読んだ本のタイトル
魔法科高校の劣等生(16) 四葉継承編(The Irregular at Magic High School)
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あらすじ・内容
司波兄妹の血縁に驚愕の秘密……ついに達也と深雪の関係に急展開が!?
司波深雪の許へ、四葉本家から一族の有力者が顔を揃える新年の集い『慶春会』の招待状が届く。それが意味するものは、四葉家次期当主の指名。
魔法科高校の劣等生(16) 四葉継承編
――自分が後継者に選ばれれば、兄も日陰者に甘んじなくて済む。
――次期当主の地位にはきっと、それに相応しい『婚約者』が付いてくる。
深雪の心は千々に乱れる。
そして『慶春会』前夜。四葉本家へ出頭した達也たちは、現当主・四葉真夜の口から「深雪は達也の妹ではない」という衝撃的な『嘘』を告げられる。
それは、兄を恋愛対象として意識してもよいという意味であった。はたして深雪は――!
感想
四葉家では、そろそろ候補達から次期四葉家当主を決めるだろうと噂が流れていた。
その次期当主候補、筆頭の深雪は深刻に思い悩む事があった。
次期当主と決定したら直ぐにでも婚約者を決められる。
現在の当主の真夜は、14歳の時に大亜連合の前身の大漢に拉致され。
色々な人体実験の被験者にされた結果。
彼女は生殖能力を無くしてしまっていた。
そんな理由で彼女は現在も独身だった。
そのせいで、次期四葉家当主には早期に結婚して子を成さないといけないと言われている。
だが深雪は、達也以外の男性とそういう関係になる事に嫌悪感を持っていた。
兄妹なのに、兄に恋愛感情を持っている。
それに戸惑い、立場的に別の男性と結婚し子供を作らないといけない。
そんな己の立場に苦しむ深雪だった。
そして年末。
四葉家当主の真夜から慶春の会に呼ばれた深雪。
遂に次期当主候補の中から次期当主を決める時が来た。
招待状が届いた直後に、黒羽貢が達也を呼び出して慶春の会に出るなと言って来た。
だが達也は自身は呼ばれないから行かないと貢の曖昧な言葉に嫌味を言う。
確かに達也の名前は無かったので嘘では無いが、貢の要望の答えにはなってない。
それにイラつきながら貢は深雪に慶春の会に出るなとハッキリと言って来た。
達也が何故と問うても本家に来れたら話してやると言って貢は退散。
現在、四葉の分家当主達が深雪が次期当主と決まると、表舞台に出て欲しくない。
ずっと四葉の暗部として封印していたい達也の立場が強化されるからだった。
分家当主達は、自身達を守護してくれる存在を深夜の子に切望し深夜には彼等の願望を叶える力を有していた。
そしていざ待望していた子が生まれ。
達也の能力を調べたら、世界を滅ぼせる力を持っている事が判明した。
そんな羞恥と恐怖の対象の達也を四葉の奥に封印して世間の目から隠したい。
それが身勝手だと分家当主達は分かってはいるが羞恥心と恐怖心は止められない。
そんな思惑を抱えて分家当主達は深雪が慶春の会に出れないように、色々な工作をするのだが、、
それを側から見ている真夜からしたら無駄な努力以外の何者でもない。
そして達也達は、四葉家からの出向かいの車で四葉本家に行こうとすると、近隣で軟禁されていた前の大戦で改造された人造サイキッカー達が襲って来た。
それを全て撃退して仕切りなおしに家に戻る達也達。
本家の執事達は戸惑ったが、情報が漏れてる事は充分わかっている。
そして、翌日に再度行くとやっぱり襲われた。
ソイツ等を撃退したまでは良かっが、、
車の電子機を破壊されて立ち往生してしまう。
正当防衛とは言え、魔法を使っての戦闘をしたので警察に捕まるのは面白く無い。
そしたら四葉家当主候補の1人、津久葉夕歌が回収して津久葉家の別荘に匿ってくれた。
そこで深雪に明かされる分家当主達の達也への恐れ。
それを承知の上で本家に行こうとする達也達。
いよいよ後が無くなった分家当主達は最大戦力をぶつけて来た。
次期四葉家当主候補の新発田勝成と彼のガーディアン、堤琴鳴と堤奏太が立ち塞がる。
勝成は今すぐ引き返せと言うが、四葉家当主からの呼び出しに応じないわけにはいかないと達也は反論。
それを妨害して立場が悪くなるのは其方だと指摘しても、そんな事は分かっているらしい。
