後宮編
薬屋のひとりごと

猫猫は後宮の下女として過ごしていたが、薬師としての知識を隠していた。後宮で続く乳幼児の死の原因を探り、おしろいに含まれる毒が原因であると突き止める。匿名で警告を送ったことで壬氏に見出され、玉葉妃の毒見役に任命される。彼女はその職務を果たしつつ、後宮内の毒殺未遂や権力闘争に巻き込まれる。やがて里帰りを許されるが、帰還後は壬氏と微妙な関係に陥る。さらに宮廷内の毒事件を解決し、最終的に貴人の宴に参加。壬氏と再会し、後宮勤めを続けることを決意する。
宮廷編
薬屋のひとりごと 2巻

壬氏は皇帝との賭けに勝つため、困難な願いを叶えねばならず、猫猫は後宮へ再び出仕する。外廷で働くことになった猫猫は、壬氏の命で妃教育の講師を務める一方、毒事件や盗難事件の調査に関与する。羅漢と将棋勝負をし、彼の過去や鳳仙との関係が明かされる。楼蘭妃の陰謀や猫猫の出生に関する真相も絡み、猫猫は自身の立場と感情を整理しながら壬氏との関係を深める。終幕では壬氏に助けられ、彼との絆が強まる様子が描かれる。
薬屋のひとりごと 3巻

老人と老婆の出現により、家族の秘密が明かされる。壬氏は夜の葛藤を剣舞で払うが、眠れぬまま朝を迎える。猫猫は香油作りや書物の手配をし、後宮での識字率向上に貢献する。鈴麗公主の外出では子猫を拾い、「毛毛」と名付けられる。隊商の訪問や香油の流行の裏で、毒の危険性が浮上し、猫猫は妃たちに警告を発する。静妃の死の真相を探る中、後宮の陰謀が明らかになり、毒茸の存在が浮かび上がる。狩りの最中に壬氏が襲撃され、猫猫と共に滝壺へ逃れる。飛発を用いた犯行の真相を追及し、事件は収束する。最後に、壬氏が猫猫へ「牛黄」を贈り、彼女との関係が深まる。
薬屋のひとりごと 4巻

幼き頃より母の感情に従い、仮面を被るように生きた少女は、成長とともに己の無力を悟る。母の支配から逃れる術はなく、従順さのみが平穏を保つ手段であった。一方、猫猫は後宮での生活を送りながらも、湯殿での労働を通じて新たな知識を得る。幽霊騒動の調査を進める中で、過去の影に潜む秘密を知ることとなる。
後宮では宦官の存在が噂となり、新たな人物が注目を集める。壬氏の関心は猫猫に向けられ、彼の秘密が明らかになりつつあった。やがて猫猫は誘拐され、北方の隠れ里へと連れ去られる。そこで彼女は謀反を企てる一族と対峙し、陰謀の渦中に巻き込まれる。楼蘭妃を中心とする策謀が明かされる中、猫猫は砦の崩壊を目の当たりにし、決定的な転機を迎えた。
壬氏の決断により後宮は新たな秩序を築き、猫猫は再び薬屋へと戻る。楼蘭の消息は不明のまま、彼女の簪が遠い港町で新たな物語を紡ぐ兆しを見せた。
市井編
薬屋のひとりごと 5巻

猫猫は花街で静かな日々を送る中、かつての砦に関する情報や蝗害の兆候を察知する。市で見つけた書物を通じ、飛蝗の記録と砦の研究の関連性を知り、壬氏へ回収を依頼する。壬氏は疲労を抱えながらも、猫猫の助言を受け入れ行動を起こした。
その後、猫猫は盗品の流出を追い、砦から逃れた男と対峙する。男の発言が趙迂の正体に関わることを示唆し、猫猫は疑念を深める。一方、西都へ向かう旅の中で、盗賊との遭遇や里樹妃の立場の変化が描かれる。
西都到着後、猫猫は宴に参加し、里樹妃の異母姉との確執や父卯柳の粗野な振る舞いを目撃する。宴の終盤では獅子が暴走し、里樹妃が危機に陥るが、馬閃が救出に成功。猫猫は壬氏との対話を通じ、彼の複雑な心情を理解しつつ、慎重な距離を保ち続ける。
薬屋のひとりごと 6巻

