- どんな本?
- 読んだ本のタイトル
- あらすじ・内容
- 前巻からのあらすじ
- 感想
- アニメ
- 同シリーズ
- その他フィクション
- 備忘録
- 3章 1話 別れの後の憂鬱
- 3章 2話 緊急事態
- 3章 3話 毒と薬
- 3章 4話 噂話
- 3章 5話 噂を流して
- 3章 6話 終業後のコミュニケーション
- 3章 7話 夜歩き
- 3章 8話 会議後の動き
- 3章 9話 出立
- 3章 10話 レナフへ
- 3章 11話 懐かしい味
- 3章 12話 目標設定
- 3章 13話 スマッシュボア狩り
- 3章 14話 2号店完成
- 3章 15話 若干の変化
- 3章 16話 有能な新人
- 3章 17話 ディノーム魔法道具工房
- 3章 18話 試作と評価
- 3章 19話 魔法道具市 1
- 3章 20話 魔法道具市 2
- 3章 21話 実験
- 3章 22話 炭を焼きながら
- 3章 23話 街中で
- 3章 24話 魔法と学問の神
- 3章 25話 ボランティア活動
- 特別書き下ろし・雑誌記者は違和感を覚える
どんな本?
物語の概要 日本の中年サラリーマンであった竹林竜馬は、三柱の神々の協力要請を受け、子どもの姿で異世界へ転生する。新たな生活の拠点として廃坑の管理を任され、一人暮らしを再開した竜馬は、スライムを使った洗濯屋の経営に取り組む。経営中に発生する様々なトラブルを解決しながら、防犯設備の充実や従業員との絆を深めていく。さらに、人材育成を兼ねて別の土地への二号店出店の提案を受け、初めての一人旅に出ることとなる。
主要キャラクター
- 従業員たち:竜馬の洗濯屋で働くスタッフ。共にトラブルを乗り越え、絆を深めていく仲間たち。
- 竹林竜馬:前世は日本の中年サラリーマン。異世界では少年の姿で転生し、スライムを使った洗濯屋を経営する。
- 三柱の神々:竜馬を異世界へ転生させた神々。彼の新たな人生を見守る存在。
物語の特徴 本作は、異世界転生をテーマにしたスローライフファンタジーである。前世の知識を活かし、スライムを活用したビジネス展開や人々との温かい交流が描かれている。特に、経営者としての成長や新たな出会いを通じて広がる竜馬の世界観が魅力である。
出版情報
読んだ本のタイトル
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あらすじ・内容
初めての一人旅には、新たな出会いと発見が満載!
神達に拾われた男 4
お世話になった公爵家の人々と別れ、管理を任された廃坑で改めて一人暮らしを始めた転生者の少年・竜馬。スライムを使った洗濯屋の経営では、大小問わず様々なトラブルが起こるものの、それを解決するうちに防犯設備が充実したり、お店で働く従業員たちとの絆が深まったりもしていた。そんな中、人材育成も兼ねて別の土地に洗濯屋の二号店を出さないかと提案された竜馬は、店舗の候補地を視察すべく、初めての一人旅へと繰り出すことに!! 優しい人々との繋がりが、竜馬の世界をさらに広げていく異世界スローライフファンタジー、第四幕!
前巻からのあらすじ
竜馬が経営してるクリーニング店には休みが無い!
それに愕然とした竜馬は急ぎ定休日を決める。
それでも、クリーニング店はどんどん売り上げが上がり、店員を追加しても客足はドンドン増えて行く。
さらに商業ギルドから他の街に支店を出して欲しいとも要望があり。
スラムで燻っているスライムの研究家達を支店長候補として採用するが、、
研究の同志として話が終わらないw
スライム研究の幅もより広がる。
感想
特別書き下ろしの地球の残された人達もドンドン危なくなって来てる。
ゲイバーのママさんの証言なんか酷いわ・・
ゲイを気持ち悪いと罵るなら来なければ良いのに来店する不思議。
そもそも、竜馬がいなかったら出入り禁止になるほど悪い客なボンボン達。
店員をら気持ち悪いと罵り、竜馬を瓶で殴る事もあったらしい。
そんな状況の映像を店員が撮影しており、それを竜馬の隣に住んでいる雑誌記者が手に入れる。
竜馬が居なくなって用済みになった会社が普通の世間に揉まれたら転覆寸前。
新しいスライムはメディスンスライム。
薬を生成するスライムらしい。
臭いに特化したデオドラントスライムも爆誕。
さらにアイアンスライム達が高速移動を入手。
転がってアッチコッチに高速移動するようになったが、、
鉄球が猛スピードで転がるので危ない、、
本編は繁盛する洗濯屋さんだが、儲かると色々な人が集ってくる。
アホなスライムは生地を引き裂けないのに裂けたと言い張るクレーマー。
そのクレーマーが竜馬と同じ従魔術師でスライムしか使えない竜馬が自身より良い生活をしているのが許せなかったと言う。
ただの妬みかよ、、
それでクレーマーになるのか、、
恐ろしいな。
そして、店長候補のコーキン、ロベリア、トニーとの話でスライムの進化は食事だという原因を知らなかった事が判明。
どうも教科書で食事じゃないと書いてあったらしい、、、
何じゃそりゃw
その中でミートスライムが出て来るが、、
蠢く生肉ってのがグロいw
そんなコーキン達との楽しいスライム談義をした帰りに、また竜馬を妬んだ従魔術師達から襲われて返り討ちにしてしまう。
従魔術師のギルドマスターは止めろと言ってるが、スライムしか使えない竜馬をナメてる他の従魔術師達は竜馬を襲うのをやめない。
それなので、竜馬は襲って来た相手を反撃して怪我をさせたら治療して治療費を取るようになった。
それが多額で抑止になるというい皮肉な状態になってしまった。
お陰で襲撃は減ったのだが、、
反対に2号店を作る資金が貯まってしまった。
さらにコーキン達が元々インテリだったので教育が早く終わり。
いつでも2号店を開ける状態になった。
そして他の街への2号店の準備と開店をしに隣の街のレナフへ行く。
そこで商業ギルドで出会った関西弁の狐獣人のピオロの店でお世話になる。
2号店もピオロの店の斜め向かいの敷地という好条件。
そのピオロの家庭の食卓で味噌汁が出て来て味噌と醤油、味醂を入手。
さらにピオロの娘、ミヤビとも友達になって。
ミヤビはお嬢様と同じ学園に通うらしいので、伝言をお願いする。
2号店の準備もすぐに終わって。
後は店員達が来るのを待つだけ。
そんな時に、レナフ近隣でスマッシュボアが暴れており流通に滞りで出て来たので、竜馬はピオロのお願いもありスマッシュボアを偶然を装って狩ってしまう。
そして新店舗の開店準備を終えて、元の街に戻って冒険者としての仕事を請け負ったりしていたら。
魔法道具の祭りに行って作成のアイデアを入手して。
神様は学問の神様と面識を得る。