そこで達也はガーディアンのみの対戦にしないかと勝成に提案。
子供の頃から実戦をさせられてた達也の事を知ってる勝成は拒否したが、ガーディアン2人は達也の強さは知識のみで知ってるだけでヤル気充分。
深雪が達也が負けたら帰ると宣言した事で双方納得の上で対戦が始まる。
結果は達也が圧勝。
勝成が途中から横槍を入れて来たが、それすらも跳ね返して達也は勝利する。
遂に全ての妨害を突破して四葉本家へ到着する。
そして、黒羽貢に何故こんな事をしたのかと聞き。
本人から初めて達也の出生の時のゴタゴタを聞くのだが、、
次期当主として深雪が正式に指名された。
さらに婚約者は達也だと真夜は言う。
兄妹なのに婚約者、、
それに動揺する達也と分家当主達。
そして真夜は達也は深夜の息子では無く。
真夜の冷凍保存をした卵子を深夜に代理出産してもらった子だと発表した。
つまり、達也と深雪は従兄妹だと言う。
父親も違う人物であると言うので結婚は可能。
分家当主達からしたら、想定の最悪より悪い状態になった。
そうして大波乱の慶春の会は終わったが、、
達也は真夜に事実を聞く。
魔法師として分解と構成に特化している達也は深雪と達也が兄妹であると分かっていた。
何故に嘘をついてまで真夜は兄妹を夫婦にしたいのだろうか?
それを真夜は達也が世界を破壊する能力を暴走させないためだと言う。
さらに同じ夫婦の卵子と精子から産まれた兄妹だが、妹の深雪は達也の伴侶となるべく遺伝子調整された調整体だと真夜は言う。
そうまでして達也に執着する真夜は大亜連合の前身の大漢に拉致されて身体を壊され、深夜に精神を殺された事に対する負の感情の結晶が達也だと言う。
だが真夜には深夜のように精神干渉魔法は使えない。
だから真夜は自身の願望が双子の深夜を通して達也を形成したと言う。
そんな達也に執着している真夜は達也のために、深雪を超整体にして彼を暴走させないために。
達也を1人にしないために深雪を四葉家当主として、達也を組織的にバックアップさせるようにしたらしいのだが、、
何処までが本当なのか不明。
説明されてる段階でも達也は矛盾点に気が付いており。
今後どう変わって行くのかは不明。
でも、達也周辺の環境は劇的に変わって行く。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
1
授業終了の鐘が鳴り、二〇九六年十二月二十五日の午前中、二学期最後の日が迎えられた。オンライン化された授業では、成績については完全な自己責任であり、進級・卒業が危ぶまれる生徒にのみ保護者に連絡がいく。この日、生徒たちは成績を確認し、様々な反応を見せていた。特に魔法工学科の二年E組の生徒たちも例外ではなく、達也も自身の成績に関心があったが、満足できる結果を確認する。その後、達也は美月と会話を交わし、彼女は達也に成績を尋ねたがったが、自身も答えなければならないと思い、聞くことを避けた。
その日の午後五時半、達也たちはアイネブリーゼという喫茶店で集まり、クリスマスパーティーを開催した。参加者は達也、深雪、エリカ、レオ、美月、幹比古、ほのか、雫の二年生のみで、水波は別のパーティーに参加していた。パーティーは和やかに進み、お喋りが途切れることはなかった。
パーティーが終わりに近づき、ほのかが達也に初詣に行かないかと誘うが、達也は深雪とともに他の用事があるため断る。深雪はそのやり取りを見て、明らかに落ち込んでいた。しかし、エリカは深雪に気を使い、用事が済んだら改めてみんなで出かけようと提案する。深雪はこれに頷き、少し元気づくが、依然として顔色は悪いままだった。
深雪の青ざめた顔色は精神的なショックによるものであり、家に着く頃には回復していた。彼女は達也に休息を勧められ、最初は反発しつつも最終的に受け入れる。彼女が青ざめていたのは、「正月の予定」というキーワードが引き起こした精神的なショックによる。深雪は四葉本家で開かれる元旦の集まり「慶春会」への出席を命じられており、これが大きなプレッシャーとなっていた。彼女は自身が次期当主に指名されることを予感していたが、当主になること自体よりも、当主として求められる結婚が憂鬱だった。深雪は魔法師としての義務を果たすための結婚は受け入れていたが、兄以外の男性との結婚、特に兄に女として愛されないことへの恐れと拒絶感が強かった。部屋で一人、彼女はこの葛藤に苦しみ、兄への禁断の愛を自覚しながらも、それを世間や兄に受け入れられないという現実に絶望していた。
