小説「神達に拾われた男 5」創立祭! 感想・ネタバレ

小説「神達に拾われた男 5」創立祭! 感想・ネタバレ

どんな本?

物語の概要 転生者の少年・竜馬は、初めての一人旅を終え、スライムを活用した洗濯屋の二号店をオープンさせた。ギムルの街に戻った彼は、公爵令嬢エリアリアからの手紙で創立祭の開催を知る。竜馬と店のスタッフたちは、異国の料理や地方の特産品を使った飲み物を提供する屋台で創立祭に参加することとなる。 

ファイアクロス

主要キャラクター

  • 竹林 竜馬(たけばやし りょうま):日本から異世界に転生した少年。スライムを使役し、洗濯屋を経営する。
  • エリアリア・ジャミール:公爵令嬢で、竜馬の友人。創立祭の情報を竜馬に伝える。

物語の特徴 スライムたちとの連携によるバトルや、異世界でのスローライフが描かれる。創立祭への参加を通じて、竜馬の新たな挑戦や人々との交流が深まる。 

ファイアクロス

出版情報

  • 出版社:HJノベルス
  • 発売日:2018年11月22日
  • 価格:1,320円(税込)
  • ISBN:9784798618074
  • 関連メディア展開:本作は、コミカライズアニメ化もされており、多方面で展開されている。

読んだ本のタイトル

神達に拾われた男 5
著者:Roy 氏
イラスト:りりんら  氏

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あらすじ・内容

みんなで盛り上げる創立祭の後は、森で新種のスライムを発見!?
思いがけない収穫もあった初めての一人旅を終え、スライムによる洗濯屋の二号店をオープンさせた転生者の少年・竜馬。無事に拠点であるギムルの街へと帰還した彼は、公爵令嬢エリアリアの手紙をきっかけに、ギムルの創立祭が近づいていることを知る。その後の流れで竜馬と彼の店で働く人々は、異国の珍しい料理や地方の特産品を使用した飲み物などをふるまう屋台を引っさげて、創立祭へと参加することに――! スライムたちとの連携でバトルも充実の異世界スローライフファンタジー、第五幕!

神達に拾われた男 5

前巻からのあらすじ

2号店の準備と開店をしに隣の街へ行く。

そこで商業ギルドで出会った関西弁の狐獣人の店でお世話になる。

そこで味噌と醤油、味醂を入手。

スライム研究では臭いに特化したデオドラントスライムが爆誕。

さらにアイアンスライム達が高速移動を入手。

魔法道具の祭りに行って作成のアイデアを入手して。

神様は学問の神様と面識を得る。

神の世界で使っていた盃を現世に持って来てしまう。

なんかマイペース(本人主観)に過ごしてる。

感想

特別書き下ろしでは、竜馬がいなくなった会社がドンドン最悪の状況になっていく。

竜馬の遺体を蹴りまくっていた社員が、全くの別件で暴行事件を起こして再逮捕される。

会社はイメージ改善のために竜馬の葬式を行い。
課長は引責辞任を理由に、記者会見を逃げて最年長の部下の馬場に押し付ける。
そんな馬場は部下達に辞表を書けと言う。

そして、竜馬の遺体を見つけた同僚の田淵は、、
報道系ユーチューバーから逃げるため無意識に竜馬の住んでいたアパートの側に来てしまい。
雑誌記者と再会してしまう。

ドンドン会社にとって悪い方に転がって行く。

本編では、竜馬は創立祭で地元の人達と街の外から来た人ばかりの洗濯屋さんの従業員達と一緒に祭りに参加する。

さらに、オルゴールを造り。
街を拡張するための建材を採取するために高位の冒険者達とトレント狩を行う。
そして、新人教育のキャンプに教官として参加する5巻。

スライムはタンポポの種みたいに空を飛ぶフラッフスライム。

酒を飲むドランクスライムが新登場。
ドランクスライムには酒の神テクンの加護が付いているw

洗濯屋さんの店の人達と創立祭の準備をしていたら。

街道にトンネルアントが多く巣を作るようになったと話を聞く。

冒険者ギルドに行くと、それの巣の発見依頼を冒険者として受注して1人で仕事をすると、、

スラムの新人冒険者達と半ば彼等の護衛&指導をしながら1日を過ごす。

さらに旅の芸人達の練習を見て一緒に修行をするようになる。

そんな生活を2週間ほどして創立祭が始まる。

洗濯屋さんとしては創立祭をして屋台を出し。

皆んなと騒いで。

森の探索でメタルスライムを武器に変形させて、トレントの顔に斧に変形したメタルスライムを投げて、トレントを倒したらメタルスライムがリョウマの下に戻って来て、また斧に変化してトレントに飛んで行く。

竜馬は一切動く必要が無いし外しても自ら帰ってくるのが便利過ぎるw

さらに他の刃物にも変化が可能なので武器の費用がいらなくなったのがデカい。

他のスライムも何気に進化してるし、、

武器までスライムとか、遂にそこまで来たか!w

スライムの可能性は無限大だ! ww

規定量以上のトレントの資材を集終わるのだが、、
あまりにも大量にトレントが出て来たので調べてみるとエルダートレントがおり。
エルダートレントも討伐すると、人為的にエルダートレントを作った形跡があった。

それに後ろ髪を引かれるように街に帰ったら、、

今度は新人冒険者の合宿キャンプに参加しないかとギルドマスターから言われて教官として参加。

普通の新人冒険者と竜馬の違いが、、
そして、スラムの新人冒険者達とも再会して彼等のトラブルに関わってしまう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

3章 26話  手紙

リムールバードの手紙と祭りの発覚

リムールバードからの手紙
朝、リムールバードがエリアからの手紙を運んできた。手紙には大樹海の噂への注意喚起、エリアが王都での入学準備を進めていること、そしてギムルで近々開催される祭りの話が記されていた。祭りについてはエリアからの質問を受けたが、詳細は分からず、街で情報を集めることにした。

街の住人への祭りの聞き込み
職場の同僚たちに祭りについて尋ねたが、街の歴史に詳しい者はおらず、情報は得られなかった。そこで用心棒のドルチェに聞くと、それが「創立祭」であると判明した。この祭りは街の創立を祝う行事で、店先の装飾や地域の清掃が中心となる催しであった。エリアの関心を考慮し、祭りについて従業員たちと相談することにした。

引っ越し祝いの準備
エリアが王都の寮へ移ることを考慮し、引っ越し祝いとして石鹸を贈ることを決めた。市販品ではなく手作りにすることで特別感を持たせることにした。具体的な材料や製法についての計画を練り、錬金術を活用して苛性ソーダを生成する準備に取り掛かった。

苛性ソーダの生成と安全対策
苛性ソーダは塩と水から錬金術で作り出したが、その過程は危険を伴うため、廃坑を使用し安全対策を徹底した。水酸化ナトリウムを取り扱う際、完全装備で慎重に作業を進めた。生成した苛性ソーダを用いて石鹸作りの準備を整えた。