壬氏は寒い夜、火鉢を囲みながら過去の出来事を回想していた。彼の心を揺さぶった薬屋の娘の言動を思い返し、自己の未熟さを痛感する。一方、西都では猫猫が異母姉の香水により、里樹妃が危険に晒された可能性を考察する。その後、婚姻宴で花嫁が行方不明となり、後に焼け焦げた遺体が発見されるが、猫猫は自殺が偽装であると見抜く。
帰路の旅では新たな出会いがあり、羅半の実家では家族の確執が明らかとなる。猫猫は西方の特使や後宮の陰謀に巻き込まれ、里樹妃の潔白を証明するため奔走するが、彼女は最終的に軟禁される。塔の最上階で危機に陥った里樹妃を救うため、馬閃が身を投げ出し、彼女を救った。最終的に里樹妃は出家を選び、馬閃の行動は高く評価される。壬氏と猫猫の関係は未だ曖昧ながら、新たな展開を予感させる結末となった。
砂欧編
薬屋のひとりごと 7巻

ジャズグルは奴隷として異国へ売られるが、思いがけず美しい主人に迎えられ、言葉を持たない代わりに絵を描くことを許される。猫猫は官女試験を受け、医官付官女として後宮へ。巫女の病を治療するため砂欧からの要請を受け、陰謀に巻き込まれる。巫女は己の存在意義に苦悩し、毒を盛られたかに見えたが、実は自身で命を絶つ決断を下す。猫猫は巫女の死の真相を探り、背後にある権力闘争を知る。壬氏との関係も曖昧なまま続き、猫猫は日常へ戻るが、異国の巫女の死を噛みしめつつ静かに物語は幕を閉じる。
壬氏編
薬屋のひとりごと 8巻

幼い頃から笑顔を絶やさぬよう育てられた娘は、父に特別視されながらも、兄やその子どもたちに虐げられていた。逆境をものともせず、笑顔で挑み続けた娘は、やがて宮廷の女たちが集う伏魔殿へと送り込まれる。
一方、猫猫は碁の教本を手に入れ、姚や燕燕との関係を深める。壬氏は政治的な駆け引きの中、書類仕事を軽減するために馬良を採用し、碁大会を開催することとなる。大会を通じて、変人軍師との対局や隠された意図が浮かび上がる。
壬氏は己の立場を示すため焼き印を押し、皇族の枠を超えた存在であることを証明する。玉葉后は後宮での自身の役割を改めて考え、兄からの野心的な手紙を踏みつけながら、自らの運命を受け入れる覚悟を固める。
薬屋のひとりごと 9巻

壬氏は自ら焼き印を押した傷の処置を猫猫に頼むが、彼女はその行動を非難する。猫猫は医術の向上を決意し、羅門に教えを請う。羅門の指示で「華佗の書」を探すことになり、姚や燕燕と共に書庫を調査する。探索の末、書物の正体は人体解剖図を含む禁書であることが判明する。
一方、壬氏の西都行きが決まり、猫猫も同行を命じられる。道中、船上で毒見や医務を担当し、やぶ医者や雀と交流を深める。亜南では誤解からやぶ医者が火事の犯人と疑われるが、猫猫の機転で無実が証明される。
西都に近づく中、猫猫は壬氏との関係を見つめ直し、彼に対し責任を自覚するよう促す。船は西都へ向かい、彼女はこれから待ち受ける出来事に備えるのであった。
西都編
薬屋のひとりごと 10巻

西都に降り立ったのは、玉葉と同じ赤髪を持つ雅琴である。彼女の来訪は謎に包まれていたが、玉葉は温かく迎え入れる。一方、猫猫は壬氏と共に西都へ赴き、医務の仕事に従事することとなる。農村視察の途中、馬閃や雀と共に盗賊の襲撃に遭遇するが、機転を利かせて撃退。農村では羅半兄が農業指導に尽力し、飛蝗対策の必要性が高まる。
やがて飛蝗の大群が襲来し、猫猫は農村の人々と協力して収穫と駆除に努める。激戦の末、雹が降り、飛蝗の動きを鈍らせたことで被害を抑えることに成功。猫猫はこの経験を経て、西都に戻り、壬氏との関係や風読みの民の伝承について考察する。
玉葉は雅琴との交流を深めつつ、西都の混乱を静観し、御心のままにと鳩を飛ばす。彼女は、自身の立場と未来を見据え、西の地の行く末を思案するのだった。
薬屋のひとりごと 11巻

