小説「神達に拾われた男 8」結婚式開催! 感想・ネタバレ

小説「神達に拾われた男 8」結婚式開催! 感想・ネタバレ

どんな本?

『神達に拾われた男 8』は、異世界転生した少年リョウマが、公爵家の結婚式準備や新たなスライムの進化など、多彩な経験を積み重ねる異世界スローライフファンタジーである。

主要キャラクター

  • リョウマ:前世でブラック企業に勤めていた中年サラリーマン。異世界で少年として転生し、スライムを使役するテイマーとして活躍する。
  • エリアリア:リョウマが異世界で出会った公爵令嬢。リョウマと共にリムールバードのテイムに挑戦する。
  • ユイ:公爵家のメイドを名乗る謎の女性。リョウマと同じく異世界に転生した日本人女性と関係がある。

物語の特徴

本作は、リョウマが異世界での生活を通じて人々との絆を深め、新たな挑戦に取り組む姿を描いている。特に、スライムの進化や新種の発見など、独自の要素が物語に彩りを添えている。また、前世の知識を活かした事業展開や、人々との温かな交流が魅力となっている。

出版情報

関連メディア:本作はコミカライズされており、スクウェア・エニックスより第8巻が2022年2月7日に発売されている。 スクウェア・エニックス マガジンまた、アニメ化もされており、第1期が2020年に放送、第2期が2023年1月から放送予定である。 Ciatr

出版社:HJノベルス

発売日:2020年2月22日 Firecross

ISBN:9784798621241

読んだ本のタイトル

神達に拾われた男 8
著者:Roy 氏
イラスト:りりんら  氏

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あらすじ・内容

公爵家での華やかな結婚式の後は、冬の湖でスライム大進化祭り!?

公爵家の庭で行われる結婚式の準備も佳境を迎え、忙しい日々を送る異世界転生者の少年・竜馬。いよいよ式が前日に迫る中、竜馬は公爵家のメイドを名乗りながらも見覚えがない不思議な女性・ユイと出会う。話をするうちに明らかになるユイの正体とその目的。それには竜馬と同じくこの異世界へと転生してきた、とある日本人女性が関係していて――? 竜馬と面識のある神々も見守る中で催される盛大な結婚式に加えて、新たな遠征先ではスライムたちの楽しい大進化祭り(!?)も絶好調な、異世界スローライフファンタジー、第八幕!

神達に拾われた男 8

前巻からのあらすじ

公爵夫婦の処に行ってご挨拶に彼等のいる街へ行く。

その時に色々お世話になった商人セルジュ、ピオロとも再会。そして、彼等と共に面会して。

その時にメイドのルルネーゼと警備兵のヒューズの結婚式の手伝いをして欲しいと依頼される。

さらに手荒れ用のスキンケア薬を研究。店を守るために、剣を使える奴隷も購入して商売も次のステップに入っていくようだ。

そして、外伝の方も記者会見で何かやらかしそう。。。

記者会見に出る予定だった馬場が怪我して社長が記者会見に出席して真摯に謝罪。

それで世間はある程度風当たりが良くなったが、、

感想

公爵家のルルネーゼとヒューズの結婚式前日。

其処で永年公爵家の屋敷で暗躍してる精霊が登場する。
公爵家の先祖に地球人(日本人)がおり、地球人が来たら助けてやって欲しいとお願いされて、なんとはなしに竜馬に困った事はないかと聞いたら、、
竜馬がルルネーゼとヒューズの結婚のお祝いの品を何にするか悩んでいると聞いてアドバイスする。

そして、結婚式当日。

エルフ式の結婚式でエルフの司祭(役)を立会で2人は結婚するのだが、、
ステータスボードの更新を行うのがこの世界特有。
その時に、3柱の神から祝福を受け。
あまりの事にエルフの司祭(役)の人は数分間フリーズしてしまう。
その後、神々に祝福されてると発表して大騒ぎになる。
その後は知る人全てが神の祝福を受けた新たな夫婦を祝うのだが、あまりにも盛況過ぎて竜馬は保護者として竜馬を守っていた侯爵家夫妻と逸れてしまう。

そのスキに、知己を得ようと押し寄せて来た人達から竜馬を精霊が保護。
ドサクサに料理も大量にゲットして竜馬と食べて精霊は退場。
そして、結婚式も無事に終わる。

そして6章へ突入。
舞台は、以前スライムを売ってくれた冒険者の故郷の漁村で、湖で漁をする漁師の手伝いをする。

漁師達が獲った魚を狙って襲って来るマッドサラマンダーを討伐。

でも、竜馬の興味を引いたのは御当地の食材を活かした料理と御当地のスライム、マッドスライムだった。
漁村特有の魚醤、ワサビのような食材にも大喜び。
そんな食材を使って、お世話になってる家で竜馬は料理を振る舞ったり、マッドサラマンダーの討伐をスライムを使役しながらやったりとやりたい放題w
そのうち、村ではスライムの子、スライムの兄ちゃんと呼ばれるようになるw
それに対して解せぬと言う竜馬が面白いw

さらに、イタズラをよくする子供ニキが親切心に竜馬にタコ🐙を投げ渡したのだが、、
村の大人はそれをイタズラだと判断してしまってニキは森に逃げてしまう。
ちなみにタコは竜馬が美味しく料理して頂きました。

そんな森ではゴブリン達が跋扈しており村の大人達はニキを探すが見つからない。

それでも探していたらゴブリンを発見して討伐したら、その側にニキの秘密基地があり入口が小さいため、小柄な竜馬が中に入りニキを説得して共に村へ帰る。
そして、ニキは騒動の罰に大人の手伝いをさせられるのだが、、

本人は大人の仕事が出来ると大喜びに手伝いまくる。
さらに竜馬のスライム研究にも興味を持ち。

漁村特有の網(穴が空いてる)のをスライムに食べさせたりしたら。
元メタルスライムが、ワイヤースライムに進化。
強靭なワイヤーを伸ばす今後、色々と活躍しそうなスライムに進化する。

元アシッドスライムが、貝殻を食べまくってパールスライムに進化する。
それで、スライムが食べてる貝殻は真珠が養殖出来る貝殻だと判明する。
コレの利権はあまりにも巨大なため竜馬は黙っている事に決める。
さらに水属性の魔力を与えたらウォータースライムに進化。
そんな研究をしていた竜馬に漁村の領地の領主が会いたいと言って来た。

さらに、神に祈ったら水の神セーレリプタに呼ばれセーレリプタが竜馬の魂のあり方がおかしいと思い色々と興味の赴くままに探って行ったら、、
竜馬にとっては途轍もなく苦痛になっており。
それを大地の神ウィリエリスと農業の神グリンプの夫婦に助けられ。
この後セーレリプタは他の神々から罰を与えられ苦難が続く、、

