どんな本?
『外れスキル《木の実マスター》 〜スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について〜』は、はにゅう氏による異世界ファンタジー小説である。2020年5月から「小説家になろう」で連載が開始され、後に書籍化された。物語は、スキルの実を食べることで得られる能力が存在する世界を舞台に、主人公が一見「外れ」と思われるスキル《木の実マスター》の真の力を発揮し、成長していく姿を描く。
主要キャラクター
• ライト・アンダーウッド:主人公。《木の実マスター》のスキルを持ち、複数のスキルを無制限に追加できる能力に目覚める。
• レーナ・フローリア:ライトの幼なじみで、Sランク冒険者。《剣聖》のスキルを持つ。
• アイラ・ローレンス:鑑定スキルを持つ少女で、ライトと共に行動する。
• モニカ・ボルスト:伝説の鍛冶師で、ライトたちの武器製作を担当する。
• ドラテナ・ベルベッリ:死霊操作スキルを持つ謎の少女。
物語の特徴
本作は、異世界ファンタジーの中で「外れスキル」と見なされる能力を持つ主人公が、その真の力を発揮し、成長していく逆転劇を描く。スキルの実という独特な設定や、予想外の展開、キャラクター同士の絆、スリリングな戦闘シーンが読者を惹きつける要素となっている。また、主人公の努力と成長、仲間との絆が丁寧に描かれており、読者に感動を与える作品である。
出版情報
• 出版社:講談社
• レーベル:Kラノベブックス
• 書籍版発売日:2022年1月(第1巻)
• 既刊:第6巻まで刊行(2024年5月時点)
• 電子書籍版:各電子書籍ストアで配信中
• コミカライズ:『月刊少年シリウス』および『マガジンポケット』で連載中
• アニメ化:2025年1月7日より放送開始予定
本作は、独自の設定とキャラクターの成長を描いた異世界ファンタジー作品。
アニメ化により、さらに多くのファンを獲得することが期待される。
読んだ本のタイトル
外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~
著者:はにゅう 氏
イラスト:イセ川ヤスタカ 氏
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あらすじ・内容
史上最高の冒険者を目指す少年、ライト。
彼がスキルの実を食べて手に入れたスキルは木の実栽培特化の外れスキル《木の実マスター》という、冒険者にはとても向かないスキル。
《剣聖》のスキルを得た幼馴染レーナとも別れ、新たな相棒の少女アイラと
農作業に従事する日々を過ごすライトだが、ある日ひょんなことから食べたら死ぬと言われている2つ目のスキルの実を食べてしまう。
苦しみながらも助かったライトは、外れスキルだったはずの《木の実マスター》の真の力――食べれば食べるほどに、スキルを増やすことができるチート能力を知る!
スキルの力を縦横無尽に使い、冒険者としてライトは最強への道をひた走る!
感想(1巻)
2巻が待たれる中のアニメ化
本作は1巻が発売されて2年経つが、続編が出ていない状態でアニメ化された作品である。
コミックが順調だったのだろう、でも原作が1巻で打ち切られたのにアニメ化。
その事実だけでも多くの疑問を抱かせるものであった。
もし、2巻が出ても個人的には続きには手を伸ばさないと思う。
タイトルからは読み取れなかった設定
「食べたら死ぬ実を複数回食べても死なない」という設定は、タイトルだけでは予測できなかった。
確かに興味をそそるが、ストーリー展開に説得力を欠く部分もあり、引き込まれる要素は少なかった。
キャラクターとストーリーの不一致
主人公ライトの行動や心情には共感しづらい部分が多く、特に「挫折からの成長」というテーマが弱く感じられた。
また、レーナとの再会シーンやアイラとの関係構築もどこかぎこちなさが残る。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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あらすじ・内容
アニメ放送中!
ライトたちの命を狙うその存在の正体は――!史上最高の冒険者を目指しながら、外れスキルである《木の実マスター》となったライト。
だが、その《木の実マスター》の真の力、スキルの実を複数食べても死なず、スキルを無限に増やすことができる能力を手に入れた!
幼なじみで《剣聖》のスキルを持つレーナや《鑑定》スキルを持つ少女アイラとともに悪だくみする聖女を倒し、旅に出るライトたち。
だが、彼らを追う謎の少女がいた。
復讐を誓うその少女の正体は――?
コミックもアニメも絶好調!
感想(2巻)
買わないと前の巻の感想で書いておきながら、好奇心に負けて買ってしまった。
そして読んで壮絶に後悔中。
かーちゃん殺した犯人は目の前のコイツだよ!!!!
しかも別の奴を殺しおった((((;゚Д゚)))))))
本当にコレ、続くのか?
その他フィクションョン

アニメ
備忘録
プロローグ
スキルの実の仕組みと運命の選択
スキルの実は、一度食べるだけで人生を左右する能力を与えるものであった。この実を食べた人間は、戦闘系のスキルを得れば冒険者として大成する可能性があるが、それ以外のスキルでは安定した職業に就く程度に留まる。ライトと幼馴染のレーナも、この運命の日を迎え緊張していた。
聖女からの警告と緊張の瞬間
スキルの実は一度しか食べられず、二度目を試みると死に至る危険があるという警告が聖女から伝えられた。二人はその言葉を重く受け止めつつ、運命の選択に挑む覚悟を固めていた。
レーナの覚醒と光明
最初に実を食べたのはレーナであった。彼女が得たスキルは《剣聖》という強力な戦闘系スキルであり、聖女はその希少性に驚愕した。これにより、レーナは冒険者としての未来を約束された存在となった。
ライトの挫折と失望
次にライトがスキルの実を食べたが、彼に与えられたのは《木の実マスター》という農業向けのスキルであった。戦闘系スキルを望んでいたライトにとって、それは大きな失望であり、冒険者としての夢は絶たれた。
聖女の説得と二人の別れ
聖女は《剣聖》の価値を説き、レーナを冒険者として導くべく説得を開始した。レーナはその圧力に抗えず、冒険者としての道を進むことを受け入れた。ライトはその光景を悔しさを抱えながら見守ることしかできなかった。
新たな未来への余韻
連れて行かれるレーナは、ライトに「待っている」と伝えた。その言葉は、ライトにとって希望とも苦しみともなる感情を残したまま、二人の道は分かれたのである。
第一章 二つ目のスキル
農民としての日常と苦悩
