危機感を覚えた。戦闘能力には自信があるものの、精神面での自立が必要であると結論づけ、公爵家を離れる決意を固めた。

決意の確立

宿へ戻るまでの間、リョウマは自分を鍛え直し、恩に報いるために自立する道を模索することを決めた。過去の行動を省みた結果、今のままでは堕落した人間になると危惧し、自らの在り方を改める必要性を強く感じたのである。

2章 13話  報告

公爵家への決意表明

リョウマは宿に戻ると、公爵家のメンバーが集う部屋を訪れた。そこで、自立の決意を伝えた。リョウマが自らを鍛え直すために公爵家を離れたいと申し出ると、エリーゼが驚き、必死に引き止めようとしたが、リョウマの意思の強さに理解を示した。奥様やラインハルトはその意志を尊重しつつ、「無茶をせず、必ず戻ること」「定期的な報告」「困った時は頼ること」の三つを条件に挙げ、彼の決断を応援した。

エリーゼの条件と再会の約束

エリーゼはさらに独自の条件を提示し、3年後と6年後に再会する約束を提案した。リョウマもその提案を受け入れ、エリーゼと笑顔で未来の再会を誓った。これにより、リョウマの決意は固まり、彼と公爵家の絆はより一層深まった。

冒険者としての新たな使命

リョウマが自立後の生活を街周辺での冒険者活動と定めると、ラインハルトは廃坑の管理を依頼した。廃坑に魔獣が巣を作るのを防ぐため、定期的な見回りと討伐を任せたいとのことだった。リョウマはこの提案を快諾し、廃坑を訓練やスライム育成の拠点として活用することを決めた。

宿泊の申し出とリョウマの葛藤

リョウマは公爵家の厚意に甘え続けることを避けようとしたが、奥様やラインバッハの説得により、彼らが街を離れるまで宿で一緒に過ごすことを了承した。内心の葛藤を抱えつつも、その優しさに感謝し、彼らの好意を受け入れることで自分をさらに鍛え直す決意を新たにした。

新たな始まりの準備

リョウマは部屋に戻り、再び感謝の気持ちを胸に抱きつつ、自らの成長のための新たな一歩を踏み出す準備を整えた。公爵家との絆を大切にしながら、これからの冒険者としての道を力強く進む覚悟を固めた。

2章 14話  鉱山の魔獣討伐・ 2日目

ゴブリン討伐の準備と計画

リョウマは自立に向けた初日として魔獣討伐に参加していた。彼は現在の生活費や収入を考えつつ、堕落しないようにするため冒険者以外の収入源も模索する必要があると考えた。しかし考え事に集中しすぎたことで、周囲から淡々と魔獣を仕留める姿が「怖い」と評される一幕もあった。

その時、坑道でゴブリンの村が発見されるという報告が入り、緊急討伐の招集がかかった。集まった冒険者たちはギルドマスターの指示のもと作戦会議を開始し、リョウマも特例でEランクとして参加することが決まった。

ゴブリン討伐作戦の提案と準備

作戦の要としてリョウマは、自ら提案した「溝にスライムを配置し、ゴブリンを効率よく仕留める」方法を説明した。この案は戦闘経験の乏しいFランクやGランク冒険者でも安全に戦えるものとして採用された。

リョウマは他の土魔法使いと共に指定の地点で深い溝を掘り、そこにアシッドスライムを配置。溝に落ちたゴブリンを溶かすための環境を整えた。また、冒険者たちが使用するための武器としてケイブマンティスの鎌を加工し、長い棒に接着して使用できるようにした。

地形の改良と準備完了

さらに溝周辺には、弓使いや魔法使いが安全に攻撃できるよう高台を設置し、物理攻撃に耐えられる結界を張った。また、誤って溝に落ちないように手すりをつけるなど、安全性を重視した地形改良を施した。準備を終えたリョウマは、リーダーに報告し、討伐作戦の開始を待つこととなった。

再会した6人組

休憩を取る冒険者たちの中、リョウマは自身の装備やスライムを再確認していた。すると、突然声をかけられ振り向くと、昨日遭遇したあの6人組の姿があった。彼らとの再会が、討伐作戦にどのような影響を与えるのかが注目される状況であった。