外伝の方は、大企業の重役や政治家のアホボンを受け入れて、ブラック企業にした2代目社長を説得する馬場課長。

この会社はコレで大円団になるのだろうか?
なんか無理そう、、

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

5章 29話 前夜の宴と思い出話

湖の清掃と準備の完了
リョウマは大量のスライムを駆使して湖の浄化作業を成功させた。水門を一時的に閉じて水を抜いたため水深は浅かったが、翌朝には元に戻る見込みであった。結婚式場の設営を終えたメイドたちが帰ると、静寂が広がり、リョウマは冷たい夜風に包まれながら湖を眺めていた。

護衛たちとの再会と食事の準備
屋敷から現れた護衛の4人が、バスケットや酒瓶を持参してリョウマのもとを訪れた。結婚式前夜を祝うため、夕食を共にすることを提案した。暖かいシチュー、パン、チーズフォンデュ、そして酒の肴が用意され、防寒用の結界も張られた。乾杯の声が響く中、護衛たちとの交流が深まった。

護衛たちの過去と絆
ヒューズは元冒険者であり、貧しい農家を飛び出して冒険者になった過去をリョウマに語った。彼と護衛仲間たちは、公爵家の主とその婚約者に命を救われたことをきっかけに絆を深め、貴族家の護衛となる道を選び、信頼関係を築いてきた。

会話と宴の終幕
護衛たちは酒を酌み交わしながら、過去の苦労や思い出を語り合った。ヒューズは結婚への不安を打ち明け、リョウマに相談する場面もあった。しかし宴の終盤には全員が酔いつぶれ、助けを求める声を上げると、不意に女性の声と足音が聞こえた。こうして物語は次の展開へ移った。

5章 30話 月夜の邂逅

月明かりの下の謎のメイド
静かな月夜、黒髪の女性がメイドと名乗りリョウマの前に現れた。彼女は堂々と振る舞っていたが、メイドとしての礼儀や態度に不自然さがあり、怪しさを感じさせた。リョウマが「家憑き妖精では?」と指摘すると、彼女は否定せず微笑みを浮かべた。そして、彼女がこの屋敷に住み着いている妖精であることが明らかとなった。

妖精の正体と役割
彼女は家憑き妖精ではなく、大自然の魔力から生まれた「妖精」であり、実体と強い魔力を持つ存在であると説明した。人間の結婚や生活を陰ながら観察し、縁結びを助ける役割を果たしてきたことも語られた。

シホとの過去と目的
彼女はかつて転移者シホ・ジャミールの従魔であったことをリョウマに明かした。シホの死後、彼女はシホの子孫を見守り、新たな転移者を助けるよう依頼されていた。今回、転移者であるリョウマとの対話を通じてその使命を果たそうとしていたが、リョウマの悩みが見当たらないことに戸惑いを見せた。

結婚式の贈り物の相談
リョウマが結婚式の贈り物を用意していないことを思い出すと、妖精は具体的な提案を与えた。材料の選び方や贈り物に込める意味を教え、「縁結びのプロ」としてふさわしいアイデアを伝えた。助言を受けたリョウマは、贈り物の準備に取り掛かる決意を固めた。

宴の後始末と新たな決意
酔いつぶれた護衛たちは屋敷の人々に回収を頼み、リョウマは妖精の助言に基づいて作業を開始した。贈り物を通じて特別な縁を結ぶ一助となることを目指し、夜の静寂の中で準備に励んだ。

5章 31話 結婚式(前編)

結婚式の朝の準備
屋敷は早朝から結婚式の準備で忙しさを増していた。新郎新婦の最終確認や装飾の配置、料理の準備が細部にわたって進められた。リョウマはスーツ姿で式場へ向かい、林を抜けた先には有志たちが結界で整えた快適な結婚式場が広がっていた。

式の開始と新郎新婦の登場
式は鐘の音を合図に始まった。新郎ヒューズは緊張した様子を見せながらもフラワーシャワーの中を登場した。続いて新婦ルルネーゼが純白のドレスを纏い、堂々と歩み寄った。2人は手を取り合い、ステージ上で式の進行を待った。

神父役の登場と誓いの宣言
神父役の高齢のエルフ、アラフラール氏がステージに上がり、式を進行した。新郎新婦が神々への誓いの言葉を述べ、式は最高潮に達した。しかし、アラフラール氏が2人のステータスボードを確認する際、一瞬動きを止め、式場には緊張が走った。

神々の祝福と式の成功
アラフラール氏はその後、2人の結婚が神々に認められたことを宣言した。さらに新郎新婦が3柱の神々から祝福を受けたことを告げた。この驚くべき出来事に式場は歓声に包まれ、参列者たちは喜びを分かち合った。新郎新婦は感動の面持ちで抱き合い、結婚式は成功を収めた。

感動の余韻と未来への期待
神々の祝福という特別な出来事により、式は印象深いものとなった。参列者たちは喜び、披露宴の盛り上がりへの期待が高まる中、式は感動的に幕を閉じた。

5章 32話 結婚式(後編)

披露宴の開始と参列者の祝福
式が終了し、披露宴が始まると会場は参列者たちの熱気で溢れた。新郎新婦を称賛する声が飛び交い、リョウマも建築や神像制作への貢献を讃えられた。しかし、その熱気に少し疲れを見せていた。

ユイとの会話と神々の祝福の詳細
ユイがリョウマを人混みから連れ出し、隠蔽の力で静かなテーブルに誘った。そこでユイは、新郎新婦が5柱もの神々から祝福を受けたことを伝え、その稀少性を説明した。リョウマは自身が転移者であることや、神託スキルを通じて神々と交流があることを語り、祝福の背景に神々の気まぐれな一面がある可能性を示唆した。

ユイの助言を活かした贈り物
リョウマはユイからの助言を元に、スティッキースライムの硬化液を活用して割れないグラスを制作した。「割れ物」が避けられる結婚式において画期的な贈り物であった。贈呈の際、リョウマはその耐久性を実演し、「関係を大切にすれば輝きが続く」とのメッセージを添えて渡した。新郎新婦は深く感動し、周囲からも大きな拍手が巻き起こった。

披露宴後の反響と職人への期待
リョウマの贈り物は参列者から高評価を得た。特に商人たちはその可能性に興味を示したが、製作の難しさを考慮して大量生産は難しいと結論づけた。それでも、新たな商機を模索する姿勢が見られた。リョウマは宴の間、新郎新婦を祝福しつつ、心行くまで楽しい時間を過ごした。