ライトは《木の実マスター》のスキルを得てから農民として暮らしていた。収穫に専念する日々を送りながらも、戦闘系スキルを得られなかったことへの失望はぬぐえなかった。贅沢な生活は望めず、レーナとの格差が広がる現状が彼の心を重くしていた。
レーナの活躍と引き離される現実
レーナは《剣聖》のスキルを得て、今やSランク冒険者として名を馳せていた。彼女の成功はライトにとって誇らしくもあり、遠い存在に感じられるものでもあった。農民としての日々の中で、ライトは彼女との再会を夢見ることすら躊躇するようになっていた。
新たな相棒との生活
ライトは村長から押し付けられる形で灰髪の少女アイラを相棒として迎えた。アイラは家事を担当し、ライトの生活を支えていたが、二人の関係はまだぎこちなく、距離を感じさせるものだった。互いに遠慮しながらも、役割を分担して日々を過ごしていた。
スキルの実を巡る事件
アイラが料理にスキルの実を使ったことで、ライトは二度目のスキルの実を口にしてしまった。しかし、彼は予想外にも無事であり、新たなスキル《剣神》を得たことを知る。一方で、スキルの実を食べたアイラも新たな能力を発現させた様子を見せた。
スキルの秘密と新たな可能性
アイラの発現した鑑定系のスキルにより、ライトの《木の実マスター》には毒を無効化する隠された能力があることが判明した。この特異な能力により、ライトはスキルの実を無限に食べることが可能であると示唆された。
相棒としての信頼と希望
事件後、ライトは体調を崩したアイラを優しく介抱し、彼女を休ませるため尽力した。アイラの能力が明らかになったことで、二人の関係には新たな希望が生まれつつあった。ライトは相棒としてのアイラとの絆を深めながら、新たな未来への可能性を模索し始めていた。
アイラの体調回復とスキルの確認
ライトは翌朝、アイラの体調が回復したことに安心した。前日の出来事を振り返り、アイラが得たスキル《鑑定》の能力を確認した。《木の実マスター》や《剣神》といったスキルの詳細が見える能力であり、特に《剣神》の力について、攻撃力や魔法耐性の向上といった有用な効果を持つことが分かった。
初めての冒険者ギルド訪問
試し斬りと収入のため、ライトはアイラと共に冒険者ギルドを訪れた。ギルドの喧騒に圧倒されながらも、低難易度のスライム討伐依頼を受注する。農民であるライトとアイラは場違いな存在として注目を浴びたが、依頼を受けること自体は問題なく進んだ。
スライム討伐と《剣神》の力
ライトは依頼先の平原でスライムと遭遇し、初めて《剣神》のスキルを使用した。軽快な剣さばきでスライムを瞬時に倒し、その強力な能力を実感した。《剣神》は身体能力を飛躍的に向上させ、未熟なライトでも見事な戦いを可能にした。
ジーンとの再会とオーガとの対峙
スライム討伐を終えた後、ライトとアイラは偶然ジーンたち新人冒険者と遭遇した。彼らは予期せぬオーガに苦戦しており、ライトはアイラの安全を考えつつ戦闘に参加した。オーガとの戦いでは、《剣神》のスキルが発揮され、ライトは一瞬でオーガを討ち取ることに成功した。
戦いの余韻と新たな一歩
オーガ討伐後、アイラは冷静にオーガの耳を収集し、報酬獲得の準備を進めた。ジーンたちはライトの実力を目の当たりにし、その存在に恐れを抱く様子を見せた。ライトとアイラは互いの絆を深めながら、次の冒険に向けた一歩を踏み出した。
オーガ討伐の報酬とギルドでの待機
ライトとアイラはギルドでオーガ討伐の報酬について確認を求めた。受付嬢は驚きつつも換金可能だと告げ、報酬が追加されることが決まった。換金作業の間、ライトは冒険者への転職を考えつつ、アイラと一緒に椅子で待機した。アイラは久しぶりのご馳走を想像して期待を膨らませていた。
レーナとの再会
ギルド内が突然ざわつき、金髪の人物が現れた。それはライトの幼馴染であり、現在は《剣聖》のスキルを持つSランク冒険者となったレーナであった。ライトは彼女と目を合わせることを避けようとしたが、レーナが彼を一目で見分けて駆け寄ってきた。再会に感激したレーナは、ライトを喫茶店に連れ出し、近況を語り合った。
レーナの苦悩と提案
喫茶店での会話で、レーナは仲間との不和や孤独感を明かし、ライトとアイラに仲間になってほしいと頼んだ。ライトは迷いながらも、アイラの提案もあってそれを受け入れた。レーナは喜び、ライトとアイラが彼女の新しい仲間になることで、孤独が癒されることを期待した。
ギルドでの騒動とライトの実力
その後、ギルドで大柄な冒険者が暴れている場面に遭遇した。ライトは的確な判断で彼を鎮め、その強さにレーナは驚きを隠せなかった。ライトのスキル《剣神》が圧倒的な力を発揮し、彼が冒険者としても通用する実力を持つことが明らかになった。
ライトの秘密と新たな絆
ライトはスキルの実を複数食べても死なない特異体質であることを明かし、《木の実マスター》と《剣神》の二つのスキルを持つことを説明した。アイラの《鑑定》スキルがその秘密を明らかにしたことも語られ、レーナは驚きながらもライトの成長を喜んだ。三人の絆は深まり、レーナの仲間として新たな冒険を共にすることが決まった。
新たな旅立ちの準備
その日の夜、レーナの家に泊まることが決まり、三人はギルドを後にした。ライトとアイラはこれから始まる新たな冒険に期待と緊張を抱きながら、レーナとの再会に感謝の気持ちを感じていた。
第二章 《剣聖》のレーナ
朝の訪問と依頼の提案
レーナは勢いよく扉を開けてライトとアイラを起こそうとしたが、二人は既に起きていた。ライトが早起きの習慣を話すと、レーナは驚きつつも新たな依頼に二人を誘った。依頼内容は「廃館で発生したアンデッドの討伐」であった。アイラは同行を申し出、レーナの強い後押しもあり、三人で依頼を遂行することとなった。
廃館での戦闘とレーナの活躍
廃館に到着した三人は、レーナを中心にアンデッドとの戦闘を開始した。レーナは《剣聖》のスキルを駆使して圧倒的な実力を発揮し、次々とアンデッドを倒していった。アイラとライトはその姿に感心しつつも、二階では大量のアンデッドが現れ、レーナ一人では対処しきれない状況となった。
邪龍の出現と絶望的な状況
アンデッドが巨大な魔法陣を召喚し、邪龍を呼び出してしまった。邪龍は強力な斬撃耐性を持ち、レーナとライトの剣では太刀打ちできない相手であった。アイラはスキルの実を持ち出して状況打開を試みたが、当初得られたスキルは役に立たないものばかりであった。
《睡魔》スキルによる逆転
最終的にライトは《睡魔》というスキルを得た。このスキルは睡魔の鱗粉で対象を眠らせる能力を持ち、邪龍に対しても効果を発揮した。小さな睡魔が邪龍に接近し、鱗粉を吸わせた結果、邪龍はその場で眠りに落ちた。
廃館からの撤退
邪龍が眠りについた隙に、三人は廃館から撤退を決意した。レーナの疲労を支えながら、ライトはアイラと共に逃げ切ることに成功した。戦闘の困難さとスキルの力を実感しつつ、三人は新たな戦いに備える必要性を感じていた。
