簡単な感想
㊗シリーズ累計1800万部突破!!
確かに9巻から読み返したくなった12巻。
西都編終わり!
羅半兄!!!!
何で!?
何でそこまで不遇な扱いなんだよ!!www
飛蝗による災害で混乱する中で起きた玉鶯の死亡。
そして勃発する玉一族の後継者争い。
グレてしまった長男にしっかり者だが頭が硬い次男。
そして何を考えてるのかわからない三男。
そんな彼等を取り巻く騒動に皇帝の弟という鬼札が居るので三男がトチ狂った事を仕出かした。
それに巻き込まれる猫猫と子供達。
それを影から守る雀。
最後の方では雀の過去も明らかになり、なかなかの過酷具合に、、
さらに彼女が猫猫を守るために戦闘をするのだが、、
でも、1番不幸なのは羅半兄だと思う。
羅半兄の本名って羅、、、
何だろう?
どんな本?
『薬屋のひとりごと』は、日向夏 氏による日本のライトノベル作品。
中世の後宮を舞台に、薬学の専門知識で事件の謎を解く少女・猫猫(マオマオ)の物語。
小説家になろうで連載されているほか、ヒーロー文庫からライトノベル版が刊行されている。
また、月刊ビッグガンガンと月刊サンデーGXでコミカライズ版が連載されており、2023年にはテレビアニメ化も決定している。
月刊サンデーGXの方が、中華の雰囲気が強く、文化の小さい部分にも気をつけているように感じている。
読んだ本のタイトル
薬屋のひとりごと 12(英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)
著者: #日向夏 氏
イラスト: #しのとうこ 氏
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あらすじ・内容
玉鶯は、蝗害は異民族のせいで起きたと憤る民を鎮める名目で、
薬屋のひとりごと 11
砂欧に戦争を仕掛けようとしていた。
壬氏は戦を避けようと頭を悩ませていたが、
玉鶯の暗殺という思わぬ形で戦を回避することになる。
しかし、領主代行を失った西都の舵を取る者がいない。
壬氏は、いやいやながら西都の政務を執ることになった。
猫猫は、心身ともに疲弊する壬氏を気遣いながら、
怪我人や病人を診る日々を送っていた。
そんなある日、壬氏は、領主代行だった玉鶯の息子たちを、
西都のために後継者として政治を教え、育成してほしいと頼まれる。
しかし、玉鶯の長男・鴟梟はどうしようもない無頼漢であった。
他の二人も後継者教育を受けたことなどないことがわかり、
猫猫は頭を抱えてしまう。
だが、猫猫たちは否応なしに西都のお家騒動に巻き込まれてしまう。
玉鶯の三人の息子たちを後継者として育成してほしいと頼まれたうえ、
鴟梟の息子・玉隼は中央から来た猫猫たちを目の敵として邪魔をしてくる。
誰が西都を継ぐのか……多くの思いが交錯する中、猫猫の元に事件が舞い込む。
玉鶯の孫たちの不仲。
醸造所で起きた食中毒。
謎の病を訴える異国の娘。
そしていつも以上に不可解な行動をする雀。
彼女の本当の目的とは一体何なのだろうか。
そして、雀の本当の顔も明かされることになるのだが—。
猫猫は無事、中央へと帰ることができるのだろうか。
そして、壬氏との関係をはっきりさせる時が来るのだろうか。
前巻からのあらすじ(11巻)
昔、玉鶯が産まれによるコンプレックスを拗らせて戌の一族を襲い。
戌の一族が保存していた戸籍をたまたま将棋の名手の林大人が借り受けたいた。
それを永年林大人が保管していたが、玉鶯の乳兄弟の兄が林小人となり戸籍を奪取。
その林小人と玉鶯が密会して林小人が戸籍を脅迫に使い、戦争を止めろと言ったら。
玉鶯が林小人を殺す。
その騒動を聞きつけて駆け付けた陸遜だったが、、、
陸遜は玉鶯を殺して、周りには玉鶯は林小人に殺されており陸遜は林小人を斬った事にした。
実は陸遜は戌の一族で、玉鶯が襲撃した時の生き残りで目の前で母と姉を殺されていた。
蝗害の時に猫猫に語った修羅場はその時のシーンだった。
最後は怒涛の展開でついて行くのがやっと。
蝗害によって乱れた治安を戻すために他国侵攻を目論む玉鶯。
何故、犬の一族が粛正されたのか?
その原因がまさか、、
中央に居る玉袁も罪作りだな、、
最後は後味が悪いが最悪ではない展開。
うん、全く予想していなかった展開だった。
12巻感想
異国への私怨で戦争を企ていた玉鶯。
それを猫猫の実父の羅漢の部下で、実は玉鶯に族滅された戌の一族の生き残りの陸遜が一族の仇討ちも兼ねた暗殺で戦争は回避。
だがしかし!!