神の世界で使っていた盃を現世に持って来てしまう。
なんかマイペース(本人主観)に過ごしてる。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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アニメ
PV
OP
ED
同シリーズ
神達に拾われた男
その他フィクション
備忘録
3章 1話 別れの後の憂鬱
冒険者たちとの再会
公爵家を見送ったリョウマは廃坑への帰路に冒険者たちの姿を多く見かけた。途中で沼に立ち寄ると、そこには彼が以前スライムを購入したシクムの桟橋の5人組がいた。彼らは漁師としての経験を活かし、効率的にグレルフロッグを捕獲していたが、捕獲した獲物が誰かにすり替えられる被害に遭っていた。すり替えられた籠の中には傷ついたグレルフロッグが多く含まれており、状態の悪さから市場価値が大きく下がる恐れがあった。
リョウマはその場で彼らのグレルフロッグ25匹を1匹300スートで買い取り、シクムの桟橋の5人はギルドで売るよりも高く売れることに感謝した。彼らはリョウマの店の利用者でもあり、その清掃能力を高く評価していた。また、彼の商売に協力を申し出るなど、良好な関係が築かれた。
廃坑での新生活の準備
廃坑に到着したリョウマは、スライムやリムールバードを放しながら新たな生活拠点を整えた。横穴を掘り、調剤室や家具を石材で作成。次に買い取ったグレルフロッグを処理し、薬として利用できる形にするための作業に取りかかった。血抜きはブラッディースライムが担当し、解体やぬめり取りにはクリーナースライムを活用。効率的かつ高品質な処理が可能となった。結果的に最高品質の部位を得られたものの、一部は捕獲時のダメージにより劣化していた。
調剤室での薬作り
調剤室ではグレルフロッグの肝臓や薬草を使用し、解毒剤を調合した。鍋や乳鉢などを魔法で作り出し、熱や攪拌を適切に行うことで高品質な薬を完成させた。完成した薬は瓶詰めし、19本を保存。残りの1本を手元に置きながら次の用途を考えた。
夜の静けさと懐古
作業を終えたリョウマは、ギターを弾いてリムールバードと交流した。洞窟内では音が反響して驚きもあったが、次第に落ち着いた時間を過ごした。その後、調剤室で薬の仕上げを行い、完成品を確認。未使用分の瓶を整えて眠りにつく準備を始めた。
別れの余韻と一日の終わり
リョウマは、公爵家との別れが心に残り、何となく憂鬱な気分を抱えていた。前世の経験から別れには慣れていると思っていたものの、この日は特別だったようだ。落ち込む気持ちを切り替えるため、作業を中断し早めに休むことを決めた。そしてスライムたちが散らかった薬を掃除してくれたのを確認し、穏やかな気持ちで床に就いた。
3章 2話 緊急事態
窓ガラス作りへの閃き
朝の作業と発見
リョウマは早朝に目覚め、まだ外が薄暗かったため坑道内の作業に取り掛かった。アイテムボックスを整理している最中、大量の毛皮とともに盗賊から奪った品々の中に「神器・酒の神テクンのゴブレット」を発見した。鑑定の結果、それがテクンの神器であると判明し、慌てて教会に向かう決意をした。
教会でのテクンとの会話
教会に到着し、祈りを捧げたところ、再び神界へと転移した。テクンにゴブレットを返そうとしたが、テクンはそれが既にリョウマの所有物であると告げ、問題ないと許可した。また、ゴブレットが神界の物でありながらリョウマが持ち帰ることができた理由を不思議がる一方、神界の管理物についての安全性を保証した。
店での騒動
帰還後、リョウマは店でゴロツキが引き起こした騒動の後始末に遭遇した。ゴロツキはクリーナースライムにより洗濯物の汚れを完全に落とされ、計画が失敗したことで周囲の笑いを誘ってしまった。その後、ゴロツキは警備隊に連行され、リョウマは防犯対策の必要性を考えた。
窓ガラスの代用品の発想
防犯対策を考える中で、スティッキースライムの硬化液を濃縮して窓ガラスの代用品を作るアイデアを思いついた。錬金術を駆使し、透明度の高い濃縮硬化液を板状に加工することで、一般的な木製窓よりも頑丈かつ防犯性に優れた窓が完成した。
濃縮液の利点と用途
濃縮硬化液は通常の硬化液よりも遥かに強度が高く、熱にも強いことが判明した。この特性を利用して、防犯だけでなく店舗の安全性を向上させることが可能である。一方、濃縮粘着液は脆く、燃えやすい性質を持ち、防犯用途には向かなかった。
窓板の完成
夕方まで作業を続けた結果、リョウマは50枚分の濃縮硬化液の板を作成した。この新たな技術は、リョウマの店の安全性をさらに高める重要な手段となった。
3章 3話 毒と薬
スライムの進化と日常の出来事
メディスンスライムの発見
翌朝、リョウマはスライムを集めている最中に見慣れないスライムを発見した。そのスライムは「メディスンスライム」であり、毒薬や解毒薬などの薬液を生成する能力を持っていた。このスライムはおそらく進化したポイズンスライムで、一昨日の解毒薬をこぼした際に進化条件を満たしたと推測された。
薬液の生成実験
メディスンスライムに指示を出して薬液生成を試した結果、解毒薬や傷薬だけでなく、抗菌薬や毒薬など幅広い薬液を生成できることが判明した。特に抗菌薬は殺菌効果が高く、リョウマにとって衛生面での不安を解消する重要な発見であった。
店での業務調整
街へ急いで向かったリョウマは、店の従業員から最近の遅い出勤について問われたが、問題ないと説明した。その後、店長として開店準備を従業員に任せるよう促され、業務調整の必要性を認識した。また、防犯対策として窓ガラスの代用品を導入する提案を行い、従業員と協議した結果、濃縮硬化液板を使用することが決まった。
悪質クレーマーへの対応
店内で発生した悪質なクレーマーへの対応では、クリーナースライムの実演によってその言い分を論破した。その後、男が暴力に出たためリョウマは正当防衛で対処し、警備隊に引き渡した。騒動は収束し、店の信用を守ることに成功した。
薬品関連の準備
セルジュの店を訪れたリョウマは、薬を入れる瓶や道具を購入しようとしたが、大量購入には商業ギルドを通じたほうが効率的であると助言を受けた。その後、商業ギルドで高品質な薬を評価され、薬品製造に必要な道具を揃えた。
消臭液の可能性と晩酌
冒険者たちが漂わせる沼の匂いに触発され、リョウマは消臭液の商業利用を思いついた。また、その夜、ポイズンスライムが次々とメディスンスライムへ進化する様子を確認し、スライムの進化の奥深さに感嘆した。最後に、テクンのゴブレットで酒を楽しみつつ、魔力消費量の多さを感じつつも適量を守り、充実した一日を終えた。
3章 4話 噂話
