- どんな本?
- 読んだ本のタイトル
- あらすじ・内容
- 感想
- 備忘録
- 第一話 猿面の娘(漫画 1巻1話)
- 第二話 紅椿夜行という男(漫画 1巻2話)
- 第三話 皇國の鬼神(漫画 1巻3話)
- 裏 紅椿夜行、喉の渇きに耐えている。
- 第四話 椿鬼(漫画 1巻4話)
- 裏 白蓮寺麗人、菜々緒の作った朝餉が恋しい。(漫画 1巻4話)
- 第五話 菜々緒、都会にいく。(漫画 2巻5話)
- 第六話 はじめてのチョコレート(漫画 2巻6話)
- 第七話 英雄と簪(一)(漫画 2巻6話)
- 第八話 英雄と簪(二)(漫画 2巻7話)
- 第九話 心の傷(漫画 2巻8話)
- 裏 白蓮寺暁美、だから排除したはずだったのに。(漫画 2巻8話末 3巻9話)
- 第十話 紅椿夜行、嵐の前に。(漫画 3巻9話)
- 第十一話 春雷(一)(漫画 3巻10話)
- 第十二話 春雷(二)(漫画 3巻11話)
- 裏 白蓮寺暁美、陰陽寮の房にて。(漫画 3巻12話? 他家に嫁いだ者が言ってる)
- 裏 白蓮寺麗人、菜々緒を取り戻すために。(漫画 3巻10話冒頭?)
- 第十三話 この傷だらけの結婚に祝福を(漫画 3巻11話)
- 裏 紅椿夜一郎、毒を食らわば皿まで。(漫画 3巻11話12話)
- 第十四話 菜々緒と夜行(漫画 3巻12話)
- 同シリーズ
- 類似作品
- その他フィクション
どんな本?
『傷モノの花嫁』は「かくりよの宿飯」シリーズや「浅草鬼嫁日記」シリーズの著者、友麻碧 氏による新作小説で、2023年10月13日に講談社タイガから発売された。
物語は、猩々に攫われ、額に妖印を刻まれた菜々緒が主人公。
彼女は「猿臭い」と蔑まれ、結婚が破談になり皇国の鬼神、紅椿夜行に救われ、夜行との間で恋物語が始まる。
読んだ本のタイトル
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あらすじ・内容
猩猩に攫われ、額に妖印を刻まれた菜々緒。
傷モノの花嫁
「猿臭い」と里中から蔑まれ、本家の跡取りとの結婚は破談。
死んだように日々を過ごす菜々緒は、皇國の鬼神と恐れられる紅椿夜行に窮地を救われる。
夜行は菜々緒の高い霊力を見初めると、その場で妻にすると宣言した。
里を出る決意をした菜々緒だが、夜行には代々受け継がれた忌まわしい秘密が――。
傷だらけの二人の恋物語が始まる。
感想
漫画が原作の小説だが、発売は小説版の方が早かった。
読了直後に思ったのは、菜々緒の従姉妹は酷いな、、
最後にザマァされたけど産まれて来た娘が不憫過ぎる。
父親の若様のセリフから、娘の能力がポンコツだと言われているのが、、
別の家に養子に出された方が幸せかもしれない。
産まれて来た子には何ら落ち度が無いのに、若様のあのセリフにはドン引きだった。
主人公の菜々緒は、郷の中で1番霊力が高く。
白蓮寺家の次期当主の許嫁となった。
その若様に純粋に懐いていた菜々緒だったが、、
従姉妹の罠にハマり、あやかしに攫われ額に妖印を刻まれたことで、一族の人間たちから「傷モノ」と虐げられてしまった。
嫌悪感を抱かれる呪印を刻まれた猿の仮面を被らされ、声を出すことも禁止されてしまった。
唯一することは、若様の妻となった従姉妹の代わりに朝食を用意すら事。
それがどれだけ重要な事かは菜々緒は認識しておらず、ただやらないと折檻されるからと出来る限りの事をしているだけだった。
それから数年、彼女は郷の中で穢れた者として差別され、自身から流れる血すら嫌悪するほど心を病んでいた。
だがそんな彼女の噂を聞いた、紅椿家の当主、夜行が菜々緒を見初め。
菜々緒を花嫁として紅椿家に連れて行ってしまった。
国防面で重要な役職に就いている紅椿家は現在、白蓮家より家格を上にされており。
さらに迷信的に穢れを嫌う旧家とは違い、紅椿家は鬼などを使役して役目を果たしており。
紅椿家に来ても、自身の血は穢れていると言う菜々緒を夜行の妻として扱い、妖印を見ても差別せず受け入れていた。
夜行、曰く。
菜々緒から流れ出る血は穢れていないらしい。
むしろ、紅椿夜行は先祖代々の体質で、霊力の高い菜々緒の血を必要としており。
彼女を血の伴侶として自身の妻にする。
だが下世話な世間話では、菜々緒は夜行の血袋扱いにされていると言われてもいたが、、
それを知らない菜々緒は、紅椿家の家人や使役されてる鬼達から大切に扱われており。
白蓮家での扱いの差に戸惑い、自身の出来る事をやりナタを片手に薪割りをしてしまう始末だった。
一方、白蓮家では朝食を菜々緒に作らせていた事がバレ。
従姉妹が実際に作ってみたら、、
まぁ酷い。
そこから、白蓮家の若様は菜々緒に執着し始める。
自身が菜々緒に”猿臭い”と言った事を忘れて、、
菜々緒が自決用に持っていた、贈り物の簪を自身をまだ思っていると勘違いして。
痛々しいな。
そして、女々しい。
最後には菜々緒に盛大にフラれるから、ザマァァァァされるのだが。。
社会的な地位は維持されているから不十分な気もする。
今後、没落してザマァされるのかな?