手作り石鹸の試作開始
苛性ソーダと油を組み合わせて石鹸を作る基本的な工程を開始した。安全性を最優先にしつつ、香油などの混ぜ物を検討した。エリアへの贈り物として、見た目や効能にも配慮した石鹸を試作することにした。石鹸作りの工程は、数日間寝かせる時間を要するため、夜間に少しずつ進めることに決めた。

3章 27話  急用

 スライム問題の解決と街の騒動スライム契約の緊急対応
日々の基礎鍛錬と薬学の勉強を続ける中、レナフ支店からスライム増加の緊急連絡が入った。従業員の契約可能数を超えたため、主人公は即座にギムルを出発し、日暮れ前にはレナフに到着した。支店の一室はクリーナースライムで埋め尽くされており、契約作業が速やかに行われた。増加の原因は顧客の急増と生産過剰による分裂であり、今後は生産量の調整が決定された。

サイオンジ商会への訪問と発酵食品の試食
スライムの問題を解決した後、サイオンジ商会を訪れたが、会頭とその娘は王都に出向中であった。応接室で出迎えたクラナ夫人は試食した発酵食品「シャッパヤ」の強烈な臭いに困惑しており、主人公はケーキを差し入れて交流を深めた。

街での喧嘩と臭いの騒動
翌朝、帰路に就こうとした主人公は街の門付近で冒険者同士の喧嘩が発生していたことを知った。喧嘩の際に発酵食品「シャッパヤ」が詰められた樽が投げられ、液体と臭いが周囲に広がり被害が拡大していた。商店や装備に臭いが染みつき、被害者たちが持ち主の男性に抗議する中、主人公は事態収拾のためデオドラントスライムを用いて消臭作業を開始することにした。

3章 28話  贈り物

スライムの消臭効果と行商人との出会い

スライムで街の悪臭を解消
スライムを用いて街路や店舗の悪臭を消臭すると、被害者たちは感謝の意を示し、物品を贈った。主人公はその場で自店の宣伝を行い、街を出ようとした際に保存食「シャッパヤ」の持ち主であるモンドから感謝の言葉を受けた。彼は自らの馬車で主人公を目的地まで一部同伴し、お礼として密封した樽を提供した。樽は臭いで魔獣を寄せ付けない効果があると説明され、主人公はこれを受け取った。

行商人モンドとの旅路
道中、モンドは自身の行商の経緯と故郷リーティル村について語った。彼は村で生産される保存食シャッパヤを販路拡大のために売り歩いていたが、その強烈な臭いのために苦戦していた。主人公とモンドは分岐点で別れを告げ、主人公はギムルへと向かった。

感謝の品と村の背景
ギムル到着後、店にはフィーナたちの村から感謝状と大量の穀物が届いていた。ジェーンの説明によると、贈られたのは余剰分で、村では売り先を失った穀物を備蓄しているとのことだった。主人公は村の善意を尊重しつつ、贈り物の購入を決めた。さらに、村の人々が働き口を求める際には公平な雇用を約束し、ジェーンとカルムもこれに同意した。

新たな販路と未来の展望
ジェーンたちの村では過剰作物の販路が課題となっており、主人公は村と店舗双方の利益になる形を模索する意向を示した。店での活用や村への適正価格での購入を通じて、今後の継続的な支援を目指していくこととなった。

3章 29話  オルゴール販売計画

 オルゴールと創立祭の計画

オルゴール販売計画と祭りの提案
セルジュが店を訪れ、オルゴールの進捗状況を報告した。貴族向けには高級装飾箱を用いた受注生産、一般向けには手頃な価格の小型製品が準備されていた。一般向けオルゴールは祭りでお披露目される予定であり、販売と併せて吟遊詩人セムロイド一座の公演が企画されていた。一座の公演会場として店の空き地を使用する提案があり、カルムやフェイと協議の上、条件付きで許可された。

保存食「シャッパヤ」の実験
セルジュとの話し合い後、厨房から異臭がするとの報告があり、確認すると保存食「シャッパヤ」の樽が原因だった。異臭を抑えるためデオドラント液を活用し、10分間漬けた後に流水で洗い流して調理を試みた。セミサ油で焼き上げると、臭みが大幅に軽減され、従業員たちも満足する味となった。

従業員の提案と出店計画
夕食後、従業員たちから村の食材の活用や将来的な村人の雇用についての意見が出された。その流れから、祭りでの出店が提案され、異国の料理や村の食材を活かした軽食を販売する案が浮上した。カルムは経営的な利点を挙げ、他の従業員も協力を申し出て話は進展した。

準備の開始
出店を決定するにあたり、料理の試作や材料費の見積もり、商会への根回しなどの準備が翌日から進められることとなった。出店の計画は具体的な実行に向け、着実に動き出した。

3章 30話  セムロイド一座

 創立祭準備と懇親会

出店準備と協力者の参入
祭りの準備が進む中、従業員たちは料理の試作や警備の打ち合わせなどに奔走していた。忙しさにも関わらず士気は高く、出店への期待が膨らんでいた。さらに地元の肉屋ジークやその従業員たちが協力を申し出た。祭り期間中に家族サービスを兼ねて手伝いに入ることになり、料理試作や出店準備が円滑に進行していた。また、ポリーヌや奥様友達も参加し、祭りの情報を広める役割を果たした。

セムロイド一座との打ち合わせ
夜にはセルジュとセムロイド一座の座長プレナンスが訪れた。彼らはオルゴールの普及と演奏会場としての空き地利用について打ち合わせを行った。一座の公演準備を任せることで合意が成立し、演奏者たちの士気も高まった。若き座長プレナンスはリョウマに感謝を述べ、一座の芸を最大限に活かすと約束した。

懇親会と料理の試作
懇親会では仮設店舗で試作された料理が振る舞われた。参加者たちは各料理を試食し、投票用紙を用いて出店メニューの選定が行われた。ホットドッグやジルマールの伝統料理「パーミィエン」が特に好評を博した。また、デザートとして胡麻豆腐や胡麻団子が提供され、食材や調理方法についても高い評価を得た。特に胡麻豆腐は丁寧な練り作業と黒糖蜜が特徴で、胡麻団子は香ばしい生地と甘い餡が絶妙であった。

料理と地域交流の深化
参加者の中には旅芸人マイヤやその叔父である剣舞師ソルディオが含まれ、彼らも料理を堪能していた。マイヤは新しい料理に感動し、特にホットドッグを称賛した。懇親会を通じて地域住民や旅芸人たちとの交流が深まり、祭りへの期待がさらに高まった。料理試作と交流を経て、創立祭の出店計画は順調に進展していた。

3章 31話  草原の噂

 トンネルアントの出現と状況確認

旅芸人からの報告
懇親会の席で旅芸人プレナンスは、南の草原でトンネルアントを見たという話を伝えた。この魔獣は地面を掘る習性があり、馬車の通行に支障をきたすことがあるため、運送業者や祭りの準備に影響を及ぼす懸念があった。リョウマは翌日、草原の状況を確認するため自ら調査に向かうことを決意した。