プレハブ建築と新たな噂への対応
プレハブ型の新しい家作り
リョウマは生活拠点として廃坑を活用する一方で、目立つ囮として使用する新しい家を建てることを考えた。その家は襲撃された際に時間を稼ぐ目的で設計され、修理が容易で短期間で建設できるプレハブ工法を採用することを決めた。魔法で作成した「ビルディングブロック」を使用し、試作した壁の強度も問題ないことを確認した。
店の様子とテイマーギルド支部長の訪問
重役出勤を試みたリョウマは、店が順調に運営されていることを確認した。カルムから報告された内容では、先日のゴロツキがテイマーギルドの従魔術師であり、ギルド支部長のテイラーが直々に謝罪に訪れていたことが明らかになった。その男の行動は嫉妬によるものだったと判明し、ギルドが規則に基づいて対応することが決定された。
噂の広まりと支部長の立場
テイラーに対する悪評が広まり、彼のギルド内での微妙な立場が浮き彫りになった。テイマーギルドは、強力な魔獣を重視する派閥と、共存を目指す派閥に分かれており、テイラーは後者の立場に属していた。この派閥間の対立が支部長を擁護する形で影響を及ぼしている可能性があった。
新しい噂の提案
リョウマは、最近リムールバード6羽と契約した事実を活用し、支部長の判断力を評価する内容の新たな噂を広めることを提案した。この提案により、テイマーギルド内の批判を和らげるとともに、リョウマ自身の評価を向上させる意図があった。
廃坑の防衛準備
噂の対応を任せる一方で、リョウマは廃坑の防衛体制を強化する準備を進めた。カルムに安全確保のための助言を受けつつ、フェイやリーリンと協力して用心深く対応する姿勢を取った。このように、彼は生活環境の整備と社会的立場の向上を両立させようと努めていた。
3章 5話 噂を流して
契約祝いと消臭液の可能性
ソーセージの贈り物
リョウマが店に顔を出すと、厨房に盛られた大量のソーセージが目に入った。隣人がリムールバードとの契約を祝って贈ったもので、消臭液のお礼としても兼ねていた。リョウマはその効果が評価されたことを知り、昼食に使用されることを楽しみにした。
消臭液の販売計画
カルムからの報告により、消臭液の効果を聞きつけた人々から販売の問い合わせがあったことが判明した。リョウマは販売の可能性を検討し、安全性の再確認を行うことにした。瓶詰めの手間も少なく、店の運営に支障をきたさないため、試験的に販売を開始する方針を決めた。
アサギとの邂逅と日本酒の贈り物
帰路の途中、リョウマはアサギと出会い、故郷の日本酒「大吟醸」を贈られた。酒の神の加護を受けるリョウマへの縁起物として渡されたもので、リョウマは感謝を述べた。会話の中で刀の調達について相談したが、国内で手に入れるのは困難であることが分かった。
刀製作の可能性
リョウマは刀が手に入らない現状を受け、自作の可能性を考え始めた。木炭と砂鉄の調達は可能であり、たたら製鉄の知識も持っていたが、技術が不足しているため実用的な刀の製作は困難であった。それでも独学で挑戦する意欲が湧き、次回アサギに規制の確認を取ることを決めた。
メルゼンの槍の検証
廃坑に戻ったリョウマは、以前倒した盗賊から入手した槍を取り出した。この槍は火属性の魔法を内包する魔法武器で、発火やファイヤーボールを放つ機能があった。しかし、リョウマにとっては魔法を直接使う方が効率的であり、槍の利便性は限定的であると結論付けた。
一日の終わり
槍の実験を終えたリョウマは、夕暮れを迎えた。武器の使い道を整理しつつ、日常の食事の準備に取り掛かることにした。
3章 6話 終業後のコミュニケーション
スライム研究と店員たちの会話
研修後の感想
リョウマは雇用から1ヶ月が経過した店員たちに感想を尋ねた。コーキン、トニー、ロベリアの3人は職場環境に満足しており、特にスライム研究の成果に興味を持っていた。彼らはスライム研究室の過酷な環境と比べ、現在の充実した仕事に感謝していた。
スライム研究室の実情
3人はスライム研究室が左遷先と化している現状を語った。研究対象の多様性や情報不足、さらに進化条件の解明が進まない背景に、研究環境の劣悪さがあると説明した。スライムは適当な餌を与えられていたため、進化の条件が曖昧なままで、実用性の評価も低かった。
スライムの進化条件
リョウマはスライムの進化条件が「食事」によるものだと伝えた。彼自身が進化条件を見つけ出し、進化させたスライムの例を挙げると、3人は驚愕した。特にコーキンは過去に進化の可能性を追求し、大きな挫折を経験していたため、話を聞いて涙を流し悔しさを吐露した。
研究所でのスライムの進化例
研究所で確認された進化例として、ツリースライムが挙げられた。このスライムは核から木が成長し、最終的にただの木となったが、活用方法は木材に限られた。他にもスティッキースライムなどが存在したが、上位種の活用方法は乏しく、多くのスライムが研究対象外として処分されていた。
スライムの実用性とリョウマの相性
リョウマはスライムが持つ危険察知能力や自然情報の取得能力を挙げ、その有用性を強調した。しかし、ロベリアは従魔との意思疎通能力が個人差によるものであり、リョウマが特別高い相性を持つことがスライムの評価に影響していると指摘した。
深夜までの議論
リョウマと3人はスライムに関する多様な話題を語り合い、特にスライムの種類や特徴について熱心に議論した。気づけば夜中まで話し込む形となり、スライム研究への新たな興味が深まった時間となった。
3章 7話 夜歩き
夜道での襲撃と対処
尾行者の発見と対策
リョウマは夜道を歩いている際、後をつけてくる3人の存在に気づいた。彼らは連携を取っており、プロの技術ではないが、素人とも思えなかった。リョウマは曲がり角を利用して逃げ道を工夫し、追手の動きを観察した。
襲撃者の捕縛
スラム街に逃げ込むと、リョウマは周囲の地形を活用して短距離転移で移動し、追手を翻弄した。彼はメディスンスライムの麻痺毒を塗った矢を放ち、襲撃者を無力化した。さらに、襲撃者が従魔リグレットオウルを用いていたことを見抜き、その攻撃を防ぎつつ従魔を無力化した。
警備隊の介入
騒ぎを察知した警備隊と冒険者ギルドマスターのウォーガンが現れ、状況を把握した。リョウマは無事であることを確認され、その後、警備隊の詰所で事情聴取を受けた。
店員への報告と防衛体制の強化
事件の共有と注意喚起
翌朝、リョウマは店員を集めて昨夜の襲撃事件を報告し、外出時の注意を呼びかけた。また、警備体制を強化するため、冒険者ギルドと連携を取る計画を説明し、フェイとリーリンに警備の増員を伝えた。
商業ギルドとの会議準備