※猩々(しょうじょう)は、日本の伝承に登場する妖怪や精霊の一種です。この存在は通常、赤い毛皮を持ち、酒を好むとされています。猩々はしばしば人間の言葉を理解し、極めて知恵があり、陽気な性格であるとも言われています。彼らは伝統的な日本の芸能や芸術作品にもしばしば描かれており、日本の妖怪文化の中で特異な位置を占めています。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
春の日、白木蓮(ハクモクレン)の花が咲く木の下で、若様と許嫁の菜々緒が過ごしていた。
若様は菜々緒に、銀製で白木蓮の装飾が施された簪を贈り、彼女の誕生日を祝った。
菜々緒は若様に深く恋心を抱いており、結婚を心待ちにしていた。
しかし、彼女が十五歳の誕生日直前に猩猩に攫われ、その際に額に妖印を刻まれてしまう。
この妖印により、菜々緒は穢れた存在と見なされ、若様にも拒絶される。
かつては幸せな未来を夢見ていた菜々緒だったが、現在は若様の隣には別の女性がいる。
第一話 猿面の娘(漫画 1巻1話)
極東の島国・大和皇國では、開国を巡る紛争があった時代から約五十年が経過している。
この国では、西洋文化の影響を受けつつも、陰陽五家と呼ばれる一族が「五行結界」で皇都を守っている。
白蓮寺家は、その陰陽五家の一角を成す一族であり、五行の「木」を司っている。
白蓮寺菜々緒は、里の外れのボロ小屋に住み、毎朝、水で体を清めてから朝餉の準備をする。
朝餉の調理は陰の霊力が高い女性によって行われるべきであり、菜々緒は若奥様の命により秘密裏にその準備をしている。
しかし、彼女は「傷モノ」として見なされ、猿面をつけなければ人前に出ることが許されない。
彼女は様々な差別や虐待を受けながらも、一族の人間たちから嫌悪されつつも生活を続けている。
十五歳の誕生日直前に、白蓮寺菜々緒は大切な簪を失くしてしまった。
簪を探していたところ、烏によって結界の外へ持ち去られてしまった簪を見つける。
しかし、結界の外で簪を取りに行った彼女は猩猩と呼ばれるあやかしに攫われ、その際に額に妖印を刻まれてしまった。
これにより、白蓮寺家の清廉潔白を重んじる一族からは「穢れた存在」と見なされ、彼女の生活は一変する。
攫われた後、彼女を捜索に来た一族の人々は彼女の額に刻まれた妖印を見て、彼女が「傷モノ」であると宣言した。
結果、彼女と若様の婚約は解消され、若様は彼女の従姉である暁美と結婚することになる。
暁美は後に菜々緒の住むボロ小屋を訪れ、彼女を侮辱する言葉を投げかけた。
白蓮寺家の娘である菜々緒は、猩猩に攫われたことで妖印を刻まれ、「傷モノ」として蔑まれる存在になっていた。
彼女は毎日、自らの体を清めることに必死だったが、穢れを洗い流すことはできなかった。ある日、沐浴中に知らない男に声をかけられる。
その男は紅椿家の新しい当主である紅椿夜行で、彼は菜々緒が猩猩に攫われた娘であることを知っていた。
翌日、菜々緒は朝餉を拵え、槙乃によって厨房に引き止められた。
外には紅椿家の者たちがいたため、菜々緒は隠れていたが、突然の女性の悲鳴と赤ん坊の泣き声に気がつき、赤ん坊を救うため行動を起こす。
紅椿夜行が介入し、妖蟲が部屋に侵入していたことを明らかにし、菜々緒が赤ん坊を守ろうとしていたことを証明する。
紅椿夜行は菜々緒の行動を評価し、彼女を抱き上げて、彼の妻にすると宣言する。
これにより、菜々緒は新しい運命を迎えることになる。
第二話 紅椿夜行という男(漫画 1巻2話)