2
冬休み初日、達也はFLT開発第三課へ仕事のために出かけ、深雪は家で留守番をしている。達也が取り組んでいるのは、大規模エネルギー・資源・環境プラントの設計であり、このプロジェクトは「ESCAPES」と名付けられている。彼がこのプロジェクトを始めたのは、沖縄での出来事から一年後の2093年のことである。
仕事中に達也は黒羽貢からの訪問を受け、応接室で面会する。貢は達也に対して、深雪が慶春会への出席を思い止まるよう説得すること、または出席命令の撤回を真夜に進言することを要求する。達也は、深雪の出席が真夜の決定であることを理由にこれを拒否する。
貢は達也に、慶春会で深雪が次期当主として指名される予定であることを伝え、その指名を延期すべきだと考えていることを明かす。その延期の理由として、達也の処遇が挙げられる。貢は達也に対して、彼がFLTの最大株主になることや、特務士官の地位から解放されることなどを提案するが、達也はこれに興味を示さない。
達也は、貢が深雪から彼を遠ざけたい理由を尋ねるが、貢は直接的な回答を避ける。貢は達也が本家へたどり着けたら理由を話すと言い残して去る。
冬休みの初日、深雪は宿題に取り組んでいた時、津久葉夕歌が訪ねてきた。夕歌は四葉の分家である津久葉家の長女で、次期当主候補の一人であり、魔法大学の四年生である。深雪と夕歌の関係は中立的であり、相互不干渉である。
夕歌は、今度の慶春会に深雪と共に行くことを提案する。夕歌の護衛が亡くなったため、護衛がいなくなり、深雪との同行を望む。しかし、夕歌はその理由を明確に説明できないでいる。深雪は夕歌の提案に対して警戒感を抱き、その理由を問いただすが、夕歌は詳細を話せないと答える。
夕歌は、慶春会への同行に何らかのメリットがあることを示唆するが、具体的な内容を明かさない。深雪は夕歌の申し出について兄と相談することを決める。夕歌は深雪の家を去った後、深雪は夕歌の提案の真意を探ろうとするが、夕歌を白状させる手段がないことを悟る。夕歌の訪問は、深雪にとって多くの疑問を残すものだった。
帰宅した達也は、深雪から津久葉夕歌の訪問とその申し出について聞かされ、深く考え込む。夕歌が「言えない」とした理由については、慶春会へ向かう途中で何かが起こることを示唆していると達也は推測する。達也は、この事態が自分たちへの襲撃を意図している可能性が高いと考え、襲撃の目的や標的について考察する。夕歌の提案を受け入れるべきかどうか悩んだ末、達也はその申し出を断ることを決める。夕歌の提案を受け入れることによるデメリットの方が大きいと判断したためだ。
一方、夕歌は達也たちからの返答を受け、一人でその結果について考える。夕歌は、達也が四葉家にとって重要な戦力であるにもかかわらず、なぜ四葉家やその使用人によって低く評価されているのか疑問を抱いている。夕歌は、慶春会で深雪が次期当主に指名されることで、達也が不当に低く評価されている理由が明らかになることを期待している。
深雪は夕歌との電話後、本家に連絡し、12月29日に駅まで迎えを依頼する。これは、慶春会への出席にあたり、予期せぬアクシデントに備えるための措置である。迎えの手配を執事の小原が行い、本家の使用人全員に通達された。一方、新発田勝成は防衛省の職員として働き、父から慶春会に関する重要な話を聞かされる。その内容は、深雪を慶春会に出席させてはならないというものだった。父は、深雪が次期当主に指名されることが早すぎると考えており、その背後には達也の存在が問題であると指摘する。深雪の保護と四葉家の将来を考慮し、達也を中枢から遠ざけるために時間が必要であると理は語る。勝成はこの計画に疑問を感じつつも、被害を最小限に食い止めるための行動を決意する。勝成の役割は、他の分家の足止め作戦が失敗した場合に最後の砦となることである。
十二月二十七日、矢口中尉は国防陸軍松本基地での訓練後、疲れ切ってベッドに横たわっていた。彼が無気力状態に陥ったのは、尊敬する上官が失脚した事件が原因であった。矢口は「対大亜連合強硬派」に属しており、この派閥は酒井大佐を中心に、大亜連合の脅威に対して妥協しない立場を貫いていた。しかし、ある事件で幹部たちが軍事刑務所に収監され、矢口は連座を免れたものの、やる気を失っていた。