冒険者ギルドマスターとの会議に向け、リョウマは厨房で手土産となる料理を準備した。店主シェルマの協力でパンやスープを用意し、各ギルドマスターの好みに合わせた献立を完成させた。
商業ギルドでの協議
ギルドマスターたちとの会談
リョウマは商業ギルドのグリシエーラ、冒険者ギルドのウォーガン、テイマーギルドのテイラー支部長と面会した。彼らは昨夜の事件を受けてリョウマの心情を確認し、店舗運営を続ける意思を尊重する形で防衛策を提案した。
襲撃の背景と今後の対応
調査の結果、リョウマを襲わせた人物が以前から悪評を広めていた主犯である可能性が高いことが判明した。この人物は現在逃亡中であり、冒険者たちによる捜索が進められていることが共有された。
防衛計画の詳細
ウォーガンは信頼できる冒険者を護衛に推薦し、カルラとも連携を取る方針を確認した。リョウマは護衛をつけず自らの戦闘能力を活かす意向を示し、店の守りを強化することに注力する旨を述べた。
支部長からの証明書
テイラー支部長はリョウマの従魔運用能力を認める証明書と、店の商業活動を支援する念書を渡した。この書類は今後の活動において有効な証明となるものであった。
こうして防衛策が固められ、リョウマは今後の店舗運営と防衛に向けた準備を進めることとなった。
3章 8話 会議後の動き
深夜の襲撃と対処
襲撃者の制圧
ギムルの街の片隅で、竜馬は自身を襲撃してきた13人の男たちを次々と制圧した。相手の指揮が乱れる中、竜馬は適切な反撃で襲撃者たちの手足の骨を折り、無力化した。抵抗する者も含め全員が気絶し、現場は静寂に包まれた。
治療と捕縛
駆けつけた警備隊により、襲撃者たちは拘束された。竜馬はヒールスライムを使い、怪我を負わせた襲撃者たちの骨折を治療した後、高額な治療費を請求した。この治療費は警備隊を通じて肩代わりされ、後に襲撃者本人から徴収される仕組みであった。
店での防衛体制の強化
警備陣の活躍
竜馬の店では、フェイ、リーリン、ゴードン、シェール、ドルチェの5名による警備体制が整っていた。彼らの実力と役割分担により、店への襲撃は未然に防がれた。ゴードンの調停能力やシェールの親しみやすさが客層との関係構築にも貢献していた。
防犯訓練の実施
竜馬は従業員向けに防犯訓練を実施した。非戦闘員が盾を用いて防御し、逃げる犯人にカラーボールを投げるなど、実践的な内容であった。また、防犯グッズの試作品を導入し、従業員の安全意識を高めた。
日常の交流と店の安定
防衛を通じた結束の強化
襲撃事件を通じて、竜馬と従業員の絆が深まった。防犯活動や日常業務を共にする中で、従業員たちは竜馬との距離を縮め、職場環境がさらに向上した。
料理と交流
竜馬の店では、天然酵母を使ったパンや炭火で調理された肉料理が提供され、従業員と客の間で好評を博した。従業員たちは料理や日常生活について語り合い、職場でのリラックスした雰囲気が保たれた。
結論としての安定
防衛策と従業員の協力により、竜馬の店は襲撃への備えを整えた。危険が減少する中、竜馬は日常業務を安定して運営しながら、従業員との信頼関係を築き上げた。この安定した環境が、店と地域社会の発展に寄与していた。
3章 9話 出立
新たな支店の計画
支店開設の提案
カルラは竜馬に、資金が潤沢になった今こそ支店を開設すべきだと提案した。彼女は、支店を新たな従業員の育成拠点とし、責任者を養成する場として利用する考えを示した。竜馬は彼女の説明を受け入れ、支店開設の準備に動き出すことを決めた。
収支分析と経営戦略
カルラは、これまでの収支報告書と収支予想を用いて、情報不足による経営リスクを説明した。そのうえで、新たな店舗の運営データを収集し、今後の経営計画に役立てるべきだと主張した。竜馬はこの意見に同意し、支店の出店先を選定するため商業ギルドを訪れることとなった。
支店の選定と土地購入
商業ギルドでの協議
竜馬は商業ギルドのマスターから複数の候補地を提示された。その中でもギムルから最も近いレナフの街を選び、その土地を購入することを決定した。提示された物件は、街の中心部に近い便利な場所であり、少しの改装で使用可能な状態だった。
協力者との相談
店舗の購入後、竜馬はカルラやカルム、従業員たちに支店開設の計画を説明し、クリーナースライムの管理や支店での運営方針について確認を行った。コーキンたちも計画に賛同し、準備が進められた。
準備と運営体制の変更
防水布の増産と取引拡大
竜馬は防水布の需要増加に対応するため、スティッキースライムの増産を計画した。また、冒険者や行商人に防水布が好評であることを受け、取引を拡大する準備を進めた。
新たな運営方法の導入
店舗の袋にロゴを印刷することや、定休日の導入を決定した。これにより、従業員の休暇を調整し、店舗のブランド力を高める狙いであった。
従魔術の新たな使い手
従業員のマリアが従魔術を習得したことで、クリーナースライムの管理を補佐できる体制が整えられた。これにより、竜馬が長期間外出しても店舗運営に支障が出ない仕組みが構築された。
初めての一人旅
旅立ちの準備
竜馬は支店開設のため、レナフの街へ向かう準備を整えた。従業員たちの見送りを受け、朝の爽やかな空気の中、街道を進む。彼にとって、これがこの異世界で初めての一人旅となるものであった。
3章 10話 レナフへ
レナフの街への旅
効率的な移動と魔獣の情報
竜馬はレナフの街へ向かう道中、『ワープ』と気功を駆使し、通常3日かかる旅程を短縮して移動した。この地域では強力な魔獣が少なく、急ぎの用事もあったため、旅の速度を優先した。
携行食の試食
旅の途中、竜馬は一般的な携行食を試してみたが、乾パンや塩辛い干し肉、苦い緑色のパンなど味に満足できるものは少なかった。特に緑のパンは酷い味で、竜馬は二度と買わないと心に決めた。
レナフの街での初日
街への到着と商会への訪問
翌日、竜馬は昼過ぎにレナフの街へ到着した。東門から街へ入り、事前に聞いていたサイオンジ商会を訪問。香辛料店で出迎えたのはピオロ・サイオンジの娘、ミヤビだった。彼女の案内で竜馬はピオロと再会し、預かっていた荷物を無事に届けた。
商業ギルドの背景
ピオロは竜馬を商業ギルドへ案内し、施設の壮大さや街の歴史について語った。このギルドはかつての要塞を基に作られており、魔獣を利用した物流拠点「空港」としての役割も果たしていた。竜馬は魔獣を使った輸送システムに感心しつつ、支店開設の手続きを進めた。
支店開設の準備
店の視察と手続き
竜馬はギルドでの迅速な手続きの後、購入した店を視察した。店は2階建てで、営業スペースや宿泊施設として利用可能な部屋を備えており、必要な設備を整えればすぐに運営を開始できる状態だった。
リムールバードの活用