紅椿家の当主、紅椿夜行は、白蓮寺家の娘である菜々緒を抱えて部屋を出た。
若様が追いかけ、彼女を白蓮寺家で治療させることを申し出たが、夜行はそれを信用せず、自ら治療を行うことを決定した。
夜行は、菜々緒が元許嫁である若様の子を守ろうとしたにもかかわらず、元許嫁から蔑まれていることに怒りを示し、彼女を治療するために薬箱から消毒液や軟膏を取り出して傷口に塗った。
菜々緒は、他人の視線を非常に恐れていたが、夜行は彼女の目を直接見つめ、穢れた体にも躊躇いなく触れた。
治療の過程で、菜々緒は夜行に自分の血に触れるべきではないと警告したが、彼はそれを気にせず、彼女の霊力を感じ取るために血を口にした。この行為により、夜行は菜々緒の高い霊力を認め、彼女を妻にするという自らの意思を確固たるものとした。
その後、夜行は部屋に戻り、菜々緒に美しい着物を着せ、化粧を施し、彼女が紅椿家に嫁ぐ準備を整えた。
彼は猿面を取り上げ、彼女に二度とそれを着用する必要がないことを告げた。
夜行の決定により、菜々緒は白蓮寺家を離れ、紅椿家に嫁ぐこととなった。
群衆は彼女の選択に驚きと嫌悪感を示したが、彼女は夜行に完全に委ねられていた。
夜行は彼女を馬車に乗せ、紅椿家へと向かう命令を下し、菜々緒の新しい生活が始まることとなった。
第三話 皇國の鬼神(漫画 1巻3話)
陰陽五家は、皇都を囲む五行結界を編み出した五つの名門一族である。
その中で、菜々緒は序列一位の紅椿家に嫁いだ。
紅椿家は退魔の名門であり、洋館と和式のお屋敷が特徴的な大きな敷地を持つ。
この家には様々なあやかしが式神として仕えており、人畜無害なものも多いが、夜行はこれらを家族として扱っている。
夜行は「皇國の鬼神」と呼ばれ、悪鬼悪妖を狩る役目を担っている。
彼は菜々緒に対し、紅椿家が皇都を守るために彼女の力が必要だと説明し、彼女を大切にすると約束する。
しかし、菜々緒は自身が夜行の妻にふさわしいかという自信が持てずにいる。
夜行の誠実な態度に心を動かされつつも、彼女は自分の過去と自己価値についての不安を抱えている。
若様や暁美姉さんの辛辣な言葉が、菜々緒の心を深く傷つけていた。
その中で、菜々緒は過去の傷と恋愛への不信感を抱え、恋愛をすることを望まなくなる。
しかし、夜行様が彼女に気遣いを示し、傷が癒えるまで休むよう促す場面がある。
夜行様は菜々緒の過去の花嫁修業を気にかけ、彼女が未だに自分を恐れていることを悟り、彼女に手を出すことはないと明言する。
翌日、夜行様は紅椿家の花嫁としての役割を菜々緒に教えるかもしれないと話すが、具体的な内容は明かされない。
夜行様はその夜、皇都に現れた悪妖を斬るために出かける。
菜々緒は夜行様の妻としての自覚が芽生え始め、彼の旅立ちを見送りながら、彼のことを深く思う。夜行様は彼女の髪に椿の花を挿し、美しい赤い瞳で彼女を見つめる。
その後、夜行様は百鬼を引き連れ、窓から飛び降りて夜の任務に向かう。この一連の出来事から、菜々緒は夜行様に対して新たな感情を抱き始めていることを感じる。
裏 紅椿夜行、喉の渇きに耐えている。
紅椿夜行は、皇都の大きな洋館の屋根に座り、煙管をふかしながら、自身が直前に斬り倒した巨大な鳥獣の死骸を処理している皇國陰陽寮の隊員たちを見ていた。
彼は自分の秘密を知った菜々緒が自分を嫌うのではないかと案じている。
菜々緒は名門・白蓮寺家に生まれ、霊力が高いものの、過去の傷に苦しんでいる。
紅椿は彼女に更なる傷を与えることになると思いつつ、嫌われたくないと願っている。