ある晩、部屋の隅から聞こえてきた声は、酒井大佐たちを陥れたのは四葉家であると告げた。この声は、四葉家がさらなる暗殺計画を持っているとも伝えた。矢口は、この声が提案する非合法の手段によって、酒井大佐たちを救出する計画に関わることになる。声は、十二月二十九日に四葉家の重要人物が小淵沢駅に到着し、その人物を人質にとることで、酒井大佐の釈放を交渉できると説明した。矢口はこの計画に苦悩しながらも最終的に関与することを決意する。この計画には、松本基地近くの強化サイキックが関わることになり、矢口は正義を正すために非合法な手段を選ぶことになった。
松本基地の矢口中尉と同じ頃、国防軍宇治第二補給基地において、波多江大尉の前にも同じ影が現れた。波多江は対大亜連合宥和派のリーダーであり、精神干渉系魔法による意識操作の被害者として、減俸処分を受けていた。彼は自身の立場が悪化していることに焦りを感じており、影が現れた時は、その立場を悪化させることなく自分の信念を貫こうとしていた。
影は波多江に、基地襲撃の背後に四葉家がいること、そして四葉家が大亜連合と通じた人々を狙っていることを告げた。さらに、波多江自身も四葉家の標的であること、そして彼には名誉ある最期は用意されておらず、売国の徒として汚名に塗れた死が待っていることを伝えた。影は波多江に生き延びて汚名返上の機会を得るよう助言し、そのためには抗うしかないと示唆した。
影は、十二月三十日に小淵沢駅で四葉家の魔法師が新たな任務のために本家と接触する情報を波多江に提供し、その魔法師を暗殺することを示唆した。波多江には古式魔法師の知己がおり、彼らが力となってくれるだろうと伝えた後、影は消えた。
3
十二月二十九日、達也、深雪、水波の三人は本家へ向かうために正午前に自宅を出発した。小淵沢駅で迎えの車に乗り込む際、達也は彼らが見張られている可能性を警戒していた。町を出てすぐに襲撃が発生し、達也は迅速に対処し、深雪と水波を安全な場所へ避難させた。達也は襲撃者と対峙し、身体強化併用型の人造サイキックであることを見抜き、銃器を使わない格闘戦に持ち込んで対処した。襲撃者を撃退した後、警察が到着し、達也は駅へ戻って深雪たちと合流した。小原執事と通話し、深雪は本家への報告を家に帰ってから行うこと、翌日午前十時に再び迎えの車を手配することを伝えた。三人はその日は自宅に戻ることにし、深雪は小原に明日の迎えの手配を確認した後、通話を終了した。
その日の夜、松本基地所属の国防陸軍若手士官が小淵沢で暴力事件に巻き込まれ死亡した。翌朝の新聞は、暴力組織同士の抗争を止めようと介入し、不運にも命を落としたと報じた。
4
十二月三十日、達也は家を出る直前に本家に電話をかけ、迎えの予定変更を要請した。変更は深雪の意向によるものであり、達也は小原執事に迎えの場所と時間を変更させ、これを運転手のみに伝えるよう指示した。この対策は、四葉家内部からの情報漏洩を考慮したものだった。達也は、深雪を本家から引き離すために次期当主指名を遅らせようとする分家の策略を見抜いていた。しかし、その日の運転は、予期せぬ襲撃によって妨害された。達也たちは、EMP爆弾による攻撃で車が使えなくなり、津久葉夕歌の助けで脱出した。夕歌は、深雪を本家に行かせたくない意図があることを示唆し、警察が本家への道だけを封鎖している理由を説明した。
夕歌が達也たちを八ヶ岳の麓にある津久葉家の別荘に連れて行き、そこで深雪たちに本家への同行を提案した。夕歌は、別荘の使用人が持参した紅茶について、気配りの欠如を嘆きながら、深雪たちに対して申し訳なさそうな態度を示した。夕歌と深雪は、四葉家の次期当主指名について話し合い、夕歌は四葉家の一部分家が深雪の次期当主指名を遅らせようとしている理由を説明した。その理由は、達也を四葉家の中枢から引き離し、隔離したいという意図に基づいていた。深雪は、夕歌の話を聞いた後、翌日も夕歌の助けを仰ぐことを決めた。夕食後、深雪は達也の部屋を訪れ、達也に対する自分の忠誠と支持を改めて表明した。