練習場所の提供
プレナンス率いるセムロイド一座は、草原の使用を避けるため練習場所に困っていた。リョウマは廃鉱山の敷地を練習用に提供し、危険な場所について説明した上で使用を許可した。一座は感謝を述べ、翌朝から練習を開始することとなった。

冒険者ギルドでの依頼受注
リョウマは草原に向かう前に冒険者ギルドを訪れ、トンネルアントの討伐と巣の捜索、発掘作業の依頼があることを確認した。ギルドの協力体制にはテイマーギルドも含まれており、魔獣を活用した効率的な対応が進められていた。リョウマはテイマーギルドで依頼を受けることを決め、ギルドマスターへの恩返しを兼ねて協力することにした。

草原での調査と巣の発見
草原ではリムールバードたちと協力し、空から巣の位置を探した。発掘作業が行われていない未開の場所を目指し、スライムたちを活用して巣穴の探索を進めた。トンネルアントの巣を発見し、周囲の安全を確認しながら目印を立てた。

スライムの活躍と調査の進展
スライムたちは巣の探索だけでなく、草原を走る機会を得て機敏に活動した。リョウマはスライムたちの成長を感じつつ、効率よく巣を発見して次々と目印を設置した。草原の調査は順調に進み、リョウマは新たな発見とともに次の候補地へと向かった。

3章 32話  気まぐれでお節介

トンネルアントの巣の調査と試行錯誤

新しい探索方法の発見
リョウマはスライムとリムールバードを活用して5つ目の巣を見つけた。しかし、ただの発見では物足りなさを感じ、調査の質を上げる方法を模索した。試行錯誤の末、土属性の魔力を利用した新しい探査魔法「アースソナー」を開発。これにより巣の形状を効率的に把握することが可能となり、今後の調査にも役立つ新たな手法を確立した。

ベックたちとの再会
次の巣を目指す途中、子供たちの冒険者チームであるベックたちに出会った。彼らはトンネルアントの討伐を目的に活動しており、得られる甲殻を防具職人に提供することで安価に防具を手に入れる計画を立てていた。しかし討伐数は少なく、効率的な方法に悩んでいたため、リョウマは巣の場所を案内することで協力することを提案した。

連携による討伐の進展
リョウマの案内でベックたちは次々と巣を発見し、見張り役のアントを討伐した。彼らは自主的に戦いを進め、リョウマは荷物番としてサポートに徹した。荷車に収まりきる範囲で材料を確保したため、次で最後の巣を目指すことになった。

最後の巣と戦闘の準備
最後の巣に到着した際、リョウマは巣が小さく、見張り以上の敵が出てくる可能性を指摘した。ベックたちは状況を検討した上で挑戦を決意。リョウマは彼らをサポートするため、戦闘の準備を整えた。経験の浅い彼らの努力を補いながら、トンネルアントとの戦闘を通じて技術を磨く姿勢を見守ることとした。

3章 33話  若年寄の 1歩手前

トンネルアント討伐後の対話

討伐の成果と安全管理
最後の巣では予想以上のトンネルアントが出現し、総数15匹となった。リョウマが5匹を倒し、残りの10匹をベックたちが奮闘の末討伐した。小さな怪我を負った者もいたが、大きな損害はなかった。リョウマは傷の手当てに個別の水を用意し、感染症予防の重要性を説明した。子供たちはその配慮を受け入れ、慎重に対応を進めた。

リョウマの強さへの疑問
討伐の帰り道、ルースがリョウマの強さについて質問した。リョウマは「師匠の指導と鍛錬の時間が要因」と説明し、片手で刀を使う訓練の意味についても語った。それは怪我や不測の事態に備えた技術であり、武器を自在に扱うための基礎が重要だと強調した。また、ベックたちが師匠を持たず自主鍛錬を続けている状況にも触れ、基礎を学ぶ場の必要性を提案した。

戦闘への恐怖と向き合うウィスト
ウィストは戦闘に対する恐怖心を打ち明け、積極的に攻撃できない自分への悩みを語った。リョウマは「戦闘中は行動に集中することが重要」と答え、地道な訓練と経験が自信につながると励ました。しかし、ウィストが冒険者仲間から非難されていることも判明。リョウマは戦闘の必要性を認めつつも、命を奪うことへの抵抗を大切にする考えを伝えた。

将来の選択肢を見据えた提案
リョウマは命の扱いについて、自身の家訓に基づいた実用的な視点を示した。その一方で、ウィストの感受性を否定せず、彼が納得できる答えを見つけることの重要性を指摘した。そして、ベックたちには定期的な話し合いの場を設けることを提案し、冷静な意見交換が互いの成長に繋がると助言した。

別れと自省
門の前でベックたちと別れたリョウマは、柄にもない説教をしてしまった自分を振り返った。新人冒険者ながら余計な口出しをしたのではないかと考えたが、彼らを応援したいという気持ちは変わらなかった。その後、帰り道でフィーナとリーリンに出会い、日々の試作のために買い出しをしていた2人と会話を交わした。リョウマは自身の年齢を感じさせる行動に苦笑したが、2人はその言葉に首をかしげていた。

3章 34話  着眼点

剣舞師の練習観察

一座の練習風景に触れる
リョウマは帰宅時、セムロイド一座の剣舞師たちが演技の練習をしている音楽に気づき、静かに観察した。マイヤとソルディオの剣舞は、剣術と音楽、魔法演出が見事に融合しており、観客に強い物語性を感じさせるものだった。リョウマはその迫力に圧倒され、最後には思わず拍手を送った。

練習場所と草原の報告
リョウマは一座に草原の現状を伝え、トンネルアントの巣が増えていることを報告した。彼は流通への影響を防ぐため、しばらく草原での捜索を継続する意向を示した。一座は引き続き練習場所を提供されることに感謝し、練習後に街へと戻った。

剣舞師の動きに感化される
リョウマは一座の演技に触発され、自ら剣舞の動きを模倣してみた。しかし、自身の動きにぎこちなさを感じ、魔法と武器を組み合わせる技術が自分には足りないことを実感した。そのため、剣舞師の技術を学ぶ決意を固めた。

剣舞師への技術指導の依頼
翌日、リョウマは一座の練習を訪れ、マイヤとソルディオに剣舞の技術を学びたいと願い出た。リョウマの真摯な姿勢に応え、二人は武器や魔法を活用した動作について指導を快諾した。練習は夕方に行われることとなり、準備物として自分の武器だけを持参するよう伝えられた。

薪斬りによる実力テスト
夕方、リョウマは薪斬りのテストに臨んだ。マイヤが投げた薪を的確に斬り落とすという試験に成功し、その剣術の腕前が高く評価された。続いて、斬るべき薪と斬らない薪を見分けながらのテストでも優れた注意力と判断力を見せ、剣術面での実力が証明された。

魔法のテストと剣舞師の哲学
魔法のテストでは、リョウマが無詠唱で魔法を使用できることを確認された。剣舞師たちは魔法の活用において伝統と革新の間で異なる意見を持っていたが、リョウマに技術を惜しみなく伝える姿勢を示した。ソルディオは伝統を重視し、マイヤは実用性を尊重していたが、二人ともリョウマの熱意を認め、指導を継続することを約束した。