竜馬はリムールバード「ドライ」を使ってギムルの本店へ連絡を送った。リムールバードの高速飛行により、即日連絡が届く見込みであった。
新たな拠点の設立と滞在
ピオロの家への滞在
竜馬は宿を手配し忘れていたが、ピオロの好意で彼の家に泊めてもらうこととなった。これにより、レナフでの準備期間を安心して過ごす環境が整えられた。
3章 11話 懐かしい味
ピオロ家での滞在
客室への案内とサイオンジ家の歓迎
竜馬はピオロの案内で、サイオンジ商会に隣接する住居に招かれた。店番をしていたミヤビから客室へと案内され、彼女の配慮で日頃から客を迎える準備が整っていることを知った。広く整えられた部屋は温かい雰囲気を醸し出し、彼女の言葉通り「自分の家のように寛ぐ」ことが勧められた。
夕食と和食の再会
夕食にはピオロ一家とともに和やかな雰囲気で会話が進み、竜馬は初めてミヤビの母クラナと対面した。クラナの言葉により竜馬の若いながらの商才が評価され、家族ぐるみの温かな交流が続いた。食事は味噌汁や醤油を使った料理が並び、竜馬は久しぶりの和食に感激した。ピオロから味噌や醤油、みりんなどの調味料も譲り受け、調理の可能性が大きく広がった。
サイオンジ家の背景と街の歴史
食後の会話で、サイオンジ商会の創始者が街づくりに貢献し、現在の物流拠点「空港」の基礎を築いたことが語られた。ミヤビやピオロは、転移者である祖先が残した功績を誇りにしており、その影響が現在も街の発展に生き続けていることがわかった。
翌日への準備
食事を終えた竜馬は、クリーナースライムで疲れを癒しつつ、明日の活動について考えながら早めに休んだ。街での冒険者活動や支店準備を進める計画を練りつつ、久しぶりの和食の余韻に浸りながら静かに夜を過ごした。
3章 12話 目標設定
レナフの街での朝
朝の挨拶と一日の計画
竜馬は朝早く起床し、タイミング良くミヤビが訪ねてきた。朝食を共にした後、ミヤビが案内役を申し出た。竜馬は店の家具作りを予定していたため、木材を購入できる店へ案内を頼むことになった。
伝令の到着と木材の調達
ギムルへの伝令を頼んでいたリムールバード・ドライが戻り、竜馬はミヤビに事情を説明した。手紙の内容からギムルの従業員が予定通り到着することを確認した後、木材加工所で材料を購入し、それをディメンションホームに収納した。
家具作りとスライムの能力披露
竜馬は作業場でスライムを使いながら家具を作り始めた。アシッドスライムで部品を整え、スティッキースライムで接着・補強する作業を進め、効率よく家具を完成させた。ミヤビはスライムの能力に驚き、訓練による進化に興味を示した。
学園の話題と将来の考え
ミヤビは竜馬に学園への入学を勧めたが、竜馬は自由な活動を求め、学園に行く意思がないと答えた。ミヤビは将来の商売のために学園に通う意図を明かし、貴族との関係構築に意欲を見せた。竜馬は彼女のしたたかな考えに感心しつつ、自身の道を進むことを選んだ。
冒険者ギルドでの情報収集
竜馬は冒険者ギルドを訪れ、北の林で活動できる依頼を受けた。また、北の通行を制限しているスマッシュボアという魔獣の存在を知り、その特性を確認した。スマッシュボアは戦闘訓練に適していると考え、竜馬はその討伐を視野に入れた。
祖父母の願いと樹海への決意
竜馬は自身の素性設定に登場する祖父母から譲られた遺品を思い出した。それらが眠るシュルス大樹海への旅を決意し、スマッシュボアとの戦闘をその準備の一環とすることにした。彼は祖父母の願いを胸に、冒険者としてのスキルを磨くことを決めた。
夕食での会話と翌日の準備
ピオロはスマッシュボアの討伐を冗談交じりに頼み、家族からたしなめられる場面もあった。竜馬は訓練目的でスマッシュボアと戦う可能性を考えつつ、翌日の準備を整えて一日を終えた。
3章 13話 スマッシュボア狩り
レナフの街での朝
朝の挨拶と一日の計画
竜馬は朝早く起床し、タイミング良くミヤビが訪ねてきた。朝食を共にした後、ミヤビが案内役を申し出た。竜馬は店の家具作りを予定していたため、木材を購入できる店へ案内を頼むことになった。
伝令の到着と木材の調達
ギムルへの伝令を頼んでいたリムールバード・ドライが戻り、竜馬はミヤビに事情を説明した。手紙の内容からギムルの従業員が予定通り到着することを確認した後、木材加工所で材料を購入し、それをディメンションホームに収納した。
家具作りとスライムの能力披露
竜馬は作業場でスライムを使いながら家具を作り始めた。アシッドスライムで部品を整え、スティッキースライムで接着・補強する作業を進め、効率よく家具を完成させた。ミヤビはスライムの能力に驚き、訓練による進化に興味を示した。
学園の話題と将来の考え
ミヤビは竜馬に学園への入学を勧めたが、竜馬は自由な活動を求め、学園に行く意思がないと答えた。ミヤビは将来の商売のために学園に通う意図を明かし、貴族との関係構築に意欲を見せた。竜馬は彼女のしたたかな考えに感心しつつ、自身の道を進むことを選んだ。
冒険者ギルドでの情報収集
竜馬は冒険者ギルドを訪れ、北の林で活動できる依頼を受けた。また、北の通行を制限しているスマッシュボアという魔獣の存在を知り、その特性を確認した。スマッシュボアは戦闘訓練に適していると考え、竜馬はその討伐を視野に入れた。
祖父母の願いと樹海への決意
竜馬は自身の素性設定に登場する祖父母から譲られた遺品を思い出した。それらが眠るシュルス大樹海への旅を決意し、スマッシュボアとの戦闘をその準備の一環とすることにした。彼は祖父母の願いを胸に、冒険者としてのスキルを磨くことを決めた。
夕食での会話と翌日の準備
ピオロはスマッシュボアの討伐を冗談交じりに頼み、家族からたしなめられる場面もあった。竜馬は訓練目的でスマッシュボアと戦う可能性を考えつつ、翌日の準備を整えて一日を終えた。
3章 14話 2号店完成
レナフでの締めくくりとギムルへの帰還
調味料と依頼報酬の受け取り
竜馬はピオロから味噌や醤油などの調味料を受け取った。その後、ギルドに向かい薬草とスマッシュボアの牙を提出し、報酬を受け取った。ギルド職員から感謝を伝えられ、問題を起こした冒険者たちが捕縛され処罰された経緯を聞いた。
ピオロからの料理相談
ピオロから味噌や醤油を活かした新しい料理の提案を頼まれ、竜馬はスマッシュボアの生姜焼きを提案した。クラナやミヤビも参加し、竜馬の指導のもと調理を行った。完成した生姜焼きと豚汁は大変好評で、ピオロはすぐに惣菜屋で提供を始めると決定した。
支店の開店準備
翌朝、竜馬はカルラや新たな従業員たちを迎え入れた。彼らはスムーズに作業を進め、店の準備を整えた。新しい従業員には元Cランク冒険者もおり、安全管理にも配慮されていた。