四葉家現当主の四葉真夜は、深雪が連続して妨害を受け、現在は津久葉家の別荘に滞在していることを葉山執事から報告された。真夜は、分家が達也の力を過小評価しているとして、深雪を妨害する行為を無駄だと考え、もし達也が本気になれば、四葉家の結界を簡単に分解してしまうだろうと述べた。葉山執事は、この事態が分家による責任であることを指摘し、また、今回の一件で対大亜連合強硬派残党などの戦力が大きく削がれたと報告した。真夜はこれに対して、人造サイキックのことは最初から気にしておらず、年末の大掃除が終わったかのように発言した。葉山執事は、新発田家の計画について問いかけたが、真夜は達也が新発田勝成を止められないと断言し、達也の勝利を確信していた。
5
十二月三十一日の朝、達也たちは津久葉家の別荘から四葉本家へ向けて出発した。四葉の村へ通じるトンネル入り口手前で雪崩に見舞われたが、達也の指示で雪崩は無事回避された。しかし、達也はこのエリアでの襲撃を予期していたため、一行は警戒を怠らなかった。その後、新発田勝成たちと遭遇し、達也と新発田家のガーディアンたちとの間で決闘が行われた。達也は琴鳴と奏太を相手に優位に立ち、勝成が介入しようとするも達也の機転により阻止された。最終的に、深雪は勝成に対し、四葉家当主の命令を遂行するために本家に入る必要があると主張し、その場を兄に委ねることを提案した。勝成は深雪の提案に戸惑いながらも、最終的には達也との直接対決を避け、琴鳴が達也と戦うことになった。しかし、達也は琴鳴との戦いを避け、勝成の介入もあって、彼らを無事に治療することに注力した。夕歌が運転を再開し、達也たちは目的地へ向かった。
6
達也たちは四葉本家へ到着し、適切な対応を受ける。夕歌と水波はそれぞれの部屋に案内され、達也と深雪は客間に通される。深雪には重要な家族の集まりへの出席が告げられる。達也は、黒羽貢から自身と深雪の生まれにまつわる過去と四葉家の期待を聞かされる。貢は、達也が世界を破壊し得る力を持つが、その力を正しく使うための厳しい訓練を受けてきたこと、そして四葉家内で彼の存在がどのように捉えられているかを明かす。貢は達也に深雪のガーディアンを辞めるよう求めるが、達也は拒否する。貢の話から、達也は四葉家の複雑な内情と自身に対する期待と恐れを理解する。
午後六時五十分、達也と深雪は水波に案内されて奥の食堂へ向かい、文弥、亜夜子、夕歌、そして後から新発田勝成が加わった。達也は自分の立場に疑問を持ちつつも、他の参加者は達也がこの場にいることに疑問を抱いていなかった。実際、達也は他の魔法師たちと同等、あるいはそれ以上の実力を持つと認められていた。
真夜が登場し、食事が始まった後、彼女は次期当主の指名について言及し、文弥と夕歌は深雪を支持することを表明した。勝成も最終的には深雪の支持を表明し、自分と琴鳴の結婚について真夜の支援を求めた。真夜は勝成の願いを受け入れ、深雪を次の当主として正式に指名した。食事の後、真夜は達也と深雪に留まるよう求めた。
全員が退出し、食堂が再セッティングされた後、真夜、達也、深雪の三人だけが残った。飲み物が配られ、使用人も退席した。真夜は深雪に次期当主としてのおめでとうを述べ、達也に対しても大変だったことを慰めた。深雪に次期当主としての結婚相手の自由がないことを再確認させた後、真夜は達也に衝撃的な事実を明かした。達也は真夜の息子であり、深雪は従妹にあたるという。これは達也が真夜の卵子と別の父親から人工授精によって生まれ、深雪の母が代理母となった結果である。
深雪が次期当主として、その婚約者が達也であることが発表された。この事実は深雪を歓喜させ、彼女は涙を流しながら喜びを表現した。真夜は深雪に明日の婚約発表会への準備を促し、水波に深雪の世話を命じた。最後に、真夜は達也を別の場所へと案内し、葉山は達也に対して敬意を示した。
達也が真夜の書斎に連れて行かれたのは、彼がこの部屋に入るのは初めてのことだった。書斎は完全なプライベートスペースであり、ほとんどの機器がネットワークから切り離されているが、一部は接続されていた。達也と真夜の間で、深雪の正体や達也の魔法に関する真実が話し合われる。達也は真夜に対し、深雪が実の妹ではないという以前の話が嘘ではないかと尋ねるが、真夜はそれを否定する。さらに真夜は、深雪が「完全調整体」として達也のために作られたこと、そして達也自身が真夜の願望によってこの世に生まれたという衝撃的な事実を明かす。真夜は達也に対し、深雪との結婚を強く促すが、達也はその論理に困惑する。結局、真夜は達也が深雪を大切にするようにと忠告し、二人の縁は遺伝的なもの以上に強いものだと語る。