2章 15話  事情聴取

冒険者たちの再会と挨拶

リョウマは討伐準備の中、前日に助けた6人組と再会した。彼らはリョウマに感謝と謝罪を伝えるため、全員で頭を下げた。リョウマが自己紹介すると、彼らもそれに応じた。6人の構成は以下の通りであった:
• 小猿人族のベック(13歳)
• 犬人族のルース(12歳)
• 大猿人族のウィスト(11歳)
• ハーフエルフのマルタ(12歳)
• ハーフドワーフのフィニア(12歳)
• 犬人族のルーミル(12歳)

6人は種族特有の身体能力を持っており、各々がその特徴を活かして冒険者として働いていたが、技術や経験の不足が課題であると判明した。

彼らが抱える問題と過去の出来事

リョウマが6人に質問を重ねると、彼らが獲物を盗む行為に及んだ理由が判明した。きっかけは住民税の支払いであった。彼らは一人400スートという税を納める必要があり、6人分で2400スートもの負担が生活を圧迫していた。

かつて彼らは汲み取り槽の掃除で収入を得ていたが、報酬が減額されたうえ、周囲から病気の危険性を指摘され、仕事を辞めざるを得なかった。その後、冒険者として稼ぎ始めたが、経験不足から効率的に収入を得ることができず、住民税を払うために不正な手段に頼る結果となった。

住民税と支援の欠如

住民税に対する救済措置についても尋ねたが、6人によると、タダ働きで埋め合わせる方法があるものの、大人の影響で仕事が得られる保証はなく、鉱山での雇用も子供であるがゆえに拒まれる状況であった。彼らの困窮は、社会的な支援の欠如が影響していることが明らかである。

リョウマの助言

リョウマは6人に現在の汲み取り槽掃除の管理がギルドによるもので、報酬の不正は起こらないと伝えた。これを聞いた6人は、再びその仕事を考慮する姿勢を見せた。リョウマは真剣に働く意志がある彼らを見て、自身のスカベンジャーに餌が必要な場合以外は掃除を任せるつもりであると考えていた。

2章 16話  集団戦闘

作戦開始とゴブリンの襲来

冒険者たちはプロリアの指揮のもと、配置に就き緊張感が漂う中、作戦が開始された。間もなくベックの報告で最初のゴブリンが確認され、その後も続々とゴブリンが現れた。冒険者たちは溝とスライムを活用し、ゴブリンを効率的に倒していった。毒矢や魔法の援護も加わり、序盤は優勢であったが、想定外のゴブリンの多さに困惑が広がった。

溝とスライムを活用した防御戦

リョウマのスライムたちはそれぞれ特性を活かして戦い、スティッキースライムが粘着液で敵を拘束し、ポイズンスライムが毒を利用して戦果を上げた。スカベンジャースライムも巧みにゴブリンを転倒させ、効果的に対処していた。冒険者たちは溝や高台を駆使し、前線を維持していたが、ゴブリンの数が増え続けたことで消耗が進んでいた。

リョウマの前線参加と反撃の開始

前線の消耗が目立ち始めたため、リョウマがプロリアに提案し、自身とスライムを前線に投入した。リョウマは短剣でゴブリンの急所を的確に狙い、次々と仕留めていった。スライムたちも武器を巧みに操り、ゴブリンに応戦し続けた。その成果により、冒険者たちは一時的に休息を取る余裕が生まれた。

戦場の安定と矢の補給

リョウマのスライムたちは戦闘に加え、使い終わった矢を回収して後方へ届ける役割も担った。これにより弓部隊の矢不足が緩和され、戦況が持ち直しつつあった。冒険者たちはリョウマとスライムの活躍に感嘆しながらも、その間に体力を回復し、再び戦闘に備えていた。

長期戦への対応

リョウマとスライムたちは引き続きゴブリンと対峙し、投擲用ナイフでゴブリンメイジを仕留めるなど、着実に戦果を挙げていった。他の冒険者たちが体力を回復するまで、リョウマたちは全力で戦闘を続け、戦線を維持する役割を果たした。

2章 17話  終わる戦い、続く戦い

戦闘の収束と救援の到着

ゴブリンを倒し続けた結果、総数が2000匹を超えた段階でゴブリンの襲来が止まった。その直後、空間魔法を使ってレイピン、アサギ、ゴードン、シェールの4人が救援に現れた。彼らの報告によると、本隊が予想以上の規模のゴブリン群と遭遇し、さらにゴブリンキングとその取り巻きであるゴブリンナイトが存在していたことが判明した。廃坑の構造はゴブリンによって掘り進められ、偵察で把握しきれなかったことが今回の混乱の原因とされていた。