第三章 ギルドマスター登場
ギルドでの冒険者登録とパーティー申請
三人は朝早くギルドを訪れ、ライトとアイラの冒険者登録を進めた。レーナの存在に受付嬢が驚きつつも、二人は無事にFランク冒険者として登録を完了した。しかし、パーティーを組むためにはランク差の規約が問題となり、Bランクへの昇格が必要だと分かった。アイラの提案で、昇格用のゴーレム討伐依頼を受けることとなった。
森でのゴーレム捜索と遭遇
三人は地図を頼りに森へ向かい、ゴーレムを探した。スキル《虫耐性》の効果で道中は順調だったが、ゴーレムはなかなか姿を現さなかった。探索を進める中で見つけた巨大な岩が、実はゴーレムであると判明した。岩の正体を知った直後、ゴーレムが動き出し、戦闘が始まった。
スキルの実で得た新たな力
ライトはスキル《睡魔》が効かないことに気付き、アイラの勧めでスキルの実を使用した。その結果、《白刃抜刀・防》《白刃抜刀・瞬》《白刃抜刀・堅》という新たなスキルを得た。アイラの助言に従い、ライトは抜刀技を駆使してゴーレムを攻撃し、その圧倒的な威力でゴーレムを見事に倒した。
戦いの余韻と疲労
ゴーレム討伐後、ライトは新スキルの使用による疲労感に襲われ、その場に座り込んだ。レーナとアイラはライトの活躍を称賛しつつ、戦闘の余韻に浸った。新たなスキルの強力さと制約を実感しつつも、二人との信頼を深めた瞬間であった。
第三章 ギルドマスター登場
ギルドでの冒険者登録とパーティー申請
三人は朝早くギルドを訪れ、ライトとアイラの冒険者登録を進めた。レーナの存在に受付嬢が驚きつつも、二人は無事にFランク冒険者として登録を完了した。しかし、パーティーを組むためにはランク差の規約が問題となり、Bランクへの昇格が必要だと分かった。アイラの提案で、昇格用のゴーレム討伐依頼を受けることとなった。
森でのゴーレム捜索と遭遇
三人は地図を頼りに森へ向かい、ゴーレムを探した。スキル《虫耐性》の効果で道中は順調だったが、ゴーレムはなかなか姿を現さなかった。探索を進める中で見つけた巨大な岩が、実はゴーレムであると判明した。岩の正体を知った直後、ゴーレムが動き出し、戦闘が始まった。
スキルの実で得た新たな力
ライトはスキル《睡魔》が効かないことに気付き、アイラの勧めでスキルの実を使用した。その結果、《白刃抜刀・防》《白刃抜刀・瞬》《白刃抜刀・堅》という新たなスキルを得た。アイラの助言に従い、ライトは抜刀技を駆使してゴーレムを攻撃し、その圧倒的な威力でゴーレムを見事に倒した。
戦いの余韻と疲労
ゴーレム討伐後、ライトは新スキルの使用による疲労感に襲われ、その場に座り込んだ。レーナとアイラはライトの活躍を称賛しつつ、戦闘の余韻に浸った。新たなスキルの強力さと制約を実感しつつも、二人との信頼を深めた瞬間であった。
ギルドでの昇格確認とギルドマスターの登場
依頼を終えた三人はギルドの奥に案内され、ギルドマスターとの対面を待った。ライトは緊張していたが、現れたのは年若い少女だった。この少女こそがギルドマスターであり、ライトはその若さに驚きを隠せなかった。ギルドマスターはレーナに親しげに接しながらも、迅速にライトとアイラの昇格を確認し、問題ないと判断した。
ギルドマスターと聖女の会話
ギルドマスターはその足で聖女の元を訪れ、レーナを自由にしてほしいと提案した。聖女は冷静ながらもギルドマスターの言葉を否定し、自分がレーナを導く責務を持っていると主張した。二人の間に緊張が漂う中、ギルドマスターは説得を諦め、退散するしかなかった。
パーティー登録とレーナの夢
パーティー登録が完了した後、三人は今後の計画を話し合った。レーナは他国での冒険を夢見ていると明かし、ライトとアイラもその夢を支持した。ただし、レーナは邪龍の出現を自分の責任と感じており、まずはその討伐を目指すと決意を語った。ライトはレーナを励ましながら、彼女の計画に共に挑む意思を固めた。
自由への喜びと不穏な影
聖女の影響を受けることなく動ける自由を得たレーナは、その新たな一歩に喜びを感じていた。しかし、三人が安心している背後で、聖女の執念深さが新たな波乱を予感させるものであった。
第四章 聖女の執念
聖女の策略とアイラへの危機
聖女の不満と対策の決定
聖女は、レーナが元農民であるアイラとパーティーを組んだという報告を受け、不機嫌そうに舌打ちをした。彼女は農民という存在に根深い嫌悪感を抱いており、特にアイラのような背景不明の存在を許せなかった。従者から「レーナが国外へ出る可能性」を聞かされた聖女は、それを阻止するため、アイラたちの排除を指示した。部隊には、必要なら殺害も辞さない命令を出し、証拠を残さないよう厳命した。
アイラへの襲撃とライトの応戦
その夜、レーナの帰りが遅いことを心配したライトとアイラは彼女を迎えに出た。道中、アイラが突然攻撃を受け倒れ、暗闇から複数の敵が現れた。ライトは《剣神》の力を駆使して次々と敵を斬り倒したが、最後の数人が暗闇に紛れて逃げ去った。その場でレーナと合流したライトは、倒れたアイラを背負い、レーナが信頼する医者のもとへ向かった。
医者の診断と厳しい現実
医者の診察により、アイラは珍しい毒「テリビリン」に侵されていることが判明した。この毒は解毒が極めて困難で、過去に解毒に成功した者は一人だけで、その人物も既に亡くなっているとされた。医療スキルを用いた解毒も熟練度が必要で、アイラが命を落とすまでの二週間では不可能だと告げられた。
ライトの決意
絶望的な状況にレーナは言葉を失ったが、ライトは決意を固めた。毒を消す成分を持つ新しい木の実を作り出すことでアイラを救うと宣言した。その強い意志は、医者やレーナにも希望を抱かせるものだった。アイラを救うため、ライトは新たな挑戦に臨む覚悟を示した。
邪龍の脅威と聖女への疑念
犯人捜索の行き詰まり
レーナは、アイラに毒を打ち込んだ人物の情報を掴むため奔走していた。しかし、ライトが倒した敵の死体は既に回収され、現場には何の証拠も残されていなかった。犯人はプロの部隊と推測されたが、それ以上の手がかりは得られなかった。時間が迫る中、レーナはギルドマスターの協力を求める決断をした。
ギルドマスターへの相談
レーナはギルドを訪れ、ギルドマスターに面会を求めた。ギルドマスターはレーナの切迫した様子に驚きつつも、話を聞くことに同意した。レーナは、ライトとアイラが襲われた経緯を説明し、犯人に心当たりがないか尋ねた。ギルドマスターはこの事件の重要性を認識し、協力を約束した。そして、レーナの意図を汲み取り、二人で聖女の元を訪れることを提案した。
聖女との対話
ギルドマスターとレーナは聖女のもとを訪ね、アイラ襲撃についての心当たりを尋ねた。聖女は冷静に否定し、証拠がない以上、他の機関に任せるべきだと主張した。ギルドマスターは、聖女の言葉に疑念を抱きながらも、彼女の心を探るために接触を試みた。しかし、その瞬間に邪龍の接近が報告され、事態は一変した。