さらなる技術習得への意気込み
リョウマは一座からの指導を通じて、剣術と魔法を組み合わせた新たな戦闘技術を学ぶ意欲を深めた。この経験を通じて、彼の戦闘能力がさらに向上することが期待された。

3章 35話  創立祭 1日目 1

創立祭の準備と剣舞師の修練

剣舞師の指導を受けた2週間
リョウマはソルディオの指導のもと、魔法と剣の動作を組み合わせる修練を続けた。魔法の発動精度や命中率が向上し、戦闘中の滑らかな動きも改善された。また、スライムを活用した新たな鍛錬方法を導入し、自身とスライム双方の能力向上に成功した。トンネルアントの討伐も無事に完了し、街は創立祭に向けて賑わいを取り戻していた。

創立祭当日の朝
創立祭の初日、リョウマは出店の準備状況を確認した。舞台や店舗配置は工夫が凝らされ、観客の動線も考慮されていた。店舗裏には倉庫や舞台袖が整備され、スライムを活用した公衆トイレも設置された。店の開店準備を見届けた後、リョウマは街へ繰り出した。

街中での散策と出店巡り
リョウマは創立祭の賑わいを楽しみながら、懐かしのフライドポテトや塩飴を購入した。祭りでは多種多様な商品が並び、大道芸も盛況を見せていた。リョウマはその中で転移者の影響を感じつつ、魔法道具や珍しい商品に目を向けていた。

修道女ベルとの再会
リョウマは出店に立つ修道女ベルに声をかけた。ベルはスライムの飼育担当となり、購入方法について悩んでいた。リョウマは売られているスライムが染料の影響で元気がない理由を説明し、自らスライムを調達することを提案した。ベルはその申し出を喜び、リョウマにスライム調達を依頼した。

迷子の獣人族の子供を発見
話をしていた最中、リョウマとベルは迷子と思われる獣人族の子供を見つけた。子供の不安そうな様子を見たベルが素早く駆け寄り、リョウマもそれに続いた。祭りの賑わいの中での助け合いが始まろうとしていた。

3章 36話  創立祭 1日目 2

迷子の保護と教会の店番

迷子の保護と警備隊への対応
リョウマとベルは迷子の獣人族の子供を保護し、警備隊の出張所へ連れて行った。しかし、子供はベルから離れることを嫌がり、激しく泣き叫んだ。周囲の警備隊員は対応に困り果て、最終的にベルが子供に付き添うこととなった。その間、リョウマは彼女の代わりに教会のバザーの店番を引き受けた。

教会の店番での騒動
リョウマが店番をしている間、酔っ払いの集団が現れるなど、祭り特有の混乱が発生した。警備隊員やボランティアスタッフが対処する中、リョウマも子供たちの目の前で荒っぽくならないよう配慮しながら状況を収拾した。人手不足に対応するため、接客や品出しを行い、教会のバザーを支えた。

フードコートでの休憩
教会での仕事を終えたリョウマは、フードコートで一息つくため、リーミィエンと野菜炒めを購入した。席を探しているとセルジュに声をかけられ、相席することになった。セルジュと共に食事をしながら、モーガン商会の出店の盛況ぶりについて話し合い、転売対策やオルゴールの量産体制についての取り組みも聞いた。

オルゴール事業と新たな展開
セルジュは、ディノーム工房と提携して行われているオルゴール事業について説明した。転売業者への対応も含めた計画が順調に進んでおり、他の工房を買収することでさらに量産体制が強化されたという。リョウマもディノーム工房との関係が今後の事業に役立つと期待を寄せた。

舞台装飾としての氷彫刻の準備
午後の予定として、リョウマはセムロイド一座のために氷彫刻を作成する準備に入ることを決めていた。夜の演目で使用される氷彫刻は、舞台に設置された照明によって輝きを放ち、観客を楽しませるための演出に使われる予定であった。セルジュとの会話を終えたリョウマは、作業に向けて気を引き締めた。

3章 37話  創立祭 1日目 3

氷彫刻の完成と設置準備

彫刻の完成と確認作業
リョウマは冷え込む部屋で仕上げた氷彫刻を、セムロイド一座の座長プレナンスに確認してもらった。彫刻は旅人が獣を従える物語に合わせたデザインで、一対の鳥や果実の盛られた皿、ハープなどが含まれていた。プレナンスは出来栄えに満足し、彫刻の搬入と設置について最終確認を行った。

出店の手伝いと皿洗い
氷彫刻の確認後、リョウマは出店に戻り、皿洗いを手伝った。食器は木製で、植物の葉が使えない液体商品用に特別に用意されたものだった。クリーナースライムが効率的に汚れを落とし、スムーズに再利用された。食器のピストン輸送中には列整理が必要となり、カルムやモーガン商会からの応援で混雑を解消した。

トイレの補充作業と問題の発生
祭り用に設置された仮設トイレで水不足が発生したため、リョウマが補充を行った。その際、手洗い用の石鹸が盗まれていることに気づいた。盗難防止のために強度の高い素材で網を再作成することを決めたが、手の痛みを軽減するための改良も必要と考えた。

迷子の対応
リョウマは通りがかりの女性から、迷子の男の子を保護してほしいと頼まれた。男の子は親とはぐれてしまったらしく、警備隊を呼ぶよう指示される。リョウマは詰め所に走り、状況を報告して対応を進めた。

初日の営業終了と利益の分配
祭り初日の営業が終わり、リョウマはジークやポリーヌと共に売り上げの集計と利益の分配を行った。予想以上の売り上げにより、手伝った人々への報酬も十分な額となり、皆が満足する結果となった。

旅芸人たちの祈り
営業終了後、リョウマはセムロイド一座が像に祈りを捧げる姿を目撃した。マノアイロアという風の神に対し、成功への感謝を示すための風習であった。一座は旅先で買い集めた布を像に巻きつけ、旅の証と感謝を表現していた。リョウマはこの風習に感銘を受けながら、一座の人々を見送った。

3章 38話  創立祭 2日目

麦茶を求める冒険者たち

冒険者たちの訪問
リョウマは朝から出店で麦茶を売っていた。次々と訪れる客の中に、顔見知りのジェフが現れた。ジェフは新米冒険者のベックたちを連れており、彼らがリョウマの助言を実行して、ジェフの指導を受けるようになったことを報告した。彼らは料理を楽しみながら祭りを満喫し、ジェフが面倒を見る姿がほほえましく映った。

旧知のギルドメンバーとの会話
続いて冒険者ギルドのマスター、ウォーガンと武器屋のティガーが訪れた。彼らはかつて同じパーティーで活動していた旧友であり、昔話に花を咲かせた。ティガーはリョウマの装備の状況を確認し、従魔の力を活用した刀の運用についてアドバイスを送った。その後、2人は祭りの喧騒に戻っていった。

教会の子供たちとの交流
教会のシスター、ベッタが孤児たちを連れて訪れた。子供たちはお祭りの雰囲気を楽しみながらホットドッグを人数分購入し、笑顔で礼を述べて帰っていった。リョウマは、彼らの姿に心温まる思いを抱いた。