玉鶯の政務を任氏と陸遜が肩代わりして政務を回すのだが、、
本来、玉鶯の跡を継ぐ長男の鴟梟がグレてしまっており政務に就かないで色々と悪さをしている始末。
そんなグレた親を持つ玉鶯の直系の孫の玉隼が、政務を行っている任氏を家を乗っ取ろうとしている悪人だと思い、その中でも一番弱そうなヤブ医者の足を木刀で打ち付ける。
そのせいでヤブ医者は歩行が困難になり、外に出る診療は猫猫がする事となってしまう。
そして、外国人の娘の治療をする時に何故か雀の旦那、馬良が付いてきた時から徐々に怪しくなる。
そして、猫猫が腸閉塞を治療した小紅が急患がいると猫猫を連れて吹き矢で毒を盛られた鴟梟を治療をしたら雀が介入してきて、何故が猫猫は囚われの身になってしまう。
「前にもこんな事があったな」と何気に暢気な猫猫は鴟梟、小紅、クソガキ(玉隼)と共に幽閉されていたが。
鴟梟の傷が癒えると鴟梟は何処かに行ってしまい、猫猫と小紅、クソガキ(玉隼)で数人の護衛と共に僻地に行ったら、、
盗賊に襲われてしまい、護衛達に見捨てられて猫猫と小紅は盗賊に捕まってしまう。
ちなみにクソガキ(玉隼)は男で地位が高い者の子供なので護衛達が連れて行ってくれた、、
そして盗賊が支配している村で飯炊きをしながら救援が来るのを待っていたら、、
いつも話しかけてくれる女性が、、
ここから先はネタバレになるので本書を読んで欲しい。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
序話
誰かの大切な存在になりたいと願っていた人物がいる。その人物は、父にとっても自分が最高の宝物であったように、特別でかけがえのない存在になりたかったと考えていた。しかし、母が消えたことで、かつての幸せは幻想に過ぎなかったことを悟る。母にとって自分たちはただの道具であり、その母を信じた父もまた失われた。父の消失により、自分には価値がないと感じ、存在意義に悩む。何の役にも立たず、自分の居場所を見失いながら、それでもなお母を求め、価値を証明しようとする姿勢を見せる。自分にはどんな価値があるのか、どのようにして役立つのかを模索しながら、自分の居場所を探し続けている。
1話
玉鶯の死後、日常業務に変わりはないが、壬氏は過労で衰弱していた。西都では、玉鶯の後継者を巡り、陸孫や壬氏の名も上がる中、玉鶯の長男には放蕩ぶりが問題視されていた。玉鶯の長男の息子、玉隼がやぶ医者を襲い、謝罪に訪れたが、反省の色は見えなかった。雀によると、玉鶯の長男は後継者として不適切で、玉鶯の兄弟や子どもたちが中心となって治めることが期待されている。玉隼の母親は息子が医官に怪我をさせたことで焦っていたが、長男が廃嫡される可能性があるため、家族は不安定な立場にある。猫猫は、本邸に移動し、玉鶯のどうしようもない長男やその家族と遭遇する可能性があることに警戒している。
2話
猫猫は本邸に引っ越し、温室に興奮しながら向かった。そこで庭師と胡瓜の取り扱いを巡って意見が衝突するが、最終的には温室の三分の一を使用することで合意した。その後、猫猫は雀と一緒に礼拝堂を訪れ、雀から異教の祈り方を教わるが、その意義を疑問視する。食事の時間になり、やぶ医者の状態を気遣いながら、彼らは戻ることにした。やぶ医者の身の回りの世話は李白がしており、尿瓶の使用についても触れられる。
3話
猫猫たちは医務室に戻り、やぶ医者が若い青年と話しているのを見つける。青年は楊虎狼と名乗り、玉鶯の三男であること、そして月の君の下で働くことになったと説明する。虎狼は謝罪のために訪れており、甥がやぶ医者に怪我をさせたことについて謝罪し、お菓子と葡萄酒を手土産として持参していた。虎狼は父親とは異なり、謙虚で礼儀正しい態度を見せる。やぶ医者からは、玉鶯には四人の子どもがおり、虎狼は末っ子であると説明される。また、玉鶯の奥方についての話も出て、彼女が商売上手であったが、ある事件で異国に滞在することになり、帰国後は目立たない存在になったという。医務室では、手土産の饅頭が点心として食され、玉鶯の孫娘の手術後の経過も話題に上がる。
4話
猫猫は玉鶯の孫娘の診察のために訪問し、玉鶯の三男である虎狼とその母親、姉が同行する。虎狼は仕事と母親への相談を兼ねて訪れ、彼らは母親が本邸を離れ、姉の元に滞在していることを明かす。診察中、玉鶯の曾孫である玉隼が小紅の髪を引っ張り、泥団子を髪につける嫌がらせを行う。この行動は、玉隼が小紅を異国人の取り替え子と非難し、彼女をいじめる一因となっている。
虎姉はこの嫌がらせに対して母親である虎に抗議するが、虎は孫の行動を軽く叱るに留め、玉隼の母親が彼を守り切れない状況を理由に挙げる。虎狼はこの家庭内の軋轢に介入せず、母親に従う。小紅は猫猫に、祖父玉鶯の悪口を言わないよう頼み、猫猫はその要求を受け入れて謝罪する。