達也が部屋に戻ると、深雪はまだ戻っていなかった。風呂から戻って布団が敷いてあるのを見て、達也は入浴後の深雪と会話することになる。深雪は達也と実の兄妹ではないという真夜の発言に動揺していたが、達也はそれを否定し、二人が結婚することについて語る。深雪は達也に対して愛情を表明し、達也も深雪の側にいることを約束する。しかし、達也は深雪を妹としてしか見られないと告げ、深雪はそれを受け入れる。二人は同じ布団で寝ることになり、深雪は達也の腕枕で眠りにつく。
7
二〇九七年元旦、達也と深雪は朝早くから忙しく、和風の着せ替え人形のように扱われることにうんざりしていた。着付けやメイクに時間がかかり、二人は家に帰りたくなるほどだった。その日は、達也、深雪、文弥、亜夜子に新年の挨拶が交わされ、深雪の引き振袖が花嫁衣装のようだと評された。慶春会では、深雪が次期当主として指名され、達也が彼女の婚約者として発表された。真夜は達也を自身の息子として迎えることも発表し、達也と深雪の婚約についても説明した。この発表には多くのどよめきがあり、津久葉冬歌が達也の出自について質問した。真夜は達也が自分の息子であると明かし、彼が深雪と同居することについても言及した。しかし、この発表が亜夜子には堪えたようで、彼女は別室で休むことになった。
亜夜子は振袖を脱ぎ、楽な服に着替えてベッドに横たわっていた。文弥が彼女の部屋を訪れ、亜夜子が病気ではないと主張するも、彼女は泣きそうな顔で笑う。文弥は深雪が達也の近くにいる人だから、達也のことは諦めるしかないと告げるが、亜夜子はそれを否定し、真夜の行動は達也のためだと主張する。文弥には亜夜子の言葉が正しいとは理解できなかった。
達也が真夜の息子であるという発表は、亜夜子の退出により混乱するが、最終的には達也の地位が確立される。達也の新魔法「バリオン・ランス」の披露は、達也が使用人を軽んじる態度を看過する者もいたが、達也はその場を上手く切り抜ける。葉山が達也に敬意を表し、達也は新魔法のデモンストレーションを行う。勝成はその魔法の詳細に興味を示すが、達也は「バリオン・ランス」が「分解」が効かない相手を退けるために作った魔法だと説明する。勝成はそれを理解し、無念を抱えながら席に戻る。
新魔法「バリオン・ランス」の披露が無事に終了した。達也は「中性子バリア」について問題提起されることを懸念していたが、会食の席の雰囲気がそれを防いだ。慶春会は大きな問題もなく終わり、達也は四葉家現当主・四葉真夜の息子としての立場と、深雪の婚約者として正式に認知された。翌日、四葉家は魔法協会を通じて、深雪を次期当主に指名し、達也を真夜の息子として認知し、二人の婚約を公表した。多くの有力魔法師家族から祝電が送られたが、全てのナンバーズから祝辞が送られたわけではなかった。一日後、司波達也と司波深雪の婚約に異議を唱える申立てが日本魔法協会に寄せられた。申立人は十師族・一条家の現当主、一条剛毅であった。
アニメ
PV
OP
ASCA 『Howling』(TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」OPテーマ)八木海莉「Ripe Aster」(アニメ「魔法科高校の劣等生 追憶編」主題歌)ED
佐藤ミキ 「名もない花」「魔法科高校の劣等生」ED同シリーズ
魔法科高校の劣等生
続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー
新魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち
魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く
漫画版
四葉継承編
師族会議編
エスケープ編
その他フィクション
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