少年は母から土地を豊かにする知恵を学び、強く生きることを教えられる。西都を守る決意を胸に刻みながら成長する。一方、猫猫は飛蝗の被害が広がる中、玉鶯の孫娘の手術を成功させる。西都では飢饉と社会不安が続き、壬氏は玉鶯の計略を警戒する。変人軍師との将棋対局を通じ、十七年前の西都の事件に関する新たな手がかりが浮かび上がる。
蝗害の第二波が襲来し、食糧問題が深刻化する中、羅半兄が新種の小麦を持ち帰る。陸孫は蝗害対策と石炭採掘の問題に直面し、壬氏は玉鶯の戦争計画を阻止しようと動く。西都の祭祀と兄弟会議が行われ、玉鶯は壬氏の血筋を疑問視し、戦争の正当化を図る。だが、最終的に彼は暗殺され、陸孫が西都を統治する立場となる。
薬屋のひとりごと 12巻

壬氏が疲弊する西都では、玉鶯の死後の後継者問題が混乱を招く。玉鶯の孫・玉隼の横暴が問題視される中、猫猫は本邸へ移動し、彼の家族と関わることを余儀なくされる。やぶ医者や温室の管理を通じて日常を維持するが、玉鶯の遺産問題や異国の王族との関係が浮上し、情勢はさらに複雑化する。
猫猫は盗賊の拠点である町へ連れ去られ、そこで独眼竜と対峙する。盗賊たちを制するため、毒を用いた策略を実行し、鴟梟らの協力を得て危機を脱する。一方、雀は負傷しながらも猫猫を守り抜く。壬氏は西都を統治する計画を練り、鴟梟が象徴的な役割を担うこととなる。
最終的に、猫猫は西都を後にし、壬氏と共に中央へ帰還する。船旅の中で、それぞれの役割と未来について思いを巡らせるが、二人の関係には未だ微妙な距離が残されている。
日常編
薬屋のひとりごと 13巻

壬氏の帰還と事件の発端
羅半と三番は羅漢の借金を返すため奔走しつつ、皇弟の帰還を見届ける。羅半の義妹・猫猫が帰還していたが、すれ違いで会えずに終わる。一方、西都から戻った羅漢は、新たな孤児・俊杰を迎え入れ、同時に執務室で武官の首吊り死体を発見する。羅半と猫猫は死体の調査を進め、事件が偽装殺人であると見抜く。
事件の解決と壬氏の宮廷生活
容疑者の新人官女三人は、被害者・王芳の三股を知り、共謀して彼を殺害していた。羅半は動機の背後にある女性たちの共通点を疑うが、事件は解決する。一方、壬氏は皇帝への帰朝報告を済ませ、宮中の政治動向や自身の立場を再確認する。
猫猫と壬氏の関係
猫猫は緑青館の女華と再会し、王芳の死が女華の玉牌に関係する可能性を指摘する。壬氏は猫猫との関係を深めたいが、猫猫は自ら避妊薬を持参し、壬氏を動揺させる。猫猫は壬氏との距離を取ることを決め、酒を飲みながら今後の行方を思案する。
華佗編
薬屋のひとりごと 14巻

薬屋のひとりごと 15

試験と新たな任務
猫猫は医官試験に合格し、薬の調合に携わることになる。異動後、宮廷最大の薬庫に配属され、投薬実験の補助を行うこととなる。実験では、本物と偽薬の効果を比較し、猫猫は患者の記録を担当することになるが、実験の全容は知らされていない。
帝の病と医療技術の進展
猫猫は、華佗の書の復元に関わり、特に麻酔薬「麻沸散」に注目する。壬氏の指示で、帝の健康問題に関与し、虫垂炎の治療に必要な技術を模索する。翠苓から麻酔の知識を得て、手術準備が進められるが、帝の病状は重く、政治的圧力も絡む。
帝の手術とその影響
手術は成功し、帝は回復に向かう。術後、猫猫は壬氏と共に過ごす時間が増え、二人の関係にも変化が生じる。手術を通じて医療技術の発展が進む一方、帝位継承問題や壬氏の立場にも影響を与えることが示唆される。
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