救援活動とヒールスライムの成長

リョウマはヒールスライム2匹とともに救援部隊へ合流し、軽傷者から重傷者まで治療を進めた。治療の過程でヒールスライムが「ハイヒール」を習得し、回復効率が大幅に向上した。さらに、リョウマの手持ちの魔力回復ポーションが活用され、全員の治療を完了。重傷者も命を取り留め、現場は安定を取り戻した。

戦後処理と報酬の発表

戦闘後、ギルドマスターが全員に大銀貨1枚以上の報酬を約束し、冒険者たちは歓声を上げた。リョウマにはゴブリンの死体をスライムの餌として自由に使う許可が与えられた。リョウマはスライムを使い、ゴブリンの死体処理と周辺の清掃を進めた。クリーナースライムによる清掃は特に冒険者たちから高い評価を受け、全員の装備と体をきれいにした。

スライムの分裂と帰路

ゴブリンを食べたスライムたちは分裂可能となったが、従魔契約の魔力が不足していたため、回復を待つ必要があった。リョウマは乗合馬車を見送りながらスライムたちと休憩を取り、最後の馬車で帰路に就く準備を整えた。戦闘と治療、そして後処理の忙しさから、リョウマは心身の疲労を感じていた。

2章 18話  帰宅

スライムの研究と仲間との会話

リョウマは汲み取り槽の掃除仲間と共に馬車乗り場を離れた場所で休んでいた。彼らと「ゴブリンの大群が滅ぼした国」の話題になり、ゴードンの言葉を受けてレイピンがヒールスライムへの興味を示した。リョウマはヒールスライムの特性や光合成スキルについて説明し、その生態が野生での生存を難しくしていることを指摘した。また、スライムの価値が正当に評価されない現状に触れ、研究成果を公表しない理由を明かした。

洗濯屋の提案と仲間の反応

リョウマはクリーナースライムを活用した洗濯屋を思いつき、仲間に相談した。汚れを効率的に落とせるスライムの能力は冒険者や獣人族から高い評価を受け、全員が成功の可能性を肯定した。リョウマは自立のための収入源の一つとして洗濯屋の実現を検討する意向を示した。

宿での報告と新たな計画

宿に戻ったリョウマは、公爵家の面々にゴブリン討伐の結果を報告し、特にゴブリンキングの出現について詳細を伝えた。その後、6人組の困窮した状況とギルドの対応を説明し、公爵家の協力を得ることになった。また、公爵家が滞在期間中に行う予定の「グレルフロッグ」や「リムールバード」に関する活動についても知り、リョウマはその場に同行することを約束した。

スライムの分裂と就寝前の活動

その夜、リョウマはスライムの分裂と従魔契約を行った。アシッドスライム、ポイズンスライム、クリーナースライム、スティッキースライムが分裂を果たしたが、契約の途中で魔力が尽きたため、残りは翌日に回した。魔力回復ポーションの使用を控え、効率的な契約を進める計画を立てた。

2章 19話  開業の相談(前編)

魔獣討伐とスライムの成長

リョウマはスライムたちと共に魔獣討伐に従事した。スティッキースライムの特性を活かし、天井に張り付かせたり、空中で網を作るよう指示する実験を行い、多くのケイブバットを効率よく捕獲した。また、スライムたちが日々の訓練で個々の能力を着実に向上させていることを実感した。午後も小型魔獣の狩りを続け、スライムの多用途性を再確認した。

馬車の事故と街への帰還

夕方、乗合馬車の車輪が壊れ、乗客は徒歩で街へ戻ることになった。リョウマは街の夕暮れの雰囲気を楽しみながら歩き、モーガン商会を訪れた。魔力回復ポーションのお礼を伝えるためであった。

洗濯屋の提案とクリーナースライムの実演

商会のセルジュに自立計画を説明したリョウマは、クリーナースライムの能力を披露した。ゴブリンの腰布を短時間で清潔にするスライムの実力にセルジュは驚愕し、洗濯屋の成功の可能性に太鼓判を押した。