休憩中の再会
休憩の合間に食事をしていると、商業ギルドのグリシエーラやテイマーギルドのテイラー支部長が若い男性を連れて現れた。新任の役所の長であるアーノルド・ベルンハイドが紹介され、彼は街への貢献について感謝を述べた。また、今後も公正で平等な扱いを保証すると約束した。

祭りの夜と仲間たち
日が沈む頃、セムロイド一座の公演が始まり、祭りの盛り上がりは最高潮に達した。リョウマは舞台を見ながら、自身が築いた人間関係や街での生活について振り返った。森での孤独な生活とは異なり、今は多くの人々とつながり、豊かさを感じる日々を送っていることを再確認した。

3章 39話  最後の夜

祭り後の舞台解体

舞台装置の解体作業
ギムルの街は祭りの余韻を残しつつも日常へ戻りつつあった。リョウマはセムロイド一座とともに舞台装置の解体作業を行っていた。構造や再利用可能な部品について学びつつ、装置の機能や使い方に興味を示していた。解体中、盗まれた石鹸に関する連絡を受け、一時作業を中断した。

石鹸盗難の解決
応接室で警備隊から石鹸の返却を受けた。犯人は他のスリの容疑で捕まり、宿泊先から石鹸が発見されたとのことだった。リョウマは幸運に感謝しつつ、必要な書類にサインし警備隊を見送った。その後、店内で忙しそうに働くフィーナと話を交わし、彼女が麦茶の評判に喜んでいる様子を見た。

麦茶事業の提案
出店での麦茶の売り上げが好調だったことを受け、フィーナの村で麦茶を加工・販売する可能性が話題に上った。リョウマは村での栽培と加工、そしてサイオンジ商会との連携を提案した。フィーナはその案を父へ手紙で伝えることを決意し、リョウマも商会への連絡を引き受けた。

慰労会での交流
夜にはフードコートで慰労会が開かれた。余った食材を活用した料理が振る舞われ、リョウマも塩焼きそばを作って参加者に提供した。席に座ると、セムロイド一座や商業ギルドのカルムらと話が弾んだ。麦茶事業についても話題に上がり、成功の可能性を期待する声が多かった。

別れの前の剣舞
会の終盤、マイヤから誘いを受け、リョウマは剣舞を披露した。曲に合わせて薪を切る技を見せ、大きな拍手を受けた。その後はギター演奏なども交え、セムロイド一座と共に別れを惜しみながら楽しい時間を過ごした。

4章 1話  採取依頼

創立祭後の日常

祭りからの変化と日々の鍛錬
創立祭が終わり、ギムルの街は日常を取り戻しつつあった。リョウマはスライムの選別や進化の研究に取り組みながら、地道な鍛錬を続けていた。暑さも和らぎ、公爵家と別れて半年が経過する頃、冒険者ギルドのウォーガンから新たな依頼を受けることとなった。

トレント材採取の依頼
ギルドでの説明によれば、依頼内容はトレント材を最低300匹分採取することであった。トレントは擬態能力を持つ危険な植物系魔獣で、その素材が街の新たな観光資源となる予定であった。依頼には空間魔法使いとしてリョウマとレイピンが選ばれ、ウェルアンナやアサギなどの冒険者たちも参加を決定した。

街の活性化と闘技場の計画
街の人口減少対策として、新たな観光地を開発する計画が進行していた。南門の先に新設される街と闘技場がその中心となり、観光や賭け事を通じて収益を上げる仕組みが構想されていた。闘技場の設計は天才建築家ペルドル・ベッケンタインが担当し、彼の要望でトレント材が使用されることとなった。

出発準備とディメンションホームの拡張
リョウマはディメンションホームの拡張作業を行い、木材の収納量を増やした。また、廃坑に作った倉庫を整理し、盗難防止のため入り口を封鎖するなど、準備を整えた。そして出発当日、冒険者たちと共に荷馬車で目的地へ向かった。

道中の確認と食事
旅の途中でトレントの弱点や注意点について確認が行われた。トレントは擬態や上位種の魔法能力を持つため、注意が必要とされた。夜にはリョウマが味噌汁や肉じゃがを振る舞い、アサギが故郷の味に涙を流した。彼は島から50年間帰れない修行の道を歩んでおり、その背景を語った。

移動と休息
一行は道中、魔獣に襲われることもなく、のどかな景色を楽しみながら移動を続けた。レイピンのディメンションホームは広く整理され、長旅のための準備が整っていた。翌日に備え、早めの休息を取ることで一日の旅路を終えた。

4章番外 1  一方その頃 1

退屈な学園生活の始まり

エリアリアの孤独な日常
エリアリアは学園に入学してから1ヶ月が経過していた。授業は基礎的すぎて退屈であり、彼女は授業中も内心で興味を失っていた。周囲の生徒たちは公爵家令嬢である彼女に近寄れず、エリア自身も積極的に関わることを避けていた。そのため友人を作る機会を失い、孤独な学園生活を送っていた。

ミシェルとの出会い
ある日の昼休み、エリアは魔法練習場で訓練をしていたところ、ウィルダン伯爵家の令嬢ミシェルと出会う。男装のような服装のミシェルは、エリアに対し身分を気にせず話しかけた。二人は会話を通じて意気投合し、エリアは初めて自分の孤独感を軽減できる相手と出会ったと感じた。

ミシェルの研究と興味
ミシェルは「魔法陣学」というマイナーな学問を独学で研究しており、エリアにその基礎を説明した。彼女は魔法陣を使った実験を行い、その過程でエリアにも興味を持たせた。ミシェルの熱意と独自の視点に触れたエリアは、彼女の研究に魅力を感じるとともに、自身の孤独を忘れる一時を得た。

ミヤビの登場と伝言
実験中に狐人族のミヤビが現れ、エリアに竜馬からの伝言を伝えた。竜馬は「頑張れ」という短い言葉とともに、エリアが友人を作るきっかけを与えるため、ミヤビに彼女への接触を頼んでいた。エリアはその意図を察し、ミヤビに感謝するとともに友人となることを提案した。

新たな友情の芽生え
エリアの提案をミヤビは快く受け入れ、さらにミシェルもその輪に加わった。三人は握手を交わし、新たな友情を築くきっかけを得た。午後の授業に戻ったエリアは、これまで退屈だった学園生活に一抹の楽しさを感じていた。

4章番外 2  一方その頃 2

実習班の結成

ミシェルの提案と班作りへの決意
放課後、エリアリア、ミシェル、ミヤビの3人は中庭で互いを知るための会話を楽しんでいた。その中でミシェルが実習班を組むことを提案した。学園では生徒自身が班を作ることが求められ、期限内に班を結成できなければ適当に割り振られる。そのため、性格や価値観の合うメンバーで班を作ることが重要であり、エリアとミヤビもこの提案に賛同した。