この出来事は、家族内の複雑な関係性、特に先代の行動が現代の子孫にどのように影響を与えるかを示している。また、権力と血筋に対する若い世代の認識と、それに対する年長者の対応の違いが浮き彫りにされている。
5話
虎狼は、猫猫たちの周りで仕事をしており、非常に丁寧な態度で知られている。彼は玉鶯の息子であるが、その態度や行動は玉鶯に似ていない。玉鶯の次男、飛龍もまた、父親に似ていない。彼は文官のような振る舞いをしており、主に公所に勤めている。一方、長男は息子の玉隼と中庭で対面し、父親としての責任を果たそうとするが、その方法は疑問が残るものであった。長男は、李白との間で緊張したやり取りを展開し、息子の非礼を詫びる形で鹿の頭を土産として持参する。この一連の出来事を通じて、玉鶯の三男子それぞれが異なる性格を持ち、玉鶯に似ていないことが明らかになる。虎狼は、兄が引き起こした問題に対して謝罪し、今後の改善を約束する。最終的に、玉隼の行動に対する父親の対応が、彼の今後の行動に影響を与えることが示唆される。
6話
本邸に移動してから十日が経過し、猫猫に外出許可が出そうだと雀が報告に来た。理由は壬氏による「久しぶりの事件」とのこと。案内人として現れた虎狼と共に、猫猫と李白は葡萄酒の醸造所に向かった。そこで猫猫は、酒造りの職人たちが悪酔いしている状況を目の当たりにする。症状の原因を探るため、猫猫は職人たちに食事や飲酒の状況を聞き出し、一人の体調不良を隠していた職人から重要な情報を得た。最終的に、猫猫は職人たちの症状が、汁物に含まれていた特定の茸によるものであると結論づける。この茸は人を下戸にする成分を持ち、酒を飲むと悪酔いを引き起こす。猫猫は自ら実験台となり、その効果を実証した。結論として、職人たちの症状は感染症でも毒でもなく、単なる悪酔いであることが明らかにされた。
7話
猫猫は葡萄酒の醸造所で発生した悪酔いの原因調査を終え、体調不良を感じつつもその経験に新鮮さを感じていた。悪酔いの原因は特定の茸であり、猫猫はその効果を自ら体験することで確認した。その後、本邸に戻り、壬氏に報告を行うこととなる。しかし、その前に玉鶯さまの遺産問題の話が持ち上がる。壬氏の執務室で、水蓮から玉鶯さまの遺産問題についての話を聞き、遺産の受け取りを拒否する長男、貰いたがる長女、意見の異なる次男と三男の複雑な家族関係が明らかにされる。遺産相続の話は終わり、猫猫は壬氏と共に夕餉をとることになるが、その過程で猫猫の酒好きが問題視される場面もあった。
8話
西都での生活が半年を過ぎたころ、猫猫たちには使用人が固定され、その中にはまだ元服前の俊杰という名の小姓もいた。俊杰は控え目で真面目な性格で、猫猫たちからの信頼も厚い。ある日、羅半兄が畑の収穫物を持って医務室にやってきたが、収穫した芋が小ぶりであることに不満を示す。その芋が緑色をしている部分は毒であるため、注意が必要であるという話が出る。その後、俊杰が自己紹介をして、自分と同じ姓を持つ人がいないか心配する場面がある。羅半兄はその話に動揺するが、結局は自分の名前を「羅半兄」と改めて確認する。このエピソードは、羅半兄の複雑な心境や俊杰の責任感といった人物の性格を浮かび上がらせるものであり、西都での彼らの生活が深く描かれている。
9話
玉鶯の遺産問題は解決していない。ある日、猫猫に女性の患者を診てほしいという依頼が虎狼からある。西都では女性の医療従事者が少なく、猫猫が訪ねられる。患者は頭痛が治らない良家の娘で、一般的な治療法では効果がなかったため、猫猫が往診することになる。しかし、患者のお嬢さまは身体を触れさせず、距離を保ちながらの診察を要求する。猫猫はお嬢さまの状態を慎重に聞き取り、むし歯が原因であることを見抜く。患者は治療に抵抗し、周囲ともみ合いになるが、猫猫はうまくむし歯を抜き、治療を完了させる。
その後、猫猫と同行した雀は、患者の身元について馬良(雀の旦那様)と話し合う。患者は白金の髪に青い目を持つ十二、三歳くらいのお嬢さまで、異国の言葉を片言で話す。馬良は、そのお嬢さまが北亜連に属する理人国の王族の四男である可能性を指摘する。理人国の王族がなぜ西都に滞在しているのか、その理由は不明である。
この物語は、異国からの患者との遭遇、医療を通じた文化や言語の違いの橋渡し、そして猫猫の医療技術と洞察力を示すものである。また、西都での異国人の存在とその背景には、より大きな政治的または社会的な物語が隠されていることを暗示している。
10話