袋の選定と料金構想

リョウマは洗濯屋で使用する袋の大きさを選び、料金設定の案を示した。個人用、パーティー用、大規模集団向けの袋を用意し、薄利多売で利益を上げる計画を練った。また、洗濯物の量や顧客のニーズに応じた料金割引を提案した。

顧客層の拡大案

リョウマは鍛冶屋や建築作業従事者など汚れがちな職業の人々を対象とした営業案を説明した。職場での依頼を通じて個人顧客を増やす戦略を語り、クリーナースライムの活用がもたらす利便性を強調した。しかし、説明に熱が入りすぎた結果、セルジュを圧倒する場面も見られた。

2章 20話  開業の相談(後編)

セルジュとの会話と商業ギルドの提案

リョウマはセルジュに洗濯屋の構想を説明した際、商業ギルドへの登録を勧められた。セルジュはリョウマの計画性と行動力を評価し、ギルド登録が必要な理由や商業の仕組みについて丁寧に説明した。最終的にリョウマは商業ギルドへの登録を決意し、セルジュの協力を得ることとなった。

洗濯屋計画の拡大

セルジュはリョウマの洗濯屋が成功する可能性に強い確信を持ち、店舗運営や人員確保の支援を申し出た。リョウマは当初、規模を拡大するつもりはなかったが、セルジュの熱意に押され、最低限の協力を受け入れることにした。店舗の開設や運営については慎重に進める方針を取った。

帰宅後のお嬢様の叱責

宿に戻ると、お嬢様がリョウマの帰りの遅さを心配していたことが判明した。ゴブリンキングとの戦闘があった翌日ということもあり、彼女は非常に不安を抱いていた。リョウマはその心配に謝罪し、次回からの連絡を約束した。

スライムの成長と契約の進捗

部屋に戻ったリョウマは、スライムの分裂と契約を進めた。スティッキースライムの数が900匹を超え、ポイズンスライムとアシッドスライムは666匹に達した。クリーナースライムも倍増し、スライムたちの強化が顕著となっていた。スライムたちが新たに物理耐性や戦闘スキルを習得しており、今後の活用の幅がさらに広がることを確信した。

2章 21話  即断即決

商業ギルドでの登録手続き

リョウマはセルジュと共に商業ギルドを訪れ、ギルドマスターのグリシエーラとサイオンジと出会った。彼らはリョウマの若さに驚きつつも、その計画性や洗濯屋のアイデアを評価した。リョウマは職種として「街商人」と「行商人」を選択し、登録を無事に完了した。

洗濯屋の計画に対する反応

ギルドマスターらはセルジュから聞いた洗濯屋のアイデアに強い興味を示し、特にスライムの活用による効率的な洗濯が注目された。彼らはこの計画が大きな利益を生む可能性を認め、リョウマに成功を期待すると共に温かい言葉をかけた。

土地の選定と購入

リョウマは商業ギルドから紹介された土地を購入することを決めた。この土地はかつて酒場があった場所で、立地が良く、人目につきやすい特徴があった。しかし火事で建物が損壊しており、整備が必要であった。リョウマは土魔法やスライムを活用することで、自ら整備可能と判断し購入を決意した。

商業ギルドでの登録費用と条件

土地購入費用と商業権、地税、年会費などの支払い条件が説明された。リョウマは十分な資金を持っており、すべての条件を受け入れた。商業権や年会費の仕組みは商人の評価や信頼に関わるものであり、リョウマはこれを理解した上で対応した。

今後の建築計画

手続きが終わった後、セルジュはギルドに残り、リョウマは一人で帰路についた。リョウマは購入した土地での建築作業を楽しみにしつつ、次の段階へと進む準備を始めていた。

2章 22話  店作り・ 1

ゴブリン討伐の余波と洗濯屋の計画

昼休み中、リョウマは血まみれになった冒険者たちに助けを求められた。ジェフたちはゴブリンの巣を討伐したが、ジェフの豪快な死体処理が原因で血にまみれたという。リョウマはクリーナースライムを用いて彼らを清潔にし、感謝された。その後、洗濯屋を始める計画を伝えると、彼らは喜び、利用を約束した。集団割引の案内も興味を引き、早速利用を考える者もいた。

購入した土地の初作業

仕事を終えたリョウマはセルジュと共に購入した土地を訪れ、初めて目の当たりにした。敷地は広く、建物は崩壊していたが、リョウマはスカベンジャースライムを使い雑草を刈り、魔法で建物の解体作業を始めた。防音結界を活用し、周囲に迷惑をかけないよう配慮しながら、効率的に進めた。セルジュはこのスピードに驚きつつ、リョウマの魔力とスライムの活用力を評価した。