そのとき、同じ皇國陰陽寮所属で同期の幸臣が現れ、紅椿が白蓮寺家から嫁を迎えたことについて話題にする。
幸臣は白蓮寺家の黒い噂を警告し、菜々緒が紅椿の無茶にどれだけついていけるかを見るのが楽しみだと述べる。
紅椿は幸臣の忠告を受け入れつつも、自分が菜々緒を傷つける可能性に苦悩している。
第四話 椿鬼(漫画 1巻4話)
紅椿邸に着いてからの翌日の早朝、白蓮寺家での生活からの習慣で菜々緒は早朝に目を覚ます。部屋は鬼火によって暖められ、非常に快適だった。
彼女は冷たい朝の空気を吸い込んだ後、着替えて部屋を出ると、後鬼が待っていた。
彼女が朝餉の準備をしたいと話すと、後鬼は夜行がまだ休んでおり、昨晩無茶をしていたため、朝に弱いと教える。
しかし、菜々緒が作る朝餉ならば夜行も喜ぶかもしれないと励ます。
菜々緒は自分の衣服が地味なため新しい着物に着替え、紅椿家の沐浴場で体を清めた後、朝餉の準備を始める。
彼女は白蓮寺家での経験を活かし、朝餉に鶏汁などを含む献立を作る。
朝餉が完成すると、夜行の部屋にそれを持って行き、声をかけるが最初は返事がない。夜行は疲れており、気だるい声で応じ、朝餉を召し上がる。
食後、夜行は菜々緒の料理を褒め、特に鶏汁を絶品と評する。
菜々緒はその料理をどう調理するかを説明し、夜行は食事を終えた後、煙管をふかしながら菜々緒の努力を称える。
この時、菜々緒は夜行に触れられることを恐ろしく思わなくなっており、彼に抱きしめられたり、頭を撫でられたりすることに心地良さを感じていた。
裏 白蓮寺麗人、菜々緒の作った朝餉が恋しい。(漫画 1巻4話)
菜々緒が紅椿家に嫁いだ翌日、白蓮寺家の当主である麗人は朝餉の鶏汁の味が以前と異なることに気づく。
味付けが雑で、霊力量も落ちていたため、物足りなさを感じる。
妻の暁美がこれまで美味しいと評されていた朝餉を作っていたと思っていたが、実は菜々緒が作っていたことが発覚する。
暁美は、菜々緒に食い扶持として朝餉を拵えさせていたが、これが暴露されたことで麗人は驚愕し、母は暁美を𠮟る。
菜々緒がいなくなったことで、朝餉の質が落ち、それを誰もが感じていた。
麗人は菜々緒が拵える朝餉が恋しく、その味を忘れられずにいた。
彼は、暁美に任せられないと判断し、母が朝餉を作るようになる。
しかし、麗人は暁美の料理が満足できるものではなく、本当に望んでいるのは菜々緒の手作りの朝餉であった。
この発見により、麗人は菜々緒を側室にしようと提案するが、家族からは拒否される。
菜々緒が紅椿家の当主、夜行に嫁いでしまったため、彼女を取り戻すことはできない。
麗人は自分が彼女を二度見捨てたことに気づき、深い後悔とともに彼女を救出する決意を固める。
第五話 菜々緒、都会にいく。(漫画 2巻5話)
菜々緒が紅椿家に嫁いだ後、夜行は毎晩彼女の血を吸うようになる。吸血時には初めに痛みを感じるが、その後に幸せな気持ちが込み上げてくる。
夜行は菜々緒を慰め、彼女の過去の折檻の跡について話し合う。
白蓮寺家での苦しい経験を思い出し、菜々緒は泣きながら夜行の胸に避難する。夜行は彼女を慰め、安全を保証する。
夜行は菜々緒を皇國陰陽寮付属の病院に連れて行く。彼女は病院で初めて医師として翠天宮英世に会い、彼は菜々緒の妖印を専門的に診察する。
翠天宮は菜々緒の妖印に対する一般的な誤解を解き、彼女に対する新たな見方を提供する。
彼は菜々緒に、自分の価値を低く見積もることなく堂々と生きるよう励ます。