秋深く、作物の収穫期には多くの種が残される。ある日、雀は猫猫に収穫量の計算を依頼し、これが猫猫にとっては想定外の仕事だった。忙しい中、小紅という少女が猫猫に助けを求めてきた。彼女の叔父である鴟梟が危篤状態にあるという。猫猫は小紅に案内され、隠し通路を通って鴟梟の元へ向かう。鴟梟は自身で毒矢の傷をえぐり出しており、猫猫はその傷を処置する。鴟梟の傷は毒矢によるもので、猫猫は痛みを感じる前に処置されたことから、毒の種類について推測する。鴟梟がなぜ自分から医者に診てもらわなかったのか、小紅がなぜ猫猫を呼びにきたのか、その理由は不明だが、内輪の争いが疑われる。治療後、猫猫は自分の立場や行動について悩むが、雀が現れて事態は一変する。雀は猫猫に対して、いつも通りの態度を見せつつも、何かを隠しているような様子を見せる。猫猫が鴟梟の行方について問うと、雀の反応は曖昧であり、猫猫の疑念は深まる。
11話
猫猫は、雀によって未知の場所に連れてこられ、そこで蝋燭の火を見つめながら過ごしていた。隣の部屋には鴟梟と玉隼がおり、隣の寝台には小紅が眠っている。外には見張りがおり、猫猫には食事や着替えが提供されていた。猫猫はこの状況に困惑しつつも、逃げる気は失せており、鴟梟の治療を促されていることを感じていた。
猫猫は、隣の部屋で熱を持ってうなされる鴟梟の治療を考えつつ、自分がここに連れてこられた理由を推理する。窓のない部屋から外の雑踏と話し声が聞こえ、異国の言葉と潮の香りから、自分たちが南の宿場町にいることを推測する。この町は異国人が多く残っている場所であり、以前猫猫が異国のお嬢様の治療を行ったことがある。
鴟梟が目を覚ますと、猫猫に自分たちが南の宿場町にいることを確認する。鴟梟と雀が何らかの利害関係で結ばれており、その目的は戌西州の平和に関連していると話す。猫猫は自分がなぜ連れてこられたのか、そして雀と鴟梟がどのような関係にあるのかについて疑問を持つ。鴟梟は雀から直接聞くようにと言い、猫猫にはまだ雀の帰りを待つよう促す。
猫猫は、自分の立場や今後の行動について深く考え込むが、鴟梟と雀が共犯であること、そして自分がこの町に連れてこられた理由についての真相はまだ掴めていない。雀の動きや意図、そしてこの状況が戌西州の利益とどのように関連しているのかが、猫猫の中で大きな謎となっている。
12話
時間を遡り、壬氏の執務室に陸孫と飛龍が訪れ、異国の使者が月の君に面会を求めていることを伝える。その使者は理人国から来た者で、北亜連に属する理人国は戌西州の北側に位置し、茘にとって友好国とは言い難いが、完全に国交がないわけではない。使者が壬氏に会いたがっている理由は直接話したいことがあるためで、その話は飛龍を介して伝えられることになった。飛龍によると、理人国の使者は玉袁の次男を介して連絡が来たとのこと。壬氏は理人国の現状と使者の目的について馬良に尋ねる。馬良は理人国が食糧危機に直面している可能性と、後継者争いがあることを指摘する。さらに、理人国の第四王子が茘にいることと関連づけ、猫猫がその第四王子らしき者の診察に行ったことが関係していると推測される。会談の場所は西都の高級飯店で、理人国の特使たちと壬氏が対面する。特使たちは壬氏を値踏みするが、壬氏の容姿が外交に役立つことも示唆される。特使たちは茘に行方不明になっている自国の貴族(第四王子)について尋ね、その捜索協力を求める。しかし、その後、鴟梟が本邸に無理やり入ろうとして争いになり、逃げた後に猫猫が治療したとの報告が壬氏に届く。壬氏は鴟梟の行動に困惑し、面倒事が起こるタイミングの悪さに呆れると共に、これからの対応を悩むことになる。
13話
猫猫は鴟梟の看病、小紅の世話、玉隼の躾けに追われる日々を送っていた。玉隼は食事に文句をつけ、猫猫に反抗的な態度を取るが、鴟梟は彼に対しても小紅に対しても、優しく接していた。特に小紅は鴟梟に懐いており、二人の関係は良好だった。一方で、猫猫は鴟梟から何かを隠している様子を感じ取りつつも、具体的な質問をすることは避けていた。
翌日、鴟梟は早朝に出発する予定であり、猫猫は夕方に解放されることになっていた。しかし、実際には猫猫と子どもたちは、女鏢師によって別の場所へ移動させられることになる。この女鏢師は彼らを守ると約束し、西都への帰路につく予定だったが、途中で計画が変更され、鴟梟とは別行動を取ることになる。
移動の際には、猫猫と子どもたちは上質な服に着替えさせられ、幌馬車に乗せられる。女鏢師は自身の役割を果たすため、曲刀を手放さず、猫猫たちの安全を守る姿勢を見せる。猫猫は、この女鏢師に命を預けざるを得ない状況にあり、未知の道へと進んでいく。
14話
馬車は約二時間走行し続けた後、一度馬を休ませるために停止する。女鏢師は猫猫と子どもたちに、次の村で母子として変装し、村に入るよう指示する。玉隼は反発するが、女鏢師の厳しい態度に従うしかなかった。猫猫は子どもたちと自分が母子に見えるか疑問に思うが、女鏢師は化粧で年齢を誤魔化し、子どもたちと似せる技術を駆使する。