邪龍接近の報告
従者が現れ、邪龍が一週間以内に街に到達するとの報告を行った。この情報により、ギルドマスターとレーナの計画は中断された。聖女はすぐにその場を立ち去り、ギルドマスターも会議の場に呼び戻された。レーナもまた、この非常事態を無視できず、ギルドの会議に参加することを決意した。
新たな局面への挑戦
ギルド会議への参加を決めたレーナは、邪龍への対策に向けて動き出した。同時に、聖女への疑念は解消されず、事件解決への道筋も見えないままだった。状況は一層混迷を深めていったが、レーナは諦めることなく、新たな挑戦に向き合う覚悟を固めた。
邪龍との戦いと新たな決断
聖女の困惑と戦場の緊迫感
聖女は結界内から邪龍の動きを監視していたが、その圧倒的な力に困惑していた。冒険者たちは次々と蹴散らされ、Sランク冒険者のバロンドとレーナだけが辛うじて応戦していた。聖女の従者によれば、二人は邪龍に攻撃せず時間を稼いでいるように見えるという。聖女はその理由が分からず苛立ちを募らせたが、突然の邪龍の咆哮が状況を一変させた。
ライトの登場と邪龍撃破
邪龍の腕を斬り落としたのは、予想外にもライトであった。《白刃抜刀》や《剣神》のスキルを駆使し、ライトは邪龍を追い詰めた。さらに《睡魔》のスキルで邪龍の動きを封じ、致命的な一撃を加えた。倒れたレーナを助け起こしながら、ライトは自らの力で邪龍を討伐し、戦いに終止符を打った。バロンドをはじめ冒険者たちはその力に驚愕し、ライトへの称賛を惜しまなかった。
聖女の部屋での発見
戦いの後、レーナは邪龍に破壊された神殿を探索していた。そこで彼女は聖女の部屋に偶然入り込み、隠されていた薬瓶を見つけた。その瓶には、アイラを襲った毒「テリビリン」の名前が記されていた。レーナは驚愕しながらも、この発見が聖女に対する疑念をさらに深める結果となった。
新たな旅立ちの決断
邪龍を討伐した後、ライトは連日の取材攻勢に疲れていた。そんな中、レーナは国を出て新たな冒険を始める提案をした。アイラもライトに従う意志を示し、ライトは二人の気持ちを受け入れ、ミルド国への移住を決断した。邪龍との戦いを終えた三人は、新たな地で新たな冒険を求める旅に出る準備を整えていた。
出国前夜と聖女との対峙
レーナの出発前夜
レーナたちは翌日の出国に向け準備を整えていた。ライトとアイラは早起きに慣れており問題ないが、普段朝が苦手なレーナは少し緊張した様子を見せていた。その後、レーナは「やり残したことがある」と言い残し、一人で外出した。ライトは彼女の強い意志を感じ取り、深く詮索せず送り出した。
聖女との対話と対峙
レーナは聖女のもとを訪れ、「出国の挨拶」と称して対話を求めた。聖女は驚きつつも、レーナの言葉からライトを連れて行く意図を察し、引き留めようと試みた。しかし、レーナはアイラへの毒が聖女の仕業であることを突きつけ、対話から一転、対峙する形となった。最終的にレーナは聖女にテリビリンを注射し、「さようなら」と告げて立ち去った。
新たな旅立ち
翌朝、レーナは明るい笑顔で朝食を準備し、ライトとアイラを迎えた。レーナは「新しい国への期待」を語り、三人は静かに国を離れることを決めた。ライトは街の騒がしさを気にしたが、レーナは動じることなく旅立ちを提案し、三人は新たな冒険への一歩を踏み出した。
聖女襲撃事件の発覚
同じ朝、ギルドマスターは聖女が襲撃され意識不明との報告を受けた。医者は毒がテリビリンであると診断し、解毒には特殊なスキルを持つ者が必要と説明した。しかし、候補者として挙がったライトは既に国を出国しており、聖女が農民を排除していたことから他の協力者も見つけるのが困難と判明した。ギルドマスターは「ツケが回った」と呟き、場に静寂が漂った。
エピローグ
聖女の葬儀とギルドマスターの心情
ギルドマスターは聖女の葬儀会場で従者に促されながら花を供えた。聖女の襲撃から二週間が経過したが、治療は間に合わず聖女は帰らぬ人となった。農民たちに協力を仰いだものの、誰一人手を貸す者はいなかった。この出来事により、聖女がいかに農民から嫌われていたかが明らかとなり、ギルドマスターは深い無力感に包まれていた。
懐かしき冒険者との再会
葬儀の場でギルドマスターは、かつてのギルド所属の冒険者であるコトネとデイビスに再会した。二人は聖女の最期を見届けるために帰国し、花束を捧げる準備をしていた。コトネの失言とデイビスの注意という昔と変わらないやり取りに、ギルドマスターは少しの安堵を感じた。二人は去り際に「聖女の娘、マリアに会うべきだ」と提案し、会場を後にした。
聖女の娘、マリアとの会話
ギルドマスターはマリアに声をかけ、聖女の死について慎重に話を進めた。マリアは聖女が多くの人間を裏で殺害し、報復されて当然であったと冷静に述べた。その一方で、聖女を殺害した犯人を自ら探す意志を明かした。ギルドマスターが引き止めようとしたが、マリアはナイフでギルドマスターの手を軽く傷つけ、「邪魔をすれば殺す」と警告を残し立ち去った。
ギルドマスターの無力感
マリアの決意と冷徹な行動にギルドマスターは言葉を失い、ただ彼女の背中を見送るしかなかった。聖女の死を巡る一連の事件が、さらなる波乱を呼ぶことを予感させる一幕であった。
書き下ろし
新しい生活と一時の休息
ライトたちは冒険者パーティー登録を終え、昇格後の疲れを癒すために数日の休息を取っていた。ライトの提案でアイラとレーナは同じ寝室を使うことになり、新しい生活が始まった。アイラは初めての経験に緊張していたが、レーナとの会話の中で徐々に打ち解けていった。二人はそれぞれライトとの思い出を語り、互いに軽い嫉妬を抱きながらも、仲の良い雰囲気を保っていた。
祠の調査依頼と不気味な気配
ライトたちは調査依頼のために祠へ向かった。道中、二人の間には喧嘩の名残が感じられたが、依頼内容に集中することで気まずさを忘れようとしていた。祠に到着すると、不気味な気配が漂い始めたが、敵の姿は見当たらなかった。祠を調査する中で突然ゴーストが出現し、アイラがレーナを庇って吹き飛ばされるという事態に発展した。
狼との遭遇と和解
吹き飛ばされたアイラは狼の親子と遭遇し、危機に陥った。そこにレーナが駆けつけ、圧倒的な力で狼を撃退した。危険を乗り越えた二人は互いに謝罪と感謝を伝え合い、和解を果たした。涙を流しながら抱き合う二人を見て、駆けつけたライトは状況を理解できず困惑するも、二人の関係が修復されたことに安堵した。
再び始まる日常と深まる絆
翌日、アイラとレーナは以前よりも仲睦まじい様子を見せ、ライトを驚かせた。喧嘩を乗り越えた二人は姉妹のような関係を築き、パーティーの雰囲気も良好になっていた。アイラは最後にライトへ感謝を伝え、微笑んだ。その微笑みには二人の絆がさらに強くなったことが表れていた。