その後、夜行は菜々緒を喫茶店に連れて行き、彼女は西洋のデザートであるプリンを初めて体験する。
プリンの甘さに感動し、泣きながらその味を楽しむ。
夜行とともにカフェでコーヒーを試すが、その苦さに驚く。夜行は彼女に大人の味の理解を促す。
夜行は菜々緒の妖印に関連する誤解を指摘し、彼女が社会で正常に機能することを支持する。
彼はまた、菜々緒に妖印を刻んだあやかしを倒すことを約束し、彼女の未来に希望を与える。
第六話 はじめてのチョコレート(漫画 2巻6話)
紅椿家に嫁いで約二週間後、菜々緒は庭で薪割りをしていた。
薪割りは紅椿家の花嫁のつとめではないが、菜々緒は気分転換にと始めたのだった。そこへ二日ぶりに帰宅した夜行が現れ、菜々緒の逞しい一面を見て驚く。
夜行は菜々緒が薪割りを続けることを許可し、怪我に気をつけるよう忠告する。
夜行は港町からの出張帰りで、港での悪妖との戦いに疲れていた。
彼は皇都を守る五行結界の問題について言及し、それが菜々緒を心配させるかもしれないと気遣う。
菜々緒は夜行の愛情を感じて幸せだが、いつものように寝ることが怖いと心境を吐露する。
自分の過去と現在の幸せが夢のように思えるのだ。
夜行は菜々緒をいつか港町に連れて行き、結婚式の日取りも近づいていることを告げる。
彼は菜々緒が痛い思いをしていると気にかけながらも、彼女が血を吸われた後に感じる実感を大切に思っている。
菜々緒自身、夜行に血を吸われることで生きている実感を得ており、その幸せが夢ではないかと不安に思っている。
第七話 英雄と簪(一)(漫画 2巻6話)
菜々緒は紅椿家で新しい着物を試着し、後鬼から褒められる。
その着物は西洋の花柄で、流行の最先端を反映している。
これは夜行が選んだものであり、菜々緒にもっと欲しいものをおねだりするよう勧められる。
菜々緒は多くを与えられていると感じ、これ以上のものを望むのは気が引けるが、後鬼は夜行が喜ぶと励ます。
ある日、菜々緒と夜行は皇都で桜を楽しむために出かける。
夜行は菜々緒が欲しがるものは何でも贈る準備ができていると示し、二人は華やかな皇都の街を散策する。
その途中で、妖獣が現れる騒動に巻き込まれ、夜行は菜々緒を守りながら妖獣を討伐する。
この過程で菜々緒は夜行の力になるために自ら血を提供する。
事件が解決後、夜行は菜々緒の勇気を褒め称え、二人は再び日常に戻る。
夜行の行動を見て、菜々緒は夜行が皇都の人々を守る英雄であることを改めて認識し、彼に対する尊敬の念を深める。
夜行との生活を通じて、菜々緒自身も少しずつ成長し、過去の自分を乗り越えようとしている。
第八話 英雄と簪(二)(漫画 2巻7話)
菜々緒は皇都の陰陽寮病院で、白蓮寺家の暁美と偶然再会する。暁美は菜々緒に対して侮蔑的な言葉を浴びせ、彼女の存在を蔑んでいた。菜々緒はこの扱いに耐えながらも、自身の状況を説明しようとするが、暁美はそれを信じない。さらに、菜々緒が持つ流行の西洋花の柄の着物やレースの傘に嫉妬し、菜々緒に対する敵意を露わにする。
この出来事の中で、暁美は菜々緒に対して更に冷酷な態度を取り、彼女が白蓮寺を離れたことで自分が直面する困難について不満を述べる。彼女の言葉は、菜々緒を精神的に追い詰めるものであった。しかし、その場に若様が現れると、暁美は若様に叱責される。若様は菜々緒に感謝の言葉を述べ、彼女の存在がかつては家族にとってどれほど大切だったかを認める。