猫猫が西都へ戻ることの影響を心配するが、女鏢師はその理由が壬氏のためであることをほのめかす。その後、馬車は村で馬を交換し、新しい御者が加わる。村での買い物には玉隼も同行することになる。
小紅は猫猫に、隠し通路の存在を教えたのは「ふーらんおじさん」、つまり虎狼だと明かす。虎狼は鴟梟が危険にさらされていると知り、小紅に猫猫を呼びに行かせたのだった。これにより、虎狼が鴟梟襲撃の事件に深く関わっていることが暗示される。
15話
猫猫は、西都に戻った際に虎狼を殴ることを心に決める。彼らは女鏢師と共に幌馬車で移動を続け、途中で寺院参りをしたり、服を購入するなどしていた。移動は西を目指しており、草原が多く、中央とは異なる風景に猫猫は新鮮さを感じていた。しかし、蝗害の影響で店が少ないことには残念に思う。玉隼の扱いに苦労しながらも、猫猫は小紅とは比較的平和に過ごす。
女鏢師は彼らに母子として変装させ、戌西州第二の都市に向かうことを目的とする設定を説明する。途中で食料や防寒具、生薬を買い込みながら、盗賊が多い交易路を避けて進む。女鏢師は猫猫たちを西都に戻すタイミングがまだ来ていないと判断し、危険性がなくなるまで彼らを守ると誓う。また、神経毒や針を渡し、自身の命を最優先にするよう猫猫に告げる。
この旅は、猫猫と子どもたちが未知の環境に適応しながら、さまざまな経験を積む過程を描いている。女鏢師の指示に従いつつ、猫猫は自らの安全と子どもたちの保護を最優先に考えることを強いられている。
16話
壬氏は、猫猫が鴟梟に接触したことを知って以来、気が気でなくなる。十日が経過し、壬氏は鴟梟と理人国の第四王子の関わりについて思案する。第四王子の存在は、理人国と茘双方にとって大きな問題である。鴟梟が理人国の特使との食事会の日に本邸に現れ、猫猫が彼の治療をしたことで、共犯と見られる可能性が高まる。壬氏は、鴟梟を尻尾切りする場合、猫猫をどう守るか悩む。
一方、内部の裏切り者を探す壬氏は、虎狼が鴟梟に対して持っていた敵意を知る。虎狼は、鴟梟が後継者にふさわしくないと考え、彼を排除しようとしていた。羅漢は、虎狼が猫猫について知っていることを疑い、直接問い詰める。虎狼は、鴟梟を陥れようとしたことを認め、自ら火に飛び込む。羅半兄が虎狼を救出するが、壬氏は鴟梟と協力して第四王子を探す方が得策であると判断する。
壬氏は即座に行動を起こし、羅漢に同行を依頼する。羅漢は、鴟梟の意図を疑うが、壬氏は娘を救出するためには彼の協力が必要であると説得する。裏切り者の存在が明らかになり、壬氏は猫猫を取り戻すための策を講じる。
17話
猫猫たちは、女鏢師の案内で次の町へ向かう途中、森林地帯を通る。この地域は盗賊が多く、緑豊かで森が生い茂っており、水源に恵まれているため人々が定住しているが、建築に適した木材は少ない。次の町には教会があり、宗教的な場所であることが示される。猫猫は宗教に対して懐疑的であるが、他人が信仰を持つことを否定はしない。町に近づくと、女鏢師は先に町の様子を見に行くと言い残し、猫猫たちは馬車で待機する。しかし、女鏢師の代わりに別の使いが来たことから、何か問題が起きていることを察知する。護衛はその使いを斬り、猫猫たちは森の中へ逃走する。護衛は追手の数が多く、猫猫たちを守り切れないと判断し、猫猫たちを置いていくことを決意する。猫猫は玉隼を護衛に託し、自分と小紅は森に残ることになる。猫猫と小紅は、追手から隠れながら逃げるが、絶望的な状況に陥る。しかし、ある男が近づいてきて、猫猫は異国の教典の一節を引用し、その男を説得する。男は猫猫たちを異教徒とみなして殺さずに済むことを示唆し、猫猫たちは一命を取り留める。男は宗教的な首飾りを持っており、猫猫が以前に目を通した教典の紋様があったことから、この町が教典に基づく信仰を持つ場所であることが示される。
18話
信仰の町は盗賊たちに支配され、その中で猫猫と小紅は一人の中年男に連れられていた。この町は盗賊たちの根城と化しており、生産性はなく、盗賊たちは町を食い潰していく運命にある。猫猫はこの状況を冷静に観察し、自分たちを連れて行った中年の男が交渉相手として悪くないと判断する。男は信者であることが首飾りの紋様からわかり、またある程度の地位があることも装備から読み取れた。猫猫たちは町の中心にある教会へと案内され、そこで教会を占拠している盗賊の頭領、独眼竜に会う。独眼竜は、小紅が手配書に載っている異国のお嬢さまに似ていると疑うが、小紅が女の子であることが確認されると興味を失う。独眼竜は鴟梟に一泡吹かせたいと考えていたが、猫猫たちがその目的ではないとわかると、彼らの処遇を中年の男に任せる。中年の男は猫猫たちを、同教の信者であることを理由に見逃すと決め、一人の女性に猫猫たちを案内させる。この女性は中年男に対して敬意を持っている様子で、猫猫たちは彼女について行くことになる。この一連の出来事を通じて、猫猫は自分たちを盗賊の頭領の前に連れて行った中年の男が実際には盗賊たちの中である程度の地位を持っていること、そして独眼竜が鴟梟に対して何かしらの恨みを持っていることを理解する。