5章 33話 後日談 1・神々の様子

公爵家での別れと帰路の準備
リョウマは公爵夫妻や使用人たちに別れを惜しまれつつ、ギムルへの帰路に就く準備を進めていた。その前にガウナゴの教会を訪れると、神々――クフォ、ルルティア、テクン、ガインが盛大に酒盛りを続けていた。彼らは結婚式の余韻に浸りながら、独特な会話を楽しんでいた。

式後の余波とリョウマの滞在延長
結婚式は予想以上の盛り上がりを見せ、「神々に祝福された式場」として保存が決定された。その後、リョウマは式場の補強や神像の制作依頼に応じた。また、アラフラール氏との製薬に関する会話や魔法訓練を通じ、滞在期間中に多くの成果を得た。

神像職人の称号と神々との交流
リョウマは「神像職人」の称号を得たことに気づいた。神々は彼が自身たちを正確に表現したことを称賛したが、この称号が公になると厄介な状況を招く可能性を指摘した。そのため称号は隠しつつも、交渉材料として活用するようアドバイスを受けた。

神々と称号に関する議論
神々は称号の付与方法について、直接与える場合と条件に基づく場合があると説明した。称号は役割や実績を反映するものであり、結婚式での称号もその一例であった。また、神々は地球の技術や文化に興味を示し、特にテクンはその熱心さを隠さなかった。

宴会の余談とリョウマの成長
宴の中でガインが地球のアイドル文化に詳しい一面を見せ、リョウマはその熱弁に驚かされた。彼は自身の変化にも気づき、森での孤独な生活から神々や人々との交流を楽しむ日々へと成長していることを実感した。その後も宴は続き、リョウマは神々と共に結婚式を祝った。

5章 34話 後日談 2・ギムルの変化と反省

ギムルの街に帰還と治安の変化
リョウマたちはガウナゴからギムルの街へ戻った。道中、空間魔法と体力を駆使して短期間で移動を終えたが、街は以前と異なり、労働者の流入により通りには人が溢れ、やや荒れた雰囲気が漂っていた。

店への到着と新従業員の紹介
店に到着したリョウマたちは裏口からカルムに挨拶をした。カルムは疲れた表情で書類に集中しており、街の変化が彼に負担をかけている様子だった。その場で新従業員オックスを紹介し、彼の能力が信頼できることを伝えた。

治安の悪化と対応策の議論
カルムは街に流入した労働者による治安悪化とヤクザ者の暗躍について説明した。彼らが利権を狙い活動している中で、リョウマたちは警備を強化し、オックスの実力を示す場を設ける提案をした。

公爵家との交渉結果と新たな展望
リョウマはガウナゴでの公爵家との交渉結果を共有した。店舗拡大への支援や新たな事業展開の提案が好意的に受け入れられ、将来の発展に対する希望が広がった。また、ガウナゴでの新店舗計画やドミナント戦略について具体的に話し合い、事業方針を固めた。

新サービスの活用と人材確保
奴隷商会が提供する「人材派遣」サービスについても議論が行われた。この制度を利用することで、一時的な人材補充や適任者の雇用が容易になる可能性が示された。リョウマは過去に面接した候補者の利用を提案し、制度の有効性を試すことに同意した。

店舗の将来性と計画の具体化
洗濯屋のチェーン展開や市場占有率を高める戦略についても話し合われた。店舗拡大や競合他社の買収を検討し、多くの顧客にサービスを届けるための具体的な計画が立案された。カルムはリョウマの提案に感心し、店の将来性に期待を寄せた。

カルムの奮起とリョウマの決意
リョウマの計画がカルムのやる気を引き出し、彼の疲れた表情が一変した。カルムが執務室を元気よく去った後、リョウマは自身の働き方を見直し、店のためにさらに尽力する決意を固めた。

5章 35話 後日談 3・わずかに成長?

サイオンジ商会との契約準備
リョウマはギムルに戻ってからわずか5日後、サイオンジ商会本店を訪れた。公爵家との取り決めに基づき、ブラッディースライムを分散管理する契約を結ぶためであった。商会の会頭であるピオロは迅速に対応し、契約準備を整えた。

店での試合と反省
リョウマがギムルに戻った翌日、オックスとの試合が行われた。新従業員の実力を披露する目的であったが、試合は白熱し、見学者に砂埃を浴びせる事態となった。幸い大きな問題にはならず、従業員と常連客の協力で収拾がついたが、試合後にカルムから注意を受けた。

規模拡大と働き方の見直し
カルムとの対話の中で、リョウマは自身が店舗拡大に積極的になったことを喜ばれていると気づいた。その結果、資金確保の方法や新事業の提案について考えを深めた。しかし、提案がエスカレートすることで、カルムから「働きすぎないように」との助言を受けた。

消臭液の成功と収入増加
店舗運営では消臭液の売り上げが予想以上に伸び、洗濯屋の収入を上回る状況となっていた。この成果により資金面での余裕が生まれ、急いで新たな事業に取り組む必要が薄れた。

融資への考え方の変化
リョウマは以前は融資に対して消極的であったが、計画的に返済可能な範囲であれば借入を検討することにした。この変化をピオロに伝えると、商人としての成長を評価され、自信を深めた。

目的達成と新たな展開
契約を無事に締結し、ブラッディースライム3匹を商会へ預けた後、ピオロはリョウマに重要な情報を伝えた。彼が以前から興味を持っていた「特別な食料」が予定より早く手に入ったという。詳細はその場で確認されることとなり、新たな展開が始まる兆しを見せた。

5章 36話 後日談 4・新しい食材

巨大な鶏との遭遇
ピオロが案内した倉庫には、巨大な鶏「クレバーチキン」が30羽収容されていた。これらは卵を効率よく産む魔獣であり、旅先での食料として有用であった。しかしその巨体と知能の高さが普通の鶏とは大きく異なり、扱いの難しい存在であることが判明した。

飼育の課題と交渉
クレバーチキンの特徴は、Dランク相当の戦闘力と高い知能であった。餌の質や住環境に不満があれば卵を産まなくなる厄介な性質を持つ。特に群れのリーダーである「ジーニアスチキン」は他の個体以上に知能が高く、群れを統率していた。リョウマはこのリーダーと交渉を試みたが、要求は過剰に贅沢なものであった。

威嚇による転機
交渉が難航する中、リョウマが無意識に発した威圧的な雰囲気により、群れ全体が一斉に屈服した。リーダーも態度を一変させ、リョウマとの交渉に柔軟な姿勢を示すようになった。これをきっかけに改めて条件の提示が行われた。