支店の開店と顧客対応
支店は予定通り開店し、カルラと従業員たちが営業を開始した。竜馬はケンたち常連候補を迎え、店の紹介を行った。元冒険者の従業員はケンたちに助言を与え、今後の関係を深めていった。
見送りと別れの言葉
支店をカルラに任せた竜馬は、ギムルへの帰路に就いた。ピオロ、カルラ、ミヤビらが見送りに来てくれ、それぞれ励ましの言葉をかけた。竜馬はミヤビに、今年から学園に入学するエリアと仲良くするよう頼み、感謝を伝えつつ旅立った。
3章 15話 若干の変化
ギムルでの日常と新たな計画
店での出来事と炭泥棒の発覚
竜馬が店に戻ると、カルムから店の近況報告を受けた。炭が一部消える事件が発生し、犯人がスライムであることが判明した。スライムは炭を食べるようになり、進化の兆候を見せていた。竜馬はこのスライムを預かることを決め、今後も状況に応じて管理を徹底するよう指示を出した。
故郷への決意と店の経営方針
竜馬は祖父母の遺品を回収するためにシュルス大樹海を訪れる計画をカルムに打ち明けた。その間、冒険者活動を増やすため店の経営をカルムに任せる方針を伝えた。カルムはその責任を快諾し、物資調達にはモーガン商会の助力を提案した。
モーガン商会での相談
モーガン商会を訪れた竜馬はセルジュに大樹海への計画を話し、支援を受けることを約束された。また、セルジュの魔法道具への興味に触れ、趣味と実務が結びついた彼の収集品や技術の一端を知った。最後に、セルジュから不要となった魔法道具の歯車を譲り受け、将来的な活用を誓った。
新たな一歩に向けた準備
竜馬は大樹海への挑戦を前に、スライムの管理や店の運営を整えつつ、冒険者としての経験をさらに積むことを決意した。その準備として、スライムや店員たちとの協力体制を強化し、経営の安定を図りながら未来の課題に備えた。
3章 16話 有能な新人
冒険者活動と新たな目標
炭窯の増築とスライムの進化
竜馬は炭を食べるスライムのために新しい炭窯を増築した。家の隣に土魔法を使い坑道を掘り、スライムたちの助けで煙道を完成させた。この作業は迅速かつ効率的に進み、炭焼きの準備が整った。
リムールバードの集団狩り
見回りの途中でリムールバードたちがケイブバットを狩る場面に遭遇した。リムールバードは精神攻撃を駆使し、協力して効率的に獲物を仕留めていた。竜馬はその様子に感心し、風魔法を使った新たな狩猟技術を教えることを検討した。
冒険者ギルドでの相談
翌日、竜馬は冒険者ギルドを訪れ、冒険者としての活動を本格化させる意向をメイリーンに伝えた。彼はシュルス大樹海を目標にした活動計画を説明し、ギルドから情報提供を依頼した。新人受付嬢パエナが手続きに対応し、契約を円滑に進めた。
新しい依頼の受注
竜馬はギルドでパエナからケレバンへの荷物運搬依頼を紹介された。この依頼は期日が迫っていたが、竜馬の空間魔法を活かせば間に合う可能性が高いと判断され、快く引き受けることにした。
3章 17話 ディノーム魔法道具工房
ケレバンへの到着と依頼の完了
ケレバンへの道中
竜馬はギムルからの荷物を無事ケレバンに運び入れた。門番の助言で乗合馬車を利用し、24番通りまで向かった。街中は市の前日ということもあり活気に満ち、馬車内では周囲の乗客から街の情報を聞くことができた。
ディノーム工房での荷物引き渡し
竜馬は届け物を依頼主であるディノーム工房に届けた。店の娘から父へ荷物が渡され、依頼完了の確認が取られた。その後、工房内で手作りの飲み物を勧められ、談笑しながらその風味を楽しんだ。
セルジュとの偶然の再会
店を出ようとした竜馬はセルジュと偶然再会した。セルジュもこの工房と関係があり、二人はディノーム工房の奥で魔道車の技術や改善点について聞かされた。竜馬は話が専門的になりすぎた場面で適度に距離をとり、工房内を見学した。
ディノームの孫自慢
工房内に普通の馬車があることに疑問を持った竜馬は、ディノームにその理由を尋ねた。ディノームは孫の学費を稼ぐため馬車修理を請け負っていると説明した。その後、ディノームの孫が作った初歩的な魔法道具を披露され、彼の孫自慢に耳を傾けることとなった。竜馬は冷静に話を受け止め、ディノームの誇らしげな姿を見届けた。
3章 18話 試作と評価
セルジュとの街歩きと宿の紹介
ディノーム工房を後にして
竜馬はセルジュと共に街を歩き、ディノーム工房での出来事を振り返った。セルジュがうまく話をまとめてくれたおかげで、竜馬も角が立つことなく話を終えることができた。道中ではセルジュが護衛を連れていない理由を聞き、彼の身を守る魔法道具の説明を受けた。竜馬はセルジュに勧められた宿で一夜を過ごすことを決めた。
宿での時間潰し
宿に到着した竜馬は、セルジュと夕食の約束をして暇を持て余した。そこで、ディノーム工房から譲り受けた歯車を用いて簡単な魔法道具を作ることにした。試作として扇風機やオルゴールなどを手掛け、それらを完成させて過ごした。
居酒屋での会話と新たなアイデア
セルジュと合流した竜馬は、彼に案内された居酒屋で食事を共にした。エールと共につまみを楽しむ中で、竜馬が作ったオルゴールがセルジュの目に留まった。セルジュはその商品性に目をつけ、特に貴族層や玩具としての需要が高いと評価した。オルゴールに込められた可能性について議論を深める中、料理が到着し、話題は一時中断された。
3章 19話 魔法道具市 1
セルジュとの夕食後の計画
オルゴールの委託先の選定
夕食を終えた竜馬とセルジュは、オルゴールの製作と販売について話し合った。セルジュはディノーム工房を委託先として提案した。彼の工房には腕の立つ職人と弟子がおり、オルゴールのような新しい技術に興味を持つ性格から適任だと考えられた。また、特許を取得することで技術と製品の権利を守る案も示された。
竜馬の懸念と新たな提案
竜馬は職人ギルドへの登録が必要な点や、冒険者と店の経営で手一杯な現状を懸念していた。そのため、最終的に委託先に申請を任せる案を出した。しかし、セルジュはその場合、利益や権利が失われる可能性を指摘した。竜馬は利益にこだわらない意向を示したものの、相手が不誠実な対応を取った場合には、さらなる改良品の開発を進める構えも見せた。この意見にセルジュは驚きつつも、その決意を評価した。
魔法道具市の散策
朝食後の市への出発
翌朝、竜馬とセルジュは魔法道具の市へ向かった。中央広場では天幕が整然と並び、多くの人で賑わっていた。竜馬はかまどの製作や廃坑整備、旅に役立つ道具を探しながら、市場を巡ることにした。
農具や建築道具の購入
竜馬は農具や建築関係の魔法道具を購入した。斧や大鎌、ピッチフォークなど、廃坑の整備に使える道具を選んだ。また、土魔法への耐性を測る建築道具についてセルジュの説明を受けつつ、自身の石材が優れていたことを知り、興味を深めた。