19話
猫猫と小紅は盗賊に支配された町で、女や子どもが集まる集会所へ案内された。この場所では、女性と子どもたちが集団で生活しており、人質のような状態にあることが推測される。彼らは盗賊たちに協力するか、強制される形で日々を過ごしている。猫猫はそこで、自身が薬師であることを明かし、持参していた薬草類を保持する許可を得る。彼女たちは、粗末ながらも丈夫な衣類に着替え、炊事の手伝いをすることになった。
町の住民は、盗賊たちによる支配下にありながらも、日々の生活をなんとか維持している。盗賊の頭領「独眼竜」は、過去に鴟梟とのいざこざがあった人物で、その恨みから町を制圧している。独眼竜は、異教徒と見なされた者たちを処分する方針を持ち、その選別を町の住人に任せている。この処置により、住民の中には異教徒であるかどうかにかかわらず、多くの犠牲者が出ている。
猫猫は、集会所で他の女性や子どもたちと共に働きながら、町の厳しい現実を目の当たりにする。彼女は、異教徒と誤認された場合の危険性を理解し、生き残るために必死になる。また、猫猫は、以前自分たちを護衛していた女鏢師の行方や、町に来る前に彼女たちを助けた羅半兄の存在についても気にかけている。
20話
猫猫は、炊事場を取り仕切る中年女から薬師としての手腕を求められ、重傷を負った少年の治療に当たることになった。少年は盗賊の頭領「独眼竜」の手によって、厳しい「指導」の名の下に虐待された結果だった。猫猫は、彼女の薬草知識と応急処置で少年の状態を安定させるが、栄養状態の悪さと安静の必要性に直面し、限界を感じる。独眼竜による残虐な行為と、彼に抵抗した者が厳しい報復に遭う現実が浮き彫りになる。
一方、猫猫と小紅は、彼女たちの身元を隠しながら盗賊に支配された村での生活を続ける。彼女たちが着ていた服が返された際、猫猫は袖に隠された雀の刺繍と異国語でのメッセージを発見し、夕食時の酌を利用して独眼竜に何らかの行動を起こす機会を窺う指示を受けることとなる。このメッセージは、村内のある人物が猫猫たちの状況を理解し、何らかの形で支援を試みていることを示唆していた。
猫猫は、少年の治療を通じて村の厳しい現実と住民たちの苦悩をより深く理解し、彼女たちが置かれている状況に対処するための具体的な行動を模索する。そして、中年女からの隠されたメッセージを受け取り、独眼竜への対抗策を講じるべく準備を始める。この物語は、猫猫が盗賊に支配された村の住人たちと協力し、彼らの抑圧された状況に立ち向かおうとする決意を描いている。
21話
猫猫は、盗賊たちの夕餉の献立として、馬鈴薯を主材料にした料理を提案し、調理する。この料理は盗賊たちに好評で、夕餉が進む中で、猫猫と小紅は独眼竜の隣で酌を務めることになる。しかし、この夕餉は単なる食事ではなく、猫猫が盗賊たちを制するための罠だった。猫猫は馬鈴薯の皮と芽、そして特別に調理した食材に、微量の毒を混入させていた。この計画は盗賊たちが食中毒のような症状を示し、混乱に陥ることを目的としていた。
猫猫と小紅は、毒見をするふりをしながら、実際には毒の影響を受けないよう計算された行動をとっていた。計画通り、盗賊たちは次々と体調を崩し始め、教会の中は混乱に包まれる。この隙をついて、猫猫は独眼竜とその部下たちを一掃するために動き出す。その最中、独眼竜は蛇毒が混入された馬乳酒によって、さらに重い症状を示す。彼の体調不良は、以前口内を噛んだことによる傷口から毒が体内に回ったためである。
最終的に、猫猫が教会の扉を大きく蹴破って現れるのは、鴟梟とその鏢師たちであった。彼らの到着によって、猫猫と小紅は救出されることになる。この一連の出来事は、猫猫が独眼竜とその盗賊たちを倒し、村を解放するために仕組んだ巧妙な計画の結末であった。
22話
盗賊たちは一掃され、盗賊たちによる阿鼻叫喚の状況が発生するも、詳細は割愛される。猫猫は鴟梟と対面し、互いの素性について率直に話し合う。鴟梟は猫猫に対して、自身が鏢局を継いだこと、盗賊との関わりが誤解であることを説明する。猫猫は、鴟梟との会話を通じて、自分と小紅がなぜ西都を離れなければならなかったのかの真相を探る。