2巻
プロローグ
聖女殺害と国の混乱
聖女が毒殺されたという知らせは、瞬く間にララノア国全域に広がった。使用された毒は一般には流通していないテリビリンであり、犯行の背景には権力争いや個人的な恨みがあるのではと噂されていた。犯人は特定されていなかったが、聖女を批判していた組織が次々と摘発され、国中が混乱状態に陥った。この騒動が収束するのは、真犯人が捕まり判決が下された後になると予想されていた。
馬車での移動と新天地への期待
そんな中、ライトたちはララノア国を出国し、新天地ミルド国を目指していた。馬車に揺られながら、ライトは昼食の時間を迎え、レーナが用意した弁当を楽しんでいた。アイラも同様に弁当の美味しさに感動し、馬車の中には穏やかな雰囲気が流れていた。レーナは新天地での生活に期待を膨らませ、ララノア国での戦いの日々から離れ、落ち着いた生活を送りたいと考えていた。
レーナの不安と隠された真実
ライトがララノア国に戻る予定について尋ねると、レーナは言葉を濁した。彼女は国が現在混乱していることを知っていたが、その事実をライトとアイラには伝えなかった。国が聖女殺害の犯人を血眼で捜している今、帰国はあまりにも危険すぎた。彼女は自分の罪を墓場まで持っていく決意を固め、ライトたちに真実を語るつもりはなかった。
ミルド国を目指すもう一人の旅人
一方、別の馬車にもミルド国へ向かう者がいた。黒髪の若い女性マリアである。彼女は細身でか弱い印象を与えたが、その目には冷たい光が宿っていた。御者は旅の目的を尋ねたが、彼女は「母がお世話になった人を探している」とだけ答えた。その言葉にどこか含みがあり、御者は違和感を覚えつつも深く追及しなかった。
復讐の誓いとミルド国への到着
会話が進む中、マリアは「聖女を殺した者を捜している」と明かした。御者は驚愕し、彼女が聖女の娘であることに気付いた。さらに、マリアは兵士の助けを求めるつもりがないことを語り、その理由を「邪魔だから」と断言した。御者はその言葉の意味を考え、彼女が犯人を捕らえるのではなく、殺すつもりなのではないかと直感した。しかし、それを確かめるすべはなかった。
ミルド国に到着したマリアは、馬車を降りると深く息を吸い込んだ。これから始まるのは危険で過酷な日々。しかし、彼女は決して引き返すつもりはなかった。聖女の無念を晴らすため、そして自身の信念を貫くために。彼女の決意は固く、犯人をこの手で殺すまで諦めることはなかった。
第一章
ミルド国での新生活
ライト、アイラ、レーナの三人はミルド国に到着して数日が経過していた。新しい環境に慣れるため、宿で今後の計画を話し合っていた。彼らは住む場所や生活資金を確保する必要があり、最も効率的な手段としてギルドの依頼を受けることに決めた。レーナは冒険者としての経験が豊富であり、ライトとアイラを支えながら、共に活動することを楽しみにしていた。
ギルドでの違和感と騒動
三人はミルド国の冒険者ギルドを訪れた。ギルド内は活気に満ち、多くの冒険者で賑わっていた。依頼の数も多く、生活資金を得る手段には困らない状況だった。しかし、新入りの冒険者として注目を集めた三人は、武器を狙う者たちの標的となる。特にレーナとライトが持つ装備は目立ち、彼らを挑発する男たちが現れた。
その中の一人、グリーズが三人に絡み、レーナに喧嘩を仕掛けようとした。しかし、ライトが《睡魔》のスキルを使用し、彼を一瞬で眠らせた。周囲の冒険者たちはこれに驚き、ギルド内は一気に騒然となった。事態の収拾を図るため、三人はその場を離れることにした。
グリーズの復讐心
目を覚ましたグリーズは、自分が何者かに一撃で倒されたことを知らされ、怒りを募らせた。彼は仲間たちから「新人に負けた」と囃し立てられ、その屈辱を晴らすために三人を探し出し、報復しようと決意した。
ギルドを出たグリーズは、三人を捜すため路地裏を彷徨っていた。そこで偶然、黒髪の細身の女を見つける。彼女の名はマリア。異国の者のような風貌を持ち、静かに佇んでいた。グリーズは情報を得ようと声をかけたが、マリアは逆に彼に質問を投げかけた。そして、次の瞬間、彼の足をナイフで切り裂いた。
マリアの尋問と冷酷な手段
マリアはグリーズを捕らえ、地下の隠れ家へ連れ去った。彼女は聖女殺害の犯人を追っており、その手がかりを求めていた。しかし、グリーズは何も知らず、マリアの尋問に答えられなかった。彼女は用済みとなった彼を容赦なく殺害し、死体を自らのスキルで処理した。
マリアはすでに複数の者を尋問し、同じように始末していた。彼女の目的は、ミルド国に潜伏する犯人を見つけることであり、そのためにはどんな手段も厭わなかった。彼女の《予言》スキルによって、犯人がミルド国にいることは確実だったが、手掛かりはまだ少なかった。
追跡者と逃亡
マリアの行動はすでに目をつけられており、チンピラたちが彼女を捕らえようとしていた。彼女は応戦しながら逃走を試みたが、途中で犬に襲われ足を負傷する。血を流しながらも必死に逃げ続け、何とか追手を撒いたものの、傷の深さから動けなくなってしまった。
偶然の出会い
マリアが雨の中で倒れかけたその時、ライトたちが偶然その場に居合わせた。彼女の傷の深さを見たアイラが動揺し、レーナも助けるべきだと判断した。三人は意識を失ったマリアを宿へ運ぶことを決め、応急処置を施す準備を始めた。マリアは最後に、優しげな声を耳にしながら意識を手放した。
目覚めと救助者
マリアは暖かなベッドの上で目を覚ました。傷ついた足には丁寧に包帯が巻かれ、見知らぬ誰かによって手当てされたことが分かる。自分が敵ではない者に助けられたことに安堵しながら、状況を整理していた。
部屋にはアイラという少女が水を持って現れ、その後ライトという男が加わった。彼らの会話から、マリアが倒れていたところを助けられたのはレーナという人物の手柄であることが分かった。レーナは現在外出しており、薬を買いに行っているという。
新たな出会い
マリアは自分の傷の手当てをしてくれたアイラに感謝を述べる。アイラはお礼を言われることに慣れておらず、戸惑いながらも嬉しそうに微笑んでいた。ライトはマリアの怪我について尋ねるが、彼女は本当の理由を隠し、野良犬に襲われたと説明する。ライトはその話を疑うことなく納得した。
そこへ、レーナが帰宅し、マリアの回復を喜んだ。彼女もまた、マリアが目覚めたことに安心し、気さくに接した。マリアはレーナに感謝の言葉を伝え、レーナもそれを素直に受け入れた。
仲間としての受け入れ
レーナはマリアを友達として迎え入れ、特別な理由もなく自然に関係を築こうとしていた。その言葉にマリアは困惑する。これまで友達という存在と縁がなかった彼女にとって、それは簡単に結べる関係ではなかった。しかし、レーナはマリアの負担を気にすることなく、彼女を助けるのは当然だと考えていた。