リエラ・クリフォードの勧誘
班結成のためには5~6人が必要であったが、適任者としてミシェルはクリフォード男爵家の令嬢リエラの名を挙げた。リエラは規則に厳しく、身分による偏見がない実力主義者であった。3人は剣術の訓練場を訪れ、剣の素振りに励むリエラに声をかけた。彼女は快く誘いを受け入れたが、その理由として、他の班からの勧誘が自身を道具扱いするものであったことを挙げた。彼女の誠実な態度は、若き騎士のような気高さを感じさせた。

カナン・シューザーの仲間入り
次にミヤビは平民出身のカナンを推薦した。カナンは隠密行動や罠に長けた実力を持つが、付与魔法以外の魔法が使えない「付与魔法特化」の体質であり、そのため他の班から断られていた。カナンは自身の欠点を隠すことなく正直に話し、仲間として受け入れて欲しいと願った。エリア、ミシェル、リエラ、ミヤビの全員がその誠実さを評価し、彼女を歓迎した。

結成された新たな班
こうして5人の班が結成された。個々の能力には偏りがあるものの、互いの弱点を補い合う決意を共有したことで、班の結束は強固であった。特にカナンは自分が貴族であるエリアやミシェル、リエラと同じ班に入ることに驚きつつも喜びを隠せなかった。この班の結成により、彼女たちの学園生活は一層充実したものとなる兆しを見せていた。

4章 2話  森の探索 1

森でのトレント討伐と新たなスライムの発見

旅路と林業の街への到着
竜馬たちは3日間の馬車移動で旅を続けた。その間、食事の準備や馬の扱いを学ぶ時間を過ごし、時折ゴブリンなどの魔獣に襲われたが、一流冒険者たちが迅速に対応したため問題は発生しなかった。やがて林業が盛んな木造の街へ到着し、宿を取った後、ギルドでトレント討伐の準備を進めた。

森でのトレント討伐開始
翌日、彼らは鬱蒼とした森に踏み込み、トレント討伐を開始した。最初のトレントは女性陣が仕留め、竜馬も2匹目の討伐に挑戦し、見事に仕留めた。討伐を重ねる中、予想以上にトレントが多いことが明らかになり、彼らは森の異常な状況に警戒感を強めた。

大量のトレントと異常事態の兆候
昼までの討伐で147匹ものトレントを確保。その後も群れを殲滅し、2日間で約600匹分のトレント材を回収した。討伐数が目標を上回ったため、彼らはギルドに戻り、森の異常な状況を報告した。ギルドでは「エルダートレント」の存在が疑われており、さらなる調査が進められることとなった。

フラッフスライムとの遭遇
帰路の途中、竜馬たちは空中を漂う「フラッフスライム」を発見した。レイピンの空間魔法で捕獲し、竜馬が契約を結んだ。宿に戻った後、フラッフスライムの特徴を鑑定したところ、軽量化や飛行といった珍しいスキルを持つことが判明した。また、分裂時にはタンポポの綿毛のように飛散する性質があり、大量発生は稀であると分かった。

新たな発見とさらなる研究の可能性
フラッフスライムの特性を確認した竜馬は、その応用の可能性を考えつつ、討伐任務の終了後にじっくり研究することを決意した。この新たな発見は、彼のスライムに関する研究に新たな視点をもたらすものであった。

4章 3話  森の探索 2

エルダートレントとの激戦と異常事態の発見

討伐計画の変更と順調な進捗
トレント狩りは順調に進み、初日の緊張感は薄れ、効率良く討伐を続けていた。当初の予定より早く目標達成が見込まれ、今日か翌日にはギムルへ戻れると判断された。竜馬も戦いに慣れ、祖父から教わった武術を活かし、見事にトレントを討伐していた。

森奥の異常とエルダートレントの気配
森の奥へ進むにつれ、雰囲気が変わり、魔力感知で膨大な数のトレントの存在が確認された。アサギの指示のもと、退路を確保しつつ慎重に進むと、トレントの群れが竜馬たちに襲いかかってきた。数の多さに圧倒されながらも、各自が役割を果たし、効率的に対処していった。

竜馬の新戦術とトレント群の撃破
竜馬はメタルスライムを投擲用の斧に変形させ、魔力感知でトレントの弱点である顔を的確に狙い撃つという戦術を展開した。投げたスライムが自力で戻るため、弾切れの心配がなく、他の冒険者たちも各自の戦闘スタイルでトレントを撃破していった。結果として、周囲は倒れたトレントが散乱する広場と化した。

エルダートレントの異常な振る舞い
戦闘後、遠方に巨木のようなエルダートレントが確認された。しかし、通常のエルダートレントとは異なり、こちらに襲いかかることも逃げる様子もないという不可解な行動が見られた。レイピンはこの異常事態に疑問を抱きつつも、討伐または情報収集のために接近を決定した。

スライムの異常と突然のトレント化
エルダートレントに近づく途中、竜馬のメタルスライムが恐怖を示し、戦闘不能と判断されてディメンションホームに避難させられた。その後、ただの木だったはずの木々が突然トレント化して襲いかかるという前代未聞の事態が発生。調査の結果、エルダートレントが根を通じて魔力を送り込み、木々を急速にトレント化させている可能性が示唆された。

エルダートレントとの決戦
討伐を決意した竜馬たちは連携しながら進撃を開始。道中ではエルダートレントが地中の根を使い、木魔法による攻撃を仕掛けてきたが、竜馬の「ペイブメント」魔法による地面の強化で足元の攻撃を封じた。こうして彼らはエルダートレントの本体に迫り、決戦の幕が上がった。

4章 4話  森の探索 3

エルダートレント討伐と異常な闇魔法の対策

エルダートレントとの初戦と撤退
エルダートレントは幹周りが10メートルを超え、高さ約20メートルの巨体を持ち、その禍々しい姿が目を引いた。竜馬たちは各自の役割を果たしつつ攻撃を仕掛けたが、敵の闇魔法により戦況が悪化。特に黒い霧がミーヤの斧を錆びさせるなどの影響が発生し、全員が一度撤退を決めた。

闇魔法への仮説と新たな作戦
休憩を取りながら対策を話し合った結果、闇魔法の錆びさせる効果には金属の純度が影響する可能性が浮上した。竜馬のアイアンスライムは超高純度の鉄で構成されており、錆びにくい性質を持つことから、この武器を主力にした作戦が決まった。竜馬の前世の知識と仲間の助言を基に、対策を試みることとなった。

エルダートレントとの再戦と総攻撃
地面を魔法で固めつつ接近し、エルダートレントの攻撃をかわしながらアイアンスライムの斧を投擲。見事に敵の顔面を捉えたことで霧の効果が無効化されることを確認した。これを合図に仲間たちは総攻撃を開始し、ミゼリアやアサギたちが次々と致命傷を与えた。

竜馬の鉄球攻撃とエルダートレントの討伐
竜馬はアイアンスライムを利用し、大型の鉄球武器を生成。これを振り回し、渾身の一撃をエルダートレントの顔面に叩き込んだ。巨体が崩壊し、完全に魔力が失われたことで討伐が完了した。最後に光魔法でスライムの治療を行い、無事を確認した。