鉱山での魔獣討伐の完了と昇格

魔獣討伐の依頼が完了し、リョウマは正式にEランクへ昇格した。ギルドマスターからは廃坑管理についての助言と共に、洗濯屋の噂が冒険者の間で広まっていることを聞かされた。リョウマは店の建設を急ぎ、ギルド職員にも集団割引の案内を行った。

新しい隣人との出会い

土地の整備中、近所の子供たちや隣人のポリーヌと出会った。リョウマは洗濯屋の計画を簡潔に説明し、袋の使用方法と料金を案内した。ポリーヌはこの案内に興味を持ち、試しに利用することを約束した。また、隣人との交流を通じて地域の情報を得るなど、今後の活動に役立つ関係を築き始めた。

整備作業の進展

リョウマは魔法やスライムを駆使して雑草刈りや建物の解体を効率よく進めた。作業の合間には近隣の住人と交流しつつ、洗濯屋の開業に向けて少しずつ準備を整えていった。

2章 23話  店作り・ 2

建築計画の確定と基礎工事

リョウマは建物の構造を地下1階・地上2階に決定した。土地を3つの区画に分け、店舗、従業員寮、裏庭を設ける計画を立てた。基礎工事ではクリエイト・ブロックで地下室を掘り、石材を生成。土魔法「ペイブメント」を用いて地盤を強化した。スライムの力も活用し、作業を効率化しながら基礎部分を完成させた。

1階と2階の建設

3日目には地下室と1階の床、壁を硬化液と石材で構築し、4日目には2階の壁と仕切りを完成させた。順調に作業が進む中、スライムのサポートを受けつつ建物が形になっていった。

木材加工と新魔法の開発

5日目、リョウマは廃坑付近の木材を利用し、新魔法「サークルソー」と「ポリッシュホイール」を開発。これにより木材の切断と表面研磨が効率的に行えるようになった。錬金術で木材を乾燥させるが、一部の材木に割れが生じるも、柱としての使用は避けることで問題を解消した。

内装の仕上げとスライムの成長

6日目には木材で棚やカウンターを作り、粘着液をニス代わりにコーティング。内装を木造風に仕上げる中、クリーナースライムが清掃スキルを覚えていることを発見。他のスライムも木工スキルを習得し、加工速度が大幅に向上した。

外壁の変更と新素材の活用

7日目には店舗の外壁を清潔感のある白色に変更するため、石灰を用いた新しい石材を作成。スティッキースライムの粘着液でコーティングし、白い外壁が完成した。作業後、店周辺に芝生や花を植える計画を立て、隣人のポリーヌの助言を受けて芝生の種15袋と花の種を購入した。

地域住民との交流と新たな顧客獲得

ポリーヌや近隣住民と交流する中で、洗濯屋のサービスを紹介。初回無料のサービスを提供し、新たな顧客を獲得するきっかけを作った。住民からは、リョウマの迅速な建築作業とスライムの能力に驚きの声が上がり、洗濯屋の評判が広まりつつあった。

2章 24話  店作り・ 3

店名の決定と作業の進捗

リョウマは宿で広告の内容を考えつつ、店の名前に悩んでいた。気分転換に公爵家の面々とお茶を共にし、これまでの作業の進捗を報告。店舗建築がほぼ完成したと伝えたが、その無理な作業量が指摘された。魔法を多用している点で特に心配されたが、リョウマは過去の労働経験を例に挙げつつ大丈夫だと説明した。その後、店名を「洗濯代行業者 バンブーフォレスト」に決定し、広告内容を固めた。

看板制作とギルド訪問

翌日、セバスから画材を受け取ったリョウマは、看板の制作を開始。白く塗った板に店名とスライムの絵を描き、乾燥後の仕上げを計画した。その後、冒険者ギルドを訪れるも、宣伝用掲示板がないことを確認。自力での宣伝活動が必要と分かったため、まずはゴミ掃除の依頼を受けることにした。

汲み取り槽の掃除と庭整備

依頼を受け、スカベンジャースライムを使って汲み取り槽を迅速に掃除。その後、店の周囲の土にスカベンジャーが生成した肥料を混ぜ、芝生や花の種を植えた。魔法で水やりを行い、日が暮れる前に作業を切り上げた。