苦労性のリーダーとの妥協
交渉の中で、リーダーは自分が群れの不満を一身に背負い続けていることを明かした。リョウマはリーダーの境遇に共感し、現実的な飼育条件を提示した。最終的にリーダーは条件を受け入れ、群れごとリョウマの従魔となることに同意した。

新たな仲間と課題
リョウマはクレバーチキンの群れを引き取り、卵の供給を確保することに成功した。しかし、リーダーの苦労に共感した結果として心に虚無感を抱え、飼育の責任を深く感じていた。

6章 1話  湖の漁村

ラトイン湖への道中
リョウマは親切な商人の案内を受けながら、マッドサラマンダーの生息地ラトイン湖を目指した。道は獣道のように細く、木々の根や泥が続き、歩きにくい地形であったが、訓練を兼ねて慎重に進んだ結果、約4時間後に湖とそのほとりにある村へ到着した。

村での出迎え
湖畔の村の入り口で門番の男性に出迎えられたリョウマは、自分が冒険者であることを名乗った。その後、村人のメイが案内役を買って出てくれ、彼女の家に泊まることとなった。村では子供たちが遊び、奥様方が井戸端会議をするなど、穏やかな生活の様子が広がっていた。

村人たちの生活の知恵
メイは村の建物が木材と泥で作られている理由を説明した。これらの材料は簡単に手に入り、修繕も容易であるため、村人たちは自分たちで家を修理しながらたくましく生活していた。冒険者のための宿泊施設が満員であったため、リョウマは彼女の家に間借りする形となった。

暖かい歓迎と修業の開始
村人たちはリョウマを温かく迎え入れ、困ったときは助け合う精神を示した。リョウマはその歓迎に感謝しつつ、ラトイン湖での修業生活を開始する決意を新たにした。

6章 2話  村の案内とご当地食材の味

村での歓迎と案内

家族との出会いと歓迎
リョウマは部屋で荷物を整理していると、カイとケイ、さらに彼らの母親ホイ夫人と出会った。ホイ夫人は息子たちが世話になったとリョウマに感謝を伝え、リョウマが若いことに驚きを見せた。彼らはリョウマを歓迎し、食事の準備について話し合った。

村の案内と漁師たちとの出会い
ケイが案内役を引き受け、リョウマを村の各所へ案内した。道中、漁師たちが体操をしている姿を見て、これは漁に出る前の準備運動であり、仲間の体調確認を兼ねた習慣だと説明された。村人との挨拶を繰り返す中、リョウマは田舎特有の人々の距離の近さを実感した。

湖と漁村の景観
案内されたラトイン湖の景色は美しく、リョウマはその透明度の高さや自然のままの風景に感動した。ケイは湖が村人たちにとって大切な場所であることを語り、湖の環境保護が村人の義務であり誇りだと説明した。また、湖の利用に関するルールや注意事項を教えた。

練習場と新たな期待
ケイはリョウマを村の東側にある広い練習場へ案内した。この場所では薪や木材を採取しており、リョウマは従魔を出すにも適した環境だと気に入った。さらに、この地域にはマッドスライムが生息している可能性があり、リョウマは喜びを隠せなかった。

先輩冒険者たちとの挨拶
その後、リョウマは集会場や個人宅を訪ね、先輩冒険者たちに挨拶した。彼はお土産を渡し、翌日からの仕事への協力をお願いした。初対面ながらも新入社員のような態度をとったリョウマは、先輩冒険者たちから好印象を持たれた。

歓迎会と夕食
帰宅すると家ではすでに酒盛りが始まっていた。ホイ夫人やメイの温かいもてなしの中、リョウマは囲炉裏を囲むことになった。夕食にはカニがふんだんに用意され、リョウマはその懐かしい味に感動した。村の特産である魚介類も堪能し、リョウマは勧められるままに食べ続けた。

満腹と就寝
夕食兼歓迎会が終わり、リョウマは与えられた部屋で休むことになった。しかし、カニを堪能するあまり、積もる話をする機会を逃したことに気づき、少しの後悔を感じながら眠りについた。

6章 3話  漁村の朝食とお土産

早朝の目覚めと手伝い
リョウマは物音で目を覚まし、日の出前の冷え込みを堪えつつ調理場へ向かった。そこで朝食の準備をするメイとお袋さんに挨拶をし、自ら手伝いを申し出た。井戸水を汲む代わりに水魔法を使い、次に渡された黄色い山葵に似た「ホラス」をすり潰す作業を始めた。ホラスは辛味が強く殺菌効果もある薬草で、昨日のスープに使われていたと知り納得して作業を続けた。

卵の提供とクレバーチキンの管理
リョウマは昨日渡しそびれたお土産を思い出し、ディメンションホームで飼育しているクレバーチキンの群れから卵を調達した。群れのリーダーであるジーニアスチキンのコハクと話しつつ、用意されていた卵を洗浄し食用に適していることを確認した。クレバーチキンとの関係構築には苦労が多く、彼らの性格や要求に対応するためさまざまな工夫を重ねた結果、現在の協力体制を築いていた。

朝食の準備と村人の反応
リョウマが提供した卵を使った朝食には、ホラススープとコツブヤリクサのパンが並んだ。村人たちは卵を使った料理を喜び、特に低血圧で普段無口な親父さんも一言礼を述べた。リョウマは村の温かい歓迎を感じつつ、朝食を楽しんだ。

スープの懐かしさと新たな決意
ホラススープの味が何か懐かしいものを思い出させるように感じたリョウマであったが、それが何かは思い出せなかった。食事を終えた彼は、いよいよ始まるマッドサラマンダー討伐に向けて準備を整える決意を新たにした。

6章 4話  マッドサラマンダー討伐

湖の漁村でのマッドサラマンダー討伐

早朝の準備と出発
リョウマは朝食を終え、カイとケイに案内されて浜辺へ向かった。霧が立ち込める中、湖近くの浜辺には屈強な男たちが集まり、篝火や焚き火が幻想的な光景を作り出していた。彼らは討伐準備を進めており、リョウマも冒険者チーム「シクムの桟橋」の仲間たちと合流した。

討伐方法の説明と注意点
リョウマは討伐の方法についてケイやシクムの仲間たちから説明を受けた。マッドサラマンダーは魚を狙うため漁場を襲撃し、数が多いため持久戦になると聞いた。また、空から「ポケットイーグル」という魔獣が襲ってくることもあると知り、警戒を強めた。

討伐の開始と漁師の活躍
地引網が引かれ、討伐が開始された。漁師たちは熟練の技で銛を操り、巨大なマッドサラマンダーを捕獲していった。リョウマは漁師たちが日々魔獣と戦い、湖での最強の存在であることを目の当たりにした。