ギルドへの報告と木材回収の準備
討伐を終えた竜馬たちは街へ戻り、ギルドに報告。膨大なトレント材の回収には人手が必要であるため、翌日からの回収作業を依頼した。これにて一連の討伐任務はひとまず終了し、全員がその夜は休息を取ることとなった。

4章 5話  森の探索 4

トレント材の回収とエルダートレント解体

大量のトレント材の回収
冒険者ギルドから派遣された15名と共に、エルダートレント討伐現場へ向かった。仕留めたトレントの総数は1000匹以上に及び、その材を効率的に回収するため、レイピンと竜馬がディメンションホームを利用して森と街を往復した。森の木々は再生が速い「トリギリ」のため伐採の影響は少なく、午後には木材回収を完了した。

エルダートレントの枝打ち作業
トレント材回収を終えた後、エルダートレントの解体作業を開始。成長しすぎた巨木のため、はしごで届かない枝は竜馬がスティッキースライムの糸を使った鉤縄で登り、ウインドカッターで切り落とした。作業は黙々と続き、初日は枝打ちを終えるに留まった。

朽ちた木箱と使用済み魔石の発見
翌日、エルダートレントの根元を掘り起こした際、大量の朽ちた木箱を発見。その中には使用済み魔石が詰まっており、一部には未使用の無属性や闇属性の魔石も混ざっていた。さらに、朽ちた遺体が見つかり、帳簿の調査から違法な魔石商人であることが判明した。この魔石がエルダートレントの成長と異常な闇魔法使用の原因であると推測された。

エルダートレント材の解体と収納
ギルド派遣員が調査を終えた後、エルダートレント本体を横倒しにし、アイアンスライムとメタルスライムを使った鋸で幹を切り分けた。切断された木材は竜馬のディメンションホームに収められ、すべての回収作業が完了した。

打ち上げとスライムの進化
微妙な達成感を払拭するため、夕食後に打ち上げを実施。竜馬のスライムが突然進化し、新種の「ドランクスライム」となった。このスライムは新たに「酒精生成」のスキルを獲得しており、高濃度アルコールを生成する能力を持つ。しかし、生成された酒には味がなく、今後の改良が期待された。進化を祝して再度乾杯が行われ、和やかな夜が締めくくられた。

4章 6話  教習会への誘い

新人教習の依頼とその準備

ギルドへの報告と特別な依頼
竜馬たちがギムルの冒険者ギルドに戻ると、ギルドマスターのウォーガンから詳細な報告が求められた。アサギの簡潔で要点を押さえた説明が終わると、竜馬だけが部屋に残され、新人教習会の教官役としての参加を勧められた。この教習は野営技術を学ぶもので、竜馬の経験を活かし、安全を確保しながら指導する役割が期待された。さらに、こうした依頼が冒険者ランクの昇格を後押しする理由が説明された。

教習内容と指導の方針
新人教習では、個人またはパーティーで参加する生徒に対し、教官が各自のやり方で野営を実演する形式が採用されていた。直接的な指導は少なく、生徒自身が学ぶ意欲を持つことが重視されていた。教官には安全管理が主な責務とされ、生徒が危険な状況に陥らないよう目を光らせるよう求められた。竜馬はこの条件を受け入れ、教習への参加を決意した。

情報収集と教習用の罠
ギルドの受付で竜馬は教習地「毒虫の原」の情報をまとめた冊子を購入した。この冊子には魔獣の生息地や薬草の採取場所、簡単な地図が記載されており、教習に役立つ内容となっていた。同時に、教習中に生徒が受ける依頼のリストを確認したところ、内容に不自然な点がいくつか見つかった。受付のメイリーンから、これらの中には事前の情報収集を怠れば達成が難しい「罠」が混ざっていることが明かされた。

報酬の受け取りと準備の完了
竜馬はギルドで教習に関する情報を確認し、教官としての準備を整えた。また、今回のトレント討伐に関する報酬を受け取り、仲間たちと均等に分けるための配慮を行った。依頼リストの中から特定の仕事を選ばず、安全確保に専念することを決意し、ギルドを後にした。

4章 7話  負の遺産

感謝状の受領とスラムの噂

ヴァイツェン村からの感謝状
竜馬は店で不在中の報告を受けると同時に、ヴァイツェン村からの手紙を受け取った。手紙には村で麦茶の製造販売が開始されたこと、村全体で大麦の加工や増産が進められていることが記されていた。また、竜馬への感謝の証として感謝状と「相談役」の名誉職が贈られた。相談役に伴う義務や報酬はなかったが、茶葉が定期的に送られることが約束されていた。

スラム街の噂とその背景
カルムから、スラム街に「街の取り壊しや住民の追い出しが計画されている」という噂が広がっていることを聞いた。役所にはそのような計画はなかったが、過去の不祥事により住民からの信頼が失われており、疑念が拡大している状況であった。竜馬の店に直接影響はなかったものの、求職者が押し寄せる可能性が指摘され、繁忙時間のパートタイム採用という方針が決定された。

喫茶店での偶然の出会い
帰宅途中、竜馬は香ばしい匂いに誘われ、小さな喫茶店を発見した。店内に入ると、そこには役所の現所長アーノルドの姿があった。彼の勧めで昼食を共にし、喫茶店の名物であるラモンパイを味わった。店は小規模ながら味が評判で、アーノルド自身も頻繁に通っているという。

役所の課題とスラムの現状
昼食を共にする中で、役所の現状が語られた。前任者の不祥事により職員は不足し、組織全体が萎縮している中で、新たな街づくりの準備が進められていた。スラムに関しては、住民の生活環境を改善するための要請が行われていたが、これが噂の発端となったようである。アーノルドは住民への配慮を重視しており、噂の払拭と現実的な対応を模索していた。

ラモンパイのひととき
食後には大きなラモンパイが供され、アーノルドのデザート好きが垣間見えた。彼のリラックスした表情から、過酷な業務の合間の癒しとなる喫茶店の存在が重要であることが伺えた。竜馬もその場でラモンパイを味わいながら、しばしの安らぎを得た。

4章 8話  スラムの見方

スラム街の噂と相談

リブルとの面会と噂の背景
竜馬はスラム街の相談役リブルを訪ね、噂の発端と住人の不安について話を聞いた。役所が立ち退きを要請したことが不安の種であり、前任者の行いに対する不信感が未だ根強く残っていた。リブルは現役所所長アーノルドについては一定の信頼を示し、その姿勢が前任者とは異なると認めつつも、住人の不満や不安が消えるには時間がかかると述べた。また、過去の役所の減給政策が一部住民の路上生活を引き起こしていた事実が明らかとなり、問題の複雑さが浮き彫りとなった。

住居問題の根深さ
リブルによれば、スラム街の住民は住居を失った際に知人宅へ間借りするなどして対策してきたが、役所からの要請がそれを刺激しているという。住居問題を解決するには、家賃や借家に関する課題を乗り越えなければならず、住民の助け合いでは限界があるとの見解が示された。竜馬は、住居の安定がスラムの問題解決に重要であると再認識しつつも、解決への具体策を模索する必要を感じた。