庭の完成と店の準備

翌日、リョウマは木属性魔法「グロウ」を使い、芝生を青々と茂らせ、花を咲かせた。さらに風魔法で芝を整えることで、店周りの環境を整備。その後、看板の仕上げや値段表の制作を行い、最低限の開業準備を完了させた。

完成祝いの計画

リョウマは店舗完成を祝うプレオープンイベントを計画。セルジュや商業ギルドの関係者、公爵家の面々、冒険者ギルドの知人たちに声をかけ、参加の確認を取った。最終的に約30名の参加者を迎えることが決定し、試験営業と完成祝いの準備を進めた。

準備完了と最終確認

リョウマはギルドで確認を取り、全参加者の予定を確定。廃坑の見回りと魔獣討伐を行った後、宿で最終確認を済ませ、いよいよ試験営業と完成祝いの日を迎える準備を整えた。

2章 25話  店作り・ 4

食材調達と料理の準備

リョウマは大量の食材を購入し、明日の店完成祝いに向けて料理の下ごしらえを行った。メニューはサラダ、ミートソーススパゲッティー、ステーキ、デザートにアップルパイであった。錬金術を活用して乾燥麺や果物ジュースを効率的に作り、準備を進めた。完成した料理は保冷庫に保管し、夕方には一通りの準備を終えた。

教会での祈りと神との再会

夕方、リョウマは思いつきで教会を訪れ、祈りを捧げた。すると再び神界の白い部屋に呼び出され、クフォと再会した。ガインとルルティアは地球を訪問中で不在であり、クフォから地球観光の理由や転移者にまつわる話を聞いた。

転移者の歴史と失伝の事情

クフォは、転移者がこの世界にもたらした技術や知識の多くが広まらず、あるいは失伝していった事情を説明した。ピオロ・サイオンジが転移者の子孫であることや、過去に聖女となった転移者が病を消し去った壮絶な物語を語った。転移者の影響力と、それに伴う問題の大きさが明かされた。

肉体と精神の影響

会話の終盤、クフォはリョウマに、転生に伴う肉体の若返りが精神にも影響を与え、微妙な幼児退行が起きていると伝えた。これが原因で感情が顔に出やすくなるなど、前世との違いが生じているという。その話を心に留めつつ、リョウマは元の世界へ戻り、教会で喜捨を行ってその場を後にした。

明日に備える休息

教会から宿に戻ったリョウマは、翌日の店完成祝いに向け、早めに休息を取ることを決めた。多くの人々を迎える準備に思いを巡らせながら、気を引き締めて次の日に備えた。

特別書き下ろし・残された人々と変化の兆し

竹林の失踪と社内の混乱

竹林竜馬が出社せず、会社では上司や同僚がその行動を非難していた。理不尽に怒鳴られる田淵や嘲笑する若手社員たちがいたが、一部の社員は触らぬ神に祟りなしと静観し、竹林の復帰を密かに願っていた。しかし竹林は姿を見せなかった。

田淵と井口の訪問

上司の指示を受けた田淵と井口は、竹林の自宅を訪れることになった。道中、井口は公共の場でも不満を漏らし、周囲に迷惑をかける態度をとった。竹林の家に到着すると、井口は騒々しく振舞い、大家や近隣住民とトラブルを起こしながらも部屋への立ち入りを試みた。

竹林の死の発覚

部屋に入ると、竹林が布団の中で眠っているように見えた。しかし、田淵が声をかけても反応がなく、触れた瞬間にその体が冷たく硬直していることに気づいた。竹林が既に亡くなっていたことが判明し、大家が警察に通報した。

警察の事情聴取と井口の暴走

警察の事情聴取が始まる中、井口は感情を爆発させて暴れ出した。結果として警察官に拘束され、公務執行妨害で逮捕された。田淵は井口の行動を謝罪しつつ、会社への報告を考えていた。

竹林の死がもたらす波紋

竹林の死をきっかけに、彼の職場環境や会社の問題点が外部に知られることとなった。偶然現場にいた雑誌記者が一連の出来事を記録し、会社の隠れた問題を暴露する可能性を示唆していた。この出来事は、竹林の死と共に会社に新たな波乱をもたらす前触れであった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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