初めてのマッドサラマンダー討伐
リョウマは指示に従い、自ら銛を手にして湖に入った。冷たい水に膝まで浸かりながら、3メートル級のマッドサラマンダーを仕留め、浜辺へ引き上げることに成功した。先輩たちの助けを得ながら討伐を進め、次々と魔獣を捕獲していった。

持久戦と成長への期待
討伐作業は交代制で進められたが、昼まで続く長丁場であった。リョウマは魔獣を運び、水中から浜辺へ何度も往復する中で、自身の体力と精神力を試される良い鍛錬になると感じた。

6章 5話  村の昼食

マッドサラマンダー討伐の進行と改善の提案

討伐作業の過酷さと対応の柔軟性
マッドサラマンダー討伐は、単純に繰り返すだけではなく、魚の守備や処理場の護衛など多岐にわたる作業を臨機応変に行う必要があった。漁と討伐が同時に進行するため、状況に応じて効率的な動きが求められた。

討伐作業の終了と振り返り
討伐は日が高く昇るまで続き、浜辺には大量の魔獣の死体が積み上げられた。最後に全員で死体の回収作業を行い、無事に作業を終えた。シクムの桟橋のメンバーたちはリョウマの体力と作業能力を評価し、労をねぎらった。

昼食の場での村の文化との触れ合い
リョウマたちは魚の加工処理場で昼食を取った。この場所は村の女性たちが働く主要な施設であり、漁師たちやその家族が昼食を共にする場でもあった。リョウマは村人たちの温かさを感じ、村での生活の魅力に思いを馳せた。

討伐改善の提案と相談
リョウマは討伐の効率向上のため、従魔を活用することを提案した。特に、魔獣の数が予想以上に多かったことや、一部の防衛が突破された事例を踏まえた対応策を提案した。この提案はシクムのメンバーから歓迎され、全員で協力して取り組む方針が決まった。

魔法の使用に関する質疑応答
リョウマは魔法の使用について確認し、禁止ではないが使用には注意が必要との答えを得た。特に、漁の邪魔になる派手な魔法や毒の使用は避けるべきであることを認識した。魔法を使える人材が少ないため、現地での活用が限られている現状を理解した。

今後の準備と計画
リョウマは従魔を活用した効率的な討伐方法を考え、村人や冒険者の助力を得ながら、翌日以降の準備に取り掛かることを決意した。柔軟な意見交換と協力体制の中で、より良い討伐作業を進めるための第一歩を踏み出した。

6章 6話  リョウマの売り込み

スライム部隊の披露と討伐計画

スライム部隊の実力披露
昼食後、浜辺には再び人々が集まり、リョウマのスライム部隊がその中心に注目を集めていた。ポイズンスライムやスティッキースライムが見せた、統率の取れた槍衾や機敏な動きに、シクムの桟橋のメンバーは驚きと疑問の声を上げた。リョウマはスライムたちの訓練の成果を示し、その実力に誇りを持っていた。

スライム部隊の防衛計画
リョウマは、スライム部隊を加工処理場の防衛に投入する計画を説明した。ポイズンスライムで敵を迎撃し、スティッキースライムによる待ち伏せ攻撃で効率よくマッドサラマンダーを仕留める作戦である。複数のスライムによる連携で敵の勢いを弱め、人間の攻撃を容易にする方針が支持を得た。

魔法を使うスライムたちの登場
さらにリョウマは、魔法を使えるアーススライム、ウインドスライム、ダークスライムなどを呼び出した。特にダークスライムの「ダークミスト」は広範囲攻撃として有効で、マッドサラマンダー討伐に新たな可能性をもたらすものと期待された。この斬新な戦力に、村人や仲間たちも感心していた。

金属系スライムの挑戦
一方、メタルスライムやアイアンスライムは浜辺の砂地での移動に苦労し、戦闘への参加が難しい状況であった。彼らは砂浜での訓練を続け、戦力としての可能性を模索していた。リョウマは彼らをバリケードとして活用する案を検討したが、現時点では有効な役割を見出せなかった。

村人たちの関心と誤解
浜辺には村の多くの人々が集まり、スライム部隊を熱心に観察していた。村人たちはリョウマを「スライム好きの変わり者」として認識したが、彼の斬新なアイデアと戦力は討伐計画に貢献すると評価されていた。リョウマは村人たちの興味深い視線を感じながら、次の討伐準備に思いを巡らせた。

6章 7話  ちょっと一息……?

スライムの実力と村人の反応

スライム好きとしての評判
スライムの訓練成果を村の人々に披露したことで、リョウマは「スライム好きの変わり者」として村全体に知られる存在となった。道中では「スライム君」などと声をかけられるようになり、好意的な興味を持たれる反面、変わり者扱いされることに一抹の不満を感じていた。しかし、従魔を用いた防衛計画が承認されたことで、スムーズな説明が可能となり、明日からの加工処理場の防衛任務を任されることとなった。

イタズラ小僧ニキとの遭遇
帰宅途中、イタズラ小僧ニキがリョウマにタコのような魔獣「オクタ」を投げつけ、リョウマは墨まみれになる騒動が起きた。村人以外へのイタズラは禁じられていたため、ニキの行動に驚きが広がったが、リョウマはクリーナースライムで墨をすぐに除去し、事態は収束した。ニキの世話をしていたお婆さんが駆けつけ、事情を詫びて立ち去ったが、村の子供たちへの指導の難しさが浮き彫りになった。

タコを使った料理の提案
持ち帰ったオクタを見て、リョウマはたこ焼きに似た料理「明石焼き」を作ることを提案した。村の家族から提供された魚醤や干物を使い、たこ焼き器でふんわりと焼き上げた料理は、村人たちに大好評であった。特に魚醤の風味が料理を引き立て、寒い季節に最適な一品となった。

騒動の再来とニキの行方
和やかな時間を過ごしていたところ、突然お婆さんが再び訪れ、ニキが行方不明になったことを告げた。慌てた様子の彼女にカイとケイが対応し、村全体に緊張感が広がった。ニキの失踪が新たな問題を引き起こし、村全体の協力が必要とされる状況へと展開した。

6章 8話  秘密基地

ニキ少年の失踪と捜索活動

広場での捜索状況
村の広場ではニキ少年を探す大人たちが忙しく動き回っていた。リョウマはリムールバードを使い、空から村周辺を捜索したが成果はなかった。村の船も全て確認され、少年が湖にいる可能性は否定された。日が暮れ始める中、少年がいつも暗くなる前には帰宅していたことから、ただの家出ではない可能性が浮上した。