この再会は菜々緒にとって苦痛となり、彼女は暁美との対立を乗り越えるために心理的な強さを必要とする。この出来事を通じて、菜々緒は自身の過去と向き合い、それを乗り越えることの重要性を再認識するのであった。
第九話 心の傷(漫画 2巻8話)
菜々緒は早朝から起きて朝餉の準備をしたが、夜行が前夜の務めからまだ帰宅しておらず、食事の必要がないことを後鬼から告げられる。
彼女は自分の立場に不安を感じ、夜行が怒っているのではないかと疑念を抱く。
庭掃除をしていた紅椿家の女中たちから、夜行と菜々緒の結婚式が急遽取りやめになったという噂を耳にする。
また、白蓮寺家から高額な結納金で五家に花嫁を送り込み、裏で五家を操ろうとしているという黒い噂も聞かされる。
菜々緒はこれらの情報にショックを受け、自室に籠り夕焼け空を見つめながら自己否定の思いに耽る。
夜行が部屋に現れ、菜々緒が白蓮寺家に返されるかもしれないという不安を表明する。
夜行は菜々緒が白蓮寺家の若君にまだ想いを寄せているかどうかを問い、彼女がそれを否定すると、結婚を取りやめたわけではなく、式の時期をずらしただけだと説明する。
彼は菜々緒を大事にし、安心して暮らせる居場所を提供することを約束し、彼女が夜行を選ぶよう促す。
菜々緒は夜行に対する深い愛情を自覚し、彼の提供する安心感と愛情に感謝する。
夜行は菜例のために、彼女の過去の苦しみや現在の不安を理解し、彼女を守ることを決意する。
彼女は自らの過去を乗り越え、新たな愛情の中で新しい人生を歩み始める決心を固める。
裏 白蓮寺暁美、だから排除したはずだったのに。(漫画 2巻8話末 3巻9話)
菜々緒と再会した日の夜、白蓮寺邸で若様は暁美を正妻から下ろすと告げる。
若様は暁美の家庭内の振る舞いに不満を持ち、彼女が琴美の世話を他人に任せ、女中いびりを行っていることに言及する。
暁美はこの決定に驚き、反発するが、若様は冷たい決意を示し、菜々緒を正妻に据える計画を明かす。
白蓮寺家は霊力の高い娘が生まれやすい土地にあり、その霊力の高い娘たちは高額な結納金で他の家に嫁がせられる。
最も高い霊力を持つ娘は白蓮寺家の跡取りに嫁ぐのが通例であり、暁美は自身が最も適した候補と信じて疑わなかった。
しかし、菜々緒が若様に嫁ぐことが決定され、暁美はその選択を受け入れることができず、嫉妬心に駆られた。
彼女は菜々緒を排除するために、菜々緒の大切な簪を結界の外に投げ捨て、菜々緒がそれを取りに行ったところを猩猩に攫われるよう仕向けた。
結果、菜々緒は妖印を刻まれ、社会的に「傷モノ」と見なされるようになった。
これらの行動によって、暁美は自らの地位を守ることに成功したと思い込むが、、、
第十話 紅椿夜行、嵐の前に。(漫画 3巻9話)
白蓮寺の娘である菜々緒は、長い間、妖印を刻まれたことで愛していた者たちから捨てられ、顔と声を封じられた苦痛を経験してきた。
彼女の心の傷は深く、紅椿夜行はその叫びを聞き逃してはならないと感じる。
彼は菜々緒の作る朝餉を賞賛し、彼女が白蓮寺の里で食べた際に感じた霊力の質の高さに驚いた。
夜行は白蓮寺家の傷モノの存在を知り、彼女を救い出す決意を固める。
また、白蓮寺家から虐げられ、妖蟲による攻撃から赤ん坊を守ろうとした菜々緒の勇気に感動する。
一方、白蓮寺麗人は夜行との会話で、菜々緒を自分の下に返すよう要求し、結納金を返還することを申し出る。夜行はこの提案を拒否し、菜々緒への献身的な愛を示す。
彼は菜々緒の真の幸せを考え、彼女が望む場所で生きられるよう支援する決意を新たにする。