炭焼き窯での新発見

スライムの捕獲
竜馬は帰宅後、自宅の炭焼き窯で灰に潜り込もうとするスライムを発見し、即座に契約を行った。このスライムは灰を好んで食べており、新しい進化の可能性を秘めた個体として観察を開始した。

スライムの管理と進化の可能性
竜馬は飼育しているスライムを整理し、計17種類のスライムの特性と進化可能性を記録した。灰を食べるスライムのほか、石鹸や苛性ソーダ、植物の茎を好むスライムが新たに観察され、それぞれ進化待ちの状態であった。特にスティッキースライムの進化については予測がつかず、竜馬はその日を楽しみに観察を続ける決意をした。

4章 9話  教習開始

教習開始と教官の出会い

初対面の教官たち
竜馬は教習の開始日、集合時間より早く冒険者ギルドを訪れ、教官たちとの顔合わせを行った。その中でリーダーを務めるロッシュを含む数人が、過去に竜馬が治療を行った患者であったことが判明した。ロッシュたちは竜馬に感謝を伝え、今回の教習でも協力を求めた。

生徒への挨拶と出発準備
全員が集まった後、ロッシュが生徒に向けて注意事項を伝え、教官役と生徒の自己紹介が行われた。竜馬も自らの野営経験や回復魔法の技術について説明し、協力を呼びかけた。生徒たちの反応は控えめだったが、大きな問題もなく、馬車で移動を開始した。

馬車内での交流

沈黙を打破する話題
馬車内では初対面同士の緊張が漂っていたが、ロッシュの提案で冒険者に必要な能力について話し合いが始まった。生徒たちは強さや我慢強さを挙げたが、ロッシュは協調性と対話能力の重要性を強調した。経験豊富な教官たちの話を通じ、生徒たちは冒険者としての心得を学び始めた。

冒険者の選び方と注意事項
パーティー選びに関する具体的なアドバイスが教官から与えられた。募集の頻度や相手の背景に注意すること、危険な集団との関わりを避けることなどが説明された。また、ロッシュは過去に起きた不良冒険者の集団「オブテモの牙」の事件について語り、竜馬がその解決に関与したことを明かした。この話をきっかけに、生徒たちは竜馬への興味を深め、積極的に質問を投げかけ始めた。竜馬はその質問に答え続け、移動時間を有意義に過ごした。

4章 10話  野営 1日目

野営場での教習開始

野営場の利用規則と指導の開始
ロッシュは生徒たちを集め、野営場の利用規則を説明した。土地の清掃や利用前の状態に戻すことなど、基本的なマナーが強調された。その後、各自が野営の準備を始めた。教官もそれぞれ自分の寝床を整え、生徒たちが質問できる雰囲気を作っていた。

竜馬の実演と指導
竜馬は土魔法を駆使して寝床を準備した。見た目の独創性から生徒たちの注目を集め、魔力の使い方について質問を受けた。彼は休息の質を高めるための魔力利用は無駄ではないと説き、簡易ハンモックを作る実演も行った。生徒たちはその柔軟な発想に感心し、竜馬の指導を受けて前向きな姿勢を見せた。

野営準備中のトラブル

生徒間の衝突
野営中、ベックたちのグループと別の生徒たちが言い争いを始めた。両者が険悪な雰囲気となる中、竜馬とハワードがそれぞれのグループを分けて事情を聞いた。ベック側は仲間を馬鹿にされたことで怒りが爆発したことが原因と判明した。

竜馬の対応とロッシュの処分
竜馬はベックたちに軽く注意を与えつつ、仲間を守る姿勢は否定せずに励ました。その後、ロッシュからも全体へ注意があり、野営場での基本的な不干渉のルールが再確認された。この対応で場は収まり、教習は円滑に進むこととなった。

4章 11話  毒虫の原

毒虫の原での野営教習開始

毒虫の原到着と野営準備
参加者たちは太陽が天頂に昇る頃、目的地である毒虫の原に到着した。広がる草原や林の風景とは対照的に、この地は毒虫の存在で知られており、防虫対策が必須であった。竜馬は土魔法で高床式の拠点を建設し、窓には網戸を設置するなど細やかな準備を行った。その際、虫除けに使用する特製の薬剤や燻煙の方法について周囲に説明を加えた。これにより他の教官や参加者からも感心を集めていた。

毒虫対策と薬の重要性
ロッシュは、教習中に毒虫対策を怠る生徒が必ず数人現れることを述べ、竜馬が持参した薬や治療道具に感謝を示した。さらに薬に関連した冒険者ギルドの資格や教習制度についての話題が上がり、竜馬はそれに興味を示して質問を重ねた。ロッシュは資格の重要性を語りつつも、技術や知識の習得こそが本質であると強調した。

教習の概要と参加者への指示
野営準備が整った後、ロッシュは今後のスケジュールを説明した。生徒たちはそれぞれ事前にギムルで受けた依頼を3日間で達成することを求められた。また、依頼失敗による不利益や、野営中の質問対応の重要性についても説明があった。教官には交代での待機義務が課され、竜馬は午後5時から8時を担当することとなった。

教習の本格的な開始
夜間の見張りも含めた指示が伝えられ、参加者全員がそれぞれの役割に取り組む準備を整えた。こうして、毒虫の原での野営教習が本格的に始まった。

特別書き下ろし・再会する 2人『暴行事件、再び!』

崩壊する職場と新課長への転機

事件の報道と社内の混乱
開発3課のオフィスでは始業前から社員たちが集まり、テレビや雑誌で報じられる同僚の不祥事について話し合っていた。酒に酔った井口が友人の竹林を殴打して逮捕され、その背景には社内の問題や過重労働があったと伝えられていた。さらに、ネット上では課長や他の社員にも不正が広がっているとの噂が加熱しており、会社の内部事情が暴露される事態となっていた。

課長の降格と馬場への課長就任命令
課長がオフィスに現れると、社員たちは彼の不自然な上機嫌に戸惑いを隠せなかった。課長は竹林の社葬が決定したと発表し、突然、馬場を新課長に任命した。さらに、馬場には会社の不祥事に関する記者会見への出席が命じられた。この一連の流れに社員たちは困惑と怒りを感じたが、元課長は意に介さず立ち去った。

馬場の決意と辞職の勧め
新課長となった馬場は冷静に状況を受け止め、社員たちに退職届の提出を促した。これまで退職願を受理されずに辞められなかった社員たちに対し、課長の権限でそれを支援する姿勢を見せた。彼は自らが課長として会社の問題に正面から向き合う覚悟を示しつつ、社員たちの将来を案じていた。

田淵の迷いと偶然の再会
業務後、田淵は帰路の電車で竹林に関する出来事を思い返しつつ考えに耽っていた。途中で乗り過ごしてしまった彼は、竹林の住んでいたアパートの近くで偶然降り立ち、竹林の隣人であった雑誌記者の浦見と再会した。この再会は、会社の不祥事や竹林の死の真相について新たな展開を予感させるものであった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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