有望な職人の発掘
市場の一角で、天幕を持たない個人出店者が販売する小型の石臼をセルジュが購入した。彼の才能に将来性を見出したセルジュは、ディノーム工房への紹介状を渡した。石臼を作った若者の技術はまだ未熟ながらも、努力次第で化ける可能性があると評価された。
市場の散策を続けて
竜馬とセルジュは市場で新たな魔法道具を探しつつ、多くの品物を見て回った。市の活気に触れながら、竜馬は自身の知識を応用した新しい道具の可能性を模索し続けた。
3章 20話 魔法道具市 2
魔法道具の市場での出会いと商談
市場での矢筒と魔法道具の品定め
市場で魔法道具の矢筒を売る商人を見かけた。矢を300本収納可能で便利な一品だったが、価格が20万スートと高価で客が遠ざかった。セルジュは、空間魔法が使える職人が少ないため高額になる背景を説明し、耐久性を考慮すれば妥当だと述べた。その後、教材用の魔法道具を扱う店にも立ち寄ったが、信頼性の問題で購入を見送った。
ディノーム工房での商談開始
市場でディノームと孫のフェデーレを見かけ、セルジュが商談を申し出た。ディノームは快く応じ、天幕内の休憩スペースで話し合いを始めた。一方、竜馬はフェデーレの相手をすることになり、しりとりを始めたが、途中で彼が他に遊ぶものがないためにしりとりを続けていたことを知った。
即席の遊び道具「ベーゴマ」で交流
竜馬は即席で「ベーゴマ」を作り、フェデーレと遊び始めた。初めての遊びに興味を示したフェデーレは何度も練習し、次第に上達した。ディノームも商談後に加わり、手先の器用さを発揮してすぐにベーゴマを扱えるようになった。竜馬はベーゴマを譲り、フェデーレと祖父が一緒に楽しめるようにした。
商談の成立と新たなつながり
商談を終えたセルジュは、ディノームが条件を受け入れたと伝えた。ディノームは竜馬に対し、今後の相談や取引にも応じると約束した。その後、ディノームの提案で打ち上げが計画され、竜馬とセルジュも招待を受けた。竜馬は魔法道具職人としての新たな人脈を得ることとなった。
3章 21話 実験
デオドラントスライムの進化と検証
スライムの進化と新種の確認
ギムルに帰宅した竜馬は、夜遅くにもかかわらずクリーナースライムの一匹が進化を始めたため眠ることを断念した。進化が完了すると、黒い粘液状の「デオドラントスライム」へと変化した。魔獣鑑定により、吸臭や消臭、脱臭に特化したスキルを持つことが確認された。特に臭気への対応能力に優れ、悪臭や刺激臭の放出も可能であると判明した。
能力の詳細な検証
デオドラントスライムの能力を検証するため、臭いに関連するスキルや分泌液の効果を調べた。吸臭は空気中の臭いを吸収し、脱臭は物体に付着した臭いを取り除く能力であった。消臭液は対象を黒く汚す特性があり、衣類には不向きであるが、希釈や他の液体との混合が可能で、新たな応用が期待された。一方で、クリーナースライムの液体は混合に弱い性質を持つため、異なる特徴が見られた。
実験の計画と店舗での協力依頼
竜馬は吸臭液の効果と持続力を検証するため、店内での実験をカルムに提案した。カルムはこれを快諾し、液体の性質が新商品の開発につながることを期待した。竜馬はその後、花屋や他の協力者を訪れ、吸臭液の設置と効果の検証を依頼した。花屋のポリーヌからはダンテの種を購入し、根を用いた飲み物の再現を目指すこととなった。
新たな発見と展望
ポリーヌとの会話で、木魔法による植物の成長に伴う「魔化」のリスクを知った竜馬は注意を払いつつも、実験への意欲を高めた。また、デオドラントスライムの液体が既存の消臭液とは異なる効果を持つことから、広範囲での活用や新たな商品の可能性を模索した。竜馬は引き続き協力者を訪ね、効果の実証と実験環境の整備を進めていった。
3章 22話 炭を焼きながら
炭焼きとスライムの新たな可能性
炭焼きの準備と農具の活用
竜馬は備蓄していた炭が減少してきたため、廃坑の手入れと炭焼きを行うことに決めた。乾燥した草を集めるために購入した魔法道具「ピッチフォーク」を使用すると、肉体強化の魔法が発動し、雑草を軽々と集められた。その後、大鎌を用いて草刈りに挑戦。初めての使用で試行錯誤を重ねながらも、効率的な使い方を習得した。
アイアンスライムとメタルスライムの進化
作業の最中、アイアンスライムが急速に転がり落ちてくる場面に遭遇。最近、これらのスライムは球体への変形を習得し、重心移動で高速移動が可能となっていた。また、転がる速度が速まるにつれ「高速移動」というスキルも獲得していた。坂道では制御が難しく落下することもあるため、竜馬は専用の練習場を設けることを検討した。
炭焼きの作業
昼食後、炭焼きに取り掛かる。木材を窯に詰め込み、乾燥した草や枝葉を積んで着火。ディノームから譲り受けた着火用魔法道具を試し、便利さを実感した。煙が変化するタイミングを見極め、煙道や入り口を封じて炭を焼成した。炭焼きは慣れが必要な作業で、失敗を重ねた過去の経験が役立った。
戦力強化の計画
炭焼き中、竜馬はシュルス大樹海へ備えるための戦力強化を検討した。具体案として装備の強化、魔法の訓練、毒薬の研究、新しい道具の開発を挙げた。特に毒薬や道具開発はスライムの特性を活かした新しい戦術として期待された。
スライムの形状変化の試み
転がる習性を持つスライムを見て、竜馬はこれらを刃物や鈍器の形に変形させられるのではと発想した。アイアンスライムをナイフ状に整形すると、多少の粗さはあるものの草を切ることに成功した。この成果を受け、スライムの形状変化を新たな戦術として磨くことを決意。試行錯誤の末に刃物としての性能向上を図る訓練を開始した。
失敗しかけた炭焼きの結末
スライムの形状訓練に熱中するあまり、炭焼き作業を忘れかけた竜馬であったが、窯の状態を確認し無事に作業を完了させた。炭焼きと新たなスライムの可能性の発見を通じ、竜馬は戦力強化への新たな一歩を踏み出した。
3章 23話 街中で
吸臭液の実験結果と新たな可能性
吸臭液の実験結果と改良案
店を訪れたミーヤは、吸臭液の効果が一日程度で切れることを報告した。ゴミ捨て場の臭いを消すという効果は認められたものの、持続時間が短い点が課題として浮き彫りになった。竜馬は代替案として脱臭液を提案し、その効果と持続力を検証するための協力を依頼。ミーヤは快諾し、実験を進めることになった。
デオドラントスライムの新たな活用法
竜馬は吸臭液と脱臭液の特性を組み合わせることで、それぞれの弱点を補う改良案を思いついた。吸臭液の収集力と脱臭液の持続力を兼ね備えた液体を開発することで、より優れた商品化の可能性が見えてきた。しかし、デオドラントスライムの数が少ないため、商品化にはさらなる時間が必要と判断した。