三人はマリアの治療費を稼ぐため、ギルドの依頼を受けることを決定する。レーナとライトが仕事に出る間、アイラがマリアの看護を担当することになった。マリアは、会ったばかりの自分のためにここまで親身になってくれる三人の優しさに、警戒しつつも感謝の念を抱くのだった。
ヴァンパイア討伐の決定
ライトとレーナはギルドへ向かい、依頼を選ぶことにした。二人はヴァンパイア討伐の依頼に目をつけ、その報酬の高さからこれを受けることに決めた。ヴァンパイアは強敵であるが、二人にはそれを乗り越えられる実力がある。
ギルドでの手続きを終えた二人は、そのままヴァンパイアの棲む古城へ向かった。日が暮れる前に決着をつけるため、迅速に行動する必要があった。
ヴァンパイアとの対峙
古城に到着した二人は、慎重に内部へ侵入した。最上階の部屋にたどり着くと、そこにはヴァンパイアが布団に包まれて眠っていた。戦う間もなく、レーナは一撃で彼を仕留めた。
しかし、死んだはずのヴァンパイアは大量のコウモリとなって復活し、元の姿に戻った。彼は自らをナノと名乗り、戦う意思がないことを告げた。不死のスキルを持つ彼は、何度でも蘇るため、戦い続けることを避けたかったのだ。
取引と和解
ナノは戦闘を望まず、代わりに自ら耳を切り落とし、討伐の証拠として差し出した。これでギルドへの報告は可能となり、二人は彼と戦う必要がなくなった。ナノの話を聞くうちに、彼が人間を襲っていたのではなく、むしろ人間の方が彼を狙っていたことが判明した。
レーナとライトはギルドへ働きかけ、ナノのもとへ冒険者が来ないようにすることで合意した。これにより、ナノは安全に暮らすことができ、彼らも報酬を得ることができる。
問題のスキルと撤退
その後、ライトは新しく習得した《攻撃狂化》のスキルを試すことになった。しかし、このスキルは予想以上に制御が難しく、ナノを無意識に攻撃してしまった。彼が不死だったため問題はなかったが、その危険性を考慮し、ライトはこのスキルを封印することを決めた。
依頼を終えた二人は急いで街へ戻ることにした。マリアのための薬を購入し、アイラの待つ宿へと向かった。
マリアの疑念と決意
マリアはアイラと二人きりの間、彼女と打ち解ける努力をしていた。アイラがマリアのスキルについて言及したことで、マリアは驚きを隠せなかったが、その話はライトとレーナの帰還によって中断された。
レーナはマリアのために薬を購入し、彼女に手渡した。マリアは驚きながらも感謝を述べ、その親切に少しずつ心を開いていった。
マリアはこの国へ、母を殺した犯人を捜すために来た。しかし、レーナたちはそんな彼女の目的を知ることなく、純粋に協力しようとしていた。彼らの善意を前に、マリアは本当のことを話せずにいた。
レーナは彼女を友達として受け入れ、彼女の人捜しを手伝うと申し出た。マリアは戸惑いながらも、その申し出を断ることができなかった。彼女の心の中には、復讐心とは別の感情が芽生え始めていた。
回復と別れの決意
マリアの傷は完全に癒え、包帯も不要となった。レーナとライトが急いで薬を用意してくれたおかげで、病気の心配もなく、回復は順調だった。彼らに助けられなければ、自分がどうなっていたか分からないと考えると、マリアの心には初めて感謝の感情が芽生えた。
アイラの手当てにも礼を述べ、立ち上がると足の状態を確認する。もはや痛みはなく、普段通りに動けることを確信した。彼らの世話になりすぎたことを自覚しながらも、これ以上甘えるわけにはいかないと考え、荷物を手に取る。
突然の引き留め
マリアはこれまでの恩に感謝を述べ、宿を出る決意を伝えた。しかし、その言葉にレーナとアイラが驚いた様子を見せる。アイラは戸惑いながらも、マリアの手を強く掴み、必死に何かを訴えかけるような目を向けた。
レーナはマリアが人を探していることに言及し、手伝いたいと申し出た。アイラもそれに賛同し、二人とも本気で協力するつもりであった。しかし、マリアには彼らを巻き込むことへのためらいがあった。
危険な相手の存在
マリアは探している相手が危険な人物であり、冒険者として活動している可能性があることを伝えた。そのため、協力することでレーナたちにも危険が及ぶかもしれないと警告する。
レーナとアイラは一瞬沈黙し、マリアはさらに言葉を続けた。自分の戦いであり、すでに彼らの助けによって立て直せたため、一人で十分だと強調した。
決意と別れ
レーナは短く「そっか」と呟き、アイラはどう反応すべきか迷っていた。マリアはこの瞬間が出て行く最適な機会であると判断し、荷物を手に取る。
扉に手をかけ、改めて感謝を述べながら、彼らとの別れを告げた。
第二章
捜索の再開
マリアは治療のために予想以上の時間を費やしてしまい、犯人がすでにこの国を離れている可能性を懸念していた。自分の存在が気付かれていないことを願いながら、まずは手掛かりを得るためにギルドへ向かった。そこで、情報を持っていそうな冒険者に話を聞くことにしたが、最初に声をかけた女性冒険者にはそっけなく断られ、手掛かりを得ることはできなかった。
ギルド職員からの情報
途方に暮れていたマリアに声をかけてきたのは、ギルドの職員であった。彼女は親切そうな態度でマリアの話を聞き、最近この国に来たララノア国出身の女性のSランク冒険者の情報を提供した。それがマリアの探し人かどうかは不明だったが、これまでで最も有力な手掛かりであると感じた。職員は職務規則を破ってまで協力を申し出たが、マリアはその善意を利用し、冷静に情報を整理した。
仲間たちの迷い
一方、マリアの旅立ちを見送ったライトたちは、彼女を放っておいてよいのか悩んでいた。アイラの鑑定能力でも探し人の正体を特定することはできず、ただ無力感を覚えるばかりだった。マリアの身を案じつつも、彼女が自分たちを巻き込みたくないと考えていることを理解し、無理に同行することは避けるべきだと考えた。
独自の調査
レーナはマリアに知られないように、自分たちも密かに探し人を捜すことを提案した。ライトもそれに同意し、ギルドでの情報収集を始めることを決めた。ギルド内では冒険者の情報がすぐに広まるため、適切に動けば短期間で探し人の足取りをつかめる可能性があった。
Sランク冒険者の存在
ギルドの依頼を確認するために訪れた先で、彼らは偶然、地元の冒険者ノノカと出会った。彼女は明るく気さくな性格で、この国の事情に詳しかった。レーナが尋ねたところ、ノノカは最近この国にSランクの女性冒険者が二人来たことを知っていた。そのうちの一人がレーナ自身であるため、もう一人の正体が重要な手掛かりとなった。
墓地での依頼
その後、ライトたちはギルドの依頼を受け、貴族の墓地に住み着いた魔物の討伐へ向かった。目的地に到着すると、レーナは直感的に待ち伏せの危険を察知し、慎重に行動することを決めた。すると、地中から突如槍のような攻撃が飛び出し、レーナの判断の正しさが証明された。