イタズラ用のオクタからの手がかり
リョウマは昼間のニキ少年の行動を思い出し、彼がオクタを調達していた場所に注目した。セインの確認により、ニキが東の森でオクタを捕っていたことが判明した。この情報から、少年が森に向かった可能性が高いと推測され、一行は東の森へ向かうことを決定した。

森での捜索とゴブリンの遭遇
東の森に到着すると、夜の暗闇が視界を遮る中、一行はオクタの生息域を目安に範囲を絞り込んだ。捜索中、ゴブリンの興奮した声が聞こえ、一行は慎重に進んだ。やがてゴブリン5匹と遭遇し、迅速に討伐を終えたが、ニキ少年の姿は確認できなかった。その後、声らしきものが聞こえ、一行はさらに奥へ進むことにした。

秘密基地の発見とニキとの再会
リョウマは魔法「アースソナー」を使用して地中に空洞を発見し、狭い穴を匍匐前進で進んだ。道の先には手作りの扉があり、それを開くとニキ少年の「秘密基地」が姿を現した。リョウマが声をかけると、中からかすかな物音が聞こえ、少年がそこに隠れていることを確信した。扉を開けた先で、ついにニキ少年を見つけることができた。

6章 9話  理解者?

ニキ少年の秘密基地と説得

秘密基地での発見
リョウマは秘密基地で壁際に座り込むニキ少年を見つけた。少年は無事だったが、足を捻っていたことを話し、ゴブリンから逃げてきたことがうかがえた。リョウマは回復魔法を提案するが、ニキは「帰りたくない」と拒否した。

ニキの抵抗と思いの吐露
外からの大人たちの呼びかけに対し、ニキは「話しても信じてもらえない」と声を荒げた。リョウマは一時的に外の仲間に待つよう頼み、ニキとの対話に専念した。秘密基地の努力を褒めるも反発されるが、リョウマは単刀直入に「何か言いたいことがあるなら話してほしい」と促した。

イタズラの真相と誤解
ニキは昼間の行動が単なるイタズラではなく、スライムを見て興味を持ち、手土産としてオクタを渡そうとした結果だったと話した。誤解され叱られたことで心が折れたニキは、怒られるのを恐れて逃げ出していたことを打ち明けた。

説得の成功
リョウマは村の人々がニキを心配している事実を伝え、もう一度冷静に話し合うべきだと説得した。彼が「必要なら君を守る」と述べると、ニキは帰る決意を示した。足の治療を終えたリョウマは先に秘密基地を出て、少年が自分の意志で戻ることを信じて待った。

6章 10話  雨降って地固まる

ニキ少年との再会と新たな一歩

朝の会話と昨夜の出来事
翌朝、リョウマはカイとケイと顔を合わせた。昨夜はニキ少年が無事村に戻り、特に問題なく話が進んだことを語り合った。ニキの父親が彼を心配し拳骨を振り上げたが、リョウマが受け止めることで事態は穏便に収まった。

ニキ少年の新たな罰と決意
浜辺へ向かう途中、ニキ少年とその両親がリョウマたちに挨拶に現れた。ニキは迷惑をかけたことへの罰として、魚の処理場で水汲みなどを手伝うことになったと話した。彼はリョウマに「仕事終わりにスライムのことを教えてほしい」と頼み、明るい表情で仕事に向かった。

マッドサラマンダー討伐の開始

スライムたちの配置と準備
リョウマは加工場周辺にスライムたちを配置し、マッドサラマンダーの迎撃準備を整えた。メタルスライムとアイアンスライムは砂に潜り込み、敵が接触すると刃に変化して進行を妨害する作戦が功を奏し、最初の一匹は動きを封じられた。

討伐の進行とリーダーの評価
スライムたちの活躍により、マッドサラマンダーは次々と捕らえられ、後続も進行を阻まれた。冒険者のリーダーはこの戦術が効果的であることを確認し、必要に応じて他の村への支援を考えると述べた。リョウマは作戦の成功を目指し、さらに気を引き締めた。

6章 11話  思わぬ発見

マッドサラマンダー討伐の激闘と成果

ダークスライムの魔法で形勢逆転
リョウマはマッドサラマンダーの群れを突破し、最前線でダークスライムの範囲魔法「ダークミスト」を発動させた。この魔法は闇の霧を広げて敵の体力を奪う効果を持ち、多くのマッドサラマンダーを無力化した。さらに、海中の個体にも効果が及び、大量の死体が水面に浮かんだ。これにより、防衛ラインが安定し、敵の勢いを大きく削ぐことができた。

防衛作戦の課題と回収作業
スライムを中心とした防衛作戦は成功したが、スライムたちは倒した敵を運ぶことができないため、冒険者と漁師が協力して死体を回収する必要があった。死体が積み重なることで後続のマッドサラマンダーが迂回し始める事態も発生したが、迅速な対処により被害は防げた。討伐は約1時間後に終了し、無事に作戦を完了した。

村の生活とニキ少年の成長

昼食とニキ少年の仕事
昼食をとるため加工場に向かうと、ニキ少年が罰として水汲みの作業を手伝っている姿が見られた。彼は慣れない作業に奮闘しながらも、明るく元気な態度を見せていた。リョウマは彼を励まし、スライムについての話を後で聞かせる約束を交わした。

和の料理と領主の政策
昼食には珍しい白米が提供された。これは領主が技術者を招聘して領内での米栽培を始めた成果であり、村の住民にとっても比較的手に入れやすい贅沢品となっていた。領主は住民の生活を向上させるための政策を積極的に行い、住民から慕われる人物であることが語られた。

ゴブリン問題と領主間の対立

ゴブリンの檻の発見
討伐中に倒したゴブリンについての話題が上がり、隣村付近の森で檻が見つかったという情報がもたらされた。これは隣領の貴族が嫌がらせ目的で仕掛けた可能性が高く、領主間の対立が背景にあると推測された。村の冒険者たちは、これが頻繁に起こる問題であるため冷静に対応していた。

今後の討伐とリョウマの計画
討伐の成果から、他地域への冒険者の派遣が検討されていた。リョウマはスライムの力を活用することで、防衛に支障はないと考え、これを機に自身のトレーニングを重視する計画を立てた。彼はスライムの活躍を通じて、戦術と日常の向上を目指していく決意を新たにした。

スライムの話と村での布教活動
昼食後、リョウマはニキ少年とスライムの話をする準備を進めた。少年に興味を持たせ、楽しんでもらうためにどう説明するかを考えながら、布教活動の難しさを実感していた。しかし、周囲の温かい視線を感じながら、彼は次なる話題と活動に向けて動き出した。