鴟梟は異国の要人の護送任務に関わっており、その要人が理人国の者であったことを明かす。この任務がきっかけで、猫猫と小紅が巻き込まれることとなった。また、猫猫と小紅を助けた女鏢師が実は雀であったことが判明する。雀は、猫猫と小紅を安全な場所へ避難させるために、盗賊たちを毒で制圧する計画を立てた。この計画は成功し、盗賊たちは無力化される。
事態の顛末として、猫猫と小紅は無事であり、要人も安全に理人国へ引き渡された。雀(女鏢師)は、この一連の出来事を通じて、猫猫たちの身の安全を確保し、さらには盗賊たちに対する処置も適切に行った。鴟梟と雀の間には、互いに尊敬と信頼の念があり、彼らの努力によって多くの問題が解決された。最終的に、猫猫は雀と鴟梟の真意を理解し、互いに新たな理解を深めることとなる。
23話
虎狼の後継者争いが表面的な理由であることに猫猫は引っ掛かりを感じつつ、西都への帰路につく。馬車の中で猫猫は、西都の四兄弟について考えを巡らせる。鴟梟は鏢局を経営し、やる気さえあれば後継者争いは起きなかったと思われるが、同時にどこか抜けている。銀星、飛龍、そして虎狼についても考察を深める。特に虎狼に関しては、彼の行動が今回の厄介ごとの原因であることが浮き彫りになり、彼の名前が悪役向きであることや、奥方が付けたという事実について猫猫は疑問を抱く。
雀は猫猫の質問に答えつつ、途中で道を変えた理由を説明する。これは、鴟梟と同年代の叔父に出くわすのを避けるためである。また、雀は猫猫の護衛を自称し、不安要素についても言及するが、その具体的な内容には踏み込まない。馬車は草原ではなく山脈沿いを進み、野営をすることになる。野営中に猫猫と小紅は食事を楽しむが、雀は不安要素があることを示唆する。
雀の直感は的中し、虎狼が後継者争いに関わっていることや、熊男が猫猫に恨みを持っている可能性が示唆されるが、具体的な展開は描かれない。猫猫と小紅は西都に戻る道中で、家族や後継者争いについて深く考えることになる。
24話
その夜、岩砂漠での野営中に、火事が発生し、猫猫は寒さに震えながら眠れずにいた。火事の混乱を利用して、熊男が逃げ出し、猫猫を襲撃する。熊男は自身の手足についた縄を歯で切り、折られた腕には武器としての金属棒を装着していた。猫猫は熊男に殺されかけるが、雀が間一髪で熊男を倒す。しかし、雀はその戦いで重傷を負ってしまう。熊男は雀と鴟梟の連携によって最終的に討ち取られるが、雀の右腕はほとんど機能しなくなり、腹部にも深刻な傷を負っていた。猫猫は雀の治療を優先するが、雀は自身の右腕が使えなくなることを悟りながらも、猫猫への感謝と好意を伝える。猫猫は雀の治療に専念し、彼女が生き延びることを願う。雀の体には過去の戦いの傷跡が無数にあり、彼女の過去の苦難が窺える。猫猫は雀の治療を始め、彼女の命を救うために全力を尽くす。
25話
雀は幸せな家庭で生まれ育ちましたが、幼い頃に母が突然いなくなり、その後父も母を探しに行って帰らず、父の死後、財産を奪われてしまいます。雀は生き残るために教会へ行き、異国での厳しい生活を経験します。十二歳の時、茘を経て西都へと向かい、母と似た人物を探し出しますが、母は雀を必要としていませんでした。
雀は屋敷に忍び込み、自分が母にとって「不要な存在」であることを知らされます。しかし、その場にいた男に自分の能力を見せ、彼から評価されます。雀はその男の後継者としてのチャンスを得ることになります。
26話
馬良は十六歳のとき、母・桃美から『馬の一族』と『巳の一族』について教えられました。馬の一族は皇族の護衛を担い、巳の一族は裏で皇族を守る諜報活動を得意とします。数日後、馬良は雀と名乗る女性と見合いし、彼女は馬良とは正反対の明るい性格でした。結婚後、雀は馬良の勉強を手伝ったり、彼の好みに合わせた饅頭を作るなど、彼の生活に溶け込みました。
しかし、雀は巳の一族の一員であり、ある時任務中に重傷を負いました。馬良は雀が巳の一族であることを知りつつも、彼女に対する愛情を再確認します。雀が右手を使えなくなる可能性があると知りながらも、馬良は彼女の器用さや彼らの関係性を信じて、一緒にいることを選びます。雀は馬良のもとで回復し、彼らの絆はさらに深まりました。
27話
馬良は雀が食事を終えるのを見届けてから部屋を出ていきました。訪問者として現れたのは魯侍郎で、彼は礼部の次官であり、雀を『巳の一族』に引き込んだ人物です。雀と魯侍郎は、雀の今後の役割について話し合いました。雀は重傷を負っており、右手がもう使えない可能性があるにも関わらず、彼女の通訳能力は依然として高く評価されています。魯侍郎は、雀の後継者を探すよりも彼女の能力を引き続き利用することを望んでいます。