本屋での知識収集
店の仕事を終えた後、竜馬は本屋を訪れ薬学の基礎知識を学ぶための図鑑や解説書を購入した。店員のダンスベルは竜馬の購入に驚きつつも、薬学への興味を理解し、さらなる協力を申し出た。竜馬は書籍の購入を通じて、薬や毒薬の研究を進めるための一歩を踏み出した。
ゴミ処理をする子供たちとの再会
街中で、以前廃坑で共に依頼を遂行したウィストとべックに再会。彼らはスラムの子供たちが集めたゴミを運ぶ作業を見守っていた。かつて同じように支援を受けていた彼らが、今度は若い世代のために自主的に行動している姿を見て、竜馬は彼らの精神的な成長に感銘を受けた。
帰宅と新たな課題
ウィストたちと別れた後、竜馬は実験の進捗や新たな液体の開発に思いを巡らせながら帰路についた。吸臭液と脱臭液の改良、そして薬学の研究を進めることが次なる課題として明確になりつつあった。
3章 24話 魔法と学問の神
神との邂逅と転移者の異常について
朝の清々しい日常
レナフから帰還してから約一ヶ月が経過した朝、竜馬は晴れやかな空を眺めながら、坑道にこもる生活を一旦休みにしようと決意した。その後、近所のポリーヌ夫妻を訪れ、スライムの餌となる廃棄物を受け取った。息子のリックとの会話を通じ、地域の教会で行われる清掃活動に参加することを決めた。
教会での清掃活動の準備
リックに案内されて教会に向かうと、礼拝堂には多くの子供たちが集まっていた。竜馬も椅子に腰掛けて開始を待っていたが、突然光に包まれ、未知の空間に意識を移された。
魔法神フェルノベリアとの出会い
竜馬が目を覚ますと、そこは巨大な本棚が宙に浮かぶ異世界のような空間であった。そこに現れたのは魔法と学問を司る神、フェルノベリアであった。フェルノベリアは竜馬を自身の領域に呼び寄せた理由を語りつつ、様々な質問を投げかけた。竜馬は自分の価値観や生活について正直に答えた。
転移者の特異性と警戒
フェルノベリアは竜馬に対し、これまでの転移者の中には力に溺れ、社会に混乱をもたらした者もいたと明かした。そのため、竜馬に対しても警戒していたが、彼の言動や思想を観察した結果、安心を得たと語った。また、竜馬の異常現象についても「転移者に共通する傾向であり、特別に危険なものではない」と説明した。この言葉に竜馬は安堵の表情を浮かべた。
日常への帰還
フェルノベリアとの対話が終わり、再び光に包まれた竜馬は礼拝堂に戻ってきた。礼拝堂の子供たちと再会し、清掃活動の一環でその日を過ごした。神界での出来事を思い返しながらも、日常の時間に身を戻しつつ、今後の行動を見据えた。
3章 25話 ボランティア活動
教会での清掃活動と地域との交流
教会の清掃と昼食
竜馬は子供たちや女性の指示のもと、教会内を掃除した。魔法やスライムを使うことは控え、普通の掃除道具を用いて作業に専念した。広い教会の掃除は昼過ぎまでかかり、昼食として配られたサンドイッチと共に穏やかなひとときを過ごした。その後、お菓子の時間が設けられ、子供たちは喜びながらクッキーを楽しんだ。
戦闘訓練への参加
清掃を終えた子供たちの一部は庭で遊び、また一部は「おっちゃん」と呼ばれる剣術指導者の到着を待っていた。その男性は冒険者ギルドのギルドマスター、ウォーガンであり、教会の孤児たちに剣術を無償で教えるボランティア活動を行っていた。竜馬はウォーガンから依頼を受け、スカベンジャーを用いた実戦的な訓練に協力した。
子供たちとの模擬戦
竜馬はスカベンジャーに回避重視と攻撃を体当たりに限定する指示を出し、子供たちと模擬戦を行わせた。最初に挑んだリックは、スライムに攻撃を避けられ続けて焦り、次第に型が崩れてしまった。その結果、スライムの体当たりを受けて尻餅をついた。ウォーガンは冷静にリックへ指導を行い、子供たちは各自の課題に取り組む姿勢を見せた。
訓練の終了と振り返り
夕方まで訓練を続けた後、子供たちはそれぞれ帰路についた。ウォーガンは竜馬にスライムが良い訓練相手になると感謝を述べ、新たな協力を持ちかけたが、竜馬は戦闘指導の経験が浅いことを理由に返答を保留した。
修道女との会話と提案
訓練終了後、教会の修道女ベッタとベルは竜馬に感謝を伝えつつ、スライムを教会で飼育する案を相談した。竜馬は従魔術や飼育の注意点を説明し、情操教育の一環としてスライムを活用したいという彼女たちの考えに驚きつつも賛同した。
地域の一員としての実感
竜馬は清掃活動や訓練を通じ、地域に溶け込んでいる実感を得た。地域社会との交流を深めた一日を振り返りつつ、翌日への意欲を胸に帰路についた。
特別書き下ろし・雑誌記者は違和感を覚える
雑誌記者浦見の取材活動と新たな発見
薄暗い喫茶店での会話と取材の成果
浦見は閑散とした喫茶店で、一人の男から話を聞き出していた。男からの協力を取り付けると、浦見は電話で上司に報告し、次の取材先に向かう準備を進めた。その過程で、竜馬の会社にまつわる闇がさらに浮き彫りになった。
竜馬の会社の炎上と浦見の疑問
竜馬の会社はネット上で井口の事件を契機に炎上し、多くの元社員が匿名で告発を行っていた。浦見は、この機を利用してさらに詳細な情報を収集することに集中していたが、竜馬がその過酷な職場環境に16年間も留まり続けた理由に強い疑問を抱いていた。
オカマバー「MITHUKO」での情報収集
浦見は都内のオカマバー「MITHUKO」を訪れ、竜馬とその同僚について情報を得ようと試みた。店主の女性は最初こそ取材を拒否したが、浦見が竜馬への情を訴えると態度を和らげ、竜馬が酒瓶で暴力を振るわれるなどの詳細を明かした。さらに、竜馬の同僚たちが彼を「裏切り者」と呼んでいたことも語られたが、その真意は依然不明であった。
新たな事件と犯人の特定
取材の最中、浦見は電話で竜馬の同僚による新たな傷害事件が発生したとの情報を受けた。犯人が竜馬を暴行していた人物の一人であることを確認した浦見は、次の現場に急ぐ準備を始めた。
証拠となるビデオテープの提供
店主の女性は取材の最後に浦見へビデオテープを手渡した。そのテープには、竜馬と彼の同僚たちが店内で振る舞っていた様子が記録されていた。女性は、自らの後悔を滲ませながら、浦見にこの証拠を活用してほしいと願いを込めた。
浦見の決意と次なる行動
浦見は新たに得た情報と証拠を携え、次なる取材へと向かった。竜馬の死とその背景にある闇を追求する中、彼の持つ記者としての熱意がさらに強まっている様子がうかがえた。
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