白蓮寺麗人の言葉にも関わらず、夜行は菜々緒との関係を深め、彼女の苦痛を和らげようと努める。
第十一話 春雷(一)(漫画 3巻10話)
その日、午後から雨が降り始め、紅椿邸の人々は嵐の準備に追われていた。
菜々緒は窓を閉める作業を行いながら、夜行がまだ帰宅していないことを心配していた。
彼女は朝から落ち着きを欠いており、夜行に迷惑をかけたと反省していた。
窓辺で夜行への思いを馳せているとき、外に白蓮寺の暁美が赤ん坊を抱えて立っているのを見つけた。
暁美は助けを求めて扉を叩いており、菜々緒は彼女を屋敷に入れることに躊躇いながらも、後鬼の助言に従い、扉を開けた。
しかし、中に入った暁美は、赤ん坊がただの布の塊であることを明らかにし、紅椿邸でしばらく過ごすと宣言した。
紅椿邸で応接されている間、暁美は皮肉な態度を見せ、白蓮寺家を出たこと、そして夜行が帰宅すると、彼に向かって助けを求めた。
しかし、夜行は暁美の要求に冷たく応じ、彼女の言動に憤りを感じていた。
菜々緒は暁美に対して自立する姿勢を示し、夜行は菜々緒への愛情を改めて確認するシーンが続いた。
最終的には、暁美が白蓮寺家の立場や役割に囚われず、紅椿邸を新たな居場所としようとしていたことが明らかになる。
第十二話 春雷(二)(漫画 3巻11話)
目を開けた彼女は、信じられない様子で自分の手を噛んだ。
夜行は驚き、彼女が夢ではないと実感して泣き始めたことに、愛情を示したことを思い出した。
夜行は彼女の手の血を舐め、ソファに押し倒しながら軽く吸血した。暁美はその様子を驚愕して見ていた。
夜行は暁美に退去を促し、彼女は感情的になりながら退室を余儀なくされた。
彼女は夜行の優しさに触れ、二人の時間を楽しんでいたが、暁美が客人を前に無礼であると非難した。
夜行は彼女の傷口をスカーフで止血しながら、暁美を諭す様子を見せた。暁美は夫婦の愛情を否定しようとし、夜行と彼女の関係に対する疑念を露わにした。
暁美の発言から、夜行と彼女は、彼女が真実の愛を受けていることを再確認した。
彼女は夜行に全てを委ね、二人の絆はさらに深まった。彼女は夜行の傷の手当てを行い、二人は一緒に過ごす時間の大切さを再認識した。
暁美の計画が露呈し、彼女はその場から逃げ出した。夜行と彼女の愛は、試練を乗り越え、より強固なものとなった。
裏 白蓮寺暁美、陰陽寮の房にて。(漫画 3巻12話? 他家に嫁いだ者が言ってる)
白蓮寺の若様は皇國陰陽寮の本部地下の暗い房に訪れ、白蓮寺暁美に面会し、彼女が菜々緒を陥れたことを非難した。
彼は彼女に対して強い嫌悪と殺意を抱きながら、正式に離縁が決まったことを告げ、娘の琴美にも一生会わせないと宣言した。
暁美は、自分の行動が原因で若様と菜々緒が結ばれなかったことを理解し、若様の怒りに直面した。
彼女は若様に娘に会わせてほしいと懇願したが、若様は拒否し、彼女が他の男に色目を使ったことを責めた。
また、暁美が娘の霊力が低い原因でもあると非難された。
若様は彼女が白蓮寺家に戻る場所がないと断言し、去り際に心優しい菜々緒が琴美を可愛がるだろうと述べた。
暁美は若様がまだ菜々緒を諦めていないと知り、笑ってしまった。
彼女は若様に菜々緒の心は既に他の男のものであると伝え、菜々緒が若様のことを何とも思っていない可能性があることを示唆した。
彼女は若様に強引な行動を取ればまだチャンスがあるかもしれないと誘導し、自らの嫉妬心を露わにしながら、菜々緒を幸せにさせないと心に決めた。
裏 白蓮寺麗人、菜々緒を取り戻すために。(漫画 3巻10話冒頭?)