アンデッドとの戦闘
墓地に潜んでいたのは、甲冑をまとった巨大なアンデッドであった。その鎧は異常なほど硬く、レーナの攻撃を受けてもほとんど傷つく様子がなかった。ライトが援護に入ろうとしたが、レーナがそれを制止し、慎重に戦うことを提案した。アイラの鑑定によると、その鎧はオリハルコン製であり、さらに特殊な耐久強化が施されていた。
崖からの落下作戦
通常の攻撃が通用しないと判断したアイラは、地形を利用した作戦を提案した。墓地の周囲には崖が広がっており、そこに誘い込めば倒せる可能性が高かった。レーナがアンデッドをおびき寄せ、ライトが背後から蹴り飛ばしたことで、アンデッドは崖下へ落下し、戦闘は終了した。しかし、戦利品として期待していた鎧も崖下へ消え、回収は不可能となった。
墓の秘密
戦闘後、レーナは墓を調べ、掘り返されている痕跡を発見した。棺を開けると、中には遺体ではなく、呪われた武器や防具が残されていた。鑑定の結果、それらには強力な呪いが付与されており、それが原因でアンデッドが生まれた可能性が高いと分かった。
鑑定スキルの進化
この一件を通じて、アイラの鑑定スキルが進化し、より詳細な情報が見えるようになった。試しにライトの《剣神》を鑑定したところ、驚くほど多くの能力が付与されていることが判明した。これまで分からなかったスキルの特性を知ることができ、ライトの強さの秘密が明らかになった。
新たな目標
今回の依頼を成功させたことで、ライトたちは新たな自信を得た。そして、マリアの探し人についても新たな情報を得ることができた。今後の行動方針を確認しつつ、彼らは次の探索に向けて準備を進めていった。
第三章
ギルドでの情報収集
ライトたちは報酬を受け取るためにギルドへ向かった。レーナは慣れた様子であったが、人混みが苦手なアイラは息苦しそうにしていた。報酬の受け取りには時間がかかるため、その間にSランク冒険者の情報を集めることにした。まず職員に尋ねたが、膨大な数の冒険者を相手にしているためか、心当たりがないとあっさり断られてしまった。
Sランク冒険者専用ラウンジ
一般のギルド内では情報が得られなかったが、アイラがSランク冒険者専用のラウンジを見つけた。そこなら目当ての人物について知る者がいるかもしれない。ラウンジに入ると、偶然くつろいでいたSランクのパーティーが目に入った。レーナが尋ねると、捜している冒険者はつい先ほどまでそこにいたという。彼女はラウンジに馴染めず、近くの安価な喫茶店へ向かったとのことだった。レーナたちはその喫茶店へ急いだ。
喫茶店での遭遇
ギルド近くの喧騒とは異なり、その喫茶店は静かで落ち着いた雰囲気を持っていた。レーナたちは中の様子を伺い、明らかに冒険者らしき人物を見つけた。彼女は大量のサンドイッチを食べながらくつろいでいた。アイラの鑑定によると、その人物は《旋律》というスキルを持っており、レーナはそれが知っている人物と同じスキルであることに驚いた。
メノアとの再会
レーナは確かめるため、その冒険者に声をかけた。彼女の正体はメノア、レーナの先輩であり、ララノア国のSランク冒険者であった。メノアは驚きつつもレーナを懐かしみ、再会を喜んだ。彼女は旅行でミルド国に来ており、長期休暇を満喫している最中だった。ライトとアイラも自己紹介をし、メノアは温かく迎えた。
観光の提案
メノアはミルド国で二週間ほど滞在する予定であり、一人で観光するのは寂しいため、レーナたちを誘った。レーナたちは最初は迷ったが、観光しながら捜し人の情報を集めることも可能と考え、同行を決めた。メノアは武器屋巡りを提案し、なんと剣をプレゼントすると申し出た。驚きつつも、レーナたちはその申し出を受け入れることにした。
ふりだしに戻るも前向きに
メノアとの再会は嬉しかったが、捜し人の件は振り出しに戻ってしまった。しかし、メノアの明るい性格のおかげで、落ち込むことはなかった。観光を通じて新たな情報を得る可能性もあるため、三人は気を取り直した。翌日の観光に備え、ライトたちはギルドで報酬を受け取った後、早めに休むことにした。
メノアの遅刻
ライトたちは中央広場でメノアを待っていたが、約束の時間を三十分過ぎても彼女は現れなかった。レーナはメノアの遅刻癖をよく知っていたため、慌てることなく待つことにした。そして予想通り、メノアは謝りながら慌てて駆け込んできた。寝坊したようで、髪には寝ぐせが残っていた。彼女の低姿勢な態度に怒る気にはなれなかったが、時間のルーズさだけが彼女の唯一の欠点であるとレーナは考えた。
伝説の武器屋へ
メノアが案内役となり、目的の武器屋へ向かった。彼女は地図を完全に記憶する特技を持っており、迷うことなく最短ルートで進んだ。そして到着したのは「ランドーラ工房」。見た目は小規模な店舗だったが、その歴史を感じさせる雰囲気が漂っていた。店内には珍しい剣が並び、レーナとライトもすぐに自分に合いそうな剣を見つけた。アイラの鑑定によると、それらは非常に質の高い武器であり、メノアは二人のために迷いなく購入を決断した。
メノアの豪快な買い物
メノアは自身の特注剣と合わせ、合計五百万ゴールドの支払いをギルドカードで行った。豪快な買い物ぶりにライトは驚きを隠せなかったが、メノアにとっては後輩への投資のようなものであった。彼女は「気にしないで受け取るように」と勧め、さらに「お礼はアイラに美味しいものを食べさせること」と指定した。
依頼の決定と馬車での移動
翌日、ギルドで依頼を確認し、ライトの希望で複数の魔物を討伐する任務を選んだ。目的地は南方のラブサウス地域。馬車の中でライトはメノアにアドバイスを求め、彼女は快く応じた。旅の途中でメノアの弟子が過去に一人いたことが判明し、レーナは意外そうな表情を見せたが、メノアは「厳しく指導する」と意気込んだ。
ゴブリンの巣の発見
ラブサウス地域に到着すると、自然豊かな風景がライトの故郷を思い出させた。アイラの観察によって、ゴブリンの足跡が発見され、巣が洞窟内にあることが判明した。メノアは警戒を呼びかけ、戦闘前にスキル《旋律》を使用し、全員の能力を強化した。ライトたちはその効果の高さに驚き、戦闘への準備を整えた。
ゴブリン討伐とメノアの戦術
ゴブリンたちは《旋律》の音に引き寄せられ、次々と姿を現した。ライトとメノアは即席ながらも完璧なコンビネーションを見せ、次々に敵を討ち倒していった。メノアはライトに合わせて動き、常に彼の近くでカバーを行っていた。その戦術眼と判断力にライトは感銘を受けた。最後の一匹はレーナが仕留め、討伐は無事に完了した。
ライトへのアドバイス
戦闘後、メノアはライトに戦い方について助言を与えた。ライトはスキルを多く持っているが故に戦闘中に迷いが生じ、それが動きの鈍さに繋がっているという指摘であった。さらにスキルの熟練度が上がりにくいことも課題として挙げられた。しかし、メノアは「この能力は唯一無二の強みであり、適切に使いこなせば飛躍的に成長できる」と激励した。