雀は自分が巳の一族としてどの程度の序列に位置するか、そしてその価値が母親よりも高いことを望んでいます。彼女は自分の存在が母親にとってどの程度の価値があるのかを証明しようとしており、これは雀にとって父親を忘れないための一種の復讐でもあります。また、雀は「月の君を幸せにすること」という不明瞭な命令を受けており、その意味を完全には理解していませんが、猫猫を守ることが正しい選択だったと感じています。
28話
猫猫は疲れ果てて雀の寝室から医務室に戻ろうとしていましたが、疲労の絶頂に達していたため、なぜか壬氏の執務室へ向かってしまいます。壬氏との間で猫猫の疲労と心配事について話があり、二人は結局執務室の床に横たわります。猫猫は壬氏の体温と安心感に包まれ、何日ぶりかの安眠を得ます。この間、猫猫は壬氏の顔を触り、互いの息が重なる中で眠りにつきます。壬氏の寝息と猫猫の息が混じり合い、猫猫は壬氏に何も返せるものがないと感じながらも、ぬるま湯のような温度で彼の頬を撫でます。最終的に、二人は安心して眠りに落ちます。
29話
数日ぶりに深い睡眠を取った壬氏は、気力が回復しました。猫猫は壬氏に抱き上げられて寝台に運ばれ、深く眠っています。壬氏は、猫猫をもっと早く柔らかい布団に包んでやればよかったと反省します。執務室での議論では、玉鶯の三男である虎狼が、西都の発展のために壬氏に自分の首を差し出すことすら厭わないほどの提案をします。虎狼は、鴟梟が西都を治めるのに最適な人物だと認めつつも、自分の考える西都の未来のためには、壬氏が西都に残り指導することが最良だと考えています。
鴟梟と虎狼は壬氏に対して深い敬意を示し、虎狼は西都のために自らの命も惜しまない姿勢を見せます。一方で、雀は虎狼の提案に対して、もし壬氏が指令として受け入れられなければ、自分が何としても阻止すると宣言し、折衷案を提示します。その提案には、鴟梟が西都を象徴する「あやつり人形」として機能することが含まれていました。この会話を通じて、巳の一族の複雑な内部関係や、各登場人物の西都に対する想いが浮かび上がります。壬氏は、猫猫の傍らでのさらなる補充を後悔しつつ、提案された折衷案について考えを巡らせます。
30話
西都に戻ってからの日常は、特に何もなかったかのように過ぎ去り、猫猫は21歳になった。日常は変わらず、医務室での仕事や温室での生薬の育成、時折壬氏の診察を行う程度だ。しかし、鴟梟が西都の本邸におり、ちゃんとした服装をしていると、玉鶯に非常に似ていることから民衆の支持を得られるかもしれないという変化があった。猫猫はこの心変わりがどうして起こったのか詳細はわからないが、壬氏たちの間で何らかの話し合いがあったと推測する。
雀の怪我はひどかったが、徐々に回復し、医務室に住みつくようになった。やぶ医者と雀の間では、料理技術が向上していることが話題になる。西都では食糧問題など不安要素があるものの、多少の目途が立った様子だ。そして、壬氏が中央に帰ることができるようになり、猫猫は安堵の息を吐く。鴟梟は西都を治める上での武生としての役割を果たすことになり、その周りは固められる計画があるようだ。羅半兄は畑で作業をしており、猫猫は中央に帰れることを彼に伝える予定だったが、玉隼と小紅のやり取りに気を取られてしまう。小紅は玉隼に立ち向かい、自分の強さを見せつける。この様子を羅半兄に見られ、猫猫は小紅に何を教えたのかと問われるが、猫猫は何も教えていないと弁明する。
終話
猫猫は戌西州を後にし、中央へと戻る船旅の途中にあった。航海はのんびりとしており、船は大型で交易船が同行している。西都では鴟梟が政治に加わり、一時の陰謀論が払拭され、彼の人気も上昇していた。皇弟である壬氏は中央へ戻ることとなり、支援の出し渋りをする者たちに対する対応も考えられていた。船上では、猫猫を含めた様々な人物が乗り合わせていた。変人軍師は船酔いで苦しんでおり、虎狼は荷物整理などの雑務をこなしていた。虎狼は猫猫に対して異様な忠誠心を見せていたが、猫猫はその姿勢に困惑していた。一方、壬氏は見張り台におり、猫猫もそこへ上がってきた。二人は手をつなぎながら、中央へ戻る船旅の静かな時を過ごしていた。壬氏は猫猫に対して軽い接吻を交わし、その間のやり取りではお互いの心情が微妙に探られていた。また、羅半兄が中央へ帰ることになっていたが、彼が実際に船に乗っているかどうかについて疑問が持ち上がる。船旅はさまざまな感情や人間関係が交錯する中で進んでいき、猫猫と壬氏はそれぞれの立場や感情について考えを巡らせていた。最終的には、二人が中央へ戻ることへの期待と不安が描かれている。
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二期【2025年放送決定!】
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