陰陽寮の房で暁美に離縁を言い渡した白蓮寺麗人は皇都の白蓮寺邸に戻り、菜々緒がかつてつけていた猿面を手に取り、その呪術を調査していた。
この猿面には菜々緒の妖気を抑える効果と、麗人が菜々緒に対して嫌悪感を抱くような暗示が施されていた。
この暗示は、次期当主である麗人と菜々緒が結ばれないようにするために本家の意向でかけられたものだった。
猿面が外れた後、麗人は菜々緒への想いを思い出し、彼女の誤解を解こうと決意する。
菜々緒が麗人のことを想っていると信じており、彼女を正妻に据える意向を持っている。
しかし、暁美の言葉が気にかかり、菜々緒が一時的に紅椿夜行に心を奪われている可能性を考え、彼女の心を取り戻すことを誓っている。
第十三話 この傷だらけの結婚に祝福を(漫画 3巻11話)
菜々緒が紅椿夜一郎と皇國陰陽寮の本部で対面し、改めて挨拶を交わした。夜一郎は夜行の父であり、菜々緒の義父となる。
夜一郎は外見は恐ろしそうだが、話すと優しさが感じられ、夜行に似ている部分がある。
夜行は白蓮寺家から菜々緒を連れ去り、紅椿家では結納金を支払うなど正当な手続きを経ており、白蓮寺家の動向には現時点で心配無用と説明される。
夜行の結婚式の準備も進行中であることが語られた。
その後、夜行が部屋を退出させられ、夜一郎は菜々緒に彼女の過去に関わる簪を返し、それが調査に役立ったことを話す。
さらに、夜行が「椿鬼」として血を必要とする体質であること、これまでの苦労を含めた家の状況を説明し、彼が血を必要としている理由を語った。
また、夜行が菜々緒を心から愛しており、彼女を守る意志があることを確認する。
最後に、夜一郎は菜々緒に紅椿家の一員としての生活を約束し、彼女の今後を期待する姿勢を見せた。
菜々緒が陰陽寮の局長室を出た後、廊下で夜行を捜していると、白蓮寺家の若様に出くわし、不快な遭遇をする。
若様は菜々緒を無人の応接間に引きずり込み、正妻になることを強要する。若様は暁美との離縁を伝え、白蓮寺家からの破門を言い渡し、自分との再婚を迫るが、菜々緒はこれを強く拒否する。
その場から逃れようとする菜々緒は、若様が結界を張っていることを知り、逃走を試みるが失敗する。
若様はさらに彼女を強制的に支配しようとし、二人は葛藤の末、夜行が現れて事態を収束させる。夜行は若様に対し怒りを露にし、菜々緒を守る姿勢を見せる。
最終的に若様は白蓮寺家の房に連れて行かれ、菜々緒は夜行とともに残る。
菜々緒は陰陽寮病院で腕と唇の傷を治療してもらう。治療は比較的軽度で、大きな問題はなかった。
病院を出た後、夜行は菜々緒を一人にしてしまったことを深く後悔し、謝罪する。菜々緒は自分の行動も迂闊だったと応じるが、夜行は自責の念にかられている。
二人は桜並木を歩きながら、疲れた菜々緒を直接家に帰らせようとするが、彼女は喫茶店に行くことを強く望む。
喫茶店が好きであり、そこで夜行と過ごす時間を大切にしたいと感じているためである。また、菜々緒はその日が自分の18歳の誕生日であることを明かし、二人はその幸せな瞬間を共に喜ぶ。
裏 紅椿夜一郎、毒を食らわば皿まで。(漫画 3巻11話12話)
紅椿夜一郎は、陰陽寮の局長として、本部で発生した騒動についての報告を受ける。
夜一郎は、白蓮寺家の若君が菜々緒に恋慕に溺れ、自滅したことを楽しそうに語り、菜々緒が高い霊力を持つ優れた花嫁であることを評価する。
その一方で、自身の一族が呪われていると述べ、霊力の高い娘を利用して五家の間で影響力を増す白蓮寺家の策略を批判する。
白蓮寺家が菜々緒を取り戻そうとする動きに対して、夜一郎は手を打ち、彼女を囮に使っていたことが明かされる。
夜一郎は、紅椿家にとって重要な菜々緒を守るための措置を講じていたと弁明するが、その過程で菜々緒が自らを傷つける事件が起こる。
最終的には、夜行が助けに来ることを期待していたと語る。
夜一郎は、菜々緒と夜行の結婚を支持し、彼らの未来について前向きな視点を持つが、同時に若い夫婦に試練が必要であると考えている。
第十四話 菜々緒と夜行(漫画 3巻12話)
一ヶ月前の出来事から時間が経過し、菜々緒は夜行と共に紅椿邸で平穏な日々を過ごしている。
彼女は夜行を起こし、共に朝食を取る日常を楽しんでいるが、夜行は朝に弱く、彼女の愛情深い世話を必要としている。
菜々緒は夜行を起こすために、一人で出かけると脅し、彼を行動させる。
夜行は非常に心配性で、特に菜々緒が一人で外出することには神経を尖らせている。
菜々緒は新しい洋服に身を包み、紅椿邸を出発する。彼女にとっては未知の経験である洋服は、新しい自己表現の一形態となっている。
夜行との日々は、彼女に新たな自信と幸せを与えており、彼女はこれまでの人生で知らなかったこと、経験してこなかったことを多く学ぶ機会を得ている。
夜行は彼女の成長と新たな自立を支え、彼女が新しい環境に順応する手助けをしている。
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