帰還と今後の成長
依頼を終えた四人は馬車へ戻った。ライトはメノアの指摘を受け、自分の戦闘スタイルを見直す必要があると実感した。メノアは彼の成長を楽しみにしており、次に再会する時には更に強くなっていることを期待していた。こうして、ライトの新たな挑戦が始まることとなった。
第四章
メノアの食事と観光
メノアは滞在中のミルド国で食を楽しんだ。二十皿以上もの料理を平らげ、地元の食材の美味しさに感動する。次に向かった甘味処ではパフェを楽しみにしていたが、道中で泣く男児を見かけ、助けるために予定を変更することにした。
子どもへの手助け
泣いている男児を見つけたメノアは事情を聞き、母親の薬代として千ゴールドを手渡した。男の子は冒険者を目指しており、メノアは先輩冒険者として励ました。子どもを見送った後、メノアは再び甘味処を目指した。
謎の女性マリアとの遭遇
甘味処へ向かう途中、メノアはマリアと名乗る謎の女性に声をかけられる。マリアは人気のない裏道へメノアを案内した。メノアは警戒心を持ちつつも、興味を惹かれ地下室へと同行した。
マリアの正体と聖女との因縁
地下室に着いたメノアは、マリアが聖女の娘であることを知らされた。過去、メノアは聖女の依頼で貴重な回復薬を負傷者に使い、聖女と対立した経緯があった。その際、感情的になり聖女に暴力を振るってしまったこともある。その因縁が、マリアがメノアを追い詰める理由だった。
罠に嵌まるメノア
メノアはその場を去ろうとしたが、ドアノブに仕掛けられた毒により行動を封じられた。さらにマリアの戦闘技術は高く、対人戦に慣れていないメノアは一方的に敗北した。マリアはメノアに致命的な毒を注射し、抵抗するメノアを徹底的に痛めつけた。
誤解と死
追い詰められたメノアが事実を口にすると、マリアは混乱した。メノアが聖女殺しの犯人であるとはっきり確認していなかったためだ。疑念が生じたが、既に遅く、メノアは息絶えていた。
マリアの去り際
メノアの死体を消したマリアはその場を去った。部屋に残されたオカリナを見つけ、不思議に思いつつも放置した。マリアが立ち去った後、黒猫がオカリナを持ち去り、マリアは疲れた足取りでその場を後にした。
エピローグ
メノアの観光と食べ歩き
メノアは滞在期限が迫るミルド国を満喫していた。レストランを訪れ、二十皿以上を食べるほど旺盛な食欲を見せる。次の甘味処に行こうと店を出たところで、道中泣いている男の子を見つける。
男児への援助
泣いている男の子が財布を紛失し困っていることを知り、メノアは薬代として千ゴールドを渡した。少年が冒険者を目指していると知ると、先輩として彼を励まして送り出した。
マリアとの出会い
甘味処へ向かう途中、マリアと名乗る少女に呼び止められたメノアは、人目を避けて裏通りの地下室へと案内された。不審に思いつつも、彼女に付いていった。
聖女の娘、マリアの目的
地下室でマリアは、自分が聖女の娘だと明かした。聖女はかつてメノアと対立した人物で、メノアは冒険者を助けるため聖女の依頼品を勝手に使用し、さらに彼女を殴打したことがあった。その復讐としてマリアは片目を犠牲にしてまでメノアを追跡してきたのだった。
マリアの攻撃とメノアの死
地下室でメノアは罠に嵌まり、毒で動きを封じられた。対人戦に不慣れなメノアはマリアに簡単に倒され、激しく暴行を受けた。聖女を殺した犯人として罰を与えられたが、メノア自身は殺害の事実を否定したまま息絶えた。
疑念と後悔
マリアはメノアの死後、真犯人が別にいる可能性に気づき動揺した。メノアが明確に聖女殺害を認めなかったことを思い出し、不安に苛まれる。もやもやした気持ちを抱えながら、マリアは地下室を後にした。
オカリナと黒猫
マリアは現場に落ちていたオカリナを拾ったが、すぐに捨ててしまった。それを黒猫が拾い、メノアと交流のあったライトたちの元へ運んだ。
オカリナの発見と不安
ライトたちは宿で食事をしている最中、黒猫が持ってきたオカリナを見つけた。アイラが鑑定スキルでメノアの物だと確認すると、オカリナには血痕もついていた。一行は不吉な予感を覚え、メノアの滞在している宿へと急行したが、その後メノアは行方不明となった。
書き下ろし
休日の計画とライトの立場
レーナとアイラは観光案内のチラシを見ながら、休日の過ごし方を相談していた。ライトはどこでもいいと言うタイプだと見なされており、話し合いには加えてもらえなかった。二人は疲れを癒やすため、冒険者の間で評判の温泉に行くことに決定した。
Sランク冒険者の恩恵
温泉費用を気にしたライトだったが、Sランク冒険者のレーナのおかげで、パーティメンバーも含めてギルドが費用を負担することが判明した。ライトやアイラは初耳であり、この意外な特典に喜んだ。
温泉への訪問
ライトたちはビビラオ山の温泉地に到着した。巨大な温泉施設で、多様な泉質の温泉が点在している。初めて温泉を経験するアイラは、緊張しながらも楽しみにしていた。ライトは、混浴という状況に抵抗を感じていたが、結局二人に引きずられる形で温泉に入ることとなった。
温泉での交流
温泉に入ったライトたちは、そこでSランク冒険者のオリヴィアと偶然出会った。二メートルを超える体格と筋骨隆々な姿に圧倒されたが、オリヴィアは礼儀正しく温厚な人物で、ソロで活動する理由はかつて相棒の死に関わったトラウマが原因であったことを明かした。レーナたちはその話を聞いて、オリヴィアに同情するとともに敬意を抱いた。
温泉地での魔物襲撃
温泉に魔物出現の警戒音が鳴り響いた。血の臭いに引かれたキマイラの群れが現れたとの情報を得ると、オリヴィアは直ちに迎撃へと向かう。ライトたち三人も後に続き、共に現場に向かった。
オリヴィアの能力と戦闘
オリヴィアは《時間停止》のスキルを使い、瞬時に二体のキマイラを倒す。強力なスキルだが反動も大きく、動けない間はライトたちがカバーした。戦闘中、死にかけの魔物がオリヴィアに襲いかかったが、ライトが寸前で救出したため事なきを得た。
オリヴィアの過去と再出発
オリヴィアは、以前の相棒を自らの失敗で亡くした経験があり、それ以来ソロで活動していると明かした。ライトの振る舞いに、失った相棒を重ね合わせるような感覚を覚えた。過去を克服したつもりであったが、記憶を拭い去ることは容易ではないと再認識する。
温泉でのひととき
騒動が落ち着いた後、オリヴィアの案内で三人は改めて温泉を楽しむことにした。レーナは特に興奮してはしゃぎ、温泉巡りに付き合わされたライトは、一日中二人の勢いに押されっぱなしであったが、それもまた良い思い出となった。
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