6章 12話  有能な少年

スライムの研究と新たな発見

スライムの種類と進化の可能性
リョウマはニキ少年に飼育しているスライムの種類や役立つ能力、さらに一部の進化過程を説明した。ニキ少年は特にメディスンスライムに興味を示し、村の医療事情からその利便性を感じ取った。しかし、リョウマは飼育や管理の難しさも伝え、ヒールスライムの方が初心者には適していると勧めた。また、スライムの進化が餌によって変わることを例を挙げて説明し、その奥深さに少年も感心していた。

寄生虫を好むブラッディースライムの発見
ニキ少年の提案で村中から不要物を集め、スライムたちに与えたところ、一部のスライムが反応を示した。その中で、ブラッディースライムが特定の魚の内臓に強い関心を示した。さらに、鑑定魔法を用いることで、その内臓には寄生虫が含まれていることが判明した。寄生虫がスライムの餌となる可能性に、ニキ少年や村の大人たちも驚きと期待を寄せた。

寄生虫を利用した可能性と村への貢献
リョウマは寄生虫を食べるブラッディースライムを用いて、魚の安全性を判断する方法を提案した。このアイデアにより、寄生虫の少ない魚を選別し、生で食べられる魚を特定する可能性が示された。漁師である村人たちもこの提案に興味を持ち、安全性の向上と食文化への応用に期待を寄せた。

ブラッディースライムの進化への期待
ブラッディースライムが寄生虫を食べた結果、どのように進化するのかという課題が浮上した。リョウマは、進化の過程を観察し、寄生虫を利用した新たなスライムの可能性を探求することに意欲を示した。寄生スライムや輸血に関連するスライムの存在についても考察を巡らせたが、具体的な結論には至らなかった。

研究への情熱と村の協力
ニキ少年と協力しながら、大量の不要物を整理し、スライムたちの反応を確認する作業を進めた。村の大人や子供たちも遠巻きに見守る中、スライムたちの餌の好みや反応を詳細に記録した。リョウマは、この一見ゴミの山に見えるものを宝の山と捉え、新たな研究の進展に期待を膨らませていた。

6章 13話  無限の可能性の一端

スライムと新たな発見

毒魚とスライムの進化可能性
ニキ少年とリョウマは、毒を持つ魚が多く含まれた籠を確認した。これらの魚は村では毒や寄生虫の危険性、調理の手間からほとんど食されていなかったが、スライムたちがこれらに興味を示した。特にポイズンスライムはオコゼに似た魚の毒針にのみ反応し、その観察から新たな進化の可能性が見出された。

貝殻とカニによるスライムの反応
次に扱ったのは毒貝と食用貝の殻であった。食用貝の殻にはアシッドスライムが反応し、さらに進化の可能性が示唆された。また、蟹に対してスティッキースライムが反応を見せ、殻と肉それぞれへの興味が確認された。これも進化観察の対象とされた。

水草や藻類の利用
村の漁で発生する水草や藻にもスライムたちが興味を示した。特にウィードスライムが反応し、進化のきっかけになる可能性が確認された。スライムたちの反応は、自然界の多様な要素がスライム研究に貢献することを示唆していた。

村で得られる素材の利用計画
ニキ少年の助けを借りて集めた素材から、新たに13種類のスライム進化の可能性が整理された。その中には特定地域の魚類や寄生虫を必要とするものがあり、リョウマは村に滞在中、これらの素材を活用しながらスライム研究を進めることを決定した。

夕食の楽しみと地元の酒造り
その夜、リョウマは村で得た食材を用いてホネナシ大根を振る舞った。村人たちはその味を称賛し、食事は地元の酒とともに和やかに進んだ。リョウマはまた、コツブヤリクサを使った地酒に関心を示し、それを作る方法を村人から学ぶ計画を立てた。

翌日への期待
リョウマとニキ少年は翌日もスライムの世話や素材の探索を継続する約束をした。スライムの進化と村での新たな発見を期待しつつ、一日の終わりを迎えた。リョウマは村の人々の温かい協力に感謝し、研究の進展に胸を膨らませていた。

6章 14話  意外な進化

新たなスライムの発見と進化の成果

寒さへの適応と防寒着の活用
朝の冷え込みが強くなり、リョウマは自作の防寒着を着用して寒さに対抗した。この防寒着はフラッフスライムの綿毛やスティッキースライムの防水加工を活かしたもので、機能性と快適性を備えていた。彼はこれを着込んで朝の活動に取り組んだ。

スライムの進化の兆しと村での活動
1週間にわたる活動の中で、リョウマはスライムたちの進化や新たな可能性を探求した。ニキ少年の協力を得ながら、村人たちから提供されたゴミや余剰物をスライムの餌として活用した。中でも、網や貝殻がスライムの進化に寄与し、新種の発見につながった。

ワイヤースライムの進化
網を食べ続けたメタルスライムが進化し、ワイヤースライムとなった。このスライムは細い糸を自在に伸ばす能力を持ち、その用途の広さからリョウマを驚かせた。スキル「伸縮」による応用の可能性が広がり、今後の研究に期待が高まった。

パールスライムの出現
アシッドスライムが卵と貝殻を食べ続けた結果、乳白色の美しいパールスライムが誕生した。このスライムは真珠の養殖の可能性を示し、その価値の高さゆえに慎重な取り扱いが求められることとなった。リョウマはその珍しさと高価さから、他者に公表することを避ける決断をした。

村での信頼と活動の成果
村人たちの協力を得て、リョウマはスライム研究を進めつつ、漁やゴミ回収を通じて地域に貢献した。村長からは貴重なスライムを譲り受け、ニキ少年とも連携を深めることで村全体での理解と支援が得られた。

今後の展望
進化したスライムの能力をさらに観察し、研究を進めることがリョウマの課題となった。特にパールスライムに関しては、その高い潜在価値を活かす方法を慎重に模索する必要があった。また、村で得た経験を今後の活動にどう活かすかが問われる状況であった。

6章 15話  呼び出し

水場と漁の神セーレリプタとの邂逅

ワイヤースライムの進化と新たな実験
ニキの協力のもと、リョウマはワイヤースライムの進化を観察した。スライムは網を餌に進化し、糸を細長く伸ばす能力を得た。その糸は太さを調整可能で、形状を変化させることで網やロープとしても機能した。また、糸の長さはスライムの体積によって制限され、核が露出するという特性が判明した。さらに、ニキと共にスライムの捕獲を続け、その成果としてウォータースライムの進化を成功させた。

領主からの急な招集
村に戻ると、領主からの使者が訪れ、翌日リョウマを含む村の主要人物との面会が告げられた。領主の訪問はリョウマの活動を称えるものと推測されたが、彼自身には領主と接点がなかったため、戸惑いを覚えていた。村長の助言を得て紹介状を準備し、明日に備えた。

祠での祈りと神との接触
帰路の途中、リョウマは古びた祠に目を留め、漁村の平穏と領主との無事な面会を願い祈りを捧げた。すると突然、彼の周囲が白い光に包まれ、水の中へと引き込まれる。そこで彼は水場と漁の神セーレリプタと出会った。

神からの厳しい指摘
セーレリプタは、リョウマの日常生活が「平凡すぎて冗長」と評し、もっと派手で見応えのある行動を心掛けるべきだと指摘した。神らしい威厳よりも、緩やかな雰囲気で彼に辛辣な意見を述べるセーレリプタの態度に、リョウマは困惑しつつもその言葉を受け止めた。

神との対話の意義
セーレリプタとの対話は、リョウマに日々の行動を他者の視点で考える契機を与えた。彼はこの経験を胸に、明日の領主との面会に向けて心を新たにした。

6章 16話  水場と漁業の神(前編)

神との対話と自身の内面の探求

セーレリプタの登場と対話の開始
セーレリプタはリョウマに対し、彼との共通点について問答を重ねた。リョウマが引きこもりがちで無神経、根暗といった特徴を挙げると、セーレリプタはそれを一部肯定しつつ、二人の根本的な考え方に類似性があると指摘した。その考え方は「弱肉強食」という信条に近いもので、彼らの根底に共通する部分として浮き彫りになった。

過去の経験と警戒心の形成
セーレリプタはリョウマの行動を分析し、彼が持つ無意識の警戒心について言及した。パールスライムの秘密を守る行動や、元暗殺者を見抜いた能力がその例として挙げられた。リョウマは自身の前世における人間関係や職場でのトラブル、社会の不条理な環境を経験しており、それが彼の警戒心や「弱肉強食」という信念を育んだとされた。

前世からの心の傷と現世での影響
セーレリプタはリョウマが前世の出来事を完全に克服できていないと指摘した。彼がガインたちに願った「自然の中で自由に暮らしたい」という願いがその証拠だと語られた。また、リョウマが公爵家の好意を受けつつも最終的に人間社会から距離を置いていることや、常に従魔と行動を共にし、人間の仲間を避ける傾向が強調された。

セーレリプタの洞察とリョウマの内面への言及
セーレリプタはリョウマに対し、彼の内面を明確に示した。リョウマは人間との親しい関係を求めながらも、それを築くことへの恐れを抱いているという指摘がなされた。この分析により、リョウマが無意識に他人を避ける理由とその影響が浮き彫りになった。

6章 17話  水場と漁業の神(後編)

神々との対話と自己再発見

セーレリプタの指摘と自己認識の問いかけ
セーレリプタはリョウマの行動や考え方を分析し、彼が他人との関係を望みつつも無意識に距離を取っていることを指摘した。リョウマの警戒心や戦闘能力への抑制は、過去の経験や理不尽な出来事による警戒心が影響しているとされた。さらに、彼は人間社会のルールに縛られることなく、自分の欲望や自由を追求するよう提案した。

神の力とリョウマの抵抗
セーレリプタはリョウマに精神的な影響を与える力を使用し、彼の本音を引き出そうとした。しかしリョウマはその影響に抗い、意識を保つことに成功した。セーレリプタは驚愕しつつも、リョウマの未知の抵抗力について興味を示した。その後のやり取りで、リョウマの無意識の行動が彼の警戒心と本能的な強さに根ざしていると結論づけた。

神々の介入とセーレリプタの処遇
突如現れたウィリエリスとグリンプは、セーレリプタの行動を厳しく非難した。ウィリエリスはセーレリプタを説教し、神々のルール違反として罰を科すことを宣言した。一方でグリンプはリョウマを助け出し、彼を労りながら事態を収拾した。ウィリエリスはリョウマに対し、自身の生き方を選択する自由があることを強調し、励ましの言葉を贈った。

セーレリプタの最後の助言
セーレリプタは去り際に、リョウマの未来に関する暗示的な言葉と、マッドスライムの探索方法という具体的な情報を伝えた。彼の最後の言葉は、真摯な雰囲気であり、リョウマに対する特別な感情が感じられた。

リョウマの決意と日常の幸せ
祠から帰る道中、リョウマはセーレリプタとウィリエリスの言葉を思い返した。未来にどのような困難が待ち受けていようとも、自分の幸せを追求していく決意を新たにした。帰宅後、家族の温かな迎えを受け、リョウマは今の平和と幸福を改めて実感していた。

特別書き下ろし・馬場の決意と神の夢

危機の会議室

社長の否定と馬場の説得
小会議室では社長の昭典が会見内容の変更を拒否し、馬場が事態を収拾するために非を認めるよう説得を試みた。しかし、昭典は会社の終焉を恐れ、現実を受け入れることを拒み続けた。馬場は彼を昭典君と呼び、その人間関係を頼りに説得を続けたが、昭典は過去の経営の苦労や裏取引に触れ、感情を爆発させた。

馬場の後悔と昭典の苦悩
昭典は父親である先代社長と比較され続けた過去を吐露し、その中で背負った苦悩とプレッシャーを語った。馬場はその姿にかつての真面目で誠実だった青年を思い出し、支えきれなかった自身の過去を悔やんだ。昭典の怒りと馬場の後悔が交錯し、状況はますます緊迫していった。

事故と転機
説得を試み続ける馬場とそれを拒否する昭典の衝突は、馬場の転倒事故を招いた。会議机の角に頭をぶつけた馬場は意識を失い、流血する事態に至った。驚愕した昭典は動揺し、秘書も対応に追われた。その間に偶然会議室を訪れた田淵が事態を目撃し、救急車を呼ぶなどして馬場の搬送を手配した。

昭典の決断と会見
馬場の搬送後、昭典は記者会見に臨み、会社の不祥事に対する責任を全面的に認めた。その行動は世間にある程度の誠意として受け取られ、事態の沈静化に繋がった。馬場が昏睡状態で訴えた誠実な対応が、昭典の心を動かしたのだと推測された。

病院での再会と語られた夢
病院で目覚めた馬場は、田淵から搬送中の出来事を聞き、昭典が誠意を持って会見に臨んだことを知った。馬場は意識不明時に神々と対話した夢を見たと語り、その中で竹林の転生や、自身の悩みが聞き届けられたことを感じたと話した。

未来への願い
最後に馬場と田淵は、亡き竹林が異世界で幸せに暮らしていることを祈りながら、会社の未来と昭典の決断が良い方向に進むことを願った。二人の祈りは、目には見えぬ神々への敬意と、明日への希望を象